JP2006348391A - ポリエステル不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 還元比粘度ηsp/Cが1.2〜2.0のポリトリメチレンテレフタレートからなる長繊維で構成され、熱圧着で一体化接合された不織布であって、毛羽等級が2.5級以上であることを特徴とする長繊維不織布、その際、熱圧着面積率が3%以上であることを特徴とする上記のポリエステル不織布。
【選択図】 なし
Description
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)還元比粘度ηsp/Cが1.2〜2.1のポリトリメチレンテレフタレート長繊維から構成され、熱圧着で一体化接合された不織布であって、毛羽等級が2.5級以上であることを特徴とするポリエステル不織布。
(2)圧着面積率が3%以上であることを特徴とする上記(1)記載のポリエステル不織布。
アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等を含有させても良い。
ポリトリメチレンテレフタレートを多数の紡口から溶融紡糸することにより得られる多数の連続フィラメントを、エジェクター等の牽引装置で延伸し、移動する捕集装置上へ分散・堆積させてウェブを形成し、次いで、このウェブを、連続的に熱圧着してシート化することにより、本発明の不織布を得ることが出来る。
溶融紡糸する際の紡糸温度は230〜320℃、好ましくは235〜310℃、更に好ましくは250〜300℃の範囲が適当である。紡糸温度が230℃未満では、温度が低過ぎて安定した溶融状態になり難く、得られた繊維の斑が大きくなり、また満足し得る強度、耐毛羽性を示さなくなる場合がある。また、紡糸温度が320℃を越えると、熱分解のため、得られた糸は着色し、また満足し得る強伸度、柔軟性、耐毛羽性を示さなくなる傾向がある。用いる紡口口金の形状については特に制限はなく、円形、三角、多角形、扁平等のものを用いることが出来、通常は、直径が0.1〜0.5mm程度の円形である。ここでエジェクターとは、加圧空気による高速空気流を推進力として、溶融紡糸されたフィラメントを高速で引取り細化し、かつ該高速空気流にフィラメントを随伴させる機能を持った装置を言う。エジェクターから押し出されるフィラメントの速度、すなわち紡糸速度は、一般に2000〜6000m/minである。紡糸速度は、フィラメント単糸の細化の指標であり、高速にするほど単糸の細化が進み低繊度の繊維となる。
かかるウェブの捕集に際しては、フィラメント群に随伴して該受器に当たる空気流のために、一旦堆積したウェブが吹き流されて乱れたものになる場合があり、この現象を防ぐためには、該受器の下方から空気を吸引する手段を採用することが好ましい。上記のようにして得られたウェブを、連続的に熱圧着によってシート化することにより、本発明の長繊維不織布を得ることが出来る。
は、加熱した平板を用いることも出来るが、一対のカレンダーロール間にウェブを通して圧着させる方法が生産性に優れていて好ましい。処理の温度及び圧力は、供給されるウェブの目付、速度等の条件によって適宜選択されるべきものであり、一概には定められない点もあるが、より好ましい温度は160〜220℃、特に好ましくは180〜200℃、またカレンダーロールにより処理する場合には、圧着面積率が3%以上、圧力は少なくとも線圧が50N/cm以上であり、好ましくは70〜300N/cmであることが、得られる長繊維不織布の適度な強度と風合い、良好な耐毛羽性を図る上で好ましい。
熱圧着部の面積率は、不織布の全面積に対して3%以上であり、好ましくは4〜90%であり、より好ましくは5〜50%の範囲であり、この範囲にすることで、不織布の柔軟性、嵩高さを良好に発揮させることができる。
本発明の不織布の剛軟度は、目付50g/m2 品で100mm以下であり、より好ましくは90mm以下である。
本発明の不織布は、毛羽等級が2.5級以上と耐毛羽性に優れ、強度も高く、剛軟度が低くソフト性に優れた不織布である。
(1)還元比粘度ηsp/C:オストワルド粘度管を用い、35℃にて、o−クロロフェノールを用いて、比粘度ηspと濃度C(g/100ml)の比(ηsp/C)より求めた。
(2)引張強力:JIS−L−1906に準じて測定した。
(3)目付:JIS−L−1906に規定の方法で測定した。
1.0級:試験片が破損するほど繊維が剥ぎ取られる。
2.0級:試験片が薄くなるほど甚だしく繊維が剥ぎ取られている。
2.5級:毛玉が大きくはっきり見られ、複数箇所で繊維が浮き上がりはじめる。
3.0級:はっきりとした毛玉ができはじめ、または小さな毛玉が複数見られる。
3.5級:一カ所に小さな毛玉ができはじめる程度に毛羽立っている。
4.0級:毛羽立ちがない。
(5)不織布剛軟度:45°カンチレバー法にて測定した。
還元比粘度ηsp/Cが1.7であるポリトリメチレンテレフタレートのポリマーチップを280℃で溶融紡糸し、エジェクターで吸引しながら紡糸速度5000m/minで延伸し、移動する多孔質帯状体に捕集・堆積させて長繊維ウェブ(ηsp/C=1.6)を作成した。このウェブを、190℃に加熱したピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間で、線圧180N/cmにて部分熱圧着して、目付が50g/m2 の不織布を作成した。この不織布の強度、毛羽等級、風合いを、表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、熱圧着用エンボスの加熱温度を200℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、目付が50g/m2 の不織布を作成した。この不織布の強度、毛羽等級、風合いを、表1に示す。
還元比粘度ηsp/Cが1.9であるポリトリメチレンテレフタレートのポリマーチップを280℃で溶融紡糸し、エジェクターで吸引しながら紡糸速度5000m/minで延伸し、移動する多孔質帯状体に捕集・堆積させて長繊維ウェブ(ηsp/C=1.8)を作成した。このウェブを190℃に加熱したピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間で線圧45N/cmにて部分熱圧着して、目付が50g/m2 の不織布を作成した。この不織布の強度、毛羽等級、風合いを、表1に示す。
[実施例4]
実施例3において、ピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間の加熱温度を200℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、目付が50g/m2 の不織布を作成した。この不織布の強度、毛羽等級、風合いを、表1に示す。
還元比粘度ηsp/Cが0.6であるポリトリメチレンテレフタレートのポリマーチップを265℃で溶融紡糸し、エジェクターで吸引しながら紡糸速度5000m/minで延伸し、移動する多孔質帯状体に捕集・堆積させて長繊維ウェブ(ηsp/C=0.5)を作成した。このウェブを190℃に加熱したピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間で線圧180N/cmにて部分熱圧着して、目付が50g/m2 の不織布を作成した。この不織布の強度、毛羽等級、風合いを、表1に示す。
実施例1においてピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間の加熱温度を190℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、目付が50g/m2 の不織布を作成した。この不織布の強度、毛羽等級、風合いを、表1に示す。
[比較例3]
実施例1においてピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間の加熱温度を200℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、目付が50g/m2 の不織布を作成した。この不織布の強度、毛羽等級、風合いを、表1に示す。
還元比粘度ηsp/Cが1.2であるポリトリメチレンテレフタレートのポリマーチップを265℃で溶融紡糸し、エジェクターで吸引しながら紡糸速度5000m/minで延伸し、移動する多孔質帯状体に捕集・堆積させて長繊維ウェブ(ηsp/C=1.1)を作成した。このウェブを190℃に加熱したピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間で線圧180N/cmにて部分熱圧着して、目付が50g/m2 の不織布を作成した。この不織布の強度、毛羽等級、風合いを、表1に示す。
比較例4においてピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間の加熱温度を190℃にしたこと以外は、比較例4と同様にして、目付が50g/m2 の不織布を作成した。この不織布の強度、毛羽等級、風合いを、表1に示す。
[比較例6]
比較例4においてピンポイントエンボス(圧着面積率7.1%)ロールとフラットロール間の加熱温度を200℃にしたこと以外は、比較例4と同様にして、目付が50g/m2 の不織布を作成した。この不織布の強度、毛羽等級、風合いを、表1に示す。
表1、図1、図2に示した様に、還元比粘度ηsp/Cが1.2付近から急激に強力と毛羽等級が向上し、還元比粘度ηsp/Cが2.0付近でその傾向が安定化する傾向にある。
本発明の実施例の不織布は、毛羽等級が3級以上と耐毛羽性に優れ、強度も高く、剛軟度が低くソフト性に優れた不織布である。
Claims (2)
- 還元比粘度ηsp/Cが1.2〜2.1のポリトリメチレンテレフタレート長繊維から構成され、熱圧着で一体化接合された不織布であって、毛羽等級が2.5級以上であることを特徴とするポリエステル不織布。
- 熱圧着面積率が3%以上であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル不織布。
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JP2005172228A JP2006348391A (ja) | 2005-06-13 | 2005-06-13 | ポリエステル不織布 |
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Cited By (1)
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