JP2006341201A - 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貴金属粒子の粗大化を効率的に抑制する。
【解決手段】貴金属粒子3と、貴金属粒子3が担持された基材1とを備え、貴金属粒子3と基材1の接触領域の少なくとも一部に貴金属粒子3と基材1の化合物4が形成されている。これにより、化合物4によって貴金属粒子3の移動が抑制される(アンカー効果)ので、貴金属粒子3の粗大化が抑制され、排気ガス浄化用触媒の浄化性能が使用に伴い低下することを抑制できる。
【選択図】図1
【解決手段】貴金属粒子3と、貴金属粒子3が担持された基材1とを備え、貴金属粒子3と基材1の接触領域の少なくとも一部に貴金属粒子3と基材1の化合物4が形成されている。これにより、化合物4によって貴金属粒子3の移動が抑制される(アンカー効果)ので、貴金属粒子3の粗大化が抑制され、排気ガス浄化用触媒の浄化性能が使用に伴い低下することを抑制できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、貴金属粒子と当該貴金属粒子を担持する基材とから成る排気ガス浄化用触媒及びその製造方法に関する。
近年、内燃機関から排出される排出ガス中に含まれる炭化水素系化合物(HC),一酸化炭素(CO),窒素酸化物(NOx)等の有害物質を除去するために、アルミナ(Al2O3)等の金属酸化物担体に白金(Pt)等の貴金属を担持した排気ガス浄化用触媒が広く利用されるようになっている。ところで、従来の排気ガス浄化用触媒では、貴金属の耐久性を向上(シンタリング抑制)させるために、貴金属が多量に用いられている。しかしながら、貴金属を多量に用いることは地球資源保護の観点から見ると望ましくない。このような背景から、最近では、貴金属を微粒化することによって貴金属の表面積を大きくすることにより、有害物質を効率よく浄化する試みがなされている(特許文献1を参照)。
特開2000−42411号公報
しかしながら、貴金属粒子は、製造初期は数nm以下の超微粒子状態を維持するが、高温の酸化雰囲気中では、表面が酸化され、近傍の貴金属粒子と合体することにより、数10nm程度の大きさまで粗大化してしまう。そしてこの結果、貴金属の表面積が低下することにより、有害物質の浄化性能が低下してしまう。なお、このような問題を解決するために、逆ミセル法を利用して表面積が大きい貴金属粒子を製造する方法が提案されてはいるが、このような方法は量産性の面で問題がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、貴金属粒子の粗大化を効率的に抑制することが可能な排気ガス浄化用触媒及びその製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明に係る排気ガス浄化用触媒は、貴金属粒子と、貴金属粒子が担持された基材とを備え、貴金属粒子と基材の接触領域の少なくとも一部に貴金属粒子と基材の化合物が形成されている。また、本発明に係る排気ガス浄化用触媒の製造方法は、貴金属粒子と貴金属粒子を担持する基材の接触領域の少なくとも一部に貴金属粒子と基材の化合物を形成する。
本発明に係る排気ガス浄化用触媒及びその製造方法によれば、貴金属粒子と基材の接触領域の少なくとも一部に形成された貴金属粒子と基材の化合物によって貴金属粒子の移動が抑制される(アンカー効果)ので、貴金属粒子の粗大化が抑制され、排気ガス浄化用触媒の浄化性能が使用に伴い低下することを抑制できる。
本発明に係る排気ガス浄化用触媒は、図1に示すように、貴金属粒子3と、貴金属粒子3が担持された基材1とを備え、貴金属粒子3と基材1の接触領域の少なくとも一部に貴金属粒子3と基材1の化合物4が形成されている。なお、本発明に係る排気ガス浄化用触媒において、貴金属粒子3としては、Pt(白金),Pd(パラジウム),Rh(ロジウム)を例示することができる。また、基材1としては、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの少なくともいずれか一方を含む基材を例示することができる。
アルミナやジルコニア等を含む基材中に酸化セリウム等を分散させ、この基材にPtを担持した従来の排気ガス浄化用触媒では、PtはPt−O−Ptの結合状態を形成し、基材に含まれるセリアは基材表面でCe−O−Ceの結合状態を形成する。そして、この時、Pt−O−Pt結合中及びCe−O−Ce結合中の酸素(O)はいずれもマイナスの電荷を帯びるためにPt間に斥力を生じる。このため、従来の排気ガス浄化用触媒では、Ptは斥力にyって移動しやすくなり、Ptの粒成長が生じやすい。
これに対して、本発明に係る排気ガス浄化用触媒では、上述の通り、貴金属粒子3と基材1の接触領域の少なくとも一部に貴金属粒子3と基材1の化合物4が形成されているので、化合物4によって貴金属粒子3の移動を抑制することができる。従って、本発明に係る排気ガス浄化用触媒によれば、貴金属粒子3の移動に伴う貴金属粒子3の粗大化が抑制され、排気ガス浄化用触媒の浄化性能が使用に伴い低下することを抑制できる。
なお、本発明に係る排気ガス浄化用触媒において、貴金属粒子3がPtである場合、基材1は、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの少なくともいずれかを含む基材中に、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化カルシウム、及び酸化エルビウムの酸化物群の中から選択される一又は二以上の酸化物2を分散させたものであることが望ましい。
また、本発明に係る排気ガス浄化用触媒において、貴金属粒子3がPdである場合には、基材1は、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの少なくともいずれかを含む基材中に、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ストロンチウム、及び酸化エルビウムの酸化物群の中から選択される一又は二以上の酸化物2を分散させたものであることが望ましい。
また、本発明に係る排気ガス浄化用触媒において、貴金属粒子3がRhである場合には、基材1は、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの少なくともいずれかを含む基材中に、酸化セリウム、酸化バリウム、酸化エルビウム、及び酸化ランタンの酸化物群の中から選択される一又は二以上の酸化物を分散させたものであることが望ましい。
また、本発明に係る排気ガス浄化用触媒において、貴金属粒子3がPtである場合、貴金属粒子3と基材1の接触領域の少なくとも一部に形成される化合物4としては、CePt5、CePt2、Ce3Pt4、CePt、Ce3Pt2、Ce7Pt3、又は、BaPt5、BaPt2、又は、FePt3、FePt、Fe3Pt、又は、ErPt5、ErPt3、ErPt2、ErPt、Er5Pt4、Er5Pt3、Er2Pt、Er3Pt、又は、LaPt5、LaPt2、La3Pt4、LaPt、La3Pt2、La7Pt3、又は、Pt3Zr5、PtZr、Pt3Zr、又は、ZrOPt3O、又は、CaPt2O4、又は、Ca4PtO6を例示することができる。
また、本発明に係る排気ガス浄化用触媒において、貴金属粒子3がPdである場合、貴金属粒子3と基材1の接触領域の少なくとも一部に形成される化合物4としては、CePd7、CePd3、Ce3Pd5、CePd、Ce3Pd2、Ce7Pd3、又は、BaPd5、BaPd2、又は、FePd3、FePd、又は、ErPd3、ErPd2、Er2Pd3、Er3Pd4、ErPd、Er3Pd2、Er5Pd2、又は、LaPd3、La3Pd4、LaPd、La7Pd3、又は、TiPd3、TiPd2、Ti3Pd5、Ti2Pd3、TiPd、Ti4Pd、又は、Pd3Zr2、PdZr、Pd2Zr、Pd3Zr、又は、CaPd3O4、SrPdO2、Sr2PdO3を例示することができる。
また、本発明に係る排気ガス浄化用触媒において、貴金属粒子3がRhである場合、貴金属粒子3と基材1の接触領域の少なくとも一部に形成される化合物4としては、CeRh3、CeRh2、CeRh、Ce5Rh4、Ce4Rh3、Ce3Rh2、Ce5Rh2、Ce7Rh3、又は、BaRh2、又は、ErRh2、ErRh、Er3Rh2、Er5Rh3、Er7Rh3、Er3Rh、又は、LaRh3、LaRh2、LaRh、La5Rh4、La3Rh、La5Rh3、又は、Rh3Zr、Rh5Zr3、Rh4Zr3、RhZr、RhZr2を例示することができる。
以下、本発明に係る排気ガス浄化用触媒を実施例に基づいて具体的に説明する。
〔実施例1〕
実施例1では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気500[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。このPt担持試料をX線回折で分析した所、PtとCePt5の存在が確認された。
実施例1では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気500[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。このPt担持試料をX線回折で分析した所、PtとCePt5の存在が確認された。
次に、Pt担持試料173.4[g]とベーマイトアルミナ1.6[g]に水307.5[g]と10[%]硝酸水溶液17.5[g]を加え、基材の粉砕を行うことにより、平均粒径3[μm]のスラリーAを調製した。また、ジルコニウムを3[%]含むγ-アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸することにより、ロジウム0.6[%]担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24[%]複合化することにより、ジルコニア基材を調製した。
そして、ロジウム0.6[%]担持粉末116.55[g]とジルコニア基材44.45[g],アルミナ基材(γ-アルミナに酸化セリウム9[%],酸化ジルコニウム6[%],及び酸化ランタン6[%]を複合化したもの)11[g],及びベーマイトアルミナ3[g]をボールミルに加え、水307.5[g]と10[%]硝酸水溶液17.5[g]を加えて粉砕し、平均粒径3[μm]のスラリーRを調製した。
次に、直径36[φ]400[セル]6[ミル]のハニカム担体(容量0.04[L])にスラリーAを141[g/L]コーティングして乾燥させた後、スラリーRを59[g/L]コーティングして再び乾燥させた後、400[℃]で焼成することにより実施例1のCePt5化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例1の触媒試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔実施例2〕
実施例2では、始めに、γ-アルミナに硝酸鉄を含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化鉄を20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気700[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。このPt担持試料をX線回折で分析した所、PtとFePt3の存在が確認された。以後、実施例1と同様の処理により、実施例2のFePt3化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例2の触媒試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
実施例2では、始めに、γ-アルミナに硝酸鉄を含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化鉄を20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気700[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。このPt担持試料をX線回折で分析した所、PtとFePt3の存在が確認された。以後、実施例1と同様の処理により、実施例2のFePt3化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例2の触媒試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔実施例3〕
実施例3では、始めに、γ-アルミナに硝酸ランタンを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化ランタンを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気500[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。このPt担持試料をX線回折で分析した所、PtとLaPt5の存在が確認された。以後、実施例1と同様の処理により、実施例3のLaPt5化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例3の触媒試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
実施例3では、始めに、γ-アルミナに硝酸ランタンを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化ランタンを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気500[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。このPt担持試料をX線回折で分析した所、PtとLaPt5の存在が確認された。以後、実施例1と同様の処理により、実施例3のLaPt5化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例3の触媒試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔実施例4〕
実施例4では、始めに、Ptを1.175[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]に酸化ジルコニウム198.825[g]を加えた後、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、酸化ジルコニウムにPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気700[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。このPt担持試料をX線回折で分析した所、PtとZrPt3の存在が確認された。
実施例4では、始めに、Ptを1.175[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]に酸化ジルコニウム198.825[g]を加えた後、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、酸化ジルコニウムにPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気700[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。このPt担持試料をX線回折で分析した所、PtとZrPt3の存在が確認された。
次に、Pt担持試料138.72[g],酸化セリウム34.68[g],及びベーマイトアルミナ1.6[g]に水307.5[g]と10[%]硝酸水溶液17.5[g]を加え、酸化セリウムを分散させると共に基材の粉砕を行うことにより、平均粒径3[μm]のスラリーDを調製した。また、ジルコニウムを3[%]含むγ-アルミナと酸化ジルコニウムの複合化合物に硝酸ロジウムを含浸することにより、ロジウム0.6[%]担持粉末を調製した。また、酸化ジルコニウムに酸化セリウムを24[%]複合化することにより、ジルコニア基材を調製した。
そして、ロジウム0.6[%]担持粉末116.55[g]とジルコニア基材44.45[g],アルミナ基材(γ-アルミナに酸化セリウム9[%],酸化ジルコニウム6[%],及び酸化ランタン6[%]を複合化したもの)11[g],及びベーマイトアルミナ3[g]をボールミルに加え、水307.5[g]と10[%]硝酸水溶液17.5[g]を加えて粉砕し、平均粒径3[μm]のスラリーRを調製した。
次に、直径36[φ]400[セル]6[ミル]のハニカム担体(容量0.04[L])にスラリーDを141[g/L]コーティングして乾燥させた後、スラリーRを59[g/L]コーティングして再び乾燥させた後、400[℃]で焼成することにより実施例4のZrPt3化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例4の触媒試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔実施例5〕
実施例5では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Pdを0.94[g]含むジニトロジアミンPd溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPdを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気500[℃]で焼成することによりPd担持試料を調製した。このPd担持試料をX線回折で分析した所、PdとCePd7の存在が確認された。以後、実施例1と同様の処理により、実施例5のCePd7化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例5の触媒試料は、Pd,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
実施例5では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Pdを0.94[g]含むジニトロジアミンPd溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPdを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気500[℃]で焼成することによりPd担持試料を調製した。このPd担持試料をX線回折で分析した所、PdとCePd7の存在が確認された。以後、実施例1と同様の処理により、実施例5のCePd7化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例5の触媒試料は、Pd,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔実施例6〕
実施例6では、始めに、γ-アルミナに硝酸鉄を含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化鉄を20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Pdを0.94[g]含むジニトロジアミンPd溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPdを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気500[℃]で焼成することによりPd担持試料を調製した。このPd担持試料をX線回折で分析した所、PdとFePd3の存在が確認された。以後、実施例1と同様の処理により、実施例6のFePd3化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例6の触媒試料は、Pd,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
実施例6では、始めに、γ-アルミナに硝酸鉄を含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化鉄を20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Pdを0.94[g]含むジニトロジアミンPd溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPdを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気500[℃]で焼成することによりPd担持試料を調製した。このPd担持試料をX線回折で分析した所、PdとFePd3の存在が確認された。以後、実施例1と同様の処理により、実施例6のFePd3化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例6の触媒試料は、Pd,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔実施例7〕
実施例7では、始めに、γ-アルミナに硝酸ジルコニウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化ジルコニウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Pdを0.94[g]含むジニトロジアミンPd溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPdを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気700[℃]で焼成することによりPd担持試料を調製した。このPd担持試料をX線回折で分析した所、PdとZrPd3の存在が確認された。以後、実施例1と同様の処理により、実施例7のZrPd3化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例7の触媒試料は、Pd,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
実施例7では、始めに、γ-アルミナに硝酸ジルコニウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化ジルコニウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Pdを0.94[g]含むジニトロジアミンPd溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPdを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気700[℃]で焼成することによりPd担持試料を調製した。このPd担持試料をX線回折で分析した所、PdとZrPd3の存在が確認された。以後、実施例1と同様の処理により、実施例7のZrPd3化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例7の触媒試料は、Pd,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔実施例8〕
実施例8では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。
実施例8では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。
次に、Pt担持試料173.4[g]とベーマイトアルミナ1.6[g]に水307.5[g]と10[%]硝酸水溶液17.5[g]を加え、基材の粉砕を行うことにより、平均粒径3[μm]のスラリーHを調製した。次に、Rhを1.26[g]含む硝酸Rh溶液400[ml]に酸化セリウム98.74[g]を加えた後、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをRhの3倍モル量加えることにより、酸化セリウムにRhを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気500[℃]で焼成することによりRh担持試料を調製した。このRh担持試料をX線回折で分析した所、RhとCeRh3の存在が確認された。
次に、Rh担持試料55.45[g]と酸化ジルコニウム116.55[g]、ベーマイトアルミナ3[g]をボールミルに加え、水307.5[g]と10[%]硝酸水溶液17.5[g]を加えて粉砕し、平均粒径3[μm]のスラリーSを調製した。次に、直径36[φ]400[セル]6[ミル]のハニカム担体(容量0.04[L])にスラリーHを141[g/L]コーティングして乾燥させた後、スラリーSを59[g/L]コーティングして再び乾燥させた後、400[℃]で焼成することにより実施例8のCeRh3化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例8の触媒試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔実施例9〕
実施例9では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。
実施例9では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。
次に、Pt担持試料173.4[g]とベーマイトアルミナ1.6[g]に水307.5[g]と10[%]硝酸水溶液17.5[g]を加え、酸化セリウムを分散させると共に基材の粉砕を行うことにより、平均粒径3[μm]のスラリーHを調製した。次に、Rhを1.26[g]含む硝酸Rh溶液400[ml]に酸化ジルコニウム198.8[g]を加えた後、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをRhの3倍モル量加えることにより、酸化ジルコニウムにRhを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥した後、水素雰囲気700[℃]で焼成することによりRh担持試料を調製した。このRh担持試料をX線回折で分析した所、RhとZrRh3の存在が確認された。
次に、Rh担持試料116.55[g]と酸化セリウム55.45[g]、ベーマイトアルミナ3[g]をボールミルに加え、水307.5[g]と10[%]硝酸水溶液17.5[g]を加えて粉砕し、平均粒径3[μm]のスラリーTを調製した。次に、直径36[φ]400[セル]6[ミル]のハニカム担体(容量0.04[L])にスラリーHを141[g/L]コーティングして乾燥させた後、スラリーTを59[g/L]コーティングして再び乾燥させた後、400[℃]で焼成することにより実施例9のZrRh3化合物付き触媒試料を得た。なお、この実施例9の触媒試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔比較例1〕
比較例1では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。以後、実施例1と同様の処理により、比較例1の試料を得た。なお、この比較例1の試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
比較例1では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。以後、実施例1と同様の処理により、比較例1の試料を得た。なお、この比較例1の試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔比較例2〕
比較例2では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Pdを0.94[g]含むジニトロジアミンPd溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPdを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりPd担持試料を調製した。以後、実施例1と同様の処理により、比較例2の試料を得た。なお、この比較例2の試料は、Pd,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
比較例2では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Pdを0.94[g]含むジニトロジアミンPd溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPdの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPdを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりPd担持試料を調製した。以後、実施例1と同様の処理により、比較例2の試料を得た。なお、この比較例2の試料は、Pd,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔比較例3〕
比較例3では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。
比較例3では、始めに、γ-アルミナに酢酸セリウムを含浸し、乾燥後、600[℃]で焼成することにより、酸化セリウムを20[%]含むアルミナ基材を調製した。次に、Ptを0.94[g]含むジニトロジアミンPt溶液400[ml]にアルミナ基材199.06[g]を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをPtの3倍モル量加えることにより、アルミナ基材にPtを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりPt担持試料を調製した。
次に、Pt担持試料173.4[g]とベーマイトアルミナ1.6[g]に水307.5[g]と10[%]硝酸水溶液17.5[g]を加え、基材の粉砕を行うことにより、平均粒径3[μm]のスラリーHを調製した。次に、Rhを1.26[g]含む硝酸Rh溶液400[ml]に酸化ジルコニウム198.8[g」を加え、攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウムをRhの3倍モル量加えることにより、酸化ジルコニウムにRhを析出させた。そして、これをろ過,洗浄,乾燥,400[℃]で焼成することによりRh担持試料を調製した。
次に、Rh担持試料116.55[g]と酸化セリウム55.45[g],ベーマイトアルミナ3[g]をボールミルに加え、水307.5[g]と10[%]硝酸水溶液17.5[g]を加えて粉砕し、平均粒径3[μm]のスラリーUを調製した。次に、直径36[φ]400[セル]6[ミル]のハニカム担体(容量0.04[L])にスラリーHを141[g/L]コーティングして乾燥させた後、スラリーUを59[g/L]コーティングして再び乾燥させた後、400[℃]で焼成することにより比較例3の試料を得た。なお、この比較例3の触媒試料は、Pt,Rhをそれぞれ0.657,0.236[g/L]担持する。
〔試験方法〕
排気量3500[cc]のV型エンジンの排気系に片バンクあたり上記各実施例及び各比較例の排気ガス浄化触媒を5個ずつ装着し、国内レギュラーガソリンを使用して触媒入口温度を650[℃]として30時間エンジンを稼働させた(耐久試験)。そして、耐久試験後、上記各実施例及び各比較例の排気ガス浄化触媒を模擬排気ガス流通装置に組み込み、以下の表1に示す組成の模擬排気ガスを流通させ、触媒温度を30[℃/分]の速度で昇温させながら、NOx,CO,及びHCの浄化率が50[%]になる温度を調べた。この評価結果を表2にまとめて示す。また、図2には実施例及び比較例毎のHCの浄化率が50[%]になる温度を示す。
排気量3500[cc]のV型エンジンの排気系に片バンクあたり上記各実施例及び各比較例の排気ガス浄化触媒を5個ずつ装着し、国内レギュラーガソリンを使用して触媒入口温度を650[℃]として30時間エンジンを稼働させた(耐久試験)。そして、耐久試験後、上記各実施例及び各比較例の排気ガス浄化触媒を模擬排気ガス流通装置に組み込み、以下の表1に示す組成の模擬排気ガスを流通させ、触媒温度を30[℃/分]の速度で昇温させながら、NOx,CO,及びHCの浄化率が50[%]になる温度を調べた。この評価結果を表2にまとめて示す。また、図2には実施例及び比較例毎のHCの浄化率が50[%]になる温度を示す。
なお、比較例1の試料は、担体の第1層(内層)としてセリア入りアルミナ基材にPtを析出担持し、第2層としてRhを含浸担持した触媒であり、いずれも貴金属の化合物生成のための処理は行っていない。また、比較例2の試料は、担体の第1層としてセリア入りアルミナ基材にPdを析出担持し、第2層としてRhを含浸担持した触媒であり、いずれも貴金属の化合物生成のための処理は行っていない。また、比較例3の試料は、担体の第1層としてセリア入りアルミナ基材にPtを析出担持し、第2層としてRhをジルコニア基材に析出担持した触媒であり、いずれも貴金属の化合物生成のための処理は行っていない。
〔比較結果〕
比較例1の触媒と実施例1〜実施例4の触媒とを比較した結果、表2及び図2に示すように、実施例1〜実施例4の触媒の方が比較例1の触媒よりも性能が向上していることがわかる。また、耐久試験後、触媒の第1層をかき落とし、TEMによりPtの粒子径を調べたところ、実施例1〜4の触媒におけるPtの粒子径は、10〜15[nm]程度となり、比較例1のPtの粒子径(20[nm])よりも小さいことがわかった。
比較例1の触媒と実施例1〜実施例4の触媒とを比較した結果、表2及び図2に示すように、実施例1〜実施例4の触媒の方が比較例1の触媒よりも性能が向上していることがわかる。また、耐久試験後、触媒の第1層をかき落とし、TEMによりPtの粒子径を調べたところ、実施例1〜4の触媒におけるPtの粒子径は、10〜15[nm]程度となり、比較例1のPtの粒子径(20[nm])よりも小さいことがわかった。
また、比較例2の触媒と実施例5〜実施例7の触媒とを比較した結果、表2及び図2に示すように、実施例5〜実施例7の触媒の方が比較例2の触媒よりも性能が向上していることがわかる。また、耐久試験後、触媒の第1層をかき落とし、TEMによりPdの粒子径を調べたところ、実施例5〜7の触媒におけるPdの粒子径は、10[nm]程度となり、比較例2のPdの粒子径(15[nm])よりも小さいことがわかった。
また、比較例3の触媒と実施例8,9の触媒とを比較した結果、表2及び図2に示すように、実施例8,9の触媒の方が比較例3の触媒よりも性能が向上していることがわかる。また、耐久試験後、触媒の第2層をかき落とし、TEMによりRhの粒子径を調べたところ、実施例8,9の触媒におけるRhの粒子径は、5〜8[nm]程度となり、比較例3のRhの粒子径(10[nm])よりも小さいことがわかった。
〔検討〕
比較例1の試料では、PtはPt−O−Ptの結合状態となり、基材に含まれるセリアは基材表面でCe−O−Ceの結合状態となり、また、Pt−O−Pt結合中及びCe−O−Ce結合中の酸素(O)はいずれもマイナスの電荷を帯びるために、Pt間には斥力を生じる。このため、比較例1の試料ではPtは斥力によって移動しやすくなっているものと考えられる。
比較例1の試料では、PtはPt−O−Ptの結合状態となり、基材に含まれるセリアは基材表面でCe−O−Ceの結合状態となり、また、Pt−O−Pt結合中及びCe−O−Ce結合中の酸素(O)はいずれもマイナスの電荷を帯びるために、Pt間には斥力を生じる。このため、比較例1の試料ではPtは斥力によって移動しやすくなっているものと考えられる。
また、実施例の触媒はいずれも性能が良好であった理由は、比較例の触媒と比較して、貴金属粒子径が小さく維持されていたことによるものと考えられる。貴金属粒子が小さく維持された理由は、各試料において、貴金属粒子の一部に基材との化合物を生成するようにしたことにより、貴金属粒子と基材との間に結合が生じ、貴金属の移動を抑制するアンカー効果が発現したことによるものと考えられる。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:基材
2:酸化物
3:貴金属粒子
4:化合物
2:酸化物
3:貴金属粒子
4:化合物
Claims (8)
- 貴金属粒子と、当該貴金属粒子が担持された基材とを備え、貴金属粒子と基材の接触領域の少なくとも一部に貴金属粒子と基材の化合物が形成されていることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
- 請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒であって、
前記貴金属粒子は白金からなり、前記基材は酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの少なくともいずれかを含む基材中に、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化カルシウム、及び酸化エルビウムの酸化物群の中から選択される一又は二以上の酸化物を分散させてなることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 請求項2に記載の排気ガス浄化用触媒であって、
前記化合物は、CePt5、CePt2、Ce3Pt4、CePt、Ce3Pt2、Ce7Pt3、又は、BaPt5、BaPt2、又は、FePt3、FePt、Fe3Pt、又は、ErPt5、ErPt3、ErPt2、ErPt、Er5Pt4、Er5Pt3、Er2Pt、Er3Pt、又は、LaPt5、LaPt2、La3Pt4、LaPt、La3Pt2、La7Pt3、又は、Pt3Zr5、PtZr、Pt3Zr、又は、ZrOPt3O、又は、CaPt2O4、又は、Ca4PtO6であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒であって、
前記貴金属粒子はパラジウムからなり、前記基材は酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの少なくともいずれかを含む基材中に、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ストロンチウム、及び酸化エルビウムの酸化物群の中から選択される一又は二以上の酸化物を分散させてなることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 請求項4に記載の排気ガス浄化用触媒であって、
前記化合物は、CePd7、CePd3、Ce3Pd5、CePd、Ce3Pd2、Ce7Pd3、又は、BaPd5、BaPd2、又は、FePd3、FePd、又は、ErPd3、ErPd2、Er2Pd3、Er3Pd4、ErPd、Er3Pd2、Er5Pd2、又は、LaPd3、La3Pd4、LaPd、La7Pd3、又は、TiPd3、TiPd2、Ti3Pd5、Ti2Pd3、TiPd、Ti4Pd、又は、Pd3Zr2、PdZr、Pd2Zr、Pd3Zr、又は、CaPd3O4、SrPdO2、Sr2PdO3であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒であって、
前記貴金属粒子はロジウムからなり、前記基材は酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの少なくともいずれかを含む基材中に、酸化セリウム、酸化バリウム、酸化エルビウム、及び酸化ランタンの酸化物群の中から選択される一又は二以上の酸化物を分散させてなることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 請求項6に記載の排気ガス浄化用触媒であって、
前記化合物は、CeRh3、CeRh2、CeRh、Ce5Rh4、Ce4Rh3、Ce3Rh2、Ce5Rh2、Ce7Rh3、又は、BaRh2、又は、ErRh2、ErRh、Er3Rh2、Er5Rh3、Er7Rh3、Er3Rh、又は、LaRh3、LaRh2、LaRh、La5Rh4、La3Rh、La5Rh3、又は、Rh3Zr、Rh5Zr3、Rh4Zr3、RhZr、RhZr2であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 貴金属粒子と当該貴金属粒子を担持する基材の接触領域の少なくとも一部に貴金属粒子と基材の化合物を形成することを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。
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-
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