JP2006332293A - 配線基板と電極部品との接合方法及びインクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】確実で信頼性の高い導通を、簡単且つ少ない製造ステップで確保することができる配線基板と電極部品との接合方法及びインクジェットヘッドの製造方法を提供すること。
【解決手段】電極16から印加された駆動信号によりインク室内のインクに吐出エネルギーを付与してインクを吐出するヘッドチップ1と、前記電極16に駆動信号を印加するための配線基板3とを電気的に接続する際、前記配線基板3上の配線33を導電性ペーストを用いてパターニングし、該パターニングされた導電性ペーストによる配線33と前記ヘッドチップ1の電極16とを位置合わせして密着させた後、前記導電性ペーストを硬化させる。
【選択図】 図7
【解決手段】電極16から印加された駆動信号によりインク室内のインクに吐出エネルギーを付与してインクを吐出するヘッドチップ1と、前記電極16に駆動信号を印加するための配線基板3とを電気的に接続する際、前記配線基板3上の配線33を導電性ペーストを用いてパターニングし、該パターニングされた導電性ペーストによる配線33と前記ヘッドチップ1の電極16とを位置合わせして密着させた後、前記導電性ペーストを硬化させる。
【選択図】 図7
Description
本発明は、配線基板と電極部品との接合方法及びインクジェットヘッドの製造方法に関し、詳しくは、配線基板の配線と電極部品の電極との電気的接続を簡単且つ信頼性高く行うことができる配線基板と電極部品との接合方法及びインクジェットヘッドの製造方法に関する。
多数配列されたチャネル内のインクをノズルから吐出するインクジェットヘッドは、チャネルが形成されたヘッドチップに電極を設け、この電極に配線基板の配線を電気的に接続することで、駆動回路からの駆動信号を配線基板の配線及び電極を介してチャネルに付与するようになっている。
従来、このヘッドチップのような電極部品と配線基板との接続には、ヘッドチップに電極を形成し、更に配線基板にも配線を形成した上で、両者間に絶縁接着剤を塗布して加圧接着したり、異方性導電フィルムや異方性導電ペーストを用いて接続したりしていた。このとき、各電極や各配線は、蒸着やエッチングによりパターニングして形成したり、導電性ペーストを用いてパターニングした後焼成することで形成し、その後に両者を位置合わせして接合していた。
特開平11−227191号公報
特開2004−160966号公報
特開2004−304025号公報
各電極や各配線をパターニング後に焼成等して形成した上で、それらを位置合わせして接続、接着することは、パターニング、焼成、位置合わせ、接着の各ステップを経ることとなり、製造ステップが多く、コスト高の要因となる。
また、電極と配線とを電気的に接続する際は、両者が確実に接触することで導通を確保する必要がある。しかし、導電性ペーストをパターニング後に焼成して形成した配線は、焼成後の収縮度合いのばらつきによって配線毎に膜厚が微妙に相違し、これが原因で電極との間で導通のばらつきが生じるおそれがある。このため、通常、図9に示すように、電極部品300に形成された電極301と配線基板400に形成された配線401とを電気的に接続させる場合、配線401の表面の一部に予めバンプ402を形成しておき、接合時に電極301と配線401とが確実に接触し得るようにしている。しかし、電極301と配線401とはバンプ402を介した点接触となるため、一定レベル以上の導通の信頼性を確保するには、両者の接合時の加圧力や接着剤(図9では図示省略)の塗布厚等の細かな調整が必要であった。
特に、ヘッドチップに形成した電極と配線基板の配線とを電気的に接続させるインクジェットヘッドの製造においては、近年、チャネル数がますます高密度化し、それに伴って電極及び配線もますます細密化してきている。このため、各電極と各配線との確実な導通を信頼性高く確保することに細心の注意を払う必要があり、それが製造コストを高騰させる要因ともなっていた。
そこで、本発明は、確実で信頼性の高い導通を、簡単且つ少ない製造ステップで確保することができる配線基板と電極部品との接合方法及びインクジェットヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、基板表面に配線を形成した配線基板の配線と部品表面に電極を形成した電極部品の電極とを電気的に接続する配線基板と電極部品との接合方法であって、前記配線基板上の配線を導電性ペーストを用いてパターニングし、該パターニングされた導電性ペーストによる配線と前記電極部品の電極とを位置合わせして密着させた後、前記導電性ペーストを硬化させることを特徴とする配線基板と電極部品との接合方法である。
請求項2記載の発明は、前記配線基板上の配線を導電性ペーストを用いてパターニングする際、前記電極部品の電極と接合される部位を他の部位よりも細く形成することを特徴とする請求項1記載の配線基板と電極部品との接合方法である。
請求項3記載の発明は、前記配線基板と前記電極部品とを接合する前又は後に、前記配線間に絶縁接着剤を配することを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板と電極部品との接合方法である。
請求項4記載の発明は、前記電極部品上の電極を導電性ペーストを用いてパターニングし、前記パターニングされた導電性ペーストによる配線と前記パターニングされた導電性ペーストによる電極とを位置合わせして密着させた後、両導電性ペーストを硬化させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の配線基板と電極部品との接合方法である。
請求項5記載の発明は、電極から印加された駆動信号によりインク室内のインクに吐出エネルギーを付与してインクを吐出するヘッドチップと、前記電極に駆動信号を印加するための配線基板とを電気的に接続するインクジェットヘッドの製造方法であって、前記配線基板上の配線を導電性ペーストを用いてパターニングし、該パターニングされた導電性ペーストによる配線と前記ヘッドチップの電極とを位置合わせして密着させた後、前記導電性ペーストを硬化させることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項6記載の発明は、前記配線基板上の配線を導電性ペーストを用いてパターニングする際、前記ヘッドチップの電極と接合される部位を他の部位よりも細く形成することを特徴とする請求項5記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項7記載の発明は、前記配線基板と前記ヘッドチップとを接合する前又は後に、前記配線間に絶縁接着剤を配することを特徴とする請求項5又は6記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項8記載の発明は、前記ヘッドチップ上の電極を導電性ペーストを用いてパターニングし、前記パターニングされた導電性ペーストによる配線と前記パターニングされた導電性ペーストによる電極とを位置合わせして密着させた後、両導電性ペーストを硬化させることを特徴とする請求項5、6又は7記載のインクジェットヘッドの製造方法である。
請求項1記載の発明によれば、電極と配線との確実で信頼性の高い導通を、簡単且つ少ない製造ステップで確保することができる。しかも、電極と配線とを位置合わせして密着させた後、導電性ペーストを硬化させるという簡単な作業だけで、電極部品と配線基板との接着と各電極と各配線との面接触による信頼性の高い導通の確保との両立が可能である。
請求項2記載の発明によれば、配線基板と電極部品とを密着させた際に、接合部位の配線が押し潰されて若干横に広がっても、隣接する配線との電気的短絡を防ぐことができる。
請求項3記載の発明によれば、配線基板と電極部品との隙間の密閉と両者の接着及び電極と配線との電気的接続を同時に行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、製造ステップを更に簡略化させることができる。
請求項5記載の発明によれば、ヘッドチップの電極と配線基板の配線との確実で信頼性の高い導通を、簡単且つ少ない製造ステップで確保することができる。しかも、電極と配線とを位置合わせして密着させた後、導電性ペーストを硬化させるという簡単な作業だけで、ヘッドチップと配線基板との接着と各電極と各配線との面接触による信頼性の高い導通の確保との両立が可能である。
請求項6記載の発明によれば、ヘッドチップと配線基板とを密着させた際に、接合部位の配線が押し潰されて若干横に広がっても、隣接する配線との電気的短絡を防ぐことができる。
請求項7記載の発明によれば、ヘッドチップと配線基板との隙間の密閉と両者の接着及び電極と配線との電気的接続を同時に行うことができる。
請求項8記載の発明によれば、製造ステップを更に簡略化させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
ここでは、電極部品がインクジェットヘッドのヘッドチップであり、配線基板が該ヘッドチップの各電極に駆動回路からの駆動信号を印加するための配線基板であるインクジェットヘッドの製造方法を例に挙げて説明する。
図1はインクジェットヘッドの一例を示す断面図であり、図中、1はヘッドチップ、2はヘッドチップ1の前面に接合されたノズルプレート、3はヘッドチップ1の後面に接合された配線基板である。
なお、本明細書においては、ヘッドチップ1からインクが吐出される側の面を「前面」といい、その反対側の面を「後面」という。また、ヘッドチップにおいて並設されるチャネルを挟んで図示上下に位置する外側面をそれぞれ「上面」及び「下面」という。
ここに示すヘッドチップ1は、2枚の基板11、12との間に、圧電素子からなる駆動壁とインク室となるチャネル14とが交互に並設された1列のチャネル列を有するヘッドチップ100を2つ用いて重ね合わせたマルチヘッドチップからなる。チャネル14の形状は、両側壁が基板11、12に対してほぼ垂直方向に立ち上がっており、そして互いに平行である。ヘッドチップ1の前面及び後面にそれぞれ各チャネル14の出口142と入口141とが配設されると共に、各チャネル14は、入口141から出口142に亘る長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレートタイプである。このようにチャネル14がストレートタイプであることにより、泡抜けが良く、電力効率が高く、発熱が少なく、高速応答性が良いインクジェットヘッドとすることができる。
図2〜図4を用いて、このヘッドチップ1の製造方法について説明すると、まず、1枚の基板12上に、2枚の圧電素子基板13a、13bをそれぞれエポキシ系接着剤を用いて接合する(図2(a))。各圧電素子基板13a、13bに用いられる圧電素子材料としては、電圧を加えることにより変形を生じる公知の圧電素子材料を用いることができるが、特にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が好ましい。2枚の圧電素子基板13a、13bは互いに分極方向(矢印で示す)を反対方向に向けて積層し、基板12に接着剤を用いて接着する。
次いで、その2枚の圧電素子基板13a、13bに亘って、ダイシングブレード等を用いて複数の平行な溝を研削する。これにより、基板12上に高さ方向で分極方向が反対となる圧電素子からなる駆動壁13を並設する。各溝は圧電素子基板13a、13bの一方の端から他方の端に亘ってほぼ同じ一定の深さで研削することで、長さ方向で大きさと形状がほぼ変わらないストレート状のチャネル14となる(図2(b))。2枚の圧電素子基板13a、13bは分極方向が反対に向いているので、この圧電素子基板13a、13bによって形成される駆動壁13全体が効率良く、大きな変形量でせん断変形するため、チャネル14内のインクに高い圧力を付与することができ、低電圧で駆動でき、また、インクの着弾ずれを抑えて画質の向上を図ることができる。
また、図示しないが、基板12を用いる代わりに圧電素子基板13bを厚手のものとし、薄手の圧電素子基板13a側から厚手の圧電素子基板13bの中途部にまで至る複数の平行な溝を研削することにより、高さ方向で分極方向が反対となる駆動壁13の形成と同時に基板12の部分が圧電素子基板13bによって一体に形成されるようにしてもよい。
次いで、このようにして形成した各チャネル14の内面に駆動電極15を形成する。駆動電極15を形成する金属は、Ni、Co、Cu、Al等があり、電気抵抗の面からはAlやCuを用いることが好ましいが、腐食や強度、コストの面からNiが好ましく用いられる。また、Alの上に更にAuを積層した積層構造としてもよい。
駆動電極15の形成は、蒸着法、スパッタリング法、めっき法、CVD(化学気相反応法)等の真空装置を用いた方法等によって金属被膜を形成する方法が挙げられるが、めっき法によるものが好ましく、特に無電解めっきにより形成することが好ましい。無電解めっきによれば、均一且つピンホールフリーの金属被膜を形成することができる。めっき膜の厚みは0.5〜5μmの範囲が好ましい。
駆動電極15はチャネル14毎に独立させる必要があるため、駆動壁13の上面には金属被膜が形成されないようにすることが好ましい。このため、例えば各駆動壁13の上面に予めドライフィルムを貼着したり、レジストを形成しておき、金属被膜を形成した後に除去することで、各駆動壁13の側面及び各チャネル14の底面に選択的に駆動電極15を形成するとよい(図2(c))。
このようにして駆動電極15を形成した後、駆動壁13の上面に基板11をエポキシ系接着剤を用いて接合する。基板11及び12には、駆動壁13を構成する圧電材料と同一の基板材料を脱分極して用いると、駆動時の熱の影響による熱膨張係数の差に起因する反りや変形を少なくすることができる。
次に、これら基板11、圧電素子基板13a、13b及び基板12を接合してなるヘッド基板を、チャネル14の長さ方向と直交する方向に沿う複数のカットラインC1、C2・・・に沿って切断することにより、チャネル14が1列となるハーモニカタイプの複数のヘッドチップ100、100・・・を一度に製造する(図2(d))。カットラインC1、C2・・・は、それによって作製されるヘッドチップ100、100・・・のチャネル14の駆動長さ(L長)を決定するものであり、この駆動長に応じて適宜決定される。
次いで、このようにして作成された各ヘッドチップ100の後面に、駆動電極15のうちのチャネル14の底面に形成された部分(チャネル14内に臨む基板12の表面)から基板12の後端面にかけて接続電極16を引き出し形成する。
この接続電極16は、図3(a)に示すように、ヘッドチップ100の切断面の一面(後面)に、駆動電極15のうちのチャネル14の底面に形成された部分を少なくとも含み、基板12の端面にかけて開設された開口部201を有する感光性ドライフィルム200を貼着し、Al等の電極形成用の金属を蒸着して、開口部201内に金属被膜を生成することによって形成することができる。また、Alの金属被膜の上に更にAuを蒸着する等の方法によって積層構造としてもよい。更に、接続電極16の形成は、蒸着に代えてスパッタリングによって行うようにしてもよい。なお、開口部201は、感光性ドライフィルム200の現像工程・水洗工程での作業性を考え、チャネル14の全面において開口していることが望ましい。全面において開口していることにより、チャネル14内の現像液、洗浄水の除去が容易となる。
この後、感光性ドライフィルム200を除去すると、図3(b)に示すように、ヘッドチップ100の一面(後面)に、各チャネル14から駆動電極15と電気的に接続する接続電極16がチャネル14毎に独立して引き出される。この接続電極16はヘッドチップ1の後面部分のみを使用すればよいため、複数回の角部を経由する場合に比べて断線による危険性は少なくて済む。
次に、このようにして形成されたヘッドチップ100を2つ用いて、それぞれの接続電極16が同一面(後面)となるように各基板11同士を重ね合わせ、接着剤を用いて接合し、チャネル14が2列となるヘッドチップ1を形成する(図4参照)。
ノズルプレート2はヘッドチップ1の前面に接合される。ノズルプレート2には、各チャネル14に対応する位置にノズル21が開設されている。
ヘッドチップ1の後面に接合される配線基板3は、非分極のPZTやAlN−BN、AlN等のセラミックス材料からなる1枚の板状の基板によって形成されている。また、低熱膨張のプラスチックやガラス等を用いることもできる。更には、ヘッドチップ1に使用されている圧電素子の基板材料と同一の基板材料を脱分極して用いると好ましい。また、熱膨張率の差に起因するヘッドチップ1の歪み等の発生を抑えるため、ヘッドチップ1との熱膨張係数の差が±1ppm以内となるように材料を選定することが更に好ましい。
配線基板3を構成する材料は1枚板に限らず、薄板状の基板材料を複数枚積層して所望の厚みとなるように形成してもよい。
配線基板3は、ヘッドチップ1の幅方向と同一の幅を有すると共に、ヘッドチップ1のチャネル14の並び方向(チャネル列方向)と直交する方向(図1における上下方向)に延び、ヘッドチップ1の上面及び下面からそれぞれ大きく張り出した張り出し部31、31を有している。また、ヘッドチップ1の後面と接合される配線基板3の一面には、その幅方向に亘って延び、各チャネル14へインクを供給するための共通インク室となる1本の凹部32が形成されている。
この凹部32は、ヘッドチップ1のチャネル列方向に沿って全てのチャネル14の入口141側を覆うことができる大きさに溝加工されている。すなわち、図1に示すように、凹部32の幅は、ヘッドチップ1の2列のチャネル列の幅よりも大きく、ヘッドチップ1のチャネル列方向と直交する方向(図1の上下方向)の厚さよりも小さい。これにより、配線基板3をヘッドチップ1の後面に接合すると、その表面はヘッドチップ1の後面における基板12、12と接するが、チャネル14の入口141を塞ぐことはなく、凹部32内に各チャネル14の入口141が臨むような状態となる。
凹部32の形成方法としては、ダイシングブレードで溝加工する方法、超音波加工機で研削加工する方法、焼結前のセラミックスを型成形し、焼成する方法等が採用できる。
配線基板3の張り出し部31、31は、図示しないFPCの接合部位として機能させるものであり、ヘッドチップ1との接合面側となる表面に、ヘッドチップ1の後面に形成された各接続電極16と同数及び同ピッチで、導電性ペーストを用いて配線33をパターニングする。
図5は、配線基板3の表面に導電性ペーストを用いて配線33をパターニングした状態を示す配線基板3の平面図である。このような導電性ペーストを用いた配線33のパターニングには、細密性とコスト安の両立が図り易い点でスクリーン印刷法が適している。また、その他、ディスペンサーやインクジェットを用いたパターニングを採用することもできる。
本発明において用いられる導電性ペーストは、電気的接続と同時に接合を行うため、導電性及び密着性を有している必要があり、更に配線基板3の表面にパターニングした際の形状が保持されるパターニング(形状)保持性を有している必要がある。また、好ましくは、硬化後に耐久性を有していることであり、本実施形態に示すインクジェットヘッドに用いる場合には、更にインク耐性を有していることが好ましい。
このような導電性ペーストは、一般に導電剤としての金属粒子とバインダー樹脂の他、溶剤や増粘剤を含有する。金属粒子としては、特に制限はなく、一般にはAgを用いることができるが、その他、Au、Cu、AgPt、AgPtPd等を用いることもできる。バインダー樹脂としては、焼成/焼結により成分を飛ばすものの他に、エポキシ系接着剤のように硬化するものを用いてもよい。また、導電性ペーストには、金属粒子を分散剤で覆い、加熱により分散剤を除去することで金属粒子の融点が低下して焼結する粒子効果を使ったもの(ナノペースト)を用いてもよい。
導電性ペーストは、スクリーン印刷によりパターニングする場合は、一般に1〜300Pa・s程度の粘度を有しているものが適している。また、インクジェットを用いてパターニングする場合は、一般に0.001〜0.030Pa・s程度の粘度を有しているものが適している。更に、ディスペンサーを用いてパターニングする場合は、ノズルの太さ等のディスペンサー固有の条件に応じて適宜選定すればよい。
本発明において、ヘッドチップ1と配線基板3とは、配線基板3表面にこのようにして導電性ペーストを用いて配線33をパターニングした後、導電性ペーストを焼成等することによって硬化させることなく、図6に示すように、ヘッドチップ1の各接続電極16と配線基板3表面に導電性ペーストによりパターニングされた各配線33とを位置合わせした後、そのまま密着させ、その後に導電性ペーストを硬化させる。この硬化により、同時にヘッドチップ1と配線基板3とが接着されて接合される。
従来では、導電性ペーストを加熱、焼成して配線を硬化させた後に位置合わせし、導電性接着剤等を用いて電気的接続を行い、更に接着剤を硬化させることによって接着させて接合を行っていたが、本発明によれば、導電性ペーストによってパターニングされた配線33を硬化させることなくヘッドチップ1の各接続電極16と位置合わせして両者を密着させた後に、導電性ペーストを硬化させて各接続電極16と各配線33との電気的接続及びヘッドチップ1と配線基板3との接合を同時に行うようにしたので、製造ステップを大幅に削減することができ、製造簡単で低コスト化を図ることができる。
しかも、各接続電極16と各配線33との接続は、配線33をパターニングした導電性ペーストを硬化させる前の粘性を有している間に行うため、図7(a)に示すようにヘッドチップ1の接続電極16と配線基板3の配線33とを位置合わせし、両者を密着させると、図7(b)に示すように導電性ペーストが押し潰されることで、配線33は接続電極16と密着して両者は面接触する。その後、導電性ペーストを硬化させることで、配線33は接続電極16との面接触状態を維持したまま該接続電極16と接着し、この配線33と接続電極16との接着によってヘッドチップ1と配線基板3とが接合される。従って、接続電極16と配線33とを位置合わせして密着させた後、導電性ペーストを硬化させるという簡単な作業だけで、ヘッドチップ1と配線基板3との接着と各接続電極16と各配線33との面接触による信頼性の高い導通の確保との両立が可能である。
導電性ペーストの硬化は、一般に加熱又は焼成を行うことにより行うが、本実施形態に示すインクジェットヘッドの製造の場合、ヘッドチップ1の圧電材料が脱分極を起こさない程度の温度、一般には150℃以下の温度で加熱、焼成する必要がある。このため、配線33をパターニングするための導電性ペーストは、パターニング保持性、密着性の他、このヘッドチップ1の温度特性との関係で硬化時の加熱、焼成温度の最適なものが適宜選定される。
なお、配線33を導電性ペーストを用いてパターニングする際、図5に示すように、配線33におけるヘッドチップ1の各接続電極16と接合される部位33aをその他の部位33bよりも細く形成することが好ましい。これにより、ヘッドチップ1と配線基板3とを密着させた際に、接続電極16と接合される部位33aが押し潰されて若干横に広がっても、隣接する配線33との電気的短絡を防ぐことができる。
本実施形態に示すインクジェットヘッドの場合、ヘッドチップ1と配線基板3との間に、隣接する接続電極16と配線33との接合部間に隙間が形成されるため、共通インク室となる凹部32内にインクを流入させると、この隙間からインクが漏れ出るおそれがある。このため、図8(a)に示すように、導電性ペーストを用いて配線33をパターニングした後、ヘッドチップ1との接合部位に、ディスペンサー等を用いて各配線33に亘って横断するように加熱硬化型の絶縁接着剤34を塗布する等の方法によって配しておくことが好ましい。ヘッドチップ1との接合部位に塗布された絶縁接着剤34は、塗布後、図8(b)に示すように、毛管現象により導電性ペーストにより形成された各配管33の間を流れていき、その隙間を埋める。この配線基板3にヘッドチップ1を位置合わせして密着させた後、導電性ペースト及び絶縁接着剤を硬化させると、ヘッドチップ1と配線基板3との隙間の密閉と両者の接着及び各接続電極16と各配線33との電気的接続を同時に行うことができる。
このようなインク漏れを防止するための絶縁接着剤としては常温硬化型のものを用いることもできる。この場合は、ヘッドチップ1と配線基板3とを位置合わせして密着させた後、導電性ペーストを硬化させて両者を接合した後に、ヘッドチップ1と配線基板3との間の接合部位に流し込めば、毛管現象により隣接する接続電極16と配線33との接合部間の隙間を埋めるので、そのまま常温放置して硬化させればよい。
以上説明したインクジェットヘッドの製造方法では、配線基板3の配線33のみを導電性ペーストを用いてパターニングするようにしたが、ヘッドチップ1の接続電極16も同様にして導電性ペーストを用いてパターニングするようにしてもよい。これにより製造ステップを更に簡略化させることができる。この場合は、導電性ペーストを用いてパターニングされた各配線33と、同じく導電性ペーストを用いてパターニングされた各接続電極16とを、それぞれ硬化させる前に位置合わせし、両者を密着させた後、全体を加熱、焼成して硬化させる。接続電極16と配線33とは密着させることで共に押し潰されるので、互いに良好に密着し合い、より確実な導通を図ることが可能である。
本実施形態では、インクジェットヘッドは、駆動信号の印加により駆動壁13がせん断変形してチャネル14内のインクに吐出のためのエネルギーを付与するタイプのものを例示したが、なんらこれに限定されることなく、吐出エネルギーは例えば熱的エネルギーを利用するもの等、いかなるタイプのものであってもよく、本発明は、電極から印加された駆動信号によりインク室内のインクに吐出エネルギーを付与してインクを吐出するヘッドチップを有し、このヘッドチップと駆動信号を印加するための配線基板とを電気的に接続するようにしたインクジェットヘッドの製造に広く適用可能である。
もちろん、本発明はインクジェットヘッドの製造に限定されることなく、基板表面に配線を形成した配線基板の配線と部品表面に電極を形成した電極部品の電極との電気的接続と接合とを行う場合にも同様に広く適用可能である。
1、100:ヘッドチップ
11、12:基板
13:駆動壁
14:チャネル
141:チャネルの入口
142:チャネルの出口
15:駆動電極
16:接続電極
2:ノズルプレート
21:ノズル
3:配線基板
31:張り出し部
32:凹部
33:配線電極
11、12:基板
13:駆動壁
14:チャネル
141:チャネルの入口
142:チャネルの出口
15:駆動電極
16:接続電極
2:ノズルプレート
21:ノズル
3:配線基板
31:張り出し部
32:凹部
33:配線電極
Claims (8)
- 基板表面に配線を形成した配線基板の配線と部品表面に電極を形成した電極部品の電極とを電気的に接続する配線基板と電極部品との接合方法であって、
前記配線基板上の配線を導電性ペーストを用いてパターニングし、該パターニングされた導電性ペーストによる配線と前記電極部品の電極とを位置合わせして密着させた後、前記導電性ペーストを硬化させることを特徴とする配線基板と電極部品との接合方法。 - 前記配線基板上の配線を導電性ペーストを用いてパターニングする際、前記電極部品の電極と接合される部位を他の部位よりも細く形成することを特徴とする請求項1記載の配線基板と電極部品との接合方法。
- 前記配線基板と前記電極部品とを接合する前又は後に、前記配線間に絶縁接着剤を配することを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板と電極部品との接合方法。
- 前記電極部品上の電極を導電性ペーストを用いてパターニングし、前記パターニングされた導電性ペーストによる配線と前記パターニングされた導電性ペーストによる電極とを位置合わせして密着させた後、両導電性ペーストを硬化させることを特徴とする請求項1、2又は3記載の配線基板と電極部品との接合方法。
- 電極から印加された駆動信号によりインク室内のインクに吐出エネルギーを付与してインクを吐出するヘッドチップと、前記電極に駆動信号を印加するための配線基板とを電気的に接続するインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記配線基板上の配線を導電性ペーストを用いてパターニングし、該パターニングされた導電性ペーストによる配線と前記ヘッドチップの電極とを位置合わせして密着させた後、前記導電性ペーストを硬化させることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。 - 前記配線基板上の配線を導電性ペーストを用いてパターニングする際、前記ヘッドチップの電極と接合される部位を他の部位よりも細く形成することを特徴とする請求項5記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記配線基板と前記ヘッドチップとを接合する前又は後に、前記配線間に絶縁接着剤を配することを特徴とする請求項5又は6記載のインクジェットヘッドの製造方法。
- 前記ヘッドチップ上の電極を導電性ペーストを用いてパターニングし、前記パターニングされた導電性ペーストによる配線と前記パターニングされた導電性ペーストによる電極とを位置合わせして密着させた後、両導電性ペーストを硬化させることを特徴とする請求項5、6又は7記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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