JP2006351764A - 磁性素子および磁性素子の製造方法 - Google Patents

磁性素子および磁性素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 直流重畳特性を良好にすることが可能であると共に、低背化の進展および接合強度の向上を図ることが可能な磁性素子および磁性素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】 磁性素子10の構成において、枠状部21で囲まれる中抜き部22を有すると共に、磁性材料から構成される第1のコア部材20と、中抜き部22に配置され、一端部および他端部が中抜き部22の内壁面に対してそれぞれ隙間を有した状態で対向し、磁性材料から構成される第2のコア部材30と、第2のコア部材30の外周に巻回される空芯コイル40と、を具備している。この中で、第2のコア部材30のそれぞれの端部に位置する2つの隙間は、それぞれ磁気ギャップとして機能している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばノート型パーソナルコンピュータ等に用いられる磁性素子および磁性素子の製造方法に関する。
ノート型パーソナルコンピュータ等の各種デジタル機器においては、例えばCPUのクロック周波数の増加により、大電流化が進展している。一方、CPUにおいては、微細化の進展により、低電圧化が進展している。そのため、かかるデジタル機器のノイズ対策として用いられる、フィルタ等の磁性素子も、大電流化/低電圧化に対応させる必要がある。
かかる磁性素子は、大電流を流す場合に対応させて、良好な直流重畳特性を奏する必要がある。また、ノート型パーソナルコンピュータ等においては、薄型化が進展しているため、用いられる磁性素子においても、低背化の要求がある。加えて、実装される基板に対して、接合強度が高いことも要求される。
ここで、上述の大電流化/低電圧化に対応させている、磁性素子の例としては、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているものがある。特許文献1に開示されている磁性素子では、2つのE型コアが接着剤を挟んで突き合わされた構成(いわゆるEE型の磁性素子)が開示されている。この構成では、突き合わせにより形成される中央脚部に、平角線が例えばエッジワイズ巻き等の巻回方法により巻回されている。また、突き合わせ部分に磁気ギャップを設ける構成も開示されている。なお、特許文献1には、いわゆるEE型の磁性素子以外に、EI型、UI型、OI型、EEM型等の各種の磁性素子が開示されている。
また、特許文献2には、CI型(OI型)の磁性素子が開示されている。この特許文献2に開示されている構成においても、中央部分のI型コアに平角線が巻回されている。また、I型コアとO型コアを突き合わせ、これらのうち上面側を覆うようにテープを被せた後に、I型コアとO型コアの隙間の部分に充填材を充填している。
特開2000−269039号公報(要約、段落番号0018、図1他参照) 特開2002−33226号公報(要約、段落番号0024、図1他参照)
ところで、磁性素子において、より大電流で用いられるデジタル機器に対応させるためには、一層直流重畳特性を良好にする必要がある。すなわち、磁性素子に大電流を流した場合でも、インダクタンス値がさほど低下せず、磁性素子として機能することが求められている。また、上述したように、磁性素子においては、低背化の一層の進展および接合強度の一層の向上も求められている。
しかしながら、直流重畳特性を良好にしながら、低背化の一層の進展および接合強度の一層の向上を実現することは難しい。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、直流重畳特性を良好にすることが可能であると共に、低背化の進展および接合強度の向上を図ることが可能な磁性素子および磁性素子の製造方法を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、枠状部で囲まれる中抜き部を有すると共に、磁性材料から構成される第1のコア部材と、中抜き部に配置され、一端部および他端部が中抜き部の内壁面に対してそれぞれ隙間を有した状態で対向し、磁性材料から構成される第2のコア部材と、第2のコア部材の外周に巻回される空芯コイルと、を具備すると共に、2つの隙間は、それぞれ磁気ギャップとして機能するものである。
このように構成した場合には、第2のコア部材のそれぞれの端部は、中抜き部の内壁面に対して隙間を有した状態で配置される。それにより、それぞれの隙間が磁気ギャップとして機能する。かかる配置を採用する場合、直流重畳特性を良好になることが確認された。これは、第2のコア部材の両端における磁気ギャップが存在することが一因となっている、と考えられる。
このように、直流重畳特性を良好にすることにより、磁性素子の大電流化に対応させることが可能となり、大電流を流した場合でも、インダクタンス値が低下する限界値を向上させることが可能となる。また、第1のコア部材の中抜き部に第2のコア部材が配置される構成を採用するため、第1のコア部材に対して第2のコア部材が積み上げられる構成等と比較して、磁性素子の低背化を図ることが可能となる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、枠状部には、該枠状部の他の部分よりも窪んで設けられている窪み部が設けられていると共に、この窪み部には、空芯コイルの端末部が配置されるものである。
このように構成した場合には、空芯コイルの端末部は、窪み部に配置される。この場合、端末部は、窪み部の分だけ外方に突出せずに、突出高さが抑えられる状態となる。それにより、窪み部の分だけ、磁性素子の低背化を図ることが可能となる。
さらに、他の発明は、磁性材料から構成される第2のコア部材の外周に、巻回状態の空芯コイルを配置するコイル巻回工程と、第1のコア部材のうち該第1のコア部材を構成する枠状部で囲まれる中抜き部に、空芯コイルの配置後の第2のコア部材を配置するコア配置工程と、コア配置工程に前後して、中抜き部の内壁面と第2のコア部材との間を仕切ると共にこれらの間に隙間を形成するための仕切り部材を配置する仕切り工程と、コア配置工程および仕切り工程を経過した後に、第1のコア部材と第2のコア部材との間に充填材を充填し、第1のコア部材と第2のコア部材との間の位置決め固定を行う充填工程と、を具備するものである。
このように構成した場合には、コア配置工程では、空芯コイルが外周に巻回された第2のコアが、第1のコア部材の中抜き部に配置される。また、仕切り工程では、かかるコア配置工程に前後させて、中抜き部の内壁面と第2のコア部材との間を仕切り、かつこれらの間に隙間を形成するための仕切り部材が配置される。そして、コア配置工程および仕切り工程を経過した後に、第1のコア部材と第2のコア部材との間に接着剤が充填され、第1のコア部材と第2のコア部材との間の位置決め固定がなされる。それにより、仕切り部材の存在に対応する隙間が、第1のコア部材と第2のコア部材との間に形成される。
このようにすれば、第2のコア部材のそれぞれの端部は、中抜き部の内壁面に対して隙間を有した状態で配置される。そのため、それぞれの隙間が磁気ギャップとして機能する。かかる配置を採用する場合、直流重畳特性を良好になることが確認された。これは、第2のコア部材の両端における磁気ギャップが存在することが一因となっている、と考えられる。
このように、直流重畳特性を良好にすることにより、磁性素子の大電流化に対応させることが可能となり、大電流を流した場合でも、インダクタンス値が低下する限界値を向上させることが可能となる。また、上述の製造方法により形成される磁性素子においては、第1のコア部材の中抜き部に第2のコア部材が配置される構成となる。そのため、第1のコア部材に対して第2のコア部材が積み上げられる構成等と比較して、磁性素子の低背化を図ることが可能となる。
本発明によると、磁性素子において直流重畳特性を良好にすることが可能となる。また、磁性素子において、低背化の進展および接合強度の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る磁性素子について、図1から図5に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る磁性素子10の全体構成を示す底面図である。また、図2は、図1のA−A線に沿って磁性素子10を切断した場合の磁性素子10の側断面図である。
なお、図1においては、磁性素子10のうち、基板に実装される側から見た状態を示している。以下の説明においては、下方側とは、基板に実装される側(窪み部23が設けられている側)を指し、上方側とは、これとは逆側を指す。
図1、図2に示すように、磁性素子10は、第1のコア部材に対応するO型コア20と、第2のコア部材に対応するI型コア30と、空芯コイル40と、を具備している。この磁性素子10は、IO型と呼ばれるタイプの磁性素子である。磁性素子10のうち、O型コア20は、その外観が、リング部分が矩形となるリング形状を為している。なお、以下の説明においては、リング形状を為すO型コア20のうち、磁性材より構成される部分を、枠状部21とする。また、O型コア20のうち、枠状部21で囲まれる空間部分を、中抜き部22とする。
また、本実施の形態における磁性素子10の長手に沿う枠状部21には、窪み部23が形成されている。窪み部23は、O型コア20(枠状部21)の他の部分よりも、所定寸法だけ上方に向かって切り欠かれた(窪んだ)部分である。
また、窪み部23は、枠状部21の幅方向(枠状部21の下面に沿う方向であって、枠状部21の長手方向に垂直な方向;図1におけるY方向)の全体を突っ切るように形成されている。そのため、枠状部21のうち窪み部23が存在する部位は、他の部分よりも厚み寸法が小さく設けられている。しかしながら、窪み部23は、枠状部21の幅方向を突っ切る状態の構成には限られず、後述する端末部42を位置させることが可能であれば、枠状部21のうち中抜き部22寄りの部分のみに設けるようにしても良い。
なお、本実施の形態では、枠状部21の長手方向(X方向)に沿う窪み部23の長さ寸法は、十分に長く設けられている。それにより、後述する空芯コイル40の端末部42を、良好に位置させることが可能となっている。また、窪み部23の深さ寸法は、該窪み部23に端末部42を位置させた場合に、その端末部42が、枠状部21の他の部分よりも僅かに突出する程度に設けられている。
また、O型コア20は、マンガン系のフェライトコア等の磁性材から構成されている。しかしながら、コア20の材質はフェライトコアには限られず、パーマロイ、各種のアモルファス等、他の磁性材であっても良い。
また、I型コア30は、中抜き部22に位置するコア部材である。本実施の形態では、電気的特性および実装面積の要求によって、O型コア20とI型コア30の体積が決定される。また、I型コア30は、中抜き部22への配置に対応した形状を有しており、その外観形状が細長ではなく、幅広に設けられている。しかしながら、中抜き部22が細長の場合には、I型コア30も、かかる細長形状に対応して、細長となる。また、I型コア30の長手方向は、磁性素子10の長手方向(X方向)と一致する状態で配置されている。ここで、I型コア30は、4つの枠状部21のいずれに対しても、直接接触しておらず、また、いずれの枠状部21に対しても若干の隙間Sを有した状態で離間している。また、長手方向の両端における隙間Sは互いに等しくなるように設けられている。また、短手方向の両端における隙間も、互いに等しくなるように設けられている。
なお、I型コア30も、マンガン系のフェライトコア等の磁性材から構成されているが、その他、パーマロイ、各種のアモルファス等の他の磁性材を用いるようにしても良い。また、O型コア20とI型コア30のそれぞれの透磁率は、同一であっても良く、それぞれの透磁率が異なっていても良い。
また、後述するように、短手方向の両端における隙間には、それぞれ空芯コイル40を形成する導体43が入り込む状態となる。そのため、短手方向の両端における隙間は、長手方向の両端における隙間Sよりも幅広となっている。かかる隙間寸法は、種々設定可能であるが、その一例としては、後述するように、中抜き部22の長手方向に沿う長さ寸法を10mmとし、I型コア30の長手方向に沿う長さ寸法を9.5mmとした場合がある。この場合、長手方向の両端における隙間Sの寸法は、それぞれ0.25mmとなっている。
また、I型コア30の外面には、空芯コイル40が配置される。空芯コイル40は、コイル部41と、端末部42とを有していて、これらのうちコイル部41は、扁平状の導体43を所定の巻数だけ巻回することにより形成される。扁平状の導体43としては、所定の厚み寸法を有する金属板を打ち抜くことにより形成されるフープ材(後述する図3参照)があるが、その他に、平角線を折り曲げる等により、空芯コイル40を形成するようにしても良い。
また、端末部42は、基板に対して実装される部分である。なお、本実施の形態では、端末部42が、窪み部23に位置する配置となる。また、2つの端末部42のうち、一方の端末部42の先端は、本実施の形態では、磁性素子10の長手方向(X方向)の一端側に向くように設けられていると共に、他方の端末部42の先端は、磁性素子10の長手方向(X方向)の他端側に向くように設けられている。
ここで、フープ材を用いる場合において、空芯コイル40を形成する前のフープ材(以下、フープ材Hとする。)の展開状態を図3に示す。図3に示すフープ材Hは、折り曲げる前の状態である。この図3に示すように、空芯コイル40の端末部42となる部分は、図3のX方向に対して直交するY方向に向かって延伸している。また、空芯コイル40のうち、I型コア30の上面に位置する部分、およびI型コア30の側面に位置する部分は、図3のX方向に向かって延伸している。さらに、空芯コイル40のうち、I型コア30の下面に位置する部分は、図3に示すX方向に対して、傾斜するように設けられている。
また、O型コア20とI型コア30との間の隙間部分には、接着剤としての樹脂が充填される。この樹脂は、O型コア20に対するI型コア30の位置決め固定を為すものである。
以上のような構成を有する磁性素子10を製造するための製造方法について、以下に説明する。
磁性素子10を製造する場合、空芯コイル40の作成を事前に行う。空芯コイル40を作成する場合、図3に示すフープ材Hを、例えばプレス加工等により、所定の巻数だけ巻回された状態としておく。
そして、形成された空芯コイル40の空芯部分に、I型コア30を挿入する。このとき、I型コア30に対する空芯コイル40の長手方向の位置を適宜となるように調整する。続いて、O型コア20の中抜き部22に、仕切り部材50(治具に対応)を配置する。仕切り部材50は、図4に示すように、中抜き部22のうち、磁性素子10の長手方向の一端側および他端側にそれぞれ位置するように配置される。この配置においては、仕切り部材50は、中抜き部22の内壁面22aに当接する状態で配置される。
なお、図4に示すように、仕切り部材50は、隙間Sに対応する厚み寸法tを有している。
かかる仕切り部材50の設置後に、2つの仕切り部材50の間に挟まれる態様で、I型コア30を中抜き部22に設置する。このとき、I型コア30は、空芯コイル40の端末部42が窪み部23に位置する状態で、設置される。
なお、本実施の形態では、I型コア30を中抜き部22に設置する場合、空芯コイル40の短手方向に位置する外周部分が、中抜き部22の短手方向の内壁面に接触する状態となる。しかしながら、空芯コイル40の短手方向に位置する外周部分と、中抜き部22の短手方向の内壁面との間に、若干の隙間が存在する状態で、I型コア30を配置するようにしても良い。また、上述のように、最初に仕切り部材50を設置するのではなく、中抜き部22にI型コア30を設置した後に、I型コア30の長手方向の両端に存在する側面と中抜き部22の内壁面22aとの間に、仕切り部材50を設置するようにしても良い。
かかる仕切り部材50によるI型コア30の位置決めが為されている状態において、O型コア20とI型コア30の間における取付固定を行うべく、これらの間の表面または隙間部分に樹脂を充填する。この場合、端末部42のうち下方側の端面には、樹脂が付着しないようにして、基板に対して端末部42が良好に実装されるようにする。そして、樹脂が硬化した後に、磁性素子10が完成し、基板等への磁性素子10の実装が可能となる。
以上のような構成を有する磁性素子10の直流重畳特性に関する実験結果について、図5に示す。この図5においては、インダクタンス値を縦軸(単位;nH)、電流値を横軸(単位;A)としている。また、この実験結果においては、空芯コイル40を構成する導体の巻数n=2.75となっている。さらに、磁性素子10の全長は、14mmであり、中抜き部22の長手方向の長さ寸法は、10mmとなっている。
ここで、図5に示す直流重畳特性のグラフに示される各磁性素子のうち、本実施の形態に係る磁性素子10の特性は、実線(図5における引き出し線Aが付された線)で示されており、このときのI型コア30の長手方向の寸法長さは9.5mmである。また、図5には、磁性素子10との比較のために、I型コア30の一端側を中抜き部22の内壁面22aに直接接触させた状態のIO型の磁性素子の特性も示されている。かかるIO型の磁性素子のうち、I型コア30の長さ寸法が9mmの磁性素子の特性は、破線(図5における引き出し線Bが付された線)で示されている。また、I型コア30の長さ寸法が9.3mmの磁性素子の特性は、一点鎖線(図5における引き出し線Cが付された線)で示されている。さらに、I型コア30の長さ寸法が9.5mmの磁性素子の特性は、二点鎖線(図5における引き出し線Dが付された線)で示されている。
図5に示すように、I型コア30の長手方向の両端側のそれぞれに隙間Sを配置した本実施の形態に係る磁性素子10では、中抜き部22の内壁面22aにI型コア30の一端側を直接接触させた磁性素子よりも、直流重畳特性が優れた状態となっている。すなわち、引き出し線Aが付された磁性素子10の直流重畳特性は、引き出し線B〜Dが付された磁性素子の直流重畳特性と比較して、電流値が上昇しても、インダクタンス値が低下し難くなっている。特に、本実施の形態における磁性素子10は、電流値が35(A)であっても、磁性素子として良好な機能を奏するのに対して、引き出し線B〜Dが付された特性を奏する磁性素子は、電流値が35(A)である場合、インダクタンス値が大幅に低下しており、磁性素子としての機能が果たせない状態となっている。
このような構成の磁性素子10によれば、I型コア30のそれぞれの端部が、中抜き部22の内壁面22aに対して隙間Sを有した状態で配置される。そのため、それぞれの隙間Sが磁路に対する磁気ギャップとして機能する。そして、本実施の形態の磁性素子10によれば、磁性素子の直流重畳特性を良好にすることが可能となることが確認されている。
このように、直流重畳特性を良好にすることにより、磁性素子10の大電流化に対応させることが可能となり、大電流を流した場合でも、インダクタンス値が低下する限界値を向上させることが可能となる。また、O型コア20の中抜き部22にI型コア30が配置される構成のため、コア同士の積み上げ等がなく、その分だけ磁性素子10の低背化を図ることが可能となる。
また、枠状部21には、窪み部23が設けられていて、この窪み部23には、空芯コイル40の端末部42が配置される。それにより、端末部42の下方側への突出を抑えることが可能となる。このため、磁性素子10の突出高さを抑えることが可能となり、該磁性素子10の低背化を図ることが可能となる。また、枠状部21よりも、端末部42の方が僅かに突出する構成のため、磁性素子10を基板に対して確実に実装させることが可能となる。
また、仕切り部材50を中抜き部22に配置するだけで、I型コア30とO型コア20の間の位置決めを簡単に行える。そして、かかる位置決め固定が為される状態で、I型コア30とO型コア20との間に樹脂等の接着剤を充填することにより、これらの間の位置決め固定を簡単に行うことが可能となる。すなわち、I型コア30の両端側に隙間Sが配置される磁性素子10を、簡単に製造することが可能となる。
また、本実施の形態の磁性素子10では、空芯コイル40が、磁性素子10の短手方向における位置決めを行うと共に、端末部42が厚み方向(高さ方向)に対する位置決めを行っている。このため、磁性素子10を一層簡単に製造することが可能となっている。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、第1のコア部材として、単一のO型コア20を用いた場合について説明している。しかしながら、第1のコア部材としては、例えば、2つのコアの突き合わせにより、O型コアを形成するようにしても良い。また、O型コア以外に、例えばリング型コアを第1のコア部材として用いるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、I型コア20の長手方向の両端側に、仕切り部材50を配置し、隙間Sを形成/管理する構成を採用している。しかしながら、I型コア20の長手方向のみならず、I型コア20の短手方向の両端側に仕切り部材50を配置し、該短手方向の両端側に隙間を形成/配置する構成を採用しても良い。
また、上述の実施の形態では、充填材として樹脂を用いた場合について説明している。しかしながら、充填材は樹脂には限られない。樹脂以外のものとしては、例えばアルミニウム粉末等の非磁性の金属材料を充填材として用いるようにしても良い。
また、上述の実施の形態における磁性素子10以外に、例えば、トランス等の別途の電子部材においても、上述の構成を採用しても良い。
本発明の磁性素子は、電気機器の分野において利用することができる。
本発明の一実施の形態に係る磁性素子の外観形状を示す底面図であり、磁性素子の下面側から見た状態を示す図である。 図1の磁性素子において、A−A線に沿って磁性素子を切断した場合の磁性素子の構成を示す側断面図である。 図1の磁性素子に係り、空芯コイルを構成するフープ材の展開状態を示す図である。 図1の磁性素子を製造するために、中抜き部に仕切り部材を配置した状態を示す図である。 図1の磁性素子の直流重畳特性と、I型コアの一端側を中抜き部の内壁面に直接接触させた構成の磁性素子の直流重畳特性との実験結果を示す図である。
符号の説明
10…磁性素子
20…O型コア(第1のコア部材に対応)
21…枠状部
22…中抜き部
23…窪み部
30…I型コア(第2のコア部材に対応)
40…空芯コイル
41…コイル部
42…端末部
50…仕切り部材

Claims (3)

  1. 枠状部で囲まれる中抜き部を有すると共に、磁性材料から構成される第1のコア部材と、
    上記中抜き部に配置され、一端部および他端部が上記中抜き部の内壁面に対してそれぞれ隙間を有した状態で対向すると共に、磁性材料から構成される第2のコア部材と、
    上記第2のコア部材の外周に巻回される空芯コイルと、
    を具備すると共に、
    2つの上記隙間は、それぞれ磁気ギャップとして機能する、
    ことを特徴とする磁性素子。
  2. 前記枠状部には、該枠状部の他の部分よりも窪んで設けられている窪み部が設けられていると共に、この窪み部には、前記空芯コイルの端末部が配置されることを特徴とする請求項1記載の磁性素子。
  3. 磁性材料から構成される第2のコア部材の外周に、巻回状態の空芯コイルを配置するコイル巻回工程と、
    第1のコア部材のうち該第1のコア部材を構成する枠状部で囲まれる中抜き部に、上記空芯コイルの配置後の上記第2のコア部材を配置するコア配置工程と、
    上記コア配置工程に前後して、上記中抜き部の内壁面と上記第2のコア部材との間を仕切ると共にこれらの間に隙間を形成するための仕切り部材を配置する仕切り工程と、
    上記コア配置工程および上記仕切り工程を経過した後に、上記第1のコア部材と上記第2のコア部材との間に充填材を充填し、上記第1のコア部材と上記第2のコア部材との間の位置決め固定を行う充填工程と、
    を具備することを特徴とする磁性素子の製造方法。
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