JP2006332128A - 射出成形回路部品とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 隣り合う回路間での短絡を生じにくい射出成形回路部品と、その製造方法とを提供する。
【解決手段】 射出成形回路部品は、平均繊維長1〜15μm、アスペクト比10以上の強化繊維5〜50体積%を含む樹脂組成物によって形成した一次成形品の表面に、回路を設けた。製造方法は、上記樹脂組成物を射出成形して形成した一次成形品の表面に、二次成形部分をインサート成形して二色成形品を得、その表面に触媒を担持させた後、二次成形部分を除去して、一次成形品の表面の、触媒を担持させた領域に、化学めっきによって、選択的に、回路となる金属層を形成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、射出成形回路部品とその製造方法とに関するものである。
電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴って、プリント配線板のファインパターン化、多層化、機器内の配置の合理化、省スペース化などが進められている。また、機器類の組み立ての自動化の観点からも、組立性の向上を目指した、配線を合理化する技術が求められている。そこで、近時、このような要求に応えるために、これまでの平板状のプリント配線板や、それを厚み方向に多数、積層した多層配線板に代えて、任意の立体形状を有する射出成形回路部品(Molded Interconnect Device、以下、「MID」と略記する場合がある)を、配線に使用することが提案されている。
MIDは、樹脂組成物を射出成形して所定の立体形状に形成した一次成形品の表面に、配線(回路)を立体的に形成した立体配線板であって、自由な三次元性を持ち、配線の合理化のみならず、電子デバイス部品などの小型化、表面実装化を可能とするものである。例えば、MIDを機器内の隙間に配置することによって、集積密度を向上させることができる。MIDは、発光ダイオード等の半導体素子のパッケージ、三次元プリント配線板、携帯電話のアンテナ部品等に応用される。
MIDの製造方法は、樹脂組成物の射出成形回数によって、1ショット法と2ショット法とに大別される。また、2ショット法にも種々あるが、その代表例としては、下記の方法が挙げられる。すなわち、樹脂組成物の射出成形によって所定の立体形状を有する一次成形品を形成し、次いで、必要に応じて、その表面を粗面化した後、インサート成形によって、この一次成形品の表面の、回路を形成する領域以外の領域(以下「回路外の領域」と記載することがある)を覆うように二次成形部分を形成して、いわゆる二色成形品を得る。
次いで、この二色成形品の表面の全面に、化学めっきのための触媒を担持させる処理を施した後、二次成形部分を除去することで、一次成形品の表面の、回路を形成する領域にのみ、触媒を担持させた状態とする。そして、化学めっきを行って、一次成形品の表面の、選択的に触媒を担持させた領域に、所定のパターン形状を有する、回路となる金属層を形成してMIDを得る(特許文献1、2)。
上記のうち、一次成形品を形成するための樹脂組成物としては、射出成形が可能で、なおかつ、耐熱性に優れる、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂に、強化繊維を配合したものが、一般的に用いられる。強化繊維は、例えば、MID上に素子を実装したり、MIDを基板上に実装したりする際等の、高温のはんだリフロー時の一次成形品に、十分な強度を付与すると共に、特に、粗面化した際に、一次成形品の表面に微細な凹凸を形成して、回路となる金属層の密着性を向上するために配合される。
高温での一次成形品の強度は、強化繊維の含有量が同一である場合、その平均繊維長Lと平均繊維径Dとの比L/Dで表されるアスペクト比に比例して向上することが知られている。一方、金属層の密着性を向上するには、粗面化した一次成形品の表面に、ミクロンオーダーの凹凸があることが望ましいとされる。そのため、これらの効果を満足するために、強化繊維としては、通常、その平均繊維長が数十μm程度、平均繊維径が数μm程度である無機繊維等が用いられる。
特開平11−145583号公報(請求項1、第0008欄、第0012欄、第0015欄〜第0017欄、図1(a)〜(f)) 特開2004−59829号公報(請求項6、第0004欄〜第0006欄、第0064欄、第0067欄〜第0069欄、第0071欄〜第0072欄、図1)
ところが、上記の無機繊維を含む樹脂組成物を用いて形成した一次成形品の表面に、先の製造方法によって、特に、隣り合う回路間の間隔が200μm以下といった微細な回路を形成すると、回路間で短絡を生じやすいという問題がある。本発明の目的は、隣り合う回路間での短絡を生じにくい射出成形回路部品と、その製造方法とを提供することにある。
前記課題を解決するため、発明者は、短絡が発生した回路を仔細に観察した。そうしたところ、一次成形品の表面の、回路外の領域のうち、特に、回路の外縁の近傍の部分に、金属薄膜が斑点状に析出しており、この斑点状に析出した金属薄膜を形成する金属がマイグレーションを起こして、隣り合う回路間を短絡させる原因となっていること、回路間の距離が短いほど、斑点状に析出した金属薄膜が、回路間の領域にまんべんなく分布されることになるため、より一層、短絡が発生しやすくなること、を見出した。また、斑点状に析出した金属薄膜が、一次成形品の表面から脱落して、電子機器に様々な不具合を生じさせることも懸念された。そこで、回路外の領域に、金属薄膜が斑点状に析出する原因について検討したところ、以下の事実が明らかとなった。
すなわち、強化繊維と樹脂との界面には、通常、ごく微小な隙間が存在するが、この隙間が、従来の樹脂組成物からなる一次成形品の場合、樹脂中に分散した、隣り合う強化繊維間で互いに繋がって、一次成形品の表面の、二次成形部分で覆われていない領域(回路を形成する領域)から、二次成形部分で覆われた回路外の領域にまで達することがある。そして、このような連続した隙間が生じると、二色成形品の表面に触媒を担持させる際に、触媒液が、この隙間を通して浸透することで、触媒が、一次成形品の表面のうち、本来、担持されてはいけない、二次成形部分で覆われた回路外の領域の、特に、隙間の開口の周囲に担持される。この現象は、特に、強化繊維の繊維長や繊維径が大きいほど、顕著に発生する。
また、特に、繊維長の大きい長い強化繊維が、上記2つの領域間に跨って存在する場合には、当該強化繊維と樹脂との界面の隙間が、単独でも、上記の、複数が繋がった隙間と同様の働きをして、触媒が、一次成形品の表面のうち、二次成形部分で覆われた回路外の領域の、隙間の開口の周囲に担持される。そのため、二次成形部品を除去した後の化学めっきの工程で、一次成形品の表面のうち、回路外の領域に、上記隙間の開口の周囲に担持された触媒を核として、金属薄膜が斑点状に析出する。
そこで、発明者は、触媒液の浸透を防止するために、さらに検討した結果、強化繊維の形状を、平均繊維長1〜15μm、アスペクト比10以上に規定することで、その繊維長や繊維径をこれまでよりも小さくすると共に、樹脂組成物中に含まれる強化繊維の含有量を、5〜50体積%の範囲内に規定することを見出した。
すなわち、強化繊維の形状を上記のように規定すると共に、その含有量を上記の範囲内に規定すると、当該強化繊維による、樹脂組成物を強化する機能はこれまでと同レベルに維持しながら、樹脂組成物中に分散した、隣り合う強化繊維間の距離を、これまでよりも大きくとることができるため、強化繊維と樹脂との界面に生じる隙間が、隣り合う強化繊維間で互いに繋がる機会を少なくすることができる。また、2つの領域間に跨って存在して、単独で触媒液を浸透させる隙間を生じさせるおそれのある、繊維長の大きい長い強化繊維の存在比率を少なくすることもできる。
そのため、触媒液が隙間を通して浸透することで、一次成形品の表面のうち、二次成形部分で覆った回路外の領域の、隙間の開口の周囲に触媒が担持されたり、担持された触媒を核として金属被膜が斑点状に析出したりするのを抑制することができ、回路間での短絡を生じにくくすることが可能となる。また、斑点状に析出した金属薄膜が脱落して、電子機器に様々な不具合が生じるのを防止することもできる。しかも、上記の形状を有する強化繊維を含む一次成形品の表面には、特に、粗面化することで、前記のように、回路となる金属層の密着性に優れたミクロンオーダーの凹凸を形成できるため、当該金属層の密着性を向上することもできる。
したがって、本発明は、立体形状を有する一次成形品と、この一次成形品の表面に形成される回路とを有する射出成形回路部品であって、一次成形品が、平均繊維長1〜15μm、アスペクト比10以上の強化繊維5〜50体積%を含む樹脂組成物によって形成されることを特徴とするものである。
また、本発明の射出成形回路部品の製造方法は、平均繊維長1〜15μm、アスペクト比10以上の強化繊維5〜50体積%を含む樹脂組成物を射出成形して一次成形品を形成する工程と、形成した一次成形品をインサート成形して、その表面の、回路を形成しない領域を、二次成形部分で被覆して二色成形品を形成する工程と、形成した二色成形品の表面の全面に、化学めっきのための触媒を担持させる工程と、二次成形部分を除去する工程と、一次成形品の表面の、二次成形部分を除去した領域以外の、触媒を担持させた領域に、化学めっきによって、選択的に、回路となる金属層を形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
本発明の射出成形回路部品は、立体形状を有する一次成形品と、この一次成形品の表面に形成される回路とを有すると共に、一次成形品が、平均繊維長1〜15μm、アスペクト比10以上の強化繊維5〜50体積%を含む樹脂組成物によって形成されることを特徴とするものである。
強化繊維の平均繊維長が1μm未満では、当該強化繊維による、樹脂組成物を強化する効果が得られず、一次成形品の強度、特に曲げ強度が低下すると共に、寸法安定性が低下する。一方、強化繊維の平均繊維長が15μmを超える場合には、先に説明したように、強化繊維と樹脂との界面に生じる隙間が、隣り合う強化繊維間で互いに繋がったり、2つの領域間に跨って存在して、単独で触媒液を浸透させる隙間を生じさせるおそれのある、繊維長の大きい長い強化繊維の存在比率が上昇したりする。
そして、これらの隙間を通して、一次成形品の表面の、回路外の領域に触媒液が浸透することで、当該領域に触媒が担持されて、その後の化学めっきの工程で、担持された触媒を核として、金属薄膜が斑点状に析出して、当該金属薄膜を形成する金属のマイグレーションによって、隣り合う回路間で短絡を生じたり、斑点状に析出した金属薄膜が、一次成形品の表面から脱落して、電子機器に様々な不具合を生じさせたりするという問題を生じる。
なお、強化繊維の平均繊維長は、一次成形品に、良好な寸法安定性と強度とを付与することと、回路外の領域に、触媒液の浸透によって金属薄膜が斑点状に析出するのを抑制して、隣り合う回路間の短絡等を防止することとの兼ね合いを考慮すると、上記の範囲内でも特に、2〜10μmであるのが好ましく、2〜5μmであるのがさらに好ましい。
また、本発明において、平均繊維長が上記の範囲内である強化繊維のアスペクト比、つまり、強化繊維の平均繊維長Lと平均繊維径Dとの比L/Dで表されるアスペクト比が10以上に限定されるのは、アスペクト比が10未満では、相対的に、強化繊維の繊維径が大きくなることから、強化繊維と樹脂との界面に生じる隙間が、隣り合う強化繊維間で互いに繋がりやすくなって、回路外の領域に、触媒液の浸透によって金属薄膜が斑点状に析出して、隣り合う回路間で短絡等の問題を生じるためである。また、アスペクト比が上記の範囲未満では、強化繊維による、樹脂組成物を強化する効果が不十分になるためでもある。
強化繊維のアスペクト比の上限については特に限定されないが、100以下であるのが好ましい。アスペクト比がこの範囲を超える場合には、繊維径が小さくなりすぎて、樹脂中に均一に分散させるのが難しくなり、凝集を生じて、樹脂組成物の物性が不均一になるおそれがある。なお、強化繊維のアスペクト比は、回路外の領域に、触媒液の浸透によって金属薄膜が斑点状に析出するのを抑制して、隣り合う回路間の短絡等を防止することや、樹脂組成物を十分に強化することと、強化繊維を樹脂中に均一に分散できるようにすることとの兼ね合いを考慮すると、上記の範囲内でも、特に、10〜50であるのが好ましく、10〜20であるのがさらに好ましい。
繊維長とアスペクト比とが上記の範囲を満足すれば、強化繊維の平均繊維径の範囲は、特に限定されないが、0.01〜2μmであるのが好ましい。平均繊維径が0.01μm未満では、繊維径が小さくなりすぎて、樹脂中に均一に分散させるのが難しくなり、凝集を生じて、樹脂組成物の物性が不均一になるおそれがある。また、粗面化することで一次成形品の表面に形成される凹凸がミクロンオーダーより小さくなって、回路となる金属層の、一次成形品に対する密着性が低下するおそれもある。また、平均繊維径が2μmを超える場合には、繊維径が大きくなりすぎて、強化繊維と樹脂との界面に生じる隙間が、隣り合う強化繊維間で互いに繋がりやすくなって、回路外の領域に、触媒液の浸透によって金属薄膜が斑点状に析出して、隣り合う回路間で短絡等の問題を生じるおそれがある。
なお、強化繊維の平均繊維径は、樹脂中に均一に分散できるようにすることや、回路となる金属層の、一次成形品に対する密着性を向上することと、回路外の領域に、触媒液の浸透によって金属薄膜が斑点状に析出するのを抑制して、隣り合う回路間の短絡等を防止することとの兼ね合いを考慮すると、上記の範囲内でも、特に、0.1〜1.0μmであるのが好ましく、0.1〜0.5μmであるのがさらに好ましい。
強化繊維の平均繊維長、および平均繊維径は、強化繊維の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、写真に写された中から無作為に選んだ20本の強化繊維について長さと径を測定した結果の平均値でもって表した。
強化繊維としては、上記の特性を満足する種々の強化繊維が、いずれも使用可能であるが、特に、上記のように、その繊維長や繊維径を小さくしても、一次成形品に、良好な寸法安定性と強度とを付与することを考慮すると、ホウ酸アルミニウム、六チタン酸カリウム、および酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の、樹脂組成物を強化する機能にすぐれると共に、自身の寸法安定性にすぐれた無機繊維を用いるのが好ましい。
また、強化繊維の含有量が5体積%未満では、当該強化繊維による、樹脂組成物を強化する効果が得られず、一次成形品の強度、特に曲げ強度が低下すると共に、寸法安定性が低下する。また、粗面化しても、一次成形品の表面に十分な凹凸が形成されないため、回路となる金属層の、一次成形品に対する密着性が低下する。一方、強化繊維の含有量が50体積%を超える場合には、たとえ、その繊維長や繊維径を小さくしても、隣り合う強化繊維間の距離が小さくなるため、強化繊維と樹脂との界面に生じる隙間が、隣り合う強化繊維間で互いに繋がりやすくなって、回路外の領域に、触媒液の浸透によって金属薄膜が斑点状に析出して、隣り合う回路間で短絡等の問題を生じる。
なお、強化繊維の含有量は、樹脂組成物を十分に強化することや、回路となる金属層の、一次成形品に対する密着性を向上することと、回路外の領域に、触媒液の浸透によって金属薄膜が斑点状に析出するのを抑制して、隣り合う回路間の短絡等を防止することとの兼ね合いを考慮すると、上記の範囲内でも、特に、10〜40体積%であるのが好ましく、15〜35体積%であるのがさらに好ましい。
強化繊維と共に樹脂組成物を構成する樹脂としては、射出成形が可能で、なおかつ、耐熱性に優れる、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド6T、ポリアミド9T等)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等が挙げられ、中でも、上記特性のバランスにすぐれると共に、後述するように、電離放射線の照射によって架橋される架橋性を付与することが容易な熱可塑性ポリエステル系樹脂が好ましい。
熱可塑性ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンテレフタレート(PCT)、シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールとテレフタル酸とのポリエステル(PCT−PET)、シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールとテレフタル酸とイソフタル酸とのポリエステル(PCTA)、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸とのポリエステル、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル酸とのポリエステル、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル酸とフマル酸とのポリエステル、および液晶ポリエステル(LCP)等が挙げられる。
中でも、特に、PBT、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸とのポリエステル、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル酸とのポリエステル、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル酸とフマル酸とのポリエステル、およびLCPからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
熱可塑性ポリエステル系樹脂は、射出成形後に、電離放射線の照射によって架橋させることで、一次成形品の強度や寸法安定性をさらに向上させることができる。熱可塑性ポリエステル系樹脂を、電子線等の電離放射線の照射によって架橋させるためには、使用する熱可塑性ポリエステル系樹脂の分子中に、架橋の起点となる多官能性モノマーからなる繰り返し単位や、重合性官能基等を導入して、架橋性を付与すればよい。熱可塑性ポリエステル系樹脂の架橋は、射出成形後の任意の時点で行うことができる。また、樹脂組成物には、一次成形品を難燃化するために、臭素系難燃剤等の難燃剤を含有させてもよい。
本発明のMIDは、上記の各成分を含む樹脂組成物を射出成形して一次成形品を形成する工程と、形成した一次成形品をインサート成形して、その表面の、回路を形成しない領域を、二次成形部分で被覆して二色成形品を形成する工程と、形成した二色成形品の表面の全面に、化学めっきのための触媒を担持させる工程と、二次成形部分を除去する工程と、一次成形品の表面の、二次成形部分を除去した領域以外の、触媒を担持させた領域に、化学めっきによって、選択的に、回路となる金属層を形成する工程とを含む本発明の製造方法によって製造することができる。
すなわち、一次成形品は、上記の各成分を含む樹脂組成物を、従来同様に、射出成形機を用いて加熱して溶融させた状態で、当該射出成形機に接続した金型の、一時成形品の外形に対応した型窩内に注入した後、冷却して固化させることで形成される。形成した一次成形品の表面に、上記の各工程を経て回路を形成するためには、まず、必要に応じて、当該一次成形品の表面から強化繊維の含有量の少ない表皮層を除去すると共に、回路となる金属層の密着性を向上するために粗面化する。粗面化の方法としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液を50〜90℃に加熱した中に、一次成形品を、およそ1〜60分間、浸漬する方法等が挙げられるが、その他の粗面化方法を採用することもできる。
次に、形成した一次成形品を用いて、インサート成形することにより、当該一次成形品の表面の、回路を形成する領域以外の領域を覆う二次成形部分を形成して、二色成形品を得る。詳しくは、二次成形部分の外形に対応する型窩と、この型窩内において、一次成形品を保持するための保持部とを備えた金型を用意し、この金型の保持部に、あらかじめ形成した一次成形品を保持した状態で、当該一次成形品と型窩との間の空間に、加熱して溶融させた樹脂を注入した後、冷却して固化させることで、所定の外形を有する二次成形部分を形成して二色成形品を製造する。
二次成形部分を形成する樹脂としては、一次成形品を使用したインサート成形が可能である、つまり、一次成形品に影響を及ぼさない条件で、二次成形部分を射出成形することができると共に、一次成形品を溶解させたり変形させたりしない条件下で溶出させることができる種々の樹脂が挙げられる。そのような樹脂としては、例えば、ポリアミドとポリアミドアミンとを溶融混合して、アミド交換反応させて得た熱可塑性ポリアミドと、水酸化アルミニウムとを含む樹脂組成物が挙げられる。また、前記特許文献1に開示されたオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂等の、湯中に溶出可能な樹脂や、あるいは、特許文献2に開示された有機酸可溶型ポリアミド樹脂等も使用可能である。
次に、形成した二色成形品の表面の全面に、常法にしたがって、脱脂、親水化、触媒担持等の工程を経て、触媒を担持させた後、二次成形部分を除去することで、一次成形品の表面の、回路を形成する領域、すなわち、二次成形部分を形成しなかった領域にのみ、選択的に、触媒を担持させた状態とし、さらに活性化して化学めっきを行うと、一次成形品の表面の、選択的に触媒を担持させた領域に、回路の平面形状に対応する所定のパターン形状を有する、回路となる金属層が形成されて、MIDが完成する。
この際、本発明においては、前記のように、一次成形品が、平均繊維長1〜15μm、アスペクト比10以上の強化繊維5〜50体積%を含む樹脂組成物によって形成されているため、その表面において、強化繊維と樹脂との界面に生じる隙間が、隣り合う強化繊維間で繋がるのを抑制すると共に、2つの領域間に跨って存在して、単独で触媒液を浸透させる隙間を生じさせるおそれのある、繊維長の大きい長い強化繊維の存在比率を低下させることができる。
そのため、触媒液が隙間を通して浸透することで、一次成形品の表面のうち、二次成形部分で覆った回路外の領域の、隙間の開口の周囲に触媒が担持されたり、担持された触媒を核として金属被膜が斑点状に析出したりするのを抑制することができ、回路間での短絡を生じにくくすることが可能となる。また、斑点状に析出した金属薄膜が、一次成形品の表面から脱落して、電子機器に様々な不具合を生じさせるのを防止することもできる。
なお、金属層は、化学めっきによって容易に膜形成できること、マイグレーションを生じにくいこと、導電性に優れることが望ましく、これらの点を考慮すると、化学めっきによって形成する金属層は、無電解銅めっき層であるのが好ましい。また、形成した金属層を陰極として使用して、その上に、電気めっき処理によって、さらに金属層を積層することもできる。その際、化学めっきによって形成する下地の金属層は、できるだけイオン化傾向が小さく、電気めっき液中に溶出しにくい金属によって形成するのが好ましく、やはり無電解銅めっき層が好ましい。また、上記無電解銅めっき層等の上に、電気めっきによって厚付けする金属層としては、単層の、または2層以上の積層構造を有する種々の金属層が挙げられる。
上記の工程を経て製造される本発明のMIDは、その自由な三次元性を利用して、例えば、発光ダイオード等の半導体素子のパッケージ、三次元プリント配線板、携帯電話のアンテナ部品等に応用することができる。その際、本発明の構成によれば、一次成形品の表面に形成される回路間の領域に、金属薄膜が斑点状に析出するのを抑制できることから、特に、隣り合う回路間の間隔を200μm以下としても、短絡が生じるのをより確実に防止することができる。そのため、本発明のMIDによれば、これまでよりも回路を微細化して、上記パッケージ等が組み込まれる機器類の集積密度をさらに向上することが可能となる。
なお、MIDの表面に形成する隣り合う回路間の間隔は、回路の微細化による、機器類の集積密度の向上を考慮すると、上記のように200μm以下であるのが好ましく、10〜100μmであるのがさらに好ましい。
実施例1:
(一次成形品の成形および粗面化)
強化繊維としての、平均繊維長7.5μm、平均繊維径0.1μm、アスペクト比75のホウ酸アルミニウム〔四国化成工業(株)製の登録商標アルボレックスM20〕と、樹脂としての、電子線の照射によって架橋する架橋性を付与したPBTとを含む樹脂組成物を用いて、射出成形により、一次成形品を作製した後、加速電圧3MeVの電子線を、照射線量が250kGyとなるように照射して、PBTを架橋させた。樹脂組成物における、ホウ酸アルミニウムの含有量は8体積%であった。架橋後の一次成形品をエタノールで洗浄し、80℃に設定した45%水酸化ナトリウム水溶液中に5分間、浸漬した後、3%塩酸で中和する工程を経て、その表面を粗面化した。
(二色成形品の形成)
上記一次成形品をインサート成形して、その表面の、回路を形成しない領域を、二次成形部分で被覆して二色成形品を形成した。二次成形部分は、ポリアミドとポリアミドアミンとを重量比で8/2の割合で配合し、230℃で12時間、溶融混合することで、アミド交換反応させて得た熱可塑性ポリアミドと、水酸化アルミニウムとを含む樹脂組成物を用いて形成した。樹脂組成物における、水酸化アルミニウムの含有量は20体積%であった。また、二次成形部分は、一次成形品の表面に形成する、回路幅が50μmで、かつ、隣り合う回路間の間隔が50μmである回路に対応させて、上記回路間の、回路を形成しない領域を被覆するように形成した。
(脱脂処理)
脱脂処理剤〔奥野製薬工業(株)製の商品名エースクリーンA−220〕を純水に溶解して、濃度40g/リットルの処理液を調製した。そして、45℃に設定した上記処理液中に、先の工程で形成した二色成形品を15分間、浸漬し、次いで、45℃の温水中に5分間浸漬した後、イオン交換水で洗浄して脱脂処理した。
(表面調整)
コンディショナー3320〔ローム・アンド・ハース社製の商品名〕を純水に溶解して、濃度100ml/リットルの処理液を調製した。そして、45℃に設定した上記処理液中に、脱脂処理した二色成形品を15分間、浸漬し、次いで、イオン交換水で洗浄して表面調整した。
(プレディップ処理)
塩化ナトリウム水溶液(濃度180g/リットル)、36%塩酸の水溶液(濃度80ml/リットル)、およびOS−1505〔ローム・アンド・ハース社製の商品名〕の水溶液(濃度20ml/リットル)を、それぞれ同体積ずつ混合して処理液を調製した。そして、45℃に設定した上記処理液中に、表面調整した二色成形品を3分間、浸漬してプレディップ処理した。
(触媒付与)
塩化ナトリウム水溶液(濃度180g/リットル)、36%塩酸の水溶液(濃度100ml/リットル)、OS−1505〔ローム・アンド・ハース社製の商品名〕の水溶液(濃度20ml/リットル)、およびOS−1558〔ローム・アンド・ハース社製の商品名〕の水溶液(濃度20ml/リットル)を、それぞれ同体積ずつ混合して処理液を調製した。そして、30℃に設定した上記処理液中に、プレディップ処理した二色成形品を8分間、浸漬し、次いで、イオン交換水で洗浄して、その表面に触媒を付与した。
(二次成形部分の除去)
触媒付与した二色成形品を、80℃に設定した2−プロパノール中に30分間、浸漬して、二次成形部分を溶解させて除去した後、成形品の表面に残存する水酸化アルミニウムを除去するために、イオン交換水中に浸漬して5分間、超音波洗浄した。
(酸活性化)
二次成形部分を溶解させて除去し、超音波した一次成形品を、45℃に設定した95%硫酸の水溶液(濃度50ml/リットル)中に2分間、浸漬し、次いで、イオン交換水で洗浄して触媒を活性化させた。
(無電解銅めっき)
下記の各水溶液を、それぞれ同体積ずつ混合して無電解銅めっき液を調製した。
OS−1598Mの水溶液(濃度48ml/リットル)
OS−1598Aの水溶液(濃度10ml/リットル)
OS−1598Rの水溶液(濃度2ml/リットル)
OS−1120SRの水溶液(濃度2.1ml/リットル)
CupZの水溶液(濃度23ml/リットル)
CupYの水溶液(濃度12ml/リットル)
〔いずれもローム・アンド・ハース社製の商品名〕
そして、45℃に設定した上記無電解銅めっき液中に、触媒を活性化させた一次成形品を15分間、浸漬して無電解銅めっき処理し、次いで、イオン交換水で洗浄して、一次成形品の表面の、前記二次成形部分によって覆われていなかった領域に、回路幅が50μm、隣り合う回路間の間隔が50μmの、無電解銅めっき層からなる回路を形成してMIDを製造した。
実施例2、3、比較例1、2:
樹脂組成物におけるホウ酸アルミニウムの含有量を、3体積%(比較例1)、15体積%(実施例2)、40体積%(実施例3)、60体積%(比較例2)としたこと以外は実施例1と同様にして、MIDを製造した。
実施例4:
強化繊維として、平均繊維長15μm、平均繊維径0.4μm、アスペクト比38の六チタン酸カリウム〔大塚化学(株)製の商品名ティスモ−N〕を使用すると共に、その含有量を15体積%としたこと以外は実施例1と同様にして、MIDを製造した。
実施例5:
強化繊維として、平均繊維長1.7μm、平均繊維径0.1μm、アスペクト比17の酸化チタン〔石原産業(株)製のFTL−100〕を使用すると共に、その含有量を15体積%としたこと以外は実施例1と同様にして、MIDを製造した。
実施例6:
強化繊維として、平均繊維長5.2μm、平均繊維径0.3μm、アスペクト比17の酸化チタン〔石原産業(株)製のFTL−300〕を使用すると共に、その含有量を15体積%としたこと以外は実施例1と同様にして、MIDを製造した。
実施例7:
樹脂としてLCPを使用し、かつ、強化繊維としてのホウ酸アルミニウムの含有量を15体積%とすると共に、作製した一次成形品に電子線を照射して架橋させる工程を省略したこと以外は実施例1と同様にして、MIDを製造した。
比較例3:
強化繊維として、平均繊維長32μm、平均繊維径4μm、アスペクト比8のワラストナイト〔NYCO Mineral社製の商品名NYGLOS 4〕を使用すると共に、その含有量を15体積%としたこと以外は実施例1と同様にして、MIDを製造しようとしたが、触媒液の浸透によって、一次成形品の表面の、二次成形部分で覆われた領域にも広く触媒が担持されたため、無電解銅めっきによって形成された回路のエッジ部分が不明瞭になって、隣り合う回路間が明瞭に分離されなかった。そこで、回路間の間隔を100μmに広げたところ、ようやく、隣り合う回路間は分離されたが、後述するように、回路間の領域には、依然として、金属薄膜が斑点状に析出しているのが確認された。
比較例4:
強化繊維として、平均繊維長が35μm、平均繊維径が3.3μm、アスペクト比が11のワラストナイト〔川鉄鉱業(株)製の商品名PH−450〕を使用すると共に、その含有量を15体積%としたこと以外は実施例1と同様にして、MIDを製造しようとしたが、触媒液の浸透によって、一次成形品の表面の、二次成形部分で覆われた領域にも触媒が担持されたため、無電解銅めっきによって形成された回路のエッジ部分が不明瞭になって、隣り合う回路間が明瞭に分離されなかった。そこで、回路間の間隔を100μmに広げたところ、ようやく、隣り合う回路間が分離された。しかし、後述するように、回路間の領域には、依然として、金属薄膜が斑点状に析出しているのが確認された。
比較例5:
強化繊維として、平均繊維長が9μm、平均繊維径が3μm、アスペクト比が3のワラストナイト〔NYCO Mineral社製の商品名NYAD 1250〕を使用すると共に、その含有量を15体積%としたこと以外は実施例1と同様にして、MIDを製造しようとしたが、触媒液の浸透によって、一次成形品の表面の、二次成形部分で覆われた領域にも触媒が担持されたため、無電解銅めっきによって形成された回路のエッジ部分が不明瞭になって、隣り合う回路間が明瞭に分離されなかった。そこで、回路間の間隔を100μmに広げたところ、ようやく、隣り合う回路間が分離された。しかし、後述するように、回路間の領域には、依然として、金属薄膜が斑点状に析出しているのが確認された。
曲げ強度試験:
実施例1〜6、比較例1〜5は成形し、架橋した後、粗面化する前の、実施例7は成形した後、粗面化する前の一次成形品の曲げ強度を、ISO 178:2001 "Plastics-Determination of flexural properties"に則って測定し、曲げ強度が110MPa以上のものを良好(○)、上記範囲未満のものを不良(×)として評価した。
密着強度試験:
実施例、比較例で一次成形品に使用したのと同じ材料を用いて、縦20mm×横50mmの平板状の成形品を作製し、実施例1〜6、比較例1〜5は同条件で架橋し、粗面化した後の、実施例7は粗面化した後の表面に、各実施例、比較例と同様にして無電解銅めっき層を形成した。
次いで、この無電解銅めっき層の表面に対して直交させて、直径1.5mmの金属線を、半田付け(無電解銅めっき層の表面に半田付けされた半田の直径:4mm、高さ:2mm)した後、金属線を、無電解銅めっき層の表面に対して直交する方向に引っ張って、無電解銅めっき層を成形品の表面からはく離させる垂直ピール試験を行って、無電解銅めっき層の密着強度を測定し、密着強度が3MPa以上のものを良好(○)、上記範囲未満のものを不良(×)として評価した。
表面状態:
実施例、比較例で製造したMIDの回路部分を、走査型電子顕微鏡を用いて観察して、回路間の領域に、金属薄膜が斑点状に析出していたものを×(不良)、析出していなかったものを○(良好)として評価した。
以上の結果を表1〜3に示す。
Figure 2006332128
Figure 2006332128
Figure 2006332128
表の、比較例3の結果より、強化繊維の平均繊維長が15μmを超えると共に、アスペクト比が10未満である場合には、MIDの表面の、隣り合う回路間に、金属薄膜が斑点状に析出することがわかった。また、十分な曲げ強度が得られないことも確認された。また、比較例4の結果より、アスペクト比が10以上であっても、強化繊維の平均繊維長が15μmを超える場合には、MIDの表面の、隣り合う回路間に、金属薄膜が斑点状に析出することがわかった。さらに、比較例5の結果より、強化繊維の平均繊維長が15μm以下であっても、アスペクト比が10未満である場合には、MIDの表面の、隣り合う回路間に、金属薄膜が斑点状に析出することがわかった。また、十分な曲げ強度が得られないことも確認された。
また、比較例1、2の結果より、強化繊維の平均繊維長が15μm以下で、かつアスペクト比が10以上であっても、強化繊維の含有量が5体積%未満では、回路となる金属層の、一次成形品に対する密着性が低下すると共に、一次成形品の曲げ強度が低下すること、逆に、強化繊維の含有量が50体積%を超える場合には、MIDの表面の、隣り合う回路間に、金属薄膜が斑点状に析出することがわかった。
これに対し、各実施例の結果より、強化繊維の平均繊維長が15μm以下、アスペクト比が10以上で、かつ強化繊維の含有量が5〜50体積%である場合には、MIDの表面の、隣り合う回路間に、金属薄膜が斑点状に析出するのを防止できること、一次成形品の曲げ強度を向上できること、回路となる金属層の、一次成形品に対する密着性を向上できることがわかった。

Claims (7)

  1. 立体形状を有する一次成形品と、この一次成形品の表面に形成される回路とを有する射出成形回路部品であって、一次成形品が、平均繊維長1〜15μm、アスペクト比10以上の強化繊維5〜50体積%を含む樹脂組成物によって形成されることを特徴とする射出成形回路部品。
  2. 強化繊維が、ホウ酸アルミニウム、六チタン酸カリウム、および酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機繊維である請求項1記載の射出成形回路部品。
  3. 樹脂組成物を構成する樹脂が、熱可塑性ポリエステル系樹脂である請求項1記載の射出成形回路部品。
  4. 熱可塑性ポリエステル系樹脂が、電離放射線の照射によって架橋される架橋性を有し、射出成形後に、電離放射線の照射によって架橋される請求項3記載の射出成形回路部品。
  5. 熱可塑性ポリエステル系樹脂が、ポリブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸とのポリエステル、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル酸とのポリエステル、シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサンジカルボン酸とテレフタル酸とフマル酸とのポリエステル、および液晶ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3記載の射出成形回路部品。
  6. 平均繊維長1〜15μm、アスペクト比10以上の強化繊維5〜50体積%を含む樹脂組成物を射出成形して一次成形品を形成する工程と、形成した一次成形品をインサート成形して、その表面の、回路を形成しない領域を、二次成形部分で被覆して二色成形品を形成する工程と、形成した二色成形品の表面の全面に、化学めっきのための触媒を担持させる工程と、二次成形部分を除去する工程と、一次成形品の表面の、二次成形部分を除去した領域以外の、触媒を担持させた領域に、化学めっきによって、選択的に、回路となる金属層を形成する工程とを含むことを特徴とする射出成形回路部品の製造方法。
  7. 樹脂組成物を構成する樹脂が、電離放射線の照射によって架橋される架橋性を有する熱可塑性ポリエステル系樹脂であり、インサート成形前の一次成形品に電離放射線を照射して、上記熱可塑性ポリエステル系樹脂を架橋させる工程を含む請求項6記載の射出成形回路部品の製造方法。

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