JP4948962B2 - 高濃度オゾン水製造装置及び高濃度オゾン水製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高ドーズレジストの剥離などに用いられる高濃度オゾン水を製造する高濃度オゾン水製造装置及び高濃度オゾン水製造方法に関するものである。
従来、高濃度オゾン水製造装置として、オゾンガス発生装置(高濃度オゾンガス製造部)にて発生させたオゾンガス(高濃度オゾンガス)をオゾンガス溶解装置(高濃度オゾン水製造部)に高圧力で吹き込み純水に溶解させることでオゾン水(高濃度オゾン水)を作り、圧力を保持した状態で密閉洗浄室に移送し被洗浄物を洗浄するものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開平2001−79502号公報
ここで、上記高濃度オゾン水製造装置にあっては、オゾンガス発生装置で発生させたオゾンガスは不安定なガスのため、何らかのトリガーによって自己分解反応を起こしてしまう。この反応は発熱反応であるため、その反応熱によって連鎖的にオゾンガスの分解反応が起こり、結果としてオゾン濃度が減少してしまうという問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、発生させた高濃度オゾンガスのオゾン濃度を減少させることなく安定的に高濃度オゾン水を製造することが可能な高濃度オゾン水製造装置及び高濃度オゾン水製造方法を提供することを目的とする。
前述のように、高濃度オゾンガス(一般的にオゾンガスの体積比が10%以上)は、不安定なガスであり、体積比が10%以上のため、何らかのトリガーによって常温、大気圧下では急激な自己分解反応を起こし、最悪の場合には装置を破損させる虞がある。そのため、10%以上の高濃度オゾンガスは、大気圧より低いもとで使用されている。
ここで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、10%以上の高濃度オゾンガスも、適切な条件で発生・使用すれば、自己分解を抑制した状態で使用でき、この高濃度オゾンガスを用いて高濃度オゾン水を製造できることを見出した。そして、その最適なオゾンガス密度が1800g/m以下であることを実験によって見出した。
そこで、本発明に係る高濃度オゾン水製造装置は、放電法で発生するオゾンガスを用いて液化法または吸着法によって体積比が10%以上の高濃度オゾンガスを製造する高濃度オゾンガス製造部と、高濃度オゾンガスを溶解部で純水に溶解させることによって高濃度オゾン水を製造する高濃度オゾン水製造部と、を備え、溶解部での高濃度オゾンガスのオゾンガス密度を1800g/m以下とすることを特徴とする。
また、本発明に係る高濃度オゾン水製造方法は、放電法で発生させたオゾンガスを用いて液化法または吸着法によって体積比が10%以上の高濃度オゾンガスを製造し、オゾンガス密度1800g/m以下で高濃度オゾンガスを純水に溶解させることによって高濃度オゾン水を製造することを特徴とする。
このような高濃度オゾン水製造装置及び高濃度オゾン水製造方法によれば、放電法によってオゾンガスを発生させ、そのオゾンガスを液化法や吸着法で10%v/v以上の高濃度オゾンガスとした後、自己分解が抑制されるオゾンガス密度である1800g/m以下に保った状態で高濃度オゾンガスを純水に溶解させている。そのため、高濃度オゾンガスのオゾン濃度を減少させることなく安定的に高濃度オゾン水を製造することが可能とされる。
ここで、高濃度オゾンガス製造部と高濃度オゾン水製造部とを二重配管で接続し、二重配管の内側配管の内部に高濃度オゾンガスを通過させ、内側配管と外側配管との間を真空とすることが好ましい。このような構成を採用した場合、二重配管の外側配管が真空とされていることにより、内側配管を断熱することが可能となり、それによって、その内部を通過する高濃度オゾンガスの温度を一定に保ち、オゾンガス密度の変化を防止することが可能とされる。また、何らかのトリガーにより例え高濃度オゾンガスの連鎖的自己分解を生じて内側の配管が破損しても、外側の配管により高濃度オゾンガスの外部への漏出を防止できる。
また、高濃度オゾン水製造部の溶解部は、純水を駆動流とし、高濃度オゾンガスを吸引流とし、これらを合流させて純水に高濃度オゾンガスを溶解させるエゼクタであることが好ましい。このような構成を採用した場合、エゼクタ内の水流によって溶解部を減圧状態に保ち、そこに吸引される高濃度オゾンガスのオゾンガス密度を1800g/m以下にした状態で高濃度オゾン水を製造することができるため、高濃度オゾンガスのオゾン濃度を減少させることなく安定的に高濃度オゾン水を製造することが可能とされる。
また、高濃度オゾンガスのエゼクタに対する流入経路に設けられた所定の容積を有する純水トラップと、エゼクタから流入経路へ純水が漏れた場合に純水トラップの底部に貯留した純水を検出する純水検出手段と、流入経路における純水トラップとエゼクタとの間に設けられ、純水検出手段が純水を検出した際に、エゼクタからの純水を遮断する遮断弁と、を備えることが好ましい。このような構成を採用した場合、万一エゼクタから流入経路へ純水が漏れた場合、その純水が純水トラップに貯留されるとともに、純水検出手段によってその漏れが検出され、その検出に伴って遮断弁が閉じ、エゼクタからの純水が遮断される。これによって、エゼクタからの純水の漏れを防止することが可能とされる。
また、高濃度オゾンガスを加温する熱交換器を高濃度オゾンガス製造部と純水トラップとの間で純水トラップの近傍に設置することが好ましい。このような構成を採用した場合、エゼクタの吸引口にある純水が蒸発して作る水蒸気による流入経路の氷結が、熱交換器によって防止される。
また、高濃度オゾンガスを溶解させる純水を脱気純水とすることが好ましい。これによれば、純水に溶解しているオゾンが自己分解して酸素ガスが発生しても、その酸素ガスは脱気純水に溶解することができるため、非溶解性のガスをほとんど含まない高濃度オゾン水を製造することができる。
このように本発明による高濃度オゾン水製造装置及び高濃度オゾン水製造方法によれば、発生させた高濃度オゾンガスのオゾン濃度を減少させることなく安定的に高濃度オゾン水を製造することが可能となる。
以下、本発明による高濃度オゾン水製造装置及び高濃度オゾン水製造方法の好適な実施形態について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る高濃度オゾン水製造装置1を示す概略構成図、図2は、図1中の高濃度オゾンガス製造部2を示す概略構成図であり、本実施形態の高濃度オゾン水製造装置1は、例えば半導体の製造工程で高ドーズレジスト(1014〜1015個/cm程度のリンやヒ素イオンが打ち込まれたレジスト)の剥離作業に用いる高濃度オゾン水を生成するのが可能な装置である。
図1に示すように、高濃度オゾン水製造装置1は、オゾンの体積比が10%以上の高濃度オゾンガスを製造する高濃度オゾンガス製造部2と、その高濃度オゾンガスから高濃度オゾン水を製造する高濃度オゾン水製造部3とを備えている。
高濃度オゾンガス製造部2は、図2に示すように、オゾナイザ2aに酸素や空気を導入し放電することによって約10%v/vのオゾンガスを発生させ、そのオゾンガスを冷却部2bで冷却して液体オゾンと非凝縮性ガスとに分離し、液体オゾンのみを、充填材2eの充填されたU字配管2dを介して毛細管現象を利用して気化部2cに導入し、気化部2cにて気化させることによって限りなく100%v/vに近い高濃度オゾンガスを製造する。そして、製造した高濃度オゾンガスを、配管2hから高濃度オゾン水製造部3へ供給する。なお、高濃度オゾンガス製造部2は、気化部2c内の温度を調節して高濃度オゾンガスを所定のオゾンガス密度(最適なオゾンガス密度の数値に関しては後述)に保つ。
高濃度オゾン水製造部3は、図1に示すように、高濃度オゾンガス製造部2からの高濃度オゾンガスを加温する熱交換器4と、熱交換器4からの高濃度オゾンガスを純水に溶解させることによって高濃度オゾン水を製造するエゼクタ(溶解部)6と、エゼクタ6と熱交換器4との間に、エゼクタ6から万が一に漏れた純水を貯留させる純水トラップ7とを備え、高濃度オゾンガス製造部2と純水トラップ7とを配管(流入経路)8で接続し、更に純水トラップ7とエゼクタ6とを配管(流入経路)9で接続し、配管8の純水トラップ7の近傍に熱交換器4を配置することによって構成されている。
熱交換器4は、配管8内を通過する高濃度オゾンガスを純水(エゼクタ6に用いるものと同様の純水が望ましい)の熱によって加温する。これによって、エゼクタ6の吸引口に有る純水が蒸発することによってできる水蒸気によって、配管8,9が氷結することを防止することができる。
エゼクタ6は、機械的駆動部の無い真空ポンプであり、純水供給源から供給配管を通して供給される純水を駆動流とし、配管9からの高濃度オゾンガスを吸引流とし、これらを合流させて純水に高濃度オゾンガスを溶解させることによって高濃度オゾン水を製造する。
純水トラップ7は所定の容積の貯留部7aを有し、その貯留部7aの底面には狭小の細管部7bが設けられており、この細管部7bの底部には貯留された純水を検出する純水検出センサ(純水検出手段)7cが設けられている。純水検出センサ7cは制御手段10に接続され、制御手段10は、純水検出センサ7cの純水の検出によって、配管9に設けられた遮断弁11を閉じるように構成されている。
配管8及び配管9はいずれも図3に示すように、二重配管とされており、内側配管12に高濃度オゾンガスを通過させ、外側配管13と内側配管12との間を真空とし、更に外側配管13を断熱材14で覆うことによって内側配管12を断熱する構成とされている。
ここで、内側配管12の強度は、図2に示すように、高濃度オゾンガス製造部2に設置される破裂弁または安全弁(オゾン分解が生じた際の配管内の圧力上昇に応じて圧力が設定以上になると、当該配管内の圧力を開放する弁)2f,2gの設計圧または吹き出し圧で破裂する程度(5kg/cm)とし、外側配管13の強度は、内側配管12の2倍以上とすることが望ましい。
次に、氷結などの問題を発生させないようにしつつ、自己分解を抑制した状態で高濃度オゾン水をつくるのに最適なオゾンガス密度を見出すための実験方法を以下に示す。
図4は、最適なオゾンガス密度を見出すための実験装置16を示す概略構成図である。図4に示すように、実験装置16は、高濃度オゾンガスを貯留させたオゾンボンベ17と、オゾンガスボンベ17からの高濃度オゾンガスを加圧容器22で加圧する加圧部18と、加圧容器22の高濃度オゾンガスの温度を一定に保つための水槽19と、加圧容器22のオゾン濃度を測定するオゾン濃度測定部21を備えている。
オゾンボンベ17には、シリカゲル吸着法などによって生成された高濃度オゾンガスが貯留されている。高濃度オゾンガスは大気圧下で30%v/v(充填圧力は1kg/cmG)の場合と、その高濃度オゾンガスを酸素ガスで希釈することにより大気圧下で20%v/v(充填圧力は1kg/cmG)とした場合の2パターンが用意されている。それらの高濃度オゾンガスは加圧部18へ供給される。
加圧部18は、内径10mm、長さ100mmの縦長のステンレス製の加圧容器22に蛇腹タイプの伸縮構造を有するシリンダー23を挿入し、加圧容器22内を密閉しながら加圧装置24でシリンダー23を静かに押し込むことによって、高濃度オゾンガスに圧力を与える構造となっている。なお、加圧容器22内壁には表面に不導体処理が施され、金属によるオゾン分解が防止されている。また、加圧容器22内の圧力は、圧力計26で圧力をモニタしながらシリンダー23の押し込み量を変えることによって調節する。
加圧容器22は、加圧容器22内でオゾンガスが自己分解しても、その反応熱をすばやく奪い、熱による自己分解の連鎖を防止するように、水槽19に浸漬されている。なお、水槽19に貯留された水は10℃としており、これは高濃度オゾン水製造装置1で高濃度オゾンガスを純水に溶解させる際の温度(純水が凍結しない温度)を想定して定めたものである。
オゾン濃度測定部21は、加圧後の高濃度オゾンガスのUV光吸収量からオゾン濃度を測定するものである。ここで、測定の精度を向上させるため、加圧後の高濃度オゾンガスを酸素ガスで5倍に希釈させることが好ましい。なお、希釈用の酸素ガスや加圧容器22からの高濃度オゾンガスの流量の調節はマスフローコントローラ27を用いて行う。
上述のように構成された実験装置16を用いて、加圧容器22で高濃度オゾンガスを10分間加圧し、その後、大気圧下に戻してオゾン濃度をオゾン濃度測定部21で測定することによって、オゾンガス密度とオゾンの自己分解の関係を調べた。その結果を表1及び図5に示す。なお、表1中のオゾンガス密度は、絶対圧力2kg/cmを初期値として体積変化から計算によって求めたものである。
Figure 0004948962
表1の結果から、使用したオゾンガス濃度が20%v/vと30%v/vと異なるものであっても、オゾン密度が1800g/mより高くなると、圧縮されたオゾンガスを大気圧下に戻して残存オゾン濃度を測定すると、初期に充填したオゾン濃度より減少した。しかしながら、オゾンガス密度が1800g/m(圧縮時のガス密度)以下であれば、オゾン濃度は低下しない。この実験結果から、10℃程度のオゾンガスは、オゾンガス密度を1800g/m以下に保てば、急激な自己分解の発生を抑制できることが分かる。
なお、この実験結果から換算すると、高濃度オゾンガス製造部2で100%v/vの高濃度オゾンガスが製造された場合、溶解部、すなわちエゼクタ6で純水に溶解させるときの高濃度オゾンガスの絶対圧は0.85kg/cm以下となる。気化部2c(図2参照)においてオゾンガスの蒸気圧を0.85kg/cm程度にするには−114°に保てばよい。これだけの低温下では自己分解の速度は非常に遅くなり、上記圧力より高くても自己分解反応は抑えられるが、確実に抑えるためには0.85kg/cmより高くしないことが好ましい。
次に、高濃度オゾン水製造装置1の作用について説明する。
高濃度オゾンガス製造部2で製造された高濃度オゾンガスは、気化部2cでの温度調整によって、自己分解が抑制されるオゾンガス密度であるオゾンガス密度1800g/m以下とされて配管8、純水トラップ7及び配管9を介してエゼクタ6へ供給され、エゼクタ6により、純水を駆動流とし、配管9からの高濃度オゾンガスを吸引流とし、これらを合流させて純水に高濃度オゾンガスが溶解される。このように、オゾンガス密度を1800g/m以下としているため、高濃度オゾンガスの自己分解を防止し、オゾン濃度を減少させることなく安定的に高濃度オゾン水が製造される。
ここで、本発明者らは、高濃度オゾンガスの急激な自己分解反応を引き起こすトリガーをなくすための研究を重ね、以下の条件も見出している。すなわち、オゾンを発生させる酸素ガスの純度を高めること、オゾンガスに接する金属表面を充分にパッシベーションすること、オゾンガスに含まれるフュームを取り除くこと、高濃度オゾンガスを発生させる前に10%未満のオゾンガスで配管内を十分にパージすること、高濃度オゾンガス製造部2に十分なアースを取ること、高濃度オゾンガスラインである配管8,9への外気の混入を防止すること、バルブ操作等の条件変更を急激に行わないこと、気化を非沸騰域の速度で行うことなどの対策を上記オゾン密度1800g/m以下の条件に加えて講ずれば、10%以上の高濃度オゾンガスも大気圧下の条件で一層安全に取り扱える。
そして、この高濃度オゾンガスを用いれば、容易に高濃度オゾン水製造部3で高濃度オゾン水が製造され、高ドーズレジスト剥離などに用いることができる。製造された高濃度オゾン水のオゾン濃度は水温が高いと急激に減少するので、オゾンガスを溶解させる純水はできるだけ低温とすることが望ましい。しかし、温度を下げすぎると氷結が発生するなどの問題があるため、5〜10℃程度に調整することが望ましい。
また、前述したように、オゾンガスは自己分解する性質を有し、この自己分解反応は温度と密度に関係する。温度が高くなると分解反応が増加し、密度が高まると分解反応が増加するが、前述のように、オゾン水を製造する直前(高濃度オゾンガス製造部2と純水トラップ7との間で純水トラップ7の近傍)に、10℃程度の純水を加温源とする熱交換器4を設置し、オゾンガスを加温することによって氷結を防止している。従って、高濃度オゾンガス製造部2から熱交換器4までは、0℃以下の低温に保たれることになり、オゾンガスの分解は一層防止される。
ここで、通常、非溶解性のガスを含まないオゾン水をオゾンガスから製造する場合、ガス透過膜方式が用いられる。しかし、この方式は、オゾンの溶解効率が十分でないという問題がある。更に、オゾンを溶解させる純水が蒸発することにより発生する水蒸気が純水側からオゾンガス側に透過する。この透過した蒸気がドレンとなるので、ガス側配管から一定時間ごとにブローする必要がある。
純水に溶解されたオゾンは、ガス状態にある場合より自己分解速度が非常に大きいため、その自己分解によって生じた酸素ガスが気泡となって発生する。ガス透過膜方式によって低濃度オゾンガスを脱気純水(溶存ガスを取り除いた純水)に溶解させた場合でも、溶解膜では非溶解性のガスを含まないオゾン水を作ることができるが、このオゾン水にあってはオゾンより溶解度の低い酸素ガスなどが飽和状態に溶けているので、オゾンの自己分解で発生した酸素ガスが溶け込めず気泡を発生してしまう。
しかし、本実施形態では、前述のようにエゼクタ6を使用しているため、エゼクタ6内の水流によって溶解部を減圧状態に保ち、そこに吸引される100%v/vに近い高濃度オゾンガスのオゾンガス密度が前述した最適値を超えない状態でオゾン水を製造することができる。オゾンを溶解させる純水として脱気純水を使用すると、溶解しているオゾンが自己分解することによって発生した酸素ガスも溶解できるので、非溶解性のガスをほとんど含まない高濃度オゾン水を製造することができるので好ましい。
また、本実施形態にあっては以下の効果がある。すなわち、配管8,9は二重配管とされると共に、内側配管12と外側配管13の間が真空とされているため、内側配管12を断熱でき、内側配管12の内部を通過する高濃度オゾンガスの温度を一定に保ち、オゾンガス密度の変化が防止されている。更に、内側配管12よりも大きい耐久性能を有する外側配管13が設けられているため、何らかのトリガーにより例え高濃度オゾンガスの連鎖的自己分解が生じて内側配管12が破損しても、外側配管13により高濃度オゾンガスの外部への漏出を防止できる。
また、配管8と配管9との間には純水トラップ7が設けられているため、万一エゼクタ6から配管9へ純水が漏れた場合、その純水が貯留部7aに貯留されるとともに、純水検出センサ7cによって漏れが検出され、その検出に伴って遮断弁11が閉じ、エゼクタ6からの純水が遮断される。これによって、エゼクタ6からの純水の漏れを防止することが可能とされている。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、高濃度オゾンガスを製造するために図2に示すような液化法による高濃度オゾンガス製造部2を使用しているが、図6に示すように、吸着法による高濃度オゾンガス製造部30を使用してもよい。この高濃度オゾンガス製造部30は、オゾナイザ30aで約10%v/vのオゾンガスを発生させ、そのオゾンガスを−70℃で冷却されたシリカゲル吸着カラム30bに通過させてオゾンのみをシリカゲルに吸着させ、その他の酸素などは排気口30dから排気し、その後シリカゲルをヒータ30cで−70〜−10℃まで徐々に加熱することによってオゾンを脱離させることで高濃度オゾンガスを配管30eを介して得るものである。
本発明の実施形態に係る高濃度オゾン水製造装置を示す概略構成図である。 図1中の高濃度オゾンガス製造部を示す概略構成図である。 図1中の二重配管の構成を示す断面図である。 最適なオゾンガス密度を見出すための実験装置を示す概略構成図である。 図4の実験装置を用いた実験から得られた結果を示す線図である。 他の高濃度オゾンガス製造部を示す概略構成図である。
符号の説明
1…高濃度オゾン水製造装置、2…高濃度オゾンガス製造部、3…高濃度オゾン水製造部、4…熱交換器、6…エゼクタ(溶解部)、7…純水トラップ、7c…純水検出センサ(純水検出手段)、8,9…配管(流入経路)、11…遮断弁、12…内側配管、13…外側配管。

Claims (7)

  1. 放電法で発生するオゾンガスを用いて液化法または吸着法によって体積比が20%以上の高濃度オゾンガスを製造する高濃度オゾンガス製造部と、
    前記高濃度オゾンガスを溶解部で純水に溶解させることによって高濃度オゾン水を製造する高濃度オゾン水製造部と、を備え、
    前記高濃度オゾンガス製造部から前記溶解部までの前記高濃度オゾンガスのオゾンガス密度を1800g/m以下とすることを特徴とする高濃度オゾン水製造装置。
  2. 前記高濃度オゾンガス製造部と前記高濃度オゾン水製造部とを二重配管で接続し、
    前記二重配管の内側配管の内部に前記高濃度オゾンガスを通過させ、前記内側配管と外側配管との間を真空とすることを特徴とする請求項1記載の高濃度オゾン水製造装置。
  3. 前記高濃度オゾン水製造部の溶解部は、前記純水を駆動流とし、前記高濃度オゾンガスを吸引流とし、これらを合流させて前記純水に前記高濃度オゾンガスを溶解させるエゼクタであることを特徴とする請求項1または2記載の高濃度オゾン水製造装置。
  4. 前記高濃度オゾンガスの前記エゼクタに対する流入経路に設けられた所定の容積を有する純水トラップと、
    前記エゼクタから前記流入経路へ前記純水が漏れた場合に前記純水トラップの底部に貯留した前記純水を検出する純水検出手段と、
    前記流入経路における前記純水トラップと前記エゼクタとの間に設けられ、前記純水検出手段が前記純水を検出した際に、前記エゼクタからの前記純水を遮断する遮断弁と、を備えることを特徴とする請求項3記載の高濃度オゾン水製造装置。
  5. 前記高濃度オゾンガスを加温する熱交換器を前記高濃度オゾンガス製造部と前記純水トラップとの間で前記純水トラップの近傍に設置することを特徴とする請求項4記載の高濃度オゾン水製造装置。
  6. 前記高濃度オゾンガスを溶解させる前記純水を脱気純水とすることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の高濃度オゾン水製造装置。
  7. 放電法で発生させたオゾンガスを用いて液化法または吸着法によって体積比が20%以上の高濃度オゾンガスを製造し、前記高濃度オゾンガスを製造してから前記高濃度オゾンガスを純粋に溶解させるまでオゾンガス密度1800g/m以下として、前記高濃度オゾンガスを前記純水に溶解させることによって高濃度オゾン水を製造することを特徴とする高濃度オゾン水製造方法。
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