JP2006343461A - 回折光学素子,および,回折光学素子の製造方法 - Google Patents

回折光学素子,および,回折光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 エッチング工程を追加することなく,また,フォトリソグラフィの解像能力による制限を受けることなく位相補正を行うことの可能な回折光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 (a)7段の階段形状の7段目となる領域および3段の階段形状の3段目となる領域を,階段形状の段差の2倍である深さ2Lでエッチングする第1工程と,(b)7段の階段形状の2,4,6段目となる領域および3段の階段形状の1段目となる領域を,階段形状の段差である深さLでエッチングする第2工程と,(c)7段の階段形状の5,6,7段目となる領域および3段の階段形状の2,3段目となる領域を,深さ2Lでエッチングする第3工程と,(d)7段の階段形状の3,4,5,6,7段目となる領域および3段の階段形状の2,3段目となる領域を,深さ2Lでエッチングする第4工程とを含む。
【選択図】 図7

Description

本発明は,回折光学素子,および,回折光学素子の製造方法にかかり,特に,階段形状の素子を有する回折光学素子およびその製造方法に関する。
近年,周期的な微細形状により光の進行方向と位相を制御する回折光学素子の需要が高まっている。回折光学素子の形状は複数種類あり,そのうち,断面が鋸歯形状のものが理論上の回折効率は高いが,実際には,この鋸歯形状を近似した階段形状のものが製作容易であり,多用されている。一般に,階段形状を有する回折光学素子を製造する方法としては,半導体の微細加工技術を利用してm(mは自然数)枚のマスクパターンを用いて露光,現像,エッチングの一連のプロセスを繰り返すことにより2段の回折光学素子を製造する方法が知られている(例えば,特許文献1,非特許文献1参照。)。
このような製造方法において,パターンの最小線幅がフォトリソグラフィの解像能力よりも細いパターンを作製する場合,図11(a)に示したように,8段の階段形状を4段あるいは2段とし,階段の幅を広げる方法が知られている(例えば,非特許文献2参照)。このとき,8段と4段の階段形状でレンズ曲面を近似した場合,8段の階段形状と4段の階段形状との境目では光の位相にずれを生じ,結果としてレンズの光学特性が劣化する。このような光学特性の劣化を防止するために非特許文献2では,階段形状の段差(高さ)や幅(間隔)を調整して位相補正を行う方法が開示されている。
図11(b)は段差を調整する位相補正を示している。図11(b)では,4段の階段形状の高さを下段に向かう方向にλ/16補正し,2段の階段形状の高さをさらにλ/8補正している。図11(c)は幅を調整する位相補正を示している。図11(c)では,4段の階段形状を8段の階段形状に近づく方向にλ/8補正し,2段の階段形状を4段の階段形状に近づく方向にさらにλ/4(合計でλ/8+λ/4)補正している。
特開平11−14813号公報 佐々木浩紀,他6名,「光源とシリコンマイクロレンズの高精度実装技術」,エレクトロニクス実装学会誌,2002年,Vol5,No.5,p.466−472 Yuko Orihara, Werner Klaus, Makoto Fujino, and Kashiko Kodate, "Optimizationand application of hybrid-level binary zone plates", Appl. Opt. 40,5877-5885(2001).
しかしながら,図11(b),(c)に示す位相補正には以下に示す問題点があった。
(1) 段差による位相補性
8段の階段形状では,通常λ/8,λ/4,λ/2の深さのエッチングにより階段形状を作製するが,8段と4段の境目ではλ/16の段差を形成する必要があり,エッチング工程を追加する必要がある。また,その追加工程のためにマスクパターンを1枚または2枚追加する必要がある。
(2) 幅による位相補正
8段と4段あるいは4段と8段の境目を詰めるため,図11(c)に示したように,さらに細い線幅を形成する必要がある。通常,段数の切り替え部分は解像限界部分で行うため,線幅がさらに細い部分を作製することは実質的に不可能である。
本発明は,従来の回折光学素子の製造方法が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,エッチング工程を追加することなく,また,フォトリソグラフィの解像能力による制限を受けることなく位相補正を行うことの可能な,新規かつ改良された回折光学素子,および,回折光学素子の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,回折光学素子が提供される。本発明の回折光学素子は,n段の階段形状を有する素子およびm段の階段形状を有する素子(n>m)が1つの基板上に形成された回折光学素子であって,前記m段の階段形状の1段目が,前記n段の階段形状の2段目と同じ段に形成されたことを特徴とする。
かかる構成によれば,エッチングする段差は1段の段差を作るだけで階段形状を作製することが可能であり,マスクパターンやエッチングの追加プロセスを行う必要無しに位相補正の多段型回折光学素子の作製が可能である。また,横方向の位相補正が距離を広げる方向であるため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても作製することが可能である。
本発明の回折光学素子において,前記m段の階段形状のすべての段を,前記n段の階段形状のいずれかの段と同じ段に形成することも可能である。
また,前記n段の階段形状とm段の階段形状との位相補正が(1/m−1/n)πであり,段差方向の位相補正がAπ(下段に向かう方向を正とする)であり,段差方向と垂直方向の位相補正がBπ(前記m段の階段形状が前記n段の階段形状に近づく方向を正とする)であり,A>1/m−1/nであり,A+B=1/m−1/nとすることも可能である。
一般に,n段の階段形状とm段の階段形状との位相差は(1/m−1/n)πである。従って,段差方向の位相補正(下段に向かう方向を正とする)をAπとし,段差方向と垂直方向の位相補正(m段の階段形状がn段の階段形状に近づく方向を正とする)をBπとしたとき,A+B=1/m−1/nとする必要がある。このとき,A>1/m−1/nとすることにより,B<0とすることができる。すなわち,段差方向と垂直方向の位相補正を,m段の階段形状がn段の階段形状から遠ざかる方向とすることができる。このようにして,段差方向と垂直方向の位相補正が,階段形状間の距離を広げる方向であるため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても容易に作製することが可能である。
また,前記n段の階段形状とm段の階段形状との結合部の幅を,前記n段の階段形状のn段目の幅よりも広くすることも可能である。
また,具体的には,前記nは7であり,前記mは3とすることができる。7段と3段のように,非常に複雑な位相補正であっても,階段形状の上下左右を調整することで製造プロセスにあった階段形状を設計し,位相補正を行うことが可能である。さらに,7段の階段形状と3段の階段形状を有するレンズ素子を製造することが可能であり,かかるレンズ素子は,回折効率等の光学特性の大幅な改善を行うことが可能である。
上記課題を解決するため,本発明の第2の観点によれば,回折光学素子の製造方法が提供される。本発明の回折光学素子の製造方法は,
エッチングにより基板を表面加工するプロセスを複数回繰り返して,8段の階段形状を有する素子,4段の階段形状を有する素子,および2段の階段形状を有する素子を1つの基板上に形成して回折光学素子を製造する製造方法であって,以下の各工程を含むことを特徴とする。
・前記8段の階段形状の2,4,6,8段目となる領域,前記4段の階段形状の1,2,3,4段目となる領域,および前記2段の階段形状の1,2段目となる領域を,前記階段形状の段差である深さLでエッチングする第1工程。
・前記8段の階段形状の7,8段目となる領域,前記4段の階段形状の4段目となる領域,および前記2段の階段形状の2段目となる領域を,前記階段形状の段差の2倍である深さ2Lでエッチングする第2工程。
・前記8段の階段形状の5,6,7,8段目となる領域,前記4段の階段形状の3,4段目となる領域,および前記2段の階段形状の2段目となる領域を,前記深さ2Lでエッチングする第3工程。
・前記8段の階段形状の3,4,5,6,7,8段目となる領域,前記4段の階段形状の2,3,4段目となる領域,および前記2段の階段形状の1,2段目となる領域を,前記深さ2Lでエッチングする第4工程。
かかる製造方法によれば,エッチングする段差は1段の段差を作るだけで階段形状を作製することが可能であり,マスクパターンやエッチングの追加プロセスを行う必要無しに位相補正の多段型回折光学素子の作製が可能である。また,横方向の位相補正が距離を広げる方向であるため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても作製することが可能である。
また,本発明の他の回折光学素子の製造方法は,エッチングにより基板を表面加工するプロセスを複数回繰り返して,7段の階段形状を有する素子および3段の階段形状を有する素子が1つの基板上に形成された回折光学素子を製造する製造方法であって,以下の各工程を含むことを特徴とする。
・前記7段の階段形状の7段目となる領域および前記3段の階段形状の3段目となる領域を,前記階段形状の段差の2倍である深さ2Lでエッチングする第1工程。
・前記7段の階段形状の2,4,6段目となる領域および前記3段の階段形状の1段目となる領域を,前記階段形状の段差である深さLでエッチングする第2工程。
・前記7段の階段形状の5,6,7段目となる領域および前記3段の階段形状の2,3段目となる領域を,前記深さ2Lでエッチングする第3工程。
・前記7段の階段形状の3,4,5,6,7段目となる領域および前記3段の階段形状の2,3段目となる領域を,前記深さ2Lでエッチングする第4工程。
かかる製造方法によれば,エッチングする段差は1段の段差を作るだけで階段形状を作製することが可能であり,マスクパターンやエッチングの追加プロセスを行う必要無しに位相補正の多段型回折光学素子の作製が可能である。また,横方向の位相補正が距離を広げる方向であるため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても作製することが可能である。また,7段と3段のように,非常に複雑な位相補正であっても,階段形状の上下左右を調整することで製造プロセスにあった階段形状を設計し,位相補正を行うことが可能である。さらに,7段の階段形状と3段の階段形状を有するレンズ素子を製造することが可能であり,かかるレンズ素子は,回折効率等の光学特性の大幅な改善を行うことが可能である。
また,本発明の他の回折光学素子の製造方法は,エッチングにより基板を表面加工するプロセスを複数回繰り返して,6段の階段形状を有する素子および3段の階段形状を有する素子が1つの基板上に形成された回折光学素子を製造する製造方法であって,以下の各工程を含むことを特徴とする。
・前記6段の階段形状の2,4,6段目となる領域および前記3段の階段形状の1,2,3段目となる領域を,前記階段形状の段差である深さLでエッチングする第1工程。
・前記6段の階段形状の5,6段目となる領域および前記3段の階段形状の3段目となる領域を,前記階段形状の段差の2倍である深さ2Lでエッチングする第2工程。
・前記6段の階段形状の3,4,5,6段目となる領域および前記3段の階段形状の2,3段目となる領域を,前記深さ2Lでエッチングする第3工程。
かかる製造方法によれば,エッチングする段差は1段の段差を作るだけで階段形状を作製することが可能であり,マスクパターンやエッチングの追加プロセスを行う必要無しに位相補正の多段型回折光学素子の作製が可能である。また,横方向の位相補正が距離を広げる方向であるため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても作製することが可能である。
本発明の回折光学素子の製造方法において,前記エッチングを異方性エッチングとすることができる。
また,前記基板は,シリコン,石英,GaAs,またはInPのいずれかからなるものとすることができる。
以上のように,本発明によれば,エッチング工程を追加することなく,また,フォトリソグラフィの解像能力による制限を受けることなく位相補正を行うことの可能な回折光学素子,および,回折光学素子の製造方法を提供することが可能である。
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる回折光学素子,および,回折光学素子の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1に8段,4段,2段の階段形状を有する回折光学素子の模式図を示す。図1(a)は位相補正を行わないシリコンウエハ10の形状であり,図1(b)は位相補正を行ったシリコンウエハ100の形状である。なお図1では,説明の便宜上,8段,4段,2段の階段形状をそれぞれ2つずつ示しているが,階段形状の数はこれに限定されず任意である。また,各階段形状において,階段の幅は一定であり,階段の段差(高さ)も一定とした場合を示している。
まず位相補正を行う前の回折光学素子の形状について,図1(a)を参照しながら説明する。
図1(a)に示したシリコンウエハ10では,4段の階段形状10bの1段目が8段の階段形状10aの1段目と同じ段に形成されている。さらに,4段の階段形状10bの段差は,8段の階段形状10aの段差の2倍に形成されている。このため,4段の階段形状10bのすべての段差が8段の階段形状10aのいずれかの段差と同じ段に形成されている。すなわち,4段の階段形状10bの2段目は8段の階段形状10aの3段目と,4段の階段形状10bの3段目は8段の階段形状10aの5段目と,4段の階段形状10bの4段目は8段の階段形状10aの7段目と,それぞれ同じ段に形成されている。
同様に,2段の階段形状10cの1段目が4段の階段形状10bの1段目と同じ段に形成されている。さらに,2段の階段形状10cの段差は,4段の階段形状10bの段差の2倍に形成されている。このため,2段の階段形状10cのすべての段差が4段の階段形状10bのいずれかの段差と同じ段に形成されている。すなわち,2段の階段形状10cの2段目は4段の階段形状10bの3段目と同じ段に形成されている。
さらに,図1(a)に示した形状では,8段の階段形状10aと4段の階段形状10bとの結合部の幅が,8段の階段形状10aの8段目の幅と同じに形成されている。また,4段の階段形状10bと2段の階段形状10cとの結合部の幅が,4段の階段形状10bの4段目の幅と同じに形成されている。
次いで,位相補正について説明する。
一般に,n段とm段(n>m)の位相差は(1/m−1/n)πであることが知られている(例えば,非特許文献2参照。)。また,波長に対する大きさは,位相差のλ/2π倍,すなわち,(1/m−1/n)λ/2である。
8段と4段の間の位相差は(1/4−1/8)π=π/8であり,波長に対する大きさはλ/16である。したがって,図1(a)において,4段の階段形状10bを位相補正を行うために移動させる移動量は,下段に向かう方向にλ/16または8段の階段形状に近づく方向にλ/8である。図1(b)では,4段の階段形状100bを下段に向かう方向にλ/8(2λ/16)移動している。つまり,λ/16多く移動している。そこで,λ/16多く移動した分を相殺するために,4段の階段形状100bを8段の階段形状100aから遠ざける方向にλ/8移動する。その結果,8段と4段の間の位相差はπ/8となり,適切な位相補正を行うことが可能である。
同様に,4段と2段の部分では,4段と2段の間の位相差は(1/2−1/4)π=π/4であり,波長に対する大きさはλ/8である。したがって,図1(a)において,2段の階段形状10cを位相補正を行うために移動させる移動量は,下段に向かう方向にλ/8または4段の階段形状に近づく方向にλ/4である。図1(b)に示したシリコンウエハ100では,2段の階段形状100cを下段に向かう方向にλ/4(=2λ/8)移動している。つまり,λ/8多く移動している。そこで,λ/8多く移動した分を相殺するために,2段の階段形状100cを4段の階段形状100bから遠ざける方向にλ/4移動する。すなわち,図1(a)との比較では,2段の階段形状100cを4段の階段形状100bから遠ざける方向に(λ/8+λ/4)移動する。その結果,4段と2段の間の位相差はπ/4となり,位相補正が行われている。
以上のように位相補正を行った回折光学素子の形状について,図1(b)を参照しながら説明する。
図1(b)に示した形状では,4段の階段形状100bの1段目が8段の階段形状100aの2段目と同じ段に形成されている。さらに,4段の階段形状100bの段差は,8段の階段形状100aの段差の2倍であることから,4段の階段形状100bのすべての段差が8段の階段形状100aのいずれかの段差と同じ段に形成されている。すなわち,4段の階段形状100bの2段目は8段の階段形状100aの4段目と,4段の階段形状100bの3段目は8段の階段形状100aの6段目と,4段の階段形状100bの4段目は8段の階段形状100aの8段目と,それぞれ同じ段に形成されている。
同様に,2段の階段形状100cの1段目が4段の階段形状100bの2段目と同じ段に形成されている。さらに,2段の階段形状100cの段差は,4段の階段形状100bの段差の2倍であることから,2段の階段形状100cのすべての段差が4段の階段形状100bのいずれかの段差と同じ段に形成されている。すなわち,2段の階段形状100cの2段目は4段の階段形状100bの4段目と同じ段に形成されている。
さらに,図1(b)に示した形状では,8段の階段形状100aと4段の階段形状100bとの結合部の幅が,8段の階段形状100aの8段目の幅よりも,λ/8だけ広く形成されている。また,4段の階段形状100bと2段の階段形状100cとの結合部の幅が,4段の階段形状100bの4段目の幅よりも(λ/8+λ/4)だけ広く形成されている。
(第1の実施形態の効果)
以上説明した構造とすることで,エッチングする段差は1段の段差を作るだけで階段形状を作製することが可能であり,マスクパターンやエッチングの追加プロセスを行う必要無しに位相補正の多段型回折光学素子の作製が可能である。また,横方向の位相補正が距離を広げる方向であるため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても作製することが可能である。
(第2の実施形態)
図2に7段と3段の階段形状を有する回折光学素子の模式図を示す。図2(a)は位相補正を行わないシリコンウエハ20の形状であり,図2(b)は位相補正を行ったシリコンウエハ200の形状である。なお図2では,説明の便宜上,7段と3段の階段形状をそれぞれ2つずつ示しているが,階段形状の数はこれに限定されず任意である。
まず位相補正を行う前の回折光学素子の形状について,図2(a)を参照しながら説明する。
図2(a)に示したシリコンウエハ20では,3段の階段形状20bの1段目が7段の階段形状20aの1段目と同じ段に形成されている。さらに,3段の階段形状20bの段差は,7段の階段形状20aの段差の整数倍(図2の例では,2倍または3倍)に形成されている。このため,3段の階段形状20bのすべての段差が7段の階段形状20aのいずれかの段差と同じ段に形成されている。すなわち,3段の階段形状20bの2段目は7段の階段形状20aの4段目と,3段の階段形状20bの3段目は7段の階段形状20aの6段目と,それぞれ同じ段に形成されている。
さらに,図2(a)に示した形状では,7段の階段形状20aと3段の階段形状20bとの結合部の幅が,7段の階段形状20aの7段目の幅と同じに形成されている。
次いで,位相補正について説明する。
7段と3段の間の位相差は(1/3−1/7)π=4π/21であり,波長に対する大きさは2λ/21である。したがって,図2(a)において,3段の階段形状20bを位相補正を行うために移動させる移動量は,下段に向かう方向に2λ/21または7段の階段形状に近づく方向に4λ/21である。図2(b)に示したシリコンウエハ200では,3段の階段形状200bを下段に向かう方向にλ/7(=3λ/21)移動している。つまり,λ/21多く移動している。そこで,λ/21多く移動した分を相殺するために,3段の階段形状200bを7段の階段形状200aから遠ざける方向に2λ/21移動する。その結果,7段と3段の間の位相差は4π/21となり,適切な位相補正を行うことが可能である。
以上のように位相補正を行った回折光学素子の形状について,図2(b)を参照しながら説明する。
図2(b)に示した形状では,3段の階段形状200bの1段目が7段の階段形状200aの2段目と同じ段に形成されている。さらに,3段の階段形状200bの段差は,7段の階段形状200aの段差の整数倍(図2の例では,2倍または3倍)であることから,3段の階段形状200bのすべての段差が7段の階段形状200aのいずれかの段差と同じ段に形成されている。すなわち,3段の階段形状200bの2段目は7段の階段形状200aの5段目と,3段の階段形状200bの3段目は7段の階段形状200aの7段目と,それぞれ同じ段に形成されている。
さらに,図2(b)に示した形状では,7段の階段形状200aと3段の階段形状200bとの結合部の幅が,7段の階段形状200aの7段目の幅よりも,2λ/21だけ広く形成されている。
(第2の実施形態の効果)
以上説明した構造とすることで,エッチングする段差は1段の段差を作るだけで階段形状を作製することが可能であり,マスクパターンやエッチングの追加プロセスを行う必要無しに位相補正の多段型回折光学素子の作製が可能である。また,横方向の位相補正が距離を広げる方向であるため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても作製することが可能である。
また,7段と3段のように,非常に複雑な位相補正であっても,階段形状の上下左右を調整することで製造プロセスにあった階段形状を設計し,位相補正を行うことが可能である。
(第3の実施形態)
図3に6段と3段の階段形状を有する回折光学素子の模式図を示す。図3(a)は位相補正を行わないシリコンウエハ30の形状であり,図3(b)は位相補正を行ったシリコンウエハ300の形状である。なお図3では,説明の便宜上,6段と3段の階段形状をそれぞれ2つずつ示しているが,階段形状の数はこれに限定されず任意である。
まず位相補正を行う前の回折光学素子の形状について,図3(a)を参照しながら説明する。
図3(a)に示したシリコンウエハ30では,3段の階段形状30bの1段目が6段の階段形状30aの1段目と同じ段に形成されている。さらに,3段の階段形状30bの段差は,6段の階段形状30aの段差の2倍に形成されている。このため,3段の階段形状30bのすべての段差が6段の階段形状30aのいずれかの段差と同じ段に形成されている。すなわち,3段の階段形状30bの2段目は6段の階段形状30aの3段目と,3段の階段形状30bの3段目は6段の階段形状30aの5段目と,それぞれ同じ段に形成されている。
さらに,図3(a)に示した形状では,6段の階段形状30aと3段の階段形状30bとの結合部の幅が,6段の階段形状30aの6段目の幅と同じに形成されている。
次いで,位相補正について説明する。
6段と3段の間の位相差は(1/3−1/6)π=π/6であり,波長に対する大きさはλ/12である。したがって,図3(a)において,3段の階段形状30bを位相補正を行うために移動させる移動量は,下段に向かう方向にλ/12または6段の階段形状に近づく方向にλ/6である。図3(b)に示したシリコンウエハ300では,3段の階段形状300bを下段に向かう方向にλ/6(=2λ/12)移動している。つまり,λ/12多く移動している。そこで,λ/12多く移動した分を相殺するために,3段の階段形状300bを6段の階段形状300aから遠ざける方向にλ/6移動する。その結果,6段と3段の間の位相差はπ/6となり,適切な位相補正を行うことが可能である。
以上のように位相補正を行った回折光学素子の形状について,図3(b)を参照しながら説明する。
図3(b)に示した形状では,3段の階段形状300bの1段目が6段の階段形状300aの2段目と同じ段に形成されている。さらに,3段の階段形状300bの段差は,6段の階段形状300aの段差の2倍であることから,3段の階段形状300bのすべての段差が6段の階段形状300aのいずれかの段差と同じ段に形成されている。すなわち,3段の階段形状300bの2段目は6段の階段形状300aの4段目と,3段の階段形状300bの3段目は6段の階段形状300aの6段目と,それぞれ同じ段に形成されている。
さらに,図3(b)に示した形状では,6段の階段形状300aと3段の階段形状300bとの結合部の幅が,6段の階段形状300aの6段目の幅よりも,λ/6だけ広く形成されている。
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように,本実施形態によれば,エッチングする段差は1段の段差を作るだけで階段形状を作製することが可能であり,マスクパターンやエッチングの追加プロセスを行う必要無しに位相補正の多段型回折光学素子の作製が可能である。また,横方向の位相補正が距離を広げる方向であるため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても作製することが可能である。
上記第1〜第3の実施形態では,回折光学素子の構造について説明した。
以下に,本発明の第4〜第6の実施形態として,上記の回折光学素子の製造方法について説明する。なお,第4〜第6の実施形態では,素子の作製にはシリコンウエハ(Si基板)を使用し,フォトリソグラフィにはi線ステッパ及び標準的なポジ型レジストを使用するものとして説明する。エッチングには反応性イオンエッチング装置(RIE装置)を用い,エッチングガスとしてSFを使用した異方性エッチングを行うものとして説明する。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では,上記第1の実施形態で説明した8段,4段,および2段の階段形状が形成された回折光学素子の製造方法について説明する。
図4は,上記第1の実施形態で説明した8段,4段,および2段の階段形状が形成された回折光学素子(製造工程の最終形状)と,各製造工程で使用されるマスクパターンとの関係を示す説明図である。本実施形態では,図4に示したように,4枚のマスクパターンM11,M12,M13,M14を順に用いて,シリコンウエハ100に対してエッチング処理を行う。
マスクパターンM11は,8段の階段形状の1,3,5,7段目をエッチングせず,それ以外を1段エッチングするために用いられる。マスクパターンM12は,8段の階段形状の1〜6段目と,4段の階段形状の1〜3段目と,2段形状の1段目をエッチングせず,それ以外を2段エッチングするために用いられる。マスクパターンM13は,8段の階段形状の1〜4段目と,4段の階段形状の1,2段目と,2段形状の1段目をエッチングせず,それ以外を2段エッチングするために用いられる。マスクパターンM14は,8段の階段形状の1,2段目と,4段の階段形状の1段目をエッチングせず,それ以外を2段エッチングするために用いられる。
図5は,本実施形態にかかる回折光学素子の製造方法の各工程を示す説明図である。
まずシリコンウエハ100上にレジストを塗布する。そして,マスクパターンM11を用いて露光,現像を行い,図5(a)に示したように,シリコンウエハ100上にレジストパターンR11を形成する。そして,レジストパターンR11が形成されない領域である8段形状の2,4,6,8段目と,4段の階段形状の1〜4段目と,2段の階段形状の1,2段目を,深さL(1段分)でエッチングする。
次いで,レジストパターンR11を除去した後,シリコンウエハ100上にレジストを塗布し,マスクパターンM12を用いて露光,現像を行い,図5(b)に示したように,シリコンウエハ100上にレジストパターンR12を形成する。そして,レジストパターンR12が形成されない領域である8段形状の7,8段目と,4段の階段形状の4段目と,2段の階段形状の2段目を,深さ2L(2段分)でエッチングする。
同様に,レジストパターンR12を除去した後,マスクパターンM13を用いて,図5(c)に示したように,シリコンウエハ100上にレジストパターンR13を形成する。そして,レジストパターンR13が形成されない領域である8段形状の5〜8段目と,4段の階段形状の3,4段目と,2段の階段形状の2段目を,深さ2L(2段分)でエッチングする。
同様に,レジストパターンR13を除去した後,マスクパターンM14を用いて,図5(d)に示したように,シリコンウエハ100上にレジストパターンR14を形成する。そして,レジストパターンR14が形成されない領域である8段形状の5〜8段目と,4段の階段形状の2〜4段目と,2段の階段形状の1,2段目を,深さ2L(2段分)でエッチングする。
以上の工程を経て,上記第1の実施形態で説明した8段,4段,および2段の階段形状が形成された回折光学素子が製造される。なお,階段形状の各段差の幅や,階段形状間の間隔については,マスクパターンM11〜M14を調整することにより,任意に設定することが可能である。上記第1の実施形態の形状では,階段形状間の間隔を広げる方向に調整すればよいため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても容易に製造することが可能である。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態では,上記第2の実施形態で説明した7段および3段の階段形状が形成された回折光学素子の製造方法について説明する。
図6は,上記第2の実施形態で説明した7段および3段の階段形状が形成された回折光学素子(製造工程の最終形状)と,各製造工程で使用されるマスクパターンとの関係を示す説明図である。本実施形態では,図6に示したように,4枚のマスクパターンM21,M22,M23,M24を順に用いて,シリコンウエハ200に対してエッチング処理を行う。
マスクパターンM21は,7段の階段形状の1〜6段目と,3段形状の1,2段目をエッチングせず,それ以外を2段エッチングするために用いられる。マスクパターンM22は,7段の階段形状の1,3,5段目と,3段の階段形状の2,3段目をエッチングせず,それ以外を1段エッチングするために用いられる。マスクパターンM23は,7段の階段形状の1〜4段目と,3段の階段形状の1段目をエッチングせず,それ以外を2段エッチングするために用いられる。マスクパターンM24は,7段の階段形状の1,2段目と,3段の階段形状の1段目をエッチングせず,それ以外を2段エッチングするために用いられる。
図7は,本実施形態にかかる回折光学素子の製造方法の各工程を示す説明図である。
まずシリコンウエハ200上にレジストを塗布する。そして,マスクパターンM21を用いて露光,現像を行い,図7(a)に示したように,シリコンウエハ200上にレジストパターンR21を形成する。そして,レジストパターンR21が形成されない領域である7段形状の7段目と,3段の階段形状の3段目を,深さ2L(2段分)でエッチングする。
次いで,レジストパターンR21を除去した後,シリコンウエハ200上にレジストを塗布し,マスクパターンM22を用いて露光,現像を行い,図7(b)に示したように,シリコンウエハ200上にレジストパターンR22を形成する。そして,レジストパターンR22が形成されない領域である7段形状の2,4,6段目と,3段の階段形状の1段目を,深さL(1段分)でエッチングする。
同様に,レジストパターンR22を除去した後,マスクパターンM23を用いて,図7(c)に示したように,シリコンウエハ200上にレジストパターンR23を形成する。そして,レジストパターンR23が形成されない領域である7段形状の5〜7段目と,3段の階段形状の2,3段目を,深さ2L(2段分)でエッチングする。
同様に,レジストパターンR23を除去した後,マスクパターンM24を用いて,図7(d)に示したように,シリコンウエハ200上にレジストパターンR24を形成する。そして,レジストパターンR24が形成されない領域である7段形状の3〜7段目と,3段の階段形状の2,3段目を,深さ2L(2段分)でエッチングする。
以上の工程を経て,上記第2の実施形態で説明した7段および3段の階段形状が形成された回折光学素子が製造される。なお,階段形状の各段差の幅や,階段形状間の間隔については,マスクパターンM21〜M24を調整することにより,任意に設定することが可能である。上記第2の実施形態の形状では,階段形状間の間隔を広げる方向に調整すればよいため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても容易に製造することが可能である。
本実施形態によれば,直径120μmで,中心から半径方向に40μmまでが7段の階段形状,40〜60μmまでが3段の階段形状のレンズ素子を製造することが可能である。かかるレンズ素子は,半導体レーザから出射された光を平行光にするレンズである。かかるレンズの光学特性を測定したところ,87%の回折効率が得られた。従来のレンズ素子の回折効率は84%であり,これとの比較で3%程度の改善が見られた。また,3段の階段形状を形成しない場合の回折効率は約50%程度であることから,大幅な特性の改善を行うことが可能である。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態では,上記第3の実施形態で説明した6段および3段の階段形状が形成された回折光学素子の製造方法について説明する。
図8は,上記第3の実施形態で説明した6段および3段の階段形状が形成された回折光学素子(製造工程の最終形状)と,各製造工程で使用されるマスクパターンとの関係を示す説明図である。本実施形態では,図8に示したように,3枚のマスクパターンM31,M32,M33を順に用いて,シリコンウエハ300に対してエッチング処理を行う。
マスクパターンM31は,6段の階段形状の1,3,5段目をエッチングせず,それ以外を1段エッチングするために用いられる。マスクパターンM32は,6段の階段形状の1〜4段目と,3段の階段形状の1,2段目をエッチングせず,それ以外を2段エッチングするために用いられる。マスクパターンM33は,6段の階段形状の1,2段目と,3段の階段形状の1段目をエッチングせず,それ以外を2段エッチングするために用いられる。
図9は,本実施形態にかかる回折光学素子の製造方法の各工程を示す説明図である。
まずシリコンウエハ300上にレジストを塗布する。そして,マスクパターンM31を用いて露光,現像を行い,図9(a)に示したように,シリコンウエハ300上にレジストパターンR31を形成する。そして,レジストパターンR31が形成されない領域である6段形状の2,4,6段目と,3段の階段形状の1〜3段目を,深さL(1段分)でエッチングする。
次いで,レジストパターンR31を除去した後,シリコンウエハ300上にレジストを塗布し,マスクパターンM32を用いて露光,現像を行い,図9(b)に示したように,シリコンウエハ300上にレジストパターンR32を形成する。そして,レジストパターンR32が形成されない領域である6段形状の5,6段目と,3段の階段形状の3段目を,深さ2L(2段分)でエッチングする。
同様に,レジストパターンR32を除去した後,マスクパターンM33を用いて,図9(c)に示したように,シリコンウエハ300上にレジストパターンR33を形成する。そして,レジストパターンR33が形成されない領域である6段形状の3〜6段目と,3段の階段形状の2,3段目を,深さ2L(2段分)でエッチングする。
以上の工程を経て,上記第3の実施形態で説明した6段および3段の階段形状が形成された回折光学素子が製造される。なお,階段形状の各段差の幅や,階段形状間の間隔については,マスクパターンM31〜M33を調整することにより,任意に設定することが可能である。上記第3の実施形態の形状では,階段形状間の間隔を広げる方向に調整すればよいため,線幅がフォトリソグラフィの限界領域であっても容易に製造することが可能である。
以上,添付図面を参照しながら本発明にかかる回折光学素子,および,回折光学素子の製造方法の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態ではシリコンウエハを用いて回折光学素子を製造したが,本発明はこれに限定されず,ガラス,ゲルマニウム,InPなどを用いても同様に回折光学素子を製造することが可能である。また,シリコンウエハのエッチングについても上記方法に限定されず,所望の段差形状を作製可能な任意の方法を採用することが可能である。
また,上記実施形態では,階段形状の幅を一定とした場合について説明したが,マスクパターンを適宜調整することにより,階段形状の幅を任意に設定することが可能である。また,階段形状間の間隔についても任意に設定可能である。一例として図10は,上記第2,第5の実施形態で説明した7段と3段の階段形状を有する回折光学素子である。この図10(a)〜(d)の各工程は,第5の実施形態で説明した図7(a)〜(d)と同様であるが,図10(d)に示したように,階段形状の1段目から2段目,3段目と進むにつれ,階段形状200a’,200b’の幅を狭く形成している。また,階段形状間の間隔も十分広く形成することが可能である。
また,上記実施の形態では,マスクのパターンを用いてレジストパターンを形成したが,本発明はこれに限定されるのものではなく,電子ビームで直接描画してレジストパターンを形成する方法を用いてもよい。また,使用するレジストはポジ型に限定されるものではなく,ネガ型レジストを用いることも可能である。この場合,マスクのパターンとしては,前述の各例で示したマスクのパターンに対し,反転したものとなる。また,フォトリソグラフィ工程では,i線ステッパだけでなく,X線リソグラフィー等の別のリソグラフィー方法を用いてもよい。なお,上記フレネルレンズ型の回折光学素子は,例えば,光通信用のレーザコリメータレンズや,フォトダイオード用集光レンズとして応用することが考えられる。
本発明は,回折光学素子,および,回折光学素子の製造方法に利用可能であり,特に,階段形状の素子を有する回折光学素子およびその製造方法に利用可能である。
第1の実施形態にかかる回折光学素子の説明図であり,(a)は位相補正前,(b)は位相補正後のものを示している。 第2の実施形態にかかる回折光学素子の説明図であり,(a)は位相補正前,(b)は位相補正後のものを示している。 第3の実施形態にかかる回折光学素子の説明図であり,(a)は位相補正前,(b)は位相補正後のものを示している。 第4の実施形態にかかる回折光学素子の製造工程において,マスクパターンと階段形状との関係を示す説明図である。 第4の実施形態にかかる回折光学素子の製造工程を示す説明図である。 第5の実施形態にかかる回折光学素子の製造工程において,マスクパターンと階段形状との関係を示す説明図である。 第5の実施形態にかかる回折光学素子の製造工程を示す説明図である。 第6の実施形態にかかる回折光学素子の製造工程において,マスクパターンと階段形状との関係を示す説明図である。 第6の実施形態にかかる回折光学素子の製造工程を示す説明図である。 回折光学素子の製造方法の応用例を示す説明図である。 従来の回折光学素子を示す説明図である。
符号の説明
100,200,300 シリコンウエハ
100a 8段の階段形状
100b 4段の階段形状
100c 2段の階段形状
200a 7段の階段形状
200b 3段の階段形状
300a 6段の階段形状
300b 3段の階段形状
M11〜M14,M21〜M24,M31〜M33 マスクパターン
R11〜R14,R21〜R24,R31〜R33 レジストパターン

Claims (10)

  1. n段の階段形状を有する素子およびm段の階段形状を有する素子(n>m)が1つの基板上に形成された回折光学素子であって,
    前記m段の階段形状の1段目が,前記n段の階段形状の2段目と同じ段に形成されたことを特徴とする,回折光学素子。
  2. 前記m段の階段形状のすべての段が,前記n段の階段形状のいずれかの段と同じ段に形成されたことを特徴とする,回折光学素子。
  3. 前記n段の階段形状と前記m段の階段形状と位相補正が(1/m−1/n)πであり,
    段差方向の位相補正がAπ(下段に向かう方向を正とする)であり,段差方向と垂直方向の位相補正がBπ(前記m段の階段形状が前記n段の階段形状に近づく方向を正とする)であり,
    A>1/m−1/nであり,A+B=1/m−1/nであることを特徴とする,請求項1または2に記載の回折光学素子。
  4. 前記n段の階段形状とm段の階段形状との結合部の幅が,前記n段の階段形状のn段目の幅よりも広いことを特徴とする,請求項3に記載の回折光学素子。
  5. 前記nは7であり,前記mは3であることを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の回折光学素子。
  6. エッチングにより基板を表面加工するプロセスを複数回繰り返して,8段の階段形状を有する素子,4段の階段形状を有する素子,および2段の階段形状を有する素子を1つの基板上に形成して回折光学素子を製造する製造方法であって,
    前記8段の階段形状の2,4,6,8段目となる領域,前記4段の階段形状の1,2,3,4段目となる領域,および前記2段の階段形状の1,2段目となる領域を,前記階段形状の段差である深さLでエッチングする第1工程と,
    前記8段の階段形状の7,8段目となる領域,前記4段の階段形状の4段目となる領域,および前記2段の階段形状の2段目となる領域を,前記階段形状の段差の2倍である深さ2Lでエッチングする第2工程と,
    前記8段の階段形状の5,6,7,8段目となる領域,前記4段の階段形状の3,4段目となる領域,および前記2段の階段形状の2段目となる領域を,前記深さ2Lでエッチングする第3工程と,
    前記8段の階段形状の3,4,5,6,7,8段目となる領域,前記4段の階段形状の2,3,4段目となる領域,および前記2段の階段形状の1,2段目となる領域を,前記深さ2Lでエッチングする第4工程と,
    を含むことを特徴とする,回折光学素子の製造方法。
  7. エッチングにより基板を表面加工するプロセスを複数回繰り返して,7段の階段形状を有する素子および3段の階段形状を有する素子が1つの基板上に形成された回折光学素子を製造する製造方法であって,
    前記7段の階段形状の7段目となる領域および前記3段の階段形状の3段目となる領域を,前記階段形状の段差の2倍である深さ2Lでエッチングする第1工程と,
    前記7段の階段形状の2,4,6段目となる領域および前記3段の階段形状の1段目となる領域を,前記階段形状の段差である深さLでエッチングする第2工程と,
    前記7段の階段形状の5,6,7段目となる領域および前記3段の階段形状の2,3段目となる領域を,前記深さ2Lでエッチングする第3工程と,
    前記7段の階段形状の3,4,5,6,7段目となる領域および前記3段の階段形状の2,3段目となる領域を,前記深さ2Lでエッチングする第4工程と,
    を含むことを特徴とする,回折光学素子の製造方法。
  8. エッチングにより基板を表面加工するプロセスを複数回繰り返して,6段の階段形状を有する素子および3段の階段形状を有する素子が1つの基板上に形成された回折光学素子を製造する製造方法であって,
    前記6段の階段形状の2,4,6段目となる領域および前記3段の階段形状の1,2,3段目となる領域を,前記階段形状の段差である深さLでエッチングする第1工程と,
    前記6段の階段形状の5,6段目となる領域および前記3段の階段形状の3段目となる領域を,前記階段形状の段差の2倍である深さ2Lでエッチングする第2工程と,
    前記6段の階段形状の3,4,5,6段目となる領域および前記3段の階段形状の2,3段目となる領域を,前記深さ2Lでエッチングする第3工程と,
    を含むことを特徴とする,回折光学素子の製造方法。
  9. 前記エッチングは異方性エッチングであることを特徴とする,請求項6〜8のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。
  10. 前記基板は,シリコン,石英,GaAs,またはInPのいずれかからなるものであることを特徴とする,請求項6〜9のいずれかに記載の回折光学素子の製造方法。
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