JP3715895B2 - 植物抽出物粉末の製造方法及びこの方法によって製造された植物抽出物粉末を含有する口腔用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物抽出物粉末の製造方法及びこの方法によって製造された植物抽出物粉末を含有する口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
昔から、歯牙の健康は非常に重視されてきた。普段歯牙を清潔に且つ健康に管理することは、口腔の健康だけでなく、体の健康維持につながる。こういう歯牙は、一定期間の成長が終わると、再び復旧されたり再生されたりしなく、いろいろな疾患に露出されて、深刻な歯科疾患を誘発することになる。
【0003】
一般的に、口腔疾患の殆どを占める虫歯及び歯周疾患は、唾液が歯面に付いてねっとりした薄膜を形成し、ここに口腔微生物が付き群落を形成して生成されたプラークによって生じると知られている。すなわち、虫歯は、プラーク内の嫌気性細菌が糖類を代謝して生成した有機酸によって、歯牙の主成分である水酸化リン灰石が溶けて発生するエナメルの腐食によって生じる。また、歯周疾患は、宿主防御能力を超えるプラークの蓄積及びこれによる細菌活性の増加と宿主防御能力の弱化が伴って生じる。従って、歯周疾患を緩和するためには、歯周病原菌の活性を抑制し、炎症が発生した歯肉の血流を良好にし、歯肉に発生した炎症を緩和しなければならない。
【0004】
こういう虫歯及び歯周疾患を予防するために、フッ素化合物を使用してエナメルの腐食を防止する方法、ペニシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン等の抗生剤又はクロロヘキシジン等の抗菌剤を使用して虫歯菌を死滅させる方法等が採られている。ところが、フッ素の過多使用は、軟骨の硬化及び腹痛を誘発し、殺菌剤や抗菌剤の使用は、口腔内でいろいろな副作用を起こす。
【0005】
従って、人工的な抗生剤や殺菌剤の代わりに、民間では、虫歯原因菌及び歯周疾患原因菌に効果を示す薬用植物抽出物が使用されてきた。例えば、サンギナリア(Sanguinaria)抽出物(米国特許4,689,216号明細書)、ミルラノキ(Myrrh)、ラタニア(Rhatany)、セージ(Sage)、カミルレ(Chamomile)、エチネシア(Echinacea)等の抽出物(S. de Rysky ; Journal of Clinical Dentistry Vol.I, Supplement A. A22-24, 1988)、セージ(Sage)及びマンネンロウ(Rosemary)等の抽出物(特開昭58-134,013号公報)、ホップ(Hops) 抽出物(特開昭62-138,420号)等を挙げることができる。しかしながら、このような植物抽出物は、製品内で安定しないため、組成物の相分離(phase separation)を誘発する問題がある。
【0006】
従って、口腔用組成物において有効成分を安定化させる方法が研究されて来た。例えば、特開平9-110663号公報には、無機又は有機粉末担体に油溶性成分を浸漬又は吸着させて、水溶性高分子物質のゲルフィルム(gel film)でコーティングし、ゲルカプセルを製造することにより、油溶性成分を安定化させる方法が開示されている。しかし、このゲルカプセルを歯磨き粉のような液相の口腔用組成物に投入する場合、製造や保管中にコーティング物質が溶けてしまい組成物の不安定性の問題が未だに存在する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の問題を解決するため、研究を重ねた結果、各種の植物抽出物を担体に担持し、この担体の表面を水不溶性コーティング剤でコーティングして植物抽出物粉末を製造し、これを口腔組成物内に含有させると、口腔組成物内で有効成分が安定すると共に、有効成分の損失なく、口腔内で有効成分を徐々に放出することにより、優れた歯周疾患予防効果及び虫歯予防効果を提供できることを発見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
従って、本発明の目的は、口腔組成物内で安定し、且つ製造過程で有効成分の損失がない、優れた歯周疾患予防効果及び虫歯予防効果を提供できる植物抽出物粉末の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の方法によって製造された植物抽出物粉末を含有する口腔用組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明による口腔用組成物に用いる植物抽出物粉末の製造方法は、歯周疾患又は虫歯の予防及び治療効果を有する植物抽出物を多孔性粉末担体に担持する段階と、この担体の表面を水不溶性コーティング剤でコーティングする段階とを含み、前記水不溶性コーティング剤は、蜜ろう、パラフィンろう、カルナウバろう、石油ろう、ポリヒドロキシアルカノン酸、糖脂質、グリセリド及びリン脂質からなる群から選択された1種以上であり、前記担体及び前記コーティング剤の比率は、重量比1:0.5〜10であることを特徴とする。
また、本発明の口腔用組成物は、本発明の上記方法によって製造された植物抽出物粉末を、組成物の総重量に対して0.05〜5.0重量%の範囲で含有することを特徴とする。
【0010】
以下に、植物抽出物粉末の製造方法を各段階別に説明する。
(1)各種植物抽出物を担体に担持する段階
本発明の口腔疾患を治療するため使用された植物抽出物は、松、甘草、えびすぐさの種子、シナモン、藁本、えんじゅの花、金銀花、桔梗、緑茶、露草、当帰、麦門冬、牡丹、ミルラノキ、防風、白▲し▼、サルスベリ、桑根白皮、ショウガ、サンギナリア、細辛、おおみつばしょうま、五倍子、グループフルーツの種子、地骨皮、川▲きゅう▼、そうとうこう、梔子、全草、蒲公英、蜂ろう、フラボノイド、けいがい、虎杖、黄▲きん▼、朴の木、アズキ、カミルレ、ラタニア、セージ油等から選択された1種以上である。
【0011】
植物抽出物は、アルコール温浸法、水蒸気蒸留法、共溶媒付加による超臨界流体抽出法等の一般的な抽出法を使用して抽出する。
松抽出物の場合は、口腔組成物として、一層優れた効果を提供するために、歯肉に対する収斂作用があって、口腔内疾患、特に歯肉炎、歯槽膿漏等の歯周疾患の予防及び治療に有効なものと知られている塩との混合水溶液の形態で使用し、松抽出物と塩の混合比率は、重量比1:0.1〜10の範囲内である。
【0012】
現在、一般的に口腔用組成物に使用される有効成分である化学成分は、口腔内に拡散され、細菌産物、すなわち酵素、毒素及び抗原を除去又は希釈させるだけでなく、歯態構成物質の直接的な破壊をもたらして、製造濃度、容量等、いろいろな問題が共存する一方、上記植物抽出物の化学成分を分析すると、精油、トリタペン(triterpens)、フラボノイド、イリドイド、アルカロイド等を多数含めていて、抗菌、消炎、鎮痛作用等を期待することが出来る。
【0013】
本発明に使用される植物抽出物を担持する担体は、粒径が5〜600μm、好ましくは100〜400μmの多孔性物質、又は一次粒子のサイズが1〜100nmの多孔性物質を使用する。
【0014】
前者の担体としては、ある程度の吸液力と化学的安定性及び物理的安定性を有していて、当分野で通常的に担体として使用されている、第二リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸、水酸化アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム等を挙げることが出来る。また、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ゼオライト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイソウ土、酸化ジルコニウム等の無機研磨剤を使用することが出来る。更に、高分子物質を研磨剤として使用すると、カルシウムイオンが放出されることがないので、薬効成分であるフッ素化合物が不溶化されて活性を失うことがないため、植物抽出物の担体として有用である。このような高分子物質研磨剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリメチルメタクリルレート樹脂(polymethylmetacrylate resin)、メラミン樹脂等を使用することが出来る。一方、高分子物質研磨剤の中、本発明の担体としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルがより好ましい。
【0015】
後者の担体としては、口腔清浄剤のような液体処方において、粒子が大きい場合より分散が容易であり、且つ同一質量で粒子が大きい場合より表面積が増大され、これにより口腔の組織との接触面積が増大することになり、組織に付着しやすくなる長所のあるサブマイクロン単位の粒径を有するコロイド状フームドシリカ(colloidal fumed silica)を使用することが出来る。
植物抽出物を担体に担持させる際、植物抽出物と担体とが重量比1:1〜10の範囲内となるように担持させることが好ましい。
【0016】
(2)担体の表面を水不溶性コーティング剤でコーティングする段階
植物抽出物が担持された担体は、その状態でも口腔用組成物に応用が可能であるが、若干の問題がある。すなわち、口腔用組成物の殆どが水溶液系であるため、担体から水溶性物質が放出されるので、担体に植物抽出物を担持する意味がなくなる。従って、植物抽出物が担持された担体の表面は、水に溶解性のない物質でコーティングしなければならない。
しかし、担体の表面をコーティングするコーティング剤は、口腔用組成物に含有され口腔内に適用した際、抽出物が容易に放出されることができるように口腔内で容易に破壊されることができる物質であることが好ましい。
【0017】
従って、本発明では、水に不溶性で且つ機械的な刺激により破壊される程度の堅固な構造を有する物質である、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ビニルピロリドン、酢酸ビニル重合体、ポリビニルアセタルジメチルアミノアセテート(polyvinylacetaldimethylaminoacetate)、ポリメチルメタクリルレート、ポリスチレン、蜜ろう、パラフィンろう、カルナウバろう及び石油ろうからなる群から選択された1種以上をコーティング剤として使用する。
【0018】
本発明では、歯磨き粉のような口腔用組成物において、上記コーティング剤が歯磨きのような機械的な力により破壊されて、抽出物を容易に放出することが出来るが、歯磨き粉より機械的な力を微弱に受ける口腔清浄剤のような処方では、抽出物の放出効果が微弱である点から、口腔清浄剤と歯磨き粉の両方に適用することが出来るコーティング剤を見出そうと研究し続けた。
その結果、水に不溶性でありながら唾液に存在する1つ以上の酵素によって分解が可能である物質で上記担体をコーティングすると、上記目的を達成できることを発見した。
【0019】
すなわち、唾液には、リパーゼ、プロテアーゼ、グルコシダーゼ等が存在し、特別な場合には、パロティドアミラーゼ、ヒアルロニダーゼ、β−グルクロニダーゼ、コンドロイチンフルファターゼ、アミノ酸デカルボキシラーゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、コラーゲナーゼ、リゾチーム等が存在するので、これらの酵素によって分解されることが出来る物質、例えば、ポリヒドロキシアルカノン酸、糖脂質、グリセリド、リン脂質等で、抽出物の混合水溶液が担持されている担体の表面をコーティングする。
【0020】
コーティングは、当業界で公知の表面コーティング方法から適宜に選択して実施することができる。例えば、コーティング剤と担体を混合し加熱する方法により、担体の表面をコーティングする(コーティング物質の溶融温度によって異なるが、例えばカルナウバろうの場合、85〜95℃でコーティングする)。この際、担体とコーティング剤の配合比は、重量比1:0.5〜10、好ましくは重量比1:1〜5の範囲内である。また、グリセリド、リン脂質、糖脂質等のように、加温によって破壊されることが出来る物質を使用する場合、適当な溶媒を使用してコーティング剤を溶解し、これを担体に吸着させた後、溶媒を揮発させる方法でコーティングを行う(リン脂質の一種であるホスファチジルコリンの場合、溶媒としてアルコールを使用する)。
【0021】
上記方法によって製造された植物抽出物粉末は、口腔用組成物に含有されるが、含有量は、組成物の総重量に対して、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0022】
本発明の口腔用組成物は、その処方において、特に限定されなく、具体的な例を挙げると、歯磨き粉、口腔洗浄剤、口腔清浄剤等の処方を有することが出来る。
また、本発明の口腔用組成物を構成する植物抽出物粉末以外の成分は、処方によって、また目的とする効果によって当分野の通常の知識を有する者なら、任意的に選定して配合することが出来る。
【0023】
例えば、歯磨き粉の場合には、研磨剤、湿潤剤、起泡剤、結合剤、甘味剤、pH調節剤、防腐剤、薬効成分、香料、増白剤、色素、溶剤等を含有することが出来る。研磨剤としては、炭酸カルシウム、沈降シリカ、水酸化アルミニウム、リン酸一水素カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム等があり、これらの研磨剤を単独で又は2種以上混合して、1〜60重量%、好ましくは10〜50重量%を使用する。湿潤剤としては、グリセリン、ソルビトール液、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等を単独で又は2種以上混合して、10〜60重量%、好ましくは 20〜50重量%を使用する。起泡剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシネートナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の陰イオン及び非イオン性界面活性剤を単独で又は2種以上混合して、0.5〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%を使用する。結合剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、カラギナン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム等を単独で又は2種以上混合して、0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%を使用する。甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビオシド、キシリトール、甘草酸等を1又は2種以上混合して、0.05〜5重量%を使用することが好ましい。pH調節剤としては、リン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸等がある。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、安息香酸ナトリウムを単独で又は2種以上混合して使用する。薬効成分としては、フッ化ナトリウム、1フッ素リン酸ナトリウム、フッ化酒石、クロロヘキシジン、アラントインクロロヒドロキシアルミネート、アミノカプロン酸、トラネキサム酸、トリクロサン(triclosan)、塩化セチルピリジウム、塩化亜鉛、塩酸ピリドキシン、酢酸トコフェロール等を単独で又は2種以上混合して使用する。香料としては、はっか油、スピアミント油、メントール、アネトール等を適当量混合使用する。増白剤としては酸化チタンを使用し、色素としては食用色素を使用する。本発明の溶剤としては、精製水及びエタノールを使用する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、試験例及び実施例を例にして、本発明による植物抽出物粉末の製造方法とそれを含有する口腔用組成物の構成及び作用効果を具体的に説明する。しかし、本発明がこれらの例に限定されるものではない。
【0025】
〔実施例1〕
松葉抽出物20gと精製塩とを混合し、ここに精製水200gを加えて混合物を形成した。この混合物を塩粒子が残存しないように溶解した。これに、粒径400μmの沈降シリカ200gをよく攪拌しつつ添加して担持した。次いで、カルナウバろう200gの薄片を、担持シリカ粒子と混合し、85〜95℃に加熱することにより、コーティングされた松塩398gを得た。
【0026】
〔実施例2〕
松葉抽出物20gと精製塩とを混合し、ここに精製水200gを加えて混合物を形成した。この混合物を塩粒子が残存しないように溶解した。これに、1次粒子のサイズが40nmのフームドシリカ200gをよく攪拌しつつ添加して担持した。次いで、リン脂質の一種であるホスファチジルコリン(酸価が約20で、ろう形態を有する)200gを、10℃以下の冷たいエタノール2400gに溶解した。その後、得られたホスファチジルコリン−エタノール溶液を、担持シリカ粒子と混合してよく攪拌しつつ、減圧蒸留した。その後、エタノールを揮発させて、コーティングされた松塩398gを得た。
【0027】
〔比較例1〕
まつやに10gと塩20gの混合物を700〜800℃に加熱して、結晶塩を得、これを粉砕した後、更にまつやに10gを添加し、1000〜1500℃に加熱した。その後、急冷し粉砕して、松塩を得た。
【0028】
〔試験例1〕
上記で製造した松塩を含有する口腔組成物を、下記表1の処方により通常の歯磨き粉の製造方法で歯磨き粉を製造した。
【0029】
【表1】
【0030】
前記処方例1〜2及び比較処方例1〜2の歯磨き粉を各種濃度で含有する寒天プレートに試験菌を分注した。歯周疾患原因菌の場合、35℃、嫌気性条件下で5日間培養した後、菌の生育有無を観察し、虫歯原因菌は、好気性条件下で2日間培養した後、菌の生育有無を観察すると同時に、試験菌が成長しない最低濃度MICを測定することにより、虫歯原因菌及び歯周疾患原因菌に対する抗菌作用を確認した。その結果を表2に示す。
【0031】
【0032】
(2)培養培地
血液寒天培地(血液寒天ベース+最終濃度5%の血液)、BHI寒天
【0033】
【表2】
【0034】
〔試験例2〕
(安定性)
前記処方例1〜2及び比較処方例1〜2の歯磨き粉を0℃、30℃、40℃及び50℃の条件で1週間、1ヶ月、3ヶ月恒温室で保管した後、製品の安定度を確認した。その結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
〔実施例3〕
粒径400μmの沈降シリカ200gをよく攪拌しつつ、緑茶抽出物50gを噴霧器を用いて噴霧させて、シリカ内部に均一に担持させた。次いで、カルナウバろう200gの薄片を担持シリカ粒子と混合し、85〜95℃に加熱して、コーティングされた緑茶抽出物粉末410gを得た。
【0037】
〔実施例4〕
1次粒子のサイズが40nmのフームドシリカ200gをよく攪拌しつつ、緑茶抽出物50gを噴霧器を用いて噴霧させて、シリカ内部に均一に担持させた。次いで、リン脂質の一種であるホスファチジルコリン(酸価が約20で、ろう形態を有する)200gを、10℃以下の冷たいエタノール2400gに溶解した。その後、得られたホスファチジルコリン−エタノール溶液を、担持シリカ粒子と混合してよく攪拌しつつ、減圧蒸留した。その後、エタノールを揮発させて、コーティングされた緑茶抽出物粉末410gを得た。
【0038】
〔試験例3〕
(安定性)
上記で製造した抽出物粉末を含有する口腔組成物を、表4の処方により通常の歯磨き粉の製造方法で歯磨き粉を製造した。
【0039】
【表4】
【0040】
前記処方例3〜4及び比較処方例3の歯磨き粉を0℃、30℃、40℃及び50℃の条件で1週間、1ヶ月、3ヶ月恒温室で保管した後、製品の安定度を確認した。その結果を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
〔試験例4〕
(徐放性)
前記処方例3の歯磨き粉を使用して30秒、60秒、90秒、120秒間口をすすいだ後、吐き、それを50mlビーカーに集める。その液を各種濃度で含有する寒天プレートに試験菌を分注した。歯周疾患原因菌の場合、35℃、嫌気性条件下で5日間培養した後、菌の生育有無を観察し、虫歯原因菌は、好気性条件下で2日間培養した後、菌の生育有無を観察すると同時に、試験菌が成長しない最低濃度MICを測定することにより、虫歯原因菌及び歯周疾患原因菌に対する抗菌作用を確認した。その結果を表6に示す。
【0043】
【0044】
(2)培養培地
血液寒天培地(血液寒天ベース+最終濃度5%の血液)、BHI寒天
【0045】
【表6】
【0046】
以下、処方例5〜18を例にして、前記製造例1〜2で製造された松塩及び製造例3〜4で製造された緑茶抽出物を含有する口腔用組成物の構成をより詳細に説明する。しかしながら、本発明の組成物がこれらの処方例に限定されるものではない。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明により製造された植物抽出物粉末は、水に溶けない水不溶性物質でコーティングされて、口腔組成物内で安定し、且つ口腔内で有効成分を徐々に放出して、口腔内で優れた歯周疾患予防効果及び虫歯予防効果等を提供することができる。
Claims (6)
- 歯周疾患又は虫歯の予防及び治療効果を有する植物抽出物を多孔性粉末担体に担持する段階と、この担体の表面を水不溶性コーティング剤でコーティングする段階とを含み、
前記水不溶性コーティング剤は、蜜ろう、パラフィンろう、カルナウバろう、石油ろう、ポリヒドロキシアルカノン酸、糖脂質、グリセリド及びリン脂質からなる群から選択された1種以上であり、
前記担体及び前記コーティング剤の比率は、重量比1:0.5〜10であることを特徴とする口腔用組成物に用いる植物抽出物粉末の製造方法。 - 前記植物抽出物は、松、甘草、えびすぐさの種子、シナモン、藁本、えんじゅの花、金銀花、桔梗、緑茶、露草、当帰、麦門冬、牡丹、ミルラノキ、防風、白▲し▼、サルスベリ、桑根白皮、ショウガ、サンギナリア、細辛、おおみつばしょうま、五倍子、グループフルーツの種子、地骨皮、川▲きゅう▼、そうとうこう、梔子、全草、蒲公英、蜂ろう、フラボノイド、けいがい、虎杖、黄▲きん▼、朴の木、アズキ、カミルレ、ラタニア、及びセージ油よりなる群から選択された1種以上の抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の口腔用組成物に用いる植物抽出物粉末の製造方法。
- 前記植物抽出物が松抽出物であり、塩と重量比1:0.1〜10で混合されることを特徴とする請求項2に記載の口腔用組成物に用いる植物抽出物粉末の製造方法。
- 前記担体は、粒径が100〜600μmの多孔性物質、又は一次粒子のサイズが1〜100nmのフームドシリカであることを特徴とする請求項1に記載の口腔用組成物に用いる植物抽出物粉末の製造方法。
- 前記多孔性物質は、第二リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸、水酸化アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ゼオライト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイソウ土、酸化ジルコニウム、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリメチルメタクリルレート樹脂 (polymethylmetacrylate resin) 、及びメラミン樹脂よりなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項4に記載の口腔用組成物に用いる植物抽出物粉末の製造方法。
- 請求項1に記載された方法で製造された植物抽出物粉末を含む口腔用組成物であり、上記植物抽出物粉末が口腔用組成物の総重量に対して0.05〜5.0重量%の量で含有されていることを特徴とする口腔用組成物。
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