JP2006350069A - ラミネート機能付き印字出力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成でありながら、ラミネート専用機と同程度の高品質のラミネート紙を得ることのできるラミネート機能付き印字出力装置を提供する。
【解決手段】 プリンタ1は、定着ローラユニット108を備え、この定着ローラユニット108で用紙P上の未定着トナーを熱定着させる印字処理モードと、定着ローラユニット108で用紙Pに透明フィルムを溶着させるラミネート処理モードとの両モード間で前記定着ローラユニット108の切り替え使用が可能であり、前記ラミネート処理モードでは、前記定着ローラユニット108の上流側を前記透明フィルムが重ねられた用紙P’を供給する装置本体側入口に臨ませるとともに、その下流側を前記透明フィルムの溶着された用紙P’’を排出する排紙トレイ110に臨ませるように、前記定着ローラユニット108のユニット本体2を回転可能としている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ラミネート機能付き印字出力装置に関するものであって、例えば身分証明書、カード等のようなシート状印刷物にラミネート処理を施す場合に好適である。
従来、身分証明書、カード等のようなシート状印刷物の防水、或いは汚れや傷付きの防止等を目的として、そのシート状印刷物に透明フィルムを溶着させる所謂ラミネート処理を施すラミネート専用機が知られていた。
しかしながら、かかるラミネート専用機は高価であるため、家庭用、個人用には殆ど普及しておらず、したがって、家庭的、個人的にラミネート処理を手軽に行うことはできなかった。
そこで、ラミネート機能を複写機等に持たせて、家庭的、個人的にラミネート処理を手軽に行える、ラミネート機能付きの複写機等が提案されている。例えば特許文献3のように、複写機の用紙搬送路を使用して、給紙部からの給紙を行い、この給紙用紙に対して感光体ドラムを通過させた後、定着部で透明フィルムを溶着させるものや、特許文献1,2のように、通常の複写機の排出部からの駆動を逆転させることで、給紙用紙に透明フィルムを溶着させるものが提案されている。
特開昭63−4936号公報 特開昭63−6585号公報 特開平9−171278号公報
上記従来技術では、複写機等の定着部を、通常の印字処理モードと、ラミネート処理モードとの両モード間で兼用させた簡単な構成となるものの、用紙印字と同じように給紙部から感光体ドラムを経て定着部へ送る場合には、透明フィルムを重ねた厚肉の給紙用紙による感光体ドラムの損傷や、トナー汚れ等が発生するおそれがあり、また、排出部から逆挿入する場合も、同様であった。その結果、いずれの場合も、ラミネート専用機と比べて低品質のラミネート紙(給紙用紙に透明フィルムを溶着したもの)しか得ることができなかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成でありながら、ラミネート専用機と同程度の高品質のラミネート紙を得ることのできるラミネート機能付き印字出力装置を提供することである。
本発明は、定着装置を備え、この定着装置で用紙上の未定着トナーを熱定着させる印字処理モードと、前記定着装置で用紙に透明フィルムを溶着させるラミネート処理モードとの両モード間で前記定着装置の切り替え使用が可能なラミネート機能付き印字出力装置であって、前記ラミネート処理モードでは、前記定着装置の上流側を前記透明フィルムが重ねられた用紙を供給する装置本体側入口に臨ませるとともに、その下流側を前記透明フィルムの溶着された用紙を排出する排紙トレイに臨ませるように、前記定着装置の向きを変更可能としたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明のように、前記定着装置の向きの変更を検知する第1センサを備え、この第1センサの検知信号に基づいて前記両モード間での切り替えを行うように構成してもよい。
請求項3記載の発明のように、前記定着装置の向きを変更させた状態で、前記装置本体側入口から前記排紙トレイまでの直線状の搬送路が形成されるように構成してもよい。
請求項4記載の発明のように、前記透明フィルムの溶着された用紙を前記排紙トレイに搬出するための排紙ローラを備え、前記定着装置の向きを変更させた状態で、前記搬送路中に前記排紙ローラが露出するように構成してもよい。
請求項5記載の発明のように、前記定着装置は、前記搬送路を挟んで1対の加圧ローラと加熱ローラとを対向配置し、前記定着装置の向きの変更に応じて、前記搬送路とともに前記加圧ローラを前記加熱ローラ回りに回転させるように構成してもよい。
請求項6記載の発明のように、前記加熱ローラ回りに前記加圧ローラを回転させた時に、両ローラ間の隙間が増大するように構成してもよい。
請求項7記載の発明のように、前記定着装置の向きの変更に応じて、前記加熱ローラの加熱温度をラミネート処理に応じた温度に変更するとともに、前記加熱ローラと加圧ローラとによる用紙の搬送速度をラミネート処理に応じた搬送速度に変更するように構成してもよい。
請求項8記載の発明のように、前記定着装置の向きを変更させる間に、外部から入力された印字データを保存するメモリを備え、前記定着装置の向きをもとに戻した時に、前記メモリに保存した印字データを用いて印字処理を行うように構成してもよい。
請求項9記載の発明のように、印字処理モード時に印字処理を開始させるスタートキーを備え、ラミネート処理モード時のスタートキーとして、前記印字処理モード時のスタートキーを兼用してもよい。
請求項10記載の発明のように、前記搬送路は、上流側に向かって拡開しており、この拡開部分に前記透明フィルムが重ねられた用紙を案内する凹部を設けてもよい。
請求項11記載の発明のように、前記凹部を、複数の用紙サイズに対応可能な階段状に形成してもよい。
請求項12記載の発明のように、印字処理モード時に熱定着された用紙を検知する第2センサを備え、ラミネート処理モード時に前記透明フィルムの溶着された用紙を検知するセンサとして、前記第2センサを兼用してもよい。
請求項13記載の発明のように、前記第2センサが、ラミネート処理モード時に前記透明フィルムの溶着された用紙を検知することにより、前記定着装置を停止させるように構成してもよい。
本発明によれば、前記ラミネート処理モードでは、前記定着装置の上流側を前記透明フィルムが重ねられた用紙を供給する装置本体側入口に臨ませるとともに、その下流側を前記透明フィルムの溶着された用紙を排出する排紙トレイに臨ませるように、前記定着装置の向きを変更可能とされたので、この定着装置の向きを変更することで、印字処理モード時の通常の搬送路とは切り離した別個の搬送路が形成され、かかる別個の搬送路内に前記透明フィルムが重ねられた厚肉の用紙を通過させることによって、前記通常の搬送路中にある感光体ドラムの損傷や、トナー汚れ等が発生するおそれがなくなる。その結果、定着装置を両モードで兼用させた簡単な構成でありながらも、ラミネート専用機と同程度の高品質のラミネート紙(給紙用紙に透明フィルムを溶着したもの)を得ることができるようになる。
請求項2記載の発明によれば、前記定着装置の向きの変更を検知する第1センサを備え、この第1センサの検知信号に基づいて前記両モード間での切り替えが行われるので、モード切り替えスイッチが不要となり、構成がさらに簡単化される。
ところで、透明フィルムが重ねられた用紙は当該透明フィルムの溶着後も通常の用紙に比べて厚肉となるので、その搬送路が屈曲されていると、その用紙に無理な力が加わり用紙が折れ曲がり、或いは、その用紙に溶着された透明フィルムが剥がれる等によるラミネート紙の品質低下が懸念される。そこで、請求項3記載の発明によれば、前記定着装置の向きを変更させた状態で、前記装置本体側入口から前記排紙トレイまでの直線状の搬送路が形成されるので、ラミネート紙が搬送路中に屈曲されることがなくなり、その搬送路中でのラミネート紙の折れ曲がり、或いは、ラミネート紙の用紙に溶着された透明フィルムが剥がれる等のおそれがなくなる結果、より高品質のラミネート紙が得られるようになる。
請求項4記載の発明によれば、前記透明フィルムの溶着された用紙を前記排紙トレイに搬出するための排紙ローラを備え、前記定着装置の向きを変更させた状態で、前記搬送路中に前記排紙ローラが露出されるようになるので、ラミネート処理モード時には排紙ローラでラミネート紙を確実に排紙トレイに排出する一方、印字処理モード時にはその排紙ローラが退避状態となり、印字用紙の搬送を邪魔しない。
請求項5記載の発明によれば、前記定着装置は、前記搬送路を挟んで1対の加圧ローラと加熱ローラとを対向配置し、前記定着装置の向きの変更に応じて、前記搬送路とともに前記加圧ローラが前記加熱ローラ回りに回転されるので、熱源としてのヒータを内蔵し、その電線等が接続されたことにより、回転させ難い加熱ローラは回転させる必要がなくなり、より簡単な装置構成となる。
また、透明フィルムが重ねられた用紙は、通常の印字用紙に比べて厚くなっているので、通常印字での定着圧では強すぎる。そこで、請求項6記載の発明によれば、前記加熱ローラ回りの前記加圧ローラを回転させた時に、両ローラ間の隙間が増大するので、ラミネート処理時には透明フィルムが重ねられた用紙に対して好適な定着圧が得られるようになる。
請求項7記載の発明によれば、前記定着装置の向きの変更に応じて、前記加熱ローラの加熱温度がラミネート処理に応じた温度に変更されるとともに、前記加熱ローラと加圧ローラとによる用紙の搬送速度がラミネート処理に応じた搬送速度に変更されるので、定着装置の向きを変更するだけで、自動的に当該モードに応じた諸条件が設定されるようになり、その結果、モード切り替え時のわずらわしい操作がなくなる。
また、例えばファクシミリでは、その印字装置でラミネート処理中に外部から印字データが送られてくることがある。そこで、請求項8記載の発明によれば、前記定着装置の向きを変更させる間に、外部から入力された印字データを保存するメモリが備えられ、前記定着装置の向きをもとに戻した時に、前記メモリに保存した印字データを用いて印字処理が行われるので、印字処理の漏れがなくなり、印字処理の効率が向上する。
請求項9記載の発明によれば、印字処理モード時に印字処理を開始させるスタートキーが備えられ、ラミネート処理モード時のスタートキーとして、前記印字処理モード時のスタートキーが兼用されるので、別個のスタートキーが不要となり、装置構成が簡単化される。
請求項10記載の発明によれば、前記搬送路は、上流側に向かって拡開しており、この拡開部分に当該透明フィルムが重ねられた用紙を案内する凹部が設けられたので、透明フィルムを重ねた状態の用紙挿入の基準指示や斜め挿入を防止でき、その用紙にシワ等を発生させることがなくなり、高品質のラミネート紙が得られるようになる。なお、印字処理モード時には、前記凹部が用紙と接触しなくなり、そのトナー汚れが防止される。
請求項11記載の発明によれば、前記凹部が、複数の用紙サイズに対応可能な階段状に形成されたので、用紙サイズに応じて適正に挿入可能なガイドが簡単な構成が得られる。
請求項12記載の発明によれば、印字処理モード時に熱定着された用紙を検知する第2センサが備えられ、ラミネート処理モード時に前記透明フィルムの溶着された用紙を検知するセンサとして、前記第2センサが兼用されるので、装置構成が簡単化される。
請求項13記載の発明によれば、前記第2センサが、ラミネート処理モード時に前記透明フィルムの溶着された用紙を検知することにより、前記定着装置が停止されるので、定着装置を確実に停止させることができる。
図1は本発明の一実施形態に係るプリンタの概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、このプリンタ(印字出力装置の一例)1は、箱状のプリンタ本体101(装置本体)内において、帯電装置102で図中のA方向に回転する感光体ドラム103の周面が一様に帯電され、外部から入力された印字データに基づくレーザ光BがLSU等の露光部104によってその感光体ドラム103の周面に照射されて静電潜像が形成され、感光体ドラム103の周面に形成された静電潜像に現像装置105からトナーが供給されることによってその感光体ドラム103の周面にトナー像が形成されるようになっている。
一方、用紙Pが給紙装置200から感光体ドラム103に向けて搬送路300で搬送され、転写ローラ106により感光体ドラム103表面のトナー像が用紙Pの表面に転写されるようになっている。転写後の感光体ドラム103に残留したトナーは、クリーニング装置107によって除去され、その後の感光体ドラム103の残留電荷は除電装置(図略)によって除去されるようになっている。
そして、転写ローラ106で感光体ドラム103からの未定着トナー像が転写された用紙Pは定着ローラユニット(定着装置)108に搬送され、ここでトナー像が定着された用紙Pは、そのまま(或いは、図略のスイッチバック部で反転されて両面プリントされた後に)、排出ローラ対109により排紙トレイ110に排出されるようになっている。上記帯電装置102、感光体ドラム103、露光部104、現像装置105、転写ローラ106、クリーニング装置107等で印字処理部100が構成される。
給紙装置200は、プリンタ本体101の下部に着脱自在に挿入され、リフト板211上に複数の用紙Pを積層させた状態で収納できる給紙カセット210と、この給紙カセット210から用紙Pを取り出すためのピックアップローラ212を備えている。
搬送路300は、給紙カセット210からピックアップローラ212で取り出された用紙Pを、搬送ローラ対213と、レジストローラ対214とを介して、感光体ドラム103に送り出す第1搬送路301と、この感光体ドラム103から定着ローラユニット108に向けて送り出す第2搬送路302と、この定着ローラユニット108から排出ローラ対109又は111に向けて送り出す第3搬送路303とを備えている。
図2は定着ローラユニットまわりの拡大図であって、そのユニット本体の回転前の状態を示すものである。図2に示すように、定着ローラユニット108は、主としてプリンタ本体101内に回転自在に取り付けられたユニット本体2と、このユニット本体2の回転中心に配置された加熱ローラ3と、この加熱ローラ3を中心として後述する搬送路22とともに回転する加圧ローラ4とを備えてなっている。なお、加熱ローラ3回りに加圧ローラ4を回転させることとしたのは、熱源としてのヒータ(図略)を内蔵しており、その電線等が接続されたことにより、回転させ難い加熱ローラ3は回転させずに済むようにして、構成を簡単化するためである。
ユニット本体2は、図2の紙面に対して直交する方向に延びる円柱体において、その左右両端がプリンタ本体101の左右両側壁から突出しないようにカットされた形状をなしている。したがって、ユニット本体2の外周は、プリンタ本体101の左側壁と平行な第1側面(平面)2aと、プリンタ本体101の右側壁と平行な第2側面(平面)2bと、第1,2平面2a,2bの上端同士を連結する第3側面(曲面)2cと、第1,第2側面2a,2bの下端同士を連絡する第4側面(曲面)2dとからなっている。2eは第2側面2bの下端に設けられた段部である。
なお、第1側面2aは、第3側面2cの下端及び第4側面2dの上端から若干張り出した位置まで突出させている。この突出により、後述する第1センサ5の接触子が第1側面2aに乗り上げてユニット本体2の回転を検知できるようになっている。また、図2においては、第1側面2aはプリンタ本体101の左側壁に設けられた第1開口(装置本体側入口)101dに臨んでおり、第2側面2bはプリンタ本体101の右側壁に設けられた第2開口101eに臨んでいる。したがって、両開口101d,101eは、ユニット本体2で閉塞された状態となっている。
ユニット本体2は、前記円柱体の中心にある水平軸21回りに回転自在に軸支されており、この水平軸21から第1側面2a側に若干偏心させた位置に、第4側面2dから第3側面2cまで貫通するような所定幅の搬送路22が設けられている。この搬送路22は、上流側に向かって拡開しており、この拡開部分に後述するフィルム等入口30が設けられている。
ユニット本体2の第1側面2a寄りの部分23には、加圧ローラ4を収容するための凹部が形成されており、この凹部内に加圧ローラ4が水平軸24回りに回転自在に軸支されている。また、ユニット本体2の第2側面2b寄りの部分25には加熱ローラ3を収容するための凹部が形成されており、この凹部内に加熱ローラ3が前記水平軸21回りに回転自在に軸支されている。
ユニット本体2の第3側面2cに開口する搬送路22の下流側には、1対の排紙ローラ6,7と、第2センサ8とが配設されている。その一方の排紙ローラ6は、ユニット本体2の第1側面2a寄りの部分23に回転自在に取り付けられているが、他方の排紙ローラ7は、ユニット本体2の第2側面2b寄りの部分25に回転自在で、かつ、搬送路22に対して出没自在に取り付けられている。このため、排紙ローラ7は、前記部分25の上部に形成された凹部に嵌脱自在に嵌合される取り付け部材10に回転自在に取り付けられている。
この取り付け部材10内にはコイルスプリング9が圧縮状態で装着されている。また、取り付け部材10の一部がプリンタ本体101の上部仕切り壁側に若干突出しており、ユニット本体2が図2中のC方向へ回転する前の状態では、この突出部分10aが、前記仕切り壁に形成された突起部101aと当接するようになっている。
その当接状態では、前記取り付け部材10がコイルスプリング9の弾性復帰力に抗して図2中の右側に押圧されており、排紙ローラ7が搬送路22に露出しないようになっている。なお、第2センサ8は、例えば揺動式の接触子を備えた接触センサで構成されており、この第2センサ8は、その接触子が熱定着された用紙Pに接触して揺動したときに、用紙Pの検知信号を発するようになっている。
プリンタ本体101の上部仕切り壁における前記突起部101aの左側には、第1センサ5が配設されている。この第1センサ5は例えば出没式の接触子を備えた接触センサで構成されており、この第1センサ5は、その接触子がユニット本体2の第1側面2aに乗り上げたときに、ユニット本体2の回転検知信号を発するようになっている。
なお、図2中の304,305は案内板であって、これらの案内板304,305により用紙Pが排出ローラ対109又は111に案内されるようになっている。
図3は定着ローラユニットまわりの拡大図であって、その加圧ローラの支持機構を示すものである。前述したように、加圧ローラ4は、加熱ローラ3を中心として搬送路22とともに回転するのであるが、その回転軌跡4bに沿った円弧状の案内溝101bと、その周りのリブ101cとをプリント本体101側に形成している。かかる回転軌跡4bは、回転中心と同心の回転軌跡4aではなく、その回転角度が増大するにつれて、回転中心である水平軸21から徐々に離間する螺旋状のものである。これにより、水平軸24が案内溝101b内で案内される間に、加圧ローラ4と加熱ローラ3との隙間が若干増大するようになるから、定着ローラユニット108において、通常の用紙に比べて透明フィルムを溶着した厚肉の用紙P’(図4参照)に対する好適な定着圧が得られるようになる。
図4は定着ローラユニットまわりの拡大図であって、そのユニット本体の回転後の状態を示すものである。この場合には、第4側面2dが前記プリンタ本体101の左側壁に設けられた第1開口101dに臨んでおり、第3側面2cが前記プリンタ本体101の右側壁に設けられた第2開口101eに臨んでいる。この第4側面2dには搬送路22の上流側が開口しており、第3側面2cには搬送路22の下流側が開口している。したがって、両開口101d,101eを通じて、プリンタ本体101のフィルム等入口30から排紙トレイ110までの直線状の搬送路22が形成されることになる。
これにより、透明フィルムが重ねられた用紙P’がフィルム等入口30から挿入されて加圧ローラ4と加熱ローラ3とによりラミネート処理が施された後には、その透明フィルムが溶着された用紙(ラミネート紙)P’’が搬送路22中で屈曲されることがなくなり、その搬送中のラミネート紙P’’の折れ曲がり、或いは、その用紙に溶着された透明フィルムの剥がれ等のおそれがなくなる。
図5は、フィルム等入口30の断面図である。図5に示すように、このフィルム等入口30には、透明フィルムが重ねられた用紙P’を案内する2段の凹部31,32が設けられており、これにより2種類の用紙サイズに対応可能となっている。すなわち、図5中の凹部31は例えばA4の用紙幅(P1)に対応しており、凹部32は例えばA3の用紙幅(P2)に対応している。なお、凹部の段数は使用状況に応じて任意に設定される。
図6は定着ローラユニット108まわりの制御ブロック図である。同図に示すように、制御部500は、モード切り替え判断部501、ヒータ温度変更部502、搬送速度変更部503、スタートキー切り替え部504及び第2センサ切り替え部505を備え、メモリ506、スタートキー507、第1センサ5、第2センサ8、定着ローラユニット108、排出ローラ対109、印字処理部100及び給紙装置200に電気的に接続されている。
このモード切り替え判断部501は、定着ローラユニット108で用紙P上の未定着トナーを熱定着させる印字処理モードと、定着ローラユニット108で用紙Pに透明フィルムを溶着させるラミネート処理モードとの両モード間でユニット本体2の回転の有無を判断するものである。具体的には、第1センサ5がユニット本体2の回転を検知したときに発する信号に基づいて、両モードのいずれが選択されたかを判断するようになっている。
なお、このラミネート処理モードにおいて定着ローラユニット108で透明フィルムを溶着させる用紙Pは、必ずしも本プリンタ1での印字処理モードにおいて定着ローラユニット108で未定着トナーの熱定着を行った用紙Pでなくてもよく、例えば他のプリンタで熱定着等を行ったものであってもよい。
ヒータ温度変更部502は、前記モード切り替え判断部501が、印字処理モードであると判断したときには、加熱ローラ3の加熱温度をその印字処理に好適な温度(定着温度)に設定し、ラミネート処理モードであると判断したときには、加熱ローラ3の加熱温度をラミネート処理に好適な温度(定着温度よりも若干低い温度)に設定するものである。
搬送速度変更部503は、前記モード切り替え判断部501が、印字処理モードであると判断したときには、加熱ローラ3と加圧ローラ4とによる用紙Pの搬送速度をその印字処理に好適な搬送速度(定着時の搬送速度)に設定し、ラミネート処理モードであると判断したときには、加熱ローラ3と加圧ローラ4とによるラミネート紙P’’の搬送速度をラミネート処理に好適な搬送速度(定着時の搬送速度よりも若干遅い搬送速度)に設定するものである。
スタートキー切り替え部504は、印字処理モード時に印字処理を開始させるスタートキー507を、ラミネート処理モード時のスタートキーとして使用できるように、スタートキーの操作モードを切り替えるものである。
第2センサ切り替え部505は、印字処理モード時に熱定着された用紙Pを検知する第2センサ8を、ラミネート処理モード時にラミネート紙P’’を検知するセンサとして使用できるように、第2センサ8の動作モードを切り替えるものである。
なお、前記各部501〜505は、例えば制御部500のROM(図略)に記憶され、電源投入時にCPU(図略)に読み込まれて実行されるプログラム等で具現化される。
メモリ506は、例えばフラッシュメモリからなり、ユニット本体2を回転させる間に、外部から入力された印字データを保存するものであり、前記回転後にユニット本体2を元に戻した時に、このメモリ506に保存した印字データを用いて印字処理部100で印字処理を行うためのものである。
以下、本プリンタの動作を説明する。なお、定着ローラユニット108の初期設定は、通常の印字処理モードとなっているものとする。このときには、加熱ローラ3の加熱温度は、印字処理に好適な温度に設定され、加熱ローラ3と加圧ローラ4とによる用紙Pの搬送速度は、印字処理に好適な搬送速度に設定されている。また、スタートキー507は、印字処理のスタートキーとして操作可能となっており、第2センサ8は印字処理後の用紙Pを検知可能となっている。
したがって、電源投入後にスタートキー507を押圧すると、用紙Pが給紙装置200から感光体ドラム103に向けて第1搬送路301で搬送され、転写ローラ106により感光体ドラム103表面のトナー像が用紙Pの表面に転写される。そして、この転写ローラ106で感光体ドラム103からの未定着トナー像が転写された用紙Pは第2搬送路302で定着ローラユニット108に搬送される。
このときには、図2に示すように、定着ローラユニット108の搬送路22は上下方向にあり、第1センサ5の接触子は、ユニット本体2の第3側面2cから離間している。したがって、この第1センサ5は、ユニット本体2の回転検知信号を発しないので、制御部500のモード切り替え判断部501は、印字処理モードが選択されていると判断するから、ヒータ温度変更部502、搬送速度変更部503、スタートキー切り替え部505及び第2センサ切り替え部505は動作しない。
すなわち、加熱ローラ3の加熱温度は、印字処理に好適な温度に設定されたままであり、加熱ローラ3と加圧ローラ4とによる用紙Pの搬送速度は、印字処理に好適な搬送速度に設定されたままである。また、スタートキー507は、印字処理のスタートキーとして機能し、第2センサ8は、用紙Pの排出を検知可能となっている。
そして、定着ローラユニット108に搬送された用紙Pは、ここで加圧ローラ4により加圧された状態で、加熱ローラ3により熱定着される。この熱定着された用紙Pは、そのまま第3搬送路303で搬送され(或いは、図略のスイッチバック部で反転されて両面プリントされた後に)、排出ローラ対109により排紙トレイ110にその上部から排出される。
ついで、定着ローラユニット108のユニット本体2がC方向に回転されたとする。このときには、ユニット本体2は、その第2側面2bが排紙トレイ110の上面に当接する位置まで約90°回転される。すると、図4に示すように、定着ローラユニット108の搬送路22は左右方向となり、その上下には加圧ローラ4と加熱ローラ3とが配置されるようになる。
また、第1センサ5は、その接触子がユニット本体2の第1側面2aに乗り上げて回転検知信号を発する。この検知信号を受けた制御部500は、そのモード切り替え判断部501で印字処理モードからラミネート処理モードへのモード切り替えがあったものと判断する。
そして、ヒータ温度変更部502が加熱ローラ3のヒータ温度をラミネート処理に好適な温度に変更し、搬送速度変更部503が加熱ローラ3と加圧ローラ4との搬送速度をラミネート処理に好適な搬送速度に変更する。また、スタートキー切り替え部504がスタートキー507をラミネート処理のスタートキーとして機能させ、センサ切り替え部505が第2センサ8をラミネート処理のセンサとして機能させるようになる。
また、ローラ7の取り付け部材10の突出部10aが、プリンタ本体101の突起部101aから離間するので、排紙ローラ7はコイルスプリング9の弾性復帰力により搬送路22中に押し出される。しかる後に、透明フィルムを重ねた状態の用紙P’がフィルム等入口30から挿入され、スタートキー507が押圧されると、その用紙P’は、加圧ローラ4と加熱ローラ3とにより溶着され、その溶着されたラミネート紙P’’は、排紙ローラ6,7で案内されて、排出トレイ110に排出される。
なお、メモリ506は、定着ローラユニット108の向きを変更させる間に、外部から入力された印字データを保存しておく。
ついで、定着ローラユニット108のユニット本体2がC方向と逆方向に回転されたとする。このときには、ユニット本体2は、その第2側面2bの突起2eが排紙トレイ110の左端に当接する位置まで約90°逆回転される。すると、図2に示すように、定着ローラユニット108の搬送路22は再び上下方向となり、その左右には加圧ローラ4と加熱ローラ3とが配置されるようになる。
また、第1センサ5は、その接触子がユニット本体2の第1側面2aから離間して回転検知信号を発しなくなる。このときには制御部500は、そのモード切り替え判断部501でラミネート処理モードから印字処理モードへのモード切り替えがあったと判断する。
そして、ヒータ温度変更部502が加熱ローラ3のヒータ温度を印字処理に好適な温度に変更し、搬送速度変更部503が加熱ローラ3と加圧ローラ4との搬送速度を印字処理に好適な搬送速度に変更する。また、スタートキー切り替え部504がスタートキー507を印字処理のスタートキーとして機能させ、センサ切り替え部505が第2センサ8を印字処理のセンサとして機能させるようになる。
また、排紙ローラ7の取り付け部材10の突出部10aが、プリンタ本体101の突起部101aに当接するので、排紙ローラ7はコイルスプリング9の弾性復帰力に抗して押し込まれ搬送路22に露出されなくなり、印字用紙Pの搬送の邪魔をしないようになる。しかる後に、スタートキー507が押圧されると、前記メモリ506に保存しておいた印字データを用いて印字処理が行われる。これにより、印字漏れをなくすことができる。
本実施形態のプリンタ1によれば、ラミネート処理モードでは、定着ローラユニット108の上流側のフィルム等入口30をプリンタ本体101の第1開口101dに臨ませるとともに、その下流側を前記透明フィルムの溶着されたラミネート紙P’’を排出する排紙トレイ110に臨ませるように、前記定着ローラユニット108の向きを変更可能とされたので、この定着ローラユニット108の向きを変更することで、印字処理モード時の通常の搬送路300とは切り離した別個の搬送路22が形成され、かかる別個の搬送路22内に透明フィルムが重ねられた厚肉の用紙P’を通過させることによって、前記通常の搬送路中にある感光体ドラム103の損傷や、トナー汚れ等が発生するおそれがなくなる。その結果、定着ローラユニット108を両モードで兼用させた簡単な構成でありながらも、ラミネート専用機と同程度の高品質のラミネート紙P’’を得ることができるようになる。
前記搬送路22は、上流側に向かって拡開しており、この拡開部分に前記透明フィルムが重ねられた用紙P’を案内するフィルム等入口30が設けられたので、この用紙P’挿入の基準指示や斜め挿入を防止でき、用紙P’にシワ等を発生させることがなくなり、高品質のラミネート紙P’’が得られるようになる。また、印字処理モード時には、前記フィルム等入口30が用紙Pと接触しなくなり、そのトナー汚れが防止される。
なお、上記実施形態では、ユニット本体2の回転操作までは自動化していないが、同操作を自動化することとしてもよい。
また、上記実施形態では、ラミネート機能付きのプリンタ1について説明したが、複写機、ファクシミリ、複合機等に同機能を付加した印字出力装置にも本発明を適用できるのはもちろんである。
本発明の一実施形態に係るプリンタの概略構成を示す断面図である。 図1における定着ローラユニットの拡大図であって、ユニット本体の回転前の状態を示すものである。 図1における定着ローラユニットの拡大図であって、加圧ローラの支持機構を示すものである。 図1における定着ローラユニットの拡大図であって、ユニット本体の回転後の状態を示すものである。 図1におけるフィルム等入口の拡大図である。 定着ローラユニットまわりの制御ブロック図である。
符号の説明
1 プリンタ(印字出力装置の一例)
100 印字処理部
101 プリンタ本体(装置本体)
101d 第1開口(装置本体側入口)
101e 第2開口
108 定着ローラユニット(定着装置)
109 排出ローラ対
110 排紙トレイ
200 給紙装置
500 制御部
501 モード切り替え判断部
502 ヒータ温度変更部
503 搬送速度変更部
504 スタートキー切り替え部
505 第2センサ切り替え部
506 メモリ
507 スタートキー
2 ユニット本体
3 加熱ローラ
4 加圧ローラ
5 第1センサ
6,7 排紙ローラ
8 第2センサ
22 搬送路
30 フィルム等入口
31,32 凹部
P 用紙
P’ 透明フィルムが重ねられた用紙
P’’ 透明フィルムが溶着された用紙(ラミネート紙)

Claims (13)

  1. 定着装置を備え、この定着装置で用紙上の未定着トナーを熱定着させる印字処理モードと、前記定着装置で用紙に透明フィルムを溶着させるラミネート処理モードとの両モード間で前記定着装置の切り替え使用が可能なラミネート機能付き印字出力装置であって、
    前記ラミネート処理モードでは、前記定着装置の上流側を前記透明フィルムが重ねられた用紙を供給する装置本体側入口に臨ませるとともに、その下流側を前記透明フィルムの溶着された用紙を排出する排紙トレイに臨ませるように、前記定着装置の向きを変更可能としたことを特徴とするラミネート機能付き印字出力装置。
  2. 前記定着装置の向きの変更を検知する第1センサを備え、この第1センサの検知信号に基づいて前記両モード間での切り替えを行うように構成したことを特徴とする請求項1記載のラミネート機能付き印字出力装置。
  3. 前記定着装置の向きを変更させた状態で、前記装置本体側入口から前記排紙トレイまでの直線状の搬送路が形成されるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のラミネート機能付き印字出力装置。
  4. 前記透明フィルムの溶着された用紙を前記排紙トレイに搬出するための排紙ローラを備え、前記定着装置の向きを変更させた状態で、前記搬送路中に前記排紙ローラが露出するように構成したことを特徴とする請求項3記載にラミネート機能付き印字出力装置。
  5. 前記定着装置は、前記搬送路を挟んで1対の加圧ローラと加熱ローラとを対向配置し、前記定着装置の向きの変更に応じて、前記搬送路とともに前記加圧ローラを前記加熱ローラ回りに回転させるように構成したことを特徴とする請求項3又は4記載のラミネート機能付き印字出力装置。
  6. 前記加熱ローラ回りに前記加圧ローラを回転させた時に、両ローラ間の隙間が増大するように構成したことを特徴とする請求項5記載のラミネート機能付き印字出力装置。
  7. 前記定着装置の向きの変更に応じて、前記加熱ローラの加熱温度をラミネート処理に応じた温度に変更するとともに、前記加熱ローラと加圧ローラとによる用紙の搬送速度をラミネート処理に応じた搬送速度に変更するように構成したことを特徴とする請求項5又は6記載のラミネート機能付き印字出力装置。
  8. 前記定着装置の向きを変更させる間に、外部から入力された印字データを保存するメモリを備え、前記定着装置の向きをもとに戻した時に、前記メモリに保存した印字データを用いて印字処理を行うように構成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のラミネート機能付き印字出力装置。
  9. 印字処理モード時に印字処理を開始させるスタートキーを備え、ラミネート処理モード時のスタートキーとして、前記印字処理モード時のスタートキーを兼用したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のラミネート機能付き印字出力装置。
  10. 前記搬送路は、上流側に向かって拡開しており、この拡開部分に前記透明フィルムが重ねられた用紙を案内する凹部を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のラミネート機能付き印字出力装置。
  11. 前記凹部を、複数の用紙サイズに対応可能な階段状に形成したことを特徴とする請求項10記載のラミネート機能付き印字出力装置。
  12. 印字処理モード時に熱定着された用紙を検知する第2センサを備え、ラミネート処理モード時に前記透明フィルムの溶着された用紙を検知するセンサとして、前記第2センサを兼用したことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のラミネート機能付き印字出力装置。
  13. 前記第2センサが、ラミネート処理モード時に前記透明フィルムの溶着された用紙を検知することにより、前記定着装置を停止させるように構成したことを特徴とする請求項12記載のラミネート機能付き印字出力装置。
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