JP2010119974A - 粉体処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高速回転する円筒状の回転子2と、回転子と同軸に配置された円筒状の固定子3とを備える本体部4と、原料粉体を気流と共に本体部4に供給する供給口6と、本体部4で処理を受けて形成された処理済み粉体を本体部4から排出する排出口7とを備え、固定子3の内壁に軸に垂直な面内で周回する円周溝14が形成され、回転子2の外周に固定子の円周溝14に対向する突起16であって外縁が円周溝14の内法を超え円周溝に嵌入して回転する突起16の周方向に並んだ列を備える粉体処理装置、およびこの粉体処理装置を組み込んだ粉体処理設備。
【選択図】図1
Description
しかし、開示の粉体処理装置は、融点の高い粉体や黒鉛などのように塑性変形しない粉体について球形化することが難しく、また複合化できる粉体の条件が狭いという問題があった。
図22は、特許文献2に開示された改良型粉体処理装置の1実施形態を示す断面図、図23は回転子と固定子の係合状態を示す要部拡大図である。
回転子102は、回転軸109が頂板111の軸受112bと基台110の軸受112により支持されて、基台110の上で垂直姿勢を維持する。また、回転軸109の下端部には図外の駆動装置により駆動されるVプーリー113が装着されていて、回転子102は回転軸109を中心に、例えば、通常周速100〜130m/s、最高周速170m/sなどの高速で回転する。
距離Sが0.5mm未満の場合には、間隙105内での原料粉体同士の接触や、原料粉体と回転子102最外周面または固定子103最内周面との接触が著しくなり、最外周面または最内周面に焼付き現象を起こし易くなる。また、距離Sが5mmを超える場合には、間隙105内に旋回流が発生し難くなり、原料粉体の球形化処理、さらに複合化処理が進み難くなる。
固定子は、軸方向に2以上に分割できて、分割した固定子を側方から回転子にあてがって設置できるようになっていることが好ましい。
隣接する突起の間に円弧状の溝が形成された突起では、固定子の溝内に発生する旋回流の効果に加えて、回転子の溝内に起こる渦流の効果も加わり、処理効果が向上する。
回転子の外径は固定子の内壁内径より大きいので、組立が難しい。そこで、固定子を軸方向に2以上に分割できるように構成して、分割した固定子を側方から回転子にあてがって組み立てられるようになっていることが好ましい。
図1に示すように、本実施形態における粉体処理装置1は、本体部4と、本体部4の一端側に設けられた供給口6と、本体部4の他端側に設けられた排出口7とを備える。
なお、気流温度を調整する装置を導入することによって、粉体の性状や処理条件に基づく要求に応えられるようにすることもできる。たとえば、トナーの処理では、融着が起こらず最良の結果が得られるように、排気口における温度が60〜70℃を超えないように吸気温度を管理することによりよい結果を得ることができる。
図5(a)は、固定子3の内周壁に断面が長方形の円周溝14が設けられ、これに対して、回転子2の外周壁に寸法がわずかに小さい長方形の突起16が周回して設けられた例を示す。最も単純な形状の組み合わせで、粉体が円周溝14の奥に押し込められて滞留時間が長くなりがちなので、比重の大きい粉体や融着しやすい粉体は避ける必要があるが、比重の小さい粉体に適している。
図5(c)は、(b)図の突起16の下流部を切り落とした形にしたものである。処理済み粉体の排出をさらに促進する形状になっている。
図5(d)は、(c)図における形状に対して下流部の輪郭に丸みを持たせることにより、下流部の面やエッジに粉体が固着したり融着したりすることを防止したものである。
図5(e)は、(c)図における形状に対して上流部について輪郭に丸みを持たせることにより、上流部の面やエッジにおける粉体の付着を抑制したものである。
図5(g)は、円周溝14と突起16のいずれも輪郭に丸みを持たせたもので、下流側で円周溝14と突起16を徐々に乖離させている。溝における滞留時間が極めて短くなる形状になっていて、処理効果は下がるが、融着しやすい粉体でも扱えるという利点がある。
図5(h)は、上流側にテーパを形成したもので、粉体を溝内に保持する効果が高く粉体密度も高くなって処理効果も向上する。比重が低く、融着しにくい原料粉体に有効である。
図5に示した回転子2の突起16は全て固定子3の円周溝14に挿入できる部分にだけ存在するが、図6に示した突起16は、回転軸方向に隣り合わせた突起同士をつなぐ堰堤部17を備えて、円周溝14の無い固定子3の内周壁の部分についても空気を押し回す機能を追加したものである。このように形成することにより、固定子3の内周壁全面において粉体処理効果が得られて処理効率が向上する。なお、円周溝14や突起16の形状は図5(c)のものと同じものとして表示したが、他の形状を採用した場合でも円周溝14でない壁面における処理効果が得られることはいうまでもない。
また、円周溝14の深さDは2mm以上20mm以下(望ましくは4mm以上10mm以下)、円周溝14の溝の軸線方向の長さHは1/2D以上10D以下(望ましくはD以上3D以下)、突起16の上流側切り欠き深さL1は0mm以上w/tanθa以下であることが求められる。
なお、円周溝14の平面交差部の曲率半径と、突起16の輪郭における直線交差部の曲率半径についても制約が存在する。
図8は、回転子2の外周に設けた突起16が四角形の平板で回転子2の外周面に垂直にかつ回転軸9に平行に配列された場合を示す。(a)図は突起16を取り付けた回転子2の一部を表示した断面図、(b)図は突起16の列のみを表示した側面図である。固定子3の円周溝14内に突起16の速度に対応する流速を持った高速な旋回流を形成させることができる。
図11(a)は、図8に示した回転軸9に平行な平板列において、突起16の根元のコーナー部18を滑らかにして、コーナー部18への付着による滞留を抑制し、処理済み粉体における処理効果のばらつきを抑制するようにしたものを表す。
図11(c)は、突起16が図中矢示された回転方向に対して前傾しているものである。突起16の上流側根元に粉体が溜まりやすく、溜まった粉体は動きが少ないので、全体として粉体処理作用が抑制される。
図11(d)は、突起16が回転方向に対して後傾しているものである。粉体が円周溝14の壁に押し付けられるので、円周溝14における滞留時間が長くなる。したがって、比重の小さい粉体などに有効である。
図11(f)は、回転方向前方に傾斜角が小さく後方に傾斜角が大きな三角形状を持った突起16を備えた回転子2を示す。図11(e)に記載された突起16の効果に加えて気流を円周溝14の底に押し付ける作用が働くので、円周溝14における粉体処理効果がさらに増大する。
図14の回転子2では、突起16の形状が下流の排出方向に向かって広がっていて、回転に従って気流を供給側に押さえ付ける作用を持つため、粉体の滞留時間が長くなり処理効果が増進する。
なお、図14と図15に示す突起16は肉が厚いため、硬くて接触するものを摩耗させ易い粉体を処理するのに適している。
図17に示した突起16は、固定具20により回転子2表面に交換可能に固定することができる。すなわち、突起16は回転子2の外周壁の裏側に達するボルトを備えて、外周壁の裏側でナット止めすることができる。したがって、突起16が摩耗したり破損したりしたときには、個々に交換することができる。また、突起16の回転軸9に対する傾きを調整することにより、処理効果の調整をすることができる。
本実施形態の粉体処理装置では、回転子2の突起16先端が固定子3の円周溝14に嵌入し、固定子3内壁と回転子2外周壁の間には、円周溝14と突起16が軸方向に重なって干渉する間隙5が形成されることになる。このように、突起16先端の径は固定子3の内壁内径より大きいので、完成した固定子3の内部空間に後から回転子2を挿入する訳にはいかず、組立が難しい。
なお、固定子3は、いずれの分割部分も回転子2にあてがえる半円以下の大きさになっていればよいので、固定子3の分割数は2には限られない。
図20に示すように、粉体処理設備(球形化処理用)30aは、図1から図19に基づいて説明した粉体処理装置1を使用するものであって、粉体処理装置1に原料供給装置31と排風装置32と回収装置33と冷却装置34を組み合わせて構成されたものである。
回収装置33は、サイクロン33a、バッグフィルタ33b等の従来公知の回収装置で構成され、粉体処理装置1から排出された気流から粉体処理装置1で球形化された処理済み粉体を回収する。
(1)粉体処理設備(球形化処理用)30aの排風装置32を駆動して、供給ダクト39内、粉体処理装置1内、排出ダクト40を通る気流を発生させる。粉体処理温度が低いときは、冷却装置34を稼働させて気流を冷却する。
(2)粉体処理装置1の回転子2を高速回転させ、固定子3の内周面に形成された円周溝14内に回転子2の周速度に応じた旋回流を発生させる。
(3)粉体処理設備(球形化処理用)30aの原料供給装置31を駆動して、供給ダクト39内に原料粉体を供給する。原料粉体は、供給ダクト39内の気流中に分散して粉体処理装置1の供給口6に供給される。
(5)排出口7に排出された処理済み粉体は、排出ダクト40内の気流により、回収装置33であるサイクロン33a、バッグフィルタ33bに、順次排出され、球形化処理された粉体が回収される。
図21に示すように、本実施形態の粉体処理設備(複合化処理用)30bは、図20に示した粉体処理設備(球形化処理用)30aと同じく図1から図19に基づいて説明した粉体処理装置1を使用するものであって、原料供給装置31が2種以上の原料粉体を供給できるように構成されていること以外に差異はない。
すなわち、供給口6から気流と共に供給された母粉体と子粉体は、固定子3の円周溝14に発生した旋回流によって、円周溝14に押し付けられながら、間隙5の下端から上端まで移動する。このとき、母粉体と子粉体は、円周溝14aの壁面と強く接触、または、粉体同士が強く接触する。それにより、母粉体の表面に子粉体が付着して複合化される。複合化処理済みの粉体は、間隙5から排出口7に排出される。
2 回転子
3 固定子
3a,3b 固定子半割部分
4 本体部
5 間隙
6 供給口
7 排出口
8 冷却ジャケット
9 回転軸
10 基台
11 頂板
12a,12b 軸受
13 Vプーリー
14 円周溝
16 突起
17 堰堤部
18 コーナー部
19 溝
20 固定具
21 螺合具
22 接合面
30a 粉体処理設備(球形化処理用)
30b 粉体処理設備(複合化処理用)
31 原料供給装置
31a 第1原料供給装置
31b 第2原料供給装置
32 排風装置
33 回収装置
33a サイクロン
33b バッグフィルタ
34 冷却装置
39 供給ダクト
40 排出ダクト
101 粉体処理装置
102 回転子
103 固定子
104 本体部
105 間隙
106 供給口
107 排出口
108 冷却ジャケット
109 回転軸
110 基台
111 頂板
112a,112b 軸受
113 Vプーリー
114 円周溝
116 縦凸部
Claims (13)
- 高速回転する円筒状の回転子と、該回転子の側面を囲繞して該回転子と同軸に配置された円筒状の固定子とを備える本体部と、
該本体部の一端側に設けられ原料粉体を気流と共に該本体部に供給する供給口と、
前記本体部の他端側に設けられ前記原料粉体が該本体部を通過して処理を受けて形成された処理済み粉体を前記本体部から排出させる排出口とを備えた粉体処理装置において、
前記固定子の内壁が、軸に垂直な面内で周回する1段以上の円周溝を備え、
前記回転子の外周壁が、前記円周溝に対向する突起であって外縁が前記対向する円周溝の内法を超えて該円周溝に嵌入し該円周溝の内壁面との間に隙間を形成する複数の突起を周方向に配列したものである、
粉体処理装置。 - 前記突起は該突起の高さ方向に垂直な横断面の長軸方向が該回転子の軸に平行である、請求項1記載の粉体処理装置。
- 前記突起は該突起の高さ方向に垂直な横断面の長軸方向が該回転子の軸に対して傾いている、請求項1記載の粉体処理装置。
- 前記突起は回転方向に対して前傾している、請求項1から3のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
- 前記突起は回転方向に対して後傾している、請求項1から3のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
- 前記突起は前記回転子に脱着可能に取り付けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
- 前記突起は周方向に隣接する突起の間に円弧状の溝が形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
- 前記回転子は、回転軸方向に並んだ前記突起同士を繋ぐ堰堤部を備えて、該堰堤部により前記固定子の内周壁における円周溝でない部分について空気を押し回すことができる、請求項1から5のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
- 前記円周溝が前記固定子の内壁に軸方向に複数段形成された、請求項1から8のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
- 前記複数段の円周溝に対向する前記突起の形状が前記円周溝の段によって異なる、請求項9記載の粉体処理装置。
- 前記固定子は軸方向に2以上に分割され、前記回転子の側方から該固定子をあてがって設置できる、請求項1から10のいずれか一項に記載の粉体処理装置。
- 請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載の粉体処理装置と、
前記粉体処理装置の下流側に配置され、前記供給口に供給され前記排出口から排出される気流を発生させる排風装置と、
前記原料粉体を前記粉体処理装置の上流側に形成される気流に対して供給する原料供給装置と、
前記排風装置の上流側に配置され、前記排出口から排出された気流から前記粉体処理装置で処理された処理済み粉体を回収する回収装置と、
を備える粉体処理設備。 - 前記原料供給装置は、2種類以上の原料粉体を混合する原料混合装置を備える、請求項12記載の粉体処理設備。
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