JP2010119974A - 粉体処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料粉体を粉砕することなく、粉体特性に影響されずに、大量の原料粉体を連続的に球形化処理あるいは複合化処理できる高効率な粉体処理装置および粉体処理設備を提供する。
【解決手段】高速回転する円筒状の回転子2と、回転子と同軸に配置された円筒状の固定子3とを備える本体部4と、原料粉体を気流と共に本体部4に供給する供給口6と、本体部4で処理を受けて形成された処理済み粉体を本体部4から排出する排出口7とを備え、固定子3の内壁に軸に垂直な面内で周回する円周溝14が形成され、回転子2の外周に固定子の円周溝14に対向する突起16であって外縁が円周溝14の内法を超え円周溝に嵌入して回転する突起16の周方向に並んだ列を備える粉体処理装置、およびこの粉体処理装置を組み込んだ粉体処理設備。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉体粒子を球形化または表面平滑化する、あるいは2種類以上の粉体を混合または複合化する粉体処理装置に関する。
最近、電子技術用材料、光学技術用材料、高分子材料、医用材料として使用される樹脂、カーボン、金属、鉱物などの微粉体において、粉体形状の改善、特に、不規則粒形の球形化により流動性や充填性等を向上させるニーズが高くなってきた。さらに、粉体物性の改善、特に、2種以上の粉体の複合化により粉体表面を改質し、機能性を向上させるニーズも高くなってきた。
このような粉体の球形化処理、さらに複合化処理に使用される粉体処理装置および粉体処理設備として、たとえば、特許文献1に開示された粉体処理装置が使用されていた。開示の粉体処理装置は、端面を塞いだ円筒状の回転子とその回転子の外側に僅少な間隙をもって嵌挿された円筒状の固定子とを備えている。回転子の外側表面および固定子の内側表面には、母線と平行な多数の突起材が周方向に連続して設けられていて、回転子の回転により、各々の突起材間に形成される間隙に多数の微少渦流を形成して、気流中に分散した不規則粒形の粉体または2種以上の粉体が相互に強力に接触することにより、球形化あるいは複合化された粉体が連続的に生産されるものである。
しかし、開示の粉体処理装置は、融点の高い粉体や黒鉛などのように塑性変形しない粉体について球形化することが難しく、また複合化できる粉体の条件が狭いという問題があった。
この課題を解決するものとして、特許文献2が、特許文献1に開示された粉体処理装置に対して、固定子の内周面に固定子の軸線に対して直交する円周溝、または軸線に対して傾いた螺旋溝を持つように改良された粉体処理装置が開示されている。
図22は、特許文献2に開示された改良型粉体処理装置の1実施形態を示す断面図、図23は回転子と固定子の係合状態を示す要部拡大図である。
図22に示された粉体処理装置101は、粉体処理をする本体部104と、本体部104の一端に設けられ原料粉体を気流と共に供給する供給口106と、本体部104の他端に設けられ処理済み粉体を気流と共に排出する排出口107とを備える。本体部104は、固定子103の中で回転子102が高速回転する構成を有する。固定子103が回転子102と同軸に配置されて、回転子102との間に間隙105を形成するようになっている。
回転子102は、外周面が凹凸のない平滑な曲面で形成されたものであってもよいが、図22に示されたように、外周面に、回転子102の軸線に対して平行な畝形の縦凸部116、または、軸線に対して0度を超え45度以下の角度をなして傾斜する畝形の傾斜凸部が形成されたものであれば、粉体処理装置の効率がより向上する。なお、傾斜凸部は供給口106から排出口107に向かって流れる気流の移動を幇助する作用を有する。
回転子102は、回転軸109が頂板111の軸受112bと基台110の軸受112により支持されて、基台110の上で垂直姿勢を維持する。また、回転軸109の下端部には図外の駆動装置により駆動されるVプーリー113が装着されていて、回転子102は回転軸109を中心に、例えば、通常周速100〜130m/s、最高周速170m/sなどの高速で回転する。
固定子103は、円筒状に金属等で作製された円筒体であって、回転子102の外側に間隙105を形成するように回転子102と同軸に配置されている。なお、固定子103は、冷却ジャケット108を備えてもよい。固定子103には、その内周面に、固定子103の軸線に対して直交する円周溝114が多段に形成されている。
図23に示すように、固定子103と回転子102の間にできる間隙105は、回転子102の最外周面(凸部があればその先端)と固定子103の最内周面(円周溝114の先端)との間に形成される互いに重ならない不干渉空間が全周に亘って存在する。回転子102最外周面と固定子103最内周面は、距離Sが0.5〜5mmの範囲になるように構成される。
距離Sが0.5mm未満の場合には、間隙105内での原料粉体同士の接触や、原料粉体と回転子102最外周面または固定子103最内周面との接触が著しくなり、最外周面または最内周面に焼付き現象を起こし易くなる。また、距離Sが5mmを超える場合には、間隙105内に旋回流が発生し難くなり、原料粉体の球形化処理、さらに複合化処理が進み難くなる。
特許文献2の粉体処理装置101によれば、固定子103と回転子102の間隙105に気流と共に供給された原料粉体は、回転子102が回転することで固定子103の内壁面に生成する旋回流に揉まれながら、間隙105内を供給口106から排出口107に向けて通過する。この際、固定子103の内周面に円周溝114または螺旋溝が設けられていることにより、旋回流による遠心力で原料粉体が溝底に押し付けられる。そして、原料粉体が溝から出るためには遠心力と逆方向に移動しなければならないので、原料粉体は容易には溝から出られず、溝内に長時間滞留することとなる。
このため、風量(気流の流速)を下げなくても滞留時間が長くなり、さらに、壁面と原料粉体との接触、および、原料粉体同士の接触が多くなって、原料粉体の球形化処理が進み、処理能力が向上する。また、2種以上の原料粉体を複合化処理する場合にも同様に処理能力が向上する。さらに、粉体処理により発生する熱を気流によって冷却でき、処理温度の上昇が少なくなる。また、従来の粉体処理装置に設けられた軸線と平行な突起材により形成された間隙と異なり、間隙内に強力な渦流が発生することを抑えられて、原料粉体の粉砕が防止される。
このように、特許文献2に開示された粉体処理装置は、粉体が粉砕されることなく、大量の粉体を1回で球形化処理、さらに複合化処理できると共に、黒鉛のような塑性変形しない粉体から融点の低い粉体まで粉体の特性に影響されず球形化処理および複合化処理をすることができる。
特公平05-32094号公報 特開2007−130627号公報
しかし、最近、これら粉体の用途が広がり生産量が増大したため、粉体形状の改善や粉体物性の改善に対する要請が高まり、粉体処理装置の一段の効率化が強く求められるようになってきた。ところが、特許文献2に記載の従来型粉体処理装置では、回転子の突起先端が固定子の溝の外で回転するため、回転子の回転で発生する旋回流が溝の外を流れて、溝内部における風速が回転子の旋回速度より低くなることから、処理効率をより以上向上させることが難しかった。
そこで、本発明の目的は、原料粉体を粉砕することなく、粉体特性に影響されずに、大量の原料粉体を連続的に球形化処理あるいは複合化処理できる高効率な粉体処理装置および粉体処理設備を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明に係る粉体処理装置は、高速回転する円筒状の回転子と、その回転子の側面を囲繞する形で回転子と同軸に配置された円筒状の固定子とを備える本体部と、本体部の一端側に設けられ原料粉体を気流と共に本体部に供給する供給口と、本体部の他端側に設けられ原料粉体が本体部における処理を受けて形成された処理済み粉体を本体部から排出させる排出口とを備えた粉体処理装置において、固定子の内壁に軸に垂直な面内で周回する円周溝が形成され、回転子の外周に固定子の円周溝に対向する突起であって外縁が円周溝の内法を超え隙間を介して円周溝に嵌入して回転する突起を周方向に複数備えたことを特徴とする。
回転子の突起は横断面長軸方向が回転子の軸に平行であるものであってもよい。また、突起の横断面長軸方向が回転子の軸に対して傾いているものであってもよい。さらに、回転子の突起は回転方向に対して前傾あるいは後傾したものであってもよい。また、突起は回転子に脱着可能に取り付けられるものであってもよい。なお、隣接する突起の間に円弧状の溝が形成された突起であってもよい。
固定子は、内壁に複数の円周溝を軸方向に設けてもよい。また、複数の円周溝に嵌入する突起の形状が供給端から排出端までの間で変化するように配置してもよい。
固定子は、軸方向に2以上に分割できて、分割した固定子を側方から回転子にあてがって設置できるようになっていることが好ましい。
上記課題を解決するため、本発明に係る粉体処理設備は、本発明に係る粉体処理装置と、供給口に供給され排出口から排出される気流を発生させる排風装置と、原料粉体を粉体処理装置の上流側に形成される気流に対して供給する原料供給装置と、排出口から排出された気流から粉体処理装置で処理された処理済み粉体を回収する回収装置とを備えることを特徴とする。原料供給装置は、2種類以上の原料粉体を混合する原料混合装置を備えるものであってもよい。
本発明に係る粉体処理装置によれば、供給口から間隙に気流と共に供給された原料粉体は、高速回転する回転子により固定子の円周溝内に発生する旋回流に流されながら、一方で供給された気流に従い間隙内を供給口から排出口に向けて通過する。この際、固定子の溝内に回転子の突起が入り込んで回転するため、溝内における粉体の移動速度が速くなり、また、軸方向の流路が長くなるため溝内における粉体の滞在時間が長くなり、従来型と比較して処理効果が向上する。なお、円周溝内には回転子の回転速度と同等の旋回流が発生するが、過剰に激しい渦流にはならないので、原料粉体は粉砕されずに球形化あるいは複合化する。
回転子の突起が、断面長軸方向が回転子の軸に平行であるものでは、固定子の円周溝内に回転速度に匹敵する旋回流を発生させることができる。また、突起の断面長軸方向を回転軸に対して傾かせると、傾きの方向により粉体の排出を促進したり抑制したり、また、円周溝内の滞留時間を延ばしたりすることができる。
さらに、回転子の突起が回転方向に対して前傾あるいは後傾したものであれば、回転子が回転している間に粉体の集まりやすい部分が異なり、円周溝における滞留時間を調整することができる。また、突起が回転子に脱着可能に取り付けられるものであれば、突起が摩耗した場合などにも容易に交換して再生することができる。なお、突起の取り付け角度を変更できるものでは、処理効果の調整も可能になる。
隣接する突起の間に円弧状の溝が形成された突起では、固定子の溝内に発生する旋回流の効果に加えて、回転子の溝内に起こる渦流の効果も加わり、処理効果が向上する。
固定子の内壁に複数の円周溝を軸方向に設けた場合は、旋回流による処理効果が蓄積して、1パスで十分な球形化処理あるいは複合化処理を行なうことができる。なお、複数の円周溝に嵌入する突起の形状が供給端から排出端までの間で変化するように配置することにより、供給部から排出部に亘り、滞留時間調整や排出促進など、それぞれの部分で適切な処理を行って処理効率を向上させることができる。
回転子の外径は固定子の内壁内径より大きいので、組立が難しい。そこで、固定子を軸方向に2以上に分割できるように構成して、分割した固定子を側方から回転子にあてがって組み立てられるようになっていることが好ましい。
本発明に係る粉体処理設備によれば、原料供給装置により、供給口への処理原料の供給量が調整され、排風装置により、処理原料と共に供給口に供給される気流の流速、粉体処理装置の間隙内を流通する気流の流速(風量)および球形化された処理物と共に排出口から排出される気流の流速が調整される。また、回収装置により、球形化あるいは複合化された処理物が効率よく回収される。したがって、本発明の粉体処理設備は、連続運転が可能である。
なお、冷却装置を備えることにより、粉体処理装置内に供給される処理原料の温度が低くなり、球形化処理における処理温度が低くなり、処理原料の融着を抑えることができる。その結果、処理原料の球形化処理が進み、処理能力が向上する。特に、融点の低い処理原料において顕著となる。
また、2種類以上の原料粉体を使って複合化する場合は、予め混合された原料粉体を直接に供給してもよいが、原料供給装置に2種類以上の原料粉体を混合する原料混合装置を備えて、複数の原料源から個別に取得した原料粉体を混合して、温度調節された気流中に混入することにより粉体処理装置に供給することにより、粒径の大きい母粉体の表面に、粒径の小さい子粉体が付着して複合化が行われる。
以下、本発明に係る粉体処理装置および粉体処理設備の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。本発明に係る粉体処理装置において処理対象とする粉体は、有機、無機系を問わず、トナー、黒鉛、ナイロン、酸化チタン等に代表される、平均粒径が数百μm以下の粉末とする。なお、粉体処理とは、例えば、平均粒径が5〜50μmの不規則粒形の粉体を球形化処理すること、粒子表面の凹凸を平滑化すること、または、例えば、平均粒径が5〜50μmの母粉体の表面に、母粉体の平均粒径に対して好ましくは1/10以下、より好ましくは1/100の粒径を持つ他の子粉体を付着させて粉体を複合化するなど、異なる機能を有する2種以上の粉体を複合化処理することを意味する。また、複合化処理においては、複合化した粉体の球形化処理も同時に行なわれる。
図1は本発明の1実施形態に係る粉体処理装置の構成を示す断面図、図2は回転子および固定子の係合状態を軸に平行な面で示した要部拡大断面図、図3は図2のIII−III断面を示す要部拡大断面図、図4は図2のIV−IV断面を示す要部拡大断面図である。なお、図面に用いる参照番号は、図面が変っても、同じ機能を有する要素にはできるだけ同じ番号を使用することによって、混乱を避けるようにした。
図1に示すように、本実施形態における粉体処理装置1は、本体部4と、本体部4の一端側に設けられた供給口6と、本体部4の他端側に設けられた排出口7とを備える。
本体部4は、高速回転する円筒状の回転子2と、回転子2と同軸に配置された円筒状の固定子3とを備える。固定子3は、金属等で円筒状に作製された円筒体であって、回転子2の側面を囲繞するように配置される。固定子3の内周面は、超硬合金やセラミックなどの耐摩耗材料により形成されていることが好ましい。あるいは、硬質クロムメッキまたは超硬合金等の溶射により耐磨耗処理されていてもよい。また、固定子3は、冷却ジャケット8を備えることが好ましい。
回転子2は、回転軸9を有し、この回転軸9が頂板11に設けられた軸受12bおよび基台10に設けられた軸受12aにより、基台10の上に垂直に支持されている。また、回転軸9の下端部には図示しない駆動装置により駆動されるVプーリー13が装着されている。回転子2は、回転軸9を中心に、例えば、通常周速100〜130m/s、最高周速170m/sで、高速回転する。また、回転子2は、円筒状に金属等で作製された円筒体であって、その外周面を超硬合金やセラミックなどの耐摩耗材料により形成されていることが好ましい。あるいは、硬質クロムメッキまたは超硬合金等の溶射により耐磨耗処理されていてもよい。
固定子3の内壁には、回転子2の回転軸9に垂直な面内で周回する円周溝14が多段に設けられている。また、回転子2の外周壁には、それぞれの円周溝14に対向する位置において、複数個の突起16が周方向に並んで外周壁を1周するように設置されている。突起16は、図2、および図3と図4に示すように、先端が円周溝14の内法を超えて円周溝14に嵌入し、固定子3内壁と回転子2外周壁の間には、円周溝14と突起16が軸方向に重なって存在する間隙5が形成される。突起16は、円周溝14内の壁面とは接触しない状態で狭い隙間を保ったまま円周溝14の中で溝に沿って回転する。したがって、円周溝14の断面と突起16の投影断面に大きな差がない限り、回転子2の回転により固定子2の円周溝14の中に回転速度と同等の旋回流が生じることになる。
供給口6は、本体部4の上流側である一端に設けられ、原料粉体を気流と共に回転子2と固定子3との間に形成された間隙5に供給する。また、排出口7は、本体部4の下流側である他端に設けられ、回転子2と固定子3との間で球形化または複合化された処理済み粉体を間隙5から排出する。そして、原料粉体の供給および処理済み粉体の排出を容易なものとするために、供給口6は回転子2の回転時に吸い込む方向に気流を供給するように、また排出口7は回転子の回転時に噴き出す方向から気流を吸い出すように設けられていることが好ましい。
本実施形態の粉体処理装置の運転時には、排出口7から空気を吸い出すことにより供給口6から空気を吸い込んで粉体処理装置1内に気流を発生させる。気流の存在下で回転子2を高速回転させると、突起16の回転により固定子3の円周溝14内に高速の旋回流が発生する。この状態で、気流中に原料粉体を供給すると、原料粉体は気流中に分散して円周溝14と突起16の間隙5に達し、旋回流の効果で、気流中に分散した不規則粒形の粉体または2種以上の粉体が円周溝14の壁面と強く接触したり、粉体同士で強力に接触することにより、球形化あるいは複合化された粉体が連続的に生産される。
このとき、黒鉛のような塑性変形しない粉体や融点の低い粉体など粉体の性状によって最適な旋回流速度が異なるが、本実施形態の粉体処理装置1では、旋回流速度は回転子2の回転速度によって容易に調整することができるので、個々の原料粉体、粉体処理内容に適合する調整方法を実験的に探索することにより、広く種々の粉体に対して球形化や複合化の粉体処理を実施することができる。
なお、気流温度を調整する装置を導入することによって、粉体の性状や処理条件に基づく要求に応えられるようにすることもできる。たとえば、トナーの処理では、融着が起こらず最良の結果が得られるように、排気口における温度が60〜70℃を超えないように吸気温度を管理することによりよい結果を得ることができる。
また、処理時間は対象により調整が必要になるが、本実施形態の粉体処理装置1では、気流の風量、すなわち風速により、処理領域である間隙5における滞留時間を簡単に調整できるため、広い対象に適用できる。また、突起16の突起の高さ方向に垂直な横断面の長軸方向を回転軸に対して傾かせると、傾きの方向により間隙5における粉体の排出速度を促進したり抑制したりすることができる。
なお、円周溝14内には回転子2の回転速度と同等の旋回流が発生するが、突起16は円周溝14内の壁面と狭い隙間を保ったまま円周溝14の中で溝に沿って回転する。したがって、円周溝14の断面と突起16の投影断面に大きな差がない場合には、円周溝14近傍に過剰に激しい渦流は発生しないので、原料粉体は粉砕されずに球形化あるいは複合化することができる。
粉体処理に適する間隙5は、固定子3や回転子2の径や長さ、風量や時間当たりの処理量、さらに粉体の比重など処理対象の特性などによって決まる。間隙5が狭くても空気は流通するが、圧損が大きくなって現実的でなくなる場合がある。また、風量を下げれば圧損も小さくなるが、温度上昇が大きくなり、原料濃度も上がるので、原料投入量を抑える必要が生じる。なお、粉体輸送に必要な空気の最低流速は決まっており、また、風速を不必要に速くしても配管での圧損が大きくなりすぎたり、摩耗が生じやすくなったりするなどの問題があるので、装置のサイズに従って、風量の上下限はおのずから決まる。
そこで、固定子3の内周面と回転子2の外周面との間の間隙5を小さくしたときに、固定子3の上下に隣接する円周溝14の間に適当な間隔で繋ぎ溝を開削することにより、粉体と空気の流れを確保するようにしてもよい。
なお、図1では粉体処理装置1が回転子2の回転軸9を垂直に配置した状態について記載しているが、粉体処理装置1の姿勢は、たとえば回転軸9を水平にあるいは適宜の角度になるように配置する、上下逆さまに配置するなど、任意に選択することができる。
図5は、本実施形態に適用できる各種の回転子と固定子について係合状態を図2と同じように軸に平行な面で示した断面図である。
図5(a)は、固定子3の内周壁に断面が長方形の円周溝14が設けられ、これに対して、回転子2の外周壁に寸法がわずかに小さい長方形の突起16が周回して設けられた例を示す。最も単純な形状の組み合わせで、粉体が円周溝14の奥に押し込められて滞留時間が長くなりがちなので、比重の大きい粉体や融着しやすい粉体は避ける必要があるが、比重の小さい粉体に適している。
図5(b)は、円周溝14と突起16両方の下流部(気流は図中下から上に流れる)にテーパを形成して、粉体の流出を促すようにした例を示すものである。
図5(c)は、(b)図の突起16の下流部を切り落とした形にしたものである。処理済み粉体の排出をさらに促進する形状になっている。
図5(d)は、(c)図における形状に対して下流部の輪郭に丸みを持たせることにより、下流部の面やエッジに粉体が固着したり融着したりすることを防止したものである。
図5(e)は、(c)図における形状に対して上流部について輪郭に丸みを持たせることにより、上流部の面やエッジにおける粉体の付着を抑制したものである。
図5(f)は、(d)図と(e)図の形状を組み合わせて上流下流とも付着を抑制したもので、付着や融着を起こしやすい粉体に有効である。
図5(g)は、円周溝14と突起16のいずれも輪郭に丸みを持たせたもので、下流側で円周溝14と突起16を徐々に乖離させている。溝における滞留時間が極めて短くなる形状になっていて、処理効果は下がるが、融着しやすい粉体でも扱えるという利点がある。
図5(h)は、上流側にテーパを形成したもので、粉体を溝内に保持する効果が高く粉体密度も高くなって処理効果も向上する。比重が低く、融着しにくい原料粉体に有効である。
図6は、さらに別のタイプの回転子と固定子の係合状態を表した図面である。(a)図は、図2と同様の方法で回転子と固定子の係合状態を示した断面図、(b)図は、(a)図のB−B断面図である。
図5に示した回転子2の突起16は全て固定子3の円周溝14に挿入できる部分にだけ存在するが、図6に示した突起16は、回転軸方向に隣り合わせた突起同士をつなぐ堰堤部17を備えて、円周溝14の無い固定子3の内周壁の部分についても空気を押し回す機能を追加したものである。このように形成することにより、固定子3の内周壁全面において粉体処理効果が得られて処理効率が向上する。なお、円周溝14や突起16の形状は図5(c)のものと同じものとして表示したが、他の形状を採用した場合でも円周溝14でない壁面における処理効果が得られることはいうまでもない。
図7は、本実施形態の粉体処理装置において、円周溝14と突起16の形状について粉体処理効果が見られる範囲をパラメータに関わる測定部位と一緒に表記した図面である。なお、堰堤部17の高さwが0でなければ、図6に表した堰堤部17が存在することになる。
図7に従って、粉体処理効果が得られる範囲を示すと、固定子3の内周壁面と回転子2の外周壁との最も狭い場所における距離S、堰堤部17があるときは固定子3の内周壁面と堰堤部17の頂面との最も狭い場所における距離Sが0.5mm以上10mm以下(望ましくは1mmから7mm)であって、円周溝14の奥壁面と突起16の頂面との最も狭い場所における距離sが0.5mm以上5mm以下(望ましくは1mmから3mm)であって、堰堤部17の高さwが0mm以上10mm以下(望ましくは0mmから5mm)であることが条件となる。
さらに、突起16の上流側の傾斜角θaが30°以上90°以下であり、下流側の傾斜角θbが20°以上90°以下であり、円周溝14の上流側傾斜角ψaが30°以上90°以下であり、下流側傾斜角θbが20°以上90°以下であることが条件である。
また、円周溝14の深さDは2mm以上20mm以下(望ましくは4mm以上10mm以下)、円周溝14の溝の軸線方向の長さHは1/2D以上10D以下(望ましくはD以上3D以下)、突起16の上流側切り欠き深さL1は0mm以上w/tanθa以下であることが求められる。
なお、円周溝14の平面交差部の曲率半径と、突起16の輪郭における直線交差部の曲率半径についても制約が存在する。
上に本実施形態に適用できる各種の回転子突起と固定子円周溝の組み合わせについて説明したが、1基の粉体処理装置に設けられる円周溝の全段で同じ組み合わせである必要はないことは言うまでもなく、粉体処理工程の進行に応じて適合する組み合わせを選択することが好ましい。たとえば、温度上昇することで融着が起こるような粉体を処理する場合は、温度が低い供給部側では滞留時間が長くなる回転子突起と固定子円周溝の組み合わせを選択して粉体処理の効率を高めておき、温度が上がる排出部側では排出促進効果が高い組み合わせを選んで融着を防止しながら処理するようにすることができる。
図8から図18は、本実施形態に適用できる回転子の突起について、いくつかの形状を例示した図面である。
図8は、回転子2の外周に設けた突起16が四角形の平板で回転子2の外周面に垂直にかつ回転軸9に平行に配列された場合を示す。(a)図は突起16を取り付けた回転子2の一部を表示した断面図、(b)図は突起16の列のみを表示した側面図である。固定子3の円周溝14内に突起16の速度に対応する流速を持った高速な旋回流を形成させることができる。
図9は、回転子2の外周に設けた突起16が四角形の平板で回転子2の外周面に垂直にかつ回転方向に対して下端が上端より前に出た姿勢で配列された場合を示す。(a)図は突起16を取り付けた回転子2の一部を表示した断面図、(b)図は突起16の列のみを表示した側面図である。(b)図に示すように突起16の形状が下端より上端が回転方向にみて遅れているので、間隙5中の粉体を下流(図中上方)に排出することを促進する。図9に示す突起16は、比重の大きい粉体や融着しやすい粉体の処理を容易にする。
図10は、図9とは逆に、突起16が回転方向に対して上端が下端より前に出た姿勢で配列された場合を示す。(a)図と(b)図は、図8や図9と同様の断面図と側面図である。図10に示す突起16は、回転方向に対して下端より上端が前に出ているので、粉体が上方に移動し難くして排出を抑制し滞留時間を増加させ、処理効果が増大する。図10の突起16は、また、比重が小さく流出しやすい粉体の処理を容易にする。
図11は、本実施形態に適用できる回転子の突起について、さらに、いくつかの形状を例示した断面図である。
図11(a)は、図8に示した回転軸9に平行な平板列において、突起16の根元のコーナー部18を滑らかにして、コーナー部18への付着による滞留を抑制し、処理済み粉体における処理効果のばらつきを抑制するようにしたものを表す。
図11(b)は、突起根元のコーナー部をさらに滑らかにして、突起16間の溝19を円弧状に形成したものである。固定子3の円周溝14内で旋回流を形成すると共に、回転子2の突起16間の溝19に渦流を形成するため、粉体処理効果が増進する。
図11(c)は、突起16が図中矢示された回転方向に対して前傾しているものである。突起16の上流側根元に粉体が溜まりやすく、溜まった粉体は動きが少ないので、全体として粉体処理作用が抑制される。
図11(d)は、突起16が回転方向に対して後傾しているものである。粉体が円周溝14の壁に押し付けられるので、円周溝14における滞留時間が長くなる。したがって、比重の小さい粉体などに有効である。
図11(e)は、回転方向前方に傾斜角が大きく後方に傾斜角が小さなほぼ三角形状を持った突起16を備えた回転子2を示す。突起16の間にできる溝19が奥に行くほど狭まっているので、粉体が溝19の奥の方に行き難くなって、円周溝14における粉体の滞留時間が増加し、処理効果が増大する。
図11(f)は、回転方向前方に傾斜角が小さく後方に傾斜角が大きな三角形状を持った突起16を備えた回転子2を示す。図11(e)に記載された突起16の効果に加えて気流を円周溝14の底に押し付ける作用が働くので、円周溝14における粉体処理効果がさらに増大する。
図12は、回転子2の外周に設けた突起16が半円弧形の板で回転子2の外周面に垂直にかつ突起16の弦となる線が回転軸9に平行に配列された場合を示す。(a)図は突起16を取り付けた回転子2の一部を表示した断面図、(b)図は突起16の列のみを表示した側面図である。突起16を半円形としたことにより突起16前面に粉体が保持されて、粉体の円周溝14における滞留時間が長くなり、処理効果が増進される。
図13は、図12における半円形の突起16に代えて、1/4程度の円弧または楕円弧状の突起16を配列した回転子2を示す図面である。図13(a)図は突起16を取り付けた回転子2の一部を表示した断面図、(b)図は突起16の列のみを表示した側面図である。図13の突起16を備えた回転子2は、図10に示した回転方向に対して前傾する突起16を備えた回転子2に対して、突起16の気流を押す面を円滑化したものと考えてもよい。図10の回転子2と比較すると、滞留時間がより長くなる効果がある。
図14と図15は、それぞれ角柱状の突起16を備えた回転子2を示す図面である。それぞれの図面で、(a)図は突起16を取り付けた回転子2の一部を表示した断面図、(b)図は突起16の列を表示した側面図である。
図14の回転子2では、突起16の形状が下流の排出方向に向かって広がっていて、回転に従って気流を供給側に押さえ付ける作用を持つため、粉体の滞留時間が長くなり処理効果が増進する。
図15の回転子2では、逆に突起16の形状が下流の排出方向に向かって狭くなっていて、回転に従って気流を排出側に送り出す作用を持つため、比重が大きい粉体を処理する場合などに効果がある。
なお、図14と図15に示す突起16は肉が厚いため、硬くて接触するものを摩耗させ易い粉体を処理するのに適している。
図16は、図6で示した回転子2と固定子3の係合に用いられる回転子2と同様の形状を持つもので、(a)図は突起16を取り付けた回転子2の一部を表示した断面図、(b)図は突起16の列を表示した側面図、(c)図は(a)図のC−C断面図である。回転子2には、固定子3の円周溝14に嵌入する突起16の他に、隣同士の突起16の間に堰堤部17が設けられている。堰堤部17は円周溝14の外の固定子3外周面に近接して回転するので、円周溝14でない部分についても空気が押し回され、固定子3の内周壁全面において粉体処理効果が得られて処理効率が向上する。突起16は、他の形状であっても同様に円周溝14でない内周壁面における処理効果が得られることは言うまでもない。
図17は、交換可能な突起16を示す図面である。図17の(a)図は突起の高さにおける回転子2の断面の一部分を表示した断面図、(b)図は突起16部分の拡大断面図、(c)図、(d)図、(e)図はそれぞれ傾きを変化させた突起16の平面図である。
図17に示した突起16は、固定具20により回転子2表面に交換可能に固定することができる。すなわち、突起16は回転子2の外周壁の裏側に達するボルトを備えて、外周壁の裏側でナット止めすることができる。したがって、突起16が摩耗したり破損したりしたときには、個々に交換することができる。また、突起16の回転軸9に対する傾きを調整することにより、処理効果の調整をすることができる。
図18は、別の方法で交換可能にした突起16を示す図面である。図18の(a)図は突起の高さにおける回転子2の断面の一部分を表示した断面図、(b)図は突起16の列を表示した側面図である。図17に示した突起16は回転子2の外周壁の裏側でナット止めするので交換が容易でないが、図18に示す突起16は、回転子2の外周壁の表面から螺合具21により固定する。すなわち、突起16の後ろにネジを備え、外周壁に形成したタップ穴にこのネジをねじ込んで止めるので、突起16は外周壁の表面から容易に交換することができる。
ただし、回転子2のタップ穴や突起のネジをいくら高精度に加工しても、ねじ込んだときに決まる固定姿勢を一定にすることができないので、突起16の形状は姿勢によらず一定になる円柱形や円錐形あるいはこれらの組み合わせ形状であることが好ましい。突起16の形状が円柱形である場合は、処理効果が多少低下するが、摩耗時には突起部分だけ簡単に交換することで回転子の寿命を延長させる利益は大きく、特に、比重が大きく処理効果が得られやすいが摩耗作用が大きいような粉体に対して有効である。
図19は、2つ割り型の固定子を使った組立概念図である。固定子3は2つの部分3a,3bに分かれるようになっていて、内部に回転子2を納めた後に接合面22で接合して一体化する。
本実施形態の粉体処理装置では、回転子2の突起16先端が固定子3の円周溝14に嵌入し、固定子3内壁と回転子2外周壁の間には、円周溝14と突起16が軸方向に重なって干渉する間隙5が形成されることになる。このように、突起16先端の径は固定子3の内壁内径より大きいので、完成した固定子3の内部空間に後から回転子2を挿入する訳にはいかず、組立が難しい。
そこで、図に示すように、固定子3を軸方向に2つに分割できるように構成すれば、分割した固定子の2つの半割部分3a,3bをそれぞれ回転子2にあてがって、多列の突起16が対応する多段の円周溝14に嵌入するようにした後に、固定子の半割部分3a,3bを接合面22で互いに合わせることにより組み立てることができる。
なお、固定子3は、いずれの分割部分も回転子2にあてがえる半円以下の大きさになっていればよいので、固定子3の分割数は2には限られない。
図20は、本発明の第1の実施形態に係る粉体処理設備のブロック図である。第1実施形態に係る設備は、本発明の粉体処理装置を使って粉体の球形化処理を行なう粉体処理設備(球形化処理用)である。
図20に示すように、粉体処理設備(球形化処理用)30aは、図1から図19に基づいて説明した粉体処理装置1を使用するものであって、粉体処理装置1に原料供給装置31と排風装置32と回収装置33と冷却装置34を組み合わせて構成されたものである。
原料供給装置31は、粉体処理装置1の上流側に配置され、供給ダクト39の気流に原料粉体を定量ずつ供給し、原料粉体を気流中に分散させて粉体処理装置1の供給口6に供給するものである。原料供給装置31は、スクリュー式またはテーブル式等の従来公知の供給装置を使用し、その種類は問わない。
排風装置32は、粉体処理装置1の下流側に配置され、排出口7に接続された排出ダクト40を介して空気を吸引することによって、粉体処理装置1と回収装置33を通過する気流を生成する。
回収装置33は、サイクロン33a、バッグフィルタ33b等の従来公知の回収装置で構成され、粉体処理装置1から排出された気流から粉体処理装置1で球形化された処理済み粉体を回収する。
さらに、冷却装置34は、供給ダクト39に接続され、粉体処理装置1に供給される気流を冷却する。冷却装置34は、従来公知のクーラ等を使用し、気流の冷却のみならず除湿も行なうことが好ましい。冷却温度は、処理原料によって適宜設定され、例えば、トナーの場合には、排気口における温度が60〜70℃を超えないように吸気温度を低温に管理する。なお、冷却装置34は、原料供給装置31の下流側に設けてもよい。粉体処理設備(球形化処理用)30aが冷却装置34を備えることにより、処理原料の球形化処理能力(処理量)が向上し、特に、処理原料が低融点原料の場合、または、処理原料の供給量が多い場合に顕著な効果を得ることができる。
本実施形態の粉体処理設備は次の手順に従い運転することができる。
(1)粉体処理設備(球形化処理用)30aの排風装置32を駆動して、供給ダクト39内、粉体処理装置1内、排出ダクト40を通る気流を発生させる。粉体処理温度が低いときは、冷却装置34を稼働させて気流を冷却する。
(2)粉体処理装置1の回転子2を高速回転させ、固定子3の内周面に形成された円周溝14内に回転子2の周速度に応じた旋回流を発生させる。
(3)粉体処理設備(球形化処理用)30aの原料供給装置31を駆動して、供給ダクト39内に原料粉体を供給する。原料粉体は、供給ダクト39内の気流中に分散して粉体処理装置1の供給口6に供給される。
(4)供給口6から気流と共に供給された原料粉体は、円周溝14に発生した旋回流によって円周溝14に押し付けられながら、回転子2と固定子3の間隙5の下端から上端まで移動する。このとき、原料粉体は、円周溝14の壁面と強く接触し、または、粉体同士が強く接触して、球形化される。球形化された処理済み粉体は、間隙5から排出口7に排出される。
(5)排出口7に排出された処理済み粉体は、排出ダクト40内の気流により、回収装置33であるサイクロン33a、バッグフィルタ33bに、順次排出され、球形化処理された粉体が回収される。
図21は、本発明の第2の実施形態に係る粉体処理設備のブロック図である。第2実施形態に係る設備は、本発明の粉体処理装置を使って2種以上の粉体について複合化処理を行なう粉体処理設備(複合化処理用)である。
図21に示すように、本実施形態の粉体処理設備(複合化処理用)30bは、図20に示した粉体処理設備(球形化処理用)30aと同じく図1から図19に基づいて説明した粉体処理装置1を使用するものであって、原料供給装置31が2種以上の原料粉体を供給できるように構成されていること以外に差異はない。
粉体処理装置1は、複合化し得る2種以上の粉体が供給されれば、球形化処理と全く同じ作動原理により、複合化処理を行なう。
すなわち、供給口6から気流と共に供給された母粉体と子粉体は、固定子3の円周溝14に発生した旋回流によって、円周溝14に押し付けられながら、間隙5の下端から上端まで移動する。このとき、母粉体と子粉体は、円周溝14aの壁面と強く接触、または、粉体同士が強く接触する。それにより、母粉体の表面に子粉体が付着して複合化される。複合化処理済みの粉体は、間隙5から排出口7に排出される。
また、図21に示される粉体処理設備(複合化処理用)30bでは、2種の原料粉体を供給する原料供給装置31として、第1原料供給装置31a、第2原料供給装置31bを個別に備えるが、これらの原料供給装置31a,31bは、粉体処理設備(球形化処理用)30aの原料供給装置31と同様な装置を使用するので、設備構成に関する説明を省略する。
なお、複合化処理用の原料粉体は、原料供給装置31a,31bによりそれぞれ直接に供給ダクト39に供給しているが、2種以上の粉体を連続的に供給方法には、予め混合した粉体を供給する方法、混合機を備えて必要量の原料粉体を混合しながら供給する方法など、いろいろな方法が知られている。本実施形態における粉体処理設備(複合化処理用)30bにも、これら公知の方法を適宜採用することができる。
これら実施形態の粉体処理設備(球形化処理用および複合化処理用)によれば、粉体処理を適宜の条件下で連続的に実施するので、処理済み粉体を効率よく生産することができる。また、粉体処理対象が変って処理条件が変更される場合にも、原料粉体供給量、気流量、回転子回転速度、冷却温度、などを調整することにより幅広く対応することができる。なお、複合化処理が3種以上の粉体を使用する場合であっても、これらを取り扱えるように原料供給装置を適合させることにより、困難無く対応することができる。
なお、図20,21に示した粉体処理設備は、いずれも上流から下流に一方的に流下する開回路式になっているが、排風装置32から排出されるガスを粉体処理装置1の供給ダクト39に供給する閉回路式であってもよい。閉回路方式であれば、搬送空気の熱を再利用するなど、エネルギーを効率的に活用することができる。
本発明の粉体処理装置および粉体処理設備は、食品や医薬原料、黒鉛やコークスなどの炭素系材料、樹脂あるいはトナーなど樹脂ベースの化成品、その他金属や鉱物系、有機と無機を問わず様々な微細粉体材料の球形化処理あるいは複合化処理に使用することができる。
本発明の1実施形態に係る粉体処理装置の構成を示す断面図である。 本実施形態における回転子および固定子の係合状態を軸に平行な面で示した要部拡大断面図である。 図2のIII−III断面を示す要部拡大断面図である。 図2のIV−IV断面を示す要部拡大断面図である。 本実施形態に適用できる各種の回転子と固定子について係合状態を示した断面図である。 本実施形態に適用できる回転子と固定子についてさらに別の係合状態例を示した図面である。 本実施形態の粉体処理装置において円周溝と突起について粉体処理効果が見られる形状の範囲を表記した図面である。 本実施形態に適用できる回転子の突起の例を示す図面である。 本実施形態に適用できる回転子の突起の別例を示す図面である。 本実施形態に適用できる回転子の突起のさらに別の例を示す図面である。 本実施形態に適用できる回転子の突起についてさらにいくつかの形状を例示した断面図である。 本実施形態に適用する突起が半円弧形の板である場合を示す図面である。 本実施形態に適用する突起が1/4円弧形の板である場合を示す図面である。 本実施形態に適用する角柱状の突起を備えた回転子を示す図面である。 本実施形態に適用する別の角柱状の突起を備えた回転子を示す図面である。 本実施形態に適用できる別の形状を有する回転子の例を示した図面である。 本実施形態に適用する交換可能な突起の例を示す図面である。 本実施形態に適用する交換可能な突起の別例を示す図面である。 本実施形態に適用する2つ割り型の固定子を使った組立概念図である。 本発明の第1の実施形態に係る粉体処理設備のブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る粉体処理設備のブロック図である。 従来の粉体処理装置の構成を示す断面図である。 従来の粉体処理装置における回転子と固定子の係合状態を示す要部拡大図である。
符号の説明
1 粉体処理装置
2 回転子
3 固定子
3a,3b 固定子半割部分
4 本体部
5 間隙
6 供給口
7 排出口
8 冷却ジャケット
9 回転軸
10 基台
11 頂板
12a,12b 軸受
13 Vプーリー
14 円周溝
16 突起
17 堰堤部
18 コーナー部
19 溝
20 固定具
21 螺合具
22 接合面
30a 粉体処理設備(球形化処理用)
30b 粉体処理設備(複合化処理用)
31 原料供給装置
31a 第1原料供給装置
31b 第2原料供給装置
32 排風装置
33 回収装置
33a サイクロン
33b バッグフィルタ
34 冷却装置
39 供給ダクト
40 排出ダクト
101 粉体処理装置
102 回転子
103 固定子
104 本体部
105 間隙
106 供給口
107 排出口
108 冷却ジャケット
109 回転軸
110 基台
111 頂板
112a,112b 軸受
113 Vプーリー
114 円周溝
116 縦凸部

Claims (13)

  1. 高速回転する円筒状の回転子と、該回転子の側面を囲繞して該回転子と同軸に配置された円筒状の固定子とを備える本体部と、
    該本体部の一端側に設けられ原料粉体を気流と共に該本体部に供給する供給口と、
    前記本体部の他端側に設けられ前記原料粉体が該本体部を通過して処理を受けて形成された処理済み粉体を前記本体部から排出させる排出口とを備えた粉体処理装置において、
    前記固定子の内壁が、軸に垂直な面内で周回する1段以上の円周溝を備え、
    前記回転子の外周壁が、前記円周溝に対向する突起であって外縁が前記対向する円周溝の内法を超えて該円周溝に嵌入し該円周溝の内壁面との間に隙間を形成する複数の突起を周方向に配列したものである、
    粉体処理装置。
  2. 前記突起は該突起の高さ方向に垂直な横断面の長軸方向が該回転子の軸に平行である、請求項1記載の粉体処理装置。
  3. 前記突起は該突起の高さ方向に垂直な横断面の長軸方向が該回転子の軸に対して傾いている、請求項1記載の粉体処理装置。
  4. 前記突起は回転方向に対して前傾している、請求項1から3のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
  5. 前記突起は回転方向に対して後傾している、請求項1から3のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
  6. 前記突起は前記回転子に脱着可能に取り付けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
  7. 前記突起は周方向に隣接する突起の間に円弧状の溝が形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
  8. 前記回転子は、回転軸方向に並んだ前記突起同士を繋ぐ堰堤部を備えて、該堰堤部により前記固定子の内周壁における円周溝でない部分について空気を押し回すことができる、請求項1から5のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
  9. 前記円周溝が前記固定子の内壁に軸方向に複数段形成された、請求項1から8のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
  10. 前記複数段の円周溝に対向する前記突起の形状が前記円周溝の段によって異なる、請求項9記載の粉体処理装置。
  11. 前記固定子は軸方向に2以上に分割され、前記回転子の側方から該固定子をあてがって設置できる、請求項1から10のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の粉体処理装置と、
    前記粉体処理装置の下流側に配置され、前記供給口に供給され前記排出口から排出される気流を発生させる排風装置と、
    前記原料粉体を前記粉体処理装置の上流側に形成される気流に対して供給する原料供給装置と、
    前記排風装置の上流側に配置され、前記排出口から排出された気流から前記粉体処理装置で処理された処理済み粉体を回収する回収装置と、
    を備える粉体処理設備。
  13. 前記原料供給装置は、2種類以上の原料粉体を混合する原料混合装置を備える、請求項12記載の粉体処理設備。
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