JP2006335687A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用感、保湿効果に優れた口腔用組成物を提供すること。
【解決手段】 本発明の口腔用組成物は、腐植土抽出物を含むことを特徴とする。腐植土抽出物は、腐植土に水を加えて抽出を行い、得られた抽出液を0.1〜0.2μmのフィルタを用いて濾過することにより得られた濾液を用いて精製されたものである。本発明の口腔用組成物は、防腐剤を含まない。また、本発明の口腔用組成物は、塩化セチルピリジニウムを含むものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、口腔用組成物に関するものである。
従来より、口腔用組成物には、一般に、研磨剤(基剤)としてのリン酸カルシウムやケイ酸等の無機粉体や、発泡剤としてのラウリル硫酸ナトリウムやラウロイルサルコシンナトリウム等の界面活性剤が含まれている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような基剤や発泡剤等は、苦みや臭いが比較的強く、口腔用組成物の使用感を損ねるといった問題があった。
このような問題を解決するため、口腔用組成物には香料、甘味剤等を配合しているが、上記のような問題を十分に防止するのが困難であった。特に、口腔用組成物の使用後に、口腔内に苦み等が残るといった問題があった。
また、従来の口腔用組成物では、使用後に、口腔内が不本意に乾燥する(口の中が乾く)といった問題もあった。
また、従来の口腔用組成物には、製品の劣化等を防止する目的で、パラベンや安息香酸ナトリウム等の防腐剤を含んでいるが、このような防腐剤も、苦み等の原因となり、さらに使用感を損ねるという問題があった。
特開2001−131039号公報
本発明の目的は、使用感、保湿効果に優れた口腔用組成物を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(4)の本発明により達成される。
(1) 腐植土抽出物を含むことを特徴とする口腔用組成物。
(2) 前記腐植土抽出物は、腐植土に水を加えて抽出を行い、得られた抽出液を0.1〜0.2μmのフィルタを用いて濾過することにより得られた濾液を用いて得られるものである上記(1)に記載の口腔用組成物。
(3) 防腐剤を含まない上記(1)または(2)に記載の口腔用組成物。
(4) 塩化セチルピリジニウムを含む上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の口腔用組成物。
本発明によれば、使用感、保湿効果に優れた口腔用組成物を提供することができる。
以下、本発明の口腔用組成物の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書中における口腔用組成物は、口腔内で使用されるものであって、練歯磨剤、粉歯磨剤、液状歯磨剤、液体歯磨剤などの歯磨剤類、トローチ剤、錠剤、クリーム剤、軟膏剤、貼付剤、洗口剤、及びチューインガム等を含むものである。
本発明の口腔用組成物は、腐植土抽出液を含むことに特徴を有している。
腐植土は、通常、500万年以上前に海草、植物、藻類、魚介類、そのほか無機質類などが海底、湖や沼などの底に堆積した堆積物が嫌気性微生物などにより分解、合成、有機化を受けたものであり、例えば、地下約20mに約10mの層として存在している。
腐植土は、アミノ酸、ビタミン類、タンパク質、酵素、ミネラルなど多くの成分で構成されている。
本発明で用いる腐植土抽出物は、このような腐植土から、後に詳述するように、水を用いて抽出した物質を含むものである。
腐植土抽出物には、フミン酸をはじめ、フルボ酸、ヒューミンなどの腐植土を構成する物質、リパーゼなどの脂肪分解酵素、アルコールデヒドロゲナーゼなどのアルコール分解酵素などの酵素、タンパク質、アミノ酸、脂肪酸、有機酸、ビタミン、ミネラル、還元物質などが含有されている。
フミン酸は、腐植酸ともいわれ、土壌中の有機質および石炭質の大部分を形成している成分である。フミン酸の化学構造は不明であるが、多価フェノール形の芳香族化合物と含チッ素化合物との縮合物であり、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する。ただフミン酸は、腐植の進行度の相違により分子量や構成成分が大きく変化するので決定的な判断は下せないが、50〜55%がアミノ酸、ヘキソサミン、多環芳香族、酸素含有官能基を有する化合物からなり、残りは化学構造が未知で二重結合の多い化合物と考えられる。
このような腐植土抽出物は、抗菌・殺菌作用、保湿作用、抗酸化作用、防腐作用、界面活性作用、活性酸素不活性化作用、消臭作用等を有している。
これらの作用は、微生物により合成された酵素類、さらには死滅した微生物が分解する酵素により得られるものや、最初に腐植を形成するイネ科の植物遺体から微生物により合成されたアミノ酸、タンパク質、ビタミン、酵素と、火成岩の侵触などで堆積したマグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウムなどのミネラルとが相互に影響して得られるものである。とりわけ、ミネラルとしては、特に、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどのイオンが大量に含まれており、イオン交換を行なった後ではpH値が上昇することから腐植土抽出物の殺菌機序は腐植酸が示す低pHとミネラルに影響するところが大きいと考える。
ところで、従来の口腔用組成物には、一般に、研磨剤(基剤)として、リン酸カルシウムやケイ酸等の無機粉体や、発泡剤として、ラウリル硫酸ナトリウムやラウロイルサルコシンナトリウム等の界面活性剤が含まれている。しかしながら、このような基剤や発泡剤等は、苦みや臭いが比較的強く、口腔用組成物の使用感を損ねるといった問題があった。このような問題を解決するため、口腔用組成物には香料、甘味剤、湿潤剤等を配合しているが、上記のような問題を十分に防止するのが困難であった。特に、口腔用組成物の使用後に、口腔内に苦み等が残るといった問題があった。また、従来の口腔用組成物では、使用後に、口腔内が不本意に乾燥する(口の中が乾く)といった問題もあった。また、従来の口腔用組成物には、製品の劣化等を防止する目的で、パラベンや安息香酸ナトリウム等の防腐剤を含んでおり、このような防腐剤も、苦み等の原因となり、良好な使用感を得るのが困難であった。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、腐植土抽出物を含む口腔用組成物を用いることにより、従来の口腔用組成物において問題であった、苦みや基剤臭等をマスキングすることができることを見出した。また、使用後の口腔内の乾きを緩和できることを見出した。その結果、使用感、保湿効果に優れた口腔用組成物を提供することができることを見出した。
また、本発明によれば、腐植土抽出物を用いることにより、口腔内細菌を十分に殺菌することができるため、人体への影響を考慮しつつ、虫歯や歯周病等を予防することができる。
また、腐植土抽出物を用いることにより、防腐剤の配合量を少なくすることができる。これにより、より良好な使用感を得ることができる。特に、本発明によれば、防腐剤を用いなくとも、口腔用組成物が腐敗するのを効果的に防止することができる。
また、腐植土抽出物を含むことにより、腐植土抽出物が界面活性剤としての機能を有しているため、界面活性剤の含有量を少なくすることができる。その結果、本発明の口腔用組成物は、より人体に優しいものとなる。
また、腐植土抽出物の消臭効果により、口臭を予防することができる。
上述したような腐植土抽出物の含有量(配合量)は、1〜60wt%であるのが好ましく、5〜50wt%であるのがより好ましく、10〜30wt%であるのがさらに好ましい。これにより、前述の効果がより顕著なものとなる。
本発明の口腔用組成物には、その剤型に応じて、種々の成分を配合してもよい。例えば、本発明の口腔用組成物を練歯磨剤に適用した場合、研磨剤、湿潤剤、粘結剤、発泡剤、甘味剤、防腐剤、香料成分、薬用成分等を配合することができる。
研磨剤は、清掃効果を有する成分である。
研磨剤としては、シリカゲル、沈降性シリカ、火成性シリカ、含水ケイ酸、無水ケイ酸、ゼオライト、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、第二リン酸カルシウム二水和物、第二リン酸カルシウム無水和物等の歯磨用リン酸水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、第三リン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
研磨剤の配合量は、特に限定されないが、3〜60wt%が好ましく、10〜45wt%であるのがより好ましい。
湿潤剤は、口腔用組成物の不本意な乾燥を防止する成分である。
湿潤剤としては、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ソルビット、マルチトール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、キシリトール等の多価アルコール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
湿潤剤の配合量は、特に限定されないが、1〜60wt%が好ましく、5〜50wt%であるのがより好ましい。
粘結剤は、口腔用組成物(歯磨剤)に適度な粘度を付与するための成分である。
粘結剤としては、カラギーナン(ι、λ、κ)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カルシウム含有アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸アンモニウム等のアルギン酸塩及びその誘導体、キサンタンガム、グァーガム、ゼラチン、寒天、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
粘結剤の配合量は、特に限定されないが、0.1〜5.0wt%が好ましく、0.5〜3.0wt%であるのがより好ましい。
発泡剤は、口腔内の洗浄効果を高めるための成分である。
発泡剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸モノグリセリンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−アシルグルタメート等のN−アシルアミノ酸塩、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、マルチトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
発泡剤の配合量は、特に限定されないが、0.1〜10.0wt%が好ましく、0.5〜5.0wt%であるのがより好ましい。
甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、トレハロース、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。
甘味剤の配合量は、特に限定されないが、0.005〜5.0wt%が好ましく、0.01〜3.0wt%であるのがより好ましい。
香料成分としては、l-メントール、アネトール、メントン、シネオール、リモネン、カルボン、メチルサリシレート、エチルブチレート、オイゲノール、チモール、シンナミックアルデヒド、トランス-2-ヘキセナール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用して用いることができる。これらの成分は単品で配合してもよいが、これらを含有する精油等を配合してもよい。また、上記香料成分に加え、脂肪族アルコールやそのエステル、テルペン系炭化水素、フェノールエーテル、アルデヒド、ケトン、ラクトン等の香料成分、精油を本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。
香料成分の配合量は、特に限定されないが、0.02〜2wt%であるのが好ましく、0.05〜1.5wt%であるのがより好ましい。
薬用成分としては、ヒノキチオール、クロルヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ビサボロール、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤、トコフェロール、d−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、酢酸−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、α−トコフェロール等のビタミンEおよびその誘導体、塩化リゾチーム、モノフルオロホスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール,ポリビニルピロリドン、ゼオライト、アスコルビン酸およびその誘導体、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、アルミニウムヒドロキシルアラントイン、乳酸アルミニウム、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸塩類、銅クロロフィリン塩、グァイアズレンスルホン酸塩、デキストラナーゼ、塩酸ピリドキシン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を配合することができる。
また、上述した中でも、例えば、薬用成分として殺菌剤を用いた場合、前述した腐植土抽出物の殺菌効果と、殺菌剤の殺菌効果との相乗効果により、優れたう蝕予防効果、歯周病予防効果を発揮する。
特に、前述した殺菌剤の中でも、塩化セチルピリジニウムを用いた場合、前述の効果がより顕著に発揮される。
また、上述した中でも、例えば、薬用成分として、ビタミンEおよびその誘導体を用いた場合、腐植土抽出物によって口腔内組織への吸収が促進され、顕著な血行促進効果を発揮する。
また、前述した中でも、薬用成分として、グリチルリチン酸塩類を用いた場合、腐植土抽出物の活性酸素不活性化作用と、グリチルリチン酸塩類の抗炎症作用とによって、優れた歯周病予防効果を発揮する。
口腔用組成物中における有効成分の配合量は、その種類等によって異なるが、0.001〜5.0wt%であるのが好ましく、0.01〜3.0wt%であるのがより好ましい。
また、上述した成分の他にも、例えば、青色1号等の色素、酸化チタン等の顔料、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、エデト酸塩等のキレート剤、チャエキス、チャ乾留液、グルタミン酸ナトリウム等の矯味剤等を含んでいてもよい。
なお、上記成分を組み合わせた本発明の口腔用組成物は、常法に準じて製造できるものであり、その製法は特に限定されるものではない。また、得られた練歯磨剤等の組成物は、アルミニウムチューブ、ラミネートチューブ、ガラス蒸着チューブ、プラスチックチューブ、プラスチックボトル、エアゾール容器等に充填して使用することができる。
次に、本発明の口腔用組成物に用いられる腐植土抽出物の精製方法について説明する。
腐植土抽出物の精製に用いる腐植土は、いずれから採取したものをも用いることができるが、とりわけ長崎県北高来郡森山町唐比西名で採取した腐植土が好ましい。
採取した腐植土は水分を含んでおり、水田からとった土のようにべとついたものであり、粗乾燥および精密乾燥の2段階の乾燥工程をへてから抽出工程に供される。
乾燥工程は、腐植土を乾燥させて細分化するとともに、好気性微生物のはたらきを活性化させて嫌気性菌のはたらきを抑制し、太陽熱殺菌を行なうと同時に、紫外線等吸収(光合成)によってアミノ酸、ビタミン、酵素などを活性化(熟成)するなどすると考えられる。これにより、抗酸化作用、防腐食作用などの有益な作用が奏されると考えられる。また、乾燥工程を2段階で行なうことにより構成成分の均一化と腐植土以外の泥土の除去、抽出時のpHのばらつきの少ない安定した腐食土抽出物質の取得を行なうことができる。
前述した粗乾燥は、まず採取した径が5〜50cm程度の塊状の腐植土をコンクリートなどの腐植土と混ざらないもののうえで雨ざらし、日ざらしの状態(天日)で半年〜1年間乾燥させることにより行なわれる。この間、適宜腐植土をひっくりかえして全体によく天日があたるようにするのが好ましい。この工程により腐植土は乾燥した塊状物になる。ついで、ビニールハウス内でさらに乾燥させる(精密乾燥)。
この乾燥は最短では1ヵ月間、通常1.5〜2ヵ月間行なわれる。これにより塊状物の乾燥がさらにすすみ、塊状のものは耕運機などでさらに粉砕して、砂状のさらさらにしたものにする。なお、本明細書でいう「腐植土」とは、前述した工程をへて得られる乾燥し、粉砕された腐植土のことである。かかる腐植土は、たとえばカラコ産業(株)からFCM粉の商品名で袋詰したものが市販されており、入手することができる。
本発明で用いる腐植土抽出物は、前述した腐植土を水で抽出したものを用いて精製される。
抽出に用いる水は、いずれのものを用いてもよく、例えば、地下水、井戸水、水道水、精製水、蒸留水などを用いることができる。特に、低pHの抽出液を得るにはミネラル成分が多い水が好ましいことや塩素系消毒剤を含まない点から、ミネラルを含有している地下水や井戸水が好ましい。
抽出は、腐植土と水とを撹拌することにより行なうことができる。抽出時の温度は、通常常温である。撹拌時間は通常1〜3時間、好ましくは2〜3時間である。
腐植土と用いる水との好ましい割合は、1:1〜1:5、さらには1:3〜1:5、とくには1:5(重量/容量比)である。水の量が前記範囲より少ないと、使用した腐植土に対する抽出液の収量が少なくなり、また、少なくした場合でも得られるpHはある程度の値よりは低くならないので無意味である。一方、水の量が前記範囲より多いと、得られる抽出液のpHが2.99より高くなり、菌の種類等によっては、殺菌、滅菌効果などが十分に得られない可能性がある。
撹拌終了後、2〜4週間、好ましくは約3週間静置して浮遊微粒子を沈降させた後、上澄液をデカンテーション、吸引、50〜100μmのバッグフィルターによる予備濾過などの濾過工程に通常用いられる分離方法により分離する。上澄液と腐植土層との界面から5〜10cm上に吸引口がくるようにし、吸引する場合には、腐植土層を吸引することなく、上澄液を高い収率で吸引することができる。
次に、抽出液を孔径0.1〜0.2μmのフィルタを用いて濾過する。この濾過を行なうことにより、雑菌の除去、浮遊物、懸濁物または経時に沈殿を起こす不溶性物質の排除を行なうことができる。
フィルタの濾材は、濾液に影響を与えないかぎり制限されないが、具体的には、ナイロン、ポリプロピレン、ポリビニリデンフルオライドなどがあげられる。これらのなかでもポリビニリデンフルオライドが好ましい。
濾過は、加圧下、減圧下のいずれで行なうこともできるが、一般的には加圧下で行なう。その方法は、たとえば、上記材質のメンブレンフィルターのカートリッジをハウジングにセットし、これを加圧タンクに接続して2kg/cm以下の圧力で圧送して行なう。この濾過を行なう前に、予備濾過を行なうことは、濾過の効率向上、濾過装置の負担軽減などの観点から好ましい。実際には50〜100μmのバッグフィルターで濾過すれば充分である。
得られた濾液は、好ましくはpH2.50〜2.99、さらにはpH2.85〜2.95、特にはpH2.9である。
このようにして得られた濾液をそのまま、腐植土抽出物として添加してもよいし、さらに加熱処理等の処理を施してもよい。
以上、本発明の口腔用組成物について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の口腔用組成物には、前述した成分の他に、任意の機能を有する成分を配合することができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[腐植土抽出物]
まず、以下のようにして腐植土抽出物を得た。
長崎県北高来郡森山町唐比西名の湿地帯から腐植土を採取した。採取した腐植土を約1年間コンクリート上で天日にあてて乾燥させた。
次に、1.5ヵ月間ビニールハウス内でさらに乾燥させた。得られた腐植土を粉砕して、粒径約0.01〜0.5mmの粒子にした。
得られた腐植土約140kgを1t槽(ポリエチレン製)に入れ(1t槽に入れたときの容量が約0.6m)、水(阿蘇山麓で採取したミネラル水)700リットルを加えた。これを竹ベラを用いて約2時間常温で撹拌し、3週間静置して浮遊微粒子を沈降させたのち、pH2.7の上澄液をポンプで吸引して取り出した。取り出した上澄液の量は約600kgであった。
得られた抽出液をバッグフィルターで予備濾過したのち、フィルタ(孔径:0.2μm、商品名:フィルターカートリッジ0.2μmMCY4440NFPH4、日本ポール(株)製)で濾過し、pH2.9の腐植土抽出物を得た。
[口腔用組成物]
次に、上記のようにして得られた腐植土抽出物を用い、以下の処方(単位:wt%)に従って、常法により歯磨剤(口腔用組成物)を製造した。
(実施例1)
腐植土抽出物 :10.0
塩化セチルピリジニウム : 0.05
ピロリン酸カルシウム :25.0
無水ケイ酸 : 5.0
濃グリセリン :30.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム : 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム : 0.5
サッカリンナトリウム : 0.05
香料 : 1.0
水 :残部
(実施例2〜5)
各腐植土抽出物および薬用成分の配合量(含有量)を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして口腔用組成物を製造した。
(実施例6)
薬用成分として、酢酸トコフェロールをさらに配合した以外は、前記実施例1と同様にして口腔用組成物を製造した。
(比較例)
腐植土抽出物を配合しなかった以外は、前記実施例1と同様にして口腔用組成物を製造した。
各実施例および比較例の腐植土抽出物および薬用成分の配合量を表1に示す。
Figure 2006335687
<評価>
[使用感]
各実施例および比較例で得られた歯磨剤を用いて口腔内を洗浄し、以下の4段階の基準に従って評価した。
◎:さっぱりとした磨き心地で、使用後も苦みや異臭は全く感じられなかった。
○:さっぱりとした磨き心地で、使用後も苦みや異臭はほとんど感じられなかった。
△:磨き心地はさっぱりしたが、使用後に苦みや異臭が感じられた。
×:使用中に苦みや異臭が感じられ、使用後もそれが残った。
[保湿効果]
各実施例および比較例で得られた歯磨剤を用いて口腔内を洗浄し、以下の4段階の基準に従って評価した。
◎:使用後に、口腔内がしっとりした。
○:使用後に、口腔内がややしっとりした。
△:使用後に、口腔内にわずかに乾きを感じた。
×:使用後に、口腔内が乾いた。
以上の評価結果を、表2に示す。
Figure 2006335687
表2から明らかなように、各実施例で得られた歯磨剤(口腔用組成物)は、使用感、保湿効果に優れていた。
これに対し、各比較例で得られた口腔用組成物は、十分な結果が得られなかった。
また、殺菌剤として酢酸トコフェロールを添加した実施例6の歯磨剤は、優れた抗う蝕効果、歯周病予防効果を有していた。

Claims (4)

  1. 腐植土抽出物を含むことを特徴とする口腔用組成物。
  2. 前記腐植土抽出物は、腐植土に水を加えて抽出を行い、得られた抽出液を0.1〜0.2μmのフィルタを用いて濾過することにより得られた濾液を用いて得られるものである請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 防腐剤を含まない請求項1または2に記載の口腔用組成物。
  4. 塩化セチルピリジニウムを含む請求項1ないし3のいずれかに記載の口腔用組成物。
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