JP2020030101A - 放射性ガス処理装置、放射性物質処理システム及び原子炉設備、並びに放射性ガス処理方法 - Google Patents

放射性ガス処理装置、放射性物質処理システム及び原子炉設備、並びに放射性ガス処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原子炉設備のフィルタベントから放出される処理ガスを適切に処理する。【解決手段】放射性ガス処理装置10は、原子炉格納容器2に接続されたフィルタベント4から排出される処理ガスを処理する放射性ガス処理装置10であって、処理ガスを、放射性希ガスを含む非凝縮ガスと蒸気とに分離する蒸気分離部を有する。放射性ガスにはXeやKrが含まれる。これにより、処理ガスを減容化して、放射性希ガスの処理を円滑に行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、放射性ガス処理装置、放射性物質処理システム及び原子炉設備、並びに放射性ガス処理方法に関する。
特許文献1にはフィルタベントを備えた原子炉設備が開示されている。フィルタベントは、原子炉格納容器から放出されるガスからヨウ素や放射性粒子を除去する。これらヨウ素や放射性粒子が除去された処理ガスは、大気に放出されている。
特開2017−223535号公報
ところで、フィルタベントから大気に放出される処理ガスには、蒸気や空気に加えてXeやKr等の放射性希ガスが含まれている。これら放射性希ガスについても適切な処理が施されることが好ましい。しかしながら、処理ガスには多量の蒸気が存在する。そのため、処理ガスのボリュームが大きく、円滑な処理ができないという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、フィルタベントから放出される処理ガスを適切に処理することができる放射性ガス処理装置、及び、該放射性ガス処理装置を備えた原子炉設備、並びに放射性ガス処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。
即ち、本発明の一の態様の放射性ガス処理装置は、原子炉格納容器に接続されたフィルタベントから排出される処理ガスを処理する放射性ガス処理装置であって、前記処理ガスを、放射性希ガスを含む非凝縮ガスと蒸気とに分離する蒸気分離部を有する。
上記態様では、前記蒸気分離部は、前記フィルタベントから前記処理ガスが導入されて前記蒸気を凝縮するとともに前記非凝縮ガスを貯留可能な分離タンクと、前記分離タンクで前記蒸気が凝縮することで生成された水を前記原子炉格納容器内に戻す第一水戻しラインと、を有していてもよい。
上記態様では、前記フィルタベントから前記処理ガスが導入可能とされて前記蒸気を凝縮可能な凝縮タンクと、前記凝縮タンク内で前記蒸気が凝縮することで生成された水を前記原子炉格納容器内に戻す第二水戻しラインと、を有する蒸気凝縮部と、前記フィルタベントから排出された前記処理ガスを、前記分離タンクと凝縮タンクとのいずれか一方に選択的に導入する切替部と、をさらに備えていてもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部は、前記分離タンク内の水を、前記分離タンクの外部で冷却して前記分離タンク内の上部に戻す第一循環ラインを有し、前記蒸気凝縮部は、前記凝縮タンク内の水を、前記凝縮タンクの外部で冷却して前記凝縮タンク内の上部に戻す第二循環ラインを有していてもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部から前記非凝縮ガス及び前記蒸気のうち少なくとも前記非凝縮ガスを前記原子炉格納容器内に戻す戻しラインをさらに備えていてもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部は、前記フィルタベントから前記処理ガスが導入されて前記蒸気を凝縮する分離タンクを有し、前記分離タンク内で前記蒸気が凝縮することで生成された水を、前記分離タンクの外部で冷却して前記分離タンク内に戻す循環ラインをさらに備えていてもよい。
上記態様では、前記処理ガスが内部に導入される収容タンクと、該収容タンク内に収容されて、外部から供給される冷媒が流通して前記収容タンク内の前記処理ガスを冷却する熱交換器と、を有していてもよい。
上記態様では、前記熱交換器は、上下方向に延びて内部を前記冷媒が流通するとともに環状に配置された複数のチューブからなる第一チューブ群と、上下方向に延びて内部を前記冷媒が流通するとともに、前記第一チューブ群の外周側で環状に配置された複数のチューブからなる第二チューブ群と、を有し、前記蒸気分離部は、前記処理ガスを、前記収容タンク内における第一チューブ群と第二チューブ群との間に供給するスパージャリングを有していてもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部は、前記処理ガスが内部を流通し、該処理ガスと外部から供給される冷媒とを熱交換をさせて前記蒸気を凝縮させる熱交換器であってもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部は、前記フィルタベントから供給される処理ガスを、前記放射性希ガスを含む非凝縮ガスと水分とに分離する気液分離膜であってもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部は、吸着剤によって水分を吸着することで、前記フィルタベントから供給される処理ガスから前記放射性希ガスを含む非凝縮ガスと水分とに分離させる水分吸着部であってもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部で分離した前記非凝縮ガスを、複数の前記放射性希ガスに分離する希ガス分離部をさらに備え、前記戻しラインは、複数の前記放射性希ガスのうちの一部の前記放射性希ガスのみを前記原子炉格納容器に戻してもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部で分離された非凝縮ガスが導入されて、該非凝縮ガスにおける少なくとも前記放射性希ガスを貯留する貯留部をさらに備えていてもよい。
上記態様では、前記貯留部は、前記非凝縮ガスを貯留する貯留タンクを有し、前記非凝縮ガスを圧縮して前記貯留タンクに導入する圧縮機をさらに備えていてもよい。
上記態様では、前記貯留部は、伸縮可能とされて内部に前記非凝縮ガスが導入される内側バルーン、及び、伸縮可能とされて前記内側バルーンを囲うとともに該内側バルーンとの間に外部から気体が導入される外側バルーンを有する貯留バルーンを有していてもよい。
上記態様では、前記貯留部は、内部に前記放射性希ガスを吸着する希ガス吸着材を収容した希ガス吸着塔を有していてもよい。
上記態様では、前記希ガス吸着塔に導入される前記非凝縮ガスを冷却する冷却部をさらに有していてもよい。
上記態様では、前記希ガス吸着塔は、前記非凝縮ガスのうち前記希ガス吸着材に吸着されないガスを外部に放出する放出弁を有し、前記希ガス吸着塔内を減圧する真空ポンプをさらに備え、前記貯留部は、該真空ポンプによって減圧されることで前記希ガス吸着材から放出された前記放射性希ガスを貯留する貯留タンクをさらに有していてもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部で分離した前記非凝縮ガスを、複数の前記放射性希ガスに分離する希ガス分離部をさらに備え、前記貯留部は、複数の前記放射性希ガスのうちの一部の前記放射性希ガスのみを貯留する貯留タンクを有していてもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部で分離した前記非凝縮ガスから前記放射性希ガスを膜分離する希ガス膜分離部をさらに備え、前記貯留部は、希ガス膜分離部によって膜分離された前記放射性希ガスを貯留する貯留タンクを有していてもよい。
上記態様では、前記貯留部は、前記蒸気分離部で分離された非凝縮ガスを冷却する冷却部と、冷却された非凝縮ガスを蒸留することで、前記放射性希ガス以外のガスを除去する蒸留塔と、を有していてもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部は、前記フィルタベントから前記処理ガスが導入されて前記蒸気を凝縮する分離タンクを有し、前記分離タンク内で前記蒸気が凝縮することで生成された水を、前記分離タンクの外部で冷却して前記分離タンク内に戻す循環ラインをさらに備えていてもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部は、前記フィルタベントから供給される処理ガスを、前記放射性希ガスを含む非凝縮ガスと水分とに分離する気液分離膜であってもよい。
上記態様では、前記蒸気分離部は、吸着剤によって水分を吸着することで、前記フィルタベントから供給される処理ガスから前記放射性希ガスを含む非凝縮ガスと水分とに分離させる水分吸着部であってもよい。
上記態様では、前記分離タンクは、前記フィルタベントからの前記処理ガスを前記分離タンク内の水に散気する散気装置を有し該散気装置は、水平方向に延びるヘッダ管と、該ヘッダ管の上部に該ヘッダ管内と連通するように接続されて、該ヘッダ管から上方に向かって延びて下方に向かって湾曲して水面下で開口する曲がり管と、を有していてもよい。
上記態様では、前記分離タンクは、前記曲がり管の水面下の開口に下方から対向する衝突板をさらに有していてもよい。
上記態様では、前記分離タンクは、該分離タンクの下端の排出孔の上方で、該排出孔を外周側から囲うように上方に延びる筒状をなす堰部をさらに有していてもよい。
本発明の一の態様に係る放射性物質処理システムは、上記いずれかの放射性ガス処理装置と、前記フィルタベントと、を備える。
本発明の一の態様に係る原子炉設備は、上記の放射性物質処理システムと、前記原子炉格納容器と、を有する。
本発明の一の態様に係る放射性ガス処理方法は、原子炉格納容器に接続されたフィルタベントから排出される処理ガスを処理する放射性ガス処理方法であって、前記処理ガスを、放射性希ガスを含む非凝縮ガスと蒸気とに分離する蒸気分離工程を含む。
本発明の放射性ガス処理装置、放射性物質処理システム及び原子炉設備、並びに放射性ガス処理方法によれば、フィルタベントから放出される処理ガスを適切に処理することができる。
第一実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第一実施形態の分離タンクの模式的な縦断面図である。 第一実施形態の分離タンクにおける散気装置のヘッダ管に直交する断面図である。 第一実施形態の分離タンクにおける散気装置のヘッダ管の延びる方向を含む縦断面図である。 第二実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第三実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第四実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第四実施形態におけるスパージャリングと熱交換器との位置関係を示す模式図である。 第五実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第六実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第七実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第八実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第九実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第十実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第十一実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第十二実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第十三実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第十四実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第十五実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第十六実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第十七実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第十八実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第十九実施形態に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。 第一実施形態の変形例に係る原子炉設備の放射性物質処理システム及び放射性ガス処理装置の構成を示す模式的な全体図である。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態に係る原子炉設備について、図1〜図4を参照して説明する。図1に示すように、原子炉設備1は、原子炉格納容器2及び放射性物質処理システム3を備えている。
原子炉格納容器2は、原子炉、プール水が貯留されたサブレッションチェンバ及び外部からの注水を供給する注水設備等(図示省略)を収容している。
放射性物質処理システム3は、フィルタベント4及び放射性ガス処理装置10を備えている。
フィルタベント4は、原子炉格納容器2に接続されている。原子炉格納容器2内で多量のガスが発生した際には、フィルタベント4を介して原子炉格納容器2からガスの放出が行われる。フィルタベント4には原子炉格納容器2内で発生したガスが導入される。当該ガスには、蒸気、ヨウ素、放射性微粒子、放射性希ガス及び空気等が含まれる。フィルタベント4では、当該ガスを水中で散気するとともにその後にフィルタを通過させることで、当該ガスからヨウ素及び放射性微粒子を除去する。これによりフィルタベント4は、原子炉格納容器2からのガスを処理ガスとして放出する。処理ガスには、蒸気及び非凝縮ガスが含まれている。非凝縮ガスには、放射性希ガス及び空気が含まれている。放射性希ガスは、XeやKrである。
放射性ガス処理装置10は放射性ガス処理方法を行う装置である。放射性ガス処理装置10は、フィルタベント4から放出される処理ガスを処理する。放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部11、蒸気凝縮部21、切替部24を有する。
蒸気分離部11は、フィルタベント4から放出される処理ガスを蒸気(水)と非凝縮ガスとに分離する。蒸気分離部11は、分離タンク12、第一循環ライン18及び第一戻しライン25を有する。
図2に示すように、分離タンク12は、分離タンク本体13、散気装置14、衝突板15、堰部16及び散水装置17を有する。
分離タンク本体13は、原子炉格納容器2内に発生し得る放射性希ガスを含む非凝縮ガスの全てを収容可能な容積を有する。分離タンク本体13内には、所定の水位で水が貯留されている。分離タンク本体13の下端には、分離タンク本体13内の水を外部に排出する排水口13aが形成されている。排水口13aには、吸込渦の発生を抑制するための例えば平面視で十字状をなす構造物が設けられていてもよい。分離タンク12の上端には、分離タンク12内に水を供給するための給水口13bが形成されている。
分離タンク本体13は、フィルタベント4からの処理ガスが流通する配管11aに接続されている。該配管11aの下流側の端部は、分離タンク12内の空間の下部に外部から侵入している。
散気装置14は、分離タンク本体13a内で上記配管11aの下流側の端部に接続されている。散気装置14は、分離タンク12内の下部から処理ガスを散気する。散気装置14は、図2〜図4に示すようにヘッダ管14a及び複数の曲がり管14bを有する。
ヘッダ管14aは、フィルタベント4と分離タンク12とを接続する配管11aの下流側の端部に連通するように接続されており、水平方向に延びている。本実施形態では、ヘッダ管14aは分離タンク本体13内の排水口13aの上方で、該排水口13aを外周側から囲うように鉛直軸線回りに延びる環状をなしている。
曲がり管14bは、詳しくは図3に示すように、一端がヘッダ管14aの上部に該ヘッダ管14a内と連通するように接続されている。曲がり管14bは、ヘッダ管14aとの接続箇所から上方に向かって延びた後に、下方に向かって転向するように曲がっている。曲がり管14bの他端は、下方に向かって開口している。曲がり管14bの他端は、ヘッダ管14aの下端よりも下方に位置していてもよい。図4に示すように、曲がり管14bはヘッダ管14aの延在方向に間隔をあけて複数が設けられている。
衝突板15は、図2及び図3に示すように、曲がり管14bの他端の開口に下方から対向するように設けられている。衝突板15は、分離タンク本体13の内面に固定されている。衝突板15は、外周端が分離タンク本体13の内面に固定された環状をなしていてもよい。
堰部16は、鉛直軸線に沿って延びる円筒状をなしている。堰部16の直径は、排出口の直径よりも大きい。即ち、堰部16の流路断面積(水平断面積)は、排出口の流路断面積より大きい。堰部16は、内側の下方に排出口が位置するように分離タンク12の内面の下端に固定されている。これにより堰部16は、分離タンク本体13内の排水孔13aの上方で、該排水孔13aを外周側から囲うように上方に延びている。堰部16は、ヘッダ管14aの内周側に設けられている。堰部16によって、曲がり管14bの他端の開口と排水口13aとは水平方向に隔てられている。
散水装置17は、分離タンク本体13の上端の給水口13bから供給される水を、分離タンク本体13内に下方に向かって散水する。
以上のような構成の分離タンク12は、複数が並列に設けられていてもよい。この場合、複数の分離タンク12における分離タンク本体13内の容積の合計が、原子炉格納容器2内に発生し得る放射性希ガスを含む非凝縮ガスの全てを収容可能な値であればよい。
第一循環ライン18は、分離タンク本体13の排水口13aと給水口13bとを分離タンク12の外部で接続している。第一循環ライン18の中途には、ポンプ20aが設けられている。これにより、分離タンク本体13の排水口13aから排出された水は、分離タンク本体13の給水口13bに送られる。第一循環ライン18におけるポンプ20aの下流側には、冷却器20bが設けられている。冷却器20bには外部から例えば海水等の冷媒が供給される。これによって、第一循環ライン18を流通する水は、冷媒と熱交換することで冷却される。冷却器20bで冷却された水が、分離タンク本体13の給水口13bから散水装置17を介して分離タンク本体13内に散布される。
第一循環ライン18には、分離タンク12からの排水量を調整する弁18aが設けられている。当該弁18aは、例えば分離タンク12内の水の液位に基づいて調整される構成であってもよい。
第一水戻しライン25は、分離タンク12から原子炉格納容器2内に水を戻すためのラインである。第一水戻しライン25の一端は、分離タンク本体13の排水口13aに第一循環ライン18を介して接続されている。第一水戻しライン25の他端は、原子炉格納容器2内に接続されている。
第一水戻しライン25には、該第一水戻しライン25を開閉する弁25aが設けられている。当該弁25aは、例えば分離タンク12内の水の液位に基づいて開閉制御される構成であってもよい。
蒸気凝縮部21は、凝縮タンク22、第二循環ライン23及び第二水戻しライン26を有する。
凝縮タンク22は、フィルタベント4からの処理ガスが流通する配管11bに接続されている。凝縮タンク22の容積は、分離タンク12の容積よりも小さい。該配管11bの下流側の端部には、上記散水装置17が設けられていてもよい。凝縮タンク22内には、所定の水位で水が貯留されている。
第二循環ライン23は、凝縮タンク22の下端と上端とを凝縮タンク22の外部で接続している。第二循環ライン23の一部は第一循環ライン18と共通とされている。これにより、第二循環ライン23の中途には、第一循環ライン18と同様のポンプ20a及び冷却器20bが設けられている。凝縮タンク22の下端から第二循環ライン23内に排出された水は、冷却器20bで冷却された後に、該凝縮タンク22の上端から内部に散布される。
第二循環ライン23には、凝縮タンク22からの排水量を調整する弁23aが設けられている。当該弁23aは、例えば分離タンク12内の水の液位に基づいて調整される構成であってもよい。
第二水戻しライン26は、凝縮タンク22から原子炉格納容器2内に水を戻すためのラインである。第二水戻しライン26の一端は、凝縮タンク22の下端に第二循環ライン23を介して接続されている。第二水戻しライン26の他端は、原子炉格納容器2内に接続されている。
第二水戻しライン26には、該第二水戻しライン26を開閉する弁26aが設けられている。当該弁26aは、例えば凝縮タンク22内の水の液位に基づいて開閉制御される構成であってもよい。
本実施形態では、第二水戻しライン26の下流側の部分は、第一水戻しライン25の下流側の部分と共通化されている。当該部分には、原子炉格納容器2内に水を送るためのポンプ27が設けられている。
なお、第一水戻しライン25と第二水戻しライン26との共通部分に、水を外部に排出する排出ライン28が設けられていてもよい。排出ライン28によって、第一水戻しライン25及び第二水戻しライン26を流通する水の一部を外部に排出してもよい。排水ライン28は、第一水戻しライン25、第二水戻しライン25の少なくとも一方に設けられていてもよい。他の実施形態でも同様に、排水ライン28が設けられていてもよい。
切替部24は、フィルタベント4から排出される処理ガスを、分離タンク12と凝縮タンク22とのいずれか一方に選択的に導入する。本実施形態の切替部24は、フィルタベント4と分離タンク12とを接続する配管11a、及び、フィルタベント4と凝縮タンク22とを接続する配管11bの双方に設けられた弁24a,24bである。これら二つの弁24a,24bは、弁制御部24cによって開閉制御される。即ち、弁制御部24cの開閉信号によって、いずれか一方の弁24a,24bが開状態とされ、他方の弁24a,24bが閉状態とされるように構成されている。なお、切替部24は、一対の弁24a,24bのみならず例えば分離タンク12と凝縮タンク22とのいずれか一方に選択的に処理ガスを導入する三方弁等の他の構成であってもよい。また、弁24a,24bは、作業員の手作業によって切り替えられる構成であってもよい。
以下、第一実施形態の作用効果について説明する。
原子炉格納容器2内でガスが発生し、当該原子炉格納容器2内の圧力がある程度上昇すると、当該ガスが原子炉格納容器2内からフィルタベント4が放出される。放出された当初は、ガスには放射性希ガスが含まれる。フィルタベント4を通過して排出された処理ガスは、切替部24によって蒸気分離部11の分離タンク12へと導入される。
分離タンク12に導入された処理ガスは、分離タンク本体13内の水面下で散気装置14によって分離タンク本体13内に散気される。この過程で、処理ガスの一部の蒸気が凝縮する。また、分離タンク本体13内には、第一循環ライン18によって、排水口13aから排出された水が冷却器20bで冷却された後に分離タンク本体13内の上端から散気装置14を介して散気される。これによって、分離タンク本体13内の気相に存在する蒸気が凝縮され、処理ガスの減容化を図ることができる。凝縮された蒸気は、分離タンク本体13内に貯留される。一方で、空気及び放射性希ガスを含む非凝縮ガスは、分離タンク本体13内で気相として貯留される。分離タンク本体13内の水位がある程度上昇した際には、分離タンク本体13内の水は第一水戻しライン25を介して原子炉格納容器2内に移送される。
このように分離タンク12に処理ガスが導入されることで、原子炉格納容器2内の圧力は徐々に低下する。
分離タンク本体13内に処理ガスが導入されていくことにより該分離タンク本体13内の圧力が上昇していくと、原子炉格納容器2からのガスの放出量が低下していく。これにより、原子炉格納容器2内の圧力が再上昇する。また、原子炉格納容器2からのガスの放出がある程度継続すると、当該ガス及びフィルタベント4から排出される処理ガス中の放射性希ガスの濃度は小さくなる。
その後、フィルタベント4から排出される処理ガスは、切替部24によって蒸気凝縮部21の凝縮タンク22へと導入される。蒸気凝縮部21では、蒸気分離部11と同様に処理ガス中の蒸気が凝縮される。凝縮された蒸気は、凝縮タンク22内の下部に水として貯留される。当該水は、第二水戻しライン26を介して原子炉格納容器2内に戻される。この過程によって、原子炉格納容器2内の圧力上昇を継続的に抑えることができる。
分離タンク12内に貯留された放射性希ガスは、十分に放射線量が低下するまで長期にわたって分離タンク12内に貯留され、その後、分離タンク12から放出される。
以上のように放射性ガス処理装置10によれば、フィルタベント4から排出される処理ガスを蒸気と非凝縮ガスとに分離することにより、処理ガスの減容化を図ることができる。これにより、放射性希ガスを含む非凝縮ガスの処理を容易に行うことができる。
特に本実施形態では、処理ガスから蒸気を水として分離させて、残りの非凝縮ガスのみを分離タンク12に貯留する構成とすることで、該分離タンク12の容積が不用意に大きくなってしまうことを回避できる。
また、分離タンク12で蒸気が凝縮されて生成された水は、第一水戻しライン25を介して原子炉格納容器2に戻されるため、分離タンク12内の容積を侵食してしまうことはない。よって、放射性希ガスを効率的に貯留することができる。
さらに、原子炉格納容器2内でガスが発生してからある程度の時間が経過し、発生するガスにおける放射性希ガスの濃度が低くなった場合には、フィルタベント4から排出される処理ガスの行き先を蒸気凝縮部21の凝縮タンク22に切り替えることで、原子炉格納容器2内の圧力上昇を継続的に抑えることができる。
また、蒸気分離部11の分離タンク12及び蒸気凝縮部21の凝縮タンク22では、それぞれに貯留された水を排出して冷却した後に分離タンク12、凝縮タンク22の上方から散布することで、これら分離タンク12及び凝縮タンク22内の蒸気を効率的に凝縮させることができる。
ここで、分離タンク12の散気装置14は、ヘッダ管14aと該ヘッダ管14aから上方に延びて下方に転向して開口する曲がり管14bとから構成されている。これにより、図4で示すように、ヘッダ管14a内で水とともに存在する処理ガスをヘッダ管14aから曲がり管14bに円滑に導入することができる。仮に、ヘッダ管14aから下方に向かって処理ガスを排出する孔が形成されていた場合、気相である処理ガスがヘッダ管14aに閉じ込められることで、凝縮ハンマが発生する懸念がある。本実施形態の散気装置14では、当該懸念を回避することができる。
また、曲がり管14bから水面下に放出される処理ガスは、衝突板15に衝突する構成のため、当該衝突板15によって該処理ガスを周囲に拡散させることができる。そのため、水面下での局所的な加熱を回避して、蒸気をより凝縮し易くすることができる。さらに、分離タンク本体13の内壁面に直接的に処理ガスが衝突しないため、分離タンク12の内面に損傷が発生することを回避できる。
そして、分離タンク本体13の排水口13aの直上には堰部16が設けられているため、排水口13aに対する断面流下速度を効果的に低下させることができる。これにより、気泡が排水口13aに導入されてしまうことを抑制することができる。
<第二実施形態>
次に第二実施形態について図5を参照して説明する。第二実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素には第一実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
第二実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部30、循環ライン33、戻しラインとしての水戻しライン34及びガス戻しライン35を有している。
蒸気分離部30は、分離タンク31を有している、分離タンク31の容積は2000〜3000mとされており、好ましくは2500mm程度とされている。分離タンク31はフィルタベントからの処理ガスが流通する導入管31aに接続されている。該導入管31aの下流側の端部は、分離タンク31内の下部に侵入している。該導入管31aの下流側の端部には、散気装置14が設けられていてもよい。分離タンク31内には、所定の水位で水が貯留されている。
循環ライン33は、分離タンク31の下端と上端とを分離タンク31の外部で接続している。循環ライン33の中途には、ポンプ33aが設けられている。これにより、分離タンク31の下端から排出された水は、分離タンク31の上端に送られる。循環ライン33におけるポンプの下流側には、冷却器33bが設けられている。冷却器33bには外部から例えば海水等の冷媒が供給される。これによって、循環ライン33を流通する水は、冷媒と熱交換することで冷却される。冷却器33bで冷却された水が、分離タンク31の上端からから分離タンク31内に散布される。循環ライン33には、分離タンク31からの排水量を調整する弁が設けられていてもよい。当該弁は、例えば分離タンク31内の水の液位に基づいて調整される構成であってもよい。
水戻しライン34は、分離タンク31から原子炉格納容器2内に水を戻すためのラインである。水戻しライン34の一端は、分離タンク31の下端に循環ライン33を介して接続されている。水戻しライン34の他端は、原子炉格納容器2内に接続されている。
水戻しライン34には、該水戻しライン34を開閉する弁34aが設けられている。当該弁34aは、例えば分離タンク31内の水の液位に基づいて開閉制御される構成であってもよい。水戻しライン34には、分離タンク31側から原子炉格納容器2側に水を送るポンプ34bが設けられている。
ガス戻しライン35は、分離タンク31の非凝縮ガスを原子炉格納容器2内に戻すためのラインである。ガス戻しライン35は、一端が分離タンク31内に接続され、他端が原子炉格納容器2内に接続されている。
ガス戻しライン35には、開閉可能な弁35bが設けられている。ガス戻しライン35における弁35bよりも原子炉格納容器2側には、送風機35bが設けられている。送風機35bは、分離タンク31側から原子炉格納容器2側に向かって送風を行えるように構成されている。ガス戻しライン35上における弁35bと送風機35bとの配列はこの逆であってもよい。
第二実施形態の放射性ガス処理装置10では、分離タンク31内にフィルタベントから導入管31aを介して処理ガスが導入される。当該処理ガスは、分離タンク31内の水面下で放出されることで該処理ガス中の蒸気の一部が凝縮する。また、分離タンク31の下端から排出される水が冷却器33bで冷却された後に該分離タンク31の上端から散布されることで、分離タンク31の蒸気の凝縮がさらに進行される。これにより、処理ガスの減容化を図ることができる。蒸気の凝縮により分離タンク31内の液面が上昇した場合には、分離タンク31内の水は水戻しライン34を介して原子炉格納容器2内に戻される。
一方、分離タンク31内に存在する放射性希ガスを含む非凝縮ガスは、ガス戻しライン35の弁35bを開状態とするとともに送風機35bが駆動することで、該ガス戻しライン35を介して原子炉格納容器2内に移送される。このように原子炉格納容器2に戻された放射性希ガスは、当該原子炉格納容器2を貯留タンクとして長期にわたって貯留される。一部の放射性希ガスは、再度、蒸気及び空気とともにフィルタベントを介して放射性ガス処理装置10に導入される。このように、放射性希ガスが循環する過程で、蒸気が水に凝縮することで減容化され、原子炉格納容器2内の圧力上昇が継続的に抑制される。
第二実施形態の放射性ガス処理装置10によれば、蒸気を凝縮して減容化させた後の処理ガスを既存の原子炉格納容器2に貯留する構成のため、放射性希ガスを貯留するための構造物を別途設置する必要がない。そのため、設備のコンパクト化を図りながら、フィルタベントからの処理ガスを適切に処理することができる。即ち、原子炉格納容器2内で放射性希ガスを長期にわたって貯留することで、該放射性希ガスの放射性量を低減させた上で該放射性希ガスを放出することができる。
<第三実施形態>
次に第三実施形態について図6を参照して説明する。第三実施形態では、第二実施形態と同様の構成要素には第二実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
第三実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部36、水戻しライン34及びガス戻しライン35を備えている。
蒸気分離部36は、収容タンク37、熱交換器38、冷媒供給ライン39及び冷媒排出ライン40を有する。
収容タンク37は、フィルタベント4からの処理ガスが流通する導入管37aに接続されている。導入管37aは、収容タンク37内の上端から下方に向かって処理ガスを散布するように構成されている。
熱交換器38は、収容タンク37内に収容されている。熱交換器38は複数のチューブを有する構成とされている。
冷媒供給ライン39は、収容タンク37の外部から該収容タンク37内に延びて熱交換器38の下端に接続されている。冷媒供給ライン39における収容タンク37の外側の部分には、ポンプ39aが設けられている。該ポンプ39aが駆動することで、冷媒供給ライン39を介して熱交換器38の複数のチューブに冷媒が導入される。
冷媒排出ライン40は、一端が収容タンク37の内部で熱交換器38の上端に接続されている。冷媒排出ライン40は、収容タンク37の内部から外部に延びており、熱交換器38の複数のチューブを流通した冷媒を収容タンク37の外部に排出する。
本実施形態では、導入管37aを介して収容タンク37内に供給された処理ガスは、熱交換器38のチューブに触れながら下方に向かう。この際、熱交換器38のチューブ内を通過する冷媒と処理ガスとが熱交換することにより、処理ガス中の蒸気を凝縮させることができる。蒸気が凝縮すること生成された水は、水戻しライン34を介して原子炉格納容器2内に戻される。一方、気相として収容タンク37内に存在する放射性希ガスを含む非凝縮ガスは、ガス戻しライン35を介して原子炉格納容器2内に移送される。
本実施形態でも第二実施形態同様、処理ガスの蒸気を凝縮して減容化を図りながら、放射性希ガスを含む非凝縮ガスを原子炉格納容器2に貯留することができる。
また、収容タンク37内で処理ガスと冷媒とが熱交換する構成のため、設備のコンパクト化を図ることができる。
<第四実施形態>
次に第四実施形態について図7及び図8を参照して説明する。第四実施形態では、第三実施形態と同様の構成要素には第三実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
第三実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部36、水戻しライン34、ガス戻しライン35を備えている。
蒸気分離部36は、収容タンク37、スパージャリング43、熱交換器38、冷媒供給ライン39、冷媒排出ライン40を有している。
収容タンク37は、導入管37aを介してフィルタベント4に接続されている。
スパージャリング43は、収容タンク37内における導入管31aの下流側の端部に接続されている。スパージャリング43は、図8に示すように、鉛直軸線回りに延びる環状をなす管状をなしている。スパージャリング43の内部の空間は、導入管31aに連通している。
スパージャリング43の下面には、該スパージャリング43の延在方向である周方向に間隔をあけて複数の噴出孔43aが形成されている。導入管31aを介してスパージャリング43に導入された処理ガスは、噴出孔43aから下方に向かって噴出される。
なお、例えば第一実施形態で示した散水装置14のように、スパージャリング43の上端から上方に向かって延びた後に下方に向かって転向して延びる曲がり管14bが設けられていてもよい。この場合、曲がり管の下端の開口が噴出孔43aとされる。当該噴出孔43aも周方向に間隔をあけて配列される。
図7に示すように、熱交換器38は収容タンク37内に収容されている。熱交換器38は、スパージャリング43の下方に配置されている。熱交換器38は、図8に示すように、第一チューブ群41と第二チューブ群42とを有している。第一チューブ群41は、鉛直方向に延びる複数のチューブ41aが周方向に間隔をあけて配列されることで構成されている。第二チューブ群42は、鉛直方向に延びる複数のチューブ42aが、第一チューブ群41の外周側で周方向に間隔をあけて配列されることで構成されている。即ち、第二チューブ群42は第一チューブ群41を外周側から囲うように設けられている。第一チューブ群41と第二チューブ群42との間には、環状の空間が形成されている。第一チューブ群41のチューブ41a及び第二チューブ群42のチューブ42aの内部では、下方から上方に向かって冷媒が流通する。
上記チューブ41a,42aの外周面にはフィンが設けられていてもよい。
ここで、図8に示すように、スパージャリング43の複数の噴出孔43aは、第一チューブ群41と第二チューブ群42との間に位置している。そのため、噴出孔43aから噴出される処理ガスは、第一チューブ群41及び第二チューブ群42の間の空間に供給される。
本実施形態では、ガス戻しライン35上に気液分離弁35cが設けられている。気液分離弁35cは、ガス戻しライン35を流通する非凝縮ガスに含まれる水を回収し、水回収ライン35dを介して水戻しライン34に供給する。
本実施形態でも、第三実施形態同様に、収容タンク37内の熱交換器38で処理ガス中の蒸気を効率良く凝縮させることができる。そして、蒸気が凝縮した水を水戻しライン34を介して原子炉格納容器2に戻すとともに、非凝縮ガスをガス戻しライン35を介して原子炉格納容器2に戻すことができる。
特に本実施形態では、スパージャリング43の噴出孔43aが、熱交換器38の上方における第一チューブ群41と第二チューブ群42との間に位置している。そのため、スパージャリング43の噴出孔43aから噴出される処理ガスを、冷媒が通過する第一チューブ群41のチューブ41a及び第二チューブ群42のチューブ42aに効率良く接触させることができる。これにより、熱交換を促進させて、蒸気をより効率的に凝縮させることができる。
<第五実施形態>
次に第五実施形態について図9を参照して説明する。第五実施形態では、他の実施形態と同様の構成要素には他の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
第三実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部44、水戻しライン34、ガス戻しライン35、冷媒供給ライン47及び冷媒排出ライン48を有している。
蒸気分離部44は、収容タンク45及び熱交換器46を有している。
収容タンク45は、熱交換器46を収容している。熱交換器46は、上部ヘッダ46aと、該上部ヘッダ46aに上端が接続されて下方に延びる複数のチューブ46bと、これらチューブ46bの下端が接続された下部ヘッダ46cとを有する。
フィルタベントからの処理ガスが流通する導入管45aの下流側の端部は、収容タンク45を貫通して熱交換器46の上部ヘッダ46aに接続されている。水戻しライン34の一端は熱交換器46の下部ヘッダ46cに接続されており、他端が原子炉格納容器2内に接続されている。ガス戻しライン35の一端は熱交換器46の上部ヘッダ46aに接続されており、他端は原子炉格納容器2内に接続されている。
冷媒供給ライン47は、下流側の端部が収容タンク45内の下部に接続されている。冷媒供給ライン47は、該冷媒供給ライン47上に設けられたポンプ47aの駆動によって冷媒を収容タンク45内に供給する。
冷媒排出ライン48は、上流側の端部が収容タンク45内の上部に接続されている。冷媒排出ライン48は、収容タンク45内の冷媒を外部に排出する。
本実施形態では、フィルタベント4から排出される処理ガスは、蒸気分離部44の熱交換器46における上部ヘッダ46aに導入される。そして、処理ガスは上部ヘッダ46aからチューブ46b内に侵入して下方に向かって流通する。この際、処理ガスと収容タンク45内に供給される冷媒とが熱交換をすることで、処理ガス中の蒸気が凝縮されて水となる。当該水は下部ヘッダ46cに到達した後、水戻しライン34を介して原子炉格納容器2内に戻される。一方、処理ガス中の非凝縮ガスは、上部ヘッダ46aに接続されたガス戻しライン35を介して原子炉格納容器2内に戻される。
これによっても、上記同様、処理ガス中の蒸気を凝縮させて非凝縮ガスと分離させながら、当該非凝縮ガスを原子炉格納容器2内に貯留することができる。また、収容タンク45内の熱交換器46で処理ガスを冷却する構成とすることで設備のコンパクト化を図ることができる。
<第六実施形態>
次に第六実施形態について図10を参照して説明する。第六実施形態では、他の実施形態と同様の構成要素には他の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部49、水戻しライン34、ガス戻しライン35、冷媒供給ライン39及び冷媒排出ライン40を有している。
蒸気分離部49は、シェルアンドチューブ型熱交換器50を有している。シェルアンドチューブ型熱交換器50のシェル(ケーシング)内には、フィルタベント4からの処理ガスが流通する導入管50aが接続されている。水戻しライン34は、シェルアンドチューブ型熱交換器50のシェル内に下方からから接続されている。ガス戻しライン35は、シェルアンドチューブ型熱交換器50のシェル内に上方から接続されている。
冷媒供給ライン39は、シェルアンドチューブ型熱交換器50のシェル内をU字状に延びるチューブに冷媒を供給する。冷媒排出ライン40は、当該チューブを通過した冷媒を外部に排出する。
本実施形態でも、気液分離弁35c及び水回収ライン35dが設けられている。これにより、ガス戻しライン35を流通する水が水戻しライン34に移送される。
本実施形態でも、他の実施形態同様、処理ガスの蒸気を凝縮して残りの非凝縮ガスを原子炉格納容器2に導入することで、処理ガスの減容化を図り原子炉格納容器2内の圧力上昇を抑えながら、非凝縮ガスに含まれる放射性希ガスを長期にわたって貯留することができる。
<第七実施形態>
次に第七実施形態について図11を参照して説明する。第七実施形態では、他の実施形態と同様の構成要素には他の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部51、戻しライン54を有している。
蒸気分離部51は、熱交換器52及び煙突53を有する。
熱交換器52は、例えば上下方向に延びる複数のチューブが並列に接続された構成をなしている。煙突53は、上下方向に延びる筒状をなしており、下端が下方に向かうに従って拡径するベルマウス状をなしている。熱交換器52は、煙突53内に配置されている。
フィルタベント4からの処理ガスが流通する導入管52aは、熱交換器52の下端に接続されている。戻しライン54は、一端が熱交換器52の上端に接続されて、他端が原子炉格納容器2内に接続されている。
このような構成により、フィルタベント4から排出される処理ガスは、導入管52aを介して熱交換器52に導入される。処理ガスは、熱交換器52のチューブを上方に向かって流通する際に、煙突53内を上方に向かって流通する空気と熱交換される。これにより、処理ガス中の蒸気が凝縮されて水となり、チューブ内で水と非凝縮ガスとに分離される。そして、これら水と非凝縮ガスとの混合流体は、戻しライン54を介して原子炉格納容器2内に導入される。
したがって他の実施形態と同様、蒸気を凝縮させて減容化を図りながら、放射性希ガスを原子炉格納容器2内で長期にわたって貯留することができる。
<第八実施形態>
次に第八実施形態について図12を参照して説明する。第八実施形態では、他の実施形態と同様の構成要素には他の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
第八実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部55及びガス戻しライン35を有する。
蒸気分離部55は、気液分離膜56を有している。気液分離膜56には、導入管56aを介してフィルタベント4からの処理ガスが導入される。
気液分離膜56としては、水分のみが透過する水分透過膜が用いられる。水分透過膜としては、例えばフッ素系イオン交換ポリマーが用いられる。気液分離膜56に処理ガスが導入されると、処理ガス中における蒸気のみが水分として水分透過膜を透過する。水分透過膜を通過した水分は、原子炉格納容器2内に戻される構成であってもよい。
気液分離膜56の水分透過膜を透過しなかった非凝縮ガス(空気及び放射性希ガス(Kr、Xe))は、ガス戻しライン35を介して原子炉格納容器2内に移送される。
したがって、本実施形態でも、処理ガスから蒸気を分離することで減容化を図りながら、残りの非凝縮ガスを原子炉格納容器2内で貯留することができる。
<第九実施形態>
次に第九実施形態について図13を参照して説明する。第九実施形態では、第八実施形態と同様の構成要素には第八実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
第九実施形態の放射性ガス処理装置は、蒸気分離部55、希ガス分離部58及びガス戻しライン35を有している。
希ガス分離部58には、蒸気分離部55から排出される非凝縮ガスが接続管58aを介して導入される。希ガス分離部58は、互いに異なる複数の放射性希ガスに分離する。本実施形態では、希ガス分離部58として、非凝縮ガスのXeとKrとのうちXeのみを透過させるXe分離膜が用いられる。Xe分離膜としては例えばゼオライト系の分離膜(例えばシャバサイト等)が用いられる。
希ガス分離部58のXe分離膜を透過しなかった空気及びKrは、ガス戻しライン35を介して原子炉格納容器2内に戻される。
本実施形態では、放射性希ガスのうち希少価値が高く高価なXeのみを回収することができる。Xeの半減期はKrの半減期に比べて十分に小さい。そのため、Xeを短期間だけ貯留して放射線を低減させた上で、当該Xeを他の用途に利用し、又は市場に流通させることができる。
<第十実施形態>
次に第十実施形態について図14を参照して説明する。第十実施形態では、他の実施形態と同様の構成要素には他の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
第十実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部60、冷却器62、ガス戻しライン35を有する。
蒸気分離部60は、水分吸着部61を有する。水分吸着部61には、導入管61aを介してフィルタベント4から処理ガスが導入される。水分吸着部61としては、例えばシリカゲル系又はゼオライト系の吸着剤が用いられる。冷却器62は、導入管61aの中途に設けられている。処理ガスが冷却器62によって冷却されることで、水分吸着部61での水分吸着率が向上する。
本実施形態では、冷却器62で冷却された処理ガスが水分吸着部61に導入されることで、当該水分吸着部61で処理ガス中の蒸気を水分として吸着除去することができる。このようにして蒸気が分離された後の非凝縮ガスは、ガス戻しライン35を介して原子炉格納容器2内に移送される。
したがって、他の実施形態同様、処理ガスから蒸気を分離させて減容化を図った後に、放射性希ガスを原子炉格納容器2内に長期にわたって貯留することができる。
<第十一実施形態>
次に第十一実施形態について図15を参照して説明する。第十一実施形態では、第十実施形態と同様の構成要素には第十実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
第十実施形態の放射性ガス処理装置は、蒸気分離部60、冷却器62、希ガス分離部64、Xe精製部65及びガス戻しライン35を有する。
希ガス分離部64は、放射性希ガスをXeとKrとに分離させる。希ガス分離部64には、Xeの吸着剤として例えばゼオライト系又は活性炭系の吸着剤を収容している。希ガス分離部64には、Krの吸着剤として例えばXeの吸着剤とは異なるゼオライト系、活性炭系又はAg−モルデナイト系の吸着剤を収容している。これら吸着剤は、Xe又はKrとともに空気を吸着する。
希ガス分離部64には、接続管64aを介して蒸気分離部60から非凝縮ガス(空気、放射性希ガス)が導入される。接続管64aには、弁64b及びコンプレッサが64c設けられている。接続管64aには、処理ガスに除湿を施す除湿器が設けられていてもよい。
希ガス分離部64でXe及び空気を吸着した吸着剤は、希ガス分離部64から取り出されて、Xe精製部65で処理される。Xe精製部65では、例えばゼオライト系やシリカゲル系の吸着剤を用いてXeを吸着することでXeと空気とを分離し、Xeを回収する。
希ガス分離部64に残されたKr及び空気を吸着した吸着剤は、その後、ガス戻しライン35の送風機35bが駆動されることで、Kr及び空気を放出し、これらKr及び空気はガス戻しライン35を介して原子炉格納容器内に移送される。
本実施形態によれば、希少価値が高く高価なXeを回収しながら、Krを原子炉格納容器内で長期にわたって貯留することができる。即ち、半減期の長いKrを貯留しながら、半減期が短く高価なXeを有効活用することができる。
<第十二実施形態>
次に第十二実施形態について図16を参照して説明する。第十二実施形態では、第十一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第十二実施形態は、第十一実施形態の蒸気分離部60を、第二実施形態等の蒸気分離部30に置き換えた構成をなしている。当該蒸気分離部30から排出される非凝縮ガスは、第十実施形態同様、接続管64aを介して希ガス分離部64に供給される。
これによっても、第十一実施形態同様の作用効果を奏する。
<第十三実施形態>
次に第十三実施形態について図17を参照して説明する。第十三実施形態では、他の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第十三実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部30、水戻しライン34及び貯留部69を有する。
貯留部69は、蒸気分離部30の分離タンク31とは独立した貯留タンク70を有している。貯留タンク70には、移送ライン70aを介して、蒸気分離部30で蒸気と分離した非凝縮ガスが導入される。移送ライン70aの上流側の端部は分離タンク31に接続され、下流側の端部が貯留タンク70に接続されている。移送ライン70aには、弁70b及び圧縮機71が設けられている。弁70bが閉状態から開状態とされることで、分離タンク31の非凝縮ガスが貯留タンク70に導入される。この際、処理ガスは圧縮機71により圧縮される。これにより、処理ガスは高圧状態で貯留タンク70内に貯留される。
圧縮機71の吐出圧は、例えば数MPa〜数十MPa(約6000Nm/h)に設定されている。これにより、例えば、フィルタベント4から排出量がピークの場合(例えば蒸気:約32000Nm/h、非凝縮ガス:約15000Nm/h)であっても、十分な処理を行うことができる。
貯留タンク70の下端には還流ライン72の一端が接続されている。還流ライン72の他端は分離タンク31に接続されている。還流ライン72には弁72aが設けられている。弁72aを閉状態から開状態とすることで、貯留タンク70に貯留された高圧の処理ガスの一部を分離タンク31内に戻すことができる。例えば、貯留タンク70内の圧力を検出する圧力センサが設けられて、当該圧力センサの圧力が予め定めた閾値を超えた際に、弁72aが閉状態から開状態となる構成であってもよい。
本実施形態によれば、蒸気分離部30で蒸気と分離した処理ガスを分離タンク31とは別途設置した貯留タンク70に貯留することができる。これによって、放射希ガスを含む処理ガスを、放射性希ガスの放射線量が十分に低減されるまで該放射性希ガスを長期にわたって貯留することができる。
さらに本実施形態では、処理ガスを高圧に圧縮した状態で貯留タンク70に貯留する構成とされているため、貯留タンク70の容積のコンパクト化を図ることができる。
なお、本実施形態の蒸気分離部30の構成に代えて、他の実施形態で示した蒸気分離部の構成を採用してもよい。これによっても同様の作用効果を奏する。
<第十四実施形態>
次に第十四実施形態について図18を参照して説明する。第十四実施形態では、第十三実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第十四実施形態の放射性ガス処理装置10は、貯留部74の構成が第十三実施形態と相違する。
第十四実施形態の貯留部74は、貯留バルーン75を備えている。貯留バルーン75は、建屋76内に設置されている。貯留バルーン75は、内側バルーン75a及び外側バルーン75bを備えている。これら内側バルーン75a及び外側バルーン75bは、伸縮可能なシート状の材料から形成されている。内側バルーン75aは内部に閉空間を形成する。外側バルーン75bは、内部に内側バルーン75aを収容する閉空間を形成する。
内側バルーン75aの内部には、希ガス導入管77を介して、蒸気分離部30で蒸気と分離された非凝縮ガスが導入される。希ガス導入管77には、弁77aが設けられている。弁77aが閉状態から開状態とされることで、 内側バルーン75a内に非凝縮ガスが導入されるように構成されている。
内側バルーン75aと外側バルーン75bとの間に空間には、空気導入管78が接続されている。空気導入管78には、弁78a及び送風機78bが設けられている。弁78aが開状態とされて送風機78bが駆動することで、内側バルーン75aと外側バルーン75bとの間に空間に空気が導入される。
蒸気分離部30で処理ガスが蒸気と非凝縮ガスとに分離された際には、希ガス導入管77を介して内側バルーン75aの内部に非凝縮ガスが導入される一方、内側バルーン75aと外側バルーン75bとの間に送風機によって空気が導入される。これによって、通常時は収縮状態にあった貯留バルーン75が膨らみながら内側バルーン75aの間に放射性希ガスを含む非凝縮ガスを貯留する。また、内側バルーン75aと外側バルーン75bとの間には、空気層が形成される。当該空気層によって内側バルーン75aの内部は、外側バルーン75bの外部と隔てられた状態となる。貯留バルーン75では、内側バルーン75aと外側バルーン75bとからなる二重構造とされていることによって、内側バルーン75a内の放射性希ガスが外部に漏れてしまうことを抑制できる。
本実施形態では、通常時は貯留部74としての貯留バルーン75は収縮状態にあるため、設備のコンパクト化を図ることができる。また、原子炉格納容器2内でガスが発生した場合には、フィルタベント4及び蒸気分離部30によって生成された非凝縮ガスを適切に貯留することができる。
<第十五実施形態>
次に第十五実施形態について図19を参照して説明する。第十五実施形態では、第十三実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第十五実施形態の放射性ガス処理装置10は、貯留部80の構成が第十三実施形態と相違する。
貯留部80は、希ガス吸着塔81を有している。希ガス吸着塔81は、移送ライン80aを介して蒸気分離部30の分離タンク31に接続されている。移送ライン80a上には、冷却部82が設けられている。分離タンク31で蒸気と分離された非凝縮ガスは、移送ライン80aを介して希ガス吸着塔81に導入される。非凝縮ガスが移送ライン80aを流通する過程で該非凝縮ガスは冷却部82によって冷却される。本実施形態では、液体窒素タンク81aが設けられており、冷却部82は液体窒素タンク81aから供給される液体窒素により、非凝縮ガスを冷却する。冷却部82は他の冷媒を用いる構成であってもよいし、冷凍機によって非凝縮ガスを冷却する構成であってもよい。
希ガス吸着塔81の内部には、希ガス吸着剤が設けられている。希ガス吸着剤は、例えばゼオライト系、活性炭系、Ag−モルデナイト系等の種々の吸着剤を用いることができる。希ガス吸着剤は、Xe及びKrの放射性希ガスとともに空気を吸着する。希ガス吸着塔81を冷却する冷却機構が別途設けられていてもよい。
本実施形態では、蒸気分離部30の分離タンク31から排出される非凝縮ガスを、希ガス吸着塔81の希ガス吸着材に吸着させた状態で貯留することができる。また、非凝縮ガスは、希ガス吸着塔81に導入される前段で冷却されるため、希ガス吸着材への吸着率を高めることができる。これによっても、上記実施形態同様、放射性希ガスを貯留部80で長期にわたって貯留することができる。
また、希ガス吸着塔81を冷却機構によって継続的に冷却すれば、希ガス吸着材からの放射性希ガスの放出を抑制することができる。そして、放射性ガスを長期にわたって貯留した後に十分に放射線量が低下した際には、希ガス吸着塔81の冷却を停止し、又は希ガス吸着塔81を加熱手段で加熱することで、Xe、Krを外部に開放することができる。
なお、希ガス吸着材で吸着しきれなかった空気を希ガス吸着塔81から適宜大気開放してもよい。
<第十六実施形態>
次に第十六実施形態について図20を参照して説明する。第十六実施形態では、第十五実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第十六実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部30、水戻しライン34、ガス戻しライン35及び貯留部83を有している。
本実施形態の貯留部83は、希ガス吸着塔81及び貯留タンク85を有している。
希ガス吸着塔81に非凝縮ガスを導入する移送ライン80aには、送風機86が設けられている。移送ライン80aは、ガス戻しライン35を介して分離タンク31に接続されている。ガス戻しライン35に設けられた弁35aの開度を調整することで、移送ライン80aに導入される非凝縮ガスの流量が調整される。
希ガス吸着塔81内に収容された希ガス吸着材としては、第十五実施形態で説明した吸着剤の他、シリカゲル系の吸着剤を用いてもよい。
希ガス吸着塔81の下端には、放出ライン84が接続されている。放出ライン84には弁84aが設けられており、該弁84aを開放することで、希ガス吸着塔81内の空気(N、O)を大気に開放することができる。
貯留タンク85は、希ガス吸着塔81と独立して設置されたタンクである。貯留タンク85は、貯留ライン85aを介して希ガス吸着塔81と接続されている。貯留ライン85aには、弁85b及び真空ポンプ85cが設置されている。
本実施形態では、分離タンク31で蒸気と分離された非凝縮ガスは、移送ライン80aを介して希ガス吸着塔81に導入される。希ガス吸着塔81への非凝縮ガスの導入量は、分離タンク31をバッファタンクとしてガス戻しライン35の弁35aの開度によって調整される。希ガス吸着塔81では、いわゆるPSA法によって放射性希ガスと空気とを分離する。即ち、希ガス吸着塔81に導入された非凝縮ガスのうちXe、Krの放射性希ガスのみが、希ガス吸着材に吸着される。該希ガス吸着材に吸着されなかった空気は、開放ライン84の弁84aを開状態とすることで大気に放出される。
その後、開放ライン84の弁84aを閉状態とするとともに貯留ライン85aの弁85cを開状態とし、真空ポンプ85cを駆動させると、希ガス吸着塔81内が減圧されることで希ガス吸着材に吸着されていた放射性希ガスが放出される。当該放射性希ガスは、貯留ライン85aを介して貯留タンク85に導入される。そして、放射性希ガスは放射線量が十分に低減されるまで、貯留タンク85内で長期にわたって貯留される。
本実施形態では、希ガス吸着塔81によって放射性希ガスと空気とを分離させた後に、放射性希ガスのみを貯留タンク85に貯留する構成とされているため、貯留タンク85のコンパクト化を図ることができる。また、長期にわたって貯留することが必要な放射性希ガスのみを貯留タンク85内に導入することによって、設備全体の効率化を図ることができる。
なお、例えば希ガス吸着塔81を並列に設けてもよい。この場合、一部の希ガス吸着塔81に非凝縮ガスを導入している際には、他の希ガス吸着塔81を減圧して放射性希ガスを貯留タンク85に排出する。即ち、希ガス吸着塔81への非凝縮ガスの導入、放射性希ガスの排出を複数の希ガス吸着塔81で交互に行うことで、効率良く処理を行うことができる。
<第十七実施形態>
次に第十七実施形態について図21を参照して説明する。第十七実施形態では、他の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第十七実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部30、水戻しライン34、希ガス分離部64、Xe精製部65、クロマトグラフィー部88及び貯留部89を有している。
第十七実施形態では、蒸気分離部30から排出される非凝縮ガスは、第十二実施形態同様、希ガス分離部64に導入される。希ガス分離部64では、第十二実施形態同様の処理が行われる。
希ガス分離部64に残されたKr及び空気を吸着した吸着剤は、その後、Ke及び空気を放出する。当該放出は、例えば吸着剤を加熱し、又は減圧させることで行われてもよい。放出されたKe及び空気は、クロマトグラフィー部88に移送される。
クロマトグラフィー部88では、Kr及び空気にクロマトグラフィーを施すことにより、Krと空気とを分離させる。分離された空気は大気に開放される。一方、分離されたKrは、貯留部89の貯留タンク90に移送され、該貯留タンク90内で長期にわたって貯留される。
なお、Xe精製部65で空気と分離されたXeを、他のタンクに貯留してもよい。
これによっても、希少価値が高く高価なXeを回収しながら、Krを原子炉格納容器内で長期にわたって貯留することができる。即ち、半減期の長いKrを貯留タンク90で貯留しながら、半減期が短く高価なXeを有効活用することができる。
<第十八実施形態>
次に第十八実施形態について図22を参照して説明する。第十八実施形態では、他の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第十七実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部30、希ガス膜分離部92及び貯留部93を有する。
希ガス膜分離部92は、非凝縮ガスを放射性希ガスと空気とに膜分離する。希ガス膜分離部92には、移送ライン92aを介して非凝縮ガスが導入される。移送ラインには、弁92b及び送風機92cが設けられている。
希ガス膜分離部92は、希ガス選択透過性を有する有機膜(シリコンラバー、ポリエチレン、ポリエステル等)や多孔質隔膜(アルミナ等)からなる分離膜が設けられている。
希ガス膜分離部92の分離膜を透過した放射性希ガスは、貯留部93としての貯留タンク94に移送されて長期にわたって貯留される。一方、希ガス膜分離部92の分離膜を透過しなかった空気は大気に開放される。
これによっても、非凝縮ガスから空気を除去して残った放射性希ガスのみを貯留部93に貯留することができるため、貯留部93の貯留タンク94を必要以上に大型化する必要はない。したがって、設備全体のコンパクト化を図ることができる。
<第十九実施形態>
次に第十九実施形態について図23を参照して説明する。第十九実施形態では、他の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第十七実施形態の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部30及び貯留部100を有している。
貯留部100は、蒸留塔110及び貯留タンク120を有している。
蒸留塔110は、送風機112及び弁が設けられた移送ライン111を介して分離タンクに接続されている。分離タンクから排出される非凝縮ガスは、弁114が開状態とされるとともに送風機112が駆動することにより、移送ライン111を介して蒸留塔110内に導入される。
移送ライン111の送風機112の下流側には冷却部113が設けられている。冷却部113は、移送ライン111を流通する非凝縮ガスを冷却する。本実施形態の冷却部113は、膨張部113a、熱交換部113b及び冷却器113cを有している。
膨張部113aは非凝縮ガスを断熱膨張させる。膨張部113aとしては非凝縮ガスを膨張させることが可能な周知の構成を採用することができる。熱交換部113bは、蒸留塔110から排出される低温の排出ガスと移送ライン111を流通する非凝縮ガスとを熱交換させることで、該非凝縮ガスを冷却する。冷却器113cは、液体窒素タンク113dから供給される液体窒素を冷媒として用いて非凝縮ガスを冷却する。液体窒素タンク113dに代えて液体窒素製造装置を用いてもよい。冷却器113cとしては、冷凍機であってもよい。冷却部113としては種々の構成を採用することができる。
このような冷却器113cによって、非凝縮ガスはXe及びKrを含む放射性希ガスの沸点以下、O及びNを含む気体の沸点以上の温度(例えば−170℃〜−160℃程度)まで冷却される。なお、O及びNを含む気体の沸点以下の温度にしてもよい。
このように非凝縮ガスが冷却されることで蒸留塔110内の下部には液化した放射性希ガスが貯留される。一方、蒸留塔110内の上部にガスとして存在するO及びNは、排出ガスとして放出ライン115を介して熱交換部113bを通過した後に大気に開放される。
蒸留塔110の下部に貯留された液化した放射性希ガスは、貯留ライン121の弁122を開状態とすることで該貯留ライン121を介して貯留タンク120に導入される。そして、放射性希ガスは当該貯留タンク120で長期にわたって貯留される。
以上のように本実施形態でも、非凝縮ガスから空気を分離させて残りの放射性希ガスのみを貯留タンク120に貯留する構成のため、大幅な減容化を図ることができ、貯留タンク120のコンパクト化を図ることができる。
なお、移送ライン111上では、非凝縮ガスに対して、水分除去(例えば加圧、水冷、水吸着)を行ってもよい。また、非凝縮ガスに例えばCO等のO及びN以外の気体が含まれる場合には、移送ライン111上で当該気体を除去してもよい。例えば、COを吸着除去してもよい。また、非凝縮ガスに含まれる炭化水素を例えば触媒酸化を用いて酸化させることで除去してもよい。
また、蒸留塔110で下部に貯留された放射性希ガスを原子炉格納容器2に戻してもよい。この場合、放射性希ガスを圧縮してもよい。また、放射性希ガスとともに空気の一部を原子炉格納容器2に戻してもよい。
貯留部100における蒸留塔110に関する各設備は、例えば原子炉格納容器2内の圧力を検出して、当該圧力が所定以上の値となった場合に起動する構成としてもよい。
さらに、非凝縮ガスをOの沸点以下まで冷却した場合には、蒸留塔110の下部に貯留される液体の放射性希ガス及び酸素を貯留タンク120内に移送してもよい。この場合、貯留タンク120では、放射性希ガス及びOを液体の状態で貯留してもよい。また、貯留タンク120の容積は、原子炉格納容器2内に元々存在した放射性希ガスとOの液体基準の容積以上とされていることが好ましい。例えば、貯留タンク120の容積は、原子炉格納容器2内で気体が存在し得る部分の容積の1/100000〜1/1000の値に設定されていることが好ましい。これにより、貯留タンク120の容積が必要以上に増大してしまうことを回避しながら、発生し得る液体の放射性希ガス及びOの全てを貯留することができる。
貯留タンク120で放射性希ガスやOを液体で貯留する場合には、該貯留タンク120には冷却装置が設ける必要がある。この場合、冷却装置には、例えば133Xeが1/1000に減衰するために必要な期間(55日分)の冷却能力が備わっていることが好ましい。
また、蒸留塔110から抽出される液体のXe及びKrから、Xeのみを吸着除去してもよい。これにより、Xeの有効利用を図ることができる。この場合の吸着処理の温度は、室温以下として吸着機能を向上させてもよい。さらに、当該吸着剤の再生を、高温のNを供給することで行ってもよい。吸着剤から放出されたガスは、原子炉格納容器2に戻してもよいし、蒸留塔110に関する各ラインに戻してもよい。
さらに、蒸留塔110から排出されて放出ライン115を流通する排出ガスに含まれるXe及びKrを吸着除去してもよい。これにより、排出ガスのXe及びKr濃度の低減を図ることができる。この場合の吸着処理の温度は、室温以下として吸着機能を向上させてもよい。さらに、当該吸着剤の再生を、高温のNを供給することで行ってもよい。吸着剤から放出されたガスは、原子炉格納容器2に戻してもよいし、蒸留塔110に関する各ラインに戻してもよい。
第十三実施形態〜第十九実施形態では、蒸気分離部30の構成を他の実施形態で説明した蒸気分離部に置き換えてもよい。即ち、膜分離や水分吸着を用いて蒸気を分離してもよい。
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第一実施形態の変形例として、図24に示す構成であってもよい。第一実施形態の変形例の放射性ガス処理装置10は、蒸気分離部11、第一循環ライン18及び第一水戻しライン25を備えており、第一実施形態の蒸気凝縮部21を備えていない。
この変形例では、原子炉格納容器2内でガスが発生した当初から継続的に分離タンク12の内で蒸気を凝縮しながら該分離タンク12内に放射性希ガスを貯留していく。これによっても、蒸気を凝縮し続けて原子炉格納容器2内の減圧を図りながら、放射性希ガスを分離タンク11内に長期にわたって貯留することができる。
1 原子炉設備
2 原子炉格納容器
3 放射性物質処理システム
4 フィルタベント
10 放射性ガス処理装置
11 蒸気分離部
11a 配管
11b 配管
12 分離タンク
13 分離タンク本体
13a 排水口
13b 給水口
14 散気装置
14a ヘッダ管
14b 曲がり管
15 衝突板
16 堰部
17 散水装置
18 第一循環ライン
18a 弁
20a ポンプ
20b 冷却器
21 蒸気凝縮部
22 凝縮タンク
23 第二循環ライン
23a 弁
24 切替部
24a 弁
24b 弁
24c 弁制御部
25 第一水戻しライン
25a 弁
26 第二水戻しライン
26a 弁
27 ポンプ
28 排出ライン
30 蒸気分離部
31 分離タンク
31a 導入管
33 循環ライン
33a ポンプ
33b 冷却器
34 水戻しライン
34a 弁
34b ポンプ
35 ガス戻しライン
35a 弁
35b 送風機
35c 気液分離弁
35d 水回収ライン
36 蒸気分離部
37 収容タンク
37a 導入管
38 熱交換器
39 冷媒供給ライン
39a ポンプ
40 冷媒排出ライン
41 第一チューブ群
41a チューブ
42 第二チューブ群
42a チューブ
43 スパージャリング
43a 噴出孔
44 蒸気分離部
45 収容タンク
45a 導入管
46 熱交換器
46a 上部ヘッダ
46b チューブ
46c 下部ヘッダ
47 冷媒供給ライン
47a ポンプ
48 冷媒排出ライン
49 蒸気分離部
50 シェルアンドチューブ型熱交換器
50a 導入管
51 蒸気分離部
52 熱交換器
52a 導入管
53 煙突
54 戻しライン
55 蒸気分離部
56 気液分離膜
56a 導入管
58 希ガス分離部
58a 接続管
60 蒸気分離部
61 水分吸着部
61a 導入管
62 冷却器
64 希ガス分離部
64a 接続管
64b 弁
64c コンプレッサ
65 Xe精製部
69 貯留部
70 貯留タンク
70a 移送ライン
70b 弁
71 圧縮機
72 還流ライン
72a 弁
74 貯留部
75 貯留バルーン
75a 内側バルーン
75b 外側バルーン
76 建屋
77 希ガス導入管
77a 弁
78 空気導入管
78a 弁
78b 送風機
80 貯留部
81 希ガス吸着塔
80a 移送ライン
81a 液体窒素タンク
82 冷却部
83 貯留部
84 放出ライン
84a 弁
85 貯留タンク
85a 貯留ライン
85b 弁
85c 真空ポンプ
86 送風機
88 クロマトグラフィー部
89 貯留部
90 貯留タンク
92 希ガス膜分離部
92a 移送ライン
92b 弁
92c 送風機
93 貯留部
94 貯留タンク
100 貯留部
110 蒸留塔
111 移送ライン
112 送風機
113 冷却部
113a 膨張部
113b 熱交換部
113c 冷却器
113d 液体窒素タンク
114 弁
115 放出ライン
120 貯留タンク
121 貯留ライン
122 弁
散気装置14は、分離タンク本体1内で上記配管11aの下流側の端部に接続されている。散気装置14は、分離タンク12内の下部から処理ガスを散気する。散気装置14は、図2〜図4に示すようにヘッダ管14a及び複数の曲がり管14bを有する。
ヘッダ管14aは、フィルタベント4と分離タンク12とを接続する配管11aの下流側の端部に連通するように接続されており、水平方向に延びている。本実施形態では、ヘッダ管14aは分離タンク本体13内の排水口13aの上方で、該排水口13aを外周側から囲うように鉛直軸線回りに延びる環状をなしている。
蒸気凝縮部21は、凝縮タンク22、第二循環ライン23及び第二水戻しライン26を有する。
凝縮タンク22は、フィルタベント4からの処理ガスが流通する配管11bに接続されている。凝縮タンク22の容積は、分離タンク12の容積よりも小さい。該配管11bの下流側の端部には、上記散気装置14が設けられていてもよい。凝縮タンク22内には、所定の水位で水が貯留されている。
以下、第一実施形態の作用効果について説明する。
原子炉格納容器2内でガスが発生し、当該原子炉格納容器2内の圧力がある程度上昇すると、当該ガスが原子炉格納容器2内からフィルタベント4放出される。放出された当初は、ガスには放射性希ガスが含まれる。フィルタベント4を通過して排出された処理ガスは、切替部24によって蒸気分離部11の分離タンク12へと導入される。
分離タンク12に導入された処理ガスは、分離タンク本体13内の水面下で散気装置14によって分離タンク本体13内に散気される。この過程で、処理ガスの一部の蒸気が凝縮する。また、分離タンク本体13内には、第一循環ライン18によって、排水口13aから排出された水が冷却器20bで冷却された後に分離タンク本体13内の上端から散水装置17を介して散水される。これによって、分離タンク本体13内の気相に存在する蒸気が凝縮され、処理ガスの減容化を図ることができる。凝縮された蒸気は、分離タンク本体13内に貯留される。一方で、空気及び放射性希ガスを含む非凝縮ガスは、分離タンク本体13内で気相として貯留される。分離タンク本体13内の水位がある程度上昇した際には、分離タンク本体13内の水は第一水戻しライン25を介して原子炉格納容器2内に移送される。
このように分離タンク12に処理ガスが導入されることで、原子炉格納容器2内の圧力は徐々に低下する。
ガス戻しライン35は、分離タンク31の非凝縮ガスを原子炉格納容器2内に戻すためのラインである。ガス戻しライン35は、一端が分離タンク31内に接続され、他端が原子炉格納容器2内に接続されている。
ガス戻しライン35には、開閉可能な弁35が設けられている。ガス戻しライン35における弁35よりも原子炉格納容器2側には、送風機35bが設けられている。送風機35bは、分離タンク31側から原子炉格納容器2側に向かって送風を行えるように構成されている。ガス戻しライン35上における弁35と送風機35bとの配列はこの逆であってもよい。
一方、分離タンク31内に存在する放射性希ガスを含む非凝縮ガスは、ガス戻しライン35の弁35を開状態とするとともに送風機35bが駆動することで、該ガス戻しライン35を介して原子炉格納容器2内に移送される。このように原子炉格納容器2に戻された放射性希ガスは、当該原子炉格納容器2を貯留タンクとして長期にわたって貯留される。一部の放射性希ガスは、再度、蒸気及び空気とともにフィルタベントを介して放射性ガス処理装置10に導入される。このように、放射性希ガスが循環する過程で、蒸気が水に凝縮することで減容化され、原子炉格納容器2内の圧力上昇が継続的に抑制される。
内側バルーン75aの内部には、希ガス導入管77を介して、蒸気分離部30で蒸気と分離された非凝縮ガスが導入される。希ガス導入管77には、弁77aが設けられている。弁77aが閉状態から開状態とされることで、側バルーン75a内に非凝縮ガスが導入されるように構成されている。
その後、開放ライン84の弁84aを閉状態とするとともに貯留ライン85aの弁85を開状態とし、真空ポンプ85cを駆動させると、希ガス吸着塔81内が減圧されることで希ガス吸着材に吸着されていた放射性希ガスが放出される。当該放射性希ガスは、貯留ライン85aを介して貯留タンク85に導入される。そして、放射性希ガスは放射線量が十分に低減されるまで、貯留タンク85内で長期にわたって貯留される。

Claims (30)

  1. 原子炉格納容器に接続されたフィルタベントから排出される処理ガスを処理する放射性ガス処理装置であって、
    前記処理ガスを、放射性希ガスを含む非凝縮ガスと蒸気とに分離する蒸気分離部を有する放射性ガス処理装置。
  2. 前記蒸気分離部は、
    前記フィルタベントから前記処理ガスが導入されて前記蒸気を凝縮するとともに前記非凝縮ガスを貯留可能な分離タンクと、
    前記分離タンクで前記蒸気が凝縮することで生成された水を前記原子炉格納容器内に戻す第一水戻しラインと、
    を有する請求項1に記載の放射性ガス処理装置。
  3. 前記フィルタベントから前記処理ガスが導入可能とされて前記蒸気を凝縮可能な凝縮タンクと、前記凝縮タンク内で前記蒸気が凝縮することで生成された水を前記原子炉格納容器内に戻す第二水戻しラインと、を有する蒸気凝縮部と、
    前記フィルタベントから排出された前記処理ガスを、前記分離タンクと前記凝縮タンクとのいずれか一方に選択的に導入する切替部と、
    をさらに備える請求項2に記載の放射性ガス処理装置。
  4. 前記蒸気分離部は、前記分離タンク内の水を、前記分離タンクの外部で冷却して前記分離タンク内の上部に戻す第一循環ラインを有し、
    前記蒸気凝縮部は、前記凝縮タンク内の水を、前記凝縮タンクの外部で冷却して前記凝縮タンク内の上部に戻す第二循環ラインを有する請求項3に記載の放射性ガス処理装置。
  5. 前記蒸気分離部で分離された前記非凝縮ガス及び前記蒸気のうち少なくとも前記非凝縮ガスを前記原子炉格納容器内に戻す戻しラインをさらに備える請求項1に記載の放射性ガス処理装置。
  6. 前記蒸気分離部は、
    前記フィルタベントから前記処理ガスが導入されて前記蒸気を凝縮する分離タンクを有し、
    前記分離タンク内の水を前記分離タンクの外部で冷却して前記分離タンク内に戻す循環ラインをさらに備える請求項5に記載の放射性ガス処理装置。
  7. 前記蒸気分離部は、
    前記処理ガスが内部に導入される収容タンクと、
    該収容タンク内に収容されて、外部から供給される冷媒が流通して前記収容タンク内の前記処理ガスと熱交換することで前記蒸気を凝縮する熱交換器と、
    を有する請求項5に記載の放射性ガス処理装置。
  8. 前記熱交換器は、
    上下方向に延びて内部を前記冷媒が流通するとともに環状に配置された複数のチューブからなる第一チューブ群と、
    上下方向に延びて内部を前記冷媒が流通するとともに、前記第一チューブ群の外周側で環状に配置された複数のチューブからなる第二チューブ群と、
    を有し、
    前記蒸気分離部は、
    前記処理ガスを、前記収容タンク内における前記第一チューブ群と前記第二チューブ群との間に供給するスパージャリングを有する請求項7に記載の放射性ガス処理装置。
  9. 前記蒸気分離部は、
    前記処理ガスが内部を流通し、該処理ガスと外部から供給される冷媒とを熱交換をさせることで前記蒸気を凝縮させる熱交換器である請求項5に記載の放射性ガス処理装置。
  10. 前記蒸気分離部は、
    前記フィルタベントから供給される前記処理ガスを、前記放射性希ガスを含む前記非凝縮ガスと水分とに分離する気液分離膜である請求項5に記載の放射性ガス処理装置。
  11. 前記蒸気分離部は、
    吸着剤によって水分を吸着することで、前記フィルタベントから供給される前記処理ガスを前記放射性希ガスを含む前記非凝縮ガスと水分とに分離させる水分吸着部である請求項5に記載の放射性ガス処理装置。
  12. 前記蒸気分離部で分離した前記非凝縮ガスを、互いに異なる複数の前記放射性希ガスに分離する希ガス分離部をさらに備え、
    前記戻しラインは、
    複数の前記放射性希ガスのうちの一部の前記放射性希ガスのみを前記原子炉格納容器に戻す請求項6、10及び11のいずれか一項に記載の放射性ガス処理装置。
  13. 前記蒸気分離部で分離された非凝縮ガスが導入されて、該非凝縮ガスにおける少なくとも前記放射性希ガスを貯留する貯留部をさらに備える請求項1に記載の放射性ガス処理装置。
  14. 前記貯留部は、前記非凝縮ガスを貯留する貯留タンクを有し、
    前記非凝縮ガスを圧縮して前記貯留タンクに導入する圧縮機をさらに備える請求項13に記載の放射性ガス処理装置。
  15. 前記貯留部は、
    伸縮可能とされて内部に前記非凝縮ガスが導入される内側バルーン、及び、伸縮可能とされて前記内側バルーンを囲うとともに該内側バルーンとの間に外部から気体が導入される外側バルーンを有する貯留バルーンを備える請求項13に記載の放射性ガス処理装置。
  16. 前記貯留部は、
    内部に前記放射性希ガスを吸着する希ガス吸着材を収容した希ガス吸着塔を有する請求項13に記載の放射性ガス処理装置。
  17. 前記希ガス吸着塔に導入される前記非凝縮ガスを冷却する冷却部をさらに有する請求項16に記載の放射性ガス処理装置。
  18. 前記希ガス吸着塔は、前記非凝縮ガスのうち前記希ガス吸着材に吸着されないガスを外部に放出する放出弁を有し、
    前記希ガス吸着塔内を減圧する真空ポンプをさらに備え、
    前記貯留部は、該真空ポンプによって減圧されることで前記希ガス吸着材から放出された前記放射性希ガスを貯留する貯留タンクをさらに有する請求項16に記載の放射性ガス処理装置。
  19. 前記蒸気分離部で分離した前記非凝縮ガスを、互いに異なる複数の前記放射性希ガスに分離する希ガス分離部をさらに備え、
    前記貯留部は、複数の前記放射性希ガスのうちの一部の前記放射性希ガスのみを貯留する貯留タンクを有する請求項13に記載の放射性ガス処理装置。
  20. 前記蒸気分離部で分離した前記非凝縮ガスから前記放射性希ガスを膜分離する希ガス膜分離部をさらに備え、
    前記貯留部は、希ガス膜分離部によって膜分離された前記放射性希ガスを貯留する貯留タンクを有する請求項13に記載の放射性ガス処理装置。
  21. 前記貯留部は、
    前記蒸気分離部で分離された前記非凝縮ガスを冷却する冷却部と、
    冷却された前記非凝縮ガスを蒸留することで、前記放射性希ガス以外のガスを除去する蒸留塔と、
    を有する請求項13に記載の放射性ガス処理装置。
  22. 前記蒸気分離部は、
    前記フィルタベントから前記処理ガスが導入されて前記蒸気を凝縮する分離タンクを有し、
    前記分離タンク内の水を、前記分離タンクの外部で冷却して前記分離タンク内に戻す循環ラインをさらに備える請求項13から21のいずれか一項に記載の放射性ガス処理装置。
  23. 前記蒸気分離部は、
    前記フィルタベントから供給される前記処理ガスを、前記放射性希ガスを含む前記非凝縮ガスと水分とに分離する気液分離膜である請求項13から21のいずれか一項に記載の放射性ガス処理装置。
  24. 前記蒸気分離部は、
    吸着剤によって水分を吸着することで、前記フィルタベントから供給される前記処理ガスを前記放射性希ガスを含む前記非凝縮ガスと水分とに分離させる水分吸着部である請求項13から21のいずれか一項に記載の放射性ガス処理装置。
  25. 前記分離タンクは、前記フィルタベントからの前記処理ガスを前記分離タンク内の水に散気する散気装置を有し
    該散気装置は、
    水平方向に延びるヘッダ管と、
    該ヘッダ管の上部に該ヘッダ管内と連通するように接続されて、該ヘッダ管から上方に向かって延びて下方に向かって湾曲して水面下で開口する曲がり管と、
    を有する請求項2〜4、6及び22のいずれか一項に記載の放射性ガス処理装置。
  26. 前記分離タンクは、
    前記曲がり管の水面下の開口に下方から対向する衝突板をさらに有する請求項25に記載の放射性ガス処理装置。
  27. 前記分離タンクは、
    該分離タンクの下端の排水孔の上方で、該排水孔を外周側から囲うように上方に延びる筒状をなす堰部をさらに有する請求項2〜4、6、22、25及び26のいずれか一項に記載の放射性ガス処理装置。
  28. 請求項1から27のいずれか一項に記載の放射性ガス処理装置と、
    前記フィルタベントと、
    を備える放射性物質処理システム。
  29. 請求項28に記載の放射性物質処理システムと、
    前記原子炉格納容器と、
    を有する原子炉設備。
  30. 原子炉格納容器に接続されたフィルタベントから排出される処理ガスを処理する放射性ガス処理方法であって、
    前記処理ガスを、放射性希ガスを含む非凝縮ガスと蒸気とに分離する蒸気分離工程を含む放射性ガス処理方法。
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