JP7095313B2 - 描画データ生成装置、レジストパターンの形成方法及び凹凸構造体の製造方法 - Google Patents

描画データ生成装置、レジストパターンの形成方法及び凹凸構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、描画データ生成装置、レジストパターンの形成方法及び凹凸構造体の製造方法に関する。
近年、半導体デバイス、光学部材等の製造工程において、基板の表面に微細凹凸パターンを形成した型部材(インプリントモールド)を用い、微細凹凸パターンを基板等の被加工物に等倍転写するパターン形成技術であるナノインプリント技術が利用されている。
ナノインプリント技術に用いられるインプリントモールドに形成されている微細凹凸パターンの多くは、断面矩形状のラインアンドスペースパターン、ピラーパターン、ホールパターン等の1段の段構造により構成される。
その一方で、半導体デバイス等の製造のみならず、光学素子、配線回路、記録デバイス、ディスプレイパネル、医療検査用チップ、マイクロ流路等の製造過程において、複数段の階段状凹凸パターンを有する凹凸構造体を形成することがある。このような複数段の階段状凹凸パターンを有する凹凸構造体を、ナノインプリント技術を利用して形成するために、従来、複数段の階段状凹凸パターンを備えるインプリントモールドが用いられている(特許文献1参照)。
特開2010-171109号公報
一般に、ナノインプリント技術は、インプリントモールドに形成されている微細凹凸パターンを等倍転写するパターン形成技術であるため、インプリントモールドが備える複数段の階段状凹凸パターンは、作製予定の凹凸構造体が備える複数段の階段状凹凸パターンの鏡像対称となる形状で形成される必要がある。かかるインプリントモールドの各段部は、例えば、電子線描画装置等を用いて石英基板等のモールド基材の一面に各段部に対応するレジストパターンの形成処理及び当該レジストパターンをマスクとしたドライエッチング処理を含む一連の電子線リソグラフィ処理を複数回行うことにより形成され得る。
レジストパターンを形成するにあたり、モールド基材の一面に形成されたレジスト層に電子線描画装置等を用いた描画処理によりレジストパターンの潜像を形成する。当該電子線描画装置等を用いた描画処理は、レジストパターンに対応する描画データに基づいて行われる。かかる描画データに含まれるパターン潜像の描画図形は、一般に、レジストパターンの平面視形状と同一形状に設定される。
しかしながら、上記レジストパターンの平面視形状と同一形状であるパターン潜像の描画図形に基づいて描画処理が行われると、形成されるレジストパターンの角部が丸みを帯びてしまうことがある。特に、複数の段部を形成する過程において用いられる、相対的に膜厚の厚いレジストパターンにおいては、角部の丸みが大きくなる傾向にある。これは、レジストパターンの角部に対応する位置に電子ビームを照射して当該レジストパターンのパターン潜像を形成する際に、当該角部に対応する位置における電子ビームの蓄積エネルギー量が他の位置における蓄積エネルギー量と異なってしまうことに起因するものと考えられる。
上記課題に鑑みて、本開示は、レジストパターンの角部に丸みを帯びさせないような描画データを生成可能な描画データ生成装置、レジストパターン形成方法及び凹凸構造体製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の一実施形態として、複数段の凹凸パターンを有する凹凸構造体を作製するための第1~第N(Nは2以上の整数である。)リソグラフィ工程のそれぞれで用いられる第1~第N描画データのそれぞれを生成する描画データ生成装置であって、第M(Mは1以上N以下の整数である。)リソグラフィ工程を経て基材上に形成される第M凹凸構造の位置及び深さに基づき、前記第Mリソグラフィ工程におけるリソグラフ条件に関する情報を含む第Mリソグラフデータに、第M補正パターンに関する第M補正パターンデータを付加することで、第M補正リソグラフデータを生成する補正リソグラフデータ生成部と、前記第M補正リソグラフデータに基づき、第M描画データを生成する描画データ生成部とを備え、前記第Mリソグラフデータは、前記凹凸構造体の設計データに対応して基材上の第Mレジスト膜に描画されるべき第Mパターン潜像の描画図形と、前記第Mレジスト膜を構成する第Mレジスト材料の種類と、前記基材上における前記第Mレジスト膜の膜厚と、前記基材のエッチング深さとに関するデータを含み、前記第M補正パターンデータは、レジストパターンの角部の曲率半径とレジストパターンの露光膜厚との相関関係及びレジストパターンの角部の曲率半径と補正パターン形状との相関関係に基づき、第M露光膜厚から求められた前記第M補正パターンの描画図形の形状及びサイズに関するデータを含み、前記補正リソグラフデータ生成部は、前記第Mパターン潜像の描画図形の角部に前記第M補正パターンの描画図形を重ね合わせた第M補正パターン潜像の描画図形に関するデータを含む前記第M補正リソグラフデータを生成する描画データ生成装置が提供される。
前記描画データ生成部は、前記第M補正リソグラフデータに露光エネルギー量に関するデータを付与することで、前記第M描画データを生成することができ、前記補正リソグラフデータ生成部は、前記第M凹凸構造の位置及び深さに関する第M段差マップを含む第M段差データに基づき、前記第M補正リソグラフデータを生成することができ、第L(Lは1以上N-1以下の整数である。)段差データと第Lリソグラフデータとに基づき、第L+1段差データを生成する段差データ生成部をさらに備えていてもよい。
前記段差データ生成部は、前記凹凸構造体の設計データに対応して第Lレジスト膜に描画されるべき第Lパターン潜像の描画図形と前記基材のエッチング深さとに関する情報を、前記第L段差データに含まれる第L段差マップに重ね合わせることで、前記第L+1段差データを生成してもよい。
前記段差データ生成部は、第K(Kは2以上N-1以下の整数である。)リソグラフィ工程を経て形成された第K凹凸構造の深さの実測値に基づいて第K段差マップを生成し、前記凹凸構造体の設計データに対応して第Lレジスト膜に描画されるべき第Lパターン潜像の描画図形と前記基材のエッチング深さとに関する情報を、前記第K段差マップに重ね合わせることで、第K+1段差データを生成してもよい。
本開示の一実施形態として、上記描画データ生成装置により生成された前記第M描画データに基づき、前記第Mリソグラフィ工程にて前記第M凹凸構造が形成される基材上のレジスト膜に電子線描画装置を用いて描画することで、前記レジスト膜に第M補正パターン潜像を形成する工程と、前記第M補正パターン潜像の形成された前記レジスト膜を現像する工程とを有するレジストパターン形成方法が提供される。
本開示の一実施形態として、複数段の凹凸パターンを有する凹凸構造体を作製するための第1~第N(Nは2以上の整数である。)リソグラフィ工程のそれぞれにおいてレジストパターンを形成する方法であって、第M(Mは1以上N以下の整数である。)リソグラフィ工程を経て基材上に形成される第M凹凸構造の位置及び深さに基づき、前記第Mリソグラフィ工程におけるリソグラフ条件に関する情報を含む第Mリソグラフデータに、第M補正パターンに関する第M補正パターンデータを付加することで、第M補正リソグラフデータを生成する工程と、前記第M補正リソグラフデータに基づき、第M描画データを生成する工程と、前記第M描画データに基づき、前記第Mリソグラフィ工程にて前記第M凹凸構造が形成される基材上のレジスト膜に描画することで、前記レジスト膜に第M補正パターン潜像を形成する工程と、前記第M補正パターン潜像の形成された前記レジスト膜を現像する工程とを有し、前記第Mリソグラフデータは、前記凹凸構造体の設計データに対応して基材上の第Mレジスト膜に描画されるべき第Mパターン潜像の描画図形と、前記第Mレジスト膜を構成する第Mレジスト材料の種類と、前記基材上における前記第Mレジスト膜の膜厚と、前記基材のエッチング深さとに関するデータを含み、前記第M補正パターンデータは、レジストパターンの角部の曲率半径とレジストパターンの露光膜厚との相関関係及びレジストパターンの角部の曲率半径と補正パターン形状との相関関係に基づき、第M露光膜厚から求められた前記第M補正パターンの描画図形の形状及びサイズに関するデータを含み、前記第M補正リソグラフデータを生成する工程において、前記第Mパターン潜像の描画図形の角部に前記第M補正パターンの描画図形を重ね合わせた第M補正パターン潜像の描画図形に関するデータを含む前記第M補正リソグラフデータを生成するレジストパターン形成方法が提供される。
本開示の一実施形態として、第1面及びそれに対向する第2面を有する基材の前記第1面に複数段の凹凸パターンを形成する凹凸パターン形成工程を有し、前記凹凸パターン形成工程は、順に実施される第1~第N(Nは2以上の整数である。)リソグラフィ工程を含み、第M(Mは1以上N以下の整数である。)リソグラフィ工程において、請求項8に記載のレジストパターン形成方法により形成されたレジストパターンをマスクとして、前記基材の前記第1面をエッチングする凹凸構造体の製造方法が提供される。
本開示によれば、レジストパターンの角部に丸みを帯びさせないような描画データを生成可能な描画データ生成装置、レジストパターン形成方法及び凹凸構造体製造方法が提供され得る。
図1は、本開示の一実施形態に係る描画データ生成装置の概略構成を示すブロック図である。 図2は、本開示の一実施形態における描画データを生成する工程を示すフローチャートである。 図3は、本開示の一実施形態における補正リソグラフデータを生成する工程を示すフローチャートである。 図4は、本開示の一実施形態における第1段差マップを示す概略図である。 図5は、本開示の一実施形態における第2段差マップを示す概略図である。 図6は、本開示の一実施形態における第1パターン潜像を示す概略図である。 図7は、本開示の一実施形態における第2パターン潜像を示す概略図である。 図8(A)は、本開示の一実施形態における第1パターン潜像の描画図形に第1補正パターンの描画図形を重ね合わせた状態を示す概略図であり、図8(B)は、本開示の一実施形態における第2パターン潜像の描画図形に第2補正パターンの描画図形を重ね合わせた状態を示す概略図であり、図8(C)は、本開示の一実施形態における第1補正パターン潜像の描画図形を示す概略図であり、図8(D)は、本開示の一実施形態における第2補正パターン潜像の描画図形を示す概略図である。 図9は、本開示の一実施形態における凹凸構造体の製造工程の一の態様を切断端面にて示す工程フロー図である。 図10は、本開示の一実施形態における凹凸構造体の製造工程の他の態様を切断端面にて示す工程フロー図である。 図11は、本開示の一実施形態における凹凸構造体の製造工程の他の態様を切断端面にて示す工程フロー図である。 図12は、本開示の一実施形態における凹凸構造体の製造工程の他の態様を切断端面にて示す工程フロー図である。
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る描画データ生成装置の概略構成を示すブロック図である。
[描画データ生成装置]
本実施形態に係る描画データ生成装置10は、第1面及びそれに対向する第2面を有する基材の当該第1面上に設けられたレジスト膜にパターン潜像を描画する電子線描画装置において用いられる描画データを生成する装置である。特に、本実施形態に係る描画データ生成装置10は、複数段の階段状凹凸パターンを有する凹凸構造体を作製するために電子線描画装置にて実施される第1~第N(Nは2以上の整数である。)リソグラフィ工程のそれぞれで用いられる第1~第N描画データのそれぞれを生成する装置である。
描画データ生成装置10は、制御部11と、各種プログラム等を記憶する主記憶部12と、制御部11により生成されたデータ等を一時的に記憶する補助記憶部13と、第1~第Nリソグラフデータを格納するリソグラフデータベース(リソグラフDB)14と、第1~第N段差データを格納する段差データベース(段差DB)15と、第1~第N描画データを格納する描画データベース(描画DB)16とを備える。
制御部11は、リソグラフDB14、段差DB15等に格納された各種データや、補助記憶部13に記憶された各種データ等を読み出し、主記憶部12に記憶された各種プログラムの指示に従って、種々の演算処理等を行う。
主記憶部12には、作製予定の凹凸構造体の設計データから第1~第Nリソグラフデータを生成するためのリソグラフデータ生成プログラム、第1~第N段差データを生成するための段差データ生成プログラム、第1~第Nリソグラフデータのそれぞれに付加される第1~第N補正パターンに関するデータ(第1~第N補正パターンデータ)を生成する補正パターンデータ生成プログラム、第1~第Nリソグラフデータのそれぞれに第1~第N補正パターンデータのそれぞれを付加して第1~第N補正リソグラフデータのそれぞれを生成する補正リソグラフデータ生成プログラム、第1~第N補正リソグラフデータのそれぞれから第1~第N描画データのそれぞれを生成する描画データ生成プログラム等の各種プログラム等が記憶されている。
補助記憶部13には、ユーザからの入力データ、制御部11により生成された第1~第N補正パターンデータや第1~第N補正リソグラフデータ等の各種データが一時的に記憶される。なお、補助記憶部13に記憶されるユーザからの入力データとしては、例えば、作製予定の凹凸構造体の設計データ、凹凸構造体の作製に用いられるレジストや基材の材料等に関するデータ、レジストパターンの角部の丸み(曲率半径)とレジスト膜の露光膜厚との相関関係に関するデータ、レジストパターンの角部の丸み(曲率半径)と補正パターンの描画図形の形状及びサイズとの相関関係に関するデータ等が挙げられる。なお、上記相関関係における「レジストパターンの角部の丸み(曲率半径)」は、所定のレジスト材料を用いて所定の現像条件にて現像して形成されたレジストパターンの角部の丸み(曲率半径)の実測値であってもよいし、レジスト材料のタイプ(ネガ型又はポジ型、化学増幅型であるか否か等)に関する情報と現像パラメータ(感度曲線、γ値、溶解速度、現像閾値、酸の拡散長等)とからモンテカルロシミュレーション等により求めた蓄積エネルギー分布の曲率半径であってもよい。
制御部11により生成され、補助記憶部13に記憶される第1~第N補正パターンデータのそれぞれには、第1~第N補正パターンのそれぞれの描画図形の形状及びサイズに関するデータ等が含まれる。第1~第N補正パターンデータは、レジストパターンにおける角部の丸み(曲率半径)とレジスト膜の露光膜厚との相関関係に関するデータ、及びレジストパターンにおける角部の丸み(曲率半径)と補正パターンの描画図形の形状及びサイズとの相関関係に関するデータから生成される。レジストパターンにおける角部は、レジスト膜の露光膜厚が厚くなるほどに丸みを帯び、当該角部の平面視における曲率半径が大きくなる。すなわち、レジストパターンにおける角部の丸み(曲率半径)とレジスト膜の露光膜厚との間には所定の相関関係がある。また、レジスト膜に形成されるパターン潜像の角部に補正パターンを付加することで、レジストパターンにおける角部をシャープに形成することができるが、レジストパターンにおける角部の丸み(曲率半径)と補正パターンの形状及びサイズとの間にもまた所定の相関関係がある。
また、制御部11により生成され、補助記憶部13に記憶される第1~第N補正リソグラフデータには、第1~第Nリソグラフデータのそれぞれに含まれる第1~第Nパターン潜像の描画図形のそれぞれに、第1~第N補正パターンの描画図形を重ね合わせることで生成される第1~第N補正パターン潜像の描画図形に関するデータ等が含まれる。
リソグラフDB14に格納される第1~第Nリソグラフデータには、凹凸構造体の作製プロセスにおける第1~第Nリソグラフィ工程における種々のリソグラフィ条件に関するデータが含まれる。例えば、第1~第Nリソグラフデータには、第1~第Nリソグラフィ工程において基材の第1面上に形成される第1~第Nレジスト膜に描画されるべき第1~第Nパターン潜像の描画図形に関するデータ、第1~第Nリソグラフィ工程におけるエッチング量(エッチング深さ)に関するデータ、第1~第Nレジスト材料に関するデータ、第1~第Nレジスト膜の膜厚に関するデータ等が含まれる。なお、第1~第Nレジスト膜の膜厚とは、第1~第Nリソグラフィ工程のそれぞれにおいて、基材の第1面上に形成される第1~第Nレジスト膜の、基材の厚さ方向において基材の第1面側の最も高い位置における膜厚を意味する。
例えば、図9に示す工程フロー図に従って凹凸構造体1が作製される場合、この作製プロセスには第1リソグラフィ工程(図9(A)~9(C))と第2リソグラフィ工程(図9(D)~9(F))とが含まれる。そして、第1リソグラフィ工程において、基材2の第1面21上には、図9(B)に示す形状の開口部32を有する第1レジストパターン31が形成される。そのため、第1レジスト膜30には、第1レジストパターン31に対応する形状の第1パターン潜像が形成されるべきであると考えられる。したがって、第1リソグラフデータに含まれる第1パターン潜像の描画図形に関するデータは、第1リソグラフィ工程において基材の第1面上に形成される第1レジストパターン31の形状に対応する描画図形及びレジスト材料の感光タイプ(ネガ型又はポジ型)に基づく露光領域に関するデータとして、凹凸構造体1の設計データから決定される作製プロセスに基づいて生成される。第2パターン潜像の描画図形に関するデータについても、第1パターン潜像の描画図形に関するデータと同様にして生成される。
第1~第Nリソグラフデータに含まれる、第1~第Nリソグラフィ工程におけるエッチング量(エッチング深さ)に関するデータ及び第1~第Nレジスト膜の膜厚に関するデータは、凹凸構造体1の設計データから決定される作製プロセスに基づいて生成される。例えば、図9に示す工程フロー図に従って凹凸構造体1が作製される場合、第1リソグラフィ工程(図9(A)~(C))におけるエッチング量(エッチング深さ)は、階段状凹凸パターンの各段の2段分の高さ(深さ)に相当するエッチング量(エッチング深さ)であり、第2リソグラフィ工程(図9(D)~(F))におけるエッチング量(エッチング深さ)は、階段状凹凸パターンの各段の1段分の高さ(深さ)に相当するエッチング量(エッチング深さ)である。
また、図9に示す工程フロー図の第1リソグラフィ工程(図9(A)~(C))においては、未加工の基材2(第1面21が平坦面である基材2)が用いられるため(図9(A)参照)、第1レジスト膜30の膜厚は、基材2の第1面21に形成された第1レジスト膜30の塗布厚みに相当する。第2リソグラフィ工程(図9(D)~(F))は、第1リソグラフィ工程(図9(A)~(C))により第1面21に第1凹部211が形成された基材2に対して実施される(図9(D)参照)。そのため、第2レジスト膜40は、基材2の第1面21のうち、第1リソグラフィ工程において第1レジストパターン31により被覆されていてエッチングされなかった箇所と、第1リソグラフィ工程においてエッチングされた箇所とで異なる厚みを有する。この場合において、第2リソグラフデータに含まれる第2レジスト膜40の膜厚に関するデータとしては、第1リソグラフィ工程において第1レジストパターン31により被覆されていてエッチングされなかった箇所における第2レジスト膜40の膜厚に相当する。
なお、第1レジスト膜30の膜厚は、第2レジスト膜40の膜厚よりも厚い。これは、第1リソグラフィ工程(図9(A)~(C))におけるエッチング量が、第2リソグラフィ工程(図9(D)~(F))におけるエッチング量の2倍に相当するためである。すなわち、第1~第Nレジスト膜の膜厚は、第1~第Nリソグラフィ工程におけるエッチング量と、基材2及びレジスト膜を構成するレジスト材料間のエッチング選択比とに応じて適宜設定され得る。
段差DB15に格納される第1~第N段差データには、第1~第Nリソグラフィ工程のそれぞれの開始時(第1~第Nレジスト膜の形成前)における基材2の第1面21上の各箇所の基準面からの深さ(高さ)を示す、当該基準面からの深さ(高さ)を基準にし、当該深さ(高さ)が同一の領域により区分された一又は複数の領域を示す第1~第N段差マップ等が含まれる。なお、基準面とは、基材の厚さ方向において基材の第1面側の最も高い位置を含む面を意味する。
例えば、図9に示す工程フロー図に従って凹凸構造体1が作製される場合、第1段差マップは、第1面21上の全面において深さが「ゼロ」の領域を有するマップである(図4参照)。第2段差マップは、第1リソグラフィ工程においてエッチングされた箇所(第1凹部211)の深さが「2T」である領域と、それ以外の箇所の深さが「ゼロ」である領域とを有するマップである(図5参照)。
第1~第N段差マップは、作製予定の凹凸構造体1の設計データから決定される作製プロセスに基づいて生成されてもよいし、第1~第Nリソグラフィ工程のそれぞれの開始時(第1~第Nレジスト膜の形成前)における基材2の第1面21の平坦度の実測値に基づいて生成されてもよい。作製予定の凹凸構造体1の設計データから決定される作製プロセスに基づいて第1~第N段差マップを生成する場合、例えば、第L(Lは1以上N-1以下の整数である。)段差マップに第Lパターン潜像の描画図形及びエッチング量(エッチング深さ)を加算することで、第L+1段差マップを生成することができる。
また、第1~第Nリソグラフィ工程の途中の少なくとも1回のリソグラフィ工程、例えば、第J(Jは2以上N-1以下の整数である。)リソグラフィ工程の開始時における基材2の第1面21の平坦度を実測して第J段差マップを生成し、第J+1~第N段差マップは、当該第J段差マップを基準として、設計データから決定される作製プロセスに基づいて生成されてもよい。なお、基材2の第1面21の平坦度は、例えば、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope,AFM)等を利用して実測され得る。
描画DB16に格納される第1~第N描画データは、第1~第N補正リソグラフデータに含まれる第1~第N補正パターン潜像の描画図形に関するデータに、電子ビーム露光量に関する情報が付加されたものである。すなわち、第1~第N描画データは、第1~第N補正パターン潜像の描画図形と、その描画図形を最小グリッドで区分し、各グリッドにおける電子ビーム露光量とをデータ内容として含む。各グリッドにおける電子ビーム露光量は、電子ビームの照射による近接効果等を考慮して決定され得る。
[描画データ生成方法]
上述した構成を有する描画データ生成装置10において描画データ(第1~第N描画データ)を生成する方法を説明する。図2は、本実施形態に係る描画データ生成装置10を用いて第M(Mは1以上N以下の整数である。)描画データを生成する方法を示すフローチャートである。なお、本実施形態において、凹凸構造体1を作製するに際して、第1~第N描画データのすべてを予め生成してもよいし、凹凸構造体1を作製するプロセスにおける各リソグラフィ工程(第1~第Nリソグラフィ工程)を行うときに各描画データ(第1~第N描画データ)を生成してもよい。
まず、制御部11は、第1~第N描画データのうちの第M描画データを生成することを判断し、リソグラフDB14から第Mリソグラフデータを読み出すとともに、段差DB15から第M段差データを読み出す(S01)。
続いて、制御部11は、第M補正リソグラフデータを生成する(S02)。
第M補正リソグラフデータを生成するにあたり、制御部11は、読み出された第Mリソグラフデータに含まれる第Mパターン潜像の描画図形から、当該第Mパターン潜像の描画図形に第M補正パターンを付加する付加箇所を抽出する(図3,S21)。具体的には、制御部11は、第Mパターン潜像の描画図形の角部を抽出し、当該角部の位置座標を第M補正パターンの付加箇所に関する情報として抽出する。それとともに、当該角部が、第Mレジスト膜における露光される領域(露光部)の凹角部に相当するのか、凸角部に相当するのかを、第Mパターン潜像の描画図形データに含まれる露光領域に関する情報に基づいて判断する。
例えば、図9に示す工程フロー図に従って凹凸構造体1を作製するときに用いられる第1描画データを生成する場合、制御部11は、第1パターン潜像の描画図形F1の角部C1(図6参照)及び当該角部C1の位置座標を抽出する。そして、当該角部C1が第1レジスト膜3における露光部の凹角部に相当するのか、凸角部に相当するのかを判断する。第1レジストパターン31(第1レジスト膜3)を構成するレジスト材料の感光タイプがネガ型である場合、未露光部(露光されない領域、図6における破線で囲まれた領域)に開口部32が形成されるため、角部C1は第1レジスト膜3における露光部の凹角部に相当すると制御部11により判断される。一方、当該レジスト材料の感光タイプがポジ型である場合、露光部(図7における破線で囲まれた領域)に開口部32が形成されるため、角部C1は第1レジスト膜3における露光部の凸角部に相当すると制御部11により判断される。第2描画データを生成する場合も同様に、制御部11は、第2パターン潜像の描画図形F2の角部C21,C22(図7参照)及び当該角部C21,C22の位置座標を抽出し、当該角部C21,C22が第2レジスト膜4における露光部の凹角部に相当するのか、凸角部に相当するのかを判断する。
次に、制御部11は、第M段差データから、S21にて抽出された付加箇所(角部)における凹部の深さを算出する(S22)。具体的には、制御部11は、第M段差マップから、付加箇所(角部)の位置における深さに関するデータを取得する。その後、制御部11は、第Mリソグラフデータから、付加箇所(角部)の位置におけるレジスト膜厚を求め(S23)、付加箇所(角部)における凹部の深さとレジスト膜厚との和を算出することで、当該付加箇所(角部)における第M露光膜厚を算出する(S24)。算出された第M露光膜厚は、付加箇所(角部)の位置座標に関連付けられて補助記憶部13に記憶される。
例えば、図9に示す工程フロー図に従って凹凸構造体1を作製するときに用いられる第1描画データを生成する場合、付加箇所(角部C1)における凹部の深さが「ゼロ」であるため、制御部11は、凹部の深さ(ゼロ)とレジスト膜厚との和を第1露光膜厚として算出する。一方、第2描画データを生成する場合、付加箇所(角部C21)における凹部の深さは「ゼロ」であるが、付加箇所(角部C22)における凹部の深さは「2T」である。そのため、制御部11は、角部C21においては、凹部の深さ(ゼロ)とレジスト膜厚との和を第2露光膜厚として算出し、角部C22においては、凹部の深さ(2T)とレジスト膜厚との和を第2露光膜厚として算出する。第1露光膜厚及び第2露光膜厚は、付加箇所(角部C1,C21,C22)の位置座標に関連付けられて補助記憶部13に記憶される。
制御部11は、露光膜厚とレジストパターンの角部の曲率半径との相関関係に関するデータ及びレジストパターンの角部の曲率半径と補正パターン形状との相関関係に関するデータを補助記憶部13から取得し、それらの相関関係に基づいて、S24にて算出された第M露光膜厚から補正パターンの描画図形の形状及びサイズを求める(S25)。例えば、図9に示す工程フロー図に従って凹凸構造体1を作製するときに用いられる第1描画データ及び第2描画データを生成する場合、第1パターン潜像の描画図形F1の角部C1に付加される第1補正パターンD1のサイズは、第2パターン潜像の描画図形F2の角部C21に付加される第2補正パターンD21のサイズよりも大きくなる一方、第2パターン潜像の描画図形F2の角部C22に付加される第2補正パターンD22のサイズよりも小さくなる。第1パターン潜像の描画図形F1の角部C1に関連付けられている第1露光膜厚が、第2パターン潜像の描画図形F2の角部C21に関連付けられている第2露光膜厚よりも厚く、角部C22に関連付けられている第2露光膜厚よりも薄いからである。
続いて、制御部11は、第Mパターン潜像の描画図形における上記付加箇所(角部)に第M補正パターンの描画図形を重ね合わせ、第M補正パターン潜像の描画図形を形成する(S26,図8参照)。このようにして、制御部11は、第M補正リソグラフデータを生成し、補助記憶部13に記憶する(S27)。例えば、図9に示す工程フロー図に従って凹凸構造体1を作製するときに用いられる第1描画データを生成する場合、制御部11は、第1パターン潜像の描画図形F1における付加箇所(角部C1)に第1補正パターンの描画図形D1を重ね合わせ(図8(A)参照)、第1補正パターン潜像の描画図形AF1を生成する(図8(C)参照)。また、図9に示す工程フロー図に従って凹凸構造体1を作製するときに用いられる第2描画データを生成する場合、制御部11は、第2パターン潜像の描画図形F2における付加箇所(角部C21,C22)に第2補正パターンの描画図形D21,D22を重ね合わせ(図8(C)参照)、第2補正パターン潜像の描画図形AF2を生成する(図8(D)参照)。
制御部11は、補助記憶部13に記憶されている第M補正リソグラフデータに含まれる第M補正パターン潜像の描画図形に所定のグリッドを設定し、各グリッドに露光エネルギー量に関するデータを付加することで、第M描画データを生成する(S03)。制御部11により生成された第M描画データは、描画DB16に格納される。
[凹凸構造体の製造方法]
次に、本実施形態における凹凸構造体の製造方法の一例を説明する。図9は、本実施形態における凹凸構造体の製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
まず、第1面21及びそれに対向する第2面22を有する基材2を準備し、当該基材2の第1面21上に第1レジスト膜30を形成する(図9(A)参照)。
基材2としては、特に限定されるものではなく、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いることができる。なお、本実施形態において「透明」とは、基材2を介して照射された光により光硬化性樹脂を硬化させ得る程度であればよく、例えば、波長300~450nmの光線の透過率が70%以上であるのが好ましく、より好ましくは90%以上である。
基材2の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状、略円形状等が挙げられる。基材2が石英ガラス基板からなるものである場合、通常、基材2の平面視形状は略矩形状である。
基材2の大きさも特に限定されるものではないが、基材2が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、基材2の大きさは152mm×152mm程度である。また、基材2の厚さT2は、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm~10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
第1レジスト膜30を構成する樹脂材料(レジスト材料)としては、特に限定されるものではなく、電子線リソグラフィ処理等において一般的に用いられるネガ型又はポジ型の電子線反応性レジスト材料等が挙げられ、好ましくは化学増幅型電子線反応性レジスト材料が挙げられる。なお、当該レジスト材料は、上記描画データ生成装置10に入力されたレジスト材料と同一のものを用いればよい。
第1レジスト膜30の膜厚は、特に制限されるものではないが、上記描画データ生成装置10において第1描画データを生成する際の第1レジスト膜30の膜厚と実質的に同一となるように設定されるのが好ましい。後述する工程(図9(C)参照)において、第1レジスト膜30をパターニングして形成された第1レジストパターン31が、基材2をエッチングする際のマスクとして用いられる。このとき、描画データ生成装置10にて生成される第1描画データを用いて第1レジスト膜30に第1補正パターン潜像を形成することで、角部が丸まっていない第1レジストパターン31が形成される。そのため、基材2の第1面21上に塗布される第1レジスト膜30の膜厚が、第1描画データを生成する際の第1レジスト膜30の膜厚よりも厚いと、第1レジストパターン31の角部が丸まってしまうおそれがある。
基材2の第1面21上に第1レジスト膜30を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法、例えば、第1面21上にレジスト材料を、スピンコーター、スプレーコーター等の塗工機を用いて塗布し又は第1面21上に上記樹脂成分を含有するドライフィルムレジストを積層し、所望により所定の温度で加熱(プリベーク)する方法等が挙げられる。
次に、図9(B)に示すように、基材2の第1面21上の所望の位置に所定の開口部32を有する第1レジストパターン31を形成する。第1レジストパターン31は、例えば、電子線描画装置を用いた電子線リソグラフィ等により形成され得る。このとき、上記描画データ生成装置10にて生成された第1描画データを用いて、電子線描画装置により第1レジスト膜30に第1パターン潜像を形成する。これにより、角部の丸まっていない(シャープな)第1レジストパターン31を形成することができる。
第1レジストパターン31における開口部32の形状や寸法は、本実施形態における凹凸構造体1の作製プロセスにおける第1リソグラフィ工程において基材2の第1面21に形成される第1凹部211の形状に応じて適宜設定され得る。
上記のようにして形成された第1レジストパターン31をマスクとして用いて基材2の第1面21側をエッチングすることで、第1凹部211が形成される(図9(C)参照)。第1レジストパターン31が角部の丸まっていないシャープな形状で形成されるため、それをマスクとしたエッチングにより基材2の第1面21に形成される第1凹部211もまた、角部の丸まっていないシャープな形状で形成され得る。
次に、第1凹部211が形成された基材2の第1面21上に第2レジスト膜40を形成する(図9(D)参照)。第2レジスト膜40は、第1レジスト膜30と同様の材料を用いて同様の手法にて形成され得る。そして、図9(E)に示すように、基材2の第1面21上の所望の位置に所定の開口部42を有する第2レジストパターン41を形成する。このとき、上記描画データ生成装置10にて生成された第2描画データを用いて、電子線描画装置により第2レジスト膜40に第2パターン潜像を形成し、現像処理を施す。これにより、角部の丸まっていない(シャープな)第2レジストパターン41を形成することができる。
上記のようにして形成された第2レジストパターン41をマスクとして用いて基材2の第1面21側をエッチングすることで、第2凹部212としての複数段の階段状凹凸パターンが形成される(図9(F)参照)。第2レジストパターン41が角部の丸まっていないシャープな形状で形成されるため、それをマスクとしたエッチングにより基材2の第1面21に形成される階段状凹凸パターンもまた、角部の丸まっていないシャープな形状で形成され得る。このようにして、本実施形態における凹凸構造体1(図9(F)参照)を製造することができる。
続いて、本実施形態における凹凸構造体の製造方法の他の例を説明する。図10~13は、本実施形態における凹凸構造体の製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
まず、第1面21及びそれに対向する第2面22を有する基材2を準備し、当該基材2の第1面21上に第1レジスト膜30を形成する(図10(A)、図11(A)、図12(A)参照)。次に、所望の位置に所定の開口部32を有する第1レジストパターン31を形成する(図10(B)、図11(B)、図12(B)参照)。第1レジストパターン31は、例えば、電子線描画装置を用いた電子線リソグラフィ等により形成され得る。このとき、上記描画データ生成装置10にて生成された第1描画データを用いて、電子線描画装置により第1レジスト膜30にパターン潜像を形成する。これにより、角部の丸まっていない(シャープな)第1レジストパターン31を形成することができる。
なお、図11に示す工程フロー図における第1リソグラフィ工程(図11(A)~(C))のエッチング深さが階段状凹凸パターンの2段分の深さであるのに対し、図10及び図12に示す工程フロー図における第1リソグラフィ工程(図10(A)~(C)、図12(A)~(C))のエッチング深さが階段状凹凸パターンの1段分の深さである。そのため、図11(A)に示す第1レジスト膜30の膜厚は、図10(A)及び図12(A)に示す第1レジスト膜30の膜厚よりも厚く、図11に示す工程における第1描画パターンに含まれる第1補正パターンのサイズは、図10及び図12に示す工程における第1描画パターンに含まれる第1補正パターンのサイズよりも大きい。
続いて、第1レジストパターン31をマスクとして基材2の第1面21側をエッチングすることで、第1凹部211が形成される(図10(C)、図11(C)、図12(C)参照)。
次に、基材2の第1面21上に第2レジスト膜40を形成し(図10(D)、図11(D)、図12(D)参照)、所定の開口部42を有する第2レジストパターン41を形成する(図10(E)、図11(E)、図12(E)参照)。第2レジストパターン41は、例えば、電子線描画装置を用いた電子線リソグラフィ等により形成され得る。このとき、上記描画データ生成装置10にて生成された第2描画データを用いて、電子線描画装置により第2レジスト膜40にパターン潜像を形成する。これにより、角部の丸まっていない(シャープな)第2レジストパターン41を形成することができる。
なお、図10及び図12に示す工程フロー図における第2リソグラフィ工程(図10(D)~(F)、図12(D)~(F))の露光膜厚が、図11に示す工程フロー図における第2リソグラフィ工程(図11(D)~(F))の露光膜厚よりも大きい。そのため、図10及び図12に示す工程における第2描画パターンに含まれる第2補正パターンのサイズは、図11に示す工程における第2描画パターンに含まれる第2補正パターンのサイズよりも大きい。
続いて、第2レジストパターン41をマスクとして用い基材2の第1面21側をエッチングする。これにより、第2凹部212としての複数段の階段状凹凸パターンが形成される(図10(F)、図11(F)、図12(F)参照)。第2レジストパターン41が角部の丸まっていないシャープな形状で形成されるため、それをマスクとしたエッチングにより基材2の第1面21に形成される階段状凹凸パターンもまた、角部の丸まっていないシャープな形状で形成され得る。
上述したように、本実施形態によれば、補正パターンの付加された補正パターン潜像の描画図形に従って電子線描画装置にてレジスト膜にパターン潜像が形成されるため、角部の丸まっていないレジストパターンを形成することができ、それをマスクと下エッチングにより、角部の丸まっていないシャープな形状の階段状凹凸パターンを有する凹凸構造体を作製することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態においては、第1~第N段差マップを含む第1~第N段差データが段差DB15に格納され、第1~第N描画データのそれぞれを生成する際に第1~第N段差データが読み出され、利用されているが、このような態様に限定されるものではない。例えば、第1段差マップを含む第1段差データのみが格納(又は記憶)されており、第1描画データを生成するために第1段差データを用いた後、当該第1段差データを第2段差データに更新してもよい。
上記実施形態においては、基材2の第1面21に形成したレジストパターン(第1レジストパターン31及び第2レジストパターン32)をマスクとして当該第1面21をエッチングしているが、このような態様に限定されるものではない。例えば、基材2の第1面21上にハードマスク層及びレジスト膜(第1レジスト膜3、第2レジスト膜4)をこの順で形成し、レジストパターン(第1レジストパターン31及び第2レジストパターン32)をマスクとしてハードマスク層をエッチングしてハードマスクパターン(第1ハードマスクパターン、第2ハードマスクパターン)を形成し、当該ハードマスクパターンをマスクとして基材2の第1面21をエッチングしてもよい。ハードマスク層は、例えば、クロム、窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系材料;タンタル、窒化タンタル、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル系材料等を単独で、又は任意に選択した2種以上を用い、スパッタリング、PVD、CVD等の公知の成膜法により形成され得る。なお、ハードマスク層の厚さは、基材2を構成する材料とのエッチング選択比や、各リソグラフィ工程におけるエッチング量(エッチング深さ)等に応じ適宜設定され得る。
上記実施形態において、基材2の第1面21に凹部が形成されている場合に、当該第1面21上にレジスト膜を形成すると、レジスト膜の表面が平坦化されないことがある。このような場合において、当該第1面21上にレジスト材料を塗布した後、平坦な基板を当該レジスト材料に押し付ける等によりレジスト膜の表面を平坦化してもよい。また、平坦化せずに、レジスト膜の表面の平坦度に関するデータをレジスト膜厚補正マップとして作成し、レジスト膜厚、レジスト膜厚補正マップ及び段差マップにより、補正パターンの形状及びサイズを決定してもよい。
上記実施形態において、複数段の階段状の凹状パターンを有する凹凸構造体を製造する態様を例に挙げて説明したが、この態様に限定されるものではなく、複数段の階段状の凸状パターンを有する凹凸構造体であっても上記実施形態と同様にして製造することができる。
上記実施形態において、レジストパターンにおける角部の丸み(曲率半径)とレジスト膜の露光膜厚との相関関係に関するデータ、並びにレジストパターンにおける角部の丸み(曲率半径)と補正パターンの描画図形の形状及びサイズとの相関関係に関するデータが補助記憶部13に記憶され、それらのデータから第1~第N補正パターンデータが生成される態様を例に挙げて説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、レジスト膜の露光膜厚と補正パターンの描画図形の形状及びサイズとの相関関係に関するデータが補助記憶部13に記憶され、そのデータから第1~第N補正パターンデータが生成されてもよい。また、第1~第Nレジスト膜を構成するレジスト材料のタイプ(ネガ型又はポジ型、化学増幅型であるか否か等)に関する情報と現像パラメータ(感度曲線、γ値、溶解速度、現像閾値、酸の拡散長等)とを用いて、シミュレーションにより第1~第N補正パターンデータが生成されてもよい。
上記実施形態において、第2レジスト膜40を構成するレジスト材料は、第1レジスト膜30を構成するレジスト材料と同一のものであるが、この態様に限定されるものではない。例えば、第1~第Nレジスト膜を構成するレジスト材料のすべてが同一でなくてもよく、第1~第Nリソグラフィ工程のそれぞれにおいて用いられるレジスト材料の種類を、最終的に形成される階段状凹凸パターンの段数や形状等を考慮した各プロセスに応じて適宜選択すればよい。
上記実施形態において、描画データ生成装置1により生成された各描画データ(第1~第N描画データのそれぞれ)に基づき、電子線描画装置を用いて各レジスト膜(第1~第Nレジスト膜のそれぞれ)に各パターン潜像(第1~第Nパターン潜像のそれぞれ)を形成する態様を例に挙げて説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、各描画データに基づき、レーザ描画装置を用いて各レジスト膜に各パターン潜像を形成してもよい。
1…インプリントモールド
2…基材
21…第1面
22…第2面
3…第1レジスト膜
31…第1レジストパターン
32…開口部
4…第2レジスト膜
41…第2レジストパターン
42…開口部
10…描画パターン生成装置
11…制御部
12…主記憶部
13…補助記憶部
14…リソグラフデータベース
15…段差データベース
16…描画データベース

Claims (9)

  1. 複数段の凹凸パターンを有する凹凸構造体を作製するための第1~第N(Nは2以上の整数である。)リソグラフィ工程のそれぞれで用いられる第1~第N描画データのそれぞれを生成する描画データ生成装置であって、
    第M(Mは1以上N以下の整数である。)リソグラフィ工程を経て基材上に形成される第M凹凸構造の位置及び深さに基づき、前記第Mリソグラフィ工程におけるリソグラフ条件に関する情報を含む第Mリソグラフデータに、第M補正パターンに関する第M補正パターンデータを付加することで、第M補正リソグラフデータを生成する補正リソグラフデータ生成部と、
    前記第M補正リソグラフデータに基づき、第M描画データを生成する描画データ生成部と
    を備え
    前記第Mリソグラフデータは、前記凹凸構造体の設計データに対応して基材上の第Mレジスト膜に描画されるべき第Mパターン潜像の描画図形と、前記第Mレジスト膜を構成する第Mレジスト材料の種類と、前記基材上における前記第Mレジスト膜の膜厚と、前記基材のエッチング深さとに関するデータを含み、
    前記第M補正パターンデータは、レジストパターンの角部の曲率半径とレジストパターンの露光膜厚との相関関係及びレジストパターンの角部の曲率半径と補正パターン形状との相関関係に基づき、第M露光膜厚から求められた前記第M補正パターンの描画図形の形状及びサイズに関するデータを含み、
    前記補正リソグラフデータ生成部は、前記第Mパターン潜像の描画図形の角部に前記第M補正パターンの描画図形を重ね合わせた第M補正パターン潜像の描画図形に関するデータを含む前記第M補正リソグラフデータを生成する描画データ生成装置。
  2. 前記描画データ生成部は、前記第M補正リソグラフデータに露光エネルギー量に関するデータを付与することで、前記第M描画データを生成する
    請求項1に記載の描画データ生成装置。
  3. 前記補正リソグラフデータ生成部は、前記第M凹凸構造の位置及び深さに関する第M段差マップを含む第M段差データに基づき、前記第M補正リソグラフデータを生成する
    請求項1又は2に記載の描画データ生成装置。
  4. 第L(Lは1以上N-1以下の整数である。)段差データと第Lリソグラフデータとに基づき、第L+1段差データを生成する段差データ生成部をさらに備える
    請求項に記載の描画データ生成装置。
  5. 前記段差データ生成部は、前記凹凸構造体の設計データに対応して第Lレジスト膜に描画されるべき第Lパターン潜像の描画図形と前記基材のエッチング深さとに関する情報を、前記第L段差データに含まれる第L段差マップに重ね合わせることで、前記第L+1段差データを生成する
    請求項に記載の描画データ生成装置。
  6. 前記段差データ生成部は、第K(Kは2以上N-1以下の整数である。)リソグラフィ工程を経て形成された第K凹凸構造の深さの実測値に基づいて第K段差マップを生成し、前記凹凸構造体の設計データに対応して第Lレジスト膜に描画されるべき第Lパターン潜像の描画図形と前記基材のエッチング深さとに関する情報を、前記第K段差マップに重ね合わせることで、第K+1段差データを生成する
    請求項又はに記載の描画データ生成装置。
  7. 請求項1~のいずれかに記載の描画データ生成装置により生成された前記第M描画データに基づき、電子線描画装置を用いて前記第Mリソグラフィ工程にて前記第M凹凸構造が形成される基材上のレジスト膜に描画することで、前記レジスト膜に第M補正パターン潜像を形成する工程と、
    前記第M補正パターン潜像の形成された前記レジスト膜を現像する工程と
    を有するレジストパターン形成方法。
  8. 複数段の凹凸パターンを有する凹凸構造体を作製するための第1~第N(Nは2以上の整数である。)リソグラフィ工程のそれぞれにおいてレジストパターンを形成する方法であって、
    第M(Mは1以上N以下の整数である。)リソグラフィ工程を経て基材上に形成される第M凹凸構造の位置及び深さに基づき、前記第Mリソグラフィ工程におけるリソグラフ条件に関する情報を含む第Mリソグラフデータに、第M補正パターンに関する第M補正パターンデータを付加することで、第M補正リソグラフデータを生成する工程と、
    前記第M補正リソグラフデータに基づき、第M描画データを生成する工程と、
    前記第M描画データに基づき、前記第Mリソグラフィ工程にて前記第M凹凸構造が形成される基材上のレジスト膜に描画することで、前記レジスト膜に第M補正パターン潜像を形成する工程と、
    前記第M補正パターン潜像の形成された前記レジスト膜を現像する工程と
    を有し、
    前記第Mリソグラフデータは、前記凹凸構造体の設計データに対応して基材上の第Mレジスト膜に描画されるべき第Mパターン潜像の描画図形と、前記第Mレジスト膜を構成する第Mレジスト材料の種類と、前記基材上における前記第Mレジスト膜の膜厚と、前記基材のエッチング深さとに関するデータを含み、
    前記第M補正パターンデータは、レジストパターンの角部の曲率半径とレジストパターンの露光膜厚との相関関係及びレジストパターンの角部の曲率半径と補正パターン形状との相関関係に基づき、第M露光膜厚から求められた前記第M補正パターンの描画図形の形状及びサイズに関するデータを含み、
    前記第M補正リソグラフデータを生成する工程において、前記第Mパターン潜像の描画図形の角部に前記第M補正パターンの描画図形を重ね合わせた第M補正パターン潜像の描画図形に関するデータを含む前記第M補正リソグラフデータを生成するレジストパターン形成方法。
  9. 第1面及びそれに対向する第2面を有する基材の前記第1面に複数段の凹凸パターンを形成する凹凸パターン形成工程を有し、
    前記凹凸パターン形成工程は、順に実施される第1~第N(Nは2以上の整数である。)リソグラフィ工程を含み、
    第M(Mは1以上N以下の整数である。)リソグラフィ工程において、請求項又はに記載のレジストパターン形成方法により形成されたレジストパターンをマスクとして、前記基材の前記第1面をエッチングする
    凹凸構造体の製造方法。
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