JPH11224965A - 面発光レーザ装置 - Google Patents

面発光レーザ装置

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JPH11224965A
JPH11224965A JP2353198A JP2353198A JPH11224965A JP H11224965 A JPH11224965 A JP H11224965A JP 2353198 A JP2353198 A JP 2353198A JP 2353198 A JP2353198 A JP 2353198A JP H11224965 A JPH11224965 A JP H11224965A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波層の電気抵抗や熱抵抗を低減化し、高
い光出力が得られる面発光レーザ装置を提供する。 【解決手段】 面発光レーザ装置は、GaAs基板27
の上に順次、多層膜ミラーで形成されたミラー層26、
活性領域、多層膜ミラーで形成されたミラー層21が形
成され、ミラー層21、26が層厚方向に沿った光軸を
持つ光共振器を構成する。活性領域は、下から順次、A
lGaAs光導波層25、AlGaAsキャリアブロッ
ク層31、AlGaAsバリア層およびGaAs井戸層
から成る4重量子井戸層で構成された活性層30、Al
GaAsキャリアブロック層29、AlGaAs第1光
導波層24、AlAs層およびAlAs酸化層を含む電
流狭窄層23、AlGaAsから成る第2光導波層22
で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信や計測などで
好適に用いられ、特に多チャンネル光通信システムに好
適な面発光レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像情報などの大量の情報を高速に伝
送、処理する技術として、二次元集積光デバイスを用い
た並列情報処理システムが盛んに研究されている。こう
したシステムにおいて、二次元配列が可能な面発光レー
ザ装置が特に重要である。
【0003】図2は、従来の面発光レーザ装置の一例を
示す構成図である。この面発光レーザ装置は、論文(IEE
E PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS,vol.9 No.3,p280 )に
記載されており、GaAsから成る基板5の上に順次、
ミラー層4、活性領域3、ミラー層2がMOCVD(有
機金属化学気相成長法)などを用いて形成され、ミラー
層2、4が層厚方向に沿った光軸を持つ光共振器を構成
しており、ミラー層2から基板5の法線方向にレーザ光
を放射する。
【0004】下側のミラー層4は、AlAs層とAlG
aAs層を1ペアとして34.5ペアの多層膜ミラーで
構成される。上側のミラー層2は、AlAs層とAlG
aAs層を1ペアとして20ペアの多層膜ミラーで構成
される。活性領域3は、InGaAsから成る量子井戸
層を含む。
【0005】活性領域3およびミラー層2は、発光領域
を限定し電流狭窄を行うために、ドライエッチングを用
いて円柱状に加工されており、これらの周囲にはポリイ
ミドから成る電流狭窄層7が充填されている。電流狭窄
層7の上面およびミラー層2の上面周囲にはリング状の
電極1が形成される。また、基板5の下面にも電極6が
形成される。
【0006】次に動作を説明する。電極1と電極6の間
に電圧を印加すると、ミラー層2、活性領域3、ミラー
層4および基板5という電流経路が形成され、電子やホ
ールがキャリアとして活性領域3に注入され、キャリア
再結合によって光を輻射する。さらに、注入電流量を増
加させていくと誘導放射が始まり、やがて光共振器を構
成するミラー層2、4の間でレーザ発振が始まる。レー
ザ光は、ミラー層2から外部に出力され、外部からは基
板5の法線方向に発光ビームが得られる面発光レーザ装
置として機能する。図2の構成で、出力数mWのレーザ
光が得られている。
【0007】図3は、面発光レーザアレイの一例を示す
平面図である。このレーザアレイは既に市販されている
製品であり(雑誌「光アライアンス」 1995.6 p43 )、
基板8の上に複数の面発光レーザ素子9が縦横8行×8
列のマトリクス配置で形成されており、各面発光レーザ
素子9に電流を個別に供給する個別電極8aが外側に向
かって引き出されている。基板8の裏面には共通電極が
形成される。素子間ピッチは250μmで、1つの素子
から1mW程度の光出力が得られ、閾値電流は5mA以
下である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】面発光レーザは、アレ
イ集積度の向上および閾値電流の低減化のために、共振
器の直径を数十μm以下に設定するのが一般的である。
ところが、共振器の直径をあまり小さくすると、電流お
よび光の損失が増加してしまい閾値電流が期待どおりに
下がらない。この原因として、円柱状に加工されたミラ
ー層2の側面において非発光再結合により電流が消費さ
れてしまう点や加工誤差によって光の散乱が発生する点
が考えられる。こうした対策として、電流狭窄層を薄い
層状に形成した構造が提案されている。
【0009】図4は、従来の面発光レーザ装置の他の例
を示す構成図である。この面発光レーザ装置は、基板1
6の上に順次、ミラー層15、半導体層18、19から
成る活性領域、ミラー層12が形成され、多層膜ミラー
で構成されたミラー層12、15が層厚方向に沿った光
軸を持つ光共振器を構成する。活性層は半導体層18、
19の間に形成される。
【0010】活性領域の近傍にはAlAs層13が形成
されており、各層を積層し、活性領域およびミラー層1
2をドライエッチングで円柱状に加工した後、水蒸気中
でアニールすることによってAlAs層13が外側から
酸化され、円環状のAlAs酸化層が形成される。こう
した酸化の程度を制御することによって、AlAs酸化
層の内径を所望の寸法に制御できる。中央のAlAs層
は導電性で、周囲のAlAs酸化層は電気絶縁性となる
ため、AlAs層13を通過する電流は中央部に集中す
ることになる。さらに、AlAs酸化層はAlAs層よ
りも屈折率が低くなるため、屈折率分布型レンズと同様
な機能を果たし、光軸に沿って進行する光が光軸付近に
集光されるようになり、ミラー層12の側面における損
失が軽減される。この結果、図4の素子において3mW
以上の光出力が得られ、閾値電流も1mA以下となっ
た。
【0011】しかしながら、レーザの高出力化は熱飽和
によって制限される。熱飽和とは、レーザ発振に伴って
発生するジュール熱やその他の損失に起因して、素子温
度が上昇し、これによって活性層の利得が低下して発振
が維持できなくなる現象であり、素子の電気抵抗や熱抵
抗が高くなるほど顕著になる。
【0012】面発光レーザにおける活性領域では、通常
の端面発光型レーザと同様に、分離閉じ込めヘテロ構造
(SCH:seperate confinement heterostrucure)が一
般に採用されている。SCH構造では、活性層の近傍に
キャリアを閉じ込めるために、充分大きな禁制帯幅を有
する半導体層を形成している。
【0013】図4の面発光レーザをたとえばAlGaA
s系材料で構成した場合、同系材料ではAl組成が増加
するにつれて禁制帯幅も増加するため、半導体層18、
19はAl組成0.3〜0.5のAlGaAsで形成す
ることによって、活性層両側の禁制帯幅を大きくしてい
る。ところが、AlGaAs系材料では禁制帯幅の増加
とともに、電気抵抗や熱抵抗も増加する傾向にある。し
たがって、活性層へのキャリア閉じ込め効果を高めよう
とすると、電気抵抗や熱抵抗も増加してしまい、ジュー
ル熱の発生や活性層の温度上昇をもたらし、熱飽和によ
るレーザ利得やレーザ出力の低下を引き起こす結果とな
る。
【0014】本発明の目的は、光導波層の電気抵抗や熱
抵抗を低減化し、高い光出力が得られる面発光レーザ装
置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、活性層と、活
性層の両面側に設けられ、該活性層の禁制帯幅以上の禁
制帯幅を有する一対の光導波層と、活性層と少なくとも
一方の光導波層との間に設けられ、該活性層および該光
導波層の各禁制帯幅以上の禁制帯幅を有するキャリアブ
ロック層と、活性層、光導波層およびキャリアブロック
層を挟むように両面側に設けられ、層厚方向に沿って共
振器光軸を形成するための1対のミラー層と、キャリア
ブロック層と活性層の反対側に位置するミラー層との間
に設けられ、共振器光軸付近に電流を集中させるための
電流狭窄層とを備えることを特徴とする面発光レーザ装
置である。
【0016】本発明に従えば、活性層と光導波層との間
に位置するキャリアブロック層が活性層へのキャリア閉
じ込め機能を果たすようになる。そのため、光導波層に
よるキャリア閉じ込め機能をあまり考慮せずに、光導波
層の組成や寸法を設計することが可能となる。したがっ
て、電気抵抗や熱抵抗を低減化した光導波層を採用で
き、熱特性に優れ、高出力、高信頼性の面発光レーザを
実現できる。たとえばAlGaAs系材料で半導体レー
ザを製作する場合、光導波層のAl組成を低く形成する
ことによって、電気抵抗や熱抵抗を低減化できる。
【0017】さらに、キャリアブロック層と活性層の反
対側に位置するミラー層との間に電流狭窄層を設けてい
るため、共振器光軸付近に電流を集中させることが可能
になり、レーザ利得の向上や閾値電流の低減化が図られ
る。また、電流狭窄層に近接する光導波層は、電流通路
面積が小さくなるため、光導波層の電気抵抗率は出来る
限り低いほうが好ましい。本発明ではキャリアブロック
層を設けることによって、電流狭窄層近接の光導波層を
電気抵抗率の低い半導体材料で形成できるようになる。
【0018】また、基板側の光導波層の熱抵抗が低減化
することによって、電流狭窄層近傍で発生した熱が基板
側に円滑に伝達されるため、活性層の熱飽和を抑制でき
る。
【0019】また本発明は、前記電流狭窄層は、光導波
層の内部または光導波層に隣接して設けられたAlAs
酸化層で形成されることを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、AlAsはAlGaAs
系材料との格子整合性が高く、しかも水蒸気雰囲気での
高温処理によって容易に酸化される。得られたAlAs
酸化層は、AlAs層と比べて格段に電気抵抗が高くな
るため、中央部をAlAs層、その周囲をAlAs酸化
層で形成することによって、電流狭窄層を通過する電流
は共振器光軸付近に効率的に集中するようになる。
【0021】また本発明は、電流狭窄層に近接した光導
波層はGaAsで形成されていることを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、電流狭窄層に近接した光
導波層をGaAsで形成することによって、この光導波
層の電気抵抗および熱抵抗をより低く設定できる。Al
GaAs系材料において、Al組成が増加するにつれて
禁制帯幅、電気抵抗および熱抵抗が増加する傾向にあ
る。したがって、GaAsはAlGaAs系材料のAl
組成をゼロにしたことに相当するため、同材料において
電気抵抗および熱抵抗が最も低い数値になる。
【0023】たとえばInGaAs歪量子井戸を用いた
発振波長980nmの半導体レーザでは、電流狭窄層に
近接した光導波層を従来のAlGaAsではなくGaA
sで形成することが可能であり、電気抵抗や熱抵抗の低
減によって高出力レーザを実現できる。
【0024】また本発明は、キャリアブロック層が活性
層と両方の光導波層との間にそれぞれ設けられることを
特徴とする。
【0025】本発明に従えば、キャリアブロック層を活
性層と両方の光導波層との間にそれぞれ設けることによ
って、活性層へのキャリア閉じ込め機能をより効率的に
発揮することができる。
【0026】また本発明は、キャリアブロック層の層厚
が50nm以下であることを特徴とする。
【0027】本発明に従えば、活性層に存在するキャリ
アがトンネル効果によって漏出しないように、キャリア
ブロック層はある程度厚みが必要になるが、あまり厚く
するとキャリア注入効率や光の浸み出し効率が低下する
ため、50nm以下の層厚が好ましい。
【0028】また本発明は、キャリアブロック層の層厚
が5nm以上であることを特徴とする。
【0029】本発明に従えば、活性層に存在するキャリ
アがトンネル効果によって漏出しないように、キャリア
ブロック層はある程度厚みが必要になるが、あまり薄く
し過ぎると、キャリアブロック層のバンドピークが緩和
されるバンドベンディング現象やトンネル効果によるキ
ャリア漏出が生じて、キャリアブロック機能が低下する
ため、5nm以上の層厚が好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1(a)は本
発明の第1実施形態を示す構成図であり、図1(b)は
平面図である。面発光レーザ装置は、GaAsから成る
基板27の上に順次、下側のミラー層26、活性領域、
上側のミラー層21がMOCVD(有機金属化学気相成
長法)などを用いて形成され、ミラー層21、26が層
厚方向に沿った光軸を持つ光共振器を構成しており、ミ
ラー層21から基板27の法線方向にレーザ光を放射す
る。
【0031】各ミラー層21、26は、AlAs層とA
lGaAs層とが交互に積層された多層膜ミラーで形成
される。
【0032】活性領域は、下から順次、Al0.20Ga
0.80Asから成る下側光導波層25、Al0.50Ga0.50
Asから成るキャリアブロック層31(厚さ15n
m)、Al0.20Ga0.80Asのバリア層およびGaAs
の井戸層から成る4重量子井戸層で構成された活性層3
0、Al0.50Ga0.50Asから成るキャリアブロック層
29(厚さ15nm)、Al0.20Ga0.80Asから成る
上側第1光導波層24、AlAs層およびAlAs酸化
層を含む電流狭窄層23(厚さ20nm)、Al0.20
0.80Asから成る上側第2光導波層22で構成され
る。
【0033】下側光導波層25、上側第1光導波層2
4、上側第2光導波層22の厚さは、活性領域全体の厚
さが発振波長λと一致するように適宜設定され、光共振
器の縦モード条件を満足させている。
【0034】各層の導電型に関して、活性層30から下
側光導波層25までの各層をn型にすると、活性層30
から上側第2光導波層22までの各層をp型とし、逆に
前者をp型にすると後者はn型とする。
【0035】こうした活性領域およびミラー層21は、
発光領域を限定し電流狭窄を行うために、各層の積層後
に塩素反応性エッチングを用いて円柱状に加工される。
活性領域の直径(約25μm)はミラー層21の直径
(約20μm)より大きく形成され、その段差面にリン
グ状の電極28が形成される。もう一方の電極32は基
板27の上に形成され、電極28と電極32の間に電流
を供給することによって活性領域にキャリアが注入され
る。
【0036】AlGaAs系材料はAl組成が増加する
につれて禁制帯幅も増加する傾向がある。本実施形態で
は、活性層30の禁制帯幅よりも光導波層22、24、
25の禁制帯幅の方が大きく、さらに光導波層22、2
4、25よりもキャリアブロック層29、31の禁制帯
幅の方が大きくなる。
【0037】電流狭窄層23は、各層の積層工程におい
てAlAs層23aで形成しておいて、活性領域および
ミラー層21のエッチング工程の後に、水蒸気雰囲気中
で約400度で高温処理することによってAlAs層2
3aが外側から酸化され、図1(b)に示すように、円
環状のAlAs酸化層23bが形成される。こうした酸
化の程度を制御することによって、AlAs酸化層23
bの内径を所望の寸法に制御できる。中央のAlAs層
23aは導電性で、周囲のAlAs酸化層23bは電気
絶縁性となるため、電流狭窄層23を通過する電流は中
央部のAlAs層23aに集中することになる。
【0038】次に動作を説明する。電極28と電極32
の間に電圧を印加すると、上側第2光導波層22、電流
狭窄層23、上側第1光導波層24、キャリアブロック
層29、活性層30、キャリアブロック層31、下側光
導波層25という電流経路が形成され、電子やホールが
キャリアとして活性層30に注入され、キャリア再結合
によって光を輻射する。活性層30内のキャリアは、キ
ャリアブロック層29、31の存在によって活性層30
内に閉じ込められるため、再結合効率が向上する。
【0039】さらに、注入電流量を増加させていくと誘
導放射が始まり、やがて光共振器を構成するミラー層2
1、26の間でレーザ発振が始まる。レーザ光は、ミラ
ー層21から外部に出力され、外部からは基板27の法
線方向に発光ビームが得られる面発光レーザ装置として
機能する。
【0040】本実施形態では、キャリアブロック層2
9、31を設けたことによって、各光導波層22、2
4、25のAl組成を0.20と大幅に低くできるた
め、全体の電気抵抗および熱抵抗が格段に小さくなる。
【0041】(第2実施形態)第2実施形態の構造は、
図1のものと同様であるが、層材料が相違する。図1を
参照して、面発光レーザ装置は、GaAsから成る基板
27の上に順次、下側のミラー層26、活性領域、上側
のミラー層21がMOCVD(有機金属化学気相成長
法)などを用いて形成され、ミラー層21、26が層厚
方向に沿った光軸を持つ光共振器を構成しており、ミラ
ー層21から基板27の法線方向にレーザ光を放射す
る。
【0042】各ミラー層21、26は、AlAs層とA
lGaAs層とが交互に積層された多層膜ミラーで形成
される。
【0043】活性領域は、下から順次、GaAsから成
る下側光導波層25、Al0.30Ga0.70Asから成るキ
ャリアブロック層31(厚さ25nm)、GaAsのバ
リア層およびInGaAsの井戸層から成る2重量子井
戸層で構成された活性層30、Al0.30Ga0.70Asか
ら成るキャリアブロック層29(厚さ25nm)、Ga
Asから成る上側第1光導波層24、AlAs層および
AlAs酸化層を含む電流狭窄層23(厚さ20n
m)、GaAsから成る上側第2光導波層22で構成さ
れる。
【0044】下側光導波層25、上側第1光導波層2
4、上側第2光導波層22の厚さは、活性領域全体の厚
さが発振波長λと一致するように適宜設定され、光共振
器の縦モード条件を満足させている。
【0045】電流狭窄層23は、各層の積層工程におい
てAlAs層23aで形成しておいて、活性領域および
ミラー層21のエッチング工程の後に、水蒸気雰囲気中
で約400度で高温処理することによってAlAs層2
3aが外側から酸化され、図1(b)に示すように、円
環状のAlAs酸化層23bが形成される。
【0046】本実施形態では、キャリアブロック層2
9、31を設けたことによって、各光導波層22、2
4、25をAl組成がゼロであるGaAsで形成できる
ため、全体の電気抵抗および熱抵抗がより小さくなる。
【0047】以上の説明では、AlGaAs系半導体材
料を使用した例を示したが、禁制帯幅と電気抵抗および
熱抵抗との関係が同様であるP(リン)系、GaN系等
の半導体材料も使用可能である。
【0048】また、活性領域に関しても、GaAsやI
nGaAsから成る量子井戸層に限らず、他の材料、た
とえばInGaAsP、GaNを用いた量子井戸層や、
量子井戸でない通常のダブルヘテロ構造でも本発明は適
用可能である。
【0049】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、活
性層と光導波層との間に位置するキャリアブロック層が
活性層へのキャリア閉じ込め機能を果たすようになるた
め、電気抵抗や熱抵抗を低減化した光導波層を採用で
き、熱特性に優れ、高出力、高信頼性の面発光レーザを
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施形態を示す構成
図であり、図1(b)は平面図である。
【図2】従来の面発光レーザ装置の一例を示す構成図で
ある。
【図3】面発光レーザアレイの一例を示す平面図であ
る。
【図4】従来の面発光レーザ装置の他の例を示す構成図
である。
【符号の説明】
21、26 ミラー層 22 上側第2光導波層 23 電流狭窄層 24 上側第1光導波層 25 下側光導波層 27 基板 28、32 電極 29、31 キャリアブロック層 30 活性層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層と、 活性層の両面側に設けられ、該活性層の禁制帯幅以上の
    禁制帯幅を有する一対の光導波層と、 活性層と少なくとも一方の光導波層との間に設けられ、
    該活性層および該光導波層の各禁制帯幅以上の禁制帯幅
    を有するキャリアブロック層と、 活性層、光導波層およびキャリアブロック層を挟むよう
    に両面側に設けられ、層厚方向に沿って共振器光軸を形
    成するための1対のミラー層と、 キャリアブロック層と活性層の反対側に位置するミラー
    層との間に設けられ、共振器光軸付近に電流を集中させ
    るための電流狭窄層とを備えることを特徴とする面発光
    レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記電流狭窄層は、光導波層の内部また
    は光導波層に隣接して設けられたAlAs酸化層で形成
    されることを特徴とする請求項1記載の面発光レーザ装
    置。
  3. 【請求項3】 電流狭窄層に近接した光導波層はGaA
    sで形成されていることを特徴とする請求項1または2
    記載の面発光レーザ装置。
  4. 【請求項4】 キャリアブロック層が活性層と両方の光
    導波層との間にそれぞれ設けられることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の面発光レーザ装置。
  5. 【請求項5】 キャリアブロック層の層厚が50nm以
    下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の面発光レーザ装置。
  6. 【請求項6】 キャリアブロック層の層厚が5nm以上
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の面発光レーザ装置。
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