JP2006338728A - 情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケース本体に配設されたスライド部の剛性を十分に向上させ得る情報記録媒体を提供する。
【解決手段】磁気テープが巻回されたテープリールを回転可能に収容すると共に磁気テープを引き出すためのテープ引き出し口が底板の前面側に形成されたケース本体と、ケース本体における底板の外側にスライド可能に配設されると共に、底板の外面に当接する帯状の凸部63,63がスライド方向に沿って本体部61の内面に形成されかつ内面のスライド方向における一方の縁部に立設された一対の突起部64,64が押圧されてスライドさせられることによってテープ引き出し口を開閉するスライド部6とを備え、スライド部6は、スライド方向に対して直交する方向に沿って内面に形成されてケース本体における底板の外面に当接するリブ67を備えている。
【選択図】図6

Description

本発明は、テープリールを収容するケース本体と、ケース本体に形成されたテープ引き出し口を開閉するスライド部とを備えた情報記録媒体に関するものである。
この種の情報記録媒体として、特開平9−17151号公報に開示されたテープカートリッジが知られている。このテープカートリッジは、上ハーフおよび下ハーフで構成されたカートリッジ本体と、カートリッジ本体の内部に回転自在に収納されたテープリールと、記録再生装置側のテープローディング手段が進入するローディング空間部を開閉するスライダと、上ハーフおよび下ハーフの前面部を閉塞するリッドとを備えて構成されている。この場合、スライダは、矩形板状の主面部と、主面部の両側に立設された一対のガイド壁とを備えて構成されて、下ハーフにスライド移動自在に支持されている。このテープカートリッジでは、記録再生装置から取り出されている状態において、スライダが、下ハーフのリール軸進入用開口およびローディング空間部を閉塞している。一方、テープカートリッジが記録再生装置に装填された状態では、スライダが背面側に移動(スライド)させられることにより、リール軸進入用開口およびローディング空間部が開放される。
特開平9−17151号公報(第5−7頁、第1−7図)
ところが、上記のテープカートリッジには、以下の問題点がある。すなわち、この種のテープカートリッジにおけるスライダには、一般的に、下ハーフの裏面との摺動抵抗を軽減するための帯状の凸部が、スライド方向に沿ってその内面に形成されている。この場合、このスライダでは、この凸部の上面が下ハーフの裏面に当接する。このため、このテープカートリッジには、スライダの内面における凸部が形成されていない部分と、下ハーフの裏面との間に凸部の高さに相当する隙間があり、その隙間からカートリッジ本体の内部に埃が侵入するおそれがあるという問題点が存在する。一方、上記のテープカートリッジでは、スライダが板状の主面部と主面部の両側に立設された一対のガイド壁とで構成されている。つまり、このスライダは、主面部の前方側および背面側に壁等を備えていない形状に構成されている。したがって、このテープカートリッジには、スライダの剛性が低く変形し易いため、例えば、スライドさせられる際に大きな力が加えられたときには、変形によってスライダが下ハーフから外れたり、スライダのスライドが困難となったりするおそれがあるという問題点も存在する。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、ケース本体内部への埃の侵入を低減し得る情報記録媒体を提供することを主目的とする。また、ケース本体に配設されたスライド部の剛性を十分に向上させ得る情報記録媒体を提供することを他の主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る情報記録媒体は、磁気テープが巻回されたテープリールを回転可能に収容すると共に当該磁気テープを引き出すためのテープ引き出し口が底板の前面側に形成されたケース本体と、前記底板の外側にスライド可能に配設されると共に、当該底板の外面に当接する帯状の凸部がスライド方向に沿ってその内面に形成されかつ当該内面の当該スライド方向における一方の縁部に立設された一対の突起部が押圧されてスライドさせられることによって前記テープ引き出し口を開閉するスライド部とを備え、前記スライド部は、前記スライド方向に対して直交する方向に沿って前記内面に形成されて前記底板の前記外面に当接する第1リブを備えている。
この場合、前記スライド部の前記内面の前記スライド方向における他方の縁部に前記第1リブを形成し、前記スライド部における前記テープリール用の駆動軸挿通孔の口縁部に前記底板の前記外面に当接する第2リブを形成することができる。
また、前記スライド部の前記内面に形成された前記テープリール用の駆動軸挿通孔と当該内面における前記一方の縁部との中間部位に前記第1リブを形成することができる。
また、本発明に係る情報記録媒体は、磁気テープが巻回されたテープリールを回転可能に収容すると共に当該磁気テープを引き出すためのテープ引き出し口が底板の前面側に形成されたケース本体と、前記底板の外側にスライド可能に配設されると共に、当該底板の外面に当接する帯状の凸部がスライド方向に沿ってその内面に形成されかつ当該内面の当該スライド方向における一方の縁部に立設された一対の突起部が押圧されてスライドさせられることによって前記テープ引き出し口を開閉するスライド部とを備え、前記スライド部は、前記一対の突起部を繋ぐようにして前記内面における前記一方の縁部に立設された壁部を備えている。
本発明に係る情報記録媒体によれば、スライド部のスライド方向に対して直交する方向に沿ってスライド部の内面に形成されてケース本体における底板の外面に当接する第1リブを備えたことにより、ケース本体の底板とスライド部との間の隙間を通ってテープ引き出し口に連通する経路を第1リブによって遮蔽することができる。したがって、この経路からの埃の侵入を確実に防止することができる結果、ケース本体の内部への埃の侵入を十分に低減することができる。また、スライド部の剛性を第1リブによって十分に高めることができるため、例えば、スライドさせられる際に大きな力が加えられたとしても、スライド部の変形を十分小さく抑えることができる。したがって、変形によってスライド部がケース本体から外れたり、スライド部のスライドが困難となったりする事態を確実に防止することができる。
また、本発明に係る情報記録媒体によれば、スライド部の内面における他方の縁部に第1リブを形成し、スライド部におけるテープリール用の駆動軸挿通孔の口縁部に第2リブを形成したことにより、ケース本体の底板とスライド部との間の隙間を通ってテープ引き出し口に連通する経路を第1リブによって遮蔽することができる。また、スライド部の駆動軸挿通孔を通ってテープ引き出し口に連通する経路を第2リブによって遮蔽することができる。したがって、これらの経路からの埃の侵入を確実に防止することができる結果、ケース本体の内部への埃の侵入を一層低減することができる。
また、本発明に係る情報記録媒体によれば、スライド部の駆動軸挿通孔と内面における一方の縁部との中間部位に第1リブを形成したことにより、ケース本体の底板とスライド部との間の隙間を通ってテープ引き出し口に連通する経路、およびスライド部の駆動軸挿通孔を通ってテープ引き出し口に連通する経路を1つの第1リブによって遮蔽することができる。したがって、1つの第1リブを備えた簡易な構成でありながら、これらの経路からの埃の侵入を確実に防止することができる。
また、本発明に係る情報記録媒体によれば、スライド時に押圧される一対の突起部を繋ぐようにしてスライド部の内面における一方の縁部に壁部を立設したことにより、ケース本体の前面側の隙間を通ってテープ引き出し口に連通する経路を壁部によって遮蔽することができる。したがって、この経路からの埃の侵入を確実に防止することができる結果、ケース本体の内部への埃の侵入を十分に低減することができる。また、スライド部の剛性を壁部によって十分に高めることができるため、例えば、スライドさせられる際に大きな力が加えられたとしても、スライド部の変形を十分小さく抑えることができる。したがって、変形によってスライド部がケース本体から外れたり、スライド部のスライドが困難となったりする事態を確実に防止することができる。
以下、本発明に係る情報記録媒体の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、情報記録媒体1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す情報記録媒体1は、例えば、電子計算機に記録されたデータをバックアップするためのストレージデバイスとして用いられる2リールタイプのカートリッジ式の情報記録媒体であって、同図に示すように、磁気テープTが巻回されたテープリール2,2、ケース本体3、リールブレーキ4、シート5,5、スライド部6およびフロントカバー7を備えて構成されている。
テープリール2は、図1,2に示すように、磁気テープTを巻回可能に構成されて、ケース本体3の内部に収容されている。この場合、図2に示すように、テープリール2の一端部(図1における上端部)には、リールブレーキ4の突起部41aが係合することによって回転が禁止される歯部2aが形成されている。
ケース本体3は、図1に示すように、互いに嵌合可能な下ケース11および上ケース12を備えて構成されて、両ケース11,12の嵌合状態において形成される内部空間にテープリール2,2を回転可能に収容する。下ケース11は、図3に示すように、底板21および側壁22a〜22fを備えて、全体として、浅皿状に形成されている。底板21は、情報記録媒体1をドライブ装置に挿入する際の前面側(同図における下側)の中央部に切り欠き部21a(本発明におけるテープ引き出し口)が形成されて構成されている。また、底板21には、ドライブ装置の駆動軸を挿通させるための円形の挿通孔21b,21bが形成されている。また、底板21の切り欠き部21a側には、スライド部6をスライド不可状態にロックするためのアーム状のロック部21c,21cが形成されている。この場合、ロック部21cは、図1に示すロックスプリング8aによってその先端部がスライド部6側に向けて押圧される。側壁22a〜22fは、底板21の縁部にそれぞれ立設されている。この場合、側壁22d,22eには、図10に示すように、ドライブ装置の検出部から射出される磁気テープTのテープエンド検出用の検出光をケース本体3の内部に入射させる矩形の窓部23がそれぞれ形成されている。
上ケース12は、図4に示すように、天板31、側壁32a〜32eを備えて、ドライブ装置に挿入する際の前面側に開口部12aを有する浅皿状に形成されている。天板31は、全体として矩形に形成されている。また、天板31の中央部には、ケース本体3に収容されたテープリール2(磁気テープT)を外部から視認させるための矩形の天窓31aが形成され、この天窓31aには、透明な(またはほぼ透明な)カバー33が取り付けられている。側壁32a〜32eは、天板31の縁部にそれぞれ立設されている。この場合、側壁32d,32eには、図10に示すように、下ケース11の窓部23から入射して図外のプリズムによって光路をU字状に変更させられた検出光をケース本体3の外部に出射させる矩形の窓部34がそれぞれ形成されている。
リールブレーキ4は、図5に示すように、本体部41および腕部42,42を備えて構成されている。本体部41は、テープリール2,2に対して接離する方向に沿ってスライド可能にケース本体3の内部に配設されると共に、図1に示すブレーキスプリング8bによってテープリール2,2に近接する方向に付勢されている。また、本体部41には、2つの突起部41a,41aが形成されている。この場合、本体部41は、テープリール2,2に近接したときに、突起部41a,41aがテープリール2,2の歯部2aにそれぞれ係合することにより、テープリール2,2の回転を規制する。また、本体部41は、テープリール2,2から離間したときにテープリール2,2の歯部2aに対する突起部41a,41aの係合が解除されることにより、テープリール2,2の回転規制を解除する。腕部42,42は、図5に示すように、本体部41の両端部にそれぞれ突出形成されている。この場合、腕部42,42は、図9,10に示すように、フロントカバー7の回動に伴い、その先端部がフロントカバー7の支持部72に係合して移動させられることにより、テープリール2,2に対して接離する方向に沿って本体部41をスライドさせる。
シート5,5は、例えば、樹脂材料によって成形されたシートであって、図1に示すように、下ケース11とテープリール2との間、およびテープリール2と上ケース12との間にそれぞれ配設されている。このシート5は、テープリール2を円滑に回転動作させると共に、磁気テープTの幅方向への移動を防止することによって磁気テープTをテープリール2に整然と巻き取らせる機能を有している。
スライド部6は、図6に示すように、本体部61、側壁62,62、凸部63,63、突起部64,64、壁部65、係合部66およびリブ67,68,68を備えて構成されて、下ケース11における底板21の外側にスライド可能に配設されている。本体部61は、矩形の板状に形成されると共に、ドライブ装置の駆動軸を挿通させるための円形の挿通孔61a,61a(本発明における駆動軸挿通孔)が形成されて構成されている。側壁62,62は、本体部61の両端部にそれぞれ立設されている。凸部63は、スライド部6のスライド方向(同図に示す矢印Aの方向)に沿って本体部61の内面(同図における上面)に帯状に形成されている。この場合、凸部63は、スライド部6が下ケース11に配設された状態において、下ケース11における底板21の外面21d(図9参照)にその上面が当接して、底板21に対してスライド部6をスムーズにスライドさせる機能を有している。また、凸部63,63には、下ケース11におけるロック部21cの先端部に係合する係合孔63a,63bがそれぞれ形成されている。
突起部64,64は、配設状態において下ケース11の切り欠き部21a側に位置する本体部61の前面側縁部61b(本発明における一方の縁部)に立設されている。壁部65は、突起部64,64を繋ぐようにして本体部61の内面における前面側縁部61bに立設されている。この場合、突起部64,64を壁部65で繋いだことにより、スライド部6の剛性が十分に高められている。このため、スライド部6がスライドさせられる際に大きな力が加えられたとしても、撓みや捻れなどのスライド部6の変形を十分小さく抑えることが可能となっている。係合部66は、図1に示すスライドスプリング8c(図1参照)の一端部が係合可能な形状に形成されて、本体部61の前面側縁部61bにおける幅方向の中央部に立設されている。リブ67は、本発明における第1リブに相当し、スライド部6のスライド方向に対して直交する方向に沿って本体部61の内面における背面側縁部61c(本発明における他方の縁部)に形成されている。また、リブ67は、凸部63と同じ高さに形成されて、スライド部6が下ケース11に配設された状態において、下ケース11における底板21の外面21dにその上面が当接する。リブ68は、本発明における第2リブに相当し、本体部61の内面における挿通孔61aの縁部に形成されている。この場合、リブ68は、凸部63およびリブ67と同じ高さに形成されて、スライド部6が下ケース11に配設された状態において、下ケース11における底板21の外面21dにその上面が当接する。
また、スライド部6は、スライドスプリング8c(図1参照)の一端部が係合部66に係合することにより、スライドスプリング8cによって下ケース11の切り欠き部21a側に向けて付勢されている。また、スライド部6は、ドライブ装置に情報記録媒体1が装填されていない状態、つまり非使用状態において、図8に示すように、位置P1に位置して、下ケース11の切り欠き部21aおよび挿通孔21b,21bを閉塞する。また、スライド部6は、ドライブ装置に情報記録媒体1が挿入される際に、ドライブ装置の押圧部によって突起部64,64が押圧されることにより、ケース本体3(下ケース11)に対して相対的にスライドさせられて図10に示す位置P2に位置し、切り欠き部21aおよび挿通孔21b,21bを開放する。
フロントカバー7は、図7に示すように、本体部71、および本体部71の両端部に形成された支持部72,72を備えて構成されている。この場合、本体部71には、図1に示すように、ドライブ装置に情報記録媒体1が挿入される際にドライブ装置の押圧部を挿入をさせるための切り欠き71a,71aが形成されている。また、フロントカバー7は、図9,10に示すように、上ケース12の側壁32d,32eに支持部72,72が回動可能に取り付けられて、ドライブ装置によって回動させられることにより、本体部71が上ケース12の開口部12aを開閉する。また、フロントカバー7は、回動させられる際に、支持部72に形成されている突起部(図示せず)がリールブレーキ4の腕部42の先端部における突起部(図示せず)に係合して腕部42を移動させることにより、リールブレーキ4の本体部41をテープリール2,2に対して接離する方向に沿ってスライドさせる。
次に、情報記録媒体1を用いたデータの記録再生方法について、図面を参照して説明する。
この情報記録媒体1が図外のドライブ装置から取り出されている状態、つまり非使用時においては、図2,9に示すように、リールブレーキ4の本体部41が、ブレーキスプリング8b(図1参照)の付勢力によってテープリール2,2に近接している。このため、本体部41の突起部41a,41aがテープリール2,2の歯部2aにそれぞれ係合して、テープリール2,2の回転が規制されている。また、図8,9に示すように、スライド部6が、下ケース11における底板21の切り欠き部21a側の位置P1に位置して、底板21の切り欠き部21aおよび挿通孔21b,21bを閉塞している。この場合、スライド部6は、図8に示すように、下ケース11におけるロック部21c,21cの先端部が本体部61の係合孔63a,63aにそれぞれ係合することにより、スライド不可状態にロックされている。また、この状態では、図9に示すように、フロントカバー7が、ケース本体3における上ケース12の開口部12aを閉塞している。
さらに、この状態では、図8に示すように、スライド部6におけるリブ67の上面が、底板21の外面21dにおける側壁22a側の部位に当接すると共に、スライド部6におけるリブ68の上面が、底板21の外面21dにおける挿通孔21bよりも切り欠き部21a側の部位に当接している。このため、下ケース11とスライド部6との間の隙間やスライド部6の挿通孔61a,61aから下ケース11の切り欠き部21aを通ってケース本体3の内部に埃が侵入する事態が確実に防止されている。また、スライド部6における本体部61の前面側縁部61bに突起部64,64を繋ぐようにして壁部65が立設されているため、フロントカバー7における本体部71の切り欠き71aから切り欠き部21aを通ってケース本体3の内部に埃が侵入する事態が確実に防止されている。
一方、情報記録媒体1がドライブ装置の挿入口から装填部に向けて挿入されたときには、装填部が情報記録媒体1を内部に引き込む。この場合、挿入口の近傍に取り付けられた当接部(図示せず)に下ケース11におけるロック部21c,21cの先端部が当接すると共に、挿入口の近傍に取り付けられてフロントカバー7の切り欠き71a,71aを通して挿入された押圧部(図示せず)にスライド部6の突起部64,64が当接した状態で情報記録媒体1が引き込まれる。この際に、ロック部21c,21cの先端部が上方向(上ケース12の天板31へ向かう方向)に押し上げられて、スライド部6の係合孔63a,63aとロック部21c,21cの先端部との係合が解除されて、スライド部6のスライド不可状態が解除されると共に、押圧部によって突起部64,64が押圧される。このため、図10に示すように、スライド部6が、スライドスプリング8c(図1参照)による付勢力に抗して下ケース11の側壁22a側にスライドさせられて、位置P2に位置する。この場合、スライド部6の本体部61に壁部65およびリブ67が形成されているため、スライド部6が十分な剛性を有している。したがって、スライドさせられる際に大きな力が加えられたとしても、スライド部6の変形が十分小さく抑えられる結果、変形によってスライド部6が下ケース11から外れたり、スライド部6のスライドが困難となったりする事態が確実に防止される。
また、スライド部6が位置P2に位置した状態では、スライド部6の挿通孔61aと下ケース11の挿通孔21bとが連通すると共に、下ケース11における底板21の切り欠き部21aが開放される。また、下ケース11におけるロック部21c,21cの先端部がスライド部6における本体部61の係合孔63b,63bにそれぞれ係合することにより、スライド部6が、スライド不可状態にロックされている。次いで、装填部が、ドライブ装置内の駆動軸の先端部に向けて情報記録媒体1を移動させる。この際に、駆動軸が挿通孔61a,61aおよび挿通孔21b,21bを通ってテープリール2の中心部に挿入される。
続いて、ドライブ装置が、図10に示すように、フロントカバー7を回動させることにより、上ケース12の開口部12aが開放される。この際に、フロントカバー7における支持部72の突起部(図示せず)が、リールブレーキ4の腕部42,42における先端部の突起部(図示せず)に係合して、腕部42,42を開口部12a側に移動させる。これに伴い、リールブレーキ4の本体部41が、ブレーキスプリング8b(図1参照)による付勢力に抗してテープリール2,2から離間する方向に沿ってスライドさせられる。このため、テープリール2,2の歯部2aと本体部41の突起部41a,41aとの係合が解除されて、テープリール2,2の回転の規制が解除される。
次いで、ドライブ装置が磁気テープTを磁気ヘッドに当接させると共に、テープリール2,2を回転させて、データの読み出しや書き込みを開始する。また、ドライブ装置に配設されているテープエンド検出部が、検出光を射出する。この場合、検出光は、ケース本体3における下ケース11の窓部23から入射して、磁気テープTに照射される。続いて、磁気テープTが一方のテープリール2に巻き取られて、他方のテープリール2に巻回されていた磁気テープTがテープエンドとなったときには、検出光が、磁気テープTの端部に取り付けられているリーダーテープを透過して、図外のプリズムによって光路がU字状に変更させられて、ケース本体3における上ケース12の窓部34を介してケース本体3の外部に出射する。この際に、テープエンド検出部が検出光を受光し、これに応じて、ドライブ装置がデータの読み出しや書き込みを終了すると共に、テープリール2,2の回転を停止させる。次いで、ドライブ装置は、磁気テープTから磁気ヘッドを離間させる。
続いて、装填部が、駆動軸の先端部から情報記録媒体1を離間させる。次いで、ドライブ装置が、上記した方向とは逆方向にフロントカバー7を回動させることにより、図9に示すように、上ケース12の開口部12aが閉塞される。この際に、フロントカバー7における支持部72が、リールブレーキ4の腕部42,42をテープリール2,2側に移動させる。これに伴い、リールブレーキ4の本体部41が、テープリール2,2に近接する方向に沿って移動させられる。このため、テープリール2,2の歯部2aに本体部41の突起部41a,41aが係合して、テープリール2,2の回転が規制される。次いで、装填部が、挿入口の外側に向けて情報記録媒体1を押し出す。この場合、下ケース11におけるロック部21c,21cの先端部が挿入口の近傍に取り付けられた当接部(図示せず)に当接した状態で情報記録媒体1が押し出される。この際に、ロック部21c,21cの先端部が上方向に押し上げられて、スライド部6の係合孔63b,63bとロック部21c,21cの先端部との係合が解除され、スライド部6のスライド不可状態が解除される。このため、図8,9に示すように、スライド部6が、スライドスプリング8c(図1参照)の付勢力によって下ケース11における底板21の切り欠き部21a側にスライドさせられて、位置P1に位置する。この状態では、底板21の挿通孔21b,21bおよび切り欠き部21aがスライド部6によって閉塞される。また、ロック部21c,21cの先端部がスライド部6の係合孔63a,63aにそれぞれ係合することにより、スライド部6がスライド不可状態にロックされる。さらに、この状態では、スライド部6におけるリブ67,68の上面が、底板21の外面21dに当接して、下ケース11とスライド部6との間の隙間やスライド部6の挿通孔61a,61aから下ケース11の切り欠き部21aを通ってケース本体3の内部に埃が侵入する事態が確実に防止されている。また、スライド部6の壁部65によってフロントカバー7の切り欠き71aから切り欠き部21aを通ってケース本体3の内部に埃が侵入する事態が確実に防止されている。これにより、情報記録媒体1がドライブ装置の挿入口から取り出し可能な状態となる。
このように、この情報記録媒体1によれば、下ケース11における底板21の外面21dに当接するリブ67をスライド部6のスライド方向に対して直交する方向に沿って本体部61の内面に形成したことにより、下ケース11の底板21とスライド部6との間の隙間を通って切り欠き部21aに連通する経路をリブ67によって遮蔽することができる。したがって、この経路からの埃の侵入を確実に防止することができる結果、ケース本体3の内部への埃の侵入を十分に低減することができる。また、スライド部6の剛性をリブ67によって十分に高めることができるため、例えば、スライドさせられる際に大きな力が加えられたとしても、スライド部6の変形を十分小さく抑えることができる。したがって、変形によってスライド部6が下ケース11から外れたり、スライド部6のスライドが困難となったりする事態を確実に防止することができる。
また、この情報記録媒体1によれば、リブ67をスライド部6の本体部61における背面側縁部61cに形成し、本体部61の挿通孔61aにおける口縁部に環状のリブ68を形成したことにより、下ケース11の底板21とスライド部6との間の隙間を通って切り欠き部21aに連通する経路をリブ67によって遮蔽することができる。また、スライド部6の挿通孔61aを通って切り欠き部21aに連通する経路をリブ68によって遮蔽することができる。したがって、これらの経路からの埃の侵入を確実に防止することができる結果、ケース本体3の内部への埃の侵入を一層低減することができる。
また、この情報記録媒体1によれば、スライド時に押圧される突起部64,64を繋ぐようにして本体部61の前面側縁部61bに壁部65を立設したことにより、フロントカバー7体における本体部71の切り欠き71aを通って切り欠き部21aに連通する経路を壁部65によって遮蔽することができる。したがって、この経路からの埃の侵入を確実に防止することができる結果、ケース本体3の内部への埃の侵入を十分に低減することができる。また、スライド部6の剛性を壁部65によって十分に高めることができるため、例えば、スライドさせられる際に大きな力が加えられたとしても、スライド部6の変形を十分小さく抑えることができる。したがって、変形によってスライド部6が下ケース11から外れたり、スライド部6のスライドが困難となったりする事態を確実に防止することができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、リブ67,68を備えたスライド部6を例に挙げて説明したが、図11に示すように、両リブ67,68に代えて、リブ69を備えたスライド部106を採用することもできる。リブ69は、本発明における第1リブに相当し、本体部61の挿通孔61aと前面側縁部61b(本発明における一方の縁部)との中間部位61dにおいて、スライド部6のスライド方向に対して直交する方向に沿って本体部61の内面に形成されている。この場合、リブ69は、スライド部106が下ケース11の切り欠き部21a側に位置している状態において、切り欠き部21aよりも背面側縁部61c側に位置するようにその形成位置が規定されている。また、リブ69は、凸部63と同じ高さに形成されて、スライド部106が下ケース11に配設された状態において、下ケース11における底板21の外面21dにその上面が当接する。このスライド部106を備えた情報記録媒体によれば、下ケース11の底板21とスライド部6との間の隙間を通って切り欠き部21aに連通する経路、およびスライド部6の挿通孔61aを通って切り欠き部21aに連通する経路を1つのリブ69によって遮蔽することができる。したがって、1つのリブ69を備えた簡易な構成でありながら、これらの経路からの埃の侵入を確実に防止することができる。また、スライド部106の剛性をリブ69によって十分に高めることができるため、情報記録媒体1と同様にして、例えば、スライドさせられる際に大きな力が加えられたとしても、変形によってスライド部106が下ケース11から外れたり、スライド部106のスライドが困難となったりする事態を確実に防止することができる。
また、電子計算機に記録されたデータのバックアップに用いられる情報記録媒体1を例に挙げて説明したが、画像データの記録に用いられる情報記録媒体や、音声データの記録に用いられる情報記録媒体等の各種の情報記録媒体に本発明を適用することができる。また、2つのテープリール2を備えた情報記録媒体1を例に挙げて説明したが、単一のテープリールを備えた情報記録媒体に本発明を適用することもできる。
情報記録媒体1の分解斜視図である。 情報記録媒体1の平面図である。 下ケース11の内面側から見た平面図である。 上ケース12の内面側から見た平面図である。 リールブレーキ4の平面図である。 スライド部6の斜視図である。 フロントカバー7の平面図である。 スライド部6が位置P1に位置しているときの情報記録媒体1をスライド部6側から見た平面図である。 スライド部6が位置P1に位置しているときの情報記録媒体1の側面図である。 スライド部6が位置P2に位置しているときの情報記録媒体1の側面図である。 スライド部106の斜視図である。
符号の説明
1 情報記録媒体
2 テープリール
3 ケース本体
6,106 スライド部
21 底板
21a 切り欠き部
61 本体部
61a 挿通孔
61b,61c 縁部
61d 中間部位
63 凸部
64 突起部
65 壁部
67〜69 リブ
T 磁気テープ

Claims (4)

  1. 磁気テープが巻回されたテープリールを回転可能に収容すると共に当該磁気テープを引き出すためのテープ引き出し口が底板の前面側に形成されたケース本体と、前記底板の外側にスライド可能に配設されると共に、当該底板の外面に当接する帯状の凸部がスライド方向に沿ってその内面に形成されかつ当該内面の当該スライド方向における一方の縁部に立設された一対の突起部が押圧されてスライドさせられることによって前記テープ引き出し口を開閉するスライド部とを備え、
    前記スライド部は、前記スライド方向に対して直交する方向に沿って前記内面に形成されて前記底板の前記外面に当接する第1リブを備えている情報記録媒体。
  2. 前記第1リブは、前記スライド部の前記内面の前記スライド方向における他方の縁部に形成され、
    前記スライド部は、前記内面に形成された前記テープリール用の駆動軸挿通孔における口縁部に形成されて前記底板の前記外面に当接する第2リブを備えている請求項1記載の情報記録媒体。
  3. 前記第1リブは、前記スライド部の前記内面に形成された前記テープリール用の駆動軸挿通孔と当該内面における前記一方の縁部との中間部位に形成されている請求項1記載の情報記録媒体。
  4. 磁気テープが巻回されたテープリールを回転可能に収容すると共に当該磁気テープを引き出すためのテープ引き出し口が底板の前面側に形成されたケース本体と、前記底板の外側にスライド可能に配設されると共に、当該底板の外面に当接する帯状の凸部がスライド方向に沿ってその内面に形成されかつ当該内面の当該スライド方向における一方の縁部に立設された一対の突起部が押圧されてスライドさせられることによって前記テープ引き出し口を開閉するスライド部とを備え、
    前記スライド部は、前記一対の突起部を繋ぐようにして前記内面における前記一方の縁部に立設された壁部を備えている情報記録媒体。
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