JPH105741A - 真空脱気装置 - Google Patents

真空脱気装置

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JPH105741A
JPH105741A JP16801496A JP16801496A JPH105741A JP H105741 A JPH105741 A JP H105741A JP 16801496 A JP16801496 A JP 16801496A JP 16801496 A JP16801496 A JP 16801496A JP H105741 A JPH105741 A JP H105741A
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Takashi Futatsugi
高志 二ッ木
Hiroshi Sugawara
広 菅原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱気効果を上昇する。 【解決手段】 脱気塔10内には、充填層12が収容さ
れており、散布装置20から被処理水が供給されこれが
重力により落下する。充填層12上方の脱気室14には
真空ポンプ26が接続されており、脱気室14は真空状
態におかれる。従って、被処理水中の溶存酸素が除去さ
れる。そして、処理水は充填層12の下方の処理水貯留
室16を経て排水ポンプ24によって排出される。ここ
で、処理水貯留室16の水位は、充填層12の下端とほ
ぼ同一あるいはそのやや上方位置に制御される。これに
よって、充填層12の下方に気相の空間が存在しなくな
り、脱気処理が効果的に行われる。そして、充填層12
内には、散布ノズル72が設けられており、この散布ノ
ズルから加温された処理水の一部あるいは窒素ガスが混
入された脱気処理水が、返送される。そこで、充填層1
2内の気相における酸素分圧が低下し、より効果的な溶
存酸素除去が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中に溶存する気
体を減圧除去する真空脱気装置、特に超LSIの製造工
程などで使用される微量溶存酸素の除去に好適なものに
関する。
【0002】
【従来の技術】超LSIの製造工程では、不純物の混入
をさけるために、高度に浄化された超純水が利用されて
いる。例えば、半導体ウエハーの洗浄に用いられる超純
水では、溶存酸素(DO)を10μg/l(ppb)以
下にまで除去することが要求されている。さらに、LS
Iの超高度集積化に伴って、溶存酸素2μg/l以下と
いった極めて高度に脱気された超純水が求められつつあ
る。
【0003】一方、水中の溶存気体の除去には、従来よ
り真空脱気装置が広く利用されている。この真空脱気装
置は、水の表面積を増大させるための気液接触材を充填
した脱気塔内の気体圧力を真空ポンプで減圧し、被処理
水である純水を真空状態におき、溶存酸素を除去するも
のである。
【0004】しかし、このような単なる減圧脱気による
真空脱気装置で溶存酸素を上記濃度まで低減するために
は、真空脱気装置の気液接触材の充填高さが高くなり、
また真空ポンプの排気量が非常に大きくなってしまい、
イニシャルコスト、ランニングコストともに高額になる
上、広い設置スペースが必要となるため実用的ではな
い。
【0005】ここで、溶存酸素は気相中の酸素分圧に比
例する。このため、真空脱気塔内の充填層の下方空間の
下に貯留された処理水を加温したり、充填層の下方の空
間から不活性ガスを流入させることで、脱気性能を上げ
ることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来方
式の真空脱気装置を用いた場合、装置本来の性能(貯留
された処理水を加温する手段を設けない装置、あるいは
下部脱気室から不活性ガスの流入を行わない装置)の実
用的な限界が、30〜50μg/lである。このため、
この真空脱気装置を基礎として溶存酸素を2μg/l以
下にするためには、脱気塔の気相中の酸素分圧をかなり
減少させる必要があり、処理水を加温するための光熱量
や流入する不活性ガスの量を増大させることとなりコス
ト高となるという問題点があった。また、実用的に、安
定して溶存酸素2μg/l以下といった高品質の処理水
を得るのは困難であった。
【0007】「関連技術」ここで、本発明者等は充填層
の下方における気相の空間を実質的に排除することによ
って脱気処理効果を飛躍的に上昇させることができる真
空脱気装置を特願平8−58090号および特願平8−
155315号で提案した。
【0008】この装置によれば、処理水中の溶存酸素を
安定して10μg/l以下にまで下げることができる。
ところが、溶存酸素を1μg/lにまで低下させるため
には、さらに何らかの手段が必要である。
【0009】本発明は、これらの課題に鑑みなされたも
のであり、簡単な手段の付加で、たとえば処理水の溶存
酸素が2μg/l以下であるような極めて低濃度の処理
水を得ることができる真空脱気装置を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、気密に形成された脱気塔内に気液接触材の充填層を
形成し、脱気塔の上方から被処理水を供給し、充填層の
下方から処理水を排出し、充填層の上方から真空手段に
より脱気塔内の気体を排出し、さらに脱気塔内における
処理水水位を前記充填層の下端とほぼ同一位置ないし、
充填層の下端よりやや上方の位置に設定するようになし
た真空脱気装置において、前記充填層内に加温した脱気
処理水、加熱水蒸気、不活性ガス、不活性ガスを溶解さ
せた脱気処理水から選ばれる一つまたは二つ以上の流体
を導入するようにしたことを特徴とする。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、気密に形
成された脱気塔内に気液接触材の充填層を形成し、脱気
塔の上方から被処理水を供給し、充填層の下方から処理
水を排出し、充填層の上方から真空手段により脱気塔内
の気体を排出し、さらに脱気塔内における処理水水位を
前記充填層の下端とほぼ同一位置ないし、充填層の下端
よりやや上方の位置に設定するようになした真空脱気装
置において、脱気塔に接続される被処理水供給管および
または充填層内に加熱手段を付設したことを特徴とす
る。
【0012】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または請求項2に記載の装置において、脱気塔内におけ
る処理水位を検出する水位検出手段を設け、当該水位検
出手段の検出結果に応じて、脱気塔内への被処理水の供
給量または処理水の排出量を制御し、脱気塔内における
処理水水位を制御することを特徴とする。
【0013】また、請求項4に記載の発明は、気密に形
成された脱気塔内に気液接触材の充填層を複数段に形成
し、脱気塔の上方から被処理水を供給し、最下段の充填
層の下方から処理水を排出し、少なくとも最上段の充填
層上方から真空手段により脱気塔内の気体を排出し、さ
らに脱気塔内における処理水水位を最下段の充填層の下
端とほぼ同一位置ないし、当該充填層の下端よりやや上
方の位置に設定するようになした真空脱気装置におい
て、少なくとも最下段の充填層内に加温した脱気処理
水、加熱水蒸気、不活性ガス、不活性ガスを溶解させた
脱気処理水から選ばれる一つまたは二つ以上の流体を導
入するようになしたことを特徴とする。
【0014】また、請求項5に記載の発明は、気密に形
成された脱気塔内に気液接触材の充填層を複数段に形成
し、脱気塔の上方から被処理水を供給し、最下段の充填
層の下方から処理水を排出し、少なくとも最上段の充填
層上方から真空手段により脱気塔内の気体を排出し、さ
らに脱気塔内における処理水水位を最下段の充填層の下
端とほぼ同一位置ないし、当該充填層の下端よりやや上
方の位置に設定するようになした真空脱気装置におい
て、脱気塔に接続される被処理水供給管およびまたは充
填層内に加熱手段を付設したことを特徴とする。
【0015】また、請求項6に記載の発明は、請求項4
または請求項5に記載の装置において、最下段の充填層
より上方の充填層はそれぞれの充填層の底部に、水封排
出部を設けたことを特徴とする。
【0016】また、請求項7に記載の発明は、請求項4
ないし請求項6のいずれかに記載の装置において脱気塔
内における処理水水位を検出する水位検出手段を設け、
当該水位検出手段の検出結果に応じて、脱気塔内への被
処理水の供給量または処理水の排出量を制御し、脱気塔
内の処理水水位を制御することを特徴とする。
【0017】このように、本発明は、充填層の下方にお
ける気相空間を実質的に排除することによって脱気処理
効果を飛躍的に上昇させた真空脱気装置を基礎としてい
る。
【0018】そして、この脱気塔の充填層内に、加温し
た脱気処理水、加熱水蒸気、不活性ガス、もしくは不活
性ガスを溶解させた処理水を充填層内に導入すること、
あるいは脱気塔に供給される被処理水およびまたは充填
層を落下する被処理水を加熱することによって、充填層
の気相中において、除去対象ガスの分圧を減少させ、こ
のガスの処理水中濃度をさらに大幅に減少させることが
できる。
【0019】すなわち、上記のような流体の導入あるい
は被処理水の加熱によって、充填層の気相において、水
蒸気圧、不活性ガス分圧、もしくはこれら両方の圧力が
上昇する。このため、相対的に脱気塔の充填層内の酸素
分圧が低下することになる。その結果、充填層の高さを
高くし、かつ真空ポンプの排気量を大きくすることなし
に、溶存酸素2μg/l以下といった高度に脱気された
処理水を安定して得ることができる。
【0020】特に、本発明者等が特願平8−58090
号等において開示したように、充填層の下方における気
相空間を実質的に排除するだけで、気相空間の存在に起
因する不利益を解消でき、その結果この出願の真空脱気
装置では、安定して溶存酸素を10μg/l以下にする
ことができる。
【0021】そして、この充填層の下方における気相空
間を実質的に排除した真空脱気装置の能力は溶存酸素を
10μg/l以下とするものであるが、この真空脱気装
置を基礎として、溶存酸素をさらに2μg/l以下にす
るためには、脱気塔の気相中の酸素分圧をほんの少し減
少させるだけで良い。
【0022】なお、本発明は、充填層が1段のものに限
定されず、充填層が2段以上の複数段になっている場合
も含まれ、充填層が複数段となっている場合は、最下段
の充填層の下方の気相空間を実質的に排除する。
【0023】さらに、複数段の充填層を水封部で完全に
仕切ることによって、より確実な処理が行える。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に好適な実施の形態
(以下、実施形態という)について、図面に基づいて説
明する。
【0025】「実施形態1」図1は、第1実施形態に係
る真空脱気装置の全体構成を示す図であり、円筒状の脱
気塔10を有している。この脱気塔10は、気密に形成
され、その内部の中間部分に充填層12が形成されてい
る。この充填層12は、ラヒシリング等の多孔物質を充
填したものである。なお、充填層12は、ラヒシリング
などの多孔物質を多数の穴が形成された目板12aで支
持して形成されている。そして、脱気塔10内の充填層
12の上方には脱気室14、充填層12の下方には処理
水貯留室16が形成されている。
【0026】脱気室14の上部には、被処理水供給管1
8から供給される被処理水を充填層12に向けて散布す
る散布装置20が設けられている。また、処理水貯留室
16の底部には、処理水を排出する処理水排出管22を
介し、排水ポンプ24が接続されている。
【0027】そして、充填層12の上方である脱気室1
4には、真空ポンプ26が排気管28を介し接続されて
おり、さらに処理水貯留室16と脱気室14の間に、圧
力検出用ノズル30aおよび30bが付設されており、
両ノズル30a,30bを介して処理水貯留室16にお
ける処理水水位を検出するための差圧計30が設けられ
ている。そして、この差圧計30の出力が制御装置32
に伝達され、被処理水供給管18に付設したコントロー
ル弁33を介して被処理水の流量がコントロールされ
る。
【0028】すなわち、差圧計30は、脱気室14内と
処理水貯留室16の2点で連通しており、この2点の圧
力差より、水位を検出する。そこで、差圧計30の下方
側連通端は、処理水貯留室16の水面以下すなわち、目
板12a以下に設定され、上方側連通端は水面上すなわ
ち目板12a以上に設定される。図示の例では、上方側
連通端は、脱気室14内に位置しているが、水面より上
方であれば、たとえば充填層12内でもよい。なお、処
理水の水位検知および制御の方法としては、フロート
式、静電容量式、光電式等の他の方法を使用しても良い
ことは言うまでもない。
【0029】このような装置において、被処理水である
純水は、被処理水供給管18を介し、散布装置20に供
給される。散布装置20は、その下面に多数の穴が形成
されており、脱気室14内において、被処理水を充填層
12に向けて散布する。散布された被処理水は、重力に
よって、落下し、充填層12の充填材の表面を伝って、
処理水貯留室16に溜まる。そして、排水ポンプ24に
よって、処理水排出管22を介し、後段の装置へ導入さ
れる。
【0030】一方、真空ポンプ26の運転によって、脱
気室14内の気体は、排気管28を介し、外部に排出さ
れる。そこで、脱気室14内は、高真空状態になってい
る。例えば、気温25゜Cで24Torr(ほぼ水蒸気
圧のみの圧力)程度まで減圧される。
【0031】従って、散布装置20から散布された被処
理水から、溶存酸素が放出される。そして、充填層12
を落下する際には、充填材の表面を伝うことにより、被
処理水の表面積が増大されており、被処理水からの溶存
酸素の放出がさらに促進される。
【0032】このように、本装置によれば、充填層12
の下方に実質的に気相空間がない。そして、この構成に
よって、溶存酸素の除去効率が飛躍的に上昇し、処理水
中の溶存酸素の濃度を安定して10μg/l以下にする
ことができる。
【0033】このことは実験的に確かめられているが、
その原理は次のようなものと考えられている。まず、排
気を充填層12の上部空間である脱気室14から行うこ
とによって、被処理水から放出された酸素を効率的に排
出できる。すなわち脱気室の上部の方が気相中に放出さ
れる溶存酸素の量が多いので、より好ましい脱気処理が
行われる。
【0034】また、充填層12の下部に空間がないた
め、空間としては、目板12aの上方の充填層12内と
これに連通する脱気室14だけである。従って、充填層
12中で分離された気体が、そのまま脱気室14を介
し、外部に排出される。すなわち、実質的に1つの空間
内で、脱気が行われるため、効果的な脱気が行われる。
【0035】ここで、従来の脱気装置では、目板12a
の下方に空間を設けていた。充填層12は、気液接触材
を目板12aで支持する構造であり、この目板12aの
部分において、水膜が生じたりして、ある程度の圧力損
失が生じる可能性がある。そこで、充填層12の下部空
間の圧力が比較的高くなりやすく、ここに酸素が残留す
る可能性が生じるためではないかと推察される。なお、
理論的には、酸素は、被処理水からのみ発生するため、
充填層12の下方に空間を設けても一旦低下した溶存酸
素が再び上昇することはないと考えられる。しかし、目
板12a及びここから落下する水膜で仕切られた2つの
部屋が存在するということは、真空ポンプ26に対する
負荷が大きくなることであり、例えば圧力値が変動しや
すくなるなどして、トータルとして脱気効果が十分でな
くなることは十分推察される。また、脱気塔10は気密
に構成されているといえども外気のリークによる侵入も
全く0とはいえないが、充填層12の下方が液体で満た
されていることで、前記外気のリークを防止する効果も
発揮されている。
【0036】本実施形態では、充填層12の下方の気相
の空間を実質的になくすことで、このような欠点を除去
したため、効率的な脱気を行うことができる。
【0037】なお、水位を目板12aの位置と全く等し
くすることで溶存酸素が最も低い処理水が得られるが、
目板12aの下部に極く僅かな気相が存在する程度の水
位であれば処理水の溶存酸素量にさほど影響を与えな
い。
【0038】また、本実施形態においては、脱気室14
内に排気管28を連通しているが、充填層12内に排気
管28を連通してもさしつかえない。ただしこの場合は
充填層12の気液接触の有効高さを低くしない意味から
充填層12内の上方に排気管28を連通するとよい。
【0039】また、本実施態様では処理水貯留室16内
の水位を目板12aの位置とほぼ同一の位置に設定した
が、これに限定されることなく、目板12aの位置より
上方の充填層12内に水位を設定してもさしつかえな
い。ただしこの場合は、充填層12内の水位が上昇する
にしたがい充填層12の気液接触させるための有効高さ
が減少するので、充填層12の下端よりやや上方の位置
に設定するとよい。
【0040】さらに、本実施態様では差圧計30と制御
装置32とで水位を制御する際に、被処理水供給管18
に付設したコントロール弁33の流量を調節したが、処
理水排出管22にコントロール弁(図示せず)を付設
し、このコントロール弁の流量を調整してもよい。
【0041】また、真空手段としては真空ポンプ26に
かえて、蒸気エゼクタとバロメトリックコンデンサとを
組合せたものを用いることができる。以上説明したよう
に、充填層12の下方の気相を実質的になくすだけで溶
存酸素を10μg/l以下にすることができるが、溶存
酸素を2μg/l以下にするために本発明ではさらに以
下に説明するような手段を加える。
【0042】すなわち、排水ポンプ24により排水され
る処理水の一部が、熱交換器62に供給される。この熱
交換器62は、排水ポンプ24から供給される処理水の
一部を加熱する。
【0043】熱交換器62によって加熱された処理水の
一部は、バルブ66を介し供給される不活性ガス、すな
わち窒素ガスが混合され、バルブ70、散布ノズル72
を介し、充填層12内に導入される。ここで、窒素ガス
は、完全に溶解させてもよいし、一部溶解させてもよ
い。
【0044】このように、脱気処理を終えた処理水の一
部は、加熱され、その後窒素ガスが混合されて充填層1
2内に戻される。この返送処理水は、加熱されており、
また窒素ガスが多量に混入されているため、これが充填
層12に返送されることによって、充填層12内の気相
における飽和水蒸気圧、窒素分圧が高くなる。従って、
充填層12を流れる水中からの酸素の除去がそれだけ促
進される。
【0045】そして、加熱し、かつ窒素ガスが溶解混合
された処理水(分圧減少用流体)を充填層12内に返送
することによって、充填層12内の気相における酸素分
圧が減少し、脱気効果をさらに高めることができる。特
に、本実施形態では、充填層12の下方において、気相
空間が実質的に排除されており、かつ充填層12内に分
圧減少用流体が導入されるので、実際に脱気作用のおこ
っている場所における酸素分圧が減少し、処理効率が上
昇すると共に、その下方の空間がないため、そこに起因
して脱気効率が悪くなることを防止できる。
【0046】図1に示した実施形態では処理水の一部を
加熱するとともに、この加熱水に窒素ガスを混合したも
のを充填層12内に供給しているが、処理水の一部を加
熱し、この加熱水のみを充填層12内に供給するだけで
も水中に溶存している気体の分圧を下げることができる
ので、酸素の除去が促進される。一方、処理水の一部を
加熱することなしに、この処理水に窒素ガスを混合した
ものを充填層12内に供給しても、同じように水中に溶
存している酸素ガスの分圧を下げることができるので、
酸素の除去が促進される。また過熱処理水や窒素ガスを
混合した処理水に代えて加熱水蒸気や窒素ガスそのもの
を充填層12に直接供給することによっても水中に溶存
している酸素の分圧を下げることができるので、酸素の
除去が促進される。なお加熱水や加熱水蒸気を脱気塔内
に供給するに際して充填層12内ではなく、処理水貯留
室16内に供給しても充填層12内の気相における飽和
水蒸気をある程度高くすることができ、水中からの酸素
の除去がそれだけ促進される。ただし加熱水や加熱水蒸
気を脱気塔内に供給するのであれば、処理水貯留室16
内よりは充填層12内に供給することが好ましい。
【0047】[実施形態4]図4に、第4実施形態の構
成を示す。この第4実施形態では、被処理水供給管18
に加熱器100が付設されており、脱気塔に供給される
被処理水そのものを加熱するものである。
【0048】なお、他の部分は、図1における熱交換器
62、散布ノズル72、ガスボンベ68、バルブ70,
66,64等が設置されていないだけで、その他は図1
と同じであり、説明を省略する。
【0049】このように被処理水そのものを加熱するこ
とによって、充填層12内の気相における飽和水蒸気圧
が高くなり水中からの酸素の除去がそれだけ促進され
る。
【0050】なお、加熱器100としては、電気ヒータ
や熱交換器などが用いられる。
【0051】[実施形態3]図3に、第3実施形態の構
成を示す。この第3実施形態では、充填層12内に加熱
器100aが付設されており、充填層を落下する被処理
水を直接加熱するものである。
【0052】なお、他の部分は、図1における熱交換器
62、散布ノズル72、ガスボンベ68、バルブ70,
66,64等が設置されていないだけで、その他は図1
と同じであり、説明を省略する。
【0053】このように充填層12を落下する被処理水
を加熱することによっても、充填層12内の気相におけ
る飽和水蒸気圧が高くなり、水中からの酸素の除去がそ
れだけ促進される。
【0054】なお、加熱器100aとしては、電気ヒー
タ、熱水、加熱水蒸気が通流する蛇管などが用いられ
る。
【0055】本実施形態では加熱器100aが充填層1
2内に付設されているが、この加熱器100aを処理水
貯留室16内に設け、処理水を加熱してもよい。このよ
うに処理水を加熱しても充填層12内の気相における飽
和水蒸気圧をある程度高くすることができ、水中からの
酸素の除去がそれだけ促進される。ただし加熱器100
aを付設するのであれば処理水貯留室16よりは充填層
12内に付設することが好ましい。
【0056】なお、被処理水供給管18に加熱器100
を付設するとともに充填層12内に加熱器100aを付
設してもよいことはいうまでもない。
【0057】「実施形態4」図4に、第4実施形態の構
成を示す。この第4実施形態では、1つの脱気塔10内
に、2つの充填層を設け、2段構成になっている。
【0058】すなわち、脱気塔10の内部には、第1充
填層34と、第2充填層36が設けられている。そし
て、第1充填層34の上部空間が第1脱気室38、第2
充填層36の上部が第2脱気室40とされている。
【0059】散布装置20は、この第1脱気室38内に
配置され、被処理水を第1充填層34に散布する。
【0060】また、第2充填層36は、多孔性の目板3
6aで支持されているが、第1充填層34は穴のない底
板34aによって支持されている。また、この底板34
aの中央部には、水封装置42が設けられ、第1充填層
34の底部を水封している。さらに、この水封装置42
には、第2脱気室40に配置された散布装置44が接続
されており、水封装置42から流れ出す1次処理水を被
処理水として、第2脱気室40を介し第2充填層36に
供給している。
【0061】また、第1脱気室38には、第1真空ポン
プ(VP1)46が、排気管48を介し接続されてお
り、第2脱気室40には、第2真空ポンプ(VP2)5
0が排気管52を介し接続されている。そして、この第
1及び第2真空ポンプ46、50によって、第1及び第
2脱気室38、40がそれぞれ減圧される。
【0062】図5は、水封装置42の概略構成を示す図
であり、底板34aを貫通するパイプ42aと、第1充
填層34内側において、このパイプ42aの上端を覆う
カップ42bからなっている。そして、カップ42b
は、その下端に開口を有しているため、第1充填層34
内を流下してきた1次処理水は、カップ42bの下端か
らカップ42b内に入り、パイプ42aにオーバーフロ
ーして流入する。従って、第1充填層34の下部には、
水層Wが形成され、これによって第1脱気室38と第2
脱気室40が完全に水封されることになる。
【0063】なお、第2充填層36の下方に処理水貯留
室16が設けられ、ここに排出管22を介し排水ポンプ
24が接続されること、差圧計30の出力によって、制
御装置32がコントロール弁33を制御して、処理水貯
留室16の処理水水位を目板36aとほぼ同一に維持す
ることは上述の第1実施形態と同様である。
【0064】このような装置によれば、溶存酸素を多量
に含む被処理水は、まず第1脱気室38及び第1充填層
34内において、溶存酸素を粗取りされる。そして、溶
存酸素が粗取りされた1次処理水が、散布装置44を介
し、第2脱気室40に供給される。この第2脱気室40
から後は、上述の第1実施形態と同様の動作によって溶
存酸素が除去される。
【0065】このように第1脱気室38、第1充填層3
4を設け、ここで溶存酸素を粗取りするため、第2脱気
室40、第2充填層36において効果的な処理が行わ
れ、処理水中の溶存酸素濃度を十分低濃度にすることが
できる。
【0066】特に、本実施形態では、水封装置42を設
け、第2脱気室40と第1脱気室38を完全に切り離し
ているので、処理が完全な多段処理になり、短絡が発生
したりすることがない。さらに、後述するごとく第1脱
気室38と、第2脱気室40の真空度などを別々に設定
することができ、効果的な脱気処理が行える。
【0067】上述した第4実施形態では脱気塔10の内
部に充填層を2段に設けているが、充填層の段数は2段
に限定されるものではなく、3段以上とすることができ
る。なおこのように充填層を複数段とした場合は、最終
段の充填層の下部にのみ多孔性の目板36aを用い、そ
の上部の充填層の下部は水封装置42で水封するとよ
い。
【0068】また、充填層を2段に設けた第4実施形態
では、第1脱気室38と第2脱気室40にそれぞれ真空
ポンプ46,50を連通しているが、最上部の脱気室3
8内または充填層34の上方部の一ヶ所に排気管48を
介して真空ポンプ46を付設してもよい。
【0069】また、真空ポンプを複数台用いる場合は、
下方に向かって真空度が高くなるように順次真空ポンプ
の真空度に変化を持たせることが好ましい。
【0070】また、水位の位置は目板36aの下端とほ
ぼ同一位置にすることに限定されず、目板36aのやや
上方でよいことや、真空ポンプにかえてエゼクタを用い
てもよいことなどは前述した通りである。
【0071】そして、本実施形態においては、分圧低下
用流体を供給する第2充填層36内に散布ノズル72が
設けられており、加熱されると共に、窒素ガスが混合溶
解された処理水がここに供給される。
【0072】すなわち、第1実施形態と同様に、排水ポ
ンプ24により排水される処理水の一部が、熱交換器6
2で加熱され、これにバルブ66を介し供給される窒素
ガスが混合(一部は溶解)され、バルブ70、散布ノズ
ル72を介し、充填層12内に導入される。
【0073】これによって、2段処理の2段目の酸素濃
度が低くなったところで、酸素の分圧低下による溶存酸
素の除去が行われ、処理水の溶存酸素が2μg/l以下
という低濃度までの除去が安定して行える。
【0074】なお処理水の加熱と窒素ガスの混合は、こ
れを単独で行ってもよいことや、加熱水蒸気や窒素ガス
を直接第2充填層36内に供給してもよいことなどは前
述した通りである。
【0075】「実施形態5」図6に第5実施形態の装置
を示す。この装置では、第1充填層34内にも散布ノズ
ル74が設けられており、ここに加熱及び窒素混合され
た処理水が供給される。従って、この第1充填層34内
の気相においても酸素分圧が低くなり、脱気効果を上昇
させることができる。
【0076】本実施形態においても処理水の加熱と窒素
ガスの混合は、これを単独で行ってもよいことや、加熱
水蒸気を用いてよいことなどは前述した通りである。
【0077】「第6実施形態」上述の第1〜第5実施形
態おいては、目板12aあるいは底板34aと目板36
aを設け、この上方に充填層12あるいは第1充填層3
4、第2充填層36を形成し、その下方に処理水貯留室
16を形成した。しかし、この目板を省略することもで
きる。
【0078】図7は、第1実施形態に示した構成から目
板を省略した第6実施形態の構成を示す図であり、脱気
塔10内に充填材が直接充填され、充填層12が形成さ
れている。なお、充填層12の最下部における充填材の
粒径を大きくし、ここを支持材層として機能させること
も好適である。
【0079】このような装置においては、処理水水位L
を充填層12の下方内部に位置させることにより、充填
層12の下方に気相空間が生じないので、上述の装置と
同様に好適な脱気を行うことができる。なお、水位を必
要以上に上昇していけば、脱気のための有効体積が減少
し、脱気効果が悪くなることは上述の場合と同様であ
る。
【0080】本実施形態においても処理水の加熱と窒素
ガスの混合は、これを単独で行ってもよいことや、加熱
水蒸気を用いてよいことなどは前述した通りである。
【0081】「目板の構成」また、第1〜5実施形態に
おいては、目板12a、36aを平板状としたが、目板
12a、36aを波板状にすることも好適である。
【0082】図8には、波板状の目板12a、36aの
構成例が示されている。この例では、パンチングメタル
を波板状に形成している。なお、大型の装置では、図に
おいて、dで示す幅の横長の板(1つの山分の板)を接
続して、円盤状の波板を構成するとよい。また、等間隔
で穴の形成されたパンチングメタルを用いて目板12
a、36aを形成してもよいが、図において、Sで示す
山の斜面部分にのみ穴を設けてもよい。
【0083】このように、目板12a、36aを波板状
にすることによって、目板12a、36aの実質的な面
積を大きくできる。従って、充填層12、36を通過し
た処理水をより効果的に下方に排出することができる。
【0084】なお、このような波板を目板12a、36
aとして用いた場合には、目板12a、36aの下端
に、上記処理水貯留部における処理水水位を設定するこ
とが好ましい。しかし、目板12a、36aの上端まで
の間は、目板内部といえるので、波板状の目板12a,
36aを用いる場合は、下流部から上流部の間に処理水
水位を維持すれば、最良な脱気効果を得ることができ
る。
【0085】「その他の構成」本発明において、脱気処
理水を1℃以上上昇させ、加温した処理水を被処理水量
1に対して0.01以上の割合で真空脱気塔に導入する
とよい。
【0086】また、窒素ガスを処理水の一部に混合する
場合は、真空脱気装置の規模、真空ポンプの仕様・容量
により異なるが、排気量1に対して0.1以上の割合で
真空脱気塔に導入することが好ましい。
【0087】上記実施形態では、加温された脱気処理水
や窒素ガスあるいは窒素ガスを溶解させた脱気処理水を
充填層12の下方に設けた散布ノズル72から充填層1
2内の上方に向けて流入した構造としているが、充填層
12全体に噴射できるように塔内に多孔パイプを設ける
こともできる。図9に、充填層内に挿入配置するパイプ
状の散布ノズル72の構成例を示す。この例では、散布
ノズル72は、縦型のパイプ状に形成されている。そし
て、このパイプ状の散布ノズル72の周囲には、多数の
穴が形成されており、供給されてくる加温およびまたは
窒素混入処理水は、この穴から吹き出され、充填層12
中の分散供給される。
【0088】このように、導入流体を充填層12内の全
体に分散供給することによって、充填層12内の気相の
酸素分圧を均一に低下することができ、より安定した処
理がおこなわれる。また、このようなパイプ状の散布ノ
ズルは、必ずしも中心部に設けなくてもよい。
【0089】図10は、さらに別の第7実施形態の構成
を示しており、この例では、散布ノズル74が処理水貯
留室16内に配置されており、ここから窒素ガスによる
曝気がおこなわれる。このようにして処理水貯留室に導
入された窒素ガスは、上昇して、充填層12内に至る。
そこで、充填層16内の気相の酸素分圧が低下し、溶存
酸素の除去が促進される。
【0090】なお、上述した図9、図10等の構成は、
上述の実施形態のいずれにも適用することができる。
【0091】さらに、上記実施形態では、溶存酸素の除
去を目的としたが、炭酸ガス、窒素等のあらゆる溶存ガ
スを除去する目的で広く使用できる。このとき、脱気塔
10に導入するガスの種類は、除去目的以外のものであ
れば何でも良い(酸素でも良い)。
【0092】また、酸素を除去する目的においても、窒
素以外の他の不活性ガス(アルゴン、ヘリウム)や、水
素等、水に溶けにくい酸素以外の気体を使用しても良
い。
【0093】また、加温される脱気処理水として真空脱
気装置の出口水を使用したが、これに限定されず真空脱
気装置により処理された後段の脱気水であれば何でも良
い。また、真空脱気装置後段のタンクは、酸素の再溶解
を防止する目的で、通常は窒素でシールされているた
め、窒素飽和水となっている。したがって、このような
窒素飽和水を充填層に供給することによっても脱酸素を
目的とする場合は、酸素の分圧を低下させることがで
き、非常に効果的である。
【0094】図11は第8実施形態の構成を示してお
り、この例では図4における熱交換器62、ガスボンベ
68、散布ノズル72、バルブ64,66,70を削除
する代わりに被処理水供給管18に加熱器100を付設
したものであり、また図12は第9実施形態の構成を示
しており、この例では図4における熱交換器62、ガス
ボンベ68、散布ノズル72、バルブ64,66,70
を削除する代わりに、第2充填層36内に加熱器100
aを付設したものであり、その他の構成は図4と同じで
ある。
【0095】このように加熱器100によって被処理水
を加熱したり、あるいは加熱器100aによって第2充
填層36を落下する被処理水を加熱することによっても
充填層12内の気相における飽和水蒸気圧を高くするこ
とができ、水中からの酸素の除去が促進される。
【0096】なお、図12において加熱器100aは第
2充填層36内に付設されているが、加熱器100aを
第1充填層34内に付設してもよく、また第1充填層3
4内と第2充填層36内の両方に付設してもよい。
【0097】また図11に用いる加熱器100や図12
に用いる加熱器100aとしては、第2実施形態や第3
実施形態で説明した通りである。
【0098】
【実施例】ここで、第4実施形態の装置を実際に製作
し、運転した結果について、以下に示す。
【0099】「条件」まず、脱気塔10は、直径400
mmφ、高さ12000mm、第1脱気室38高さ70
0mm、第1充填層34高さ3500mm、第2脱気室
40高さ900mm、第2充填層36高さ3500mm
とした。第1及び第2充填層34、36の気液接触材と
しては、コイルとリングを組み合わせた物で、1つの素
材は、外径が51mm、高さ19mmであって、1m3
当たりの充填個数25000個、1m3 当たりの表面積
180m2 、空間率は89%のものが採用された(商品
名テラレットパッキン(日鉄化工機株式会社))。
【0100】そして、被処理水を10m3 /Hで供給し
た。供給した被処理水の温度は23±1℃、溶存酸素は
8〜9mg/lであった。なお、第1、第2脱気室3
8、40の圧力は、それぞれ33Torr、22Tor
rであった。
【0101】「実験結果1」上述の実験条件で、図4の
バルブ64、66、70の全てを閉じて、充填層36へ
の処理水の返送をおこなわない状態で運転を行った。そ
の結果得られた処理水の溶存酸素濃度は5μg/lであ
った。
【0102】「実験結果2」次に、図4のバルブ70、
64を開き、バルブ66を閉じ、熱交換器を通し28℃
(被処理水の温度に対して5±1℃だけ加熱)に加温し
た脱気水を散布ノズル72より流量0.5m3 /Hで連
続的に第2充填層36へ導入して運転を行った。得られ
た溶存酸素濃度は1μg/lであった。また、このとき
に、脱気塔10から排出される処理水の温度上昇はほと
んど見られなかった。
【0103】「実験結果3」上述の実験条件で、図4の
バルブ70、66を開き、バルブ64を閉じ窒素ガス
を、散布ノズル72より流量0.1Nm3 /Hで連続的
に第2充填層36へ導入して運転を行った。得られた溶
存酸素濃度は1μg/lであった。
【0104】「実験結果4」上述の実験条件で、図4の
バルブ64、66、70の全てを開き、熱交換器62を
通し28℃に加温した流量0.5m3 /Hの脱気水に対
して、窒素ガスを流量0.1Nm3 /Hの割合で溶かし
込み、散布ノズル72より連続的に第2充填層36へ導
入して運転を行った。得られた溶存酸素濃度は0.5μ
g/lであった。
【0105】「比較例」実施形態に示した真空脱気装置
を図13のように改造を行った。従来方式のように下部
脱気室88を設け、下部脱気室88内に空間部を形成さ
せ、この下部脱気室88内に向け、加温された脱気水や
不活性ガスを導入できるように、下部脱気室88内に設
けた散布ノズル94にバルブ90を設けた供給管92を
接続した。この供給管92は、加温や窒素が混入された
脱気処理水の供給を受けるものである。そして、その他
は、上記すべて同じ条件として実験をおこなった。
【0106】「比較結果1」上述の実験条件で、図13
のバルブ64、66、70、90の全てを閉じて運転を
行った。得られた溶存酸素濃度は25μg/lであっ
た。
【0107】「比較結果2a」上述の実験条件で、図1
3のバルブ70、66を閉じ、バルブ64、90を開い
て、熱交換器を通し28℃に加温した脱気水を散布ノズ
ル94より流量0.5m3 /Hで連続的に下部脱気室へ
導入して運転を行った。得られた溶存酸素濃度は10μ
g/lであった。
【0108】「比較結果2b」上述の実験条件で、図1
3のバルブ70、64を開き、バルブ66、90を閉じ
て、熱交換器62を通し28℃に加温した脱気水を散布
ノズル72より流量0.5m3 /Hで連続的に第2充填
層36へ導入して運転を行った。得られた溶存酸素濃度
は20μg/lであった。
【0109】「比較結果3a」上述の実験条件で、図1
3のバルブ70、64を閉じ、バルブ66、90を開い
て、窒素ガスを散布ノズル94より流量0.1Nm3
Hで連続的に下部脱気室88へ導入して運転を行った。
得られた溶存酸素濃度は10μg/lであった。
【0110】「比較結果3b」上述の実験条件で、図1
3のバルブ70、66を開き、バルブ64、90を閉じ
て、窒素ガスを散布ノズル72より流量0.1Nm3
Hで連続的に第2充填層36へ導入して運転を行った。
得られた溶存酸素濃度は20μg/lであった。
【0111】「比較結果4a」上述の実験条件で、図1
3のバルブ70を閉じ、バルブ64、66、90を開い
て、熱交換器62を通し28℃に加温した流量0.5m
3 /Hの脱気水に対して、窒素ガスを流量0.1Nm3
/Hの割合で溶かし込み、散布ノズル94より連続的に
下部脱気室88へ導入して運転を行った。得られた溶存
酸素濃度は5μg/lであった。
【0112】「比較結果4b」上述の実験条件で、図1
3のバルブ70、64、66を開き、バルブ90を閉じ
て、熱交換器62を通し28℃に加温した流量0.5m
3 /Hの脱気水に対して、窒素ガスを流量0.1Nm3
/Hの割合で溶かし込み、散布ノズル72より連続的に
第2充填層36へ導入して運転を行った。得られた溶存
酸素濃度は15μg/lであった。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
充填層の下方における気相の空間を実質的に排除するこ
とによって脱気処理効果を上昇させた真空脱気装置にお
いて充填層内に加温した脱気処理水、加熱水蒸気、不活
性ガス、あるいは不活性ガスを溶解させた脱気処理水を
導入すること、あるいは脱気塔に供給される被処理水や
充填層を落下する被処理水を加熱することによって、脱
気処理効果をさらに飛躍的に上昇することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の構成を示す図である。
【図2】 第2実施形態の構成を示す図である。
【図3】 第3実施形態の構成を示す図である。
【図4】 第4実施形態の構成を示す図である。
【図5】 水封装置の構成を示す図である。
【図6】 第5実施形態の構成を示す図である。
【図7】 第6実施形態の構成例を示す図である。
【図8】 目板の構成を示す図である。
【図9】 散布ノズルの構成を示す図である。
【図10】 第7実施形態の構成を示す図である。
【図11】 第8実施形態の構成を示す図である。
【図12】 第9実施形態の構成を示す図である。
【図13】 比較例の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 脱気塔、12 充填層、14 脱気室、16 処
理水貯留室、20 散布装置、24 排水ポンプ、26
真空ポンプ、30 差圧計、32 制御装置、34
第1充填層、36 第2充填層、38 第1脱気室、4
0 第2脱気室、42 水封装置、44 散布装置、4
6 第1真空ポンプ、50 第2真空ポンプ、62 熱
交換器、64,66,70 バルブ、68 ガスボン
ベ、72散布ノズル、100 加熱器。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密に形成された脱気塔内に気液接触材
    の充填層を形成し、脱気塔の上方から被処理水を供給
    し、充填層の下方から処理水を排出し、充填層の上方か
    ら真空手段により脱気塔内の気体を排出し、さらに脱気
    塔内における処理水水位を前記充填層の下端とほぼ同一
    位置ないし、充填層の下端よりやや上方の位置に設定す
    るようになした真空脱気装置において、前記充填層内に
    加温した脱気処理水、加熱水蒸気、不活性ガス、不活性
    ガスを溶解させた脱気処理水から選ばれる一つまたは二
    つ以上の流体を導入するようにしたことを特徴とする真
    空脱気装置。
  2. 【請求項2】 気密に形成された脱気塔内に気液接触材
    の充填層を形成し、脱気塔の上方から被処理水を供給
    し、充填層の下方から処理水を排出し、充填層の上方か
    ら真空手段により脱気塔内の気体を排出し、さらに脱気
    塔内における処理水水位を前記充填層の下端とほぼ同一
    位置ないし、充填層の下端よりやや上方の位置に設定す
    るようになした真空脱気装置において、脱気塔に接続さ
    れる被処理水供給管およびまたは充填層内に加熱手段を
    付設したことを特徴とする真空脱気装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の装置におい
    て、脱気塔内における処理水水位を検出する水位検出手
    段を設け、当該水位検出手段の検出結果に応じて、脱気
    塔内への被処理水の供給量または処理水の排出量を制御
    し、脱気塔内における処理水水位を制御することを特徴
    とする真空脱気装置。
  4. 【請求項4】 気密に形成された脱気塔内に気液接触材
    の充填層を複数段に形成し、脱気塔の上方から被処理水
    を供給し、最下段の充填層の下方から処理水を排出し、
    少なくとも最上段の充填層上方から真空手段により脱気
    塔内の気体を排出し、さらに脱気塔内における処理水水
    位を最下段の充填層の下端とほぼ同一位置ないし、当該
    充填層の下端よりやや上方の位置に設定するようになし
    た真空脱気装置において、少なくとも最下段の充填層内
    に加温した脱気処理水、加熱水蒸気、不活性ガス、不活
    性ガスを溶解させた脱気処理水から選ばれる一つまたは
    二つ以上の流体を導入するようになしたことを特徴とす
    る真空脱気装置。
  5. 【請求項5】 気密に形成された脱気塔内に気液接触材
    の充填層を複数段に形成し、脱気塔の上方から被処理水
    を供給し、最下段の充填層の下方から処理水を排出し、
    少なくとも最上段の充填層上方から真空手段により脱気
    塔内の気体を排出し、さらに脱気塔内における処理水水
    位を最下段の充填層の下端とほぼ同一位置ないし、当該
    充填層の下端よりやや上方の位置に設定するようになし
    た真空脱気装置において、脱気塔に接続される被処理水
    供給管およびまたは充填層内に加熱手段を付設したこと
    を特徴とする真空脱気装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の装置に
    おいて、最下段の充填層より上方の充填層はそれぞれの
    充填層の底部に、水封排出部を設けたことを特徴とする
    真空脱気装置。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし請求項6のいずれか1つ
    に記載の装置において、脱気塔内における処理水水位を
    検出する水位検出手段を設け、当該水位検出手段の検出
    結果に応じて、脱気塔内への被処理水の供給量または処
    理水の排出量を制御し、脱気塔内の処理水水位を制御す
    ることを特徴とする真空脱気装置。
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