JP2009001940A - 再生繊維製造装置及び繊維製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂粉と繊維との混合粉末を液体中で攪拌する湿式攪拌器Jと、樹脂粉と前記繊維との見掛密度の差及び/又は粒子形状の差に基づいて繊維と樹脂粉とを液体中において分離する湿式分離器Lと、分離された繊維を含む液体をスクリーンQ1で濾過する湿式濾過器Qと、を備える。
【選択図】図1
Description
図1に示すように、本実施形態に係る複合樹脂廃材の再生繊維製造装置100は、細片化装置A,粉体化装置B,軽質粉捕集サイクロンC1,重質粉捕集サイクロンC2,重質粉解繊装置D,粗風力分級装置E,精密風力分級装置F,バグフィルタG,バグフィルタH,軽質粉解繊装置I,湿式攪拌器J,直列サイクロンL,2次湿式攪拌器Pと、湿式濾過器Qと、分離用沈殿タンクM、プレス機N、繊維脱水装置Oを主として備える。
細片化装置Aは、繊維及び樹脂を含む複合樹脂材料を細片化するものである。対象となる複合樹脂材料は特に限定されないが、例えば、塩ビ等の樹脂層と裏打ち紙(パルプ繊維層)とを張り合わせた樹脂壁紙や、塩ビ等の樹脂層とナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン(PP等)等の繊維層とを張り合わせた、又は、樹脂層間に繊維層を挟み込んだ、又は、繊維層に樹脂を含浸させたシート状の複合樹脂材料、例えば、タイルカーペット(例えば、塩ビやオレフィン等の樹脂と、ナイロンやPP等の繊維との複合材料等)、ダストコントロールマット(NBRゴム樹脂(基材)、ゴムラテックス樹脂(接着剤)、及びナイロン繊維を含む複合材料)、自動車用フロアマット(SBRゴムやオレフィン樹脂(基材)、ラテックス樹脂(接着剤)、及びPP繊維等を含む複合材料等)等の床材や、防災メッシュシート(ポリエステル織布及びこれに含浸した塩ビペースト樹脂を含む複合材料)、防音シート・防水シート(2層の塩ビシート材間にポリエステルやナイロン織布を挟んだ複合材料)等の工事/建築用のシートが挙げられる。
細片化装置Aにより細片化された複合樹脂廃材は、ラインL10を介して粉体化装置Bに供給される。この粉体化装置Bは、水平方向に配置された筒状容器B1内で、打撃部材B2が複数設けられた回転軸B3を高速で回転させるものである。具体的には、例えば、特開2006−346942号公報に記載の粉体化装置を使用することができる。
サイクロンC1は、軽質粉が排出されるラインL2に接続されている。サイクロンC1は、軽質粉にわずかに混入した重質粉を捕集し、ラインL3を介して重質粉解繊装置Dに供給する。一方、重質粉が分離された軽質粉は、気流に乗ってラインL4を介してバフフィルタHに捕集される。バグフィルタを通過したガスは、ファン82により大気に排出される。
解繊装置Dは、重質粉中に混在する繊維同士が絡んだ繊維塊をほぐす装置である。解繊装置としては、特に限定されず、公知のものが使用可能である。例えば、フラットカード型解繊装置、ローラーカード型解繊装置、反毛機等の乾式の解繊装置を使用することができる。重質分は樹脂粉を多く含むが、繊維同士が絡み合って内部に樹脂粉を含むものがラインL3及びラインL7を介して解繊装置Dに供給される。そこで、後段での樹脂粉からの繊維の分離を容易にすべく、事前に絡んだ繊維をほぐすのである。繊維塊がほぐされて取り込まれた樹脂粉が脱出させられた重質粉はラインL8を介して粗風力分級装置Eに供給される。
粗風力分級装置Eは、粒度、形状、重量等の違いを利用して重質粉中の樹脂粉と、繊維とを分離するものである。粗風力分級装置Eとしては、例えば、風力分級と、振動篩とを組み合わせたものを利用できる。すなわち、粗風力分級装置Eは、振動器8Eにより振動される容器3E内に、篩1Eを有する。また、容器3E内には、篩1Eの下から上に向かってコンプレッサ2Eからのエア等のガスが供給されるようになっている。既に、解繊装置Dにおいて繊維の絡みがほぐされているので、篩1E上に供給された重質粉中の繊維は、直ちに上向きガス流れに同伴されて容器3Eの上部に開口が設けられたラインL20を介してバグフィルタGに供給される。一方、樹脂粉は、大部分が篩1Eの目を通り抜けて、容器3Eの底部に開口が設けられたラインL21を解して精密風力分級装置Fに供給される。さらに、篩1Eの目を通り抜けることができない粗粉は、ラインL22を介して、ラインL10に合流し、再び粉体化装置Bにて粉体化される。
精密風力分級装置Fは、さらに、精密に重質粉から繊維を除去する装置である。ここでは、例えば、以下のような精密風力分級装置Fを使用することができる。すなわち、精密風力分級装置Fは、分離容器F1、容器加振器F2、ガス吹込管F3、媒体粒子層F4を備える。
バグフィルタGは、粗風力分級装置EからラインL20を介して排出される軽質粉(主として繊維)と、精密風力分級装置FからラインL22を介して排出される軽質粉(主として繊維)とを回収するフィルタである。バグフィルタGで回収された軽質粉は、ラインL30を介して湿式攪拌器Jに供給される。
解繊装置Iは、軽質粉中の繊維を解きほぐすものである。この解繊装置Iとしては、解繊装置Dで例示したものと同様のものを使用できる。解繊装置Iで繊維が解きほぐされた軽質粉はラインL33を介して湿式攪拌器Jに供給される。繊維が解きほぐされることにより、絡み合う繊維中に取り込まれた樹脂粉等の除去が一層容易となる。重質粉が分離された場合には、粗風力分級装置Eに供給すればよい。
湿式攪拌器Jは、軽質粉と液体とを混合することにより、繊維同士の絡み合いをほぐして軽質粉中の絡み合う繊維に取り込まれている微小な樹脂粉を繊維から除去しやすくするものである。液体としては、必要があれば有機溶剤を採用してもよいが、水を使用することが後処理等の面からは好適である。
直列サイクロンLは、サイクロンLL1〜LL5の各流体入口と上側(軽質粉側)出口とが直列に接続されたものである。各サイクロンLL1〜LL5の下側(重質粉側)出口は、バルブ及びラインL40を介して分離用沈殿タンクMに接続されている。
二次湿式攪拌器Pは、攪拌器P1、攪拌モータP2、攪拌器P1が収容される容器P3を主として備え、直列サイクロンLLで分離された繊維を含む液体を再び攪拌するものである。攪拌により、繊維がより一層ほぐされることにより、湿式濾過器Qでの分離がより好適に行われる。攪拌された繊維を含む液体は、ラインL41を介して、湿式濾過器Qに供給される。
湿式濾過器Qは、容器Q2及び容器Q2内に設けられたスクリーンQ1を主として有する。スクリーンQ1は、目開きが0.4〜2.2mmのものが好ましいが、0.5〜1.0mmのもの、すなわち、概ね40〜20メッシュがより一層好ましい。メッシュとは、2.54cmあたりの糸の本数である。0.4mmは短繊維の最低繊維長、2.2mmは、長繊維の最低繊維長に対応する。
湿式濾過器Qで捕集された長繊維は、ラインL43を介して公知の繊維脱水装置Oに供給され、真空吸引やプレス等による脱水及び、ヒータO1や温風の送風等による乾燥操作が行われ、樹脂粉及び短繊維が精密に除去された乾燥繊維集合体Zが得られる。
また、繊維脱水装置Oからの排液は、ラインL42を介して分離用沈殿タンクMに供給される。分離用沈殿タンクMでは、樹脂粉及び短繊維を含むスラリーを沈殿させ、樹脂粉及び短繊維を主成分とするダストDDをタンクの底部から排出してプレス機Nに供給する。また、上澄み液は、ラインL36、微粒子除去フィルタM1、ポンプM2を介して湿式攪拌器JのラインL34に循環供給される。なお、液体には各種溶剤や界面活性剤を含有させてもよい。
プレス機Nは、樹脂粉及び短繊維を含むダストをピストンN1により圧縮して液体を搾り出した後、固化ダストDDDとして排出する。排液は、ラインL43を介して分離用沈殿タンクMに回収される。
本発明によれば、例えば、紙等の繊維と塩ビ等の樹脂とを含む壁紙等の複合樹脂廃材は、細片化装置Aで細片化された後、粉体化装置Bにおいて例えば樹脂は粒径300μm程度以下の粉に粉体化され、繊維はほぐされ、樹脂粉と繊維とが生成する。そして、主として軽量な繊維が軽質粉としてラインL2から排出され、サイクロンC1により重質粉が分離された軽質粉はバグフィルタHに回収される。一方、主として重量の重い樹脂粉が重質粉としてラインL5から排出され、サイクロンC2を通過して解繊装置Dに供給される。ここで、サイクロンC1で回収された重質粉は解繊装置Dに供給され、サイクロンC2で回収された軽質粉はバグフィルタHに供給される。
塩ビ樹脂シートの表面に裏打ち紙を積層した塩ビ壁紙を数センチに細片化したものを、図1〜図3に示される粉体化装置に投入し粉体化した。打撃部材の周速度を150m/sとすることにより、繊維及び500μm以下の樹脂粉の混合物を得た。樹脂粉のピーク粒径は106−150μmであった。バグフィルタHに回収されたサンプルは繊維を主成分として含むものであり塩ビ樹脂含有率は23重量%であった。一方、粗風力分級装置E、精密風力分級装置F等を介してバグフィルタGに回収されたサンプルも繊維を主成分として含むものでありの樹脂含有率は13重量%であった。続いて、これらを湿式攪拌器J、及び、3直列のサイクロンLを介して分離したところ、1番目のサイクロンの出口における樹脂含有率は16重量%、2番目のサイクロンの出口における樹脂含有率は11%、3番目のサイクロンの出口における樹脂含有率は5重量%となった。
Claims (7)
- 樹脂粉と繊維との混合粉末を液体中で攪拌する湿式攪拌器と、
前記樹脂粉と前記繊維との見掛密度の差及び/又は粒子形状の差に基づいて液体中で前記繊維と前記樹脂粉とを分離する湿式分離器と、
前記湿式分離器で分離された繊維を含む液体をスクリーンで濾過する湿式濾過器と、
を備える、再生繊維製造装置。 - 前記湿式分離器は液体サイクロン又は静置分離器である請求項1に記載の再生繊維製造装置。
- 前記湿式分離器で分離された繊維を液体中で攪拌する二次湿式攪拌器を更に備え、前記二次湿式攪拌器により攪拌された繊維を前記湿式濾過器で濾過する請求項1又は2に記載の再生繊維製造装置。
- 前記樹脂粉は塩ビ樹脂粉であり、前記繊維はパルプである請求項1〜3のいずれかに記載の再生繊維製造装置。
- 前記樹脂粉と繊維との混合粉末は繊維及び樹脂を含む複合材料を粉体化してなるものである請求項1〜4のいずれか記載の再生繊維製造装置。
- 前記スクリーンの目開きは0.4〜2.2mmである請求項1〜5のいずれか記載の再生繊維製造装置。
- 樹脂粉と繊維との混合粉末を液体中で攪拌する湿式攪拌工程と、
前記樹脂粉と前記繊維との見掛密度の差及び/又は粒子形状の差に基づいて液体中において前記繊維と前記樹脂粉とを分離する分離工程と、
前記前記湿式分離器で分離された繊維を含む液体をスクリーンで濾過する湿式濾過工程と、
を備える、再生繊維製造方法。
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