JP2002220201A - マイクロ波放電による水蒸気からの水素製造法 - Google Patents

マイクロ波放電による水蒸気からの水素製造法

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JP2002220201A JP2001049417A JP2001049417A JP2002220201A JP 2002220201 A JP2002220201 A JP 2002220201A JP 2001049417 A JP2001049417 A JP 2001049417A JP 2001049417 A JP2001049417 A JP 2001049417A JP 2002220201 A JP2002220201 A JP 2002220201A
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勉 櫻井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、放電管(石英製)に水蒸気を高速で
連続供給し、外部からマイクロ波を付加することによっ
て放電させ、水蒸気を水素と酸素に分解し、水素を製造
する方法を見出したものである。 【解決手段】本発明は、適切な水蒸気流速を選択して放
電させれば水からの水素製造が可能との着想を得、精密
流量計と精密圧力計を組み合わせて水蒸気流速を制御す
る方法を考案後、水蒸気流速とマイクロ波放電による水
蒸気分解効率との関係を追及し、水蒸気を流速約0.6
m/sでマイクロ波放電管に供給するとほぼ完全に水素
と酸素に分解し、水素製造が可能なことを見出したもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーンエネルギ
ーとして注目されている水素を水から製造する方法に関
するものであり、高速水蒸気流のマイクロ波放電によっ
て水蒸気を水素と酸素に分解することを特徴とする水素
製造法である。
【0002】
【従来の技術】水素は、工業的には水の電気分解、燃料
ガス《水生ガス、天然ガスなど》からの分離、炭化水素
の高温接触分解、などの方法で製造されている。この
他、開発段階のものとして、熱化学法、光触媒法などが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】理想的な水素製造方法
としては、地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの副
生成物を生成しないこと、及び資源的に無限のものを利
用する方法が望ましい。この点から、水を直接分解する
方法が理想的である。しかし、現行の水の電気分解法
は、コスト高であり、次第にその比率を減少させる傾向
にある。より簡便に水を分解する方法が望まれる。本発
明は、従来の水の電気分解法とはまったく異なった原理
による水素製造法であり、高速の水蒸気を放電させるこ
とにより簡単な装置及び方法で水蒸気を分解し、水素を
製造する方法を見出したものであり、水素製造方法にひ
とつの選択肢を与えるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】放電により水蒸気が水素
と酸素に分解することは、現象としては古くから知られ
ていた。(1)しかし、生成した水素と酸素が逆反応に
より直ちに放電管内で再び水となるため、水素を効率よ
く取り出すことが出来なかった。本発明では、水蒸気を
高速で放電管に供給して放電させ、いったん生成した水
素と酸素が再結合《逆反応》を起こす前に放電管の外へ
追い出し、急冷する。それによって、再結合《逆反応》
が阻止され、水素が取り出せるとの着想を得、実証した
ものである。この場合、水蒸気の流速が大き過ぎても、
分解する前に水が放電管を通過してしまうため効率よく
水素を取り出すことが出来ない。文献に報告されている
マイクロ波による水蒸気放電実験では、流速は4〜30
m/sの高速と推定されるが、分解率は約40%と低
い。(2)これは流速を制御出来ず、大き過ぎる流速を
用いたためと考えられる。効率よく水蒸気を分解するた
めにはその流速を一定に制御する技術が先ず必要であ
り、それをもとに適切な流速の範囲を求めることが重要
である。以前はこのことが技術的に困難であった。本発
明では、先ず、最近開発された精密流量調節バルブと精
密圧力計を組み合わせて所定圧の水蒸気を一定流速に制
御する方法を考案した。これを用いて流速と分解率の関
係を明らかにし、効率よく水素を取り出す条件を求める
ことにより、水からの直接水素製造法を確立することを
目指した。参考文献
【0005】
【発明の実施の形態】請求項1の実施の形態は請求項2
のそれの一部をなすものである。後者の実施の形態と併
せて述べる。図1《請求項2》により実施の形態を説明
する。この水素製造装置は図1の左から(イ)放電管
(11)内の水蒸気の圧及び流速をあらかじめ設定する
ためのガス容器部、(ロ)放電管(11)に水蒸気を供
給する水蒸気供給部、(ハ)水蒸気を分解する放電管
部、(ニ)放電により生成した水素と酸素を分離する水
素回収部、及び(ホ)装置内を排気する排気部から構成
されている。《この中の(ニ)水素回収部を除く部分が
請求項1の実施の形態と共通である。》 (イ) ガス容器部 放電管(11)での水蒸気の分解条件《流速及び圧》を
設定するのに必要な部分であり、室温でガス状の非凝縮
性ガス《空気、窒素、酸素、または二酸化炭素など》を
貯蔵するガス容器(1)、外部から非凝縮性ガスを取り
入れるためのストップバルブ(2)《“NUPRO S
S−4H”相当品》、ガス容器(1)中のガス圧を測る
圧力計(3)《測定範囲0〜1000Torrまたは0
〜0.13MPa》、出口ストップバルブ(4)、及び
非凝縮性ガスの流量を調節する精密流量調節バルブ
(5)《“NUPRO‘BM’Series Bell
owsSealed Metering valve”
相当品》よりなる。 (ロ) 水蒸気供給部 放電管(11)に水蒸気を供給する部分であり、脱気済
の水を入れた水容器(6)、出口ストップバルブ(7)
及び水蒸気の流量を制御する上記精密流量調節バルブ
(8)よりなる。水容器(6)にはヒーターを取り付け
る。 (ハ) 放電管部 マイクロ波を付加して水蒸気を分解する部分であり、放
電管(11)内を流れる水蒸気または非凝縮性ガスの圧
を精密に測定する精密圧力計(9)《測定範囲0.00
1〜100Torrまたは0.2Pa〜l3kPa、
“MKS Type 270B high accur
acy pressure gauge”相当品》、石
英製の放電管(11)、放電管(11)出口のストップ
バルブ(12)、放電管(11)出口ガス中の水蒸気を
除去するトラップ(13)、精密流量調節バルブ(5)
及び(8)と連携して非凝縮性ガスまたは水蒸気の流速
を設定する精密流量調節バルブ(14)、及び放電管
(11)にマイクロ波を付加するためのマイクロ波電源
(15)とその導波管(16)から構成される。 (ニ) 水素回収部 放電管(11)出口ガス中の水素を酸素から分離し、回
収する部分であり、ストップバルブ(18)の下流に吸
収材を充填した酸素吸収器(19)、さらにストップバ
ルブ(20)を経て吸収材を充填した水素回収器(2
1)及び出口ストップバルブ(25)が設置されてい
る。酸素吸収器(19)及び水素回収器(21)には、
吸蔵されたガス取り出し用のストップバルブ(22)と
(24)がそれぞれ取り付けられている。水素と酸素の
分離法は、既にいくつか確立されている。たとえば、水
素と酸素の沸点《それぞれ−253℃及び−183℃》
の差を利用した低温のゼオライトによる選択吸着法があ
る。ゼオライト13Xを充填した酸素吸収器(19)を
ドライアイスで冷却し《−78℃》、この中を水素―酸
素混合ガスを通すと酸素のみが吸着し、水素と分離す
る。したがって、この酸素吸収器(19)を放電管の下
流に設置すると、水素のみを取り出すことができる。酸
素を分離したあとの水素の回収法としては、ジルコニウ
ム−アルミニウム合金《800℃に加熱》、ジルコニウ
ム−バナジウム−鉄合金《400℃に加熱》、グラファ
イトの層間化合物《カリウム−グラファイト第二ステー
ジ層間化合物KC24、−196℃に冷却》などによる
水素吸着が知られており、これらの化合物を充填した水
素回収器(21)を酸素吸収器(19)の下流に設置す
ることで回収可能である。本発明では、酸素吸収器(1
9)及び水素回収器(21)への充填物《吸収材》は既
存のものを使用することとし、とくに指定しない。 (ホ) 排気部 装置内を排気する真空ポンプ(26)には水素回収部の
ほか、放電管(11)を直接排気するため、ストップバ
ルブ(10)及び(17)を介してバイパス(23)が
接続されている。 (イ)から(ホ)までを繋ぐ配管には、SUS、銅など
の金属管のほか、パイレックス(登録商標)ガラス管、
プラスチック管などを用いることができる。この水素製
造装置は十分な気密性を持っていることが必要である。
本装置により水素を製造するには次の手順による。 酸素吸収器(19)及び水素回収器(21)にそれ
ぞれの乾燥した吸収材を充填し、それぞれの使用温度に
保持しておく。また、ストップバルブ(2)からガス容
器(1)にあらかじめ非凝縮性ガス 《空気、窒素、ま
たは二酸化炭素など》を約0.1MPa《760Tor
r》充填しておく。 ガス容器(1)及び水容器(6)以外の系を真空ポ
ンプ(26)で真空排気する。ストップバルブ(4)、
(7)、(22)及び(24)は閉、それ以外のストッ
プバルブ及び精密流量調節バルブはすべて開。装置内が
所定の真空度《10−2Torr以下または1.3Pa
以下》に到達したなら、ストップバルブ(10)、(1
8)及び(25)は閉。 ガス容器(1)出口のストップバルブ(4)を開
け、ガス容器(1)内の非凝縮性ガスを系に供給し、真
空ポンプ(26)で排気することによりバイパス(2
3)経由のガス流をつくる。 このガス流が所定圧及び所定流速となるよう、ガス
容器(1)に取り付けた圧力計(3)の圧減少速度と系
内の精密圧力計(9)の指示を見ながら、放電管上流お
よび下流の流量調節バルブ《それぞれ5及び14》の開
口度を調節し、所定圧の非凝縮性ガスが所定流速《最適
流速》で放電管中を通過するようにする。放電管(1
1)中のガス流速は、放電管(11)の内径、ガス容器
(1)の容量とそのガス圧減少速度、精密圧力計(9)
の読み、及び室温から計算する。 これらの操作により放電管下流側精密流量調節バル
ブ(14)の開口度を決め、以後この開口度を維持す
る。ストップバルブ(4)を閉じてガスを止め、系内を
いったんバイパス(23)経由で真空排気する。 真空排気後、水容器(6)出口のストップバルブ
(7)を開け、精密流量調節バルブ(8)を操作し水蒸
気を系内に導入する。放電管(11)内の水蒸気が上記
非凝縮性ガスで設定した所定圧に等しくなるようにこの
精密流量調節バルブ(8)の開口度を調節する。これに
より、水蒸気が非凝縮性ガスの場合と等しい所定圧およ
び所定流速《最適流速》で放電管内を流れるようにな
る。 マイクロ波電源(15)よりマイクロ波導波管(1
6)を経て放電管(11)にマイクロ波を付加し、通過
中の水蒸気を放電させる。 約30分後に、放電管(11)出口ガス中の未分解
の水蒸気を除去するため、放電を継続しながらトラップ
(13)を冷媒に、系の圧が変わらぬように、静かに浸
す《−78℃のドライアイス−アルコール、または−1
96℃の液体窒素など》。 ストップバルブ(25)及び(18)を開け、スト
ップバルブ(17)を閉じて、放電管出口ガスが水素回
収部を通るようにする。酸素吸収器(19)に酸素が、
水素回収器(21)に水素が蓄積を始める。放電を続け
ると、水の蒸発熱によって水容器(6)の水温が下が
り、水蒸気圧が次第に低下してくることがある。精密流
量調節バルブ(8)の開口度の調節及びヒーターによる
水容器(6)の昇温で、水蒸気圧低下を防ぐ。 ▲10▼ 酸素吸収器(19)及び水素回収器(21)
のそれぞれ充填物《吸収材》が酸素または水素で飽和し
そうになったなら、水蒸気供給及び放電を止める。《飽
和に達する時間は、吸収材の充填量及び水蒸気圧とその
流速から推定できる。》 ▲11▼ ストップバルブ(25)(18)及び(2
0)を閉じ、酸素吸収器(19)及び水素回収器(2
1)を加熱してそれぞれ酸素及び水素を脱着させ、スト
ップバルブ(22)及び(24)よりそれぞれの貯蔵容
器等に移送する。これらから▲11▼の操作により、
水素を製造することができる。
【0006】
【実施例】水素と酸素の分離法はすでに確立されている
ため、本実施例では本発明の特徴である水蒸気の分解
率、即ち水素及び酸素の生成率のみ測定し、最適流速を
求めることとした《請求項1》。このため、図1の装置
の放電管(11)から真空ポンプ(26)に至る系のう
ち、バイパス(23)を通る系を使用し、ストップバル
ブ(18)と(25)を閉じて酸素吸収器(19)及び
水素回収器(21)を含む水素回収部は使用しなかっ
た。放電管(11)は外径6mm、内径4mm、及び長
さ150mmの石英製放電管を使用した。水容器(6)
及びトラップ(13)はパイレックスガラス製で、容量
はともに0.08Lである。その他の装置材質はSUS
または銅で、ガス容器(1)の容量1.8L、配管は外
径6mm、内径5mmである。圧力計(3)はブルドン
管圧力計《測定圧範囲0〜1000Torrまたは0〜
0.13MPa》、3個の精密流量調節バルブは”NU
PRO ‘BM’ Series Bellows S
ealed Metering valve”、11個
のストップバルブは”NUPRO SS−4H”、精密
圧力計(9)は“MKS Type 270B hig
h accuracy pressuregauge”
《測定範囲0.001〜100Torr、または0.2
Pa〜13kPa》を使用した。マイクロ波電源(1
5)は周波数2450MHzで最高出力200W、マイ
クロ波導波管(16)は45mm x 85mm x
250mmの直方体タイプである。次の手順で実験を行
った(図1参照)。 ストップバルブ(2)からガス容器(1)にあらか
じめ二酸化炭素(非凝縮性ガス)を約0.1MPa《7
60Torr》充填しておく。 水容器(6)及びガス容器(1)以外の系を真空ポ
ンプ(26)で真空排気する《10−2Torr以下ま
たは1.3Pa以下まで》。流量調節バルブ(5)、
(8)と(14)及びストップバルブ(12)と(1
7)は開、他のバルブは閉。 ガス容器(1)出口のストップバルブ(4)を開
け、ガス容器(1)内の非凝縮性ガス《二酸化炭素》を
系に供給し、真空ポンプ(26)で排気することにより
ガス流をつくる。 このガス流が所定圧及び所定流速となるよう、ガス
容器(1)に取り付けた圧力計(3)の圧減少速度と系
内の精密圧力計(9)の指示を見ながら、放電管上流お
よび下流の精密流量調節バルブ《それぞれ5及び14》
の開口度を調節し、所定圧の非凝縮性ガスが所定の一定
流速で放電管中を通過するようにする《ガス圧0.42
または0.82kPa及びガス流速範囲0.02〜0.
6m/s》。放電管(11)中のガス流速は、放電管
(11)の内径、ガス容器(1)の容量《1.8L》と
ガス圧減少速度、精密圧力計(9)の読み、及び室温か
ら計算する。 これらの操作により放電管下流側精密流量調節バル
ブ(14)の開口度を決め、以後放電中この開口度を維
持する。ストップバルブ(4)を閉じてガスを止め、系
内をいったん真空排気する。 真空排気後、水容器(6)出口のストップバルブ
(7)及び精密流量調節バルブ(8)を操作し水蒸気を
系内に導入する。放電管(11)内の水蒸気圧が上記非
凝縮性ガスで設定した所定圧に等しくなるようにこの精
密流量調節バルブ(8)の開口度を調節する。これによ
り、水蒸気が非凝縮ガスの場合と等しい所定圧および所
定の一定流速で放電管内を流れるようになる。 マイクロ波電源(15)よりマイクロ波導波管(1
6)を経て放電管(11)にマイクロ波を付加し、水蒸
気を放電させる《出口出力20〜100W》。放電を始
めると水蒸気が分解して水素と酸素が生成するため、放
電管(11)内の圧が瞬時に上がる。以後この圧を維持
する。 放電中、圧が下がってきたら、精密流量調節バルブ
(8)の調整及び水容器(6)の加温により圧低下を防
ぐ。約30分後に放電管(11)出口ガスの組成を求め
るため、放電を継続しながら放電管(11)下流のスト
ップバルブ(12)及び(17)を閉じ、通過中の放電
管出口ガスをトラップ(13)内に捕集する。直ちにス
トップバルブ(7)を閉じ水蒸気の供給を止め、系内を
ストップバルブ(10)からバイパス(23)を経て真
空排気する。《このバルブ(12)及び(17)操作中
の、放電管(11)内の流れを止めたことによるガス圧
上昇分は、記録しておき、分解率計算の際補正する。》 捕集したガス中の未分解の水を凍結するため、トラッ
プ(13)を液体窒素を満たしたデュワー瓶で冷却す
る。《液体窒素温度−196℃で凍結しないのは水素と
酸素だけであり、その割合は水の化学式HOから水素
と酸素の比はH:O=2:1となる。》 ▲10▼ トラップ(13)冷却後、ストップバルブ
(10)を閉じ、ストップバルブ(10)より放電管
(11)を経てストップバルブ(17)に至る系を閉鎖
系にする。 ▲11▼ 冷却したまま放電管(11)下流のストップ
バルブ(12)を開け、トラップ内の残留ガスを系内に
拡散させ、精密圧力計(9)でトラップを含む系内の残
留ガス圧を測定する。残留ガス圧の2/3が水素、1/
3が酸素である。 ▲12▼ あらかじめ求めてあるストップバルブ(1
7)からトラップ(12)及び放電管(11)を経て精
密圧力計(9)に至る系の容積、室温、及び残留ガス圧
から放電管通(11)過時の水素及び酸素の分圧がわか
る。これら分圧と精密圧力計(9)による放電管通過ガ
ス圧の実測値との比較から、水蒸気分解率、すなわち水
素生成率がわかる0.42kPa《3Torr》)及び
0.82kPa《6Torr》の水蒸気を0.02〜
0.6m/sec間の種々の流速で系に供給し、マイク
ロ波《2450MHz》電源出力50Wで放電させ、流
速と水蒸気分解率の関係を求めた。図2に、放電管(1
1)内の水蒸気流速と水蒸気分解率との関係を示す実験
データ「水素の流速と分解率との関係」を示した。図2
の横軸が水蒸気の流速、縦軸がその分解率、すなわち水
素生成率である。流速が増すにつれ水素生成率が上昇
し、供給水蒸気圧0.82kPa《6Torr》の場
合、流速0.6m/sで100%に達することがわか
る。効率よく分解するためには、流速の選択が重要なこ
とがわかる。供給水蒸気圧0.42kPa《3Tor
r》の場合も、流速0.6m/sで分解率90%を超え
ることが図2の曲線の外挿から推定できる。分解率10
0%に達したあとさらに流速を上げると、二酸化炭素の
分解の場合と同様に、(3)分解率が再び減少すること
が予想される。二酸化炭素の場合、最高分解率を与える
流速より約0.4m/s流速が増すと、分解率は約10
%低下した。文献に報告されているマイクロ波による水
蒸気分解実験では、流速4〜30m/sの高速と推定さ
れるが、分解率は約40%と低い。(2)これらのこと
から分解率約90%以上を与える流速範囲として0.6
〜1m/sを特許請求範囲とする。放電を長時間続ける
と、水蒸気供給器(2)中の水の温度が水蒸気の蒸発熱
のため下がり所定の水蒸気圧を維持できなくなる。この
ため時々、精密流量調節バルブ(8)の開口度の調整及
び水容器(2)の加温が必要であった。参考文献
【0007】
【発明の効果】上記実施例より、流速を適切に選択して
放電させると、水蒸気が完全に分解し、水素と酸素が生
成することがわかる。内径4mmの放電管を使用する上
記小規模実験でも一時間あたり0.2L(STP)の水
素を製造することが出来る。請求項2の水素製造の場合
は、ストップバルブ(17)を閉じ(18)、(20)
及び(25)を開けることにより製造することが出来
る。本水素製造法は、 プロセスが簡単であり、コンパクトな装置により連
続的に水素を製造することが出来る、 水素回収部を2系列設け、両者を交互に使用すると
放電を中断することなく任意の時間連続運転することが
できる、 放電管内に副生成物が析出することがないので、長
時間運転でも放電が妨げられることはない、 放電管の径、マイクロ波電源の出力、及び水蒸気圧
を上げることにより、水素製造量を増すことが期待でき
る、 電源出力が小さくてよいので、商用電源の代わりに
風力発電を用いるなど、自然エネルギーを利用して水か
ら水素を製造することが期待できる、などの特徴をも
つ。水素製造法に一つの選択肢を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロ波放電による水素製造装置
【符号の説明】
1 ガス容器 2、4、7、10、12、17、18、20、22、2
4、及び25ストップバルブ 3 圧力計 5、8、及び14 精密流量調節バルブ 6 水容器(加熱器付) 9 精密圧力計 11 放電管 13 トラップ 15 マイクロ波電源 16 マイクロ波導波管 19 酸素吸収器 21 水素回収器 23 バイパス 26 真空ポンプ
【図2】 実験データ「水蒸気の流速と分解率との関
係」

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項 1】石英製放電管(11)に所定圧の水蒸気
    を流速範囲0.6〜1m/s内の一定流速で連続供給
    し、外部からマイクロ波を付加することによって放電さ
    せ、水蒸気を水素と酸素に分解する方法。
  2. 【請求項 2】請求項1の条件で水を分解し生成した水
    素を回収するための図1に示したマイクロ波放電による
    水素製造装置。
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