JP2006346942A - 樹脂粉処理装置及び樹脂粉処理方法 - Google Patents

樹脂粉処理装置及び樹脂粉処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂粉の粉体化、樹脂粉の顆粒化、樹脂粉に添加成分をブレンドしたブレンド粉の形成等の樹脂粉の多様な処理が可能な樹脂粉処理装置及び樹脂粉処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 水平方向に配置された筒状容器30と、筒状容器30内を水平方向に貫通する水平軸10と、水平軸10における筒状容器30内に収容される部分に設けられた回転翼20と、水平軸10において回転翼20が設けられた部分よりも両外側にそれぞれ設けられ、水平軸10を回転可能に支持する一対のベアリング50,50と、水平軸10を回転させる回転手段60と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂粉処理装置及び樹脂粉処理方法に関するものである。
例えば、樹脂廃材の再資源化等において、樹脂の粉体化や、樹脂粉の顆粒化(造粒)、樹脂粉と他の材料とをブレンドしたブレンド粉の形成等の処理が不可欠である。
発明者らは、樹脂粉の形成のための装置として特許文献1において「一軸切削粉砕装置」等の提案を行い、樹脂廃材等を平均粒径500μm程度の粒度に粉体化する装置として実用に供している。
特開2003−88772号公報
最近では、例えば、樹脂粉をより細かく、例えば粒径150μm以下に粉体化することや、樹脂粉の顆粒化(造粒)や、樹脂粉に他の添加成分をブレンドしてブレンド粉を形成すること等の樹脂粉の高度な処理が望まれている。しかしながら、これらの処理を効率よく行うことのできる装置は知られていなかった。
本発明は、樹脂粉の粉体化、樹脂粉の顆粒化、樹脂粉に添加成分をブレンドしたブレンド粉の形成等の樹脂粉の多様な処理が可能な樹脂粉処理装置及び樹脂粉処理方法を提供することを目的とする。
発明者らは、有底容器内に垂直軸周りに回転する回転翼を設けた攪拌装置を用いて、樹脂粉の粉体化、顆粒化、ブレンド粉形成等の樹脂粉の処理をすることを考えた。しかしながら、上述の装置では、樹脂粉を効率よく処理することは困難であった。
本発明者らがさらに検討したところ、次のような構成の樹脂粉処理装置によると極めて効率よく樹脂粉の処理が可能なことを見出して本発明に想到するに至った。
本発明にかかる樹脂粉処理装置は、水平方向に配置された筒状容器と、筒状容器内を水平方向に貫通する水平軸と、水平軸における筒状容器内に収容される部分に設けられた回転翼と、水平軸において回転翼が設けられた部分よりも両外側にそれぞれ設けられ、水平軸を回転可能に支持する一対のベアリングと、前記水平軸を回転させる回転手段と、を備える。
本発明によれば、水平軸が、回転翼を設けた部分を挟むように配置された一対のベアリングにより支持されるので、回転翼を従来に比して高速に回転させ得る。
これにより、樹脂粉は筒状容器の内周面に沿って高速で走行することととなり、樹脂粉同士の衝突、樹脂粉と回転翼との衝突、樹脂粉と筒状容器の内周面との衝突等により樹脂粉は、加速、攪拌、混合、切断、剪断、打撃、搬送等の作用を受け、樹脂粉の粉体化、顆粒化(造粒)、樹脂粉と各種材料とのブレンド粉の形成等の樹脂粉の高度な処理が極めて効率よく行われる。
さらに、筒状容器が水平に配置され、筒状容器内を走行する被処理樹脂粉は主として筒状容器の内周面により支持される。したがって、回転軸が垂直軸回りを回転する装置と異なり、水平軸で筒状容器を貫通し、水平軸における回転翼の両側の部分をベアリングで支持する構造としても、筒状容器と水平軸とのシールが必須とされない。したがって、構造も簡単でありメンテナンス性も良い。
ここで、回転翼及び水平軸は筒状容器と非接触とされていることが好ましい。このように、回転する回転翼及び水平軸と、筒状容器とを非接触とすることにより、高速回転及びメンテナンス性のよさが十分に実現する。
また、回転翼は棒状をなして水平軸から半径方向外側に突出し、回転翼は水平軸の軸周りに複数設けられ、さらに、回転翼は水平軸の軸方向に複数段設けられている事が好ましい。
このような回転翼の構造を有すると、構造が単純にも関わらず極めて効率の良い樹脂粉の処理が可能となる。
回転翼の断面形状は円形、楕円形、半月状、平板(ディスク)状、台形状、切れ刃(くさび)状、あるいはこれら形状の組み合わせが挙げられる。また、先端部は、平面でも良いが、突出していても良い。回転翼の回転により、樹脂粉の、加速、攪拌、混合、切断、剪断、打撃、摩擦、搬送などの作用が行なわれるが、上述の構成によれば、このような作用が十分に発揮される。
また、回転翼の表面に凸凹が形成される事も好ましい。これによれば、樹脂粉に対する機械的作用、例えば、特に、粉体化に資する破砕力の増大を実現できる。
また、回転翼の表面には、硬質材料による表面層、又は、軟質材料による表面層が形成される事も好ましい。
セラミックや超硬合金等の硬質材料による表面層がある場合には、樹脂粉の処理効率の増大が可能である。また、ゴム等の弾性体や樹脂等の軟質材料による表面層がある場合には、硬質の粉砕用メディアボールを筒状容器内に供給して処理をする場合に、回転翼の破損防止等が図られる。
また、筒状容器の内周面と回転翼の先端との間隙が2〜20mmである事が好ましい。
このような、樹脂粉処理装置は、内周面と回転翼の先端との間隔を調整することにより、各種処理の程度の加減が可能であるが、特に、樹脂粉の処理においては、2〜20mmとすることにより好適な処理が可能である。2mmよりも狭いと内周面における粉体の処理量が減少する傾向がある。また、20mmよりも広いと、細粒化率が減少する傾向がある。
特に、2〜10mmの場合には、塩ビ樹脂粉に適する。また、5〜20mmの場合には、繊維を含む樹脂粉を処理した場合に繊維が切断されたりもつれたりすることを抑制できるので、繊維を含む樹脂粉を処理する場合に適する。
また、筒状容器の軸方向両端部には水平軸に向かって突出するバッフル板がそれぞれ設けられ、バッフル板には水平軸を貫通可能とする開口が形成される事が好ましい。
これによれば、バッフル板により筒所容器内からの粉の飛散を抑制することができて好ましい。前記バッフル板は筒状容器自体から取外し可能であってもよい。
また、筒状容器は、水平軸と交差する方向に分割可能な構造である事が好ましい。
これによれば、ベアリングから水平軸を取り外すことなく、回転翼や筒状容器内のメンテナンスを容易に行うことができる。また、筒状容器がバッフル板を有する場合には、バッフル板も筒状容器と同様に分割可能である事が好ましい。
また、筒状容器の内周面に、硬質材料によるライニング層が形成される事も好ましい。
セラミック(アルミナ、ジルコニア等)や超硬合金等の硬質材料のライニング層があると粉体化等の処理効率を向上できる。
また、筒状容器の内周面に凹凸が形成される事も好ましい。
これによれば、内周面上を走行する樹脂粉に対する機械的作用(例えば、破砕力)を増大でき、処理効率、特に、粉体化効率を増大できる。
また、筒状容器の内周面は、筒状容器自体から取り外し可能に設けられたプレート部材により形成された事も好ましい。
このようなプレートの交換により、内周面磨耗時のメンテナンスが容易となり、また、平滑な内周面と凹凸のある内周面とを交換するのも容易となる。
また、処理されるべき樹脂粉が筒状容器の軸方向の一端側から供給され、処理済の樹脂粉が前記筒状容器の軸方向他端側から排出される事も好ましい。
このような構成によれば、連続操業が可能となるので大量処理に好適となる。
また、筒状容器及び水平軸を傾斜可能な傾斜手段をさらに備える事が好ましい。
水平軸及び筒状容器の傾斜角を調整することにより、被処理物の軸方向の移動速度の制御が容易となり、被処理物の筒状容器内での滞留時間の制御が容易となり、各種樹脂粉の処理の程度、例えば、微粉化の程度等を好適に制御できる。
また、回転手段は、回転翼の先端の周速が50m/s以上となるように前記水平軸を回転させることが好ましい。
回転翼の回転数を変えることにより樹脂粉の処理の程度を制御できるが、回転翼の先端の周速が50m/s以上、好ましくは、70m/s以上、さらに好ましくは100m/s以上であると、粉体化、顆粒化等の処理が特に迅速に効率よく行える。
また、筒状容器内の一端側から他端側に向かってガスを供給するガス供給装置をさらに備えることが好ましい。
ガスの供給により、処理対象である樹脂粉の温度を制御できる。処理中の樹脂粉の温度を高温に維持する場合には、軟化、半溶融等による樹脂粉の顆粒化を促進させることができる。一方、処理中の樹脂粉の温度を低温に制御すれば、樹脂粉の粉体化を促進できる。また、繊維材料を含む樹脂粉の処理の場合には、粉体化に伴って生成する繊維分は、遠心作用によって内周面でなく回転中心に移動するので、この繊維分をガス流によって排出させることができ、筒状容器内での繊維分の分離も可能となる。
ここで、ガス供給装置は冷却されたガス又は加温されたガスを供給することが好ましい。また、ガス供給装置は加湿されたガスを供給することも好ましい。
これによれば、筒状容器内の被処理樹脂粉の温度制御が容易である。冷却されたガスは顕熱により、加湿されたガスは潜熱により被処理樹脂粉の温度を低下させることができ、過熱トラブル等も防止しやすい。一方、加温されたガスにより、樹脂粉を加熱して顆粒化を促進させることもできる。
また、筒状容器を冷却又は加温するジャケットを備えてもよい。
また、本発明にかかる1の樹脂粉処理方法は、上述のいずれかの樹脂粉処理装置を用いて樹脂粉を粉体化するものである。
ここで、樹脂粉は、樹脂以外の充填材等の添加剤を含む複合樹脂に由来する、または、互いに異なる複数の樹脂が積層してなる複合樹脂に由来することが好ましい。
樹脂以外の充填材等の添加剤を含む複合樹脂に由来する樹脂粉の場合、本処理により粉体化すると樹脂内に内包する充填材等が樹脂から分離するので、リサイクル性が向上する。また、互いに異なる複数の樹脂が積層してなる複合樹脂に由来する樹脂粉を本処理により微細に粉体化すると、積層構造でない各樹脂単層のみからなる樹脂粉を形成できる。そして、粉体化した樹脂粉をさらに風力分級等することにより、樹脂の純度を向上でき、樹脂粉の再資源化を容易にできる。
この場合、回転翼の先端を50m/s以上の周速度で回転させ、樹脂粉を平均粒径200μm以下の粒度に粉体化する事が好ましい。
また、本発明にかかる他の樹脂粉処理方法は、上述のいずれかの樹脂粉処理装置を用いて樹脂粉の顆粒化を行うものである。
また、本発明にかかるさらに他の樹脂粉処理方法は、上述のいずれかの樹脂粉処理装置を用いて、樹脂粉と添加剤とをブレンドしたブレンド粉を形成するものである。
ここで、平均粒径200μm以下の廃材由来の樹脂粉に重量比5%以内の凝集防止用添加剤を加え、回転翼の先端を30m/s以上の周速にて回転させ、樹脂粉の表面上に添加剤をコーティングすることが好ましい。
このように、廃材由来の樹脂粉の表面を添加剤でコーティングした(表面改質)ブレンド粉は、後工程の樹脂成形工程において、低温配合に適したゾル状溶液中に該ブレンド樹脂粉を分散させた時に、適度な粘度の保持が可能でありこのましい。添加剤としては、エチレングリコールモノ−Nブチルエーテル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
また、樹脂粉は樹脂廃材に由来する事が好ましい。
また、筒状容器内に、メディアボールを供給する事も好ましい。
この場合、粉体化効率が向上する。特に、アルミナボール、ジルコニアボール等の粉砕用メディアボールを、樹脂粉を含む被処理原料に対し、0.1体積%以上の割合にて使用する事が好ましい。
本発明によれば、水平軸周りに高速回転する回転翼の作用により、樹脂粉の粉体化、顆粒化、ブレンド粉の形成、分級等の作用が行われ、樹脂粉の改質処理が高効率に行われる。
まず、図面を参照して、本実施形態にかかる樹脂粉処理装置100について説明する。
本実施形態にかかる樹脂粉処理装置100は、水平軸10、回転翼(ブレード)20、筒状容器30、ベアリング50、モータ60を主として備える。
台座1上には、略水平方向に伸びる円筒状の筒状容器30が配置されている。筒状容器30は、図2に示すように、上部材30a及び下部材30bを有し、上下に分割可能となっている。なお、左右に分割可能とされていても良い。具体的には、例えば、上部材30aのフランジ30fと下部材30bのフランジ30fとがボルト30tにより固定されて筒状容器30を形成している。
図1に示すように、筒状容器30の一端側の上部には、開口30iが設けられており、この開口30iから処理対象となる樹脂粉が筒状容器30内に供給される。また、筒状容器30の他端側の下部には、開口30oが設けられており、筒状容器30内で処理された処理済粉がこの開口30oから外に排出される。
開口30iには、フィーダー72を介して、被処理粉となるべき樹脂粉が貯留されたホッパー70が接続されている。また、開口30oには、フィーダー74を介して処理済粉を貯留するホッパー76が接続されている。
水平軸10は、筒状容器30内をほぼ水平に貫通している。水平軸10において、筒状容器30に収容された部分には、水平軸10の外径を大きくするための円筒部材10aが設けられている。円筒部材10aには、水平軸10から水平軸10の半径方向外側に伸びるように設けられた棒状の回転翼20が多数設けられている。
回転翼20は、水平軸10(円筒部材10a)を軸方向から見た時に(図2参照)、水平軸10の周りに放射状に多数配置されており、さらに、これらの放射状に配置された回転翼20が、図1に示すように、水平軸10の軸方向にも複数段設けられている。
続いて、図3及び図4に、回転翼20の具体的形態の1例を示す。図3の(a)〜(b)に示すように、回転翼20は、水平軸10の円筒部材10aから外側に伸びる棒状形状を有する。なお、図中の矢印は、回転翼20の回転方向である。例えば、図3の(a)のような断面円又は楕円の棒状の回転翼20、図3の(b)のような断面矩形の棒状の回転翼、図3の(c)のような断面台形の棒状の回転翼、図3の(d)のように頂部に傾斜面(突出部)が形成された棒状の回転翼、図3の(e)のように先端が回転方向に向いて配置された切れ刃(断面くさび状)を有する棒状等の回転翼20等が挙げられる。
さらに、図4の(a)〜(e)は、図3の(a)〜(e)の回転翼20の断面図であり、回転翼20は、金属製等のコア部20a及び、コア部20aの表面を被覆する表面層20bを有する。表面層20bは、例えば、ピーニング、酸洗い等の表面処理や、セラミックや超硬合金等のコーティング等により形成された硬質材料層、又は、ゴムや弾性体等により形成された軟質材料層である。硬質材料による表面層がある粉体化効率を向上できる。また、軟質材料層があると、メディアボールを入れた場合に回転翼自体の破損を低減できる。なお、表面層20bを有さなくても良いことは言うまでも無い。
さらに、回転翼20の表面には、凹凸が形成されていてもよい。例えば、図5の(a)に示すように、図3の(a)の回転翼20の外周面に、回転翼20の軸方向に伸びる多数のV溝を形成して、回転翼20の外表面に多数のくさび状の刃20dを形成してもよい。また、図5の(b)に示すよう、図3の(e)の回転翼20の切れ刃の両斜面に、回転翼20の軸方向に伸びる多数の溝20eを設けて階段状にしても良い。回転翼の表面に凹凸ある場合にも粉体化効率を向上できる。
図1に戻って、回転翼20の先端と筒状容器30の内面とは接触していない。回転翼20の先端と、筒状容器30の内面との間の距離Dは、処理内容によっても異なるが、2〜20mm程度が好ましく、2〜10mm程度がより好ましい。回転翼20は、水平軸10の回転方向に沿って複数本設けられることが好ましい。また、回転翼20は、水平軸10の軸方向に沿って、複数段、好ましくは、4段以上設けられることが好ましい。
ここで、図1に示すように、水平軸10に配置された回転翼20のうち軸方向における一端の段と、他端の段との間の距離を距離Lとする。また、また、回転翼20が水平軸10周りに回転する時の回転半径をRとしたときに回転直径を2Rと定義する。距離L及び回転直径2Rは特に限定されないが、例えば、距離L=0.3〜3m、回転直径2R=0.3〜2m程度とすることができる。
なお、距離Lと回転直径2Rとのアスペクト比は特に限定されないが、回転直径2Rよりも距離Lを大きくすることにより、滞留時間や時間当たりの処理量を大きくできる場合が多い。また、後述するバッフル板40と回転翼20までの距離を長くすることにより被処理物の飛散による損失を低減しやすい。
水平軸10は、水平軸10の円筒部材10aよりも両外側、詳しくは、筒状容器30よりも両外側に配置された一対のベアリング50、50により回転可能に支持されている。ベアリング50は、一対の軸架台52により台座1上に固定されている。
水平軸10の一端には、水平軸10を回転させる回転手段としてのモータ60が接続されている。モータ60の回転速度は特に制限されないが、好ましくは回転翼20の先端の周速度が50m/s以上となるように、より好ましくは70m/s以上となるように、さらに好ましくは100m/s以上となるように水平軸10を回転させることが好ましい。回転速度の上限は特に限定されないが、本発明では、200m/s程度の周速度も十分に可能である。
筒状容器30の両端部には、筒状容器30の両端から粉が飛び出さないように堰き止めるためのバッフル板40がそれぞれ固定されている。
各バッフル板40は、筒状容器30の内周面から水平軸10に向かって伸びており、筒状容器30の両端を概ね塞ぐ板状をなしており、水平軸10が貫通するための開口dが形成されている。バッフル板40は、水平軸10や回転翼20とは接触しない。
各バッフル板40は、上部材40a、及び、下部材40bに分割可能であり、バッフル板40の上部材40aが筒状容器30の上部材30aにボルト等により固定され、バッフル板40の下部材40bが筒状容器30の下部材30bにボルト等により固定されている。
一方のバッフル板40の開口40dには空気を供給するブロア82からのガスを筒状容器30内に導入するためのライン83が接続されている。ライン83には、必要に応じて、筒状容器30内に供給するガスを冷却又は加温するガス冷却加温器84や、筒状容器30内に供給するガスを加湿する加湿器85を接続することができる。ここでは、ライン83、ガス冷却加熱器、加湿器85及びブロア82がガス供給装置89を構成している。ガス供給装置89により、樹脂粉の温度制御が容易になる。なお、筒状容器30を冷却又は加温するジャケット92を設けても良い。また、液化二酸化炭素ボンベ等から、冷却された二酸化炭素ガスをライン83を介して供給してもよい。
他方のバッフル板40の開口40dには、筒状容器30内を軸方向に流れてきたガスを排出するためのライン96が接続されている。ライン96には、開口40dからガスを吸引するブロア95と、ブロア95の前段に設けられて、吸引したガス中の繊維分や粒子等を回収するフィルタ94(例えばバグフィルタやサイクロン等)が接続されており、回収されたものはホッパー97に貯留される。
続いて、このような樹脂粉処理装置100の作用について説明する。
予め、モータ60によって回転翼20を回転させる。具体的には、回転翼20の先端の周速を50m/s以上とすることが好ましい。そして、フィーダー72によって、筒状容器30内に樹脂粉を投入する。樹脂粉の材質は、樹脂を主として含む粉ならば特に限定されず、バージン材でも廃材由来のものでもよく、単一材料からなる樹脂粉、複数の樹脂層の積層体を粉砕した複合樹脂粉や、樹脂及び樹脂以外の充填材や繊維等の添加材を含む複合樹脂粉でも構わない。投入する樹脂粉の粒径範囲は特に限定されないが、2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、700μm以下がさらに好ましく、特に500μm以下が好ましい。
図6に示すように、筒状容器30内に投入された樹脂粉120は、高速回転する回転翼20の作用によって回転運動する。そうすると、主として樹脂粉120は、遠心力によって筒状容器30の内周面に沿って層を形成しながら走行することとなる。このとき、樹脂粉120は、固定している筒状容器30の内面に遠心力により押圧され、また、樹脂粉120同士の衝突がおこり、また、樹脂粉120と回転翼20との衝突が起こり、例えば、加速、攪拌、混合、切断、剪断、打撃、摩擦、搬送等の諸作用が行われる。なお、運動量の減衰した樹脂粉120は、図6に示すように、筒状容器30内部で落下する。落下した樹脂粉120は、回転翼20に衝突して加速される。従って、樹脂粉120相互の摩擦による発熱が軽減され、粉砕のエネルギー効率が飛躍的に向上する。
これにより、例えば樹脂粉に対して以下のような処理がなされる。例えば、樹脂粉120の粒度が小さくなるいわゆる粉体化がおきる。特に、回転翼20の先端の回転速度を50m/s以上とすると、平均粒径150μm以下にすることができ、例えば、平均粒径10〜50μm程度の樹脂微粉を得ることができる。ここで、攪拌作用による摩擦熱等によって樹脂粉120の温度が上昇するので、樹脂粉の温度を制御して樹脂粉の顆粒化(造粒)が起らないようにすると、粉体化を効率よく行える。
具体的には、筒状容器30を冷却ジャケット92によって冷却したり、ブロア82からのガス(空気等)特に、ガス冷却加温器84で冷却されたガスや加湿器85により加湿されたガスを筒状容器30内に供給することによって、樹脂粉120の温度を制御することができる。特に、ガスの顕熱やガス中の水分の蒸発潜熱による被処理粉の直接的温度制御は、筒状容器30を介した間接的温度制御よりも効率的である。
具体的には、樹脂粉120の温度を半溶融状態となる温度、言い換えると、軟化温度よりも十分低く制御する(例えば、塩ビ系樹脂粉の場合には100℃以下に制御する)ことにより、樹脂粉120の粉体化を促進して、樹脂粉を、例えば、平均粒径150μm以下、好ましくは、平均粒径100μm以下、より好ましくは、平均粒径50μm以下にまで微粉にすることができる。
一方、樹脂粉120の温度を樹脂粉の融点よりも低いが半溶融状態となる温度、言い換えると、軟化温度よりも高い温度にすることにより、樹脂粉120の造粒が起こり、樹脂粉の顆粒化を行わせることができる。好適な温度は、例えば、塩ビ系樹脂粉の場合では、100〜130℃程度である。顆粒化させると、例えば、樹脂粉の嵩密度が上がり、発塵性が低下し、流動性も向上し、付着性も低下し、また、粒度のばらつきも減る等の効果があるために取扱いが容易になる。たとえば、塩ビの樹脂粉では、10〜50μm程度の一次粒子を含む150〜300μm程度の顆粒を造ることができる。樹脂粉の温度が十分に上がらない場合には、ガス供給装置から加温されたガスを供給してもよく、ジャケット92に温水やスチーム等を供給しても良い。
さらに、筒状容器30内に、改質用あるいはブレンド用の固体や液体を投入することにより、これらの固体や液体を取り込んだ樹脂ブレンド粉(樹脂コンパウンド粉)を形成することもできる。添加する固体、液体としては、他の種類の樹脂粉、樹脂コンパウンドの生成に必要なフィラーや繊維等の添加剤、溶剤、水等が挙げられる。なおブレンド時の温度を上述のように調整することにより顆粒ブレンド粉の形成も可能である。
なお、添加物質は、ホッパー70に入れてもよく、他の供給装置から開口30iに供給しても良い。
このような各種処理がなされた樹脂粉120は、筒状容器30の内面を走りながら徐々に軸方向に移動して開口30oを介して外部に排出される。
なお、筒状容器30の内周面において樹脂粉120により形成される層の厚みを、内面と回転翼20の先端との距離Dと同程度あるいはそれ以下とすると、発熱を抑えて粉体化を促進する効果がある一方、層の厚みを距離Dよりも厚くすると、発熱が促進されるので粉体化だけでなく顆粒化を促進する効果がある。
ここで、フィーダー72から筒状容器30内への樹脂粉120の供給速度は、上述の樹脂粉120により形成される層の厚みが予め定められた厚みとなるように制御すればよい。
なお、回転翼20が高速で回転しているために殆どの粒子は、筒状容器30の内周面にそうように存在するが、原料樹脂粉に繊維状物質等が含まれていると、樹脂粉から分離した繊維が見かけ上の密度が低いために筒状容器30の中心方向に集まってくる。したがって、筒状容器30の下流側から流出するガスを、ライン96により回収してサイクロン等のフィルタ94で分離すると、繊維分がホッパー97に回収でき、本処理装置は分離装置としても利用可能となる。
また、筒状容器30内に、粉砕用メディアボールを入れることも可能である。この場合、少量のメディアボールの投入によっても、粉体化が促進されるという利点がある。
続いて、本発明の変形態様について説明する。
まず、筒状容器30の内周面に、図7の(a)に示すように、硬質材料からなるコーティング層32を設けても良い。例えば、アルミナ、ジルコニア等のセラミックや超硬合金等の硬質材料によるコーティング層32を設けると、内周面の磨耗を低減できてメンテナンス性を高められ、また、粉体化も起こし易い。
これに対して、筒状容器30の内周面が磨耗等しても容易に交換可能となるように、予め筒状容器30の内面に、複数に分割可能なプレート34(例えば、金属製等)を設置しておくこともできる。この場合には、内周面が磨耗してきたらプレート34を交換すればよいので、ランニングコストの低減が可能である。
ここで、上記実施形態では、筒状容器30の内面は平滑面であったが、筒状容器30の内面に凹凸を形成することもできる。たとえば、図8に示すように、筒状容器30の内周面に、凹凸を形成してもよく、この場合、筒状容器30の内面を走る樹脂粉120に筒状容器30の内周面から作用する力が強くなるので、粉体化等の処理能力を一層向上させることができ、さらなる微粉化が可能となる。凹凸の形態は特に限定されないが、例えば、500μm以下の樹脂粉を粉体化する場合には、例えば、表面粗さ3〜10μmの凹凸を内周面に形成する事が好ましく、また、数mmの樹脂粉を粉体化する場合には表面粗さ0.3〜1.0mm程度の凹凸を内周面に形成する事が好ましい。
なお、図8のように、筒状容器30の内周面が凹凸とされた場合でも、図7のようなコーティング層32によるライニングは可能であるし、また、図7のプレート34の表面に凹凸を形成することも可能である。
さらに、上記実施形態では水平軸10及び筒状容器30が水平に配置されているが、やや傾斜させても良い。例えば、図9に示す装置では、台座1の一端に設けられたシリンダー90を伸縮させることによって、水平軸10の傾斜角度θを調節可能である。被処理樹脂粉が供給される側が高くなるように筒状容器30を傾斜させることが好ましい。入り口側が高くなるように筒状容器30を傾斜させることにより、樹脂粉の軸方向の輸送速度を加速でき、樹脂粉の滞留時間を短くすることが容易となり、また、傾斜角θの調節により滞留時間の調節も可能である。好適な傾斜角度θは、0〜30°程度である。また、筒状容器30を傾斜をさせない場合でも、回転翼20を水平軸10に対して倒すように傾斜させることによっても樹脂粉の滞留時間の制御が可能である。具体的には、例えば、回転翼20を各段ごとに異なる角度で水平軸10に対して傾斜させればよい。
また、図9に示すように、筒状容器30の端部と、回転翼20までの距離を十分に取れる場合等には、バッフル板40を有しなくてもよい。
また、上記実施形態では、バッフル板40と筒状容器30とが着脱可能であったが、図10に示すように、バッフル板40と筒状容器30とが着脱不能に一体化されていても良い。この場合も、筒状容器30が、上下や左右に分割できる事が好ましい。
このような樹脂粉処理装置によれば、水平軸10が、回転翼20を設けた部分を挟むように配置された一対のベアリング50,50により支持されるので、回転翼20を従来の処理装置に比して高速に回転させ得る。
これにより、樹脂粉120は筒状容器30の内周面に沿って高速で走行することととなり、樹脂粉同士の衝突、樹脂粉と回転翼20との衝突、樹脂粉と筒状容器の内周面との衝突等により、樹脂粉は加速、攪拌、混合、切断、剪断、打撃、搬送等の作用を受け、樹脂粉の粉体化、顆粒化(造粒)、樹脂粉と各種材料とのブレンド粉の形成等の樹脂粉の高度な処理が極めて効率よく行われる。また、必要に応じて、樹脂粉に加熱、冷却等の種々の作用を行わせることもできる。
さらに、筒状容器30が水平方向に配置され、被処理されるべき樹脂粉は主として筒状容器30の内周面により支持されるので、垂直型の処理装置で容器の上下で軸を支持するのと異なり、筒状容器30の端部(垂直型で言うところの底部)と水平軸10とのシールが必須とされない。したがって、構造も簡単でありメンテナンス性も良い。さらに、バッチ型での処理も可能であるが、一端側から樹脂粉を供給し他端側から樹脂粉を供給するという連続型の処理も可能である。
また、筒状容器30は、水平軸と交差する方向に分割可能な構造であるので、ベアリングから水平軸を取り外すことなく、回転翼20や筒状容器30の内周面内等のメンテナンスを容易に行うことができる。
続いて、このような樹脂粉処理装置100を用いた複合樹脂廃材の再資源化プロセスの例について、図11を参照しながら説明する。
まず、ステップS100において、複合樹脂廃材の粗粉体化を行う。ここで、複合樹脂廃材とは、複数の樹脂層が積層した複合樹脂廃材や、樹脂以外の炭酸カルシウム等の充填剤等の添加剤を含む複合樹脂廃材等である。このような樹脂廃材は、単一樹脂からなる廃材に比べて、再資源化が困難であった。複合樹脂廃材としては、廃タイルカーペットの下地である塩ビバッキング層、等が挙げられる。
ここで、粗粉体化とは、概ね平均粒径が500μm以下になるように複合樹脂廃材を切削等によって細かくすることである。この粗粉体化は、公知の切削装置を用いることができる。これによって、平均粒径500μm以下の樹脂粉300が生成する。
続いて、ステップS102において、上述の樹脂粉処理装置100を用いて、樹脂粉300を粉体化して平均粒径150μm以下にする。ここでは、特に、回転翼20の先端の周速を50m/s以上、好ましくは70m/s以上とすることが好ましい。また、樹脂粉300の温度が樹脂の半溶融温度よりも低くなる、例えば、塩ビ系樹脂の場合には80〜100°程度となるように制御して、粉体化を促進させる一方、造粒による顆粒化が起こりにくくなるようにする。この工程によって、平均粒径150μm以下、好ましくは、平均粒径100μm以下、例えば、10〜100μm程度の樹脂粉310が得られる。
続いてステップS104において、樹脂粉310の複合分級を行う。ここでは、風力分級及び振動スクリーンを組み合わせた複合分級機を用いることが好ましい。そして、振動スクリーンで樹脂粉310の粒度をある程度そろえた上で、風力分級することにより、繊維や夾雑物等の軽質粉314と、炭酸カルシウムを主とする重質粉312と、樹脂を主成分とする中質成分である樹脂粉316とを分離する。
続いて、ステップS106において、上述の樹脂粉処理装置100により樹脂粉316を顆粒化する。このステップでは、樹脂粉の温度が120〜125℃程度になるように温度を制御することにより、樹脂粉316を造粒する。顆粒の粒径は特に限定されないが、例えば、150μm〜300μmとすることができる。これにより、顆粒状樹脂粉320が形成する。
続いて、ステップS108において、顆粒状樹脂粉320を他の材料と混合して、コンパウンド粉330を形成する。他の材料としては、フィラー、バージン樹脂、溶剤等が挙げられる。
このようにして得られたコンパウンド粉330は極めて再利用しやすいものである。例えば、塩ビペーストにこのコンパウンド粉330や顆粒状樹脂粉320を混合すると、廃棄物由来の樹脂粉は良好に分散する。なお、樹脂粉310を使用することも可能である。
また、本装置では、廃棄物由来の樹脂粉で無く、バージン樹脂粉を処理することが可能であることは言うまでもない。
続いて、上記樹脂粉処理装置を用いた具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
ここでは、使用済みタイルカーペットのバッキング層から得られる500μm以下の廃塩ビ系樹脂粉の粉体化及び顆粒化の例について説明する。
一般的なゾルゲル法によるタイルカーペットの生産における塩ビバッキング層は、重量比でおおよそ塩ビペースト樹脂100部、可塑剤 (DOP)100 部、充填剤(炭酸カルシウム)400部、その他少量の安定剤等の添加剤からなっており、常温下でペーストゾル化させた後、加熱及び冷却工程を経て製品化される。
リファインバース株式会社の「製品安全データシート」(MSDS)によれば、廃タイルカーペットの塩ビバッキング層の粉体品の組成は、次の通りである。
Figure 2006346942
上述の廃タイルカーペットの塩ビバッキング層の粉体品TCB-500は、図12に示す通り勾玉状(コンマ記号形状)の粒径500μmを中心とした粉体品である。
この塩ビパッキング層由来の樹脂粉は、切削粉砕加工によって得られたものであり、勾玉形状になっており嵩比重が約0.5トン/mと軽く、多少の付着性があり、またブリッジが生じやすいという傾向がある。
この粉体品を図1の遠心高速流動粉体化装置としての樹脂粉処理装置に投入し、回転翼を先端部の周速で125m/sにて約1分間回転させ、摩擦による自己発熱性を利用してほぼ半溶融状態になるまで攪拌混合して、粉体化及び顆粒化をさせ、その後、ホッパーにて冷却した。
図13は、操作後における顆粒状粉体品の顕微鏡写真であるが、操作前に平均粒径500μmであったものが、50〜200μm程度にまで細粒化されており、かつ嵩比重が0.94g/cm3に高密度化しており、付着防止性、発塵防止性、高流動性、粒度の均一性など著しい改善が認められた。
得られた顆粒状の塩ビ粉を子細に観察すればさらに小さな微粒子の集合体になっており、各微粒子の大きさは10−50μmである。定法に従って配合調整した塩ビペーストにこの顆粒を10%、20%、30%、40%、50%と順次配合し、顆粒状塩ビ粉が可塑剤中に分散して微粒子状態まで分離させた結果、極めて良好なペースト状を示した(図14)。
顆粒状塩ビ粉の添加量を増やせば可塑剤の吸収が増加し全体が粘凋になるが、減粘剤、希釈剤等の添加剤を加えることで粘度上昇をおさえることが出来る。これによれば、現在ゾルゲル法を採用している多くのタイルカーペットメーカーが、大幅な設備改造なしにこの顆粒状塩ビ粉を利用して廃タイルカーペットの循環的利用ができるようになると期待される。
従来、廃材塩ビ樹脂の粉体品は、粉体化したそのままの状態では、塩ビペーストゾル中に殆ど分散せず「ママコ」や「ダマ」を生ずるなど、均一分散が困難であるとされていた。
そのため、特開2004-113385号公報で試みられているように、複数の樹脂廃材粉砕品を入れた投入槽で混合し、時間差を設けて順次コーターに投入してバッキング層を形成する手法により、増粘防止対策を実施している。
しかしながら、そのような対策を施しても、樹脂廃材粉砕品の利用率は、バッキング層全体の20重量%以下(実用的には数%)にすぎず、廃材粉砕塩ビ粉の利用に限界があった。
粒径200μm、好ましくは150μm以下に粉体化された廃材由来の塩ビ粉を、本発明の樹脂粉処理装置でバージン樹脂とあわせて処理(具体的には、樹脂粉処理装置により、攪拌混合の上半溶融状態なった後に冷却する処理)することにより顆粒化したブレンド粉を形成すると、混練り効果によるさらなる細粒化と、バージン樹脂によるコーティング効果により、可塑剤や希釈剤、充填剤などとの親和性の向上や均一分散が実現され、再生塩ビ素材中に、廃材由来塩ビ粉を50%以上に混入することが可能となる。
(実施例2、比較例1)
実施例2では、TC−500よりも粒径の大きなTC−1000(平均粒径1000μm)を被処理樹脂粉として、図1の遠心高速流動粉体化装置としての樹脂粉処理装置を用いて周速125m/s、実施例1と同様に半溶融状態となる温度で処理した。
比較例1では、公知のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製ヘンシェルミキサー、有底容器内に垂直軸周りに回転する回転翼を設けたもの)により、TC−1000を実施例2と同じ温度でかつ周速を65m/sとして処理した。比較表は次の通りである。なお、ヘンシェルミキサーでは、周速を125m/sとするのは困難である。
Figure 2006346942
上の粒度分布を比較した表2からもわかるとおり、原料粉TC−1000は300μm以上の粒度がほとんどであり、比較例1では150μm以下になったものは38.54重量%であったが、実施例2では150μm以下になったものは60.22重量%であった。しかも、処理時間は15分に対し30秒と圧倒的に短時間で処理されている。
廃棄物由来の複合樹脂粉等の樹脂粉を本樹脂粉処理装置で処理することにより、さらなる粉体化、顆粒化、ブレンド粉の形成等が実現される。これにより、樹脂粉の付着防止性、発塵防止性、均一性、流動性等の向上及び高密度化などの改質も可能となる。したがって、特に、樹脂粉の後工程での利用の可能性、例えば、樹脂廃材の再資源化の可能性が大きく拡がる。
本発明の実施形態にかかる樹脂粉処理装置の概略断面図である。 図1のII−II断面図である。 図1の回転翼の形態の一例を示す拡大斜視図である。 図3の回転翼の断面図である。 図1の回転翼の他の形態を示す拡大斜視図である。 図1の筒状容器内の様子を示す模式図である。 樹脂粉処理装置の他の形態を示す概略断面図である。 樹脂粉処理装置の他の形態を示す、軸に垂直な方向の概略断面図である。 樹脂粉処理装置の他の形態を示す概略断面図である。 樹脂粉処理装置の他の形態を示す概略分解図であり、(a)は軸方向に沿う分解断面図、(b)は分解分解図である。 図1の樹脂粉処理装置を用いた複合樹脂廃材の再資源化プロセスフローである。 塩ビタイルカーペットの塩ビバッキングシートを切削した樹脂粉(平均粒径500μm)の顕微鏡写真である。 粉体化及び顆粒化後の100μm程度に顆粒化した粉の顕微鏡写真である。 顆粒化した樹脂粉を塩ビペースト中に分散してなる再生樹脂コンパウンドの顕微鏡写真である。
符号の説明
10…水平軸、20…回転翼、20b…表面層、30…筒状容器、40…バッフル板、50…ベアリング、60…モータ(回転手段)、32…ライニング層、34…プレート部材、90…シリンダ(傾斜手段)、82…ブロア、84…ガス冷却加温器、85…加湿手段、89…ガス供給装置、100…樹脂粉処理装置。

Claims (26)

  1. 水平方向に配置された筒状容器と、
    前記筒状容器内を水平方向に貫通する水平軸と、
    前記水平軸における前記筒状容器内に収容された部分に設けられた回転翼と、
    前記水平軸において前記回転翼が設けられた部分よりも両外側にそれぞれ設けられ、前記水平軸を回転可能に支持する一対のベアリングと、
    前記水平軸を回転させる回転手段と、
    を備える樹脂粉処理装置。
  2. 前記回転翼及び前記水平軸は、前記筒状容器と非接触とされている請求項1に記載の樹脂粉処理装置。
  3. 前記回転翼は棒状をなして前記水平軸から半径方向外側に突出し、前記回転翼は前記水平軸の軸周りに複数設けられ、さらに、前記回転翼は前記水平軸の軸方向に複数段設けられている請求項1又は2に記載の樹脂粉処理装置。
  4. 前記回転翼の表面に凸凹が形成された請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  5. 前記回転翼の表面には、硬質材料による表面層、又は、軟質材料による表面層が形成された請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  6. 前記筒状容器の内周面と前記回転翼の先端との間隙が2〜20mmである請求項1〜4の何れかに記載の樹脂粉処理装置。
  7. 前記筒状容器の軸方向両端部には前記水平軸に向かって突出するバッフル板がそれぞれ設けられ、前記バッフル板には前記水平軸を貫通可能とする開口が形成された請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  8. 前記筒状容器は、前記水平軸と交差する方向に分割可能な構造である請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  9. 前記筒状容器の内周面に、硬質材料によるライニング層が形成された前記請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  10. 前記筒状容器の内周面に凹凸が形成された請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  11. 前記筒状容器の内周面は、前記筒状容器自体から取り外し可能に設けられたプレート部材により形成された請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  12. 処理されるべき樹脂粉が前記筒状容器の軸方向一端側から供給され、処理済の樹脂粉が前記筒状容器の軸方向他端側から排出される請求項1〜11のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  13. 前記筒状容器及び前記水平軸を傾斜可能な傾斜手段をさらに備える請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  14. 前記回転手段は、前記回転翼の先端の周速が50m/s以上となるように前記水平軸を回転させる請求項1〜13のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  15. 前記筒状容器内の一端側から他端側に向かってガスを供給するガス供給装置をさらに備える請求項1〜14のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  16. 前記ガス供給装置は冷却又は加温されたガスを供給する請求項15に記載の樹脂粉処理装置。
  17. 前記ガス供給装置は加湿されたガスを供給する請求項15に記載の樹脂粉処理装置。
  18. 前記筒状容器を冷却又は加温するジャケットをさらに備える請求項1〜17のいずれかに記載の樹脂粉処理装置。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の樹脂粉処理装置を用いて樹脂粉を粉体化する樹脂粉処理方法。
  20. 前記樹脂粉は樹脂以外の添加材を含む複合樹脂に由来する、及び/又は、前記樹脂粉は互いに異なる複数の樹脂が積層してなる複合樹脂に由来する請求項19に記載の樹脂粉処理方法。
  21. 前記回転翼の先端を50m/s以上の周速度で回転させ、前記樹脂粉を平均粒径200μm以下の粒度に粉体化する請求項19又は20に記載の樹脂粉処理方法。
  22. 請求項1〜18のいずれかに記載の樹脂粉処理装置を用いて樹脂粉の顆粒化を行う樹脂粉処理方法。
  23. 請求項1〜18のいずれかに記載の樹脂粉処理装置を用いて、樹脂粉と添加剤とをブレンドしたブレンド粉を形成する樹脂粉処理方法。
  24. 平均粒径200μm以下の廃材由来の樹脂粉に重量比5%以内の凝集防止用の添加剤を加え、前記回転翼の先端を30m/s以上の周速にて回転させ、前記樹脂粉の表面上に前記添加剤をコーティングする請求項23に記載の樹脂粉処理方法。
  25. 前記樹脂粉は廃材に由来するものである請求項19〜24のいずれかに記載の樹脂粉処理方法。
  26. 前記筒状容器内に、メディアボールを供給する請求項19〜25のいずれかに記載の樹脂粉の処理方法。
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