JP2006336899A - オゾンガス含有製氷方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非平衡酸素プラズマ照射場において二次的に生成されるオゾン(O)を氷内に貯蔵する。
【解決手段】 まず、低温プラズマ反応管炉1に所定の流量の酸素ガスを流した状態で、低温プラズマ雰囲気内にノズル2から間欠的に水を噴霧させる。そして、あらかじめ低温プラズマ雰囲気内に設けた濡れ繊維フィルター9を核として、そこに氷塊を成熟させ、低温プラズマ雰囲気内で二次生成されるオゾンガスを氷塊に含有させる。これにより、極めて簡易な方法でオゾン含有氷を生成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所定の流量の酸素ガスを流した状態での低温プラズマ雰囲気内での減圧沸騰噴霧の氷晶化現象を利用して氷塊を成熟させるオゾンガス含有製氷方法及び装置に関し、特に、低温プラズマ雰囲気内で二次生成されるオゾンガスを効率よく、高濃度でその氷塊に含有させるオゾンガス含有製氷方法及び装置に関する。
近年、夏期電力平準化に向けての氷蓄熱システムや生鮮食品保存及び洗浄・浄化・脱臭システムへの応用を狙ったガス貯蔵氷といった機能氷の生成に関する研究が活発に行われている。また、オゾンが強力な酸化力を持ち、この酸化力により殺菌、脱臭、脱色、有機物除去、有害物質除去を行うことができることが知られており、このオゾンを含有させた氷を用いて生鮮食品等を冷やし、殺菌あるいは除菌をする方法が提案されている。(例えば、特許文献1を参照。)
この従来のオゾン含有製氷方法あるいは装置としては、オゾンガス発生器により発生したオゾンを捕獲し、次にこのオゾンを水に接触させて溶解(バブリング)させた後、このオゾン水を凍結させる方法がある。そして、この凍結したオゾン含有氷を氷塊に砕き、この氷を用いて生成食品等の冷凍に利用していた。
特開2004−174438号公報
しかし、上述した従来の方法では、オゾン含有氷を生成するプロセスが複雑になることに加え、オゾンの生産コストの低減とオゾンの高濃度化保存が達成されていない現状では、生産の効率性が悪く、必然的にコスト高とならざるを得ないという問題があり、オゾン氷が必要とされる幅広い応用分野への利用が困難であった。
本発明の目的は、低温の酸素プラズマ雰囲気内、すなわち、非平衡酸素プラズマ照射場において二次的に生成されるオゾン(O)を氷内に貯蔵するオゾンガス含有製氷方法及び装置を提供することである。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のオゾンガス含有製氷方法は、所定の流量の酸素ガスを流した状態で、低温プラズマ雰囲気内に間欠的に水を噴霧させ、あらかじめ低温プラズマ雰囲気内に設けた濡れ繊維を核として、そこに氷塊を成熟させ、低温プラズマ雰囲気内で二次生成されるオゾンガスを氷塊に含有させることを特徴としている。
また、本発明のオゾンガス含有製氷装置は、外壁周りに銅パイプをコイル状に巻きつけた円筒状のプラズマ反応管炉と、該銅パイプ内に冷却水を供給するための冷却水供給部と、この銅パイプに高周波電力を付加させる制御器を有する高周波電源部と、プラズマ反応管炉内を真空にする真空排気部と、プラズマ反応管炉外からプラズマ反応管炉内に、反応ガスとしてオゾンを含む酸素ガスを送り込むガス供給部と、プラズマ反応管炉内に液体を噴射させる噴射ノズル部と、プラズマ反応管炉内で噴射ノズル装置からの噴射液を捕獲して氷晶を成熟させる濡れ繊維と、を備え、この濡れ繊維を核としてオゾンを含む氷塊を形成することを特徴とする。
本発明の方法及び装置は、水の蒸発潜熱が凍結潜熱より約7倍も大きいという性質を利用している。減圧の方法は間欠的な非定常減圧下で、液の表面瞬時気化(表面のみ気体)と固相変化(中は液体)により表面のみが蒸発して中の液体が凍ることを利用した。すなわち、プラズマガス雰囲気中にノズルを介して水を噴霧させ、この噴霧した水とプラズマガスとの混合を促進させて、瞬時に氷晶を生成させることを特徴としている。これにより、プラズマ反応ガス入り氷の創製を行うことが可能となる。
本発明のオゾンガス含有製氷方法及び装置によれば、オゾン含有ガスを生成するプロセスが極めて簡単であり、本発明のプロセスで生成したオゾンガスを含有した機能氷は、必要な場所に、手軽に輸送できる利点がある。更に、この機能氷は、鮮度保存用生鮮食品、冷凍・冷蔵保存食品、上水道冷水の浄化・殺菌・脱臭、医薬・医療品の保冷などに極めて有効である。
本発明の方法及び装置は、酸素プラズマだけでオゾンが発生するという本プラズマ反応過程において、容器に入れた多孔質シリカゲルを酸素プラズマ内に装填している。そして、多孔質シリカゲルのオゾン反応を示すシラノール基よりオゾンが吸着され、青色反応及び非緩衝KI法よりオゾン発生が認められた。印加電圧2kV下での噴霧系より得られた氷内オゾン含有の事実はKI法により定量的に検証され、その高効率貯蔵が実証された。ここで、KI法とは、ヨウ化カリウム水溶液中にオゾンを吹き込むとヨウ素が遊離して黄色く着色する性質を利用してオゾン含有量を測定する方法であり、この黄色着色液中に更にチオ硫酸ナトリウムを滴定するとヨウ素による着色が消えるので、その滴定量からオゾン含有量を定量的に測定することができるのである。
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態であるオゾンガス含有製氷方法及び装置について説明する。
本発明のオゾンガス含有製氷装置の一実施の形態例は、図1に示すように、低温プラズマ反応管炉1と、真空排気装置5等と、酸素ガス送入装置7等と、水噴射ノズル装置2等と、噴霧液吸着・氷晶成熟用不織り繊維フィルター9と、高周波電源8から構成される。
低温プラズマ反応管炉1は、例えば、外径300mm、内径290mm、長さ1000mmの石英管とされ、低温プラズマ反応管炉1の外壁周りには、中空の銅パイプ15がコイル状に巻き着けられ、この銅パイプ15の両端は高周波電源8の電源出力端子に接続されている。そして、銅パイプ15の中空部には冷却水が供給されている。また、プラズマ反応管炉1は密閉式に真空排気装置5に連結されており、反応管炉1の内部は所定の真空度に保持されている。なお、銅パイプ15には高周波電源8からは約400Hzの高周波電流が供給されるようになっている。反応管炉1の内部の温度は、炉内温度計測計4により計測される。
真空排気装置5等は、真空ポンプ5、例えば排気用の大型油回転ポンプ(1300 l/min)を備え、この真空ポンプ5とプラズマ反応管炉1との間にはトラップ部16が設けられている。このトラップ部16には、液体窒素あるいは消石灰が充填されている。
プラズマ反応管炉1と真空ポンプ5をつなぐ排気ダクト17内には、さまざまな有害物質が存在しているが、これらの有害物質は、上記トラップ部16内の液体窒素や消石灰等の充填材に吸収捕獲されるので、これら有害物質より真空ポンプ5を保護することができる。また。これと同時に、真空ポンプ5から出る排気ガスは、不図示のスクラバー等を介して室外へ排出するようにしている。真空ポンプ5の真空度はピラニ真空計6により計測される。
酸素ガス送入装置7等は、プラズマ反応管炉1外からプラズマ反応管炉1内に、酸素ガスボンベ7より反応ガスとしての酸素ガスを圧力調節器18並びに流量計19を介して所定量のガスを送り込む装置である。
水噴射ノズル装置2等は、プラズマ反応管炉1の端面中央部に取り付けられたステンレス製ノズル2(口径0.5mm、ノズル長さ35mm)であり、この水噴射ノズル装置2等からプラズマ反応管炉1の中心軸に沿って水が噴霧上になって噴射される。この噴射液としては十分に脱気した水が用いられ、この水をプラズマ反応管炉1外に設けたタンク3に蓄積しておく。そして、タンク3とノズル装置2等の間に設けたバルブ20を間欠的に開弁することにより、ノズル装置2等からプラズマ反応管炉1内に噴霧上の水を間欠的に噴射するようにしている。
また、プラズマ反応管炉1内のほぼ中央部には、プラズマ反応管炉1の断面を覆うように不織繊維フィルター9が張られており、この不織繊維フィルター9の面にノズル装置2等による噴射時の噴霧が垂直に当たるようになっている。
以上、本発明のオゾンガス含有製氷装置の概略構成について説明したが、次にこの装置の動作及び作用について実験例を用いて説明する。
まず、酸素ガスボンベ7から低温プラズマ反応管炉1内に酸素ガスを導入し、同時に真空排気装置5等の真空ポンプ5による吸気により、プラズマ反応管炉1内の圧力を真空圧、例えば10Torr程度に保つようにする。低温プラズマ反応管炉1は、石英管で構成されているが、この石英管に巻き付けられた銅パイプ15に約400KHzの高周波電流を流すと、石英管内に低温プラズマが発生する。この石英管内には、低温プラズマとしての酸素プラズマに混じってオゾンガスも二次的に生成されている。減圧の方法としては、間欠的な非定常減圧下で、噴霧液の表面瞬時気化(表面のみ気体)と固相変化(中は液体)により表面のみが蒸発して中の液体が凍る現象を利用している。
この状態で、水噴射ノズル装置2等からタンク3にたまっている水が間欠的に噴射されると、この噴射された水が低温プラズマ反応管炉1のプラズマ内を通過する。そして二次生成されるオゾンガスを氷晶内に捕獲し、オゾンの持つ強力な酸化作用を機能氷の形で取り出すことによりオゾンの持つ酸化作用の有効利用を図るようにする。
図7は、図1に示したオゾンガス含有製氷装置によりオゾンガス含有製氷方法の動作を示すフローチャートである。
図7において、まず、酸素ガス低温プラズマを発生させる(ステップS1)。ここで、低温プラズマ反応管炉1の外壁周りにコイル状に巻き着けられた中空の銅パイプ15には、高周波電源8の電源が供給され、銅パイプ15の中空部には冷却水が供給されている。また、真空排気装置5による吸気によりプラズマ反応管炉1の内部は所定の真空度に保持される。そして、このプラズマ反応管炉1内に、酸素ガスボンベ7より反応ガスとしての酸素ガスが供給され、この酸素ガスが高周波電源8から供給される高周波エネルギーで電離するため酸素ガス低温プラズマが発生する。
このとき、ステップS1で発生した酸素ガス低温プラズマ内でオゾンが二次発生する(ステップS2)。すなわち、プラズマ反応管炉1内で発生した酸素ガス低温プラズマに混じってオゾンガスも二次的に生成されるのである。
ここで、ステップS2で二次発生したオゾンが含まれる酸素ガス低温プラズマ雰囲気内に間欠的に水を噴霧させる(ステップS3)。この間欠噴霧は、水噴射ノズル装置2からプラズマ反応管炉1内に水を噴霧上に噴射する際に、バルブ20を間欠的に開弁することにより行われる。このバルブ20の開弁動作により、ノズル装置2からプラズマ反応管炉1内に噴霧上の水が間欠的に噴射される。間欠的に水を噴霧するタイミングは、図示しない制御装置やタイマ装置により、予め定められた時間間隔を設定すればよい。具体的には、水噴霧停止によるプラズマ領域のみの酸素プラズマの状態と水噴霧によるプラズマ領域と非プラズマ領域を含む水蒸気プラズマの状態とが交互に現れるようにする。これにより、プラズマ領域が一定でない非平衡酸素プラズマ照射場が生成される。
次に、酸素ガス低温プラズマ雰囲気内に設けた濡れ繊維フィルター9の面上に、間欠的に水を噴霧させて氷晶を成熟させる(ステップS4)。このステップS4の氷晶生成過程について詳細に説明する。まず、ステップS3で低温プラズマ雰囲気内に間欠的に噴霧された水は、その周辺部が霧状になり、この周辺部が霧状の水に、ステップS2で二次生成されたオゾンが取り込まれる。そして、ノズル装置2から間欠噴霧された水が不織繊維フィルター9の面に当たるまでの間に、周辺部の霧状の水は、噴霧した水の中央部分から熱を奪って蒸発する(水蒸気となる)。このとき、蒸発熱(潜熱)が発生して、ノズル装置2から噴霧された水が、酸素ガスプラズマ中に二次生成されたオゾンを取り込みつつ氷結し、オゾン含有氷が不織繊維フィルター9上に形成される。
なお、ノズル装置2からの水の噴霧は間欠的であるため、プラズマ反応管炉1内には、酸素プラズマの状態と水蒸気プラズマの状態とが交互に現れることになる。
上述したように、ステップS4において濡れ繊維フィルター9上に成熟させた氷晶内にはオゾンガスが捕獲されている。つまり、ステップS2で二次発生したオゾンがステップS3で間欠的に噴霧させた水蒸気と共に濡れ繊維フィルター9上に凝固する。そして、最後に、凝固した氷内にオゾンガスが閉じ込められた氷の結晶が生成され(ステップS5)、氷晶として取り出される(ステップS6)。このように、濡れ繊維フィルター9を用いることにより、プラズマ熱の氷結晶への伝導を避けることができ、オゾンガスが閉じ込められた氷晶の取り出しが容易となる。
従来行われているオゾンの発生法は、無声放電や沿面放電に代表されるように、電極間に交流高電圧をかけて発生させる放電法であり、その放電雰囲気は大気圧下であった。またこの他に水の電気分解を利用して行う電解法や紫外線を空気などに当ててオゾンを発生させる紫外線法があったが、いずれも本発明のような減圧沸騰噴霧による氷晶化現象を利用したものではなく、したがって、オゾン発生と同時にそれを氷内に含有させることはできなかった。
また、従来行われている生成されたオゾンの貯蔵方法として、オゾンを液化して保存する液化法があったが、これは高濃度オゾンガスが取り出せる利点があるものの、高濃度オゾンの連鎖反応による爆発の危険性のため、現段階では実用化されていない。この他オゾンを水や電解質水溶液に溶解させる溶解法もあるが、溶解度が小さいので貯蔵用には適さないものであった。この溶解法の中には、フルオロカーボンなどの有機溶媒を用いてその有機溶媒の中にオゾンを多量に溶け込ませることができるものもある。しかし、これとてフロン規制により実用化の面では可能性の低い貯蔵方法である。
また、オゾンガスを加圧圧縮して貯蔵するガス圧縮法もあるが、圧縮してもオゾンの濃縮を行うことはできないことに加え、自己分解によって、オゾン貯蔵量が徐々に減少するため、この方法も実用化されていない。
以上の理由から、現在オゾン貯蔵法として実用化されているのが、低温に冷却した吸着剤に吸着させて貯蔵する方法である。例えば、アルミナゲル、シリカゲル、ゼオライトなどがオゾン吸着剤として用いられている。特にシリカゲルに吸着したオゾンは比較的安定で、連鎖分解が抑制され、安全かつ長時間貯蔵できるので、このシリカゲルは現在最も実用的なオゾン貯蔵のための吸着剤と考えられている。
そこで、減圧下での低温プラズマ雰囲気内で生成されているオゾンを、その雰囲気内にシリカゲルを挿入して吸着させた場合とその雰囲気内に水を噴霧し吸着・氷晶成熟させて氷晶内に吸着させた場合とを比較した結果、氷晶内への吸着量がシリカゲルのそれより約2倍も多く捕獲でき、吸着効果に関しての本発明の優位性が示された。
[実験例1]
以下、酸素ガス低温プラズマ雰囲気内において二次生成されるオゾンガスのシリカゲルによる吸着特性の実験例を示す。
実験装置として、図1に示したオゾンガス含有製氷装置を用いている。減圧室として低温プラズマ反応管炉1は直径300mm、長さ1000mmの石英管を用いた。この減圧室には、オゾンの吸着剤として最もよく用いられている多孔質シリカゲル5グラムを予めガラスシャーレに入れた状態1Bで、装填させた。次にボンベ7より酸素ガスを炉内に0.9リットル毎分で送りつつ、真空ポンプ5を用いて減圧を開始する。ピラニ真空計6の示度が約10Torr 程度に達した時、石英管炉外周に巻付けられた外部誘導型コイル15に約400kHzの高周波電圧が高周波電源8より通電される。照射時間はいずれも20分間であるが、コイル15に対するアノード引加電圧を1kV, 1.5kV, 2kVの3種類について行い、非プラズマ照射の場合と比べると同時に、プラズマ付加電圧によるオゾンガスの生成量の違いを調べた。
すなわち図1の1Bで示すシリカゲルへのオゾンガスの吸着量の変化を青色着色変化量として捉え、それを図2に示した。図2は、プラズマ照射電圧変化によるシリカゲルへのオゾンガスの吸着量の変化を示す図であり、図2Aはプラズマ非照射、図2Bは引加電圧1kV, 20分間照射、図2Cは引加電圧1.5kV, 20分間照射、図2Dは引加電圧2kV, 20分間照射である。これにより、プラズマ照射時間が同じとき、引加電圧が大きいほどシリカゲルへのオゾンガスの吸着量の変化(青色着色変化量)が大きいことが分かる。
また、KI(ヨウ化カリウム)法による評価結果を図3に示す。図3は、KI法によるシリカゲル内オゾン含有率を示す図である。図3は、プラズマ照射時間20分、酸素ガス流量0.9リットル/分における実験結果である。図3において、アノード引加電圧が1kVのとき、サンプリング量が4.13(g)、オゾン含有量が1.0(mg)における、オゾン含有率は0.02(wt%)である。アノード引加電圧が1.5kVのとき、サンプリング量が2.35(g)、オゾン含有量が4.0(mg)における、オゾン含有率は0.17(wt%)である。アノード引加電圧が2kVのとき、サンプリング量が3.00(g)、オゾン含有量が6.0(mg)における、オゾン含有率は0.20(wt%)である。
ここで、KI法とは、ヨウ化カリウム水溶液中にオゾンを吹き込むとヨウ素が遊離して黄色く着色するため、この黄色着色液中に更にチオ硫酸ナトリウムを滴定するとヨウ素による着色が消えるので、その滴定量からオゾン含有量を定量的に測定する方法である。
上述した実験例1の結果により、酸素低温プラズマ雰囲気内では二次生成物としてオゾンが発生していることがシリカゲルの吸着青色変色変化から判明した。さらに、KI法により、その吸着量を定量した結果、プラズマ照射時の電源アノード引加電圧が高い程、プラズマ内でのオゾン発生量も多くなることが判明した。
[実験例2]
以下に、酸素ガス低温プラズマ雰囲気内において、水を噴霧させた時の水蒸気プラズマの様相の実験を示す。
実験装置は図1に示したオゾンガス含有製氷装置と同様で、また酸素ガスプラズマの発生も実施例1と同様である。すなわち酸素ガスを炉内に0.9リットル毎分で送りつつ、真空ポンプ5を用いて減圧を開始する。ピラニ真空計6の示度が約10Torr 程度に達した時、石英管炉外周に巻付けられた外部誘導型コイル15に約400kHzの高周波電圧を高周波電源8よりコイル15に対するアノード引加電圧を2kVとして通電した。この時の反応炉内断面の放電の様子をレーザ光源12から照射されるレーザ光を用いて撮影した。すなわち、レーザ光源12から照射されるレーザ光を棒状プリズム13に入射させることにより、レーザシート光10を生成し、これを反応炉内のプラズマに当てた。そして、そのときの反応管炉断面の映像を、プリズム14を介してビデオカメラ11で撮影した。
この時の様相を図4に示す。図4は、水噴霧時における酸素プラズマから水蒸気プラズマへの変化を示す図であり、図4Aは酸素プラズマ状態、図4Bは水蒸気プラズマ状態である。図4において、水噴霧停止によるプラズマ領域のみの酸素プラズマ状態と水噴霧によるプラズマ領域と非プラズマ領域を含む水蒸気プラズマ状態とに交互に様相を変化させることにより、プラズマ領域が一定でない非平衡酸素プラズマ照射場が形成されていることがわかる。
図4Aに示す酸素プラズマ状態は石英管炉外のタンク3のバブル20を閉じて水噴霧を停止している状態である。この時、石英管炉外のタンク3のバブル20を開き、ノズル2より水を噴霧させると、図4Bに示した水蒸気プラズマ状態となる。図4Aに示す酸素プラズマ状態は石英管炉内がプラズマ領域のみの状態であり、図4Bに示した水蒸気プラズマ状態は石英管炉内が外周側のプラズマ領域と水蒸気の影響による内周側の非プラズマ領域を含む状態である。
ノズル2からの1回の噴霧量は6ml、射出スピードは7m/sである。噴霧は拡がり角度が約158度で、傘状噴霧となって反応管炉である石英管炉内断面一様に拡がる。しかし、液粒子の大きさは均一ではなく、0.4nm〜100μmの範囲にあり、大きな粒子は管軸の中心方向に、微細な粒子は半径方向に分布している。
図4Aに示す酸素プラズマ状態でのプラズマ内温度を、図1に示したKタイプ熱電対温度計4でモニターした結果、プラズマ雰囲気温度は約50℃であった。しかし図4Bに示した水蒸気プラズマ状態では、噴霧された液がプラズマ放射加熱されるため、一瞬、雰囲気温度が約90℃まで上昇した。そこで、次に示す実験例3では、予め水で湿らせた不織繊維フィルター9(濡れ繊維フィルター)をプラズマ雰囲気内に設置して、そこに噴霧液滴を捕獲させるようにした。そして、雰囲気温度の上昇による液滴の気化を抑制して、液表面での蒸発潜熱による熱除去効果を生かして凝固・氷晶・氷成熟へと進行させた。
[実験例3]
以下に、噴霧液によるオゾンガス吸着・氷晶成熟の実験を示す。
図1に示したオゾンガス含有製氷装置と同様の実験装置において、石英管炉1内のほぼ中央に予め水で湿らせた不織り繊維フィルター9(絹糸の束を使用)を設置する。次に実験例2で述べたと同様の方法で、ノズル2より、1分間に4回の割合で間欠的に水を噴霧させる。この時、繊維フィルター9に付着した液滴が氷晶し、氷塊が成熟したことが確認された。
この実験例3では、最初に、間欠的に水噴霧したときの繊維フィルターでの氷晶によるオゾンガス捕獲状態を、コイル15に対するアノード印加電圧2kVで20分間行った結果を測定した。次に、水噴霧は行わないで、十分脱気した水容器(図1の1A)と、脱気しない水容器を、それぞれプラズマ雰囲気内に挿入し、同様にコイル15に対するアノード印加電圧2kVで20分間行ってオゾンガス捕獲状態を調べた。それぞれの実験のオゾン含有量をKI法で定量した結果を図6に示す。
図6に示す結果は、アノード印加電圧を2kV、プラズマ照射時間20分、酸素ガス流量0.9リットル/分における実験結果である。図6に示されるように、プラズマ内での製氷条件が水噴霧・繊維面氷晶のとき、サンプリング量が3.18(g)と少ないにもかかわらず、オゾン含有量が12.0(mg)、オゾン含有率が0.38(wt%)と極めて高いことがわかる。プラズマ内での製氷条件が水噴霧を行わない脱気水容器内氷のときは、サンプリング量が31.74(g)を多く取ったものの、オゾン含有量が8.80(mg)と少なく、かつオゾン含有率は0.03(wt%)と少なかった。プラズマ内での製氷条件が水噴霧を行わない非脱気水容器内氷のときは、サンプリング量が30.31(g)と多く取ったものの、オゾン含有量が7.0(mg)と最も低く、オゾン含有率は0. 02(wt%)と最低であった。
図5は精製水の脱気の有無による氷内気泡の含有の様子を示したものであり、図5Aは非脱気水のガス含有氷、図5Bは脱気水のガス含有氷である。
図5に示した気泡含有の様子と、図6に示した実際のオゾンの含有率(十分脱気した噴霧水を用いた場合を示している)を比較すると、図5Aの脱気しない水を噴霧したときに精製される氷では、際立った大きなガス気泡が多数含有されていることが分かる。このため、脱気しない水を噴霧したときに精製される氷では、このガス気泡とオゾンとの分解が進んでしまうことが十分考えられる。これに対して、図5Bに示す脱気した水を噴霧したときに精製される氷では、極微細なガスが密に含有されており、オゾンの長期保存には脱気水の氷の方がその効果が高いことが分かる。これにより、十分脱気した噴霧水を用いて酸素プラズマ内で捕獲される氷晶は、シリカゲルへのオゾン捕獲率(図3の0.2)の約2倍ものオゾン(図6の0.38)が含有できることが分かった。
以上、実験例1から実験例3を示して、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の形態が考えられることは言うまでもない。
本発明のオゾンガス含有製氷装置の構成図である。 プラズマ照射電圧変化によるシリカゲルへのオゾンガスの吸着量の変化を示す図であり、図2Aはプラズマ非照射、図2Bは引加電圧1kV, 20分間照射、図2Cは引加電圧1.5kV, 20分間照射、図2Dは引加電圧2kV, 20分間照射である。 KI法によるシリカゲル内オゾン含有率を示す図である。 水噴霧時における酸素プラズマから水蒸気プラズマへの変化を示す図であり、図4Aは酸素プラズマ状態、図4Bは水蒸気プラズマ状態である。 精製水の脱気の有無による氷内気泡の含有の様子を示し、図5Aは非脱気水のガス含有氷、図5Bは脱気水のガス含有氷である。 KI法による氷内オゾン含有率を示す図である。 オゾンガス含有製氷方法の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1…低温プラズマ反応管炉、2…ノズル、3…タンク、4…炉内温度計測計、5…真空ポンプ、6…ピラニ真空計、7…酸素ガスボンベ、8…高周波電源、9…不織り繊維フィルター、15…パイプ、16…トラップ部、17…排気ダクト、18…圧力調節器、19記号流量計、20…バルブ(弁)

Claims (5)

  1. 所定の流量の酸素ガスを流した状態で、
    低温プラズマ雰囲気内に間欠的に水を噴霧させ、
    あらかじめ低温プラズマ雰囲気内に設けた濡れ繊維を核として、
    そこに氷塊を成熟させ、
    前記低温プラズマ雰囲気内で二次生成されるオゾンガスを前記氷塊に含有させる
    ことを特徴とするオゾンガス含有製氷方法。
  2. 前記間欠的な水の噴霧は、水噴霧停止によるプラズマ領域のみの酸素プラズマ状態と水噴霧によるプラズマ領域と非プラズマ領域を含む水蒸気プラズマ状態とに交互に様相を変化させるように設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のオゾンガス含有製氷方法。
  3. 前記低温プラズマ雰囲気は、非定常減圧下で生成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のオゾンガス含有製氷方法。
  4. 外壁周りに銅パイプをコイル状に巻きつけた円筒状のプラズマ反応管炉と、
    該銅パイプ内に冷却水を供給するための冷却水供給部と、
    前記銅パイプに高周波電力を付加させる制御器を有する高周波電源部と、
    前記プラズマ反応管炉内を真空にする真空排気部と、
    前記プラズマ反応管炉外から前記プラズマ反応管炉内に、反応ガスとしてオゾンを含む酸素ガスを送り込むガス供給部と、
    前記プラズマ反応管炉内に液体を噴射させる噴射ノズル部と、
    前記プラズマ反応管炉内で前記噴射ノズル部からの前記噴射液を捕獲して氷晶を成熟させる濡れ繊維と、を備え、
    前記濡れ繊維を核として前記オゾンを含む氷塊を形成することを特徴とするオゾンガス含有製氷装置。
  5. 前記噴射ノズル部を間欠的に開閉させるバルブを設けた
    ことを特徴とする請求項4に記載のオゾンガス含有製氷装置。
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