JP2006348910A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気弁の温度を詳細に求め、これに基づいて内燃機関の燃料噴射量を高い精度で制御すること。
【解決手段】 内燃機関10の吸気通路12内に燃料を噴射する燃料噴射弁20と、吸気通路12に設けられた吸気弁24と、吸気弁24の燃料付着部の温度を推定する燃料付着部温度推定手段と、推定した燃料付着部の温度に基づいて燃料噴射弁20からの燃料噴射量を制御する噴射量制御手段と、を備える。吸気弁に付着した燃料の挙動を正確に求めることができるため、付着燃料の挙動に基づいて燃料噴射量を高精度に制御することが可能となる。
【選択図】 図5

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、吸気弁の温度を推定する装置に適用して好適である。
従来、例えば特開平8−61115号公報には、吸気弁の温度の代表値を水温と点火回数とから推定し、推定された吸気弁の温度を用いて燃料噴射量を決定する技術が開示されている。
特開平8−61115号公報 特開平10−220270号公報
しかしながら、吸気弁を取り巻く環境は複雑であるため、点火の回数のみを基礎とした方法では、高精度に吸気弁の温度を推定することはできない。吸気弁は燃焼ガスとの間で熱を授受することに加えて、開弁時にその周囲を流動するガスとの間で熱の授受を行い、更には、付着した燃料との間、或いはシリンダヘッドとの間においても熱の授受を行うためである。
また、吸気弁の温度は、吸気弁の全域で均一ではなく、インジェクタからの噴射燃料が付着した部位と、付着していない部位とでは温度が異なる。従って、吸気弁の温度に基づいて各種パラメータを制御する場合、吸気弁温度の代表値を算出するのみでは、各種パラメータを最適に制御することは困難である。
このため、吸気弁温度の代表値のみに基づく制御では、筒内への燃料供給量、吸入空気量を最適に制御することが難しくなり、所望の空燃比を得られなくなるという問題が生じる。これにより、機関の始動性が低下したり、排気のエミッションが悪化するという問題が発生する。
特に、冷間暖機時、再始動時、冷間走行時には、吸気弁への燃料付着量、吸気弁温度、ポート壁温などの特性値が時間的に変化する。このため、推定する燃料蒸発量などの挙動と、実際に発生している現象との間に乖離が発生し、暖機後の運転に比べて空燃比を制御することがより困難になる。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、吸気弁の温度を詳細に求め、これに基づいて内燃機関の燃料噴射量を高い精度で制御することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記吸気通路に設けられた吸気弁と、前記吸気弁の燃料付着部の温度を推定する燃料付着部温度推定手段と、推定した前記燃料付着部の温度に基づいて前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御する噴射量制御手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記燃料付着部温度推定手段は、少なくとも、前記吸気弁に付着した燃料の気化潜熱量と、前記燃料付着部の面積に対する前記吸気弁の表面積の比率と、を考慮して前記燃料付着部の温度を推定することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記燃料付着部温度推定手段は、前記吸気弁と前記吸気通路を流れる吸入空気との間の伝熱量と、前記吸気弁と弁座との間の伝熱量と、前記吸気弁と燃焼ガスとの間の伝熱量と、を更に考慮して前記燃料付着部の温度を推定することを特徴とする。
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記吸気弁の平均温度を推定する平均温度推定手段と、前記平均温度に基づいて吸入空気量を補正する補正手段と、を更に備えたことを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、前記平均温度推定手段は、前記吸気弁に付着した燃料の気化潜熱量と、前記吸気弁と前記吸気通路を流れる吸入空気との間の伝熱量と、前記吸気弁と弁座との間の伝熱量と、前記吸気弁と燃焼ガスとの間の伝熱量と、を考慮して前記平均温度を推定することを特徴とする。
第1の発明によれば、吸気弁の燃料付着部の温度を推定するため、吸気弁に付着した燃料の挙動を正確に求めることが可能となる。従って、付着燃料の挙動に基づいて燃料噴射量を高精度に制御することが可能となる。
第2の発明によれば、少なくとも、吸気弁に付着した燃料の気化潜熱量と、燃料付着部の面積に対する吸気弁の表面積の比率と、を考慮して燃料付着部の温度を推定するため、面積比率に応じて燃料付着部の気化潜熱量に重み付けをすることができる。従って、気化潜熱量に基づいて燃料付着部の温度を高い精度で推定することが可能となる。
第3の発明によれば、吸気弁と吸気通路を流れる吸入空気との間の伝熱量と、吸気弁と弁座との間の伝熱量と、吸気弁と燃焼ガスとの間の伝熱量と、を更に考慮して燃料付着部の温度を推定するため、吸気弁が授受する総熱量を用いて燃料付着部の温度を正確に推定することができる。
第4の発明によれば、吸気弁の平均温度を推定することができるため、平均温度に基づいて吸入空気量を補正することができる。従って、吸入空気の温度変化を考慮して空燃比を最適に制御することが可能となる。
第5の発明によれば、吸気弁に付着した燃料の気化潜熱量と、吸気弁と吸気通路を流れる吸入空気との間の伝熱量と、吸気弁と弁座との間の伝熱量と、吸気弁と燃焼ガスとの間の伝熱量と、を考慮して平均温度を推定するため、吸気弁が授受する総熱量を用いて平均温度を正確に推定することができる。
以下、図面に基づいてこの発明のいくつかの実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。図1のシステムは内燃機関10を備えており、内燃機関10には吸気通路12および排気通路14が連通している。
吸気通路12には、吸入空気量Gaを検出するためのエアフロメータ16が配置されている。エアフロメータ16の下流には、スロットルバルブ18が配置されている。また、スロットルバルブ18の更に下流には、吸気ポート内に燃料を噴射するためのインジェクタ20が配置されている。
内燃機関10は、吸気通路12と筒内22との導通状態を制御するための吸気弁24を備えている。吸気弁24には、その駆動源として、可変動弁機構26が連結されている。可変動弁機構26は、開閉タイミング、作用角、およびリフト量を適当に変化させつつ吸気弁24を開閉動作させることができる。吸気弁24が閉弁されると、吸気弁24の傘部の外縁がシリンダヘッドに設けられた弁座(バルブシート)に密着し、吸気通路12から筒内22への流れが遮断される。
筒内22と排気通路14との間には、排気弁28が配置されている。排気弁28には、その駆動源として可変動弁機構30が連結されている。可変動弁機構30は、開閉タイミング、作用角、およびリフト量を適当に変化させつつ排気弁28を開閉動作させることができる。
本実施形態のシステムでは、上述のように吸気弁24および排気弁28をそれぞれ可変動弁機構26,30で駆動することとしているが、それらを駆動する機構はこれに限定されるものではない。すなわち、本実施形態のシステムにおいては、吸気弁24および排気弁28は、通常のカム機構により駆動されるものであっても良い。
内燃機関10の各気筒はピストン38を備えている。ピストン38には、その往復運動によって回転駆動されるクランク軸36が連結されている。車両駆動系と補機類(エアコンのコンプレッサ、オルタネータ、トルクコンバータ、パワーステアリングのポンプ等)は、このクランク軸36の回転トルクによって駆動される。クランク軸36の近傍には、クランク角センサ32が取り付けられている。クランク角センサ32によれば、クランク軸36の回転数、すなわち、機関回転数を検出することができる。また、内燃機関10には、冷却水温Twを検出するための水温センサ34が装着されている。
図1に示すように、本実施形態のシステムはECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、エアフロメータ16,クランク角センサ32、水温センサ34などを含む各種センサの出力が供給されている。ECU40は、それらのセンサ出力を基礎として、インジェクタ20や可変動弁機構26,30を含む各種アクチュエータを制御することができる。
このように構成された本実施形態のシステムにおいて、内燃機関10の運転中は、インジェクタ20によって吸気通路12の吸気ポートに燃料が噴射される。吸気ポートに噴射された燃料は、その一部が吸気弁24に付着する。内燃機関10の暖機が十分に進んでおり、吸気弁24が高温となっている状況下では、付着した燃料が短時間で気化するため、その付着の影響が筒内に吸入される燃料量に大きく及ぶことはない。
しかしながら、吸気弁24の温度が十分に上昇していない状況下では、そこに付着した燃料が吸気弁24の開弁期間中に完全には気化しない事態が生ずる。この場合、筒内に流入する燃料量を正確に把握するためには、吸気弁24に付着した燃料のうち、気化する燃料の割合を精度良く推定することが必要である。そして、その推定を精度良く行うためには、内燃機関10の暖機過程において、吸気弁24の温度を精度良く推定することが必要である。そこで、本実施形態のシステムは、内燃機関10が始動された後、以下に説明する方法で吸気弁24の温度推定を行うこととした。
図2(A)及び図2(B)は、本実施形態のシステムが吸気弁24の温度Tvを算出する原理を説明するための図である。より具体的には、図2(A)は、閉弁中における吸気弁24の熱環境を説明するための図である。また、図2(B)は、開弁中における吸気弁24の熱環境を説明するための図である。
図2(A)中に示す符号Qcomb、Qseat及びQfuelは、それぞれ、燃焼ガス伝熱量、接触面伝熱量、および燃料気化潜熱量を示している。燃焼ガス伝熱量Qcombは、内燃機関10の運転中に筒内22の燃焼ガスから吸気弁24に与えられる熱量である。接触面伝熱量Qseatは、弁座との機械的な接触面を介して吸気弁24から持ち去られる熱量である。また、燃料気化潜熱量Qfuelは、吸気弁24に付着した燃料が温度上昇する際に吸気弁24から持ち去られる熱量と、付着した燃料が気化する際に吸気弁24から持ち去られる熱量との合計からなる熱量である。図2(A)に示すように、吸気弁24の閉弁中には、主として上述した3種類の熱量が吸気弁24とその周囲との間で授受される。
図2(B)に示す符号Qairは、吸気弁24の開弁に伴って生ずる吸入ガス熱量を示している。吸入ガス熱量Qairは、吸気通路12から筒内22へ流入する新気(吸入空気)によって吸気弁24から持ち去られる熱量である。
吸気弁24の温度は、周囲の環境から熱を吸収することにより上昇し、周囲の環境に熱を放出することにより下降する。このため、吸気弁24の初期温度が判れば、その後の総受熱量を検知することにより吸気弁24の温度を推定することが可能である。そして、その推定を精度良く行うためには、上述した熱量を精度良く検知することが有効である。
そこで、本実施形態では、内燃機関10の運転状態に基づいて、図2(A)に示す3種類の熱量Qcomb、Qseat及びQfuelと、図2(B)に示すQairとを、それぞれ別個独立に推定し、それらを統合することにより吸気弁24が受ける総熱量を精度良く算出することとした。そして、このようにして算出された熱量に基づいて、吸気弁温度Tvを精度良く推定することとした。
なお、本実施形態では、主として機関再始動時に吸気弁温度Tvの推定を行うため、吸入ガス伝熱量Qairに燃焼による吹き返しガスの影響は考慮されていない。機関再始動直後は、吸気弁24と排気弁28の開弁のオーバーラップがないため、吹き返しガスが吸入ガス伝熱量Qairに与える影響が非常に少なくなるためである。機関運転中の吸気弁温度Tvの推定においては、吹き返しガスの影響を考慮して吸入ガス伝熱量Qairを求めても良い。
以下、各熱量Qcomb,Qseat,Qfuel,Qairの算出方法について説明する。先ず、燃焼ガス伝熱量Qcombは、例えば、以下に示す演算式により算出される。
comb=qcomb×(Tc―Tv) ・・・(1)
但し、(1)式において、qcombは伝熱部の熱流束[W/m]、Tcは燃焼ガス温度[℃]である。また、Tvは吸気弁24の温度[℃]である。
また、吸入ガス伝熱量Qairは、例えば、以下に示す演算式により算出される。
air=qair×(Tv―Ta) ・・・(2)
但し、(2)式において、
air=aair×Aair
air=(λ/D)×Nu=(λ/D)×(0.023Pr(1/3)×Re0.8
Re=(Pm×U×D)/(μ×R×Ta)
である。
また、 但し、上式において、qairは機関運転時における伝熱部の熱流束[W/m]、Taは吸入空気温度[℃]、aairは機関運転時の伝熱部の熱伝達率[W/m℃]、Aairは伝熱面積[m]、λは熱伝導率[W/m℃]、Dは吸気弁の傘部の直径[m]、Nuはヌセルト数、Prはプラントル数(無次元)、Pmは吸気管圧力[Pa]、Uは吸入空気の代表流速[m/s]、μは粘性係数[Pa・s]、Rは理想気体定数、をそれぞれ示している。
また、Qseatは、例えば、以下に示す演算式により算出される。
seat=qseat×(Tv―Tw) ・・・(3)
但し、(3)式において、
seat=aseat×Aseat
(1/aseat)=Rseat+1/(Khead×hhead
である。
また、qseatは吸気弁24と弁座との伝熱部における熱流束[W/m]、aseatは伝熱部における熱伝達率[W/m℃]、Aseatは伝熱面積[m]、Twは冷却水温[℃]、Rseatは弁座から吸気弁24表面への熱抵抗[m・℃/W]、Kheadはシリンダヘッドの熱伝導率[W/m℃]、hheadはシリンダヘッド内の冷却水路から吸気弁24と弁座との接触部までの距離[m]、をそれぞれ表している。
また、Qfuelは、例えば、以下に示す演算式により算出される。
fuel=qfuel×(Tv―Tf)+hfuel ・・・(4)
但し、(4)式において、qfuelは付着燃料との伝熱部における熱流束[W/m]、Tfは付着燃料の温度[℃]を示している。また、hfuelは燃料の気化潜熱[J]を示している。
より詳細には、Qfuelは以下に示す演算式により算出できる。
fuel=Mvap×{H+Cf×(Tv−Tf)}
Mvap=a×(M−Mvap)
Tf=(Tf×M×Cf−Mvap×H)/(M−Mvap)
但し、上式において、Mvapは吸気弁24における蒸発燃料量[kg]、Hは燃料の気化潜熱[J/kg]、Cfは燃料の比熱[J/kg℃]、Tfは吸気弁付着時の燃料温度[℃]、aは液滴付着率、Mは噴射燃料量[kg]、Mvapは噴射飛行中の燃料蒸発量[kg]、Tfは噴射時の燃料温度[℃]、をそれぞれ示している。なお、aは蒸発モデルの飛行蒸発式から求めることができる。
上述した各熱量のうち、燃焼ガス伝熱量Qcomb、接触面伝熱量Qseat、吸入ガス熱量Qairを算出する際には、吸気弁温度Tvとして吸気弁24の平均温度Tv_aveを用いる。
一方、燃料気化潜熱量Qfuelは、吸気弁24の一部の領域で授受される熱量であるため、燃料気化潜熱量Qfuelを算出する際には、吸気弁温度Tvとして吸気弁24における燃料付着部位の温度Tv_fuelを用いる。燃料気化潜熱量Qfuelは、吸気弁24と付着燃料との間の伝熱量であり、燃料付着部位の温度Tv_fuelは伝熱部における吸気弁24の温度を表しているため、燃料付着部位の温度Tv_fuel基づいて燃料気化潜熱量Qfuelを算出することで、燃料気化潜熱量Qfuelを正確に求めることが可能となる。
このように、各熱量Qcomb,Qseat,Qfuel,Qairを算出する際には、伝熱部の現象に応じて、吸気弁温度Tvを最適に設定することで、各熱量を正確に求めることが可能になる。
なお、各熱量Qcomb,Qseat,Qfuel,Qairは、これらの熱量と各パラメータとの関係を規定したマップから求めても良い。
吸気弁温度Tvはこれらの熱量Qcomb,Qseat,Qfuel,Qairから求めることができる。内燃機関10の運転中において、吸気弁温度Tvと熱量Qcomb,Qseat,Qfuel,Qairとの間には、以下の(5)式の関係が成立する。
・C・(dT/dt)=Qcomb−(Qseat+Qair+Qfuel) ・・・(5)
(5)式の左辺において、mは吸気弁の質量(g)、Cは吸気弁の比熱を示している。また、dT/dtは微小時間dtにおける吸気弁温度Tvの変化量である。(5)式によれば、各熱量Qcomb,Qseat,Qair,Qfuelに基づいて、吸気弁温度Tvの変化量dT/dtを求めることができる。従って、前回算出した吸気弁温度Tvを変化量dT/dtを用いて更新することで、最新の吸気弁温度Tvを逐次求めることが可能となる。
(5)式に示されるように、変化量dT/dtは、熱量(Qcomb−(Qseat+Qair+Qfuel))を吸気弁24の全質量、および比熱で除算することにより算出されるため、ここで求められた吸気弁温度Tvは、吸気弁24の平均温度(Tv_ave)となる。
なお、(5)式を以下のように変形することで、現在の吸気弁温度Tvと経過時間tに基づいて、t秒後の吸気弁温度を算出する式(以下に示す(9)式)を得ることができる。
先ず、(5)式の右辺を変形すると、以下の(5’)式が得られる。
・C・(dT/dt)=qcomb(Tc−Tv)−(qseat・(Tv−Tw)+qair・(Tv−Ta)+qfuel・(Tv−Tf)+hfuel) ・・・(5’)
(5’)式の右辺を更に変形すると、以下の(6)式が得られる。
・C・(dT/dt)=−(qcomb+qseat+qair+qfuel)・Tv+qcomb・Tc+qseat・Tw+qair・Ta+qfuel・Tf+hfuel ・・・(6)
(6)式の左辺において、m・C=Aとおき、右辺において(qcomb+qseat+qair+qfuel)=B、(qcomb・Tc+qseat・Tw+qair・Ta+qfuel・Tf+hfuel)=Cとおき、Tv=Tv(t)とおくと、以下の(7)式が得られる。
A・(dTv(t)/dt)=B・Tv(t)+C ・・・(7)
そして、(7)式をtについて解くと、以下の(8)式が得られる。
t=(A/B)・log[(Tv(t)−Tv_s)/(Tv(0)−Tv_s)] ・・・(8)
(8)式において、Tv_s=−C/Bである。
そして、(8)式を以下のように(8’)式、(8”)式に順次し、Tv(t)について解くと、以下の(9)式が得られる。
(B/A)・t=log[(Tv(t)−Tv_s)/(Tv(0)−Tv_s)]
・・・(8’)
(Tv(t)−Tv_s)/(Tv(0)−Tv_s)=exp[(B/A)・t]
・・・(8”)
Tv(t)=(Tv(0)−Tv_s)・exp[(B/A)・t]+Tv_s
・・・(9)
但し、(9)式において、Tv_s=−C/Bである。
(9)式によれば、現在の吸気弁24の温度Tv(0)と、経過時間tに基づいて、t秒後の吸気弁24の温度Tv(t)を求めることができる。
このようにして算出された吸気弁温度Tvは、上述したように吸気弁24の温度の平均値Tv_aveであり、内燃機関10に関わる各種パラメータの推定に利用することができる。例えば、吸気通路12に吸入された吸入空気は吸気弁24の表面のほぼ全域に当たるため、吸入空気量Gaは平均値Tv_aveの影響を受けて変動する。従って、平均値Tv_aveは筒内22への吸入空気量をより正確に求める処理などに利用することができる。
一方、吸気弁24に付着した燃料が気化する割合を求める場合など、吸気弁24に付着した燃料の挙動を求める場合は、吸気弁24の温度の平均値Tv_aveよりも、燃料付着部位の温度Tv_fuelを用いることがより好適である。
従って、本実施形態では、上述した方法で吸気弁24の温度の平均値Tv_aveを求めるとともに、吸気弁24の燃料付着部位の温度Tv_fuelを求めることとしている。そして、燃料付着部位の温度Tv_fuelを更新処理することで逐次求められたTv_fuelに基づいて、インジェクタ20からの燃料噴射量を制御するようにしている。
以下、図3及び図4に基づいて、燃料付着部位の温度Tv_fuelと平均値Tv_aveとの相違について説明する。図3は、吸気弁24を示す斜視図であって、インジェクタ20から噴射された燃料が吸気弁24に付着した様子を示している。図3に示すように、インジェクタ20から噴射された燃料は、吸気弁24の一部に付着する。このように、燃料は吸気弁24の一部の領域のみに付着するため、燃料が付着している領域と、付着していない領域では、吸気弁温度Tvが異なる値となる。
図4は、吸気弁24の温度の実測値を示す特性図であって、縦軸は吸気温度を、横軸は内燃機関10の負荷KLを示している。図4中において、実線の特性Xは吸気弁24の燃料付着部位の温度Tv_fuelを示している。また、破線の特性Yは、吸気弁24の燃料が付着していない領域の温度を示している。また、一点鎖線の特性Zは、特性Xと特性Yの平均値Tv_aveを示している。
内燃機関10の運転中においては、吸気弁24の温度はインジェクタ20から噴射された燃料の温度よりも高くなる。従って、燃料が付着した部位では、燃料付着により吸気弁24が冷却されるため、吸気弁24の温度が低下する。また、付着した燃料が気化する際には、吸気弁24から熱が奪われるため、燃料付着部位の吸気弁24の温度は低くなる。
一方、吸気弁24の燃料付着部位以外の領域では、燃料の付着に起因して吸気弁24から熱が奪われることがないため、燃料付着部位に比べて吸気弁24の温度は高くなる。このため、図4に示すように、燃料付着部位の温度Tv_fuel(特性X)は、燃料が付着していない領域の温度(特性Y)よりも低くなる。従って、図4に示すように、燃料付着部位の温度Tv_fuel(特性X)は、吸気弁24の温度の平均値Tv_ave(特性Z)よりも低くなる。従って、これらの相違する2つの温度Tv_ave,Tv_fuelに基づいて、各温度に関連の深いパラメータを制御することで、内燃機関10の制御をより緻密に行うことが可能になる。
燃料付着部位の温度Tv_fuelを求める基本的な方法は、上述した方法と同様であり、燃焼ガス伝熱量Qcomb、接触面伝熱量Qseat、燃料気化潜熱量Qfuel、吸入ガス熱量Qairに基づいて(5)式から求めることができる。
この場合において、本実施形態では、平均値Tv_aveを算出する場合に比べて、燃料付着部位の温度Tv_fuelを算出する場合は、燃料気化潜熱量Qfuelの影響度に差をもたせている。
すなわち、燃焼ガス伝熱量Qcomb、接触面受熱量Qseat、吸入ガス熱量Qairが燃料付着部位の温度Tv_fuelに与える影響は平均温度Tv_aveの場合と同様であり、燃焼ガス伝熱量Qcomb、接触面受熱量Qseat、吸入ガス熱量QairはTv_aveを算出する場合と同一の値が用いられる。一方、燃料気化潜熱量Qfuelについては、伝熱部が吸気弁24の所定範囲(燃料付着部位)であるため、Qfuelに所定の補正係数kを乗じた値をTv_fuelの算出に用いる。すなわち、燃料付着部位の温度Tv_fuelを求める場合、上述した(5)式は以下の式に変形される。
・C・(dT/dt)=Qcomb−(Qseat+Qair+Qfuel・k) …(11)
ここで、補正係数kの値は、例えば以下の式で与えられる。
k=(吸気弁の傘部の面積)/(燃料付着部位の面積)
(11)式によれば、補正係数kにより燃料気化潜熱量Qfuelに重み付けがなされ、燃料気化潜熱量Qfuelの値が実際の値よりも面積比分だけ増加される。
燃料気化潜熱量Qfuelは、上述したように吸気弁24の燃料付着部位における伝熱量を表している。燃料気化潜熱量Qfuelに補正係数kを乗算することで、燃料付着部位における伝熱量が吸気弁24の傘部の全域における伝熱量に変換される。従って、(5)式から(dT/dt)を求める場合は、重み付けがなされていないQfuelが左辺の質量m、比熱Cで除算されるため、(dT/dt)として吸気弁24の平均温度Tv_aveの変化量が算出されるが、(11)の場合は、補正係数kを乗じたQfuel・kを質量m、比熱Cで除算するため、(dT/dt)として燃料付着部位の温度Tv_fuelの変化量を算出することが可能となる。
吸気弁24の平均温度Tv_aveと燃料付着部位の温度Tv_fuelを求めた後は、これらの温度を内燃機関10の現象に併せて活用する。例えば、吸入空気量Gaを計算するロジックには平均値Tv_aveが引き渡され、平均値Tv_aveに基づいて計算が行われる。また、噴射燃料の増量補正を計算するロジックにはTv_fuelが引き渡され、Tv_fuelに基づいて計算が行われる。このように、現象に併せて最適な温度を活用することで、内燃機関10に関係する各種パラメータを高精度に推定し、制御することができる。
次に、図5のフローチャートチャートに基づいて、本実施形態のシステムにおける処理の手順を説明する。図5の処理は各気筒毎に行われるものである。先ず、ステップS1では、吸気弁温度Tvの平均値Tv_aveと、燃料付着部位の温度Tv_fuelが初期値に設定される。ここでは、前回の機関停止時から十分に時間が経過しているものとして、Tv_ave及びTv_fuelが冷却水温Twに設定される。
次のステップS2では、内燃機関10の始動後、現在の運転状態を表す各種のパラメータが計測される。具体的には、吸入空気量Gaや機関回転数Neに加えて、可変動弁機構26の状態、つまり、吸気弁24の開弁タイミングVT、リフト量VL、および作用角Vθなどが検知される。
続くステップS3〜S5では、上述した方法に基づいて、吸入ガス熱量Qair、接触面伝熱量Qseat、燃焼ガス伝熱量Qcombを算出する。
すなわち、ステップS3では吸入ガス伝熱量Qairを算出し、ステップS4では接触面伝熱量Qseatを算出し、ステップS5では燃焼ガス伝熱量Qcombを算出する。ここで、各熱量Qair,Qseat,Qcombを算出する際には、吸気弁温度の平均値Tv_aveが用いられる。
次のステップS6では、燃料気化潜熱量Qfuelを算出する。ここでは、燃料付着部位の温度Tv_fuelを用いて燃料気化潜熱量Qfuelが算出される。
次のステップS7では、吸気弁温度Tvの平均値Tv_aveの更新処理が行われる。ここでは、ステップS3〜S6の処理サイクルで得られた全ての熱量に基づいて、吸気弁24の総受熱量(Qcomb−(Qseat+Qair+Qfuel))が算出される。そして、(5)式に基づいて、総受熱量を吸気弁24の比熱及び質量(m・C)で除することにより、今回の処理サイクルの間に生じた平均値Tv_aveの温度変化分ΔTv(=dT/dt)が算出される。最後に、現時点の吸気弁温度の平均値Tv_aveにΔTvを加えることにより、平均値Tv_aveが最新値に更新される。更新された平均値Tv_aveはECU40のメモリに記憶される。
以降のステップS8,S9では、燃料付着部位の温度Tv_fuelを更新する処理を行う。先ず、ステップS8では、吸気弁24の燃料付着部位における燃料気化潜熱量Qfuelを補正する処理を行う。ここでは、ステップS6で算出された燃料気化潜熱量Qfuelに上述した補正係数kを乗算することでQfuelを補正する。
次のステップS9では、ステップS3〜S5,及びS8の処理サイクルで得られた全ての熱量に基づいて、吸気弁24の総受熱量(Qcomb−(Qseat+Qair+Qfuel*k))が算出される。そして、(11)式に基づいて、総受熱量を吸気弁24の比熱及び質量(m・C)で除することにより、今回の処理サイクルの間に生じたTv_fuelの温度変化分ΔTv(=dT/dt)が算出される。最後に、現時点の温度Tv_fuelにΔTvを加えることにより、燃料付着部位の温度Tv_fuelが最新値に更新される。更新された温度Tv_fuelはECU40のメモリに記憶される。
次のステップS10では吸気弁温度Tvを推定するサイクルを更新するか否かを判定し、サイクルを更新する場合は、ステップS2へ戻り、現在の運転状態を表す各種のパラメータが計測される。そして、更新したサイクルにおいてステップS3〜S9の処理を行い、Tv_ave,Tv_fuelを最新値に更新する。内燃機関10の運転中は、常にサイクルが更新されて所定サイクル毎にTv_ave,Tv_fuelが更新される。一方、内燃機関10の運転が停止した場合は、サイクルを更新せずに処理を終了する(END)。
図5の処理によれば、吸気弁24の平均温度Tv_aveと燃料付着部位の温度Tv_fuelを共に算出することが可能となる。従って、吸気弁24の平均温度Tv_aveに基づいて、平均温度Tv_aveと密接に関連する吸入空気量Gaなどの特性値を制御することができる。また、燃料付着部位の温度Tv_fuelに基づいて、Tv_fuelと密接に関連する筒内への燃料供給量などの特性値を制御することが可能となる。
図6は、燃料付着部位の温度Tv_fuelに基づいてインジェクタ20からの燃料噴射量を補正するためのマップを示す模式図である。図6に示す燃料噴射量の補正係数Pは、インジェクタ20からの基本噴射量に対して乗算される値である。図6に示すように、燃料付着部位の温度Tv_fuelが低い場合ほど補正係数Pの値は大きな値に設定される。このように、燃料付着部位の温度Tv_fuelが低い場合は、吸気弁24への燃料付着量が多くなるため、補正係数Pを大きくしてインジェクタ20からの燃料噴射量を増量することで、筒内に所望の燃料量を送ることができる。
また、図7は、吸気弁24の平均温度Tv_aveと冷却水温Twとの差分(Tv_ave−Tw)に基づいて吸入空気量Gaを補正するためのマップを示す模式図である。図7に示す吸入空気量の補正係数Qは、エアフロメータ16で検出された吸入空気量Gaに対して乗算される補正値である。図7のマップを用いる前提として、冷却水温Twに応じて吸入空気量Gaが補正され、冷却水温Twが高いほど、エアフロメータ16からの実際の検出値よりも値が少なくなるように吸入空気量Gaの補正が行われる。これにより、吸気通路12内での温度上昇に起因した吸入空気の膨張を考慮して吸入空気量Gaを補正できる。
そして、図7のマップによれば、平均温度Tv_aveと冷却水温Twとの差分(Tv_ave−Tw)に基づいて補正係数Qが定められ、差分が大きいほど補正係数Qが小さな値に設定される。従って、冷却水温Twよりも平均温度Tv_aveが高い場合は、平均温度Tv_aveが高いほど補正係数Qの値が小さな値に設定され、吸入空気量Gaが実際の検出値よりも少なくなるように補正が行われる。従って、冷却水温Twが高いほど、また平均温度Tv_aveが高いほど吸入空気量Gaが小さな値に設定され、温度変化に起因した変動を考慮した上で吸入空気量Gaを高精度に求めることが可能となる。
次に、燃料付着部位の温度Tv_fuelをより詳細に求める方法について説明する。上述した説明では、燃料気化潜熱量Qfuelを補正する補正係数kを一定値としているが、補正係数kは燃料付着部位の面積の関数であり、燃料付着部位の面積は運転条件に応じて変動するため、これに応じて補正係数kを可変することが好適である。
燃料付着部位の面積の変動は、吸気弁24への燃料付着量に基づいて算出することができる。そして、吸気弁24への燃料付着量は、以下に説明する燃料挙動モデルにより求めることができる。
図8は、吸気弁24の近傍の拡大図である。以下、図8に示すように、インジェクタ20から噴射される燃料の量を「燃料噴射量fi」、吸気通路12(吸気ポート)の壁面または吸気弁24の表面に付着する燃料の量を「燃料付着量fw」、筒内に吸入される燃料の量を「筒内流入燃料量fc」と記す。
図9は、本実施形態の装置が用いる燃料挙動モデルを説明するための模式図である。この燃料挙動モデルは燃料噴射弁32から噴射された後の燃料の挙動を表すモデルである。図9に示す、残留率R、付着率P、および燃料量fi,fw,fcは、何れも、その燃料挙動モデルにおいて用いられるパラメータである。以下、図9に基づいて、残留率R、付着率P、燃料量fi,fw,fcの関係を説明する。
上述したように、燃料噴射量fiは、インジェクタ20から噴射された後、その一部が吸気弁24または吸気通路12の壁面等に付着し、その残部が筒内22に吸入される。この際、吸気弁24等に付着する燃料の割合を「付着率R」と定義すれば、図9に示すように、燃料噴射量fiのうち筒内に吸入されることなく吸気弁24等に付着する燃料は、「R×fi」で表されることとなり、一方、筒内に吸入される燃料の量は「(1−R)×fi」で表されることとなる。
筒内流入燃料量fcには、上記の演算式fi×(1−R)で表される量の燃料量の他、吸気弁24等に付着していた燃料のうち、筒内へ流入した燃料量が含まれる。ここで、吸気行程の実行後に吸気弁24等への付着燃料が付着したままの状態で残る割合を「残留率P」とすれば、図9に示すように、吸気行程の開始時に存在していた燃料付着量は、その吸気行程の後には「P×fw」で表される量に減少していることになり、一方、その吸気行程の間には、「(1−P)×fw」で表される量の燃料が付着燃料の存在に起因して筒内に流入したことになる。
従って、第kサイクルにおける噴射行程の開始時における吸気弁24等への燃料付着量がfwであり、第kサイクルにおける燃料噴射量がfiである場合、第kサイクルの終了後に発生している燃料付着量(つまり、第k+1サイクルにおける燃料付着量)fwk+1および、第kサイクルにおける筒内流入要求量fcは、付着率Rおよびポート残留率Pを用いて次式のように表すことができる。
fwk+1=P×fw+R×fi ・・・(12)
fc=(1−P)×fw+(1−R)×fi ・・・(13)
このモデルによれば、内燃機関10が現実に要求している筒内流入燃料量fcに対応した燃料噴射量fiは、上記(12)式、(13)式の関係を用いることにより、付着率R、残留率Pをパラメータとして、個々のサイクル毎に演算により求めることができる(尚、fwの初期値は0に設定できる)。
具体的には、第k−1サイクルにおける(12)式の演算から、第kサイクルにおけるfwが算出される。そして、第kサイクルにおいて、(13)式における筒内要求燃料量fcを目標となる所定の値に設定する。すると、(13)式から第kサイクルの燃料噴射量fiが算出される。
従って、(12)式、(13)式によれば、第kサイクルにおける燃料噴射量fiと第kサイクルにおける燃料付着量fwを算出することができる。なお、残留率R、付着率Pの値は固定値としても良いし、運転状態に応じてマップから算出しても良い。
図9において、燃料付着量fwは、吸気弁24における燃料付着量fwvと、吸気通路12への燃料付着量fwpとの合計である。吸気弁24における燃料付着量fwvを求める場合は、燃料付着量fwに所定の係数を乗じることにより求めることができる。また、吸気弁24における燃料付着を示す燃料挙動モデルと、吸気通路12における燃料付着を示す燃料挙動モデルとから2次モデルを構成し、この2次モデルから吸気弁24における燃料付着量fwvを求めても良い。
吸気弁24における燃料付着部位の面積Sは、吸気弁24における燃料付着量fwvから求めることができる。図10は、燃料付着部位の面積S、燃料付着量fwv、及び付着燃料の液膜厚さhvの関係を示す模式図である。図10に示すように、燃料付着量fwvは、燃料付着部位の面積Sと液膜厚さhvとの積で表される。従って、燃料付着量fwvと液膜厚さhvとの関係を求めておくことで、燃料付着量fwvから面積Sを求めることが可能である。
燃料付着量fwvと液膜厚さhvの関係は燃料の物性等から決定され、以下の式で表される。
hv=α×fwvβ ・・・(14)
ここで、α,βは所定の係数である。
(14)式によれば、吸気弁24への燃料付着量fwvに基づいて液膜厚さhvを求めることができる。従って、燃料付着部位の面積Sは、燃料付着量fwvを液膜厚さhvで除算することにより求めることができる。
これにより、各サイクル毎に燃料付着部位の面積Sを算出することができ、面積Sに基づいて、各サイクル毎に補正係数kの値を可変することができ、補正係数kの値を最適に制御することが可能となる。
以上説明したように本実施形態によれば、吸気弁24の平均温度Tv_aveと燃料付着部位の温度Tv_fuelの双方を逐次算出することができるため、各温度に基づいて吸入空気量、燃料噴射量などの各パラメータを最適に制御することが可能となる。
これにより、吸入空気量を計算するロジックでは、平均温度Tv_aveにより吸入空気量Gaを補正することで、吸入空気量を正確に求めることができる。一方、冷間暖機、再始動、冷間のモード走行などの噴射燃料増量ロジックでは、燃料付着部位の温度Tv_fuelを活用することで、推定する燃料蒸発などの挙動と実現象との乖離を小さくすることができ、燃料噴射量を最適に制御することができる。従って、エミッションを向上することができ、また機関の始動性を向上することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置及びその周辺の構造を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係るシステムが吸気弁の温度Tvを算出する原理を説明するための図である。 吸気弁を示す斜視図であって、インジェクタから噴射された燃料が吸気弁に付着した様子を示す模式図である。 吸気弁の温度を示す特性図であって、吸気弁の平均温度と、燃料付着部位の温度の相違を示す図である。 本発明の一実施形態に係るシステムの処理の手順を示すフローチャートである。 燃料付着部位の温度Tv_fuelに基づいてインジェクタからの燃料噴射量を補正するためのマップを示す模式図である。 吸気弁の平均温度Tv_aveと冷却水温Twとの差分(Tv_ave−Tw)に基づいて吸入空気量Gaを補正するためのマップを示す模式図である。 吸気弁の近傍を拡大して示す模式図である。 燃料挙動モデルを説明するための模式図である。 燃料付着部位の面積S、吸気弁の燃料付着量fwv、及び付着燃料の液膜厚さhvの関係を示す模式図である。
符号の説明
10 内燃機関
12 吸気通路
24 吸気弁
20 インジェクタ
40 ECU

Claims (5)

  1. 内燃機関の吸気通路内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記吸気通路に設けられた吸気弁と、
    前記吸気弁の燃料付着部の温度を推定する燃料付着部温度推定手段と、
    推定した前記燃料付着部の温度に基づいて前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御する噴射量制御手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記燃料付着部温度推定手段は、
    少なくとも、前記吸気弁に付着した燃料の気化潜熱量と、前記燃料付着部の面積に対する前記吸気弁の表面積の比率と、を考慮して前記燃料付着部の温度を推定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃料付着部温度推定手段は、
    前記吸気弁と前記吸気通路を流れる吸入空気との間の伝熱量と、前記吸気弁と弁座との間の伝熱量と、前記吸気弁と燃焼ガスとの間の伝熱量と、を更に考慮して前記燃料付着部の温度を推定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸気弁の平均温度を推定する平均温度推定手段と、
    前記平均温度に基づいて吸入空気量を補正する補正手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記平均温度推定手段は、
    前記吸気弁に付着した燃料の気化潜熱量と、前記吸気弁と前記吸気通路を流れる吸入空気との間の伝熱量と、前記吸気弁と弁座との間の伝熱量と、前記吸気弁と燃焼ガスとの間の伝熱量と、を考慮して前記平均温度を推定することを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016205332A (ja) * 2015-04-28 2016-12-08 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

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