JP4120981B2 - 機械式粉砕装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂または樹脂を主成分とする粉体の製造、特に、乾式トナーや粉体塗料の製造における乾式の粉砕処理に好適な機械式粉砕装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
乾式トナーや粉体塗料等の製造においては、最終製品の粒径の調整や、粒度分布の調整のために乾式の機械的粉砕処理がなされており、それに用いる機械式粉砕装置が種々提案されている。
【0003】
従来、このような被粉砕物を微粉砕するための回転型機械式粉砕装置として、特開昭59−105853号公報および特公平3−15489号公報に記載の微粉砕機が知られている。図16に示すように、この微粉砕機50は、外周面に母線と平行な多数の凹凸部52を周方向に連続させた円筒状の回転子(ロータ)54を回転軸56で支持し、この回転子54の外周面と微小な間隙58をおいて、内周面に母線と平行な多数の凹凸部60を周方向に連続させた円筒状の固定子(ライナ)62を回転子54の外側に嵌装し、その間隙58を粉砕室とするものである。
【0004】
そして、この微粉砕機50においては、回転子54を高速で回転するとともにケーシング51の図中右上側面部に設けられた製品排出口64から吸引送風機(図示せず)などによって吸引することにより、ケーシング51の図中左下部に設けられた被粉砕物の供給口66から供給された被粉砕物を空気流とともに微小間隙58からなる粉砕室に送り込み、この時に回転子54および固定子62の凹凸により生じる渦流により効果的にこの凹凸面に衝突させ、あるいは回転子54および固定子62の両凸部間で磨砕することにより、微細粒子とする粉砕処理を行った後、微小間隙から流出した微細粒子を製品排出口から機外に排出するものである。なお、このような微粉砕機50においては、間隙58からの粗大粒子の流出を防止し、微細粒子のみを流出させるために、固定子62の上端部にその凹凸部60の凹部を塞ぐ分級リング68を設けている。
【0005】
この微粉砕機50においては、粉砕室に相当する間隙58の間隔を1mm以下とし、回転子54を高速回転させることにより、固定子62および回転子54の両凹凸面からこれらの凹部内に定常的に発生する渦流によって被粉砕物が互いに衝突し、剪断力を受けて、微粉砕が効果的に行われ、ミクロンオーダーから10数ミクロンオーダーの比較的粒度分布巾の狭い粉砕物が得られるとされている。
【0006】
このような微粉砕機50では、回転子54の凹凸部52と固定子62の凹凸部60との組み合わせとして、図17(a)、(b)、(c)および(d)に示すものが提案されている。これらの図において、凹凸部52aおよび凹凸部60aは横断面形状が方形状のもので、凹凸部52bおよび凹凸部60bは横断面形状が三角形状のものであるが、これらの組み合わせのうち図17(d)に示す三角形状凹凸部52bおよび凹凸部60bの組み合わせにより、優れた粉砕性能が得られることが知られている。
【0007】
また、特開平7−155628号公報には、図18(a)および(b)に示すように、上述の微粉砕機50のような回転子54の外周面および固定子(筒体)62の内周面の母線と平行な多数の凹凸部に加え、回転子54の外周面に、および回転子54の外周面と固定子62の内周面に、母線と直交する方向の多数の凹凸部72、および凹凸部72と74を母線の方向に連続して形成した機械式粉砕装置70、および71が提案されている。これらの機械式粉砕装置70および71は、母線と平行な方向とこれに直交する方向の両方向に凹凸部を形成することにより、水平方向に加えて上下方向の渦流を発生させることができ、それにより粉砕機能が向上される結果、粒径が数十ミクロンオーダーの粉砕物が得られるとしている。
【0008】
なお、この他、回転型機械式粉砕装置としては、例えば、特公平4−12190号公報および同4−12191号公報に記載の各種鉱物、セラミックス、大豆、石、砂利などの堅い材料を粉砕する粉砕装置、特公昭58−14822号公報および同58−14822号公報に記載の複写用カーボンや顔料の微粒子を得る微粉砕機、特公昭61−36457号公報および同61−36459号公報に記載の数ミクロンオーダーの超微粒子を得る超微粉砕機および特開平5−184960号公報に記載の粉砕装置などが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、樹脂または樹脂を主成分とする粉体、より具体的には、乾式トナーや粉体塗料等においては、高品質を目指してより粒径の小さい粉体や粒度の揃った、すなわち粒度分布の幅のシャープな粉体が要求されている。
【0010】
ところが、上記従来の機械式粉砕装置では、小粒径の粉砕品を得ようとする場合、ロータの回転数を上げなければならず、エネルギー効率、軸受寿命、騒音、振動、空気排気温度の上昇等の面で問題となっている。また、ロータの回転数を上げるのにも限界があり、目標の粒子径に粉砕できないという問題があった。
【0011】
また、例えば、乾式トナーの場合には、目標粒径より過度に細かい粒子は、製品品質向上のため分級手段によって除去して粒度分布を調整するが、ロータの回転数が高い場合、目標粒径より過粉砕してしまう粒子が多く発生するため、不要粒子が多く歩留りが悪く問題となっている。
【0012】
また、特開昭59−105853号公報および特公平3−15489号公報に記載の微粉砕機50では、粗大粒子の通過を防止するため、回転子54と固定子62の間の粉砕室を狭くする機構が取られている、たとえば、粉砕室となる上記間隙58の間隔を1mm以下に設定している。
【0013】
しかしながら、このように粉砕室を狭くすると処理能力が低下し、処理量が少なくなるという問題のほか、原料の供給量によっては、特に処理能力を超えるような供給量では、粉砕時の摩擦熱等により粉砕室の温度が過度に上昇するという問題が生じる恐れがある。そして、そのような場合には原料粉体が粉砕室内部で融着を起こしてしまい、それ以上の粉砕処理の続行が困難もしくは不可能となるという問題があった。
【0014】
また、特開平7−155628号公報に記載の機械式粉砕装置では、回転子54の外周面および固定子62の内周面に母線と平行な凹凸部に加え、母線に直交する凹凸部72、74が形成されていることにより、これらの凹凸部により水平方向に加えて上下方向にも渦流を発生させているために、過度な渦流が発生し、また過度に粒子が衝突を起こし、特に回転子54の凹部に過度に粒子が衝突し、過粉砕が生じ、空気排気温度が過度に上昇するという問題があった。
【0015】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、粒径が小さく、しかも粗大粒子の混入がなく、かつシャープな粒度分布幅の粉砕物を高効率で製造することのできる、樹脂または樹脂を主成分とする粉体の微粉砕用として好適な機械式粉砕装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、回転軸に支持され、外周面に複数の溝が形成されたロータと、このロータの外側に、このロータの外周面と所望の間隙を設けて配置され、その内周面に複数の溝が形成されたライナとを備え、前記間隙で樹脂または樹脂を主成分とする粉体である被粉砕物を粉砕処理する機械式粉砕装置であって、
前記ロータの溝の間隔に対する、前記ライナの溝の間隔の比が1〜2であるとともに、
前記ロータの外周面には、前記回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向に傾斜した溝、および前記回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向と逆方向に傾斜した溝の両方が形成されており、
前記ロータの溝の間隔および前記ライナの溝の間隔の少なくとも一方が、被粉砕物の最大粒子径に基づいて下記式により算出される所定の間隔であることを特徴とする機械式粉砕装置を提供するものである。
p=kD+1 (mm)
ここで、p:前記ロータの溝の間隔および前記ライナの溝の間隔 (mm)
k:係数 (2〜3)
D:被粉砕物の最大径 (mm)、D=0.08〜2.0(mm)
【0017】
また、回転軸に支持され、外周面に複数の溝が形成されたロータと、このロータの外側に、このロータの外周面と所望の間隙を設けて配置され、その内周面に複数の溝が形成されたライナとを備え、前記間隙で被粉砕物を粉砕処理する機械式粉砕装置であって、
前記ロータおよび前記ライナの少なくとも一方の前記溝が、前記回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向に傾斜しており、
前記ロータの溝の間隔および前記ライナの溝の間隔のうちの少なくとも一方が、被粉砕物の供給口側から排出口側へ向かうに従って段階的に小さく設定されているのが好ましい
【0018】
ここで、前記ライナの溝の間隔は4mm〜8mmであるのが好ましい。
【0019】
また、前記ライナの内周面には、前記回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向に傾斜した溝、および前記回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向と逆方向に傾斜した溝の両方が形成されているのが好ましい
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る機械式粉砕装置を添付の図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
図1は、本発明の機械式粉砕装置の一実施例の断面模式図である。これらの図面においては、簡略化のため、一部ハッチングを省略している。
【0021】
同図に示すように、機械式粉砕装置(以下、粉砕装置という)10は、横型粉砕装置であって、ケーシング11と、ケーシング11に回転自在に支持される回転軸12と、回転軸12に支持かつ固定される複数、図示例では4つのロータユニット14からなるロータ16と、ケーシング11に支持され、ロータ16の外側に、ロータ16の外周面と所望の一定の間隙を有するように嵌挿されるライナ18とを有する。ケーシング11には、図中左側に、粉砕原料(被粉砕物)を供給する原料供給口20および図中右側に、粉砕された粉砕製品を排出する製品排出口22が設けられている。
【0022】
機械式粉砕装置10において、回転軸12は、この機械式粉砕装置10の取付面に対して平行に、すなわち水平に配設され、ケーシング11の図中左右両側壁面に軸受24aおよび24bを介して支承される。そして回転軸12の一端部、図示例では右端部(軸受24b側)は、図示されていないプーリおよび伝動ベルトなどの巻掛伝動機構や歯車伝動機構などを介して、モータなどの駆動装置に連結されている。
【0023】
4個のロータユニット14は、図示しないキーによって回転軸12に固定され、4個のロータユニット14を両側から挟持する円形側板26aおよび26bによって一体化され、ロータ16を構成する。図示例では、ロータ16は、その長さ方向に分割された4つのロータユニット14から構成されているが、これは製造上の便宜のためであり、本発明はこれに限定されず、構成するロータユニット14の個数に制限がないのはもちろん、全体を一体で製造した一本のロータで構成することもできるのはいうまでもない。
【0024】
ロータ16の外側には、その外周面と一定の間隙をおくようにしてライナ18が嵌装されているが、このロータ16の外周面とライナ18の内周面との間に画成される間隙28が、原料の粉砕室となる。ライナ18は、ケーシング11の中央の円筒胴部内に嵌着固定される。
【0025】
また、ケーシング11の両側は、ライナ18(およびロータ16)の両外側に適当な大きさの空間が形成されるように、その容積および形状が設定され、図中左側の空間は原料供給口20に通じ、図中右側の空間は製品(粉砕物)排出口22に通じている。そして、製品排出口22は図示しないブロアなどの空気吸引装置によって吸引されており、原料供給口20から供給された被粉砕物を空気と共に吸引し、装置内で粉砕されて得られた製品を空気と共に製品排出口22から排出する。さらに、ケーシング11の下面には脚部を有し、図示しない据付台に取り付けられる。
【0026】
本発明の機械式粉砕装置10の基本構造は以上であるが、本発明は図1に示す横型粉砕装置に限定されるものではなく、例えば、図2に示すように、回転軸12およびこれに支持されるロータ16ならびにこれに所定間隙をおいて嵌挿されるライナ18が垂設され、ライナ18の下側のケーシング下部に原料供給口20、ライナ18の上側のケーシング上部に製品排出口22を設ける構造の縦型粉砕装置30であってもよいなど、同様な基本構成要素を有しているものであればどのような粉砕装置であってもよく、公知技術の構造に基づいて適宜改変することができる。
【0027】
次に、本発明の粉砕装置の特徴部分の1つである、ロータ16の外周面およびライナ18の内周面の構造について詳細に説明する。
【0028】
本発明の粉砕装置10では、ロータ16の外周面およびライナ18の内周面のいずれか一方、もしくは両方に複数の溝が形成され、かつ、これら溝が、回転軸12に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向に傾斜されている。例えば、図3にライナ18の例を示すように、その内周面には、一点鎖線で示す回転軸12の回転中心(中心線)12aに平行な方向に対して、その包絡線のみが点線で示されているロータ16の回転方向(図中矢印bで示す)の逆方向に傾斜した溝32が形成されている。
【0029】
ここで、図3において、ライナ18は、その6分の1を構成するライナユニットのみが示され、その他の部分は点線でその包絡線が示されている。もちろん、本発明において、ライナ18を構成するライナユニットの数には制限はないし、ライナ18を1個の円管状体で構成できることはいうまでもない。なお、本発明において、回転軸12に平行な方向とは、回転軸12の回転中心12aに平行な方向であって、図中矢印aで示す空気の流れの方向を意味し、従ってロータ16またはライナ18の長手方向およびその母線方向に等しい。
【0030】
前述の通り、本発明において、ロータ16の外周面の溝34およびライナ18の内周面の溝32の少なくとも一方の溝は、回転軸12に平行な方向に対し被粉砕物(粒子)の流れを妨げる方向に傾斜されている。図4に展開して模式的に示すように、ロータ16の外周面とライナ18の内周面との間の間隙28を移動する被粉砕物の移動速度ベクトル(粒子の流れの速度ベクトル)は、ロータ16の回転の速度ベクトル(向き:回転方向b、長さ:速度)と空気の流れの速度ベクトル(向き:流れ方向a、長さ:速度)との合成ベクトルで与えられる。
【0031】
そこで、ライナ18内周面の溝32は、得られた粒子の流れの速度ベクトルの方向(図中矢印cで示す)に対して交差する方向、好ましくは直交する方向に設けられる。すなわち、図4において、溝32は空気流方向aに対して傾斜するように設けられる。ここで、空気流方向aに対する溝32の傾斜角度θは、溝32が粒子流を妨げる方向に鋭角に傾斜していれば特に制限はないが、好ましくは5度以上90度未満であり、より好ましくは5度〜60度、さらに好ましくは5度〜45度、最も好ましくは10度〜30度であるのがよい。
【0032】
このようにライナ18の内周面に空気流方向a(図4参照)に対し傾斜する溝(以下、傾斜溝という)32の形状および幅、深さ、ピッチなどを含む寸法は特に限定されず、例えば、ライナ18の溝32の方向と直交する断面での傾斜溝32の形状が、鋸歯状、台形状、矩形状、円弧状などのいずれであってもよいが、特に、図5(a)に示すように一辺がロータ16の中心に向き、他辺がこの一辺と45〜60度の角度をなしロータ16の回転方向bの後方側が低くなる三角形状(特公平3−15489号公報に開示されたような)となるのが好ましい。
【0033】
例えば、図5(b)および(c)にライナ18の傾斜溝32の方向と直交する断面におけるライナ18の傾斜溝32の断面形状の代表例を示す。図5(b)および(c)に示すように、ライナ18の溝32の断面形状においては、ロータ16の回転方向bに対する前側の面32aは、ロータ16の中心方向、すなわち図中一点鎖線Rで示す方向に対しロータ16の回転方向bに所定角度αだけ傾斜し、回転方向bに対する後側の面32bは、中心方向Rに対し回転方向bあるいはその逆方向に所定角度βだけ傾斜している。
【0034】
ここで、溝32の断面傾斜角αおよびβは、回転方向bに対して、それぞれ30度〜70度および−30度〜30度(回転方向bと逆方向に30度から回転方向bに30度まで)の範囲内にあるのが好ましい。また、図5(b)および(c)において、ライナ18の溝32の底部32cおよび隣接する溝32間のライナ18の凸部32dはいずれも、溝32のピッチpの1/2以下であるのが好ましい。なお、ライナ18の溝32の底部32cは、図5(b)および(c)に示すように直線部を形成せず、三角形の頂点をなすか、丸みを帯び、例えば図5(a)に示すように円弧状をなすのがより好ましい。
【0035】
以上の説明のように、ライナ18の内周面にこのような傾斜溝32を形成することにより、粉砕室を構成するロータ16とライナ18との間の間隙28で粉砕され、ライナ18の傾斜溝32に入った被粉砕物粒子は、製品排出口22からブロアなどによって吸引されている空気の流れの方向に移動しにくくなり、粉砕室の空間を広く保ったまま粉砕室中に滞留する時間を長くとることができる。
【0036】
本発明においては、傾斜溝はライナ18の内周面に形成される傾斜溝32に限定されず、ロータ16の外周面およびライナ18の内周面のいずれか一方に形成されていればよいが、両方の周面に形成することもできる。図6に示すように、ロータ16の外周面に傾斜溝34を形成する場合には、ロータ16を構成する4個のロータユニット14の隣合うロータユニット14の接合面において、傾斜溝34に位置ずれを生じず、傾斜溝32が滑らかに連続するように、回転軸12に固定するための4個のロータユニット14のキー溝(図示せず)を正確に位置合わせしておくのが好ましい。
【0037】
なお、ロータ16の傾斜溝34の傾斜角度については、ライナ18の傾斜溝32と同様にとくに制限はなく、好適条件についても全く同様である。なお、ロータ16の傾斜溝34の形状および寸法についても、ライナ18の傾斜溝32と同様にとくに制限はなく、どのような形状であってもよいが、特に、図5(a)に示すようにロータ16の溝の方向と直交する断面での傾斜溝34の形状が、ロータ16の中心に向う半径に対しロータ16の回転方向bの後方側に、一辺が5〜25度、他辺が45〜60度の角度をなす三角形状となるのが好ましい。
【0038】
例えば、図5(d)および(e)にロータ16の傾斜溝34の方向と直交する断面におけるロータ16の傾斜溝34の断面形状の代表例を示す。図5(d)および(e)に示すように、ロータ16の溝34の断面形状においてはその回転方向bに対する前側の面34aは、ロータ16の半径方向、すなわち図中一点鎖線Rで示す方向に対しロータ16の回転方向bあるいはその逆方向に所定角度γだけ傾斜し、回転方向bに対する後側の面34bは、半径方向Rに対し回転方向bに所定角度δだけ傾斜している。
【0039】
ここで、傾斜溝34の断面傾斜角γおよびδは、回転方向bに対して、それぞれ−30度〜30度、すなわち回転方向bと逆方向に30度から回転方向bに30度までの範囲内および−70度〜−30度、すなわち回転方向と逆方向に30度〜70度の範囲内にあるのが好ましい。また、図5(d)および(e)において、ロータ16の溝34の底部34cおよび隣接する溝34間のロータ16の凸部34dはいずれも、溝34のピッチpの1/2以下であるのが好ましい。なお、ロータ16の溝34の底部34cは、図5(d)および(e)に示すように直線部を形成せず、三角形の頂点をなすか、丸みを帯び、例えば図5(a)に示すように円弧状をなすのがより好ましい。
【0040】
以下に、本発明の好ましい態様として、溝32および34の断面形状を限定する理由について説明する。
【0041】
本発明の粉砕装置では、過度な排気温度の上昇すなわち粉砕温度の上昇や粉砕動力の上昇を防ぐために、ロータの回転で流れを過度に乱すことなく、図5(a)に示す模式図のように、ライナ18およびロータ16の溝32および34中に適切な強さの渦を形成することが、粉砕性能向上のためには、必要である。ここで、参照符号32sは、ロータ16の回転により生じるライナ18の溝32中の流線のイメージを、参照符号34sはロータ16の溝34中の流線のイメージを示している。
【0042】
間隙28に投入された被粉砕物粒子は、ロータ16の溝34に生じる渦によりロータ16の溝34中に取り込まれ、面34bにぶつかって、ライナ18の方向にはじき飛ばされ、ライナ18の32a面に衝突して粉砕される(図5(f)参照)。粉砕された粒子のうち粗いものは、ライナ18の溝32中の渦の流れに乗れず再び間隙28に放出され、同じ作用を受ける。一方細かい粒子は、ライナ18の溝32またはロータ16の溝34の中の流れに乗って溝32および34内にとどまり、ロータ16およびライナ18の溝32および34の山、谷が交互に高速ですれ違うことで生じる圧力の変動によりある細かさまで粉砕される。以上の粉砕の過程を考え、好ましい溝断面形状は、次のように決められる。
【0043】
ロータ16の溝34の後側面34bは、流れを過度に乱さず、排気温度の上昇を防止し、面に衝突する被粉砕物粒子をライナ18の方向にはじき飛ばせるように、傾斜角δはロータ16の回転方向bとは逆方向に30度以上、70度以下が好ましい。
【0044】
ライナ18の溝32の前側面32aは、ロータ16によりはじき飛ばされた被粉砕物粒子が衝突したときに適切な衝撃が与えられるように、傾斜角αは回転方向に30度以上、70度以下が好ましい。
【0045】
ロータ16の溝34およびライナ18の溝32中の渦は、適切な渦度の大きさで、空間が広く、安定していることが重要であり、ロータ16の溝34の前側面34aの傾斜角γおよびライナ18の溝32の後側面32bの傾斜角βの角度をそれぞれ0度以上および0度以下にすることで、溝32および34の空間を広くとれる。
【0046】
しかし、ロータ16の溝34の前側面34aは、回転方向bとは逆に傾斜角γを大きくとると主渦以外にも渦が生じてしまい、溝34から放出されるべき大きな粒子も、溝34の中に留まり、製品中に粗大粒子が混入してしまう。
【0047】
ここで、主渦とは、主に粉砕の作用を粒子に与える渦であり、図5(a)に参照符号32s,34sで示すものである(図5(g)参照)。
【0048】
また、傾斜角γを回転方向bに大きくとると溝34中に生じた渦の主流中への放出が起こり不安定になったり、主流が溝34中に入り込み、渦の大きさが小さくなったりする。これらのことを考慮して、傾斜角γは回転方向bに−30度以上、かつ30度以下、すなわち回転方向bと逆方向に30度から回転方向bに30度までの範囲内であるのが好ましい。
【0049】
ライナ18の溝32の後側面32bの傾斜角βも同様な理由から、回転方向bに−30度以上かつ30度以下、すなわち回転方向bと逆方向に30度から回転方向bに30度までの範囲内であるのが好ましい。
【0050】
次に、本発明において好ましい溝のピッチについて説明する。
【0051】
同じロータ16の径では、溝ピッチpを小さくすると、溝(32,34)の数が多くなり、溝(32,34)の壁面(32a,32b,34a,34b)に衝突する確率が高くなり細かい粒度を得るためには好ましい。しかし、溝(32,34)の深さが、安定した適切な強さの渦を生成し、かつ主渦以外の渦の発生を抑えるために好適な範囲があるので、溝ピッチpを小さくすると溝の空間が狭くなり、処理能力が低下する等の問題がある。
【0052】
溝ピッチpは、被粉砕物の種類、原料粒径、目的の製品粒度等に依存するが、本発明の粉砕装置10の場合には、2mm〜10mm程度とするのが好ましい。例えば、溝ピッチpと原料粒径との間の関係を例に挙げて説明すれば、溝ピッチpは、原料最大径に基づいて、下記(式1)により規定される間隔とするのが好ましい。
p=kD+1 (mm) … (式1)
ここで、p:ロータ16の溝およびライナ18の溝の間隔 (mm)
k:係数 (2〜3)
D:原料最大径 (mm)
ロータ16の溝およびライナ18の溝の少なくとも一方、好ましくは両方のピッチを上記(式1)を満足する間隔とすることにより、粉砕原料の粉砕効率を向上させることができる。
【0053】
また、溝(32,34)の深さは、ピッチの1/5倍以上、3倍以下が好ましい。なお、溝ピッチpおよび溝の深さは、ロータ16の溝34とライナ18の溝32とで同じにするのが好ましいが、両者の溝32と34とで異なっていてもよい。
【0054】
ところで、粉砕装置10のケーシング11内部に入った粉体は、ロータ16とライナ18との間の間隙28を通過する間に、徐々に粉砕されてその粒径が次第に細かくなる。前述の通り、粉砕原料の粒径に応じた最適な粉砕溝間隔が存在するため、粉砕部の位置により粉砕溝間隔を変えることで粉砕効率を向上させることができる。より具体的には、原料供給口20側から製品排出口22側へ向かうに従って、段階的に溝間隔を小さく設定するのが好ましい。なお、溝間隔を段階的に小さく設定するのは、ロータ16の溝およびライナ18の溝のどちから一方だけでもよいが、両方の溝間隔を段階的に小さく設定するのが最も好ましい。
【0055】
また、粉砕効率の点において、ロータ16の溝間隔とライナ18の溝間隔との間にも依存関係が存在する。本発明者らの研究、実験の結果によれば、ロータ16の溝間隔に対する、ライナ18の溝間隔の比が1〜2の間とするのが最も粉砕効率を高くすることができるということが分かっている。例えば、ロータ16の溝間隔を4mmとした場合、ライナ18の溝間隔は、その1〜2倍の範囲の4mm〜8mmとするのが好ましい。
【0056】
以上の説明のように、ロータ16の外周面にこのような傾斜溝34を形成することにより、粉砕室を構成するロータ16とライナ18との間の間隙28に入り、ロータ16の傾斜溝34によって形成された凸部34d(図5(d)および(e)参照)へ衝突した被粉砕物粒子は、製品排出口22からブロアなどによって吸引されている空気の流れの方向とは逆の方向(原料供給口20側)へはじき飛ばされるため、粉砕室中に滞留する時間を長くとることができる。
【0057】
また、前述したように、ロータ16の外周面およびライナ18の内周面のいずれか一方の周面にのみ傾斜溝を形成した場合には、他方の周面は回転軸12の中心線12aに平行な溝にすることもできる。さらに、いずれか一方の周面または両方の周面を、回転軸12の中心線12a(長手方向)に対して同一または異なる傾斜角度で交差する複数の傾斜溝、すなわち、図7(a)に示すライナ18および図7(b)に示すロータ16のように正面視がメッシュ状となるような傾斜溝36にすることもできる。
【0058】
図7に示す例のように、正面視がメッシュ状となるような傾斜溝36にした場合、逆の見方をすると、ロータ16の外周面およびライナ18の内周面には、菱形ないしは正方形断面形状の複数の柱状突起物が所定の間隔で形成されていると考えることもできる。
【0059】
なお、このような傾斜溝の形成方法は、特に制限はなく、周面に切削等により凹部を形成する方法または鋳造等により凸部を形成する方法など、公知の形成方法のいずれの方法も適用することができ、さらに、その際には必要に応じて耐摩耗処理をすることもできる。
【0060】
ところで、本発明においても、粉砕室となるロータ16の外周面とライナ18の内周面の間隙28は、特に制限的ではなく、被粉砕物の種類や原料および製品の粒度分布に応じて適宜選択することができるが、本発明においては特に、その特徴的な傾斜溝の存在により、従来より大きくすることができ、最大で3mm幅に設定することができる。
【0061】
本発明の機械式粉砕装置は基本的に以上のように構成されるものであるが、以下にその作用を図1および図3〜図7に基づいて詳細に説明する。
【0062】
まず、製品排出口22に粉砕製品回収用フィルタを介して接続された空気吸引装置(図示せず)の送風運転が開始される。これにより、原料供給口20から流入される空気は、ケーシング11内を図1中左方から右方へ流れる空気流となる。次いで、ロータ16を図3中の矢印b方向に回転させる。
【0063】
次に、原料供給口20から所望量の原料粉体が連続的または断続的に供給される。原料供給口20から供給された原料粉体は空気流とともに吸引され、粉砕室であるロータ16とライナ18との間の間隙28に到達する。そして、傾斜溝32,34の両凸部の間での摩砕を受け、傾斜溝32,34の凸部面への衝突や凹部内に生じた渦流による凹部面への衝突を繰り返し、また互いに衝突を繰り返し、適度に粉砕されながら徐々に右方に移動し、粉砕製品となって製品排出口22から吸引、排出され、装置外で、粉砕製品回収用フィルタにより捕捉される。
【0064】
この粉砕過程において傾斜溝は、図4に示すように作用する。すなわち、図4において矢印で示したとおり、ロータ16の回転方向bは空気流の方向aと直交する方向となっているため、空気流に乗って、ロータ16とライナ18との間の間隙28に入った原料粉体粒子は回転方向bに流され、おおよそc方向に進行することになる。したがって、原料粉体粒子はライナ18の傾斜溝32やロータ16の傾斜溝34に、直接もしくはこれらの傾斜溝32や34に生じる渦流によって、引き込まれ、あるいは取り込まれ、または衝突して逆方向にはじき飛ばされ、空気流の方向aへの移動を妨げられる。
【0065】
このため、空気流の方向aへの円滑な移動が妨げられ、間隙28からなる粉砕室における滞留時間を長くすることができる。このように傾斜溝32や34が粉砕室内の原料粉体粒子の流れを妨げるように作用するため、粉砕室の容積(間隙28)を大きくとることができ(間隙が最大で3mm)、処理量を多くした場合でも、十分な粉砕時間を確保することができる。このように粉砕室の空間を広く取ることにより、傾斜溝32や34により生じる渦流に過度に激しい乱れや不規則な乱れが含まれることはなく、原料粉体粒子を緩やかに粉砕することができるので、粉砕室における滞留時間を長くとるにもかかわらず、原料粉体の過粉砕を防止することができる。
【0066】
なお、本発明の機械式粉砕装置10において、空気吸引装置による吸引力とロータ16の回転速度は、円滑な粉砕処理ができように、粉砕される原料粉体(被粉砕物)の種類、粒度、処理量、ロータ16およびライナ18の寸法、形状、傾斜溝の形状、寸法、粉砕室となる間隙の間隔などに応じて適宜選択し、設定することが好ましい。例えば、ロータの直径約250mm、軸方向の長さ約250mmの機械式粉砕装置では、吸引送風機の風量が約4〜6m3 /minで、ロータ16の回転速度は約6,000〜13,000rpmが適当である。
【0067】
【実施例】
(実施例1)
図1に示す構造の機械式粉砕装置10を用い、平均粒径が500μmの一成分トナーを原料粉体として、下記の条件で粉砕を行った。
ここで、ライナ18の内周面には、図3および4に示すように複数の傾斜溝32を形成し、その傾斜角度θを10度とした。一方、ロータ16の外周面には、その母線方向に平行な溝(以下、この溝を「平行溝」という)を形成した。さらに、これらの傾斜溝32と平行溝の断面形状はいずれも図5に示すとおりであり、傾斜溝32および平行溝とも溝のピッチは4mm、溝の深さは2mmに設定した。また、ロータ16の直径は242mm、長さは240mmで、ロータ16とライナ18との間隔は2mmとした。
この機械式粉砕装置10の製品排出口22には粉砕製品回収用フィルタを介して吸引用ブロアを接続し、原料トナーはスクリューフィーダにより、原料供給口20から供給した。
【0068】
この機械式粉砕装置10をロータ16の回転数10,000rpm、吸引用ブロアの風量4m3 /minで運転し、原料トナーの処理量(供給速度)を10、20および30kg/hと変えて、粉砕処理を行った。製品排出口22から排出された粉処理後の粉砕物は、平均細孔径約3μmの粉砕製品回収用フィルタにより粉砕製品として捕捉、回収した。
こうして得られた粉砕製品の平均粒子径を測定し、供給速度に対してプロットした結果を図8に示す。
【0069】
(比較例1)
また、比較例として、ライナ18の内周面を平行溝にした以外は実施例1とまったく同一の機械式粉砕装置(溝は特公平3−15489号公報に記載の装置と同様である。)を用い、実施例1と同一の条件で同様の粉砕を行った。その結果も図8に合わせて示す。
【0070】
図8から明らかなように、本発明の機械式粉砕装置を用いた場合の本実施例1には、比較例1と比べて平均粒子径が小さな粉砕物が得られることがわかる。また、本実施例1では、粉砕用の溝を傾斜させることによる機械式粉砕装置の動力の上昇や、粉砕温度の上昇は認められなかった。
【0071】
(実施例2および比較例2)
実施例2として実施例1と同一の機械式粉砕装置および比較例2として比較例1と同様の機械式粉砕装置を用い、原料トナーの処理量(供給速度)を10kg/hに固定し、ロータ16の回転数を10,000rpm〜13,000rpmに変化させたほかは実施例1と同様にして、原料トナーを粉砕し、粉砕製品を得た。得られた粉砕製品の平均粒子径と粉砕製品に含まれている5μm以下の粒子の体積割合を測定した。その結果を図9に示す。
図9から明らかなように、同じ平均粒子径の粉砕製品では、比較例2の粉砕装置による粉砕製品に比べ、本実施例2の機械式粉砕装置による粉砕製品のほうが5μm以下の粒子の含有割合が小さかった。この結果から、本発明の機械式粉砕装置によれば、過粉砕が少なくなることがわかる。
【0072】
(実施例3、実施例4および比較例3)
図2に示す機械式粉砕装置30を用い、平均粒径が200μmの一成分トナーを原料粉体として、下記の条件で粉砕を行った。
ここで、実施例3としてロータ16の外周面には、図4および6に示すように複数の傾斜溝34を形成し、その傾斜角度θを10度とした。次いで、実施例4としてロータ16の外周面には、図7(b)に示すように複数の傾斜溝36をメッシュ状に形成し、交差する傾斜溝の角度θをロータ16の母線方向に対し±10度とした。比較例3としてロータ16の外周面には、その母線方向に平行な平行溝を形成した。一方、いずれの場合もライナ18の内周面にはその母線方向に平行な平行溝を形成した。さらに、これらの傾斜溝34および36と平行溝の溝の方向と直交する断面形状および寸法は、実施例1と同一とした。
【0073】
この機械式粉砕装置30をロータ16の回転数を10,000rpm、11,000rpm、12,000rpmと変え、吸引用ブロアの風量を4m3 /minとして運転し、原料トナーの処理量(供給速度)を10kg/hとして、粉砕処理を行った。この他の粉砕条件および粉砕後の粉砕物処理も実施例1と全く同一とした。
こうして得られた粉砕製品の平均粒子径を測定し、ロータ回転数に対してプロットした結果を図10に示す。
【0074】
図10から明らかなように、本実施例3の機械式粉砕装置により粉砕した場合は、比較例3の機械式粉砕装置により粉砕した場合に比べて、いずれのロータ回転数においても、粒径の小さな粉砕製品が得られることがわかる。本実施例4の機械式粉砕装置により粉砕した場合には、比較例3との差が一層顕著となることがわかる。また、本実施例3および4でも、粉砕用の溝を傾斜させることによる機械式粉砕装置の動力の上昇や、粉砕温度の上昇は認められなかった。
【0075】
(実施例5)
図2に示す構造の機械式粉砕装置30を用い、最大粒子径2mmの一成分トナーを原料粉体として、下記の条件で粉砕を行った。
ここで、実施例5としてライナ18の内周面には、回転軸に平行な方向に複数の平行溝を形成し、その断面形状は一辺がロータ16の中心に向き、他辺がこの一辺と45度の角度をなし、ロータ16の回転方向後方が低くなる三角形状(特公平3−15489号公報に開示されたような)とした。
一方、ロータ16の外周面には、回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向とその逆方向に傾斜している溝の両者を設け、その傾斜角度をそれぞれ5度、10度、20度、45度とした。すなわち、図7(b)に示すロータ16のように正面図がメッシュ状となるような傾斜溝とした。
これらの平行溝および傾斜溝ともに溝のピッチは4mm、溝の深さは2mmに設定した。
また、ロータ16の直径は242mm、長さは240mmで、ロータ16とライナ18との間隔は2mmとした。
この機械式粉砕装置30の製品排出口22には粉砕製品回収用フィルタを介して吸引用ブロアを接続し、原料トナーはスクリューフィーダーにより、原料供給口20から供給した。
吸入用ブロアの風量4m3 /minで運転し、原料トナーの処理量(供給速度)20kg/hとして、粉砕品の粒径が12μmになるようにロータ16の回転数を調節した。
【0076】
(比較例4)
また、比較例4として、ロータ16の外周面の溝傾斜角度を0度、すなわち回転軸と平行な溝を設けたロータ16でも同様な運転条件で試験を行った。
【0077】
原料トナーを平均粒径12μmに粉砕するためには、ロータ16の外周面の溝傾斜角度に応じてロータ16の回転数を以下のように調節した。
すなわち、傾斜角0度のときはロータ回転数を11,000rpmに、傾斜角5度のときはロータ回転数を10,500rpmに、傾斜角10度および20度のときはロータ回転数を10,000rpmに、傾斜角45度のときにはロータ回転数を9,800rpmに調節した。
こうして得られた粉砕品に含まれる18μm以上の、いわゆる粗大粒子の体積割合とロータ溝の傾斜角度との関係をプロットした結果を図11に示す。また、粉砕品に含まれる8μm以下の、いわゆる過粉砕粒子の体積割合とロータ溝の傾斜角度との関係をプロットした結果を図12に示す。
【0078】
図11および図12から明らかなように本実施例5の機械式粉砕装置により粉砕した場合は、比較例4の機械式粉砕装置により粉砕した場合に比べて、ロータ16の外周面の溝傾斜角度が5度から45度の範囲において、過粉砕防止と粗大粒子混入防止の両方の点での効果が大きいことが分かる。
【0079】
(実施例6)
図2に示す構造の機械式粉砕装置30を用いて、最大粒子径2mmの一成分トナーを原料粉体として試験を行った。
ライナ18の内周面には、ロータ16の回転軸方向に平行な方向に複数の溝32を形成し、溝のピッチ4mm、溝の深さ2mm、図5(c)の角度αが45度、角度βが15度、32dが1mmである。
【0080】
一方、ロータ16は、直径242mm、長さ240mmであり、回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向に10度、またその逆方向に10度傾斜している溝を設け、その溝を切った方向に垂直な断面の形状が、図5(d)の角度δが45度、角度γが15度、34dが1.4mmで、溝のピッチ4mm、溝の深さ2mmのものを用いた。ライナ18とロータ16との間の間隙28は2mmとした。
【0081】
この装置30でロータ回転数10,000rpm、吸引用ブロアの風量4m3 /min、原料供給速度10kg/hで目標平均粒径12μmとして原料粉体の粉砕処理を行った。また、粉砕物はバグフィルタにより回収した。
得られた粉砕品の粒度を測定したところ、平均粒径が11.8μm、18μm以上の粒子を含む体積割合が0.8%、7μm以下の粒子を含む体積割合が2.1%であった。
【0082】
(比較例5)
比較のため、ライナ18の内周面およびロータ16の外周面にロータ16の回転軸方向に平行な方向に、複数の溝32および34を形成し、溝32および34の断面形状を実施例5のライナ18のもの(特公平3−15489号公報に記載のもの)と同じにし、その他は実施例6と同一な装置で、実施例6と同一な条件で粉砕処理を行った。得られた粉砕品の平均粒径は12.8μmで、実施例6に比べ1μm粗くなり、18μm以上の粒子を含む体積割合は6.4%で、実施例6の8倍に増加し、7μm以下の粒子を含む体積割合は3.6%で1.7倍に増加した。
【0083】
(実施例7)
ライナ18の溝の断面形状を図5(b)の角度αが60度、角度βが15度とし、それ以外は実施例6と同一な装置を用いて、同一な原料を同一な条件で処理した。得られた製品は、実施例6の製品と同様であり、比較例5に比べて、平均粒径が小さく、粒度分布がシャープであった。
【0084】
(実施例8)
ロータ16の溝34の溝を切った方向と垂直な断面の形状を、図5(e)の角度δが50度、角度γが15度で、それ以外は実施例6と同一な装置を用いて、同一な原料を同一な条件で処理した。得られた粉砕品は、実施例6の粉砕品と同様であり、比較例5にくらべ、平均粒径が小さく、粒度分布がシャープであった。
【0085】
(実施例9)
図2に示す構造の粉砕装置30を用い、平均径500μmのスチレンアクリル樹脂を主成分とする1成分系トナーを粉砕原料として、下記条件で粉砕を行った。
外径150mmのロータ16外周面には、菱形断面形状の高さ2mmの柱状突起物が回転方向に4mmの間隔で配置されている。また、ライナ18の内周面には、母線と平行な概ね三角形の断面を有する溝を所定の間隔で形成し、ロータ16とライナ18との間の間隙28を1.5mmとした。
この粉砕装置30を、ロータ16の回転数14000min-1、吸引ブロアの風量を1.5m3 /minで運転し、原料トナーの供給量を5kg/hとして粉砕処理を行った。
こうして得られた粉砕製品の平均粒径(50%径)を測定し、ロータ16の溝の間隔に対する、ライナ18の溝の間隔比(ライナ18の溝間隔/ロータ16の突起物の配置間隔)に対してプロットした結果を図13のグラフに示す。
このグラフに示すように、ロータ16の溝間隔に対して、ライナ18の溝間隔が1.0〜2.0倍の比である場合が、粉砕効果が高くなるということが分かった。
【0086】
(実施例10,11および比較例6,7)
図2に示す構造の粉砕装置30を用い、最大径2mm(平均径500μm)および最大径0.08mm(平均径20μm)のスチレンアクリル樹脂を主成分とする1成分系トナーを粉砕原料として、原料トナーの供給量を3kg/hとしたこと以外は実施例9と同じ条件で粉砕処理を行った。
前出の(式1)で規定される溝間隔の溝を備えたライナ18を用いた場合の結果(粉砕物の50%径)を図14の表1に示す。なお、表1には、比較のために、同(式1)で規定される範囲外の溝間隔を有するライナ18を用いた場合の結果も併せて示してある。
表1から明らかなように、粉砕原料の粒径に応じた最適な粉砕溝間隔が存在し、原料の最大粒径に応じた溝間隔を選択することで粉砕効率を向上させることができるということが分かった。
【0087】
(実施例12,13および比較例8)
図2に示す構造の粉砕装置30を用い、平均径500μmのスチレンアクリル樹脂を主成分とする1成分系トナーを粉砕原料として、ライナ18を高さ方向に2分割し、供給口側のライナと排出口側のライナとに分割されたライナ18を用いたこと以外は、実施例10,11と同じ条件で粉砕処理を行った。
ライナ18の溝間隔を、供給口側のライナと排出口側のライナとで変えて試験した結果を図15の表2に示す。なお、比較のために、上下同一の溝間隔のライナ18を用いて試験した結果も表2に併せて示してある。
表2から、粉砕原料の粒径に応じた最適な粉砕溝間隔が存在することは明らかであり、粉砕部において、粉砕溝間隔を変えることにより粉砕効率を向上させることができるということが分かった。
【0088】
以上、本発明の機械式粉砕装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0089】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、ロータの外周面またはライナの内周面もしくはその両者に、ロータの回転軸に平行な方向に対し被粉砕物となる原料粉体の流れを妨げる方向に傾斜して形成された複数の溝を有していることから、これらの溝によりロータとライナとの間に形成される間隙からなる粉砕室における原料粉体の通過を妨げ、原料粉体の粉砕室内における滞留時間を長くすることができるので、粗大粒子を含まず、小さな平均粒径、例えば5〜15μmオーダーの平均粒径を持ち、粒度分布の幅が狭くてシャープな高品質な微粉体を得ることができる。
【0090】
また、本発明によれば、粗大粒子の発生が防止されると共に、緩やかな粉砕条件で粉砕されるため、過粉砕が防止され、必要以上に粒径の小さい、例えば5μm以下あるいは数μm以下の微粒子の発生を低減することができる。
さらに、本発明によれば、粉砕室の容積を大きくできるし、また、原料粉体の最大径に応じてロータおよびライナの溝間隔を最適化したり、両者の溝間隔を、被粉砕物の供給口側から排出口側へ向かうに従って段階的に小さく設定したり、さらにはロータの溝間隔に対するライナの溝間隔の比を1〜2とすることにより、粉砕効率を向上させることができるため、処理量も多くすることができ、生産性を向上させることができる。
従って、本発明の機械式粉砕装置は、樹脂およびそれを主成分として含む粉体の粉砕用として好適であり、特に、乾式トナーや粉体塗料の粉砕用として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る機械式粉砕装置の一実施例の断面模式図である。
【図2】 本発明に係る機械式粉砕装置の別の実施例の断面模式図である。
【図3】 図1に示す機械式粉砕装置に用いられるライナの一実施例の斜視図である。
【図4】 本発明に係る機械式粉砕装置のロータまたはライナ上における傾斜溝の形成角度を説明するための模式図である。
【図5】 (a)は、図1におけるV−V線に沿った、ロータおよびライナの溝中の流線の模式的なイメージを含む溝方向に直交する断面における部分断面矢視図であり、(b)および(c)は、各々(a)に示すライナの溝の、溝方向と直交する断面形状の一例を示す部分断面図であり、(d)および(e)は、各々(a)に示すロータの溝の、溝方向と直交する断面形状の一例を示す部分断面図であり、(f)は、ロータおよびライナの溝による被粉砕物の粉砕作用の一例を示す模式図であり、(g)は、ロータの溝中に生じる渦の一例を示す模式図である。
【図6】 図1に示す機械式粉砕装置に用いられるロータの一実施例の斜視図である。
【図7】 (a)および(b)は、それぞれ本発明の機械式粉砕装置に用いられるライナおよびロータの別の実施例の正面模式図である。
【図8】 実施例1および比較例1の結果を示すグラフである。
【図9】 実施例2および比較例2の結果を示すグラフである。
【図10】 実施例3、実施例4および比較例3の結果を示すグラフである。
【図11】 実施例5および比較例4の結果を示すグラフである。
【図12】 実施例5および比較例4の結果を示すグラフである。
【図13】 実施例9の結果を示すグラフである。
【図14】 実施例10,11および比較例6,7の結果を示す表である。
【図15】 実施例12,13および比較例8の結果を示す表である。
【図16】 従来の回転型機械式粉砕装置の断面模式図である。
【図17】 (a)、(b)、(c)および(d)は、それぞれ図16に示す従来の粉砕装置における回転子およびケーシングの各々別の構造を示す部分断面図である。
【図18】 (a)および(b)は、それぞれ図16に示す従来の粉砕装置における回転子およびケーシングのさらに別の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10,30 機械式粉砕装置
11 ケーシング
12 回転軸
12a 回転中心(中心線)
14 ロータユニット
16 ロータ
18 ライナ
20 原料供給口
22 製品排出口
24a,24b 軸受
26a,26b 円形側板
28 間隙
32,34,36 傾斜溝
32a,32b,34a,34b 傾斜溝の壁面
32c,34c 傾斜溝の底部
32d,34d 傾斜溝の凸部
32S,34S 主渦
α,β,γ,δ 傾斜溝の断面傾斜角
a 空気流の方向(回転軸に平行な方向)
b ロータの回転方向
c 粉砕粒子(被粉砕物)の移動方向

Claims (2)

  1. 回転軸に支持され、外周面に複数の溝が形成されたロータと、このロータの外側に、このロータの外周面と所望の間隙を設けて配置され、その内周面に複数の溝が形成されたライナとを備え、前記間隙で樹脂または樹脂を主成分とする粉体である被粉砕物を粉砕処理する機械式粉砕装置であって、
    前記ロータの溝の間隔に対する、前記ライナの溝の間隔の比が1〜2であるとともに、
    前記ロータの外周面には、前記回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向に傾斜した溝、および前記回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向と逆方向に傾斜した溝の両方が形成されており、
    前記ロータの溝の間隔および前記ライナの溝の間隔の少なくとも一方が、被粉砕物の最大粒子径に基づいて下記式により算出される所定の間隔であることを特徴とする機械式粉砕装置。
    p=kD+1 (mm)
    ここで、p:前記ロータの溝の間隔および前記ライナの溝の間隔 (mm)
    k:係数 (2〜3)
    D:被粉砕物の最大径 (mm)、D=0.08〜2.0(mm)
  2. 前記ライナの内周面には、前記回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向に傾斜した溝、および前記回転軸に平行な方向に対し被粉砕物の流れを妨げる方向と逆方向に傾斜した溝の両方が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の機械式粉砕装置。
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