JP2006344339A - 光記録媒体記録再生装置及びその記録パラメータ補正方法 - Google Patents

光記録媒体記録再生装置及びその記録パラメータ補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高速で、簡易的に記録パラメータを設定すること。
【解決手段】記録媒体に形成されるマーク長及びスペースとの組み合わせによって表現されるデータの書き込み及び読み出しを行う記録再生装置であって、データ信号を用いて記録媒体上に形成されたマークのエッジシフト量をマーク長とスペース長との組ごとに測定するエッジシフト検出器24と、測定されたエッジシフト量に基づき、マーク長とスペース長との組ごとに記録パラメータを設定する機能を持ち、外周位置にフリーな記録エリアを持つ記録媒体に記録する速度が記録媒体のゾーンによって変化する記録を行う場合、外周のテストエリア51を使用し、高倍速記録部のある決められた最低限の記録パラメータの位相誤差量を測定して設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ディスクに情報を記録するとともに光ディスクに記録された情報を再生する光記録媒体記録再生装置及びその記録パラメータ補正方法に関する。
現在、光ディスクなどの記録媒体にデジタル情報を記録し、かつ、記録媒体に記録されたデジタル情報を再生する記録再生装置が広く用いられている。例えば、レーザ光を用いてDVD−R、DVD+Rに情報を記録する記録再生装置では、記録されるデータに応じて、複数の長さの異なるマーク及びスペースが光ディスク上に形成される。光ディスク上に形成されたマーク及びスペースはレーザ光を用いて読み出され、これによってデータが再生される。
しかし、同じレーザパワーまたはパルス波形を持つレーザ光を用いた書込みであっても、装置や記録媒体の個体差によって、記録媒体上に形成されるマークの形状が異なる場合がある。マークの形状が所望の形状からずれていると、読み出された再生信号の波形が本来の波形からずれ、これによって記録したデータを再生したときの再生信号の品質が、装置または記録媒体ごとにばらつきを生じてしまうという問題がある。
このような再生信号の信頼性の低下を防止するために、記録媒体の記録再生装置への装填時にテスト記録を行っている。具体的には、所定のデータを光ディスク上の所定の領域に記録し、この記録されたデータを再生して信号品質を確認している。記録再生装置は、その結果に基づいて再生系の特性の最適化や記録に関するパラメータ(記録パラメータ)の最適化を行う。
特に、高倍速記録になるとレーザ照射により熱が与えられることで記録媒体上に所望でない形状のマーク(すなわち、エッジ位置がシフトしたマーク)が形成されやすい。この熱干渉の程度は、記録媒体上に形成されるマーク及びスペースのパターンによっても異なる。従って、このような記録媒体を用いる場合、上記のパターンに応じて最適な記録パラメータを設定することが好ましい。例えば特許文献1では、テスト記録において、再生信号の品質は、例えば、ジッタ(再生信号の時間軸方向の揺れ)によって判断している。
以下に特許文献1の装置及び制御について図面を用いて説明する。
図4は、再生信号のジッタが最小となるように再生系の特性あるいは記録パラメータの最適化を行う従来の光ディスクドライブ900の構成を示している。光ディスク1に対して照射された光の反射光は、光学ヘッド2において、記録されたデータに対応する再生信号に変換される。
再生信号は、波形等化器3によって波形整形された後、コンパレータ4によって2値化される。このコンパレータ4のしきい値(スライスレベル)は、積分回路などによって、コンパレータ4からの2値化出力の積分結果が0となるようにフィードバック制御される。
次に、位相比較器5において、コンパレータ4からの2値化出力と再生クロック信号との位相誤差が測定される。この再生クロック信号は、PLL(phase locked loop)回路によって、再生信号に含まれるクロック情報から抽出される。具体的には、位相比較器5において検出された位相誤差をLPF(ローパスフィルタ)6によって平均処理し、これをVCO(電圧制御発振器)7の制御電圧として用いる。このとき、VCO7の発振周波数及び出力されるクロック信号の位相は、位相比較器5から出力される位相誤差の累積が0になるようにフィードバック制御される。これによって、VCO7からは、再生信号と同期が取られた再生クロック信号が出力される。ただし、PLL回路を用いて生成された再生クロック信号を用いる場合であっても、形成されたマークのエッジにおいて所望でないずれ(シフト)が生じており、マークの長さが理想的な長さと異なるときには、2値化信号と再生クロック信号との間に位相誤差が生じる。光ディスクドライブ900では、この位相誤差に基づいて再生信号のジッタが測定される。
光ディスクドライブ900における記録パラメータの校正動作は以下の通りである。
まず、初期設定された記録パラメータ及びパターン発生回路8から出力される所定の記録パターンに従って、記録補償回路9は記録パルス信号を生成する。この記録パルス信号を用いて、レーザ駆動回路10は、所定の記録パターンに応じたデータを光ディスク1に記録する。
次に、このデータが記録された光ディスク1上のトラックが読み出される。このとき誤差検出回路11は、位相比較器5から、コンパレータ4の出力(2値化信号)とVCO7の出力(再生クロック信号)との位相誤差を受け取り、この位相誤差の絶対値を積分する。このように、誤差検出回路11は、位相誤差の絶対値を積分することによって、ジッタと相関を持つジッタ量を測定し、これを出力する。このようにして得られたジッタ量に基づいて、光ディスクドライブ900は、用いられた記録パラメータが適切であったか否かを判断する。検出されるジッタ量が大きいと記録パラメータが適切でないことを意味する。光ディスクドライブ900は、記録パラメータを最適化するために、その値を変化させながら上述の動作を繰り返す。これにより、記録パラメータ毎に、それぞれに対応するジッタ量が検出される。このうち、ジッタ量が最小となる記録パラメータを選択することで、記録パラメータの最適化が行われる。
以下、図5及び図6を参照しながら、再生信号のジッタ測定に基づく記録パラメータの最適化の手順について説明する。6Tスペース、4Tマーク、6Tスペース、8Tマークの繰り返しで規定される記録パターンを用いてテスト記録を行うことによって、4Tマークの後側のエッジ(終端エッジ)の位置を規定する記録パラメータの最適化を例示している。図5(a)のような周期的なNRZI(non−return to zero inverted)信号(記録パターン)がパターン発生回路8から与えられ、また、所定の記録パラメータが光記録媒体コントローラ12から与えられると、記録補償回路9は、例えば、図5(b)に示すようなレーザ駆動信号(記録パルス信号)を生成する。ここで、図5(b)に示すTsfpはマークの前側のエッジ(以下、始端エッジという)の位置を決定する記録パラメータであり、Telpはマーク終端エッジの位置を決定する記録パラメータである。これらの記録パラメータに基づいて生成された記録パルス信号に従って光ディスク1上にレーザを照射することによって、光ディスク1上には、図5(c)に示すように物理的にマークが形成される。Telp1、Telp2、Telp3は、4Tマークを書込むためのマルチパルスのうちのラストパルスの幅に相当し、Telp1<Telp2<Telp3の関係を満たす。また、Telp2は、マークの形状が所望の形状となるような最適な記録パラメータとする。4Tマークの終端エッジの位置を定める記録パラメータTelpを、Telp1、Telp2、Telp3と変化させた場合、光ディスク上に形成される4Tマークの形状(マーク終端エッジの位置)は図5(c)に示すように変化する。記録パラメータTelpを最適値のTelp2としたとき、図5(d−1)の実線で示すような再生信号が得られる。なお、図5(d−1)において、破線は、TelpをTelp1またはTelp3に設定した場合における再生信号を表す。
このように図5(d−1)の実線で示すような再生信号が得られると、この再生信号に基づいて、コンパレータ4のしきい値Th1は、その2値化出力の積分値が0となるように設定される。このようにして設定されたしきい値Th1を用いて2値化が行われ、これにより2値化信号が得られる。さらに、位相比較器5において、コンパレータ4から出力される2値化信号と再生クロック信号との位相誤差が検出され、検出された位相誤差の積分値が0となるように再生クロック信号がフィードバック制御される。このようにして、図5(e−1)に示すような再生クロック信号が生成される。
一方、記録パラメータTelpを、最適値Telp2より小さい値Telp1に設定した場合、図5(d−2)の実線で示すような再生信号が得られる。この場合、4Tマーク終端エッジのエッジポジションが時間軸方向にシフトしているため、コンパレータ4のしきい値Th2は図5(d−2)に示すように、図5(d−1)に示すレベルTh1よりも高くなる。これにより、コンパレータ4から出力される2値化信号も変化する。また、この2値化信号との位相誤差の積分値が0となるように生成された再生クロック信号は、図5(e−2)に示すように、図5(e−1)に示すクロック信号に比べて位相が進んだものとなる。
逆に、記録パラメータTelpを、最適値Telp2より大きい値Telp3に設定した場合、図5(d−3)の実線で示すような再生信号が得られる。この場合、4Tマーク終端エッジのエッジポジションが時間軸方向にシフトしているため、コンパレータ4のしきい値Th3は、図5(d−3)に示すように、図5(d−1)に示すレベルTh1よりも低くなる。これにより、コンパレータ4から出力される2値化信号も変化する。また、この2値化信号との位相誤差の積分値が0となるように生成された再生クロック信号は、図5(e−3)に示すように、図5(e−1)に示すクロック信号に比べて位相が遅れたものとなる。
ここで、マーク終端エッジでの、再生信号と再生クロック信号との時間ずれまたは位相誤差を測定すると、記録パラメータTelpをTelp1〜Telp3とした場合のそれぞれで、図6(f1)〜図6(f3)に示すような分布が得られる。なお、図6(f1)〜図6(f3)のそれぞれには、4Tマーク終端エッジに関連する上記位相誤差の分布を示す曲線と、8Tマーク終端エッジに関連する上記位相誤差の分布を示す曲線とが示されている。また、4Tマーク終端エッジのばらつきと、8Tマーク終端エッジのばらつきとは、同じ分散値の正規分布を持つものと仮定している。
図6(f−2)は、記録パラメータTelpを適切な値Telp2に設定した場合を示す。この場合、4Tマーク終端エッジを表す再生信号の立ち上がりエッジと再生クロックとの間の位相誤差の分布は0を中心とする正規分布となり、この位相誤差の平均値は0となる。また、8Tマーク終端エッジを表す再生信号の立ち上がりエッジと再生クロックとの位相誤差の分布も0を中心とする正規分布となり、この位相誤差の平均値が0となる。すなわち、両者の分布曲線は略重なるように形成される。このように、4Tマークの終端エッジの位置を規定する記録パラメータが適切である場合には、再生信号のトータルのジッタは最小になる。
しかし、記録パラメータTelpがTelp1(最適値Telp2より小さい値)の場合は、図5(e−2)に示すように再生クロック信号の位相が図5(e−1)に示したものに比べてずれているため、図6(f−1)に示すように、4Tマーク終端エッジに関連する位相誤差の平均値及び8Tマーク終端エッジに関連する位相誤差の平均値のそれぞれは0とはならない。これらの位相誤差の分布は重ならず、0から同じ距離だけ離れたところに中心をもつ正規分布となる。すなわち、4Tマーク終端エッジのシフトによって再生クロックの位相が変化するので、4Tマークだけでなく、本来適切な記録パラメータで記録されていた8Tマークに対応する再生信号においても、その位相誤差の平均(分布曲線のピーク)が0にはならなくなる。この結果、図6(f−2)の場合と比べて、再生信号とクロック信号とのずれ幅が全体として大きくなり、再生信号のジッタが増大する。
同様に、記録パラメータTelpがTelp3(最適値Telp2より大きい値)の場合は、図6(f−3)に示すように、4Tマーク終端エッジに関連する位相誤差の平均値と8Tマーク終端エッジに関連する位相誤差の平均値とが0にならず、これらの位相誤差の分布は重ならず、0から同じ距離だけ離れたところに中心をもつ分布となる。なお、図6(f−3)に示す2つの分布曲線と図6(f−1)に示した2つの分布曲線とでは、4Tマーク終端エッジに関する分布と8Tマーク終端エッジに関する分布とが入れ替わっていることになる。この場合も、図6(f−2)の場合と比べて、再生信号とクロック信号とのずれの分散が広がるため、再生信号の全体的なジッタが増大する。
このようなジッタの増大を抑制するために、図4に示す光ディスクドライブ900は、再生信号とクロック信号との位相誤差の絶対値を累積することでジッタと相関のある値を求め、この値が最小となるように記録パラメータを選択している。図6(g)は、設定された記録パラメータTelpと、誤差検出回路11から出力されるジッタ量(すなわち、位相誤差の絶対値の累積値)との関係を示すグラフである。このグラフからわかるように、記録パラメータTelpがTelp2の時に、誤差検出回路11から出力されるジッタ量が最小となる。
国際公開第2002−84653号パンフレット
このような従来の構成では、DVD−R、DVD+Rの高倍速の記録(記録媒体の半径位置により記録速度が変わる記録)の場合、低倍速記録の場合は内周のテストエリアにて記録媒体上に形成されるマーク及びスペースのパターン毎に最適な記録パラメータを設定することが可能であるが、外周の高倍速領域においては、モータの能力の関係(内周で高速で回転させる能力が無い)で内周のテストエリアを利用して記録パラメータの校正動作が行えないので、記録媒体、記録速度毎に固定の記録パラメータを設定せざるを得ない。この場合、同じ記録媒体でもロットの違いや、記録再生装置のバラツキを吸収できずにジッタ量が悪化し記録速度を制限せざるを得ないという課題を有していた。
本発明は、上記従来の問題を解決するために、高速で、簡易的に記録パラメータを設定することを目的とする。
請求項1記載の本発明の光記録媒体記録再生装置は、光記録媒体に形成されるマーク長及びスペース長との組み合わせによってデータの記録及び読み出しを行い、前記光記録媒体を物理的または仮想的に同心円状に複数のゾーンに分割し、前記ゾーン毎に記録速度を変化させて前記データの記録を行う光記録媒体記録再生装置であって、前記光記録媒体に形成されたテスト記録用マークのエッジシフト量をマーク長とスペース長との組み合わせごとに測定するエッジシフト検出回路と、測定された前記エッジシフト量に基づき、マーク長とスペース長との組み合わせごとに記録パラメータを設定する光記録媒体コントローラとを備え、前記テスト記録用マークを、前記光記録媒体の外周エリアに形成することを特徴とする。
請求項2記載の本発明の光記録媒体記録再生装置は、光記録媒体に形成されるマーク長及びスペース長との組み合わせによってデータの記録及び読み出しを行い、前記光記録媒体を物理的または仮想的に同心円状に複数のゾーンに分割し、前記ゾーン毎に記録速度を変化させて前記データの記録を行う光記録媒体記録再生装置であって、マーク長とスペース長との複数の組み合わせを規定しているテスト記録用の記録パターンを出力するパターン発生回路と、前記パターン発生回路から入力された前記記録パターンと、設定された記録パラメータとを用いて記録パルス信号を生成する記録補償回路と、前記記録パルス信号に応じて前記光記録媒体にテスト記録用データを記録するレーザ駆動回路と、前記テスト記録用データを読み出すことで得られる再生信号に基づいて再生クロック信号を生成する電圧制御発振器と、前記再生信号と前記再生クロック信号との間の位相誤差をエッジシフト量として検出する位相比較器と、所定のマーク長とスペース長との組み合わせに対応する信号パターンを識別するパターン検出回路と、前記パターン検出回路で識別された所定のマーク長とスペース長との組み合わせごとに前記光記録媒体に形成されたテスト記録用マークのエッジシフト量を測定するエッジシフト検出回路と、前記エッジシフト検出回路で測定された前記エッジシフト量が所定の範囲内にあるか否かを判断し、前記エッジシフト量が所定の範囲外である組み合わせについては、測定された前記エッジシフト量に基づいて新たに記録パラメータを設定する光記録媒体コントローラとを備え、前記テスト記録用マークを、前記光記録媒体の外周エリアに形成することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の光記録媒体記録再生装置において、前記テスト記録を、前記光記録媒体の内周エリアでも行うことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載の光記録媒体記録再生装置において、前記光記録媒体の内周側に位置する前記ゾーンについての記録パラメータの設定は、前記光記録媒体の内周エリアで行う前記テスト記録によって行い、前記光記録媒体の外周側に位置する前記ゾーンについての記録パラメータの設定は、前記光記録媒体の外周エリアで行う前記テスト記録によって行い、前記光記録媒体の外周エリアで行う前記テスト記録は、短スペース長で短マーク長である特定の前記記録パラメータを対象として行うことを特徴とする。
請求項5記載の本発明の光記録媒体記録再生装置の記録パラメータ補正方法は、光記録媒体に形成されるマーク長及びスペース長との組み合わせによってデータの記録及び読み出しを行い、前記光記録媒体を物理的または仮想的に同心円状に複数のゾーンに分割し、前記ゾーン毎に記録速度を変化させて前記データの記録を行う光記録媒体記録再生装置の記録パラメータ補正方法であって、測定されたエッジシフト量に基づき、マーク長とスペース長との組ごとに記録パラメータを設定するステップと、前記内周または外周のフリーなエリアに前記記録パラメータ設定手段により設定された記録パラメータによりテスト記録を行うステップと、前記記録媒体上に形成された前記マークのエッジシフト量をマーク長とスペース長との組ごとにエッジシフト量を測定するステップと、前記測定したエッジシフト量が最小となるように前記記録パラメータ設定手段の記録パラメータを補正するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の光記録媒体記録再生装置によれば、DVD−R、DVD+Rの高倍速の記録において外周の記録領域でジッタ悪化を防いで記録品位の向上が可能となり、高倍速記録を実現できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態の光記録媒体記録再生装置を説明する。
高倍速記録時の動作を説明するために、低倍速記録時に内周のテストエリアを使用した記録パラメータの校正動作について説明する。
図1は本実施形態の光記録媒体記録再生装置のブロック図、図2は本実施形態の光記録媒体記録再生装置に用いる光記録媒体の概念構成図、図3は本実施形態のジッタ分布効果を示す図である。
光ディスク装置100は、光ディスク14が装填されたときに、記録パラメータを最適化するための校正動作(テスト記録)を行う。このテスト記録において、パターン発生回路26から入力された所定の記録パターンと、初期設定された記録パラメータとを用いて、記録補償回路27によって記録パルス信号が生成される。本実施形態で用いられるテスト記録用の記録パターンは、例えば、4Tマーク、3Tスペース、4Tマーク、4Tスペース、4Tマーク、5Tスペース・・・(以下、4m3s4m4s4m5s・・・というように示す場合もある)というように、それぞれ互いに異なる、マーク長とスペース長との複数の組を含むように規定されている。本実施形態では、4m3sの組、4m4sの組、4m5sの組などが含まれている。さらに、この記録パターンは、DSV(Digital Sum Value)が0となるように構成されている。
レーザ駆動回路28は、このようにして生成されたレーザ発光制御パルス信号に応じて光ヘッド13を駆動し、光ディスク14に所定のデータを記録する。光ディスク装置100は、いわゆるマークエッジ記録方式を採用し、光ディスク14には、所定のデータに対応する、長さの異なる複数のマーク及びスペースが形成される。次に、各記録パラメータを最適化するために、上記光ディスク14に記録された所定のデータを再生し、得られた再生信号からパラメータの適否を判断する。このために、まず、光ヘッド13を用いて再生用レーザが光ディスク14上に照射される。光ディスク14上に記録された所定のデータからの反射光は、光ヘッド13において再生信号に変換される。この再生信号は、増幅された後に波形等化器15により波形整形される。波形整形された再生信号は、アナログ−デジタル変換器(A/D変換器)16によって標本化及び量子化され、これにより、A/D変換器16からは、多値レベルを有するデータがデジタル信号として出力される。なお、A/D変換器16におけるサンプリング周波数は、フィードバック制御されるVCO(電圧制御発振器)21からの出力(再生クロック信号)に基づいて設定される。高域通過フィルタ17は、A/D変換器16から出力された信号に含まれる不要な低周波数成分を除去する。高域通過フィルタ17からの出力は、PLL回路40の一部を構成する位相比較器18及び記録パラメータ設定ブロック50へと入力される。位相比較器18は、入力されたデジタル信号に基づいて、再生信号と再生クロック信号(すなわちVCO21の出力)との間の位相誤差を検出する。LPF(ローパスフィルタ)19は、検出された位相誤差からVCO21が追従すべき周波数を決定する。LPF19から出力された信号は、デジタル−アナログ変換器(D/A変換器)20でアナログ信号に変換される。このアナログ信号によりVCO21が制御され、再生クロックを生成する。このように本実施形態では、位相比較器18、LPF19、VCO21によってPLL回路40が構成されている。PLL回路40において、VCO21から出力される再生クロック信号は、再生信号との位相誤差が全体として0に近づくように(すなわち、再生信号における各極性反転部分で測定される位相誤差の累積値または平均値が0に近づくように)フィードバック制御される。このようにして、再生信号に基づいて、再生信号と同期が取られたクロック信号が生成される。ただし、上述のように再生信号とクロック信号との全体的な位相誤差を抑制した場合にも、再生信号の各極性反転部分においてクロック信号との位相誤差が生じる。この位相誤差は、記録パラメータが適切でないことなどによって、マークのエッジが適切な位置からシフトしていることによって生じる。従って、それぞれの極性反転部分での位相誤差を検出すれば、対応するそれぞれのマークのエッジシフトを検出することができる。また、マークのエッジシフトの程度及び方向は、位相誤差の大きさ及びその符号(極性)によって示される。従って、位相誤差を測定すれば、対応するマークのエッジの位置が、理想的なマークのエッジ位置に対して、いずれの方向にどの程度ずれているかを示す値(以下、エッジシフト量という)を得ることができる。
このように、本実施形態では、マークのエッジシフト量を、記録媒体上のデータを再生した信号とクロック信号との位相誤差として検出する。なお、本実施形態において、位相誤差とは、再生信号の極性反転部分における、再生クロック信号の立ち上がりエッジ(A/D変換器16におけるサンプリングのタイミングに対応)との時間軸上のずれを意味する。
次に、エッジシフト量を求めることによって記録パラメータを最適化する記録パラメータ設定ブロック50について説明する。
記録パラメータ設定ブロック50において、2値化回路22は、高域通過フィルタ17から入力されるデジタル再生信号を2値化することによって、記録パターンに対応する2値化データを再生する。このようにして得られた2値化データに基づいて、パターン検出回路23は所定のマーク長とスペース長との組み合わせに対応する信号パターンを識別することができる。
また、エッジシフト検出回路24は、パターン検出回路23で識別された所定のマーク長とスペース長との組み合わせ毎に上述の位相誤差を累積加算する。これによって、記録媒体上に形成されたマークのエッジシフト量を、マーク長とスペース長との組ごとに測定することができる。
光記録媒体コントローラ25は、マーク長とスペース長との組み合わせ、及び、マーク始端エッジまたはマーク終端エッジのいずれであるかの組み合わせ(すなわち、記録パラメータのそれぞれに対応する組み合わせ)毎に、エッジシフト量が所定の範囲内にあるか否かを判断する。所定の範囲内にある場合、その組み合わせに対応付けられた記録パラメータは適切であると判断して更新しない。一方、所定の範囲内にない場合、その組み合わせに対応付けられた記録パラメータは変更が必要であると判断される。光記録媒体コントローラ25は、変更が必要と判断された記録パラメータのみを更新するように動作する。光記録媒体コントローラ25は、測定されたエッジジフト量に基づいて、マーク長とスペース長との組ごとに記録パラメータを設定する。光記録媒体コントローラ25は、必要に応じて更新された記録パラメータを記録補償回路27に出力する。記録補償回路27は、光記録媒体コントローラ25から得られる記録パラメータに基づいて、記録パルス信号を生成する。このようにして生成された記録パルス信号を用いてさらにテスト記録が続けられる。その後、上述と同様の動作によって記録パラメータの適否が判断され、そこで更新すべきパラメータがある場合にはさらにテスト記録を行う。このようにして、全ての記録パラメータの最適化が行われる。
以上に説明したように、本実施形態の光ディスク装置100では、記録パラメータ毎に異なる記録パターンを用いるのではなく、マーク長とスペース長との複数の組を含むように規定された所定の記録パターンを用いてテスト記録が行われる。このとき、マーク長とスペース長との組み合わせ毎にエッジシフト量を検出することによって、いずれの組み合わせでのマークのエッジがどちらの方向にどの程度シフトしているかを検出することができる。これによって、複数の記録パラメータのうちの補正すべき記録パラメータを選別することができる。
次に、図2及び図3を参照しながら高倍速記録パラメータの設定方法について説明する。
高倍速の記録(記録媒体の半径位置により記録速度が変わる記録)の場合、低倍速記録の範囲(ZONE A54を記録する速度)では最内周のテストエリア52にて上記のように記録媒体上に形成されるマーク及びスペースのパターン毎に最適な記録パラメータを設定することが可能であるが、高倍速記録エリアであるZONE B55及びZONE C56における記録倍速では、モータの能力の関係で内周のテストエリア52では記録パラメータの最適化が行えない。なお、高倍速記録エリアであるZONE B55及びZONE C56がユーザデータエリア52である。
本実施形態では、外周のテストエリア51を用いて、高倍速記録エリアの最適化を行う。低倍速記録部で行っている記録パラメータの校正を内周のZONE A54以外のZONE毎に行うと膨大な時間を要するため、現実的には使用できない。そこで本実施形態では、高倍速記録部では、3Tスペースの直前のマークの立ち下がりと、3Tスペースの直後のマークの立ち上がり部のみ制御する。DVD−R、DVD+Rの高倍速記録においては、熱干渉によってマーク部の後端が後ろににじみやすく、マーク部前端は、前ににじみやすい。このため特に出現率が高くて短い3Tスペースは、(G−1)のような2.8スペースなど少し短い擬似スペースができやすく、これがジッタを悪化させている。本発明では、3Tスペース依存のパラメータの位相誤差を測定し、常にこれが最小となるように記録パラメータの校正を実施することにより、(G−2)のようなジッタ分布を実現でき、短時間で高倍速記録部のパラメータの最適化を行え、記録媒体のロット違いや、記録再生装置のばらつきも吸収することが可能である。
本発明にかかる光ディスク記録再生装置は、DVD−R、dvd+rの更なる高倍速化において、最低限の記録パラメータのみ最適化を行うのでを記録パラメータの校正を短時間で行うことができる。
本発明の一実施形態の光記録媒体記録再生装置のブロック図 本実施形態の光記録媒体記録再生装置に用いる光記録媒体の概念構成図 本実施形態のジッタ分布効果を示す図 従来の光ディスクドライブの構成図 従来の記録パラメータの校正動作を説明するための図 従来の記録パラメータの校正動作を説明するための別の図
符号の説明
18 位相比較器
21 電圧制御発振器
23 パターン検出回路
24 エッジシフト検出回路
25 光記録媒体コントローラ
26 パターン発生回路
27 記録補償回路
28 レーザ駆動回路

Claims (5)

  1. 光記録媒体に形成されるマーク長及びスペース長との組み合わせによってデータの記録及び読み出しを行い、前記光記録媒体を物理的または仮想的に同心円状に複数のゾーンに分割し、前記ゾーン毎に記録速度を変化させて前記データの記録を行う光記録媒体記録再生装置であって、
    前記光記録媒体に形成されたテスト記録用マークのエッジシフト量をマーク長とスペース長との組み合わせごとに測定するエッジシフト検出回路と、
    測定された前記エッジシフト量に基づき、マーク長とスペース長との組み合わせごとに記録パラメータを設定する光記録媒体コントローラとを備え、
    前記テスト記録用マークを、前記光記録媒体の外周エリアに形成することを特徴とする光記録媒体記録再生装置。
  2. 光記録媒体に形成されるマーク長及びスペース長との組み合わせによってデータの記録及び読み出しを行い、前記光記録媒体を物理的または仮想的に同心円状に複数のゾーンに分割し、前記ゾーン毎に記録速度を変化させて前記データの記録を行う光記録媒体記録再生装置であって、
    マーク長とスペース長との複数の組み合わせを規定しているテスト記録用の記録パターンを出力するパターン発生回路と、
    前記パターン発生回路から入力された前記記録パターンと、設定された記録パラメータとを用いて記録パルス信号を生成する記録補償回路と、
    前記記録パルス信号に応じて前記光記録媒体にテスト記録用データを記録するレーザ駆動回路と、
    前記テスト記録用データを読み出すことで得られる再生信号に基づいて再生クロック信号を生成する電圧制御発振器と、
    前記再生信号と前記再生クロック信号との間の位相誤差をエッジシフト量として検出する位相比較器と、
    所定のマーク長とスペース長との組み合わせに対応する信号パターンを識別するパターン検出回路と、
    前記パターン検出回路で識別された所定のマーク長とスペース長との組み合わせごとに前記光記録媒体に形成されたテスト記録用マークのエッジシフト量を測定するエッジシフト検出回路と、
    前記エッジシフト検出回路で測定された前記エッジシフト量が所定の範囲内にあるか否かを判断し、前記エッジシフト量が所定の範囲外である組み合わせについては、測定された前記エッジシフト量に基づいて新たに記録パラメータを設定する光記録媒体コントローラとを備え、
    前記テスト記録用マークを、前記光記録媒体の外周エリアに形成することを特徴とする光記録媒体記録再生装置。
  3. 前記テスト記録を、前記光記録媒体の内周エリアでも行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光記録媒体記録再生装置。
  4. 前記光記録媒体の内周側に位置する前記ゾーンについての記録パラメータの設定は、前記光記録媒体の内周エリアで行う前記テスト記録によって行い、
    前記光記録媒体の外周側に位置する前記ゾーンについての記録パラメータの設定は、前記光記録媒体の外周エリアで行う前記テスト記録によって行い、
    前記光記録媒体の外周エリアで行う前記テスト記録は、短スペース長で短マーク長である特定の前記記録パラメータを対象として行うことを特徴とする請求項3に記載の光記録媒体記録再生装置。
  5. 光記録媒体に形成されるマーク長及びスペース長との組み合わせによってデータの記録及び読み出しを行い、前記光記録媒体を物理的または仮想的に同心円状に複数のゾーンに分割し、前記ゾーン毎に記録速度を変化させて前記データの記録を行う光記録媒体記録再生装置の記録パラメータ補正方法であって、
    測定されたエッジシフト量に基づき、マーク長とスペース長との組ごとに記録パラメータを設定するステップと、
    前記内周または外周のフリーなエリアに記録パラメータ設定手段により設定された記録パラメータによりテスト記録を行うステップと、
    前記記録媒体上に形成された前記マークのエッジシフト量をマーク長とスペース長との組ごとにエッジシフト量を測定するステップと、
    前記測定したエッジシフト量が最小となるように前記記録パラメータ設定手段の記録パラメータを補正するステップと、
    を含むことを特徴とする光記録媒体記録再生装置の記録パラメータ補正方法。
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