JP2006342288A - 炭化水素油の水素化処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)重質炭化水素油を、一定の処理条件で、無機酸化物担体に水素化活性金属を担持した触媒からなる前段、中段、後段の各触媒層と順次接触させて水素化処理する方法であって、(b)前段、中段、後段の各触媒層に一定の物性の3種の触媒をそれぞれ用い、(c)この3種類の触媒の充填割合が一定であり、(d)中段触媒層に用いる触媒が、第6族金属と第8族金属を一定量含有し、第6族金属と第8族金属の質量比が一定の範囲にあり、かつリンを一定量含み、該リン原子の分布が一定の式を満足するように高度に均一に分散されている炭化水素油の水素化処理方法。
【選択図】 なし
Description
本発明の目的は、上記従来の状況に鑑み、直接脱硫装置などによる常圧残油や減圧残油などの重質炭化水素油の水素化処理において、脱硫、脱金属処理を長期間に渡り、高い効率で行うことができる炭化水素油の水素化処理方法を提供することにある。
1.(a)重質炭化水素油を、水素分圧4〜20MPa、水素/油比400〜3000NL/L、温度320〜450℃、液空間速度0.05〜5hー1で、無機酸化物担体に水素化活性金属を担持した触媒からなる前段触媒層、中段触媒層および後段触媒層の3段の触媒層と順次接触させて水素化処理する方法であって、
(b)前段触媒層として用いる触媒の比表面積が70m2/g以上、細孔容積が0.6ml/g以上、平均細孔直径が15〜35nmであり、中段触媒層として用いる触媒の比表面積が150m2/g以上、細孔容積が0.4ml/g以上、平均細孔直径が6〜18nmであり、後段触媒層として用いる触媒の比表面積が150m2/g以上、細孔容積が0.4ml/g以上、平均細孔直径が5〜15nmであり、
(c)この3種類の触媒の充填割合が、全触媒層容積基準で、前段触媒層が10〜50%、中段および後段触媒層がそれぞれ15〜70%であって、
(d)中段触媒層として用いる触媒が、触媒基準、酸化物換算で周期律表第6族金属から選ばれた少なくとも1種を3〜30質量%、周期律表第8族金属から選ばれた少なくとも1種を2〜10質量%それぞれ含み、前記金属の酸化物換算質量比(第6族金属/第8族金属比)が1.5〜3.5であって、かつリンを触媒基準で0.3〜2質量%含み、このリン原子のエレクトロンプローブ・マイクロアナリシス(EPMA)装置により、触媒中心を通る断面幅方向における線分析結果のリン原子の分布が下記の式(1)で表されるS値を満足することを特徴とする炭化水素油の水素化処理触媒であることを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法。
S=exp(0.04×Iave.+0.013×Imax.−0.143×Imin.)≦1 ‥‥‥式(1)
(式(1)において、Imax.はEPMA線分析によるリン原子の濃度測定値の最大値であり、Imin.はEPMA線分析によるリン原子の濃度測定値の最小値であり、Iave.はEPMA線分析によるリン原子の濃度測定値の平均値である。)
2.前記中段触媒層として用いる触媒が、その比表面積150〜350m2/g、細孔容積0.4〜0.8ml/g、平均細孔直径6〜18nmであり、かつ細孔直径が平均細孔直径±1.5nmの範囲にある細孔の全容積が全細孔容積の50%以上を占め、かつ下記の式(2)で表されるA値を満足することを特徴とする上記1に記載の炭化水素油の水素化処理方法。
A=1.74×SA+8.68×PSD−960 > 0 ‥‥‥式(2)
(式(2)において、SAは比表面積、PSDは細孔直径が平均細孔直径±1.5nmの範囲にある細孔の全容積と全細孔容積の比を百分率で示した値である。)
3.前記中段触媒層として用いる触媒が、マイクロカロリメトリー法にて測定した100〜200kJ/molのアンモニア吸着熱を発する酸点を、触媒1g当り、250〜380μmolの範囲で有していることを特徴とする上記1または2に記載の炭化水素油の水素化処理方法。
4.前記中段触媒層として用いる触媒が、
無機酸化物担体の原料をリンを含む水溶液で水分調整し、混練、成形、焼成することにより調製された比表面積180〜500m2/g、細孔容積0.6〜1ml/g、平均細孔直径5〜17nmである、リンを触媒基準、酸化物換算で0.3〜2質量%含む無機酸化物担体上に、周期律表第6族金属から選ばれた少なくとも1種を含む化合物と、周期律表第8族金属から選ばれた少なくとも1種を含む化合物を含有する溶液を用い、触媒基準、酸化物換算で周期律第6族金属を3〜30質量%、周期律表第8族金属を2〜10質量%、前記金属の酸化物換算質量比(第6族金属/第8族金属比)が1.5〜3.5となるように担持させ、その後400〜700℃で空気雰囲気下、1〜10時間焼成する製造方法により製造した触媒であることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の炭化水素油の水素化処理方法。
5.前記前段触媒層として用いる触媒が、水素化活性金属に加えて、亜鉛を触媒基準、酸化物換算で1〜20質量%含有することを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の炭化水素油の水素化処理方法。
6.前記後段触媒層として用いる触媒が、水素化活性金属に加えて、リチウムを触媒基準、酸化物換算で0.05〜0.8質量%含有することを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の炭化水素油の水素化処理方法。
本発明の水素化処理方法では、重質炭化水素油を、無機酸化物担体に水素化活性金属を担持した触媒からなる3種類の触媒層(前段触媒層、中段触媒層、後段触媒層)と接触させる。各触媒層の触媒の比表面積、細孔容積、および平均細孔直径の範囲は次のとおりである。すなわち、前段触媒層に用いる触媒の比表面積は70m2/g以上であり、100m2/g以上が好ましい。前段触媒層に用いる触媒の細孔容積は0.6ml/g以上であり、0.7ml/g以上が好ましい。前段触媒層に用いる触媒の平均細孔直径は15〜35nmであり、17〜30nmが好ましい。中段触媒層に用いる触媒の比表面積は150m2/g以上であり、180m2/g以上が好ましい。中段触媒層に用いる触媒の細孔容積は0.4ml/g以上であり、0.5ml/g以上が好ましい。中段触媒層に用いる触媒の平均細孔直径は6〜18nmであり、7〜15nmが好ましい。後段触媒層に用いる触媒の比表面積は150m2/g以上であり、200m2/g以上が好ましい。後段触媒層に用いる触媒の細孔容積は0.4ml/g以上であり、0.5ml/g以上が好ましい。後段触媒層に用いる触媒の平均細孔直径は5〜15nmであり、7〜12nmが好ましい。
各触媒層で用いる触媒の比表面積が上記範囲未満であると、脱硫活性が不足し、また、細孔容積が上記範囲未満であると、耐金属性能が低く、触媒寿命が短くなり、平均細孔直径が上記範囲未満であると、アスファルテンのような巨大分子の触媒細孔内の拡散性が低下するため、脱金属活性が低下する。
各触媒層で用いる触媒の比表面積、細孔容積は、上記範囲であれば触媒層毎に同じであっても異なってもよい。
ここで、リンの含有量に関して、「触媒を基準として酸化物換算で表示する」とは、触媒中に含まれる全ての金属種の質量を金属それぞれの酸化物として算出し、その合計質量に対するリンの酸化物質量の割合を意昧する。なお、アルミニウムは3価、リンは5価、周期律表第6族金属は6価、および第8族金属は2価の金属として求めた。
本発明で使用する触媒のリン含有無機酸化物担体は、リンの原料として、種々の化合物を用いることができる。具体例としてオルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等が挙げられるがオルトリン酸が好ましい。
リン含有無機酸化物担体の比表面積が180m2/g以上であれば、活性金属を十分な分散性をもって担持することが可能であり、500m2/g以下であれば触媒細孔直径が極端に小さくならず、対象硫黄化合物を十分に細孔内に拡散可能であるため好ましい。
細孔容積が0.6ml/g以上であれば、含浸法において活性金属を担持する場合、細孔容積内に活性金属化合物の溶解性を損なうことなく、活性金属を高分散に担持するのに十分な量の溶媒を保持でき、また耐金属性能を十分に発揮することが可能であるため好ましい。一方、1ml/g以下であれば比表面積を極端に小さくすることがないため活性金属を有効に分散担持でき、好ましい。
上記記載の第6族金属としては、クロム、モリブデンまたはタングステンが用いられるが、モリブデンまたはタングステンが好ましい。また、これら第6族金属は2種以上組み合わせて用いることができる。これら第6族金属の化合物として、種々のものを用いることができる。
モリブデン化合物の具体例として、酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン縮合酸塩等が挙げられるが、酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、モリブドリン酸が好ましい。
また、タングステン化合物の具体例として、酸化タングステン、タングステン酸アンモニウム、タングステン縮合酸塩等が挙げられるが、酸化タングステン、タングステン酸アンモニウム、タングストリン酸が好ましい。
これら化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。勿論、モリブデン化合物とタングステン化合物を組み合わせて用いることができる。
ニッケル化合物の具体例として、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、塩化ニッケル等が挙げられるが、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、酢酸ニッケルが好ましい。
また、コバルト化合物の具体例として、硝酸コバルト、硫酸コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルト、シュウ酸コバルト、塩化コバルト等が挙げられるが、硝酸コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルトが好ましい。
これらの化合物は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。勿論、ニッケル化合物とコバルト化合物を組み合わせて用いることができる。
また、触媒の調製に際して、第6族金属や第8族金属の触媒金属の化合物の水溶性を向上させるために有機酸を添加してもよい。この有機酸として種々のものを用いることができる。具体例として酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、トリカルバリル酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、ピルビン酸、クエン酸1水和物、無水クエン酸、イソクエン酸、アロイソクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられるが無水クエン酸、イソクエン酸、クエン酸1水和物が好ましい。
なお、金属質量は、触媒を混酸に溶解した後、ICP分光法(誘導結合高周波プラズマ分光法)によって測定が可能である。
特に好ましくは含浸法で担持する方法であるが、複数の活性金属を担持する場合、同時に含浸してもよいし、個々に含浸してもよい。個々に含浸する場合、含浸順序に特に制限は無いが、第6族金属を担持した後、第8族金属を担持することが好ましい。
金属を担持させた後、乾燥、焼成の処理を施す。乾燥方法の条件は特に制限されず、例えば、通常の風乾、熱風乾燥、加熱乾燥等の方法で、これらの方法に採用される通常の条件が採用される。乾燥後、電気炉、マッフル炉等を使用し、空気流通下で焼成が行われるが、焼成温度は400〜700℃が好ましく、500〜700℃がより好ましく、600〜700℃が特に好ましい。さらに、脱硫活性向上のためには、焼成温度を担体焼成温度よりも高温とすることが好ましい。特に、担体焼成温度よりも50〜250℃高温であることが好ましく、100〜250℃高温であることが更に好ましい。
S=exp(0.04×Iave.+0.013×Imax.−0.143×Imin.)≦1 ‥‥‥式(1)
式(1)において、Imax.はEPMA線分析によるリン原子の濃度測定値の最大値であり、Imin.はEPMA線分析によるリン原子の濃度測定値の最小値であり、Iave.はEPMA線分析によるリン原子の濃度測定値の平均値である。
・試料作成
触媒試料をMMA樹脂に包埋し、切削法により、平滑な触媒断面を得た後、表面にカーボン蒸着した。
・測定条件
加速電圧 ;15kV
照射電流 ;1×10−7A
デ−タ点数;250
取り込み時間;30msec/点
中段触媒層に用いる触媒における窒素吸着法(BET法)にて測定した比表面積は150〜350m2/gが好ましく、200〜330m2/gがより好ましい。比表面積が150m2/g以上であれば活性金属が十分に高分散化されており、硫化処理することによる活性点の凝集等を抑制でき高脱硫性能を発現可能であり、350m2/g以下であれば触媒細孔直径が極端に小さくならないため、対象硫黄化合物が十分に細孔内で拡散可能であること、および堆積金属による触媒細孔閉塞を低減可能である点から好ましい。
A=1.74×SA+8.68×PSD−960 > 0 ‥‥‥式(2)
式(2)において、SAは比表面積、PSDは細孔直径が平均細孔直径±1.5nmの範囲にある細孔の全容積と全細孔容積の比を百分率で示した値である。
中段触媒層に用いる触媒は、式(2)で示したA値が0以上、好ましくは100以上であることが好適である。A値が高い程、活性金属の触媒活性を有効に発現できることを示しており、A値が0以上であれば、活性金属の分散性と対象硫黄化合物の拡散性の制御が好適であるため、好ましい。
マイクロカロリメトリー法にて測定した100〜200kJ/molのアンモニア吸着熱を発する酸点が、触媒1g当たり、250μmol以上であれば所望の触媒活性を発現できる十分な酸点があり、380μmol以下であれば、過剰な酸点による対象炭化水素油の過分解によるコーク生成を抑制し、触媒活性の低下を抑制できるため、好ましい。
マイクロカロリメトリー法は、触媒を所定量、吸着管に充填し、所定温度のもとアンモニアガスを一定量のパルスで導入し、触媒に吸着させ、吸着の際に生じる吸着熱を測定し、酸強度および酸量を測定する方法である。ここで、吸着熱は酸強度を、吸着量は酸量に相当する。本発明において測定を実施したマイクロカロリメトリー法の測定条件を以下に示した。
測定装置は、東京理工(株)製、高温熱測定法表面解析装置を使用し、触媒を400℃で4時間真空乾燥させた後、恒温層を150℃一定とし、アンモニアガスを導入して吸着熱をTian-Calvet型熱量計により測定した。
第2金属成分の他の水素化活性金属の担持量は適宜選定すればよいが、一般に、上記の第6族金属の担持量において、触媒基準、酸化物換算で0.001〜5質量%、好ましくは1〜4質量%である。
他の水素化活性金属の担持量を増加させると、水素化処理活性、特に脱金属活性は増加するが、触媒寿命は短くなる傾向があり、減少させると、十分な水素化処理活性、特に脱金属活性が得られない傾向がある。
好ましくは、上記第6族金属の少なくとも1種と第8族金属の少なくとも1種に加えて、更にリチウムを担持させたものである。
本発明は、ニッケル、バナジウム等の重金属分が10〜1500ppm、特に30〜1000ppm、硫黄分が1〜6質量%、特に2〜5質量%、アスファルテン分が1〜15質量%、特に2〜10質量%の重質炭化水素油に対して効果的である。
前段触媒層で使用した触媒の物理性状を表1に、中段触媒層で使用した触媒の物理性状を表2に、後段触媒層で使用した触媒の物理性状を表3にそれぞれ示し、また、これらの各触媒の水素化活性金属、リン、亜鉛、リチウムの、触媒基準、酸化物換算の含有量を表4に示した。尚、表2に、EPMAによる線分析により求めたS値、マイクロカロリメトリー法により測定した100〜200kJ/molのアンモニア吸着熱を発する触媒1g当たりの酸量、および比表面積と細孔分布から求めたA値も併せて示した。
3種類の触媒を固定床高圧流通式反応装置に充填し、下記性状の原料油を用いて、下記反応条件で水素化処理を行い、それぞれ生成油を得た。
原料油 常圧残油
密度(15℃) 0.9660g/ml
アスファルテン分 2.7質量%
硫黄分 3.1質量%
ニッケル分 12ppm
バナジウム分 27ppm
<原料油2の性状>
原料油 常圧残油
密度(15℃) 0.9856g/ml
アスファルテン分 5.9質量%
硫黄分 4.1質量%
ニッケル分 27ppm
バナジウム分 93ppm
<原料油3の性状>
原料油 ボスカン原油
密度(15℃) 1.0000g/ml
硫黄分 4.7質量%
ニッケル分 120ppm
バナジウム分 1300ppm
水素分圧 10.0MPa
反応温度 320℃〜400℃
LHSV 0.3h−1
水素/油比 600NL/L
<反応条件2>
水素分圧 15.0MPa
反応温度 320℃〜400℃
LHSV 0.2h−1
水素/油比 900NL/L
<反応条件3>
水素分圧 10.0MPa
反応温度 370℃
LHSV 1.0h−1
水素/油比 1700NL/L
上記水素化処理操作において、原料油1を用いた反応条件1の条件下で、前段触媒として水素化処理触媒Aを、中段触媒として水素化処理触媒Cを、後段触媒として水素化処理触媒Hをこの順で容積比20:20:60で固定床高圧流通式反応装置に充填し、前段触媒の水素化処理触媒Aから順次原料油を接触せしめて水素化処理を行い、生成油を得た。
さらに、原料油として原料油3を用いた点と反応条件3の条件下で行った以外は上記と同様に水素化処理を行い、生成油を得た。
上記水素化処理操作において、原料油1を用いた反応条件1の条件下で、前段触媒として水素化処理触媒Aを、中段触媒として水素化処理触媒Dを、後段触媒として水素化処理触媒Hをこの順で容積比20:20:60で固定床高圧流通式反応装置に充填し、前段触媒の水素化処理触媒Aから順次原料油を接触せしめて水素化処理を行い、生成油を得た。
さらに、原料油として原料油3を用いた点と反応条件3の条件下で行った以外は上記と同様に水素化処理を行い、生成油を得た。
上記水素化処理操作において、原料油1を用いた反応条件1の条件下で、前段触媒として水素化処理触媒Bを、中段触媒として水素化処理触媒Cを、後段触媒として水素化処理触媒Hをこの順で容積比20:20:60で固定床高圧流通式反応装置に充填し、前段触媒の水素化処理触媒Bから順次原料油を接触せしめて水素化処理を行い、生成油を得た。
さらに、原料油として原料油3を用いた点と反応条件3の条件下で行った以外は上記と同様に水素化処理を行い、生成油を得た。
上記水素化処理操作において、原料油1を用いた反応条件1の条件下で、前段触媒として水素化処理触媒Aを、中段触媒として水素化処理触媒Cを、後段触媒として水素化処理触媒Iをこの順で容積比20:20:60で固定床高圧流通式反応装置に充填し、前段触媒の水素化処理触媒Aから順次原料油を接触せしめて水素化処理を行い、生成油を得た。
さらに、原料油として原料油3を用いた点と反応条件3の条件下で行った以外は上記と同様に水素化処理を行い、生成油を得た。
上記水素化処理操作において、原料油1を用いた反応条件1の条件下で、前段触媒として水素化処理触媒Bを、中段触媒として水素化処理触媒Cを、後段触媒として水素化処理触媒Iをこの順で容積比20:20:60で固定床高圧流通式反応装置に充填し、前段触媒の水素化処理触媒Bから順次原料油を接触せしめて水素化処理を行い、生成油を得た。
さらに、原料油として原料油3を用いた点と反応条件3の条件下で行った以外は上記と同様に水素化処理を行い、生成油を得た。
上記水素化処理操作において、原料油2を用いた反応条件2の条件下で、前段触媒として水素化処理触媒Aを、中段触媒として水素化処理触媒Cを、後段触媒として水素化処理触媒Hをこの順で容積比35:30:35で固定床高圧流通式反応装置に充填し、前段触媒の水素化処理触媒Aから順次原料油を接触せしめて水素化処理を行い、生成油を得た。
さらに、原料油として原料油3を用いた点と反応条件3の条件下で行った以外は上記と同様に水素化処理を行い、生成油を得た。
上記水素化処理操作において、原料油1を用いた反応条件1の条件下で、前段触媒として水素化処理触媒Aを、中段触媒として水素化処理触媒Eを、後段触媒として水素化処理触媒Hをこの順で容積比20:20:60で固定床高圧流通式反応装置に充填し、前段触媒の水素化処理触媒Aから順次原料油を接触せしめて水素化処理を行い、生成油を得た。
さらに、原料油として原料油3を用いた点と反応条件3の条件下で行った以外は上記と同様に水素化処理を行い、生成油を得た。
上記水素化処理操作において、原料油1を用いた反応条件1の条件下で、前段触媒として水素化処理触媒Aを、中段触媒として水素化処理触媒Fを、後段触媒として水素化処理触媒Hをこの順で容積比20:20:60で固定床高圧流通式反応装置に充填し、前段触媒の水素化処理触媒Aから順次原料油を接触せしめて水素化処理を行い、生成油を得た。
さらに、原料油として原料油3を用いた点と反応条件3の条件下で行った以外は上記と同様に水素化処理を行い、生成油を得た。
上記水素化処理操作において、原料油1を用いた反応条件1の条件下で、前段触媒として水素化処理触媒Aを、中段触媒として水素化処理触媒Gを、後段触媒として水素化処理触媒Hをこの順で容積比20:20:60で固定床高圧流通式反応装置に充填し、前段触媒の水素化処理触媒Aから順次原料油を接触せしめて水素化処理を行い、生成油を得た。
さらに、原料油として原料油3を用いた点と反応条件3の条件下で行った以外は上記と同様に水素化処理を行い、生成油を得た。
上記水素化処理操作において、原料油2を用いた反応条件2の条件下で、前段触媒として水素化処理触媒Aを、中段触媒として水素化処理触媒Eを、後段触媒として水素化処理触媒Hをこの順で容積比35:30:35で固定床高圧流通式反応装置に充填し、前段触媒の水素化処理触媒Aから順次原料油を接触せしめて水素化処理を行い、生成油を得た。
さらに、原料油として原料油3を用いた点と反応条件3の条件下で行った以外は上記と同様に水素化処理を行い、生成油を得た。
上記実施例1〜6および比較例1〜4における反応生成油中の硫黄分を測定し、この値から下記式に基づいて下記のように反応速度定数(ks)を求めた。
硫黄分の測定方法は、JIS K2541 原油および石油製品硫黄分析試験方法(放射線励起法)によった。
ここで、ks:反応速度定数、Co:原料油中の硫黄分(質量%)、C:生成油中の硫黄分(質量%)である。
ここでksaは対象条件において得られた値ks、ksbは基準条件において得られた値ksを示す。実施例1〜5および比較例1〜3(原料油1、反応条件1)に対しては、比較例1(原料油1、反応条件1)を基準条件とした。また、実施例6および比較例4(原料油2、反応条件2)に対しては、比較例4(原料油2、反応条件2)を基準条件とした。それぞれ基準条件の脱硫活性レベルを100とし、対象条件の脱硫活性レベルを相対値で示した。各条件における相対活性比較結果は表5に示した。
実施例1〜6および比較例1〜4において、上記原料油3を用い、反応条件3で行った水素化処理で得られた生成油の金属(ニッケル、バナジウム)含有量を測定した。
耐金属性能の評価は、水素化脱硫活性が20%以下になった時点で触媒上に堆積した金属(ニッケルおよびバナジウム)量(質量%)により評価した。ここで、触媒上に堆積したニッケルおよびバナジウム量の測定は、高周波プラズマ発光金属分析計を用いて行った。実施例1〜5および比較例1〜3(原料油3、反応条件3)に対しては、比較例1(原料油3、反応条件3)を基準条件とした。また、実施例6および比較例4(原料油3、反応条件3)に対しては、比較例4(原料油3、反応条件3)を基準条件とした。それぞれ基準条件の耐金属性能レベルを100とし、対象条件の耐金属性能レベルを相対値で示した。各条件における相対性能比較結果は表5に示した。
Claims (6)
- (a)重質炭化水素油を、水素分圧4〜20MPa、水素/油比400〜3000NL/L、温度320〜450℃、液空間速度0.05〜5hー1で、無機酸化物担体に水素化活性金属を担持した触媒からなる前段触媒層、中段触媒層および後段触媒層の3段の触媒層と順次接触させて水素化処理する方法であって、
(b)前段触媒層として用いる触媒の比表面積が70m2/g以上、細孔容積が0.6ml/g以上、平均細孔直径が15〜35nmであり、中段触媒層として用いる触媒の比表面積が150m2/g以上、細孔容積が0.4ml/g以上、平均細孔直径が6〜18nmであり、後段触媒層として用いる触媒の比表面積が150m2/g以上、細孔容積が0.4ml/g以上、平均細孔直径が5〜15nmであり、
(c)この3種類の触媒の充填割合が、全触媒層容積基準で、前段触媒層が10〜50%、中段および後段触媒層がそれぞれ15〜70%であって、
(d)中段触媒層として用いる触媒が、触媒基準、酸化物換算で周期律表第6族金属から選ばれた少なくとも1種を3〜30質量%、周期律表第8族金属から選ばれた少なくとも1種を2〜10質量%それぞれ含み、前記金属の酸化物換算質量比(第6族金属/第8族金属比)が1.5〜3.5であって、かつリンを触媒基準で0.3〜2質量%含み、このリン原子のエレクトロンプローブ・マイクロアナリシス(EPMA)装置により、触媒中心を通る断面幅方向における線分析結果のリン原子の分布が下記の式(1)で表されるS値を満足することを特徴とする炭化水素油の水素化処理触媒であることを特徴とする炭化水素油の水素化処理方法。
S=exp(0.04×Iave.+0.013×Imax.−0.143×Imin.)≦1 ‥‥‥式(1)
(式(1)において、Imax.はEPMA線分析によるリン原子の濃度測定値の最大値であり、Imin.はEPMA線分析によるリン原子の濃度測定値の最小値であり、Iave.はEPMA線分析によるリン原子の濃度測定値の平均値である。) - 前記中段触媒層として用いる触媒が、その比表面積150〜350m2/g、細孔容積0.4〜0.8ml/g、平均細孔直径6〜18nmであり、かつ細孔直径が平均細孔直径±1.5nmの範囲にある細孔の全容積が全細孔容積の50%以上を占め、かつ下記の式(2)で表されるA値を満足することを特徴とする請求項1に記載の炭化水素油の水素化処理方法。
A=1.74×SA+8.68×PSD−960 > 0 ‥‥‥式(2)
(式(2)において、SAは比表面積、PSDは細孔直径が平均細孔直径±1.5nmの範囲にある細孔の全容積と全細孔容積の比を百分率で示した値である。) - 前記中段触媒層として用いる触媒が、マイクロカロリメトリー法にて測定した100〜200kJ/molのアンモニア吸着熱を発する酸点を、触媒1g当り、250〜380μmolの範囲で有していることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化水素油の水素化処理方法。
- 前記中段触媒層として用いる触媒が、
無機酸化物担体の原料をリンを含む水溶液で水分調整し、混練、成形、焼成することにより調製された比表面積180〜500m2/g、細孔容積0.6〜1ml/g、平均細孔直径5〜17nmである、リンを触媒基準、酸化物換算で0.3〜2質量%含む無機酸化物担体上に、周期律表第6族金属から選ばれた少なくとも1種を含む化合物と、周期律表第8族金属から選ばれた少なくとも1種を含む化合物を含有する溶液を用い、触媒基準、酸化物換算で周期律第6族金属を3〜30質量%、周期律表第8族金属を2〜10質量%、前記金属の酸化物換算質量比(第6族金属/第8族金属比)が1.5〜3.5となるように担持させ、その後400〜700℃で空気雰囲気下、1〜10時間焼成する製造方法により製造した触媒であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素油の水素化処理方法。 - 前記前段触媒層として用いる触媒が、水素化活性金属に加えて、亜鉛を触媒基準、酸化物換算で1〜20質量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭化水素油の水素化処理方法。
- 前記後段触媒層として用いる触媒が、水素化活性金属に加えて、リチウムを触媒基準、酸化物換算で0.05〜0.8質量%含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭化水素油の水素化処理方法。
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