JP2006332623A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006332623A
JP2006332623A JP2006120132A JP2006120132A JP2006332623A JP 2006332623 A JP2006332623 A JP 2006332623A JP 2006120132 A JP2006120132 A JP 2006120132A JP 2006120132 A JP2006120132 A JP 2006120132A JP 2006332623 A JP2006332623 A JP 2006332623A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
semiconductor laser
laser device
spacer layer
spacer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006120132A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunichi Onishi
俊一 大西
Kazutoshi Onozawa
和利 小野澤
Tetsuzo Ueda
哲三 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2006120132A priority Critical patent/JP2006332623A/ja
Publication of JP2006332623A publication Critical patent/JP2006332623A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

【課題】閾値電流が小さく、温度特性に優れた半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】半導体レーザ装置は、基板(100)上に形成されたAlGaAs層を含む活性層(103)と、活性層(103)の上方及び下方のうちの少なくとも一方に形成されたAlaGabIn1-a-bP(但し、0≦a≦1,0≦b≦1,0≦a+b≦1である。)よりなる上部スペーサ層(104)とを備える。上部スペーサ層(104)は、活性層(103)に注入される電子の障壁層として機能する組成を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、光記録や光通信などの光源として用いられる半導体レーザ装置に係り、特に面発光型半導体レーザ装置に関するものである。
近年、光記録や光通信などの光源として、半導体レーザの需要が高まっている。中でも面発光型半導体レーザは、閾値電流が低いこと、ビームスポットが円形であって光ファイバとの直接結合が容易であること、ウエハ状態での検査が可能であることといった特徴を有しており、低消費電力や低コストの発光素子として期待されている。また、面発光型半導体レーザにおける共振器のサイズが小さいため、高速変調動作が可能となることから、高速光通信に有利な光源である。
以下に、従来の面発光型半導体レーザの例として、特許文献1に開示された構造について図10を参照しながら説明する。図10は、従来の面発光型半導体レーザの構造を示す断面図である。
従来の面発光型半導体レーザでは、図10に示すように、GaAsからなるn型半導体基板801の上には、Al0.3Ga0.7As層とAl0.9Ga0.1As層との積層が40.5層重なった層からなるn型ミラー802が形成されている。n型ミラー802の上には、Al0.6Ga0.4Asからなるアンドープスペーサ層803a、三重量子井戸Al0.11Ga0.89As/Al0.3Ga0.7Asからなる活性層804、Al0.6Ga0.4Asからなるアンドープスペーサ層803b、p型AlAs層805、30.5周期のAl0.3Ga0.7As/Al0.9Ga0.1Asからなるp型ミラー806、及びp型GaAs層807が下からこの順に積層されている。ここで、n型ミラー802には、SiがNa(アクセプタ濃度)=1×1018cm-3 となる濃度でSiがドープされており、p型ミラー806にはNa=7×1017cm-3 となる濃度でZnがドープされている。また、p型GaAs層807には、Na=1×1019cm-3 となる濃度でZnがドープされている。
p型AlAs層805は、酸化領域805aと、酸化領域805aに両側方を挟まれる非酸化領域805bとからなり、非酸化領域805bに電流を狭窄する機能を有している。n型ミラー802の上部と、その上に位置する各層はポスト構造813に加工されている。そして、p型GaAs層807の上には、レーザ出射のための開口部812を有するコンタクト電極809が形成されている。コンタクト電極809のうちの外縁部の上から、ポスト構造813の側面上及びn型ミラー802の露出面上にかけて、SiNx からなる層間絶縁膜810が形成されている。そして、層間絶縁膜810の上には配線電極811が形成されており、配線電極811は、層間絶縁膜810のうちコンタクト電極809の外縁部に接する部分も覆うことにより、コンタクト電極809に接している。一方、半導体基板801の下側にはn側電極808が設けられている。
以上のように構成された従来の面発光型半導体レーザのn側電極808と配線電極811との間にバイアス電圧が印加されると、p型AlAs層805の非酸化領域805bに電流が狭窄されて活性層804へキャリアが注入される。その結果、活性層804から生じた光が、n型ミラー802及びp型ミラー806から構成される共振器内で発振し、開口部812から外部へ放射される。
特開2003−188471号公報
しかしながら、上記従来の構成を有する面発光型半導体レーザでは、自動車用途など高温での動作が要求される環境下で用いる場合に、半導体レーザの持つ温度特性は必ずしも十分なものではなかった。周辺温度が高温である場合には、高エネルギーの電子が増加するため、注入された電子の多くがポテンシャル障壁を超えてスペーサ層にオーバーフローすることとなる。
キャリアのオーバーフローが生じるとスペーサ層の屈折率が変化し、共振波長が設計より大きくずれるため、面発光型レーザの特性が悪化する。すなわち、面発光型半導体レーザにおける共振波長は、共振器の光学膜厚、つまり共振器を構成する層の屈折率と膜厚との積の総和によって決定されるところ、スペーサ層の屈折率が変化すると、面発光型レーザの共振波長が変化する。一方で、面発光型レーザにおける設計は、活性層の利得が最大となる波長に合わせてスペーサ層の屈折率及び膜厚が決定されている。このため、スペーサ層の屈折率の変化によって面発光型レーザの共振波長が変化すると、活性層の利得が最大となる波長に対してずれが生じ、共振波長での利得が低下してしまうので、発光効率の低下などが生じる。つまり、高温環境下では駆動電流を増加しても光出力が飽和するので、十分な光出力が得られないこととなる。また、発光効率の低下は、面発光型レーザの発熱の増加を招いて、屈折率の更なる変化をもたらすことになる。発熱の増加は、活性層の利得の低下をも招く。このようにして、面発光型レーザの特性が悪化するのである。
したがって、面発光型レーザでは、特に、キャリアのオーバーフローを抑制することが重要である。
前記に鑑み、本発明は、キャリアのオーバーフローを抑制し、温度特性に優れた半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明の一側面の半導体レーザ装置は、以下に述べる構成を有している。すなわち、活性層の上方又は下方に活性層に注入される電子からみて障壁層となる組成を持つAlGaInP層を有する。この構成により、活性層からのキャリアのオーバーフローを抑制することができるので、温度特性に優れた半導体レーザ装置を得ることができる。
具体的には、本発明の一側面の半導体レーザ装置は、基板上に形成されたAlGaAs層を含む活性層と、活性層の上方及び下方のうちの少なくとも一方に形成されたAlaGabIn1-a-bP(但し、0≦a≦1,0≦b≦1,0≦a+b≦1である。)層とを備え、AlaGabIn1-a-bP層は、活性層に注入される電子の障壁層として機能する組成を有していることを特徴とする。この構成により、活性層からの電子のオーバーフローが抑制され、温度特性に優れた半導体レーザ装置を実現することが可能となる。
本発明の一側面の半導体レーザ装置において、基板は第1導電型であり、活性層の上方に形成された第2導電型の第1の反射鏡と、活性層の下方に形成された第1導電型の第2の反射鏡とをさらに備え、AlaGabIn1-a-bP層は、第1の反射鏡と活性層との間、及び第2の反射鏡と活性層との間のうちの少なくとも一方に介在している形態が好ましい。このようにすると、温度特性の優れた面発光型半導体レーザ装置を実現することが可能となる。
上記形態において、第1の反射鏡と活性層との間に形成された第1のスペーサ層と、第2の反射鏡と活性層との間に形成された第2のスペーサ層とをさらに備え、第1のスペーサ層及び第2のスペーサ層の各々の膜厚は、所望のレーザ発振波長が得られるような膜厚を有していることが好ましい。このような構成により、所望の発振波長の面発光型半導体レーザ装置を得ることができる。すなわち、上記の通り、活性層からスペーサ層への電子のオーバーフローが抑制されるので、スペーサ層の屈折率の変化が抑制され、面発光型レーザの共振波長が変化することがない。このため、本構成によると、活性層の利得が最大となる波長に対してずれを生じさせることがなく、共振波長での利得が低下しないので、高温環境下においても、十分な発光効率を得ることができる。また、発光効率の低下が原因となる面発光型レーザの発熱の増加が抑制され、活性層の利得の低下を防止して、面発光型レーザの特性を向上させることができる。
ここで、AlaGabIn1-a-bP層が、第1のスペーサ層及び第2のスペーサ層のうちの少なくとも一方における一部の層を構成していることさらに好ましい。このようにすると、電子のオーバーフローを効果的に抑制することができる。また、第1及び第2スペーサ層の双方の一部にAlaGabIn1-a-bP層を構成させる場合には、光強度の分布の強い位置にAlaGabIn1-a-bP層を対称的に配置することで、発光特性を向上させることができる。
上記のさらに好ましい形態において、第1の反射鏡における少なくとも一部の層は、AlGaAs層であり、AlaGabIn1-a-bP層におけるアルミニウムの組成比aは、0.15よりも大きい。このようにすると、AlGaAs層の結晶欠陥を低減することができる。
上記のさらに好ましい形態において、第1の反射鏡における少なくとも一部の層は、AlGaAs層であり、AlaGabIn1-a-bP層とAlGaAs層との間に形成されたAlcGadIn1-c-dP(但し、0≦c≦1,0≦d≦1,0≦c+d≦1である。)層よりなる緩衝層をさらに備えている。このようにすると、キャリアのオーバーフローを効果的に抑制しながら、AlGaAs層の結晶欠陥を低減することができる。
本発明の一側面に係る半導体レーザ装置において、AlaGabIn1-a-bP層におけるインジウムの組成比aは、0.49以下であることを特徴とする。このようにすると、AlGaInP層の格子定数がGaAsよりも小さくなり、格子定数がGaAsよりも大きいAlGaAsで構成された層の歪みを補償することができるので、半導体レーザ装置の全体に内包される結晶歪みを低減することができる。
本発明の一側面に係る半導体レーザ装置において、AlaGabIn1-a-bP層は、Mgがドーピングされていることを特徴とする。このようにすると、AlGaInP層がp型伝導となり、半導体レーザ装置の直列抵抗を低減することができる。
本発明の一側面に係る半導体レーザ装置において、AlaGabIn1-a-bP層は、Si又はSeがドーピングされていることを特徴とする。このようにすると、AlGaInP層がn型伝導となり、半導体レーザ装置の直列抵抗を低減することができる。
AlaGabIn1-a-bP層のドーピング濃度は、1×1017cm-3 以上であって且つ2×1018cm-3 以下であることを特徴とする。このようにすると、活性層へドーパントを拡散させることなくAlGaInP層を低抵抗化することができる。
上記のさらに好ましい形態において、第1のスペーサ層及び第2のスペーサ層の各々は、少なくとも2層よりなり、第1のスペーサ層及び第2のスペーサ層の各々における活性層側の一方の層が、AlGaAs層であり、第1のスペーサ層及び第2のスペーサ層の各々における他方の層が、AlaGabIn1-a-bP層である。このようにすると、AlGaAsとAlGaInPとのヘテロ界面から活性層までの距離を大きく設定することができる。AlGaAsとAlGaInPとのヘテロ界面ではV族の組成が大きく異なるため、構成元素の相互拡散が生じやすく、このことは活性層での発光効率を低下させる要因となるが、ヘテロ界面から活性層までの距離を大きく取ることで、このような相互拡散による活性層への悪影響を抑制することができる。
上記のさらに好ましい形態において、第1の反射鏡の少なくとも一部、第1のスペーサ層、活性層、第2のスペーサ層、及び第2の反射鏡によって構成されるメサ状構造を有している。
上記のさらに好ましい形態において、第1の反射鏡における少なくとも一部の層は、AlGaAs層であり、AlaGabIn1-a-bP層よりも上に存在する層によって構成されるメサ状構造を有しており、メサ状構造における底部の縁部近傍には、AlaGabIn1-a-bP層の表面が露出している。このようにすると、メサ状構造を作製するためのドライエッチング工程において、AlGaAsとAlGaInPとの選択的エッチングが可能となるため、表面の平坦性に優れた半導体レーザ装置を得ることができる。
この場合のメサ状構造には、電流狭窄領域として機能する、選択的に酸化された領域又はプロトンが注入された領域が含まれている。このようにすると、所望の部分に効率的に電流を流すことが可能な半導体レーザ装置を実現することができる。
また、メサ状構造の側面に接して形成された第1の保護層と、第2の保護層に接して形成された樹脂膜と、樹脂膜の上に接して形成された第2の保護層と、メサ状構造の上部の一部を覆うと共にメサ状構造の表面の一部を露出する開口部を有する電極とをさらに備えていることが好ましい。このようにすると、半導体レーザ装置の表面が平坦化され、電極の断線が生じにくく、信頼性の高い半導体レーザ装置を実現することが可能となる。
本発明によると、活性層の上方及び下方の少なくとも一方に形成された、活性層に注入される電子からみて障壁層となる組成のAlGaInP層を備えている。このことにより、活性層に注入された電子のオーバーフローが確実に抑制され、活性層において高い発光再結合効率が得られる。したがって、閾値電流が小さく、且つ、優れた温度特性を有する半導体レーザ装置を実現できる。
また、上記の通り、活性層からスペーサ層への電子のオーバーフローが抑制されるので、スペーサ層の屈折率の変化が抑制され、面発光型レーザの共振波長が変化することがない。このため、活性層の利得が最大となる波長に対してずれを生じさせることがなく、共振波長での利得が低下しないので、高温環境下においても、十分な発光効率を得ることができる。さらに、発光効率の低下が原因となる面発光型レーザの発熱の増加が抑制され、活性層の利得の低下を防止して、面発光型レーザの特性を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、Ga組成の小さいAlGaInP層よりなる緩衝層がAlGaInP層上に形成されているため、AlGaAsからなる反射鏡の形成時における結晶欠陥の生成が抑制され、信頼性の高い半導体レーザ装置が得られる。また、メサ状構造を作製するためのドライエッチング工程において、AlGaInP層がエッチング停止層の役割を果たすため、面内で均一なエッチング深さが得られ、その結果、表面の平坦性に優れた半導体レーザ装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る半導体レーザ装置について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素は、同一の符号が付されている。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図である。
本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置10では、図1に示すように、n型GaAsからなる基板100の上に、n型下部多層膜反射鏡101、下部スペーサ層102、活性層103、上部スペーサ層104、電流狭窄層105、p型上部多層膜反射鏡106、及びp型コンタクト層107が下からこの順に形成されている。
n型下部多層膜反射鏡101は、n型Al0.12Ga0.88As層とn型Al0.90Ga0.10As層とが交互に積層されてなる多層膜である。各層の膜厚はλ/4n(λ:レーザ発振波長、n:媒質の屈折率)であり、34.5周期積層されている。n型下部多層膜反射鏡101の最上層及び最下層は、n型Al0.90Ga0.10As層によって構成されている。また、下部スペーサ層102は、Al0.45Ga0.55Asから構成されている。
活性層103は、量子井戸層103aと該量子井戸層103aの上下に形成されたAl0.30Ga0.70Asからなる光ガイド層103bとによって構成されている。量子井戸層103aは、GaAsからなる井戸層とAl0.30Ga0.70Asからなる障壁層とが交互に積層されてなり、井戸層の数は3である。また、上部スペーサ層104は、(Al0.70Ga0.300.51In0.49Pによって構成されている。
電流狭窄層105は、p型Al0.98Ga0.02Asからなる電流狭窄層105aと、該電流狭窄層105aの周辺部に形成された酸化アルミニウムからなるAlGaAs酸化物層105bとによって構成されており、この構成は電流経路をAlGaAs電流狭窄層105aに限定する役割を有する。また、電流狭窄層105は上部多層膜反射鏡の一部として機能する。
p型上部多層膜反射鏡106は、p型Al0.12Ga0.88As層とp型Al0.90Ga0.10As層とが交互に積層されてなる多層膜である。各層の膜厚はλ/4n(λ:レーザ発振波長、n:媒質の屈折率)であり、22周期積層されている。p型上部多層膜反射鏡106の最下層はp型Al0.12Ga0.88As層によって構成されており、最上層はp型Al0.90Ga0.10As層によって構成されている。また、p型コンタクト層107は、p型GaAs層によって構成されている。
ここで、下部スペーサ層102、活性層103及び上部スペーサ層104における屈折率、膜厚、及び、屈折率と膜厚との積で与えられる光学膜厚を下記[表1]に示す。
Figure 2006332623
[表1]に示すように、光学膜厚の総和が所望のレーザ発振波長である850nmとなるようにスペーサ層の膜厚が調整されており、n型下部多層膜反射鏡101とp型上部多層膜反射鏡106との間で1波長分の共振器長を有するレーザ共振器が構成されている。なお、本実施形態のような反射鏡の構成においては、共振器中にできる定在波のエネルギー分布が最大となるのは共振器の中央部であるので、その位置に活性層を配置するために、下部スペーサ層102と上部スペーサ層104との光学膜厚が等しくなるように設定している。
また、図1に示すように、n型下部多層膜反射鏡101の一部、下部スペーサ層102、活性層103、上部スペーサ層104、電流狭窄層105、p型上部多層膜反射鏡106、及びp型コンタクト層107は、メサ状構造体を形成している。メサ状構造体の側面、及びメサ状構造体の周辺部におけるn型下部多層膜反射鏡101の表面上には、SiO2 からなる第1の保護層108、BCBからなる樹脂膜109が下から順に形成されており、樹脂膜109によって半導体レーザ装置の表面は平坦化されている。樹脂膜109の上には、SiO2 からなる第2の保護層110が形成されている。p型コンタクト層107及び第2の保護層110の上には、光出射窓113を有するp側電極112が形成されている。一方、基板100の下側には、n側電極111が形成されている。
n型下部多層膜反射鏡101には、n型不純物としてシリコンが1018cm-3 台の濃度にてドーピングされており、AlGaAs電流狭窄層105a及びp型上部多層膜反射鏡106には、p型不純物としてカーボンが1018cm-3 台の濃度にてドーピングされている。p型コンタクト層107には、p側電極112との接触抵抗を低減する目的で、カーボンが1019cm-3 以上の高い濃度にてドーピングされている。
以下、本発明の半導体レーザ装置の動作について説明する。
p側電極112とn側電極111とに電圧を印加すると、p側電極112から注入された正孔は、電流狭窄層105におけるAlGaAs電流狭窄層105aを通過して活性層103に到達し、n側電極111から注入された電子と活性層103において再結合し発光する。注入電流が閾値電流を超えると、n型下部多層膜反射鏡101及びp型上部多層膜反射鏡106によって構成される共振器によりレーザ発振を生じ、p側電極112の開口部である光出射窓113からレーザ光が出射する。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置における活性層103の周辺での伝導帯のバンドラインナップを示している。
図2に示すように、本実施形態では、上部スペーサ層104が電子に対して障壁となる組成を有するAlGaInPによって構成されており、活性層103と上部スペーサ層104との間におけるバンド不連続量ΔEcが大きいという特徴を有している。具体的には、上部スペーサ層104が従来のAlxGa1-xAs系である場合、量子井戸層103aのGaAsと上部スペーサ層104との間のΔEcは、Al組成xが0.43であるときに最大値の350meVとなる。これに対して、上部スペーサ層104が(AlxGa1-x0.51In0.49P系の場合、量子井戸層103aのGaAsと上部スペーサ層104との間のΔEcは、Al組成xが0.70であるときに最大値の400meVとなる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置においては、下部スペーサ層102側から活性層103に注入された電子に対するヘテロ障壁が大きいため、上部スペーサ層104側への電子のオーバーフローが確実に抑制され、活性層103において高い発光再結合効率が得られる。したがって、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置は、閾値電流が小さく且つ優れた温度特性を有する。
また、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置においては、下部スペーサ層102側から活性層103に注入された電子に対するヘテロ障壁が大きいため、上部スペーサ層104側への電子のオーバーフローが確実に抑制され、上部スペーサ層104の屈折率の変化を小さくすることができる。このため、n型下部多層膜反射鏡101及びp型上部多層膜反射鏡106によって構成される共振器が有する共振波長の設計値からのずれが小さくなることにより、半導体レーザ装置の歩留まり率を向上させることができる。なお、スペーサ層104の屈折率の変化が小さくなるのは、キャリアのオーバーフローが抑制されることにより、半導体レーザ装置の発熱が小さくなってスペーサ層104の温度変化が小さくなったこと、スペーサ層104へのキャリアの拡散が抑制されてスペーサ層104のキャリアによる屈折率変化(プラズマ効果)が抑制されたことなどが原因である。
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法について、図3〜図5を参照しながら説明する。なお、図3〜図5は、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
まず、図3に示すように、有機金属気相成長法、又は分子線エピタキシーなどの結晶成長法を用いて、基板100上にn型下部多層膜反射鏡101、下部スペーサ層102、活性層103、上部スペーサ層104、電流狭窄層105、p型上部多層膜反射鏡106、及びp型コンタクト層107を下からこの順で形成する。
次に、CVD法又はスパッタリング法を用いて、SiO2 膜(図示せず)を基板100上の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法及びドライエッチング法を用いて、当該SiO2 膜を所望のパターン形状に加工する。続いて、加工後のSiO2 膜115をマスクとしたドライエッチング法を用いて、p型コンタクト層107、p型上部多層膜反射鏡106、電流狭窄層105、上部スペーサ層104、活性層103、下部スペーサ層102、及びn型下部多層膜反射鏡101の一部までをエッチング除去することにより、図4に示すメサ状構造体114を形成する。
次に、メサ状構造体114を400℃の水蒸気雰囲気中に約15分間晒すことにより、メサ状構造体114を外周部から酸化する。この時の酸化速度は、メサ状構造体114を構成する各層のAl含有量によって異なるが、Al含有量が大きいほど酸化速度は速くなる。ここで、電流狭窄層105におけるAl含有量は大きく設定されているので、電流狭窄層105がメサ状構造体114におけるその他の層よりも高速に酸化されて、図4に示すように、電流狭窄層105の周縁部には、AlGaAs酸化物層105bが形成される。これにより、該AlGaAs酸化物層105bによって囲まれる領域がAlGaAs電流狭窄層105aとなる。
次に、図5に示すように、メサ状構造体114の表面、メサ状構造体114の側面、及びn型下部多層膜反射鏡101における露出した表面に、SiO2 からなる第1の保護層108を形成する。続いて、第1の保護層108の上に、BCBからなる樹脂膜109を塗布した後、樹脂膜109のうちメサ状構造体114上に存在する部分を露光及び現像し、さらにドライエッチング法による選択的エッチングを行うことにより、メサ状構造体114の上面に存在している第1の保護層108を露出させる。続いて、基板100上の全面を覆うようにSiO2 からなる第2の保護層110を形成する。
次に、メサ状構造体114上における第2の保護層110、第1の保護層108、及びSiO2 膜115をウェットエッチングを用いて除去することによって形成された開口部内に、フォトレジストを用いてマスクを形成する。続いて、p型コンタクト層107にオーミック接触する金属(例えばTi/Pt/Au)を全面に形成した後に、リフトオフ法を用いて、フォトレジスト及びその上部に形成された金属を除去することにより、光出射部113となる開口を有するp側電極112を形成する。
最後に、研磨及びエッチングを用いて、任意の膜厚に調整した基板100の下面に、基板100とオーミック接触する金属(例えばAu、Ge、又はNiよりなる合金)を形成した後に、窒素雰囲気中で約400℃、10分間の熱処理を行うことによって、n側電極111と基板100及びp側電極112とp型コンタクト層107と合金化を行う。
以上のような製造方法により、図1に示した本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置を製造することができる。
なお、本実施形態においては、上部スペーサ層104のみが(Al0.70Ga0.300.51In0.49Pによって構成されている場合について説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、下部スペーサ層102も(Al0.70Ga0.300.51In0.49Pによって構成されていてもよい。このようにすると、下部スペーサ層102と活性層103との間の価電子帯のヘテロ障壁を大きく設定することができる。したがって、活性層に注入された正孔の下部スペーサ層102側へのオーバーフローが確実に抑制されるので、活性層103において高い発光再結合効率が得られ、閾値電流が小さく且つ温度特性に優れた半導体レーザ装置が実現できる。
また、本実施形態においては、上部スペーサ層104がAlGaAsよりも酸化されにくいAlGaInPによって構成されている場合について説明したが、このようにすると、AlGaAs酸化物層105bを形成する工程において、上部スペーサ層104が酸化されにくいという特長を得ることができる。
なお、本実施形態においては、上部スペーサ層104が(AlxGa1-x0.51In0.49Pによって構成される場合について説明したが、AlとGaとの組成の和を0.51よりも大きく且つIn組成を0.49よりも小さくすることにより、以下の効果を得ることができる。すなわち、本実施形態において、上部スペーサ層104以外の層を構成する材料であるAlGaAsはGaAsにほぼ格子整合する材料ではあるが、実際は、AlGaAsの格子定数はGaAsの格子定数よりもわずかに大きく、AlGaAsにおけるAl組成が大きくなる程、AlGaAsの格子定数とGaAsの格子定数との差は大きくなる。特に、面発光型半導体レーザにおいては、反射鏡としてAl組成の高い層が何層も形成されているので、格子定数差による結晶歪みが無視できなくなり、結晶品質の劣化又はデバイス特性の劣化の原因となる。一方、本実施形態においては、上部スペーサ層としてAlGaInPを用いて、In組成を0.49よりも小さく設定することにより、AlGaInPの格子定数をGaAsの格子定数よりも小さくすることができる。これにより、AlGaAsによって構成された層の歪みを補償できるので、半導体レーザ装置10の全体に内包される結晶歪みを低減することができる。
また、本実施形態において、上部スペーサ層104がアンドープである場合について説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、p型にドーピングされていてもよい。上部スペーサ層104をp型にドーピングすることによって半導体レーザ装置10の直列抵抗を低減することができる。この場合、上部スペーサ層104を構成するAlGaInP材料のドーパントとして、Mg又はZnを用いることによってp型伝導が得られる。また、スペーサ層104は活性層103に隣接した層であるので、拡散しにくいMgをドーパントとして用いることが好ましい。また、ドーピング濃度としては、活性層103への拡散が生じずに低抵抗化が可能な1×1017cm-3 以上であって且つ2×1018cm-3 以下とすることが好ましい。
また、本実施形態において、上部スペーサ層104の全体がAlGaInPによって構成されている場合について説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、上部スペーサ層104の一部がAlGaInPによって構成され、残りの部分がAlGaAsによって構成されていても構わない。AlGaInPとAlGaAsとのヘテロ界面付近では、PとAsとの組成が大きく異なるために、PとAsとの相互拡散が生じた領域が生じやすく、活性層103における発光効率の低下が起きる。これに対して、上部スペーサ層104の活性層103側をAlGaAsによって構成することにより、AlGaAsとAlGaInPとの界面から活性層103までの距離を大きく設定することができるので、活性層103における発光効率の低下を抑制することができる。
図6は、上部スペーサ層104の活性層103側をAlGaAsによって構成した場合における伝導帯のバンドラインナップを示している。ここでは、上部スペーサ層104は、活性層103側に形成された膜厚40nmのAlGaAs層117と、電流狭窄層105側に形成された膜厚50nmのAlGaInP層118とによって構成されており、AlGaAs層117及びAlGaInP層118の各膜厚は、上部スペーサ層104の全体の光学膜厚が下部スペーサ層102の光学膜厚と等しくなるように設定している。
図6から明らかなように、上部スペーサ層104を構成する活性層103側のAlGaInP層117が障壁層として機能し、活性層103からの電子のオーバーフローを抑制することが分かる。
(第2の実施の形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置ついて図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態の半導体レーザ装置の断面構造のうち、第1の実施形態の半導体レーザ装置の断面構造と共通する部分は、第1の実施形態における説明と同様である。したがって、以下では、第2の実施形態の半導体レーザ装置の構造うち、第1の実施形態の半導体レーザ装置の構造とは異なる部分について説明することとする。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図を示している。
図7に示すように、本実施形態に係る半導体レーザ装置は、AlGaInPからなる上部スペーサ層104と電流狭窄層105との間に、AlInPからなる緩衝層116が形成されている点で、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置と異なる。
AlGaInP層上に、V族元素が異なるAlGaAs層を結晶成長させる際には、AlGaInP層のGa組成を小さくすることにより、結晶欠陥の少ないAlGaAs層を得ることができる。これは、AlGaInP層におけるGaP成分とAlGaAs層におけるAlAs成分との相互作用が小さくなり、AlGaAs層の形成時にAlAs成分のマイグレーションがより促進されるためである。
図8は、(AlxGa1-x0.51In0.49P 層上にAl0.6Ga0.4As層を形成した場合における結晶欠陥密度のAl組成xに対する依存性を示したものである。
図8に示するように、(AlxGa1-x0.51In0.49P層におけるAlの組成xが大きいほど結晶欠陥密度は小さい。すなわち、Ga0.51In0.49P(x=0)層の上にAl0.6Ga0.4As層を形成した場合には結晶欠陥密度は約2.7×107 個/cm2 であるが、(Al0.30Ga0.700.51In0.49P (x=0.30)層上に形成する場合には結晶欠陥密度は約4.0×106 個/cm2 程度になり、(Al0.70Ga0.300.51In0.49P(x=0.70)層上に形成する場合には結晶欠陥密度は1×105 個/cm2 程度にまで減少していることが分かる。さらに、Al0.51In0.49P(x=1)層の上にAl0.6Ga0.4As層を形成した場合には、結晶欠陥はほとんど観察されず、1平方センチメートル当たり2桁のオーダーである。
本実施形態では、AlGaInPからなる上部スペーサ層104上にAlInPからなる緩衝層116を形成し、その上にAlGaAsからなる電流狭窄層105を形成するため、電流狭窄層105の結晶欠陥を著しく小さくすることができる。
なお、本実施形態では緩衝層116を形成する場合について説明したが、上部スペーサ層104のGa組成を小さくすることにより、AlGaAsからなる電流狭窄層105の結晶欠陥を小さくすることも可能である。但し、前述したように、(AlxGa1-x0.51In0.49P系の材料においてはx=0.70においてΔEcが最大となり、それ以上のAl組成すなわちGa組成が0.30以下となる場合にはΔEcが低下してしまう。このため、本実施形態のように、緩衝層116を配置して、該緩衝層116のGa組成を小さくすることにより、活性層103と上部スペーサ層104との間で大きなΔEcを設定することができると同時に、電流狭窄層105の結晶欠陥を少なくすることができる。
このように、本実施形態に係る半導体レーザ装置は低結晶欠陥を実現できるので、信頼性がに優れている。
(第3の実施の形態)
以下に、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置ついて図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態の半導体レーザ装置の断面構造のうち、第1の実施形態の半導体レーザ装置の断面構造と共通する部分は、第1の実施形態における説明と同様である。したがって、以下では、第3の実施形態の半導体レーザ装置の構造うち、第1の実施形態の半導体レーザ装置の構造とは異なる部分について説明することとする。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図を示している。
図9に示すように、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置では、電流狭窄層105、p型上部多層膜反射鏡106、及びp型コンタクト層107によってメサ状構造体が構成されており、n型下部多層膜反射鏡101の一部、下部スペーサ層102、活性層103、及び上部スペーサ層104はメサ状構造体を構成していない点で、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置と異なっている。
本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法では、前述した図4に示すメサ状構造体114を形成する工程において、ドライエッチング法により除去する層が、p型コンタクト層107、p型上部多層膜反射鏡106、及び電流狭窄層105までであって、n型下部多層膜反射鏡101の一部、下部スペーサ層102、活性層103、及び上部スペーサ層104は除去しない点が第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法と異なっている。すなわち、本実施形態においては、AlGaAsからなるp型コンタクト層107から、p型上部多層膜反射鏡106、及び電流狭窄層105までをエッチングによって除去し、V族材料の異なったAlGaInPからなる上部スペーサ層104が表面に露出した時点でエッチングを停止する。このようにして、電流狭窄層105、p型上部多層膜反射鏡106、及びp型コンタクト層107によって構成されるメサ状構造体を形成することができる。
ここで、V族材料の異なる材料に対しては、同じエッチング条件を用いてもドライエッチングの速度が異なり、ある条件においてはAlGaAsよりもAlGaInPのエッチング速度が小さくなる。したがって、適切なエッチング条件を用いれば、上部スペーサ層104において容易にエッチングを停止することができる。この場合、エッチングの選択比が高いので、上部スペーサ層104の露出面は、平坦なエッチング表面となる。これにより、樹脂膜109を用いて半導体レーザ装置の平坦化が容易となる。また、大口径のウエハにおいてもエッチングの面内ばらつきを小さくすることが可能となる。
なお、本実施形態は、緩衝層116を備えた第2の実施形態の構造の場合であっても適用可能である。この場合には、本実施形態と同様に、上部スペーサ層104を露出させるまでエッチングを行ってメサ状構造を形成してもよいし、緩衝層116を露出させるまでエッチングを行ってメサ状構造を形成することも可能である。
(その他の実施形態)
なお、第1から第3の実施の形態においては、n型GaAsからなる基板100上に、n型下部多層膜反射鏡101、p型上部多層膜反射鏡106、及びp型コンタクト層107を下からこの順に形成し、基板100側をn型とした場合について説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではい。すなわち、p型GaAsからなる基板上に、p型下部多層膜反射鏡、n型上部多層膜反射鏡、及びn型コンタクト層を下からこの順に形成し、基板側をp型にすることも可能である。
また、樹脂膜109の材料としてBCBを用いた場合について説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、樹脂材料として例えばSiLK又はFLARE(登録商標)を用いることも可能である。
また、発振波長が約850nmの半導体レーザ装置である場合について説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。すなわち、各実施形態による効果は発振波長により限定されるものではなく、いかなる波長の半導体レーザ装置においても同様の効果が得られる。特に、発振波長が短波長となるほど活性層のバンドギャップを大きくする必要があり、この場合、スペーサ層とのバンド不連続量ΔEcは小さくなるため、ΔEcを大きく設定することができる本発明の効果は、発振波長が短波長であるほどより顕著なものとなる。
本発明に係る半導体レーザ装置は温度特性に優れ、光記録や光通信などの光源として有用である。特に、高温での動作が要求される自動車内などの環境において利用価値が高い。
本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の活性層周辺における伝導帯のバンドラインナップを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係る半導体レーザ装置の活性層周辺における伝導帯のバンドラインナップを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図である。 (AlxGa1-x0.51In0.49P層上にAl0.6Ga0.4As層を形成した場合における結晶欠陥密度のAl組成xに対する依存性を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図である。 従来の面発光型半導体レーザの構造を示す断面図である。
符号の説明
10 半導体レーザ装置
100 基板
101 n型下部多層膜反射鏡
102 下部スペーサ層
103 活性層
103a 量子井戸層
103b 光ガイド層
104 上部スペーサ層
105 電流狭窄層
105a AlGaAs電流狭窄層
105b AlGaAs酸化物層
106 p型上部多層膜反射鏡
107 p型コンタクト層
108 第1の保護層
109 樹脂膜
110 第2の保護層
111 n側電極
112 p側電極
113 光出射窓
114 メサ状構造体
115 SiO2
116 緩衝層
117 AlGaAs層
118 AlGaInP層
801 n型半導体基板
802 n型ミラー
803a アンドープスペーサ層
803b アンドープスペーサ層
804 活性層
805 p型AlAs層
805a p型AlAs層の酸化領域
805b p型AlAs層の非酸化領域
806 p型ミラー
807 p型GaAs層
808 n側電極
809 コンタクト電極
810 層間絶縁膜
811 配線電極
812 開口部
813 ポスト構造

Claims (15)

  1. 基板上に形成されたAlGaAs層を含む活性層と、
    前記活性層の上方及び下方のうちの少なくとも一方に形成されたAlaGabIn1-a-bP(但し、0≦a≦1,0≦b≦1,0≦a+b≦1である。)層とを備え、
    前記AlaGabIn1-a-bP層は、前記活性層に注入される電子の障壁層として機能する組成を有していることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記基板は第1導電型であり、
    前記活性層の上方に形成された第2導電型の第1の反射鏡と、
    前記活性層の下方に形成された第1導電型の第2の反射鏡とをさらに備え、
    前記AlaGabIn1-a-bP層は、前記第1の反射鏡と前記活性層との間、及び前記第2の反射鏡と前記活性層との間のうちの少なくとも一方に介在していることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記第1の反射鏡と前記活性層との間に形成された第1のスペーサ層と、
    前記第2の反射鏡と前記活性層との間に形成された第2のスペーサ層とをさらに備え、
    前記第1のスペーサ層及び前記第2のスペーサ層の各々の膜厚は、所望のレーザ発振波長が得られるような膜厚を有していることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記AlaGabIn1-a-bP層は、前記第1のスペーサ層及び前記第2のスペーサ層のうちの少なくとも一方における一部の層を構成していることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記第1の反射鏡における少なくとも一部の層は、AlGaAs層であり、
    前記AlaGabIn1-a-bP層におけるアルミニウムの組成比aは、0.15よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記第1の反射鏡における少なくとも一部の層は、AlGaAs層であり、
    前記AlaGabIn1-a-bP層と前記AlGaAs層との間に形成されたAlcGadIn1-c-dP(但し、0≦c≦1,0≦d≦1,0≦c+d≦1である。)層よりなる緩衝層をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記AlaGabIn1-a-bP層におけるインジウムの組成比aは、0.49以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記AlaGabIn1-a-bP層は、Mgがドーピングされていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記AlaGabIn1-a-bP層は、Si又はSeがドーピングされていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  10. 前記AlaGabIn1-a-bP層のドーピング濃度は、1×1017cm-3 以上であって且つ2×1018cm-3 以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  11. 前記第1のスペーサ層及び前記第2のスペーサ層の各々は、少なくとも2層よりなり、
    前記第1のスペーサ層及び前記第2のスペーサ層の各々における前記活性層側の一方の層が、AlGaAs層であり、
    前記第1のスペーサ層及び前記第2のスペーサ層の各々における他方の層が、前記AlaGabIn1-a-bP層であることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ装置。
  12. 前記第1の反射鏡の少なくとも一部、前記第1のスペーサ層、前記活性層、前記第2のスペーサ層、及び前記第2の反射鏡によって構成されるメサ状構造を有していることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ装置。
  13. 前記第1の反射鏡における少なくとも一部の層は、AlGaAs層であり、
    前記AlaGabIn1-a-bP層よりも上に存在する層によって構成されるメサ状構造を有しており、
    前記メサ状構造における底部の縁部近傍には、前記AlaGabIn1-a-bP層の表面が露出していることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ装置。
  14. 前記メサ状構造には、電流狭窄領域として機能する、選択的に酸化された領域又はプロトンが注入された領域が含まれていることを特徴とする請求項12又は13に記載の半導体レーザ装置。
  15. 前記メサ状構造の側面に接して形成された第1の保護層と、
    前記第2の保護層に接して形成された樹脂膜と、
    前記樹脂膜の上に接して形成された第2の保護層と、
    前記メサ状構造の上部の一部を覆うと共に前記メサ状構造の表面の一部を露出する開口部を有する電極とをさらに備えていることを特徴とする請求項12〜14に記載の半導体レーザ装置。
JP2006120132A 2005-04-27 2006-04-25 半導体レーザ装置 Pending JP2006332623A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006120132A JP2006332623A (ja) 2005-04-27 2006-04-25 半導体レーザ装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005129300 2005-04-27
JP2006120132A JP2006332623A (ja) 2005-04-27 2006-04-25 半導体レーザ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006332623A true JP2006332623A (ja) 2006-12-07

Family

ID=37553935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006120132A Pending JP2006332623A (ja) 2005-04-27 2006-04-25 半導体レーザ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006332623A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009004497A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Sharp Corp 半導体発光素子およびその製造方法
WO2009047901A1 (ja) * 2007-10-11 2009-04-16 Nec Corporation 面発光レーザ
JP2010245502A (ja) * 2009-03-18 2010-10-28 Ricoh Co Ltd 面発光レーザ、面発光レーザアレイ、光走査装置及び画像形成装置
US8699540B2 (en) 2006-02-03 2014-04-15 Ricoh Company, Ltd. Surface-emitting laser device and surface-emitting laser array including same
JP2020017573A (ja) * 2018-07-23 2020-01-30 住友電気工業株式会社 垂直共振型面発光レーザ

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05218582A (ja) * 1992-01-31 1993-08-27 Toshiba Corp 半導体発光素子
JPH0870162A (ja) * 1994-02-25 1996-03-12 Mitsui Petrochem Ind Ltd 半導体レーザ素子
JPH11224965A (ja) * 1998-02-04 1999-08-17 Mitsui Chem Inc 面発光レーザ装置
JP2003017813A (ja) * 2000-10-04 2003-01-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ装置
JP2004088054A (ja) * 2002-01-17 2004-03-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii−v族化合物半導体装置及びその製造方法
JP2004235190A (ja) * 2003-01-28 2004-08-19 Sony Corp 光半導体装置
JP2005085836A (ja) * 2003-09-05 2005-03-31 Sony Corp 面発光半導体レーザ素子及びその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05218582A (ja) * 1992-01-31 1993-08-27 Toshiba Corp 半導体発光素子
JPH0870162A (ja) * 1994-02-25 1996-03-12 Mitsui Petrochem Ind Ltd 半導体レーザ素子
JPH11224965A (ja) * 1998-02-04 1999-08-17 Mitsui Chem Inc 面発光レーザ装置
JP2003017813A (ja) * 2000-10-04 2003-01-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体レーザ装置
JP2004088054A (ja) * 2002-01-17 2004-03-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd Iii−v族化合物半導体装置及びその製造方法
JP2004235190A (ja) * 2003-01-28 2004-08-19 Sony Corp 光半導体装置
JP2005085836A (ja) * 2003-09-05 2005-03-31 Sony Corp 面発光半導体レーザ素子及びその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8699540B2 (en) 2006-02-03 2014-04-15 Ricoh Company, Ltd. Surface-emitting laser device and surface-emitting laser array including same
JP2009004497A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Sharp Corp 半導体発光素子およびその製造方法
WO2009047901A1 (ja) * 2007-10-11 2009-04-16 Nec Corporation 面発光レーザ
JP5392087B2 (ja) * 2007-10-11 2014-01-22 日本電気株式会社 面発光レーザ
JP2010245502A (ja) * 2009-03-18 2010-10-28 Ricoh Co Ltd 面発光レーザ、面発光レーザアレイ、光走査装置及び画像形成装置
US8599233B2 (en) 2009-03-18 2013-12-03 Ricoh Company, Ltd. Vertical cavity surface emitting laser element, vertical cavity surface emitting laser array, optical scanning device, and image forming apparatus
JP2020017573A (ja) * 2018-07-23 2020-01-30 住友電気工業株式会社 垂直共振型面発光レーザ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3586293B2 (ja) 半導体発光素子
JP2003174197A (ja) 発光素子及び発光素子の製造方法
US7881358B2 (en) Surface emitting laser
US20150188289A1 (en) Surface-emitting laser, surface-emitting laser array, display apparatus including the surface-emitting laser array as a light source, printer head, and printer
JP3872398B2 (ja) 発光素子の製造方法及び発光素子
US7436874B2 (en) Laser device
JP2010080571A (ja) 面発光レーザ及びその製造方法
JP2010027697A (ja) 面発光半導体レーザ
JP2002134835A (ja) トンネル接合面発光レーザ
JP2006332623A (ja) 半導体レーザ装置
WO2020121794A1 (ja) 窒化物系半導体発光素子及びその製造方法、並びに、窒化物系半導体結晶の製造方法
JP4592873B2 (ja) 面発光半導体レーザ素子
US7391798B2 (en) Semiconductor laser device
JP2011249557A (ja) 垂直共振器型面発光レーザ、それを用いた画像形成装置
EP1207598B1 (en) Surface emitting semiconductor laser
JP2007087994A (ja) 面発光半導体レーザ素子
JP4548329B2 (ja) 面発光型半導体レーザ
JP2005235798A (ja) 発光ダイオード用エピタキシャルウェハ及び発光ダイオード
US20070127533A1 (en) Long-wavelength vertical cavity surface emitting lasers having oxide aperture and method for manufacturing the same
WO2021177036A1 (ja) 面発光レーザ
JP2001148540A (ja) 半導体発光素子
JP2006019470A (ja) 面発光半導体レーザおよび光モジュール
JP2002217492A (ja) 面発光半導体レーザ装置及びその製造方法
JP2007150075A (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2007311617A (ja) 半導体装置およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20090316

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Written amendment

Effective date: 20110516

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20110823

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02