JP4009166B2 - 記録テープカートリッジ及びドライブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープ等の記録テープが巻装された単一のリールを回転可能に収容した記録テープカートリッジに関する。
【0002】
また、本発明は、上記記録テープカートリッジが装填されるドライブ装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
コンピュータ等の外部記録媒体として磁気テープ等の記録テープが用いられている。この記録テープとして、保存時の収容スペースが小さく、大容量の情報が記録できる、記録テープが巻装された単一のリールを収容する記録テープカートリッジが採用されている。
【0004】
この記録テープカートリッジのケースには開口が形成されており、この開口から記録テープを引き出しドライブ装置側の巻取リールに巻き取らせるようになっている。そして、開口から塵埃等が侵入して記録テープに付着しないように、従来から種々の工夫がなされている。
【0005】
図13に示す記録テープカートリッジ100では、ケース102の側壁102A(ケース装填A方向に沿った側壁)に開口104が形成されている。この開口104は、装填方向に沿ってスライドするドア106で開閉される構成である(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0006】
しかし、この開口104の位置では、記録テープである磁気テープTの端部に取付けられたリーダ部材であるリーダピン108を引き出すドライブ装置側の操作部材がケース102の横方向から回り込んでリーダピン108を引き出す必要がある。このため、操作部材が回り込むスペースをドライブ装置側に確保しなければならず、また、操作部材を回り込ます機構が複雑となり、どうしてもドライブ装置が大型化する。さらに、別の見方をすると、巻取リール110に対して磁気テープTの引き出し経路が長くなる。
【0007】
一方、図14に示す記録テープカートリッジ112では、ケース114の正面壁114A(ケース装填A方向を向く前方壁)に開口116が形成されている。この開口116は、支軸回りに開閉する回転式のドア118で開閉される構成である(例えば、特許文献5、特許文献6参照)。
【0008】
この記録テープカートリッジ112では、正面壁114Aに開口116が形成されているので、ドライブ装置側の操作部材は横方向から回り込んで磁気テープTを引き出す必要はないが、ドア118が大きく外側に開くため、ドライブ装置側には、ドア118の開閉動作を邪魔しないようにスペースを確保しなければならない。このため、ドライブ装置が大型化する。
【0009】
さらに、図15に示す記録テープカートリッジ120では、ケース122の角部を切り欠いて開口124を形成し、磁気テープTの端部が連結されたリーダ部材であるリーダブロック126で開口124を直接開閉する構成となっている(例えば、特許文献7、特許文献8参照)。
【0010】
しかし、リーダブロック126が開口124を閉じるドアとして機能するだけなら、リーダブロック126に傷や汚れが生じても問題はないが、リーダブロック126はそのまま操作部材に引き出され、ドライブ装置側の巻取リール128のハブ130に嵌合される構成である。このため、リーダブロック126に傷や汚れが生じると、ハブ130と上手く嵌合せず、磁気テープTの走行に悪影響を与える恐れがある。また、リーダブロック126が磁気テープTを巻き取る巻取面の一部を構成するため、上記傷や汚れによって磁気テープTに記録済みデータの損傷や記録不能領域が発生する恐れがある。
【0011】
さらに、リーダブロック126は開口124の縁部に係止されているだけなので、ケース122が落下すると外れてしまう恐れがあり、また、リーダブロック126はリーダピンと比較してサイズが大きいため、ケース122の形状に制約が多くなる。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−297032号公報
【特許文献2】
特開平11−213615号公報
【特許文献3】
特開平11−242871号公報
【特許文献4】
特開2000−331403公報
【特許文献5】
特開平9−039832号公報
【特許文献6】
米国特許第5332173号明細書
【特許文献7】
特公昭61−61470号公報
【特許文献8】
特公昭63−53633号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮して、記録テープの引き出し経路を最短とできる構成の開口を、ドライブ装置での収容スペースを小型化できる遮蔽部材がリール及びリーダ部材に干渉することなく開閉でき、かつ遮蔽部材を操作して開口を開閉するドライブ装置側の開閉手段を簡単な構造とすることができる記録テープカートリッジを得ることが第1の目的である。
【0014】
また、本発明は、簡単な構造で、記録テープカートリッジの記録テープ引き出し用の開口を確実に開閉することができるドライブ装置を得ることが第2の目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために請求項1記載の発明に係る記録テープカートリッジは、記録テープが巻装された単一のリールを回転可能に収容する矩形状のケースと、前記ケースのドライブ装置への装填側角部を切り欠いて形成され、前記記録テープの端部に取付けられたリーダ部材を引き出すための開口と、前記ケース内で所定の円周上を移動して前記開口を開閉する遮蔽部材と、前記遮蔽部材に設けられると共に前記ケースの外側に露出され、前記ケースのドライブ装置への装填動作によって該ドライブ装置の開閉部材に係合しつつ前記遮蔽部材を前記開口の開放方向に移動させる操作部と、を備えている。
【0016】
請求項1記載の記録テープカートリッジでは、記録テープの非使用時には、遮蔽部材によって開口が閉塞されてケース内への塵埃等の侵入が阻止される。これにより、ケース内に収容されているリールに巻装された記録テープへの塵埃等の付着が防止される。
【0017】
一方、記録テープを使用する際には、記録テープカートリッジ(ケース)はドライブ装置へ装填される。この装填動作によってケース外側に露出された操作部は、ドライブ装置の開閉部材に係合しつつ移動し遮蔽部材を開口の開放方向に移動させる。
【0018】
これにより、開口が開放され、この開口からリーダ部材が引き出される。リーダ部材はドライブ装置の引出手段によって巻取リールへ誘導され、記録テープは、該巻取リールに巻き取られつつ順次ケースから引き出され、所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド等によって情報の記録や再生が行われる。
【0019】
また、記録テープの使用後は、遮蔽部材が開口開放時とは反対方向に移動し、該遮蔽部材が開口を閉塞する初期位置に復帰する。この遮蔽部材の開口閉塞方向の移動は、ばね等の付勢手段の付勢力にて為されても良く、ドライブ装置の開閉部材(開閉手段)によって為されても良いことは言うまでもない。
【0020】
ここで、開口は、矩形状のケースの装填側角部を切り欠いて形成されているため、開放面がケースのドライブ装置への装填方向及び該装填方向と直交する方向に向いている(開放面が上記装填方向に対して傾斜している)。換言すれば、引出手段が、装填方向側から、装填方向と直交する方向から、或いは角部方向(上記傾斜方向に交差する方向)からリーダ部材にアクセスできる。
【0021】
このため、記録テープを引き出すための経路が最短となるドライブ装置の設計が可能となり、また、引出手段が回り込んでリーダ部材をチャックするようなドライブメカが不要となるので、小型で低コストのドライブ装置を設計することができる。
【0022】
また、遮蔽部材がケース内で所定の円周上を移動して開口を開閉するため、換言すれば、開口を開閉する際に遮蔽部材の各部が略同一円周であるケース内の移動軌跡上をはみ出すことなく移動するため、この遮蔽部材は、ケースからはみ出すことなくリールやリーダ部材の外側を回り込むようにして、上記傾斜して形成された開口を開閉できる。
【0023】
このため、ドライブ装置内における記録テープカートリッジの収容スペースが小さく、かつ、遮蔽部材の移動軌跡がケース内のリーダ部材やリールと干渉することがない。なお、上記移動軌跡上をはみ出すことなく移動する遮蔽部材は、例えば、予めその移動軌跡に対応して円弧状に湾曲形成されていても良く、板厚方向に弾性変形可能な平板状に形成されケース内のガイド手段等によって湾曲状態に維持されつつ上記移動軌跡上を移動可能な構成としても良い。
【0024】
さらに、ドライブ装置の開閉手段を構成する開閉部材は、単に遮蔽部材に設けられケース外側に露出した操作部に係合可能に配置されることで、記録テープカートリッジ(ケース)をドライブ装置へ装填する動作によって開口を開放でき、構造が簡単である。
【0025】
このように、請求項1記載の記録テープカートリッジでは、記録テープの引き出し経路を最短とできる構成の開口を、ドライブ装置での収容スペースを小型化できる遮蔽部材がリール及びリーダ部材に干渉することなく開閉でき、かつ遮蔽部材を操作して開口を開閉するドライブ装置側の開閉手段を簡単な構造とすることができる。
【0026】
また、上記の通り遮蔽部材の移動軌跡が円周(曲線状)であるため、ケースの角部を大きく切り欠いて大きな開口を形成することができる。すなわち、例えば平板状のドア(遮蔽部材に対応する部材)で上記傾斜した開口を開閉する場合、開口の開放状態でドアをケースの外形領域内に収容しようとすると、ドアは直線運動及び回転運動によって姿勢を変えつつ開口を開閉する必要がありその作動領域が大きく、このドアの作動領域をリーダ部材やリールに干渉させないために開口を小さくせざるを得ないが、請求項1記載の記録テープカートリッジでは、上記の通り円弧状の移動軌跡に対応した円弧状の遮蔽部材を備えることで開口の大型化を図ることができる。
【0027】
さらに、上記の如く記録テープを引き出すための経路を最短にすると、記録テープのパス経路も必然的に短くなるので、テープガイドとの接触摩耗を低減することができる。また、ケースの角部を切り欠いて開口を形成することで上記の通り引出手段のリーダ部材へのアクセス方向の範囲が広がるため、ケース内におけるリーダ部材の設置可能位置が広がり、ドライブ装置の設計自由度が向上する。そして、遮蔽部材が上記の通り動作するので、リーダ部材の設置可能位置が遮蔽部材によって影響を受ける(設置可能位置が狭められる)ことがない。
【0028】
さらにまた、遮蔽部材は、ケースから引き出されるリーダ部材とは別個に設けられケースから取り外される必要がないため、落下衝撃で容易に外れない設計とすることができる。一方、リーダ部材は、記録テープの非使用時には、遮蔽部材によって開口が閉塞されたケース内に収納されており、キズや汚れが付き難い。このため、ドライブ装置内での記録テープの引き出しや走行に影響を与えず、記録テープ自体を損傷することもない。
【0029】
請求項2記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項1記載の記録テープカートリッジにおいて、前記遮蔽部材を、前記円周に対応した円弧状に湾曲して形成すると共に、前記ケースのドライブ装置への装填方向に沿う側壁の内側を移動するように配置し、前記操作部を、前記遮蔽部材の外周側の面から突設すると共に、前記側壁に設けられた窓部から露出させた、ことを特徴としている。
【0030】
請求項2記載の記録テープカートリッジでは、所定の円周(すなわち、移動軌跡)に対応する円弧状に形成された遮蔽部材の外周側の面から突出する操作部がケースにおけるドライブ装置への装填方向に沿う側壁から露出しており、遮蔽部材がこの側壁の内側を(側壁に略沿って)移動して開口を開閉するため、上記装填方向と遮蔽部材の移動方向が略一致し、ドライブ装置の開閉手段(開閉部材)が一層簡素化される。すなわち、ドライブ装置は、例えば遮蔽部材を装填方向と直交する方向に移動させる場合に採用される、操作部に係合しつつ揺動するアーム等の複雑な開閉手段を備える必要がなく、構造を簡素化できる。
【0031】
請求項3記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項2記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ケースと前記遮蔽部材との間に、該前記遮蔽部材を前記側壁側に付勢しつつ前記開口の閉塞方向に付勢する付勢手段を設けた、ことを特徴としている。
【0032】
請求項3記載の記録テープカートリッジでは、遮蔽部材が付勢手段によって開口の閉塞方向に付勢されているため、非使用時には遮蔽部材による開口の閉塞状態が維持され、ドライブ装置からの排出に伴って遮蔽部材が開口を閉塞する。これにより、非使用時の防塵性が向上すると共に、ドライブ装置では遮蔽部材を開口閉塞方向へ移動させる手段が不要で開閉手段(開閉部材)がより一層簡素化される。
【0033】
そして、付勢手段によって遮蔽部材は、その操作部を露出させる窓部が設けられたケースの側壁側にも付勢されているため、該操作部をドライブ装置の開閉部材に確実に係合させることができる。すなわち、遮蔽部材を移動可能とするために遮蔽部材よりも側壁側に設定されるクリアランスに起因して該遮蔽部材がケース内方に位置している場合に懸念される、操作部と開閉部材との係合不良(係合量の不足等)が防止される。
【0034】
請求項4記載の発明に係る記録テープカートリッジは、請求項2または請求項3記載の記録テープカートリッジにおいて、前記ケースは、上ケースと下ケースとが互いの側壁を突き当てて接合されて成り、前記窓部は、前記上ケース及び下ケースの何れか一方の側壁を前記開口側の端部まで切り欠いて設けられた、ことを特徴としている。
【0035】
請求項4記載の記録テープカートリッジでは、遮蔽部材の操作部を露出させる窓部が、それぞれケースを構成する上ケース及び下ケースの何れか一方の側壁を、開口側の端部まで切り欠いて形成されている。このため、操作部がケースにおけるドライブ装置への装填側にも開口しており、窓部よりも装填側(開口側)には上ケースの周壁(側壁)と下ケースの周壁(側壁)との接合部が存在しない。これにより、例えば、遮蔽部材による開口の閉塞時に操作部を側壁の外面よりも内側に位置させつつ、ドライブ装置の開閉部材を窓部における装填側に開口した部分から進入させて該操作部に係合させることが可能となる。
【0036】
一方、それぞれ金型(例えば、樹脂成形等)を用いて形成される上ケース及び下ケースは、周壁に抜き勾配が設定されるため、互いの突き当て部(パーティングライン)がケースにおける凸部となる。このため、仮に上ケース及び下ケースの双方の側壁を切り欠いて(パーティングラインを跨ぐように)窓部を設けると、上記の通り、窓部よりも開口側に突き当て部が存在しない構成では、窓部の形成部分でケースの全幅が小さくなりドライブ装置内でのガタつきの原因となるが、本記録テープカートリッジでは、窓部を上ケース及び下ケースの何れか一方の側壁のみを切り欠いて形成したため、ケースの全幅が側壁の窓部形成部分を含む全長に亘り殆ど一定となり、上記ガタつき及びこれに起因する遮蔽部材の動作不良が防止される。
【0037】
なお、上記各構成の記録テープカートリッジにおいて、ケースがリールと遮蔽部材との間に内壁、または内壁と該内壁から部分的に突設され遮蔽部材に摺動可能な凸部とで構成される防塵手段を有する構成とすれば、操作部を露出させるための窓部等からケース内に塵埃が侵入しても、この塵埃がリール(記録テープ)に付着することが内壁または防塵手段によって防止されるため、好適である。
【0038】
上記第2の目的を達成するために請求項5記載の発明に係るドライブ装置は、記録テープが巻装された単一のリールを回転可能に収容する矩形状のケースと、前記ケースの角部を切り欠いて形成され、前記記録テープを引き出すための開口と、前記ケースの前記開口側の側壁の内側で所定の円周上を移動して前記開口を開閉する遮蔽部材と、前記遮蔽部材に設けられると共に前記側壁に設けられた窓部から露出され、前記開口の閉塞状態では前記側壁の外面よりも前記ケース内方に位置し、前記開口の開放に伴って前記側壁外面よりも突出する操作部と、を備えた記録テープカートリッジが、前記側壁の長手方向に沿って装填されるドライブ装置であって、前記側壁が摺動可能な位置に配置されたガイド壁と、前記ガイド壁に固定して設けられ、前記装填に伴う前記ケースとの相対移動によって前記操作部に係合して前記遮蔽部材を前記開口の開放方向に移動させる係合突起と、前記ガイド壁における前記係合突起の前記操作部との係合側に設けられ、前記開口の開放に伴って前記操作部を入り込ませる逃し部と、を備えている。
【0039】
請求項5記載のドライブ装置では、記録テープカートリッジがその側壁の長手方向によって装填されると、ガイド壁がケースの側壁と摺動(相対移動)しつつ該ケースを装填方向にガイドする。すると、この相対移動によって、ガイド壁に設けられた係合突起が遮蔽部材の操作部に係合しつつ遮蔽部材を開口の開放方向に移動する。これにより、本ドライブ装置では、単に記録テープカートリッジの装填動作によって、該記録テープカートリッジの記録テープ引き出し用の開口を開放する。
【0040】
ここで、ガイド壁における前記係合突起の前記操作部との係合側に逃し部を設けたため、開口の開放に伴ってケースの側壁外面よりも突出する操作部を逃し部に逃すことができ、ガイド壁がケースをガイドする機能が維持される。すなわち、開口の開放に伴い所定の円周上を移動する遮蔽部材の操作部は、その移動軌跡が円周(上記円周の外側の円周)となり、上記ガイド機能を維持するために操作部を常時ケース内に位置させる構成ではケース(すなわち、ドライブ装置)が大型化するが、本ドライブ装置では、単に逃し部を設ける簡単な構造により、記録テープカートリッジ10及び該ドライブ装置自体の大型化することなく上記ガイド機能を果たすことができる。これにより、ドライブ装置内における記録テープカートリッジのガタつきが抑制され、係合突起が確実に操作部に係合して開口を開放させることが可能となる。
【0041】
このように、請求項5記載のドライブ装置では、記録テープカートリッジの記録テープ引き出し用の開口を確実に開閉することができる。また、記録テープカートリッジ及びドライブ装置自体の大型化を防止することもできる。
【0042】
なお、請求項5における逃し部は、ガイド壁を凹ませた凹部であっても良く、ガイド壁を貫通する貫通孔であっても良い。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジ10について、図1乃至図7に基づいて説明する。まず、記録テープカートリッジ10の概略の全体構成を説明し、次いで、本発明の要部である開口20及び該開口20を開閉する遮蔽部材としてのドア50について説明する。さらに、その後、本発明の実施の形態に係るドライブ装置のバケット60について説明する。なお、説明の便宜上、矢印Aで示す記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を記録テープカートリッジ10の前方向(前側)とし、矢印Aと直交する矢印B方向を右方向とする。
(記録テープカートリッジの全体構成)
図1には記録テープカートリッジ10の全体構成が斜視図にて示されており、図2には記録テープカートリッジ10の概略の分解斜視図が示されている。
【0044】
これらの図に示される如く、記録テープカートリッジ10は、平面視で略矩形状のケース12内に、情報記録再生媒体である記録テープとしての磁気テープTを巻装した単一のリール14を回転可能に収容して構成されている。
【0045】
ケース12は、ドライブ装置への装填方向先頭側の1つの角部である右前角部がそれぞれ切り欠かれた一対の上ケース16と下ケース18とを互いの周壁16A、18Aを突き合せて接合することで構成されており、内部に磁気テープTを巻装したリール14の収容空間が設けられている。そして、上ケース16及び下ケース18の周壁16A、18Aが切り取られた角部が磁気テープTの引き出し用の開口20とされている。
【0046】
この開口20から引き出される磁気テープTの自由端には、ドライブ装置の引出手段によって係止(係合)されつつ引き出し操作されるリーダピン22が接続されている。リーダピン22の磁気テープTの幅方向端部より突出した両端部には、環状溝22Aが形成されており、この環状溝22Aが引出手段のフック等に係止される。これにより、磁気テープTを引き出す際に、フック等が磁気テープTに接触して傷付けない構成である。
【0047】
また、ケース12の開口20の内側には、ケース12内においてリーダピン22を位置決め、保持する上下一対のピン台24が設けられている。ピン台24は、半円筒形状をしており、その凹部24Aに直立した状態のリーダピン22の両端部が保持される。そして、ピン台24の外周壁の磁気テープT引き出し側は開放しており、リーダピン22が出入りする出入り口となっている。
【0048】
ピン台24の近傍には板ばね25が固定配置されており、この板ばね25がリーダピン22の上下端部に係合してリーダピン22をピン台24に保持するようになっている。リーダピン22がピン台24に出入りする際には、板ばね25は適宜弾性変形してリーダピン22の移動を許容する構成である。
【0049】
さらに、下ケース18の中央部には、リール14の図示しないリールギヤを外部に露出するためのギヤ開口26が設けられており、リール14はリールギヤがドライブ装置の駆動ギヤに噛合わされてケース12内で回転駆動されるようになっている。また、リール14は、上ケース16及び下ケース18の内面にそれぞれ部分的に突設されてギヤ開口26と同軸的な円形の軌跡上にある内壁としての遊動規制壁28によってガタ付かないように保持されている。
【0050】
この遊動規制壁28の開口20近傍の端部には、内部に位置規制用孔が形成された袋部28Aが連設されている。また、ケース12の左前角部の内側においては、長孔である位置規制用孔が形成された袋部28Bが遊動規制壁28に連設されている。袋部28A、28Bは、矢印B方向に沿った一直線上に配置されている。
【0051】
そして、袋部28Aが連設された端部を除いて、各遊動規制壁28は、それぞれ端部がケース12の周壁16Aまたは周壁18Aと連設されることで、その外側とリール14の設置空間とを仕切っている。
(開口及び開口近傍のケースの構成)
上記の通り、開口20は、右前角部が切り欠かれて形成されることで、その開放面が矢印A方向及び矢印B方向に向くため、ドライブ装置の引出手段が、矢印A方向、矢印B方向、或いは矢印A方向と矢印B方向との間からアクセスしてリーダピン22をチャックできる。
【0052】
これにより、リーダピン22を保持するピン台24を設置可能なエリアが広がり、ドライブ装置の引出手段がリーダピン22をチャック可能な領域が広いため、矢印A方向または矢印B方向からチャックするドライブ装置の仕様に合わせてピン台24の設置位置を設定できる。このため、ドライブ装置の設計の自由度も広がる。
【0053】
下ケース18の平面図である図3にも示される如く、ケース12の前壁12A(周壁16A、18Aのうち、外面が矢印A方向を向く部分)の右端部には、開口20の前縁部を規定する上下一対の短い傾斜壁部30が設けられている。傾斜壁部30は、開口20の開放面に沿って屈曲されると共に前壁12Aよりも壁厚が厚肉化されている。
【0054】
この傾斜壁部30の厚み方向の中央部には、後述するドア50の先端が入り込む凹部30Aが形成されている。また、傾斜壁部30の左方近傍の前壁12A内側には、上下一対のビスボス32が連設されている。
【0055】
一方、ケース12の右壁12B(周壁16A、18Aのうち、矢印A方向に沿った右側の壁)の前端部には、ケース12の内方(左方)へ若干オフセットされた上下一対のオフセット壁部34が設けられている。このオフセット壁部34の前端が開口20の後縁を規定している。
【0056】
また、オフセット壁部34の前端部内側には上下一対のビスボス36が連設されており、このビスボス36の外周部はドア50と摺動可能なドア50の案内(ガタつき防止)用としても機能する。さらに、オフセット壁部34の後端部と右壁12Bとの間には、上下一対の段部38が一体に形成されている。
【0057】
図4(A)にも示される如く、オフセット壁部34後方の右壁12Bには、ケース12の内外を連通する窓部としての所定長さのスリット40が設けらており、後述するドア50の操作突起52の露出用とされている。スリット40は、右壁12Bを構成する周壁16Aの下部、周壁18Aの上部をそれぞれ切り欠いて形成され、上下の段部38の下部、上部をもそれぞれ切り欠くことで前方(ドライブ装置のバケット60への装填側)へも開口されている。これにより、バケット60の係合突起68が前方からスリット40に進入可能とされている。なお、このスリット40が設けられた右壁12Bが本発明における「ケースのドライブ装置への装填方向に沿う側壁」に相当する。
【0058】
なお、スリット40は、図4(B)に変形例を示すように、その上下が単にケース12の天板及び底板にて規定されても良いが、上記のように、リブとしても機能する周壁16A、18Aの一部を上下に残すことでケース12の剛性が維持され、落下強度上好ましい。特に、スリット40を規定する上下の壁がその両端において互いに接合される周壁16A、18A及びオフセット壁部34(段部38)と一体に形成され(連設され)ているので、一層好ましい。
【0059】
また、スリット40は、図4(C)に変形例を示すように、オフセット壁部34を設けることなく前方に開口するように開口20と連設されても良いが、上記のように、開口20とスリット40とを独立して設けることで開口20後縁のコーナー部の剛性が高くなり、落下強度上好ましい。さらに、図4(A)の構成では、ケース12の全高に亘りドア50に摺動可能なビスボス36、凸部42(オフセット壁部34)を設けられるため、防塵性上好ましい。
【0060】
また、上下のオフセット壁部34の後端部には、それぞれ段部38とは反対方向(ケース12の内方)に突出した凸部42が全高に亘って設けられており、その端面が後述するドア50の外面に対応して湾曲している。一方、遊動規制壁28の凸部42に対応する位置には、ドア50の内面に対応して湾曲し凸部42と対向する凸部44が全高に亘って設けられている。
【0061】
凸部42と凸部44とは、ドア50が開口20を開閉する際に該ドア50を挟むようにこれと摺動可能になっており、ケース12内への塵埃侵入防止用及びドア50の案内(ガタつき防止)用とされている。
【0062】
さらに、スリット40の後端を規定する右壁12B(周壁16A、18A)の部分にもケース12の内方に突出した凸部46が設けられており、ケース12内への塵埃侵入防止用及びドア50の案内(ガタつき防止)用とされている。
【0063】
さらにまた、下ケース18の凸部46の後方には、周壁18Aの上端を除く部分が断面視略「コ」字状にケース12の内方へ凹むと共にケース12の下面から上方へも凹んだ(底板が切り欠かれた)凹部48が形成されている。この凹部48は、ケース12の左壁にも形成され、例えば、ドライブ装置の引き込み手段が係合する係合部とされたり、その底面(下向きの面)がドライブ装置内での位置決め基準面とされたりするようになっている。また、凹部48を設けることでケース12の捩り強度が向上されている。
【0064】
そして、この凹部48を規定する右壁12B(周壁18A)の部分は、ドア50の外面に対応して湾曲され、開口20を開閉する際にドア50の外面が摺動可能なドア50案内(ガタつき防止)用の案内面48Aとされている。
【0065】
以上説明した上ケース16と下ケース18とは、開口20の縁部の近傍に位置する各ビスボス32、36に下側から図示しないビスがねじ込まれて、固定(接合)される構成である。これによって、傾斜壁部30(前壁12A)及びオフセット壁部34(右壁12B)の各自由端によって規定され強度的に不利で落下によって地面等に衝突しやすい開口20両端のコーナー部は強固に接合され、ケース12を落しても、記録テープカートリッジ10全体の重量で、変形したり座屈して位置ズレしない構成である。
【0066】
なお、ビスのネジ山径は一例として、φ2.0mmで、ビスボス32及びビスボス36の外径をφ4.0mmとしている。また、ビス止めに代えて、ビスボス32、36に相当する位置に上ケース16から突起を突設すると共に下ケース18に突起と嵌合する嵌合孔を設け、突起と嵌合孔とを互いに嵌合させても良いが、この場合、嵌合部位の半径30mm以内の箇所において上ケース16と下ケース18とをビス止めすることが望ましい。さらに、周壁16A、18Aの付き合せ面(開口20両側のコーナー部)は溶着固定しても良いが、分解性やリサイクル性を考慮するとビス止めの方が望ましい。
【0067】
また、ピン台24が設置されたエリア(開口20付近)では、板厚が上ケース16及び下ケース18とも2mmとされ、他のエリアと比較して厚肉となっている。さらに、ケース12(上ケース16及び下ケース18)はポリカーボネート素材(PC)で形成されている。また、ケース12はPCに代えてアクリロニトリルブタジエートスチレン(ABS)や金属材とすることもできる。
【0068】
これは、記録テープカートリッジ10の機能上で最も重要な(記録テープを引き出す際に引出手段に正しく係止されるべき)リーダピン22の保持(位置決め)位置であるピン台24付近の強度を上げ、ケース12(記録テープカートリッジ10)の落下等による衝撃でリーダピン22の位置ズレが生じないようにするためである。
【0069】
また、ピン台24の設置位置は、その保持するリーダピン22の軸心が開口20の前後の縁部を結ぶ第1の仮想直線(図示省略)上または該第1の仮想直線よりもケース12内側に位置するように決められており、より好ましくは2つのビスボス32、36の軸心を結ぶ第2の仮想直線(図示省略)上または該第2の仮想直線よりもケース12内側に位置するように決められている。さらに、本実施の形態では、ピン台24は、ビスボス36よりもビスボス32に近接した位置に配置されている。これにより、ケース12の落下等に伴う天板及び底板の振動によるリーダピン22の位置ズレも防止される構成である。
【0070】
さらにまた、ケース12は、上ケース16の周壁16Aと下ケース18周壁18Aとが同等の高さとされ、互いの突き合せ部の加工精度(金型による樹脂成形の精度)が同程度となり、組立性や耐落下衝撃性が良好とされている。
【0071】
一方、開口20の開放面の矢印A方向に対する傾斜角(開口20の上下を規定するケース12の天板及び底板の傾斜角)は、ライブラリ装置における記録テープカートリッジ10の識別(認識)の要求に応じて決められている。すなわち、ライブラリ装置は、複数の記録テープカートリッジ10を収容して記録テープカートリッジ10を自動的に(人手を介在させないで)ドライブ装置に着脱するものであるが、その取り扱う記録テープカートリッジ10及びドライブ装置が複数種となる場合、記録テープカートリッジ10の世代や記録容量等を認識する必要があり、この認識に開口20の開放面の傾斜角を利用することができる。
【0072】
これにより、上記の如く強度上の配慮が為された磁気テープT引き出し用の開口20が、その開放面の傾斜角(具体的には、開口20の上下を規定する天板または底板の傾斜角)によってライブラリ装置での認識部を兼ねるため、開口20と認識部とを別個に設けた場合(例えば、認識部としてケース12に1つまたは複数の貫通孔を設けた場合)に懸念されるケース12の強度不足や防塵性の低下、及び金型構造の複雑化を防止できる。
(ドアの構成)
以上説明した開口20は、リール14や上ケース16等を取り除いて見た図5及び図6にも示される如く、遮蔽部材としてのドア50によって開閉されるようになっている。ドア50は、その板幅(高さ)が開口20の開口高とほぼ同一とされると共にその板長が開口20の開口幅よりも十分大きくされ、所定の円周に沿って板厚方向に湾曲した平面視円弧状に形成されている。
【0073】
具体的には、ドア50は、その先端部が傾斜壁部30の凹部30Aに入り込んだ状態で開口20を閉塞し(図7(A)参照)、上記円周に沿って略後方へ移動(回動)して開口20を開放し(図7(B)参照)、その先端近傍の外周面がビスボス36近傍に達すると開口20を完全に開放する(図7(C)参照)構成である。また、ドア50は、開口20を開放する際と略反対方向に回動して開口20を閉塞するようになっている。なお、開口20の閉塞状態では、ドア50がビスボス36、凸部42、44の少なくとも1つに接するようになっている。
【0074】
すなわち、ドア50は、その移動軌跡である所定の円周に対応した円弧状に湾曲形成されている。このドア50の回動中心は、本実施の形態では、その左右方向の位置がケース12の左端近傍に、その前後方向の位置がスリット40の後端近傍に設定されている。これにより、ドア50の移動軌跡は、スリット40の後端近傍においてケース12の右壁12Bに最も近接する。なお、ドア50の回転中心及び半径は、ドライブ装置からの要求により決まる開口20前後の縁部(傾斜壁部30及びビスボス36)の位置やライブラリ装置からの要求により決まる開口20の開放面の角度等に応じて適宜決められれば良い。
【0075】
また、ドア50の湾曲した長手寸法は、その後端部が開口20の閉塞状態においてケース12の凹部48よりも後方の右後角部内に位置するように決められている。これにより、ドア50は、開口20を開閉する全過程で、ケース12のビスボス36、凸部42、44、46、案内面48A(及び遊動規制壁28)に案内され(ガタを規制され)るようになっている。
【0076】
このドア50の長手方向中央部よりも若干前方における外周部には、操作部としての操作突起52がドア50の径方向に沿って突設されている。操作突起52は、スリット40からケース12の外側に露出されており、開口20の閉塞状態ではオフセット壁部34の後端の凸部42からわずかに離間して位置すると共にスリット40の段部38に前方へ開口した部分から操作可能とされている。この状態で操作突起52の先端部が右壁12Bの外面(ケース12の外形領域)よりも突出しないように各部の寸法が決められている(図5及び図7(A)参照)。
【0077】
一方、操作突起52は、開口20の開放状態では、スリット40の後縁の凸部46からわずかに離間して位置するようになっている。なお、この状態で、操作突起52の長手方向がケース12の右壁12B(矢印A方向)と略直交するように各部の寸法が決められている(図7(C)参照)。
【0078】
そして、この操作突起52露出用のスリット40によってケース12の内外が連通されるが、このスリット40は、ケース12内の略全高に亘るドア50と該ドア50を案内する凸部42、46とによって常時ほぼ閉塞され、かつ内壁としての遊動規制壁28及びドア50を案内する凸部44によってリール14の収容空間との間に迷路構造が形成されることにより、リール14に巻装された磁気テープTへの塵埃等の付着が防止されるようになっている。
【0079】
また、ドア50の後端近傍の内周部には、ばね保持部54がドア50の径方向に沿って突設されている。このばね保持部54には、一端部がケース12内の凹部48近傍に設けられたばね係止部55に係止された付勢手段としてのコイルばね56の他端部が係止保持されている。これにより、ドア50は、コイルばね56の付勢力によって開口20の閉塞方向に付勢され、通常開口20を閉塞する構成である。
【0080】
このコイルばね56は、上記の通りドア50が開口20の閉塞状態でケース12の右後角部に至る長さであるため、該右後角部における遊動規制壁28と周壁16A、18Aとの間の空間を有効利用して配設されている。また、コイルばね56は、本実施の形態では引張コイルスプリングとされ、平面視円弧状のドア50の移動軌跡に干渉しないようにドア50と遊動規制壁28との間(ドア50の内周側)に位置している(図7(A)乃至図7(C)参照)。
【0081】
さらに、ドア50の前後方向における回動中心よりも後側で平面視円弧状のドアを略前方へ付勢するコイルばね56は、その長手方向(付勢方向)がケース12の右壁12B(すなわち、矢印A方向)に対し傾斜して配置されている。このため、ドア50には図5に示される付勢力Fが作用し、該ドア50は、付勢力Fの矢印A方向の分力F1によって開口20の閉塞方向に付勢されつつ、付勢力Fの矢印B方向の分力F2によって右壁12B側へも付勢されている。
【0082】
そして、この分力F2によってドア50は、操作突起52をその先端が(上記の通り、右壁12B外面から突出しない範囲で)右壁12Bの外面と略面一となるように位置させるようになっている。このため、ドア50は、右壁12Bに設けられたスリット40の前側開口端から進入する係合突起68に対する操作突起52の係合量を確保できる構成である。すなわち、ドア50は、その移動を可能とするためにガイド手段であるビスボス36、凸部42、44、46等との間に径方向(略左右方向)のクリアランスがあるが、分力F2によって右壁12B側に付勢されることで、操作突起52を係合突起68との係合量を確保できる適正位置に位置させるようになっている。
【0083】
以上説明したドア50は、PCより成るケース12に対して、耐摩耗性に優れ低摩擦係数である、例えば、ポリオキシメチレン(POM)樹脂によって成形されているが、操作突起52やばね保持部54は別体(別材料)にて構成しても良い。そして、ドア50の動作をスムースに行うために、ドア50の上下の端面とケース12の天板及び底板とのクリアランスは、片側で0.05mmから0.2mm程度とすることが好ましい。
(ドライブ装置のバケットの構成)
次に、上記構成の記録テープカートリッジが装填されるドライブ装置のバケット60について説明する。なお、ドライブ装置は、バケット60に装填された記録テープカートリッジ10の開口20からリーダピン22を引き出して巻取リールに誘導して該巻取リール保持し、該巻取リールとリール14とを同期して回転しつつ、所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド(記録または再生の機能のみ果たすヘッドでも良い)によって磁気テープTへの情報の記録、または磁気テープTに記録された情報の再生を行う装置である。
【0084】
図8には、バケット60を下方より見た斜視図が示されている。この図に示される如く、それぞれ矢印A方向に沿って長手とされたガイド壁としての右ガイド壁62、左ガイド壁64を備えている。右ガイド壁62と左ガイド壁64とは、互いの上端部が天板部66によって連結されている。天板部66の前端には、ケース12の装填(挿入)深さを規制するストッパ66Aが下方へ延設されている。
【0085】
右ガイド壁62と左ガイド壁64とは、互いの対向間隔がケース12の左右幅に対応している。これにより、右ガイド壁62は矢印A方向に装填されるケース12の右壁12Bと摺動しつつこれをガイドし、左ガイド壁64は右壁12Bと反対の左壁12C(図1、図2参照)と摺動しつつこれをガイドするようになっている。
【0086】
また、右ガイド壁62及び左ガイド壁64の下端部は、それぞれ屈曲して天板部66と対向する底板片64A、66Aとされている。これらの底板片64A、66Aには、バケット60に装填されるケース12が載置されるようになっている。
【0087】
さらに、右ガイド壁62の長手方向中間部には、開閉部材としての係合突起68が左方へ突出して設けられている。係合突起68は、記録テープカートリッジ10の操作突起52と係合可能に配置され、図7(A)乃至図7(C)に示される如く、バケット60への記録テープカートリッジ10の装填動作に伴って操作突起52と係合してドア50を開口20の開放方向へ移動させる構成である。
【0088】
また、右ガイド壁62における係合突起68の後方(操作突起が係合する側)には、逃し部としての逃し孔69が設けられている。この逃し孔69は、図7(B)及び図7(C)示される如く、開口20の開放に伴って右壁12B外面よりも外側に突出する操作突起52を入り込ませるようになっている。
【0089】
これにより、右ガイド壁62は、上記の通り右壁12Bと摺動しつつこれをガイドすることが可能である。そして、係合突起68は、そのストッパ66Aにケース12の前壁12Aが突き当たると、図7(C)に示される如く開口20を完全に開放するように配置されている。
【0090】
そして、バケット60には、図7(C)の状態でケース12を保持する図示しない保持手段が設けられている。これにより、記録テープカートリッジ10がコイルばね56の付勢力によってバケット60から排出されないようになっている。
【0091】
なお、本実施の形態では、右ガイド壁62を前側が開口した略コ字状に切り欠いて切り残された部分を屈曲することで、簡単な構造で係合突起68と逃し孔69とが隣接して形成されている。また、本実施の形態では、図7(C)の状態で、操作突起が右ガイド壁62の外側に突出しないように各部の寸法が決められている。
【0092】
以上説明したバケット60は、記録テープカートリッジ10が装填されてストッパ66Aが前壁12Aに当接すると、ドライブ装置内該記録テープカートリッジ10と共に下降して、該記録テープカートリッジを位置決めしつつリール14のリールギヤにドライブ装置の駆動ギヤを噛み合わせるようになっている。
【0093】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0094】
上記構成の記録テープカートリッジ10では、非使用時(保管時や運搬時等)には、開口20がドア50によって閉塞されている。具体的には、ドア50は、コイルばね56の付勢力(分力F1)によって、その先端部(前端部)が傾斜壁部30の凹部30Aに入り込むと共に、中間部外周面がビスボス36の外周面に略接して開口20を閉塞している。また、この状態で、コイルばね56の付勢力F(分力F2)によって右壁12B側に付勢されているドア50の操作突起52は、右壁12Bと略面一で、スリット40から露出している。
【0095】
一方、磁気テープTを使用する際には、記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿ってドライブ装置のバケット60へ装填する。この装填に伴って、右ガイド壁62、左ガイド壁64がそれぞれケース12を右壁12B、左壁12Cにおいてガイドしつつ、該ケース12と矢印A方向に沿って相対移動する。すると、図7(A)に示される如く、ドライブ装置の開閉手段を構成する開閉部材としての係合突起68が、段部38において前方へ開口したスリット40に進入し、ドア50の操作突起52に係合する。
【0096】
記録テープカートリッジ10(ケース12)をさらに押し込むと、図7(B)に示される如く、この押し込み力によってコイルばね56の付勢力に抗しつつ、係合突起68が操作突起52を後方へ移動させる(矢印A方向へ装填されるケース12に対して後方へ相対移動させる)。このとき、操作突起52は右壁12Bの外面よりも突出しバケット60の逃し孔69に入り込む。これにより、右ガイド壁62、左ガイド壁64によるケース12のガイド状態が維持される。
【0097】
すると、操作突起52が突設されたドア50は、ビスボス36、凸部42、44、46及び案内面48Aに案内されつつ、その湾曲方向に沿って平面視時計方向に回動する。すなわち、ドア50は、その湾曲形状に沿った移動軌跡から殆どはみ出すことなく、ピン台24及びリール14の外側を回り込むように略後方へ移動し、開口20を開放する。
【0098】
そして、ケース12(記録テープカートリッジ10)がドライブ装置に所定深さ装填されると、図7(C)に示される如く、開口20が完全に開放される。この状態で保持手段がケース12を保持し、開口20の開放状態が維持される。そして、この状態からバケット60がドライブ装置内で下降すると、この下降に伴ってケース12がドライブ装置に対し位置決めされると共に、リール14のリールギヤには駆動ギヤが噛み合わされる。
【0099】
この状態で、開放された開口20からはドライブ装置の引出手段がケース12内に進入し、この引出手段がピン台24に位置決め保持されたリーダピン22を抜き出して巻取リールに収容する。そして、巻取リールとリール14とを同期して回転駆動すると、磁気テープTは、巻取リールに巻き取られつつ順次ケース12から引き出され、所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド等によって情報の記録や再生が行われる。
【0100】
一方、磁気テープTがリール14に巻き戻されると、バケット60がドライブ装置内で上昇して記録テープカートリッジ10の位置決め状態及びリール14のリールギヤの駆動ギヤとの噛み合い状態がそれぞれ解除される。そして、バケット60の保持手段がケース12の保持状態を解除すると、記録テープカートリッジ10は、コイルばね56の付勢力または図示しないイジェクト機構によって矢印A方向とは反対方向に移動して、バケット60から排出される。
【0101】
この排出動作に伴って、ドア50は、ビスボス36、凸部42、44、46及び案内面48Aに案内されつつ、コイルばね56の付勢力によって開口20の閉塞方向へ回動する。ドア50の先端部が傾斜壁部30の凹部30Aに入り込むと、開口20が完全に閉塞される初期状態に復帰する。
【0102】
ここで、開口20は、矩形状のケース12の装填側角部を切り欠いて形成されているため、その開放面が矢印A方向及び矢印B方向に向いている(開放面が矢印A方向に対して傾斜している)。換言すれば、ドライブ装置の引出手段がケース12の矢印A方向を向く前面側からリーダピン22にアクセスでき、矢印B側の周壁(側壁)16A、18Aよりも外側(矢印B側)からアクセスする必要がない。
【0103】
このため、ドライブ装置では、磁気テープTを引き出すための経路を最短とでき、また、引出手段がケース12の矢印B側から回り込むようなドライブメカが不要となり、小型化及び低コスト化が図られる。
【0104】
また、円弧状に湾曲形成されドア50が、その湾曲形状に沿った移動軌跡からはみ出すことなくリール14及びピン台24(リーダピン22)の外側を回り込むように回動して開口20を開閉するため、このドア50は、開口20の開閉に際してケース12の外形領域からはみ出すことがない。
【0105】
このため、ドライブ装置内における記録テープカートリッジ10の収容スペースが小さく、かつ、ドア50の移動軌跡がケース12内のピン台24(リーダピン22)やリール14と干渉することがない。
【0106】
さらに、ドア50が矢印A方向に沿う右壁12Bの内側で略前後方向に移動して開口20を開閉するため、ドライブ装置の係合突起68は、単にスリット40に前方から進入してドア50の操作突起52に係合可能に固定配置されていれば足り、構造が簡単である。
【0107】
また、ドア50は、コイルばね56の付勢力によって開口20を閉塞するため、ドライブ装置側にはドア50を開口20の閉塞方向へ駆動するための機構が不要であり、ドライブ装置の開閉手段(開閉部材)の構造が一層簡素化される。そして、このコイルばね56の付勢力(分力F2)によって、開口20閉塞状態のドア50の操作突起52が右壁12Bの外面と略面一に配置されるため、該操作突起52と係合突起68との所定の係合量が確保され、簡単な構造の開閉手段(係合突起68)によって、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填動作に伴って開口20が確実に開放される。なお、開口20の開放過程においても、分力F2に相当するコイルばね56の付勢力に基づく分力がドア50に作用し、該分力が作用しない場合と比較して操作突起52と係合突起68とを確実に係合させることができる。
【0108】
このように、本実施の形態に係る記録テープカートリッジ10では、磁気テープTの引き出し経路を最短とできる構成の開口20を、該記録テープカートリッジ10のドライブ装置での収容スペースを小型化できるドア50がリール14及びリーダピン22に干渉することなく開閉でき、かつドア50を操作して開口20を開閉する開閉手段(開閉部材)としての係合突起68を簡単な構造とすることができる。
【0109】
また、上記の通りドア50の移動軌跡が円周(曲線状)であるため、ケース12の角部を大きく切り欠いて大きな開口20を形成することができる。すなわち、例えば平板状の遮蔽部材で矢印A方向に対して傾斜した開口20を開閉する場合、開口20の開放状態で遮蔽部材をケース12の外形領域内に収容しようとすると、遮蔽部材は直線運動及び回転運動によって姿勢を変えつつ開口20を開閉する必要がありその作動領域が大きく、この遮蔽部材の作動領域をリーダピン22やリール14に干渉させないために開口20を小さく(開口20が形成されるケース12の角部の切り欠き部分を小さく)せざるを得ないが、本実施の形態に係る記録テープカートリッジ10では、上記の通り所定の円周上をはみ出すことなく回動して開口20を開閉するドア50を備えることで開口20の大型化を図ることができる。
【0110】
特に、矢印A方向に対して開放面が傾斜した開口20を開閉するためのドア50の回動中心は、リール14の軸心位置に対して独立して決めることができるため、開口20の開放面の矢印A方向に対する傾斜角や開口20の大きさ(前後の縁部を結ぶ距離)等を任意に設定でき、ドライブ装置等の要求に応じた任意の寸法形状の開口20を開閉するドア50を得ることができる。すなわち、ドア50を備えた構成では、開口20(記録テープカートリッジ10)の設計の自由度が向上する。
【0111】
また、上記の如く磁気テープTを引き出すための経路を最短にすると、磁気テープTのパス経路も必然的に短くなるので、磁気テープTとテープガイド(例えば、回転可能に支持されたローラ等)との接触摩耗を低減することができる。
【0112】
さらに、開口20はケース12の角部を切欠いて形成され矢印A方向及び矢印B方向を向き、引出手段(フック等)のリーダピン22へのアクセス方向の範囲が広がるため、ケース12内におけるリーダピン22の設置可能位置が広がる。そして、ドア50は上記の通りその動作軌跡がリーダピン22の現実的な設置可能位置とは干渉しないため、ドライブ装置の設計自由度が向上する。
【0113】
さらにまた、ドア50は、ケース12から引き出されるリーダピン22とは別部材であるため、組付状態でケース12からの取り外し不能な構成となっている。すなわち、ドア50は、記録テープカートリッジ10を落下させた場合の衝撃等によってケース12から外れることがない。一方、リーダピン22は、磁気テープTの非使用時にはドア50によって開口20が閉塞された密閉状態のケース12内に収納されており、キズや汚れが付き難い。このため、ドライブ装置内での磁気テープTの引き出しや走行に影響を与えず、磁気テープT自体を損傷することもない。
【0114】
一方、ドライブ装置では、記録テープカートリッジが装填されるバケット60の右ガイド壁62における係合突起68の後側(操作突起52の係合側)に逃し孔69を設けたため、開口20の開放に伴ってケース12の右壁12B外面よりも突出する操作突起52を逃し孔69に逃すことができ、右ガイド壁62(及び左ガイド壁64)がケース12をガイドする機能が維持される。
【0115】
すなわち、開口20の開放に伴い所定の円周上を移動するドア50の操作突起52は、その移動軌跡が円周(ドア50よりも大径の円周)となり、上記ガイド機能を維持するために操作突起52をケース12内に常時位置させる構成ではケース12(すなわち、バケット60、ドライブ装置)が大型化するが、本バケット60を備えたドライブ装置では、単に逃し孔69を設ける簡単な構造により、記録テープカートリッジ及びバケット60(該ドライブ装置自体)大型化することなく上記ガイド機能を果たすことができる。これにより、バケット60上における記録テープカートリッジ10のガタつきが抑制され、係合突起68が確実に操作突起52に係合して開口20を開放させることが可能となる。
【0116】
このように、本実施の形態に係るバケット60を備えたドライブ装置では、記録テープカートリッジ10の開口20を確実に開閉することができる。また、記録テープカートリッジ10及びドライブ装置自体(バケット60)の大型化を防止することもできる。
【0117】
なお、上記の実施の形態では、ドア50がビスボス36、凸部42、44、46及び案内面48Aによって開口20の開閉方向(すなわち、その湾曲形状に対応した回動方向)に案内される構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、図9及び図10に示される如き変形例に係る構成としても良い。
【0118】
図9には、下ケース18を示す図3に対応した平面図が示されている。この図に示される如く、下ケース18には、ドア50の移動軌跡に対応してガイド溝70が設けられている。また、図示は省略するが、上ケース16にも下ケース18のガイド溝70に対応したガイド溝70が設けられている。
【0119】
ガイド溝70の前端は、ケース12の落下強度を考慮してビスボス36の左方とされており、ガイド溝70の後端は、開口20の開放状態におけるドア50の後端部に対応する位置とされいる。このガイド溝70の溝底部におけるケース12の肉厚は、落下強度を考慮して0.5mmから1mmとされている。
【0120】
このガイド溝70には、図10に示される如く、ドア50の幅方向(上下)の端面にそれぞれ略等間隔に複数(本実施の形態では、上下各4本)突設されたガイドピン72が摺動可能に挿入されるようになっている。そして、各ガイドピン72のうち、最も前方に配置されたガイドピン72が開口20の閉塞状態でガイド溝70の前端近傍に位置し、ドア50の後端部に配置されたガイドピン72が開口20の開放状態でガイド溝70の後端近傍に位置するようになっている。
【0121】
また、各ガイドピン72は、POMより成るドア50と一体に形成されも良く、ドア50の本体とは別個に形成されても良いが、別体の場合、ポリアミド(PA)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリエチレン(PE)等の樹脂材或いは金属材、またはこれらを主成分とする材料にて構成されても良い。但し、ケース12を金属材で構成する場合は、摩耗特性や異音の防止を考慮してガイドピン72を樹脂材にて構成する必要がある。
【0122】
さらに、各ガイドピン72とガイド溝70(幅方向)とのクリアランスは、互いの中心線を一致させたと仮定して片側で0.05mmから0.4mm(両側では0.1mmから0.8mm)程度が好ましく、特に0.2mmとするとドア50のガタつきを防止しつつ作動をスムースにでき好適である。
【0123】
本変形例に係る構成では、図10(A)、図10(B)、図10(C)に示される如く、開口20を開閉する際に、ドア50は、ケース12のビスボス36、凸部42、44、46及び案内面48Aに案内されると共に、各ガイドピン72においてガイド溝70に案内されてスムースに移動する。また、この構成においても、コイルばね56の付勢力Fの分力F2によって、ドア50が右壁12B側(ガイドピン72がガイド溝70の外側の溝壁)に付勢され、開口20の開放時に操作突起52が係合突起68に確実に係合する。
【0124】
なお、ガイド溝70を備えた構成では、ドア50がビスボス36、凸部42、44、46及び案内面48Aにガイドされない構成とできるが、防塵性確保のために、少なくとも凸部42、46を備えることが好ましい。また、ガイド溝70は、ドア50の隣り合うガイドピン72の間隔がドア50の移動(回動)量よりも大きい場合には、適宜分割して設けられても良い。
【0125】
また、上記の実施の形態では、スリット40が右壁12Bを構成する周壁16A、16Bをそれぞれ切り欠いて形成された構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、図11に示される如き変形例に係る構成としても良い。図11に示されるスリット74は、右壁12Bを構成する周壁16Aのみを切り欠いて構成している点で、スリット40とは異なる。以下、具体的に説明する。
【0126】
上ケース16及び下ケース18は、開口20の後縁部近傍まで右壁12Bを構成する周壁16A、18Aが設けられており、該周壁16A、18Aの前端部が開口20の開放片に沿って屈曲すると共にビスボス36と連続する屈曲壁76とされている。また、上ケース16及び下ケース18には、オフセット壁部34に代えて、右壁12Bを構成する周壁16A、18Aの内側に、所定長さの傾斜壁78がそれぞれ設けられている。
【0127】
上下の傾斜壁78は、後端が右壁12Bに近接するように矢印A方向に対し傾斜しており、該後端が屈曲してそれぞれ周壁16A、18Aと連続する連結壁78Aとされると共に、前端がビスボス36に連続している(図示省略)。
【0128】
そして、スリット74は、右壁12Bを構成する周壁16Aの下部を切り欠いて形成され、上ケース16の屈曲壁76の下部をも切り欠くことで前方へも開口されている。すなわち、スリット74の下端部は、下ケース18の周壁18A及び屈曲壁38の上端面によって規定されている。これにより、スリット40は、上ケース16と下ケース18との突き当て部(パーティングラインPL)よりも上方に位置している。このため、ドア50の操作突起52は、該ドア50の上下方向中央部よりも上側に位置している。
【0129】
このスリット74では、開口20の閉塞状態における操作突起52は、連結壁78Aの後方に若干離間して位置するようになっている。この状態で操作突起52が右壁12Bの外面よりも突出しないことはスリット40と同様である。一方、スリット74では、開口20の開放状態における操作突起52は、その後縁の前方に若干離間して位置するようになっている。この状態で操作突起52が右壁12Bの外面よりも突出することはスリット40と同様である。
【0130】
なお、図11の構成では、ガイド溝70が傾斜壁部30の凹部30Aまで延長して設けられ、該ガイド溝70を構成する溝壁がピン台24と連設されている。
【0131】
このスリット74が設けられた構成では、該スリット74が上ケース16の周壁16Aのみを切り欠いて形成されているため、右壁12Bの長手方向に段差が形成されず、バケット60内でのケース12のガタつきが抑制される。
【0132】
すなわち、一般に樹脂成形によって形成される上ケース16及び下ケース18は、それぞれの周壁16A、18Aに型抜き用の抜き勾配が突き当て端(開口端)が広がるように設定され、ケース12の左右幅は、パーティングラインPLの位置で最大となる。このため、図12(A)に示される如く、周壁16A、18Aを共に切り欠いてスリット40を形成すると、該スリット40設置部位でケース12の左右幅が小さくなる。そして、このスリット40が前方からの係合突起68の進入を許容するために前方にも開口しているため、換言すれば、右壁12Bの前端部におけるケース12の左右幅が小さくなるため、ケース12のバケット60への装填初期状態では、ケース12と右ガイド壁62または左ガイド壁64との間に隙間Gが生じる。この隙間Gがケース12のバケット60内でのガタつきの原因となり係合突起68と操作突起52との係合不良、すなわち、ドア50の動作不良が懸念される。
【0133】
これに対し、スリット74を有する構成では、図12(B)に示される如く、上ケース16の周壁16Aのみを切り欠いてスリット74を形成しているため、下ケース18の周壁18Aの上縁部がパーティングラインPLと一致し、右壁12Bのスリット74形成部分を含む長手方向の全長に亘りケース12の左右幅が一定(加工誤差等を無視した場合)となる。このため、スリット74を有する構成では、隙間Gに相当する隙間が形成されず、上記ガタつき及びこれに起因するドア50のの動作不良が防止される。
【0134】
また、図12(B)に示される如く、操作突起52の先端を上ケース16の周壁16Aの抜き勾配に対応して傾斜させると、該操作突起52と係合突起68との係合量を一層大きくすることができる。
【0135】
さらに、スリット40と同様に、スリット74の上下端がリブとしても機能する周壁16Aの一部、周壁18Aによって規定されているため、ケース12の剛性が維持され、落下強度上好ましい。さらに、スリット74がビスボス36を挟んで開口20とは独立して設けられているため、開口20後縁のコーナー部の剛性が高くなり、落下強度上一層好ましい。
【0136】
なお、スリット74が、右壁12Bを構成する下ケース18の周壁18Aのみを切り欠いて形成されても良いことは言うまでもない。
【0137】
また、上記の実施の形態では、スリット40から外部に露出された操作突起52がドライブ装置の係合突起68に係合しつつドア50が開口20の開放方向へ回動する好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、ドア50の後端部に下向きに突設されたガイドピン72の動作範囲におけるガイド溝70の部分を貫通孔とし、該貫通孔からケース12外に露出したガイドピン72がドライブ装置の係合部に係合しつつケース12のドライブ装置への装填動作によって略後方へ移動されることで、ドア50が開口20の開放方向へ回動する構成としても良い。すなわち、本発明における記録テープカートリッジ10が、ドライブ装置やバケット60の構成によって如何なる限定もされないことは言うまでもない。
【0138】
さらに、上記の実施の形態では、ドア50が予めその移動軌跡に対応して円弧状に形成された好ましい構成としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、ドア50に代えて板厚方向に弾性変形可能な平板状のドアを備えると共に上下のガイド溝70を傾斜壁部30の凹部30Aまで延長し、このガイド溝70に上記ドアの上下端部を挿入することで該ドアを円弧状に変形した状態に維持しつつ、該ドアをガイド溝70に沿って移動させて開口20を開閉する構成とすることもできる。この場合、平板状のドア自体の復元力によって操作突起52を係合突起68との係合量を確保するための適正位置に位置させることも可能である。
【0139】
さらにまた、本発明は、コイルばね56が分力F2を生じるように配置された好ましい構成に限定されず、例えば付勢手段をぜんまいばね等で構成して分力F2を生じさせない構成としても良く、また例えば付勢手段に代えて非使用時にドア50を開口20の閉塞位置でロックするロック手段を設けても良い。
【0140】
また、上記の実施の形態では、記録テープとして磁気テープTを用いた構成としたが、本発明はこれに限定されず、記録テープは情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、本発明に係る記録テープカートリッジが如何なる記録再生方式の記録テープにも適用可能であることは言うまでもない。
【0141】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る記録テープカートリッジは、記録テープの引き出し経路を最短とできる構成の開口を、ドライブ装置での収容スペースを小型化できる遮蔽部材がリール及びリーダ部材に干渉することなく開閉でき、かつ遮蔽部材を操作して開口を開閉するドライブ装置側の開閉手段を簡単な構造とすることができるという優れた効果を有する。
【0142】
また、本発明に係るドライブ装置は、記録テープカートリッジの記録テープ引き出し用の開口を確実に開閉することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジの全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジの分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成する下ケースの平面図である。
【図4】(A)は本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するケースのスリットを示すドア等を取り除いた斜視図、(B)はスリットの変形例を示す斜視図、(C)はスリットの別変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成する開口のドアによる閉塞状態を示す上ケースを取り除いて見た斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成する開口の開放状態を示す上ケースを取り除いて見た斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジの開口の開放過程を示す上ケースを取り除いて見た図であって、(A)はドアの操作突起へのドライブ装置の係合突起の係合初期状態を示す平面図、(B)は開口の開放途中を示す平面図、(C)は開口の開放完了状態を示す平面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るドライブ装置を構成するバケットの斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態の変形例に係る記録テープカートリッジを構成する下ケースを示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態の変形例に係る記録テープカートリッジの開口の開放過程を示す上ケースを取り除いて見た図であって、(A)はドアの操作突起へのドライブ装置の係合突起の係合初期状態を示す平面図、(B)は開口の開放途中を示す平面図、(C)は開口の開放完了状態を示す平面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジを構成するスリットの変形例を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る記録テープカートリッジのバケット内でのガイド状態を示す図であって、(A)はスリットが側壁の上下方向中央部に位置するケースのガイド状態を示す一部切り欠いた正面図、(B)スリットが側壁の上下方向中央部よりも上側に位置するケースのガイド状態を示す一部切り欠いた正面図である。
【図13】従来の記録テープカートリッジの全体構成を示す斜視図である。
【図14】従来の記録テープカートリッジの全体構成を示す斜視図である。
【図15】従来の記録テープカートリッジの全体構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10 記録テープカートリッジ
12 ケース
12B 右壁(ドライブ装置への装填方向に沿う側壁)
14 リール
16 上ケース
16A 周壁(ドライブ装置への装填方向に沿う側壁)
18 下ケース
18A 周壁(ドライブ装置への装填方向に沿う側壁)
20 開口
22 リーダピン(リーダ部材)
40 スリット(窓部)
50 ドア(遮蔽部材)
52 操作突起(操作部)
56 コイルばね(付勢手段)
60 バケット(ドライブ装置)
62 右ガイド壁(ガイド壁)
68 係合突起(開閉部材、開閉手段)
69 逃し孔(逃し部)
74 スリット(窓部)

Claims (5)

  1. 記録テープが巻装された単一のリールを回転可能に収容する矩形状のケースと、
    前記ケースのドライブ装置への装填側角部を切り欠いて形成され、前記記録テープの端部に取付けられたリーダ部材を引き出すための開口と、
    前記ケース内で所定の円周上を移動して前記開口を開閉する遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材に設けられると共に前記ケースの外側に露出され、前記ケースのドライブ装置への装填動作によって該ドライブ装置の開閉部材に係合しつつ前記遮蔽部材を前記開口の開放方向に移動させる操作部と、
    を備えた記録テープカートリッジ。
  2. 前記遮蔽部材を、前記円周に対応した円弧状に湾曲して形成すると共に、前記ケースのドライブ装置への装填方向に沿う側壁の内側を移動するように配置し、
    前記操作部を、前記遮蔽部材の外周側の面から突設すると共に、前記側壁に設けられた窓部から露出させた、
    ことを特徴とする請求項1記載の記録テープカートリッジ。
  3. 前記ケースと前記遮蔽部材との間に、該遮蔽部材を前記側壁側に付勢しつつ前記開口の閉塞方向に付勢する付勢手段を設けた、ことを特徴とする請求項2記載の記録テープカートリッジ。
  4. 前記ケースは、上ケースと下ケースとが互いの側壁を突き当てて接合されて成り、
    前記窓部は、前記上ケース及び下ケースの何れか一方の側壁を前記開口側の端部まで切り欠いて設けられた、
    ことを特徴とする請求項2または請求項3記載の記録テープカートリッジ。
  5. 記録テープが巻装された単一のリールを回転可能に収容する矩形状のケースと、
    前記ケースの角部を切り欠いて形成され、前記記録テープを引き出すための開口と、
    前記ケースの前記開口側の側壁の内側で所定の円周上を移動して前記開口を開閉する遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材に設けられると共に前記側壁に設けられた窓部から露出され、前記開口の閉塞状態では前記側壁の外面よりも前記ケース内方に位置し、前記開口の開放に伴って前記側壁外面よりも突出する操作部と、
    を備えた記録テープカートリッジが、前記側壁の長手方向に沿って装填されるドライブ装置であって、
    前記側壁が摺動可能な位置に配置されたガイド壁と、
    前記ガイド壁に固定して設けられ、前記装填に伴う前記ケースとの相対移動によって前記操作部に係合して前記遮蔽部材を前記開口の開放方向に移動させる係合突起と、
    前記ガイド壁における前記係合突起の前記操作部との係合側に設けられ、前記開口の開放に伴って前記操作部を入り込ませる逃し部と、
    を備えたドライブ装置。
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