JP2006339056A - 炭化ケイ素焼結体からなるパイプヒータ - Google Patents

炭化ケイ素焼結体からなるパイプヒータ Download PDF

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Abstract

【課題】 パイプヒータの単純小型化と熱効率の向上を図る。
【解決手段】 炭化ケイ素焼結体からなる複数の中空円筒状のヒータと、上記ヒータの端部同士を連結する複数の中空連結部と、を備える炭化ケイ素焼結体からなるパイプヒータ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化ケイ素焼結体からなる半導体用治具に関する。さらに詳しくは炭化ケイ素焼結体からなるパイプヒータに関する。
半導体チップの製造工程には、所定の温度に加熱された強腐食性の薬液でシリコンウェハを洗浄する工程がある。かかる薬液を加熱する薬液加熱装置(以下「パイプヒータ」という。)は、例えば耐薬品性が高い石英から本体が構成され、その本体の一部に加熱源としてのランプが配置可能に構成されている(特許文献1参照)。ランプにより薬液を加熱すると、パイプヒータ全体の温度が非常に高温になるため、外部への熱の伝播を防止すると共に、熱効率を向上させるためパイプヒータを断熱する必要がある。しかし、断熱材を用いるとパイプヒータの嵩が大きくなるため、パイプヒータの配置スペースが制限されていた。
また、熱効率の向上を図るために装置形状が複雑になるため装置の製造が困難であった。
特開2000−227253号公報
以上より、パイプヒータの単純小型化と熱効率の向上が求められていた。
即ち、本発明は、以下の記載事項に関する。
(1) 炭化ケイ素焼結体からなる複数の中空円筒状のヒータと、
上記ヒータの端部同士を連結する複数の中空連結部と、を備える炭化ケイ素焼結体からなるパイプヒータ。
(2) 上記ヒータ及び中空連結部の内壁表面に絶縁膜が設けられた上記(1)記載のパイプヒータ。
パイプヒータの単純小型化と熱効率の向上が図られる。
以下に実施形態を挙げて本発明を説明するが、本発明が以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
(パイプヒータ)
図1(a)に示す実施形態にかかる炭化ケイ素焼結体からなるパイプヒータ1は、
炭化ケイ素焼結体からなる複数の中空円筒状のヒータ3a、3b、3cと、
ヒータ3a、3b、3cの端部同士を連結する中空U字状の連結部5a、5bと、を備える。
図1(a)に示すようにヒータ3a、3b、3cを中空U字状の連結部5a、5bを介して連結したことで、乱流が発生しやすくなり、流体を効率的に加熱することができる。尚、ヒータ3a、3b、3cは直線状に配置しても構わないが、加熱効率を考えると図1(a)のように配置することが好ましい。電気伝導性流体の加熱を考慮すると、ヒータ3a、3b、3cの内側表面に、図1(b)に示すように絶縁膜31aを設けることが好ましい。絶縁膜としては、ガラス、酸化物、窒化物等や、耐熱ポリマーコートを用いることができる。ガラス材料としては、例えば、SiO2、CaO、Al23、Na2O、K2O、PbO等からなる材料が挙げられる。耐熱ポリマーコートとしては、例えば商品名「ショウエクセル」を用いることができる。
ヒータの端部同士を連結する複数の中空U字状の連結部5a、5bは、樹脂からなる。樹脂としては、耐熱性と耐薬品性を備えれば特に制限はないが、例えばテフロン(登録商標)等を用いることが好ましい。連結部5a、5bの内側表面には、ヒータ3a、3b、3cと同様の理由から絶縁膜を設けることが好ましい。
パイプヒータ中を流れる流体としては、流動性を有していれば特に制限はないが、フッ素系溶剤等が挙げられる。
ポンプ(図示せず)を介して図1(a)のパイプヒータ1の入り口11から流体を流すと、流体はパイプヒータ1中を流れる間に暖められて出口12より流れ出る。流れ出た流体を循環させるうちに流体が設定温度まで達し一定に保たれる。
実施形態にかかるパイプヒータ1は、従来のパイプヒータのような嵩張る断熱材を必要としないため、装置の単純小型化が図られる。その結果、パイプヒータの配置スペースの最小化が図られる。また発熱源としてのヒータ3a、3b、3cで直接流体を加熱するため熱効率が向上する。また連結部5a、5bの形状をUの字状に変えて他の形状とすることでレイアウトの自由度が向上する。以上の特性を有することから本実施形態にかかるパイプヒータ1は、半導体製造装置の保温用インラインヒータとして用いることが好ましい。
(パイプヒータの製造方法)
図1(a)に示すパイプヒータ1は以下の工程により製造される。
(イ)まず円柱状のインゴットを下記ホットプレス法に従って製造する。
(ロ)次に、インゴットの長手方向に直交する断面に中空部を放電加工法により設けて、中空円筒状のヒータ3a、3b、3cを形成する。そしてヒータ3a、3b、3cの長手方向端部9a、9b、9c、9d、9e、9fにメタリコン処理を施す。所望により、ヒータ3a、3b、3cの中空部の内壁表面に図1(b)に示すように絶縁膜31aを形成する。
(ハ)U字状の連結部5a、5bを介して複数のヒータ3a、3b、3cを連結し流道を形成する。
(ニ)電極配線7a、7b、7c、7dを用意する。そして、メタリコン処理したヒータ3a、3b、3cの長手方向端部9a、9b、9c、9d、9e、9fに電極配線7a、7b、7c、7dを巻きつけ、電極配線7a、7b、7c、7dと、ヒータ3a、3b、3cを連結する。以上によりパイプヒータ1が得られる。
以下にパイプヒータ1の製造に用いられる炭化ケイ素の製造方法(ホットプレス法)について説明する。本実施形態のパイプヒータ1の製造方法には、遊離炭素含有率が2〜10重量%の炭化ケイ素焼結体を使用する。このような炭化ケイ素焼結体は、炭化ケイ素粉末と、非金属系焼結助剤ことにより得られる。
まず、炭化ケイ素粉末について説明する。炭化ケイ素粉末としては、α型、β型、非晶質、あるいはこれらの混合物等を広く用いることができ、市販品を用いてもよい。中でもβ型炭化ケイ素粉末が好適に用いられる。炭化ケイ素焼結体を高密度化するためには、用いる炭化ケイ素粉末の粒径は小さいほうがよい。好ましくは0.01〜10μm程度、より好ましくは0.05〜2μmである。粒径が0.01μm未満であると、計量、混合等の処理工程における取り扱いが困難となり、一方10μmを超えると、粉体の比表面積、即ち、隣接する粉体との接触面積が小さくなり、高密度化が困難となるので好ましくない。
高純度の炭化ケイ素粉末を用いると、得られる炭化ケイ素焼結体も高純度になるので好ましい。高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、ケイ素化合物(以下「ケイ素源」という場合がある。)と、加熱により炭素を発生する有機材料と、重合触媒または架橋触媒とを混合し、得られた固形物を非酸化性雰囲気中で焼成することにより製造することができる。ケイ素源としては、液状、および固体状の化合物を広く用いることができるが、少なくとも液状の化合物を1種以上用いる。液状のケイ素源としては、アルコキシシラン(モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−)の重合体等が挙げられる。アルコキシシランの重合体の中では、テトラアルコキシシランの重合体が好適に用いられる。具体的には、メトキシシラン、エトキシシラン、プロピロキシシラン、ブトキシシラン等が挙げられるが、ハンドリングの点からはエトキシシランが好ましい。テトラアルコキシシラン重合体の重合度は2〜15程度であると液状の低分子量重合体(オリゴマー)となる。その他、重合度が高いケイ酸ポリマーで液状のものもある。液状のケイ素源と併用可能な固体状のケイ素源としては、炭化ケイ素が挙げられる。ここにいう炭化ケイ素には、一酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2)の他、シリカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液であって、コロイド分子内にOH基やアルコキシ基を含有するもの)、微細シリカ、石英粉体等も含まれる。これらのケイ素源の中でも、均質性やハンドリング性が良好であるテトラアルコキシシランのオリゴマー、またはテトラアルコキシシランのオリゴマーと微粉体シリカとの混合物等が好ましい。また、これらのケイ素源は高純度であることが好ましく、具体的には初期の不純物含有量が20ppm以下が好ましく、5ppm以下がさらに好ましい。
加熱により炭素を生成する有機材料としては、液状のものの他、液状のものと固体状のものを併用することもできる。残炭率が高く、かつ触媒あるいは加熱により重合または架橋する有機材料が好ましい。具体的には、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール等のモノマー、およびプレポリマーが好ましい。その他、セルロース、しょ糖、ピッチ、タール等の液状物も用いられる。中でもレゾール型フェノール樹脂が、熱分解性および純度の点で好ましい。有機材料の純度は、目的に応じて適宜、制御すればよい。特に高純度の炭化ケイ素粉末が必要な場合は、不純物元素の含有量が各々5ppm未満である有機材料を用いるのが好ましい。
ケイ素源と有機材料の配合比率は、炭素とケイ素のモル比(以下「C/Si」と略記する。)を目安に好ましい範囲をあらかじめ決定することができる。ここにいうC/Siとは、ケイ素源と有機材料との混合物を1000℃にて炭化した炭化ケイ素中間体を元素分析し、その分析値より得られるC/Siである。炭素は、以下の反応式で表わされるように、酸化ケイ素と反応し、炭化ケイ素に変化する。
式(I)SiO2+3C→SiC+2CO
したがって、化学量論的には、C/Siが3.0であると、炭化ケイ素中間体中の遊離炭素は0%になるが、実際にはSiOガス等が揮散するため、C/Siがより低い値であっても遊離炭素が発生する。遊離炭素は粒成長を抑制する効果を有するので、目的とする粉末粒子の粒径に応じて、C/Siを決定し、その比となるようにケイ素源と有機材料とを配合すればよい。例えば、約1気圧、1600℃以上で、ケイ素源と有機材料との混合物を焼成する場合、C/Siが2.0〜2.5の範囲になるように配合すると、遊離炭素の発生を抑制することができる。同条件で、C/Siが2.5を超えるように配合すると、遊離炭素の発生が顕著となり、粒子の小さな炭化ケイ素粉末が得られる。このように、目的に応じて、配合比率を適宜決定することができる。尚、炭化ケイ素粉末に起因する遊離炭素の作用および効果は、焼結助剤から生じる遊離炭素の作用および効果と比較して非常に弱いので、炭化ケイ素粉末に起因する遊離炭素は、本実施形態の効果には本質的に影響しないものである。
ケイ素源と有機材料との混合物を硬化させ、固形物にすることもできる。硬化の方法としては、加熱による架橋反応を利用する方法、硬化触媒により硬化する方法、電子線や放射線を利用する方法等がある。用いる硬化触媒は、用いる有機材料に応じて適宜選択できるが、フェノール樹脂、フラン樹脂を有機材料に用いた場合は、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、蓚酸、塩酸、硫酸等の酸類、ヘキサミン等のアミン類等が挙げられる。ケイ素源と有機材料を含有する固形物は、必要に応じ加熱炭化される。炭化は、窒素またはアルゴン等の非酸化性雰囲気中800℃〜1000℃にて30〜120分間加熱することにより行われる。さらに、非酸化性雰囲気中1350℃〜2000℃で加熱すると炭化ケイ素が生成する。焼成温度と焼成時間は、得られる炭化ケイ素粉末の粒径等に影響するので、適宜決定すればよいが、1600〜1900℃で焼成すると効率的で好ましい。以上に説明した高純度の炭化ケイ素粉末を得る方法は、特開平9−48605号明細書により詳細に記載されている。
次に非金属系焼結助剤について説明する。本実施形態に用いられる炭化ケイ素焼結体は、遊離炭素2〜10重量%のものである。この遊離炭素は、非金属系焼結助剤に用いられる有機材料に起因するものであり、非金属系焼結助剤の添加量等の添加条件を調整することにより遊離炭素量を前述の範囲にすることができる。
非金属系焼結助剤としては、前述したように遊離炭素源となり得る、即ち加熱により炭素を生じる有機材料(以下「炭素源」という場合がある。)を含有するものを用いる。前述の有機材料を単独で、または前述の有機材料を炭化ケイ素粉末(粒径:約0.01〜1ミクロン)表面に被覆させたものを焼結助剤として用いてもよいが、効果の点からは、有機材料を単独で用いるのが好ましい。加熱により炭素を生成する有機材料としては、具体的には、残炭化率の高いコールタールピッチ、ピッチタール、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂の他、各種糖類、例えば、グルコース等の単糖類、しょ糖等の小糖類、セルロース、でんぷん等の多糖類等が挙げられる。有機材料を炭化ケイ素粉末と均質に混合するには、有機材料は常温で液状のもの、溶媒に溶解するもの、または熱可塑性、熱融解性を有する等加熱により軟化するものが好ましい。中でも、フェノール樹脂を用いると炭化ケイ素焼結体の強度が向上するので好ましく、さらにレゾール型フェノール樹脂が好ましい。これらの有機材料の作用機構は明確にはなっていないが、有機材料は加熱されると系中にカーボンブラック、グラファイトの如き無機炭素系化合物を生成する。この無機炭素系化合物が焼結助剤として有効に作用しているものと考えられる。但し、カーボンブラック等を焼結助剤として用いても、同様な効果は得られない。
非金属系焼結助剤は、所望により有機溶媒に溶解し、その溶液と炭化ケイ素粉末を混合してもよい。使用する有機溶媒は、非金属系焼結助剤により異なり、例えば、焼結助剤としてフェノール樹脂を用いる場合は、エチルアルコール等の低級アルコール類、エチルエーテル、アセトン等を選択することができる。高純度の炭化ケイ素焼結体を作製する場合は、高純度の炭化ケイ素粉末を使用するのみならず、焼結助剤および有機溶媒も不純物含有量の少ないものを用いることが好ましい。
非金属系焼結助剤の炭化ケイ素粉末に対する添加量は、炭化ケイ素焼結体の遊離炭素が2〜10重量%になるように決定する。遊離炭素がこの範囲外であると、接合処理中に進行するSiCへの化学変化、および炭化ケイ素焼結体間の接合が不十分となる。ここで、遊離炭素の含有率(重量%)は、炭化ケイ素焼結体を酸素雰囲気下において、800℃で8分間加熱し、発生したCO2、COの量を炭素分析装置で測定し、その測定値から算出することができる。焼結助剤の添加量は、用いる焼結助剤の種類および炭化ケイ素粉末の表面シリカ(酸化ケイ素)量によって異なる。添加量を決定する目安としては、あらかじめ炭化ケイ素粉末の表面シリカ(酸化ケイ素)量を弗化水素水を用いて定量し、この酸化ケイ素を還元するのに十分な化学量論(式(I)で算出される化学量論)を算出する。これと、非金属系焼結助剤が加熱により炭素を生成する割合を考慮し、遊離炭素が前述の適する範囲となるように添加量を決定することができる。以上説明した炭化ケイ素焼結体の非金属系焼結助剤についての説明は、特願平9−041048号明細書中により詳細に記載されている。
次に、炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤の混合物を焼結する方法について説明する。炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤は均質に混合する。均質の混合物を得るために、前述したように焼結助剤を有機溶媒に溶解した溶液を用いてもよい。混合方法としては、公知の方法、例えば、ミキサー、遊星ボールミル等を用いる方法が挙げられる。混合に使用する器具は、金属元素不純物の混入を防止するため、合成樹脂素材のものを用いるのが好ましい。混合は10〜30時間程度、特に16〜24時間程度行い、十分に混合するのが好ましい。十分に混合した後、溶媒を除去し、混合物を蒸発乾固させる。その後、篩にかけて混合物の原料粉体を得る。乾燥には、スプレードライヤー等の造粒装置を使用してもよい。
このようにして得られた原料粉体は、成形金型中に配置される。使用する成形金型が黒鉛製のものであると、金属不純物が炭化ケイ素焼結体中に混入しないので好ましい。金属製の成形金型であっても、原料粉体と金型の金属部とが直接接触しないように、接触部を黒鉛製とするか、または接触部にトリテトラフルオロエチレンシート(テフロン(登録商標)シート)を介在させれば、好適に使用できる。特に、高純度の炭化ケイ素焼結体を製造したい場合は、金型、および炉内の断熱材等には高純度の黒鉛材料を用いるのが好ましい。具体的には、2500℃以上の温度で、あらかじめ十分にベーキング処理され、高温使用しても不純物の発生がない黒鉛材料等が挙げられる。
成形金型中に配置された原料粉体は、ホットプレス加工を施される。ホットプレスの圧力については特に制約はなく、300〜700kgf/cm2の広い範囲の圧力により行うことができる。但し、400kgf/cm2以上で加圧する場合は、ホットプレス用の部品、例えば、ダイス、パンチ等は耐圧性に優れたものを用いる必要がある。
ホットプレスは、2000℃〜2400℃にて行うが、このホットプレス加工温度までの昇温は穏やかに、かつ段階的に行うのが好ましい。このように昇温すると、各々の温度で生じる化学変化、状態変化等を十分に進行させることができる。その結果、不純物混入や亀裂および空孔の発生を防止することができる。好ましい昇温工程の一例を以下に示す。まず、原料粉体をいれた成形金型を炉内に配置し、炉内を10−4torrの真空状態にする。室温から200℃まで穏やかに昇温し、約30分間200℃に保つ。その後、700℃まで6〜10時間で昇温し、2〜5時間700℃に保つ。室温から700℃までの昇温工程で、吸着水分や有機溶媒の脱離が起こり、また、非金属系焼結助剤の炭化も進行する。一定温度の保持時間は、炭化ケイ素焼結体のサイズによって異なり、適宜好適な時間に設定すればよい。また、保持時間が十分であるか否かの判断は、真空度の低下がある程度少なくなる時点を目安にすることができる。次に、700℃〜1500℃まで6〜9時間で昇温し、1〜5時間程1500℃に保持する。1500℃に保持している間、酸化ケイ素が還元され炭化ケイ素に変化する反応が進行する(式(I))。保持時間が不十分であると、二酸化ケイ素が残留し、炭化ケイ素粉末表面に付着するので、粒子の緻密化を妨げ、大粒の成長原因となるので好ましくない。保持時間が十分であるか否かの判断は、副生成物である一酸化炭素の発生が停止しているかを目安に、即ち、真空度の低下がおさまり、還元反応開始温度である1300℃の真空度まで回復しているかを目安にすることができる。
ホットプレスは、焼結が開始する1500℃程度まで炉内を昇温し、次に炉内を非酸化性雰囲気とするために、不活性ガスを充填した後行うのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、あるいはアルゴンガス等が用いられるが、高温においても非反応性であるアルゴンガスを用いるのが好ましい。高純度炭化ケイ素焼結体を製造したい場合は、不活性ガスも高純度のものを用いる。炉内を非酸化性雰囲気とした後、温度が2000℃〜2400℃、圧力が300〜700kgf/cm2となるように炉内を加熱および加圧する。最高温度が2000℃未満であると、高密度化が不十分となる。一方、最高温度が2400℃を超えると、粉体もしく成形体原料が昇華(分解)する虞があるため好ましくない。1500℃近傍〜最高温度までの昇温は2〜4時間かけて行い、最高温度で1〜8時間保持するのが好ましい。1850〜1900℃で焼結は急速に進行し、最高温度保持時間中に焼結が完了する。また加圧条件が、300kgf/cm2未満であると高密度化が不十分となり、700kgf/cm2を超えると黒鉛製の成形金型が破損することもあり、製造効率上好ましくない。表面粗度(Ra)は0.5μm以下が好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。圧力は異常粒が成長するのを抑えるために、300kgf/cm2〜700kgf/cm2程度で加圧するのが好ましい。
用いる炭化ケイ素焼結体は、高密度化されていて、密度が2.9g/cm3以上、気孔率が1%以下であると好ましく、密度が3.0g/cm3以上、気孔率が0.8%以下であると特に好ましい。高密度化された炭化ケイ素焼結体を用いると、得られる炭化ケイ素接合体の曲げ強度、破壊強度等の力学的特性、および電気的物性が向上する。また、高密度化された炭化ケイ素焼結体を用いると、構成粒子が小粒化されているので汚染性の点でも好ましい。一方、低密度の、例えば多孔性の炭化ケイ素焼結体を用いると、炭化ケイ素接合体の耐熱性、耐酸化性、耐薬品性、および機械的強度が劣り、また接合強度が不十分となる場合もある。
炭化ケイ素焼結体を高密度化する方法として、焼結工程に先立って予め成形工程を実施する方法がある。この成形工程は、焼結工程と比較して低温低圧で行われるものである。この焼結工程を実施すると、嵩のある粉体を予めコンパクト(小容量化)にできるので、この工程を何度も繰り返すことによって、大型の成形体が製造しやすくなる。焼結工程に先立って予め実施される成形工程の諸条件の一例を以下に示す。炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤とを、均質に混合して得られた原料粉体を成形金型内に配置し、温度80℃〜300℃、好ましくは120℃〜140℃、圧力50kgf/cm2〜100kgf/cm2で5〜60分間、好ましくは20〜40分間プレスして成形体を得る。加熱温度は非金属系焼結助剤の特性に応じて、適宜決定すればよい。得られる成形体の密度は、平均粒径1μm程度の粉体を用いた場合は1.8g/cm2以上となるように、また平均粒径0.5μmの粉体を用いた場合は1.5g/cm2となるようにプレスするのが好ましい。用いる成形体の密度がこの範囲であると、炭化ケイ素焼結体の高密度化が容易となるので好ましい。得られた成形体が焼結工程に用いる成形金型に適合するように、成形体に切削加工を施してもよい。
本実施形態に用いる炭化ケイ素焼結体中の不純物元素(1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の元素周期表において、C、N、O、Siを除く、原子番号3以上の元素)の総含有量は5ppm以下であると、高い清浄度が要求されるプロセス、例えば、半導体製造プロセス等にも使用し得るので好ましい。より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは1ppm以下である。但し、化学的分析による不純物含有量は、実際に使用する場合の参考値としての意味を有するに過ぎない。例えば、不純物含有量は同一であっても、不純物が均一に分布しているか、局所的に偏在しているかによってその炭化ケイ素接合体に対する汚染性の評価は異なる場合もある。尚、以上に具体的に例示した材料、および例示した焼結方法を用いれば、不純物含有量1ppm以下の炭化ケイ素焼結体が得られる。また、炭化ケイ素焼結体の不純物元素含有量を減少させるには、用いる原料(例えば、炭化ケイ素粉末と非金属系焼結助剤)、および不活性ガスに含まれる不純物元素含有量を1ppm以下にしたり、焼結時間、温度等、焼結の諸条件を調整して不純物を除去する方法等が挙げられる。尚、ここでいう不純物元素とは、前述と同様であり、1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における、原子番号3以上(但し、C、N、O、Si、を除く。)の元素をいう。
本実施形態に用いる炭化ケイ素焼結体の、その他の物性値は、室温における曲げ強度200〜800kgf/mm2、ヤング率250GPa〜500GPa、ビッカース硬度2000〜3500kgf/mm2、ポアソン比0.14〜0.21、熱膨張係数3.8×10-6〜4.5×10-6l/℃、体積固有抵抗0.1Ω・cm以下であると、得られる炭化ケイ素接合体の諸特性が良好となるので好ましい。尚、本実施形態の炭化ケイ素焼結体として、特願平9−041048号明細書に記載の炭化ケイ素焼結体を好適に使用することができる。
本実施形態で得られるパイプヒータ1の不純物の総含有量は、10ppm未満、好ましくは5ppm未満、より好ましくは3ppm未満、さらに好ましくは1ppm未満である。なお、液状のケイ素化合物と、非金属系焼結助剤と、重合又は架橋触媒と、を均質に混合して得られた固形物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、さらに、非酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程とを含む製造方法によれば、パイプヒータ1に含まれるケイ素、炭素、酸素以外の不純物の総含有量を1ppm未満にすることができる。本実施形態で得られるパイプヒータ1の窒素含有量は、150ppm以上である。
その他、本実施形態で得られるパイプヒータ1の好ましい物性について検討するに、例えば、室温における曲げ強度は400MPa〜700MPa、ビッカース硬度は1500kgf/mm2 以上、ポアソン比は0.14〜0.21、熱膨張率は3.8×10-6〜4.5×10-6(℃-1)、熱伝導率は150W/m・k以上、比熱は0.60〜0.70J/g・K、比抵抗は1×10−1Ωcm以下である。
以上のようにして得られる本実施形態のパイプヒータ1は、好適には以下のような物性を有する:
パイプヒータ1は、比抵抗が0.1Ωcm以下、さらに好ましい態様において0.05Ωcm〜0.005Ωcmである。パイプヒータ1は、パイプヒータ1のケイ素及び炭素以外の不可避的元素、即ち不純物元素の総含有量は5ppm未満である。パイプヒータ1は、密度が2.9g/cm以上、さらに好ましい態様において3.00〜3.15g/cmである。パイプヒータ1は、曲げ強度が400MPa以上、さらに好ましい態様において500MPaから700MPaである。
本実施形態の原料粉体である炭化ケイ素粉体及び原料粉体を製造するためのケイ素源と非金属系焼結助剤、さらに、非酸化性雰囲気とするために用いられる不活性ガス、それぞれの純度は、各不純物元素含有量1ppm以下であることが好ましいが、加熱、焼結工程における純化の許容範囲内であれば必ずしもこれに限定するものではない。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は、これら実施例に何ら制限されない。
粒径2μmのβ型炭化ケイ素紛をホットプレス圧力400kgf/cm、温度2250℃で2時間焼結してインゴットを作製した。作製したインゴットは密度が3.1g/cmで室温での比抵抗が0.01Ω・cmであった。比抵抗は4端針法で測定した。作製したインゴットから放電加工法で内径8mm、厚み1mm、長さ240mmのパイプを切り出した。パイプは合計4本作製した。パイプの両端部から10mmの位置に幅10mm範囲にアルミニウムを溶射しメタリコン処理部を形成した。フッ素樹脂(テフロン(登録商標))で作製した中空U字状の連結部で炭化ケイ素のパイプを連結し、メタリコン処理部に電線を直列配線で接合しパイプヒータとした。作製したパイプヒータに2.6kWの電力をかけて30℃のフリナートを毎分2L流したところ79℃まで昇温した。
実施例2
実施例1と同様にして作製したパイプの内面に、SiO-Al-CaO-NaO-KO系のガラスをコートし絶縁膜とした。両端部から10mmの位置に幅10mm範囲にアルミニウムを溶射しメタリコン処理部を形成した。テフロン(登録商標)で作製した中空U字状の連結部で炭化ケイ素のパイプを連結し、メタリコン処理部に電線を直列配線で接合しパイプヒータとした。作製したパイプヒータに1.2kWの電力をかけて30℃の純水を毎分0.5L流したところ72℃まで昇温した。
比較例1
市販のパイプ状液体加熱ヒータ(直径20mm×長さ700mm)に0.9kWの電力をかけて30℃の純水を毎分0.5L流したところ46℃までしか昇温しなかった。
実施例1,2のパイプヒータは、比較例1よりも小型であり、しかも効率よく流体を加熱できたることが言えた。
図1(a)はパイプヒータの概念図を示し、図1(b)はヒータの断面図を示す。
符号の説明
1…パイプヒータ
3a、3b、3c…ヒータ
5a、5b…連結部
7a、7b、7c、7d…電極配線
9a、9b、9c、9d、9e、9f…ヒータの長手方向端部(メタリコン処理部)
11…入口
12…出口
31a…絶縁材

Claims (2)

  1. 炭化ケイ素焼結体からなる複数の中空円筒状のヒータと、
    前記ヒータの端部同士を連結する複数の中空連結部と、
    を備える炭化ケイ素焼結体からなるパイプヒータ。
  2. 前記ヒータ及び中空連結部の内壁表面に絶縁膜が設けられたことを特徴とする請求項1記載のパイプヒータ。
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