JP2006330353A - 光学系 - Google Patents

光学系 Download PDF

Info

Publication number
JP2006330353A
JP2006330353A JP2005153760A JP2005153760A JP2006330353A JP 2006330353 A JP2006330353 A JP 2006330353A JP 2005153760 A JP2005153760 A JP 2005153760A JP 2005153760 A JP2005153760 A JP 2005153760A JP 2006330353 A JP2006330353 A JP 2006330353A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
central axis
optical system
image
front group
light beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005153760A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4611115B2 (ja
Inventor
Kokichi Kenno
孝吉 研野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2005153760A priority Critical patent/JP4611115B2/ja
Priority to US11/434,751 priority patent/US7542218B2/en
Publication of JP2006330353A publication Critical patent/JP2006330353A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4611115B2 publication Critical patent/JP4611115B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B13/00Optical objectives specially designed for the purposes specified below
    • G02B13/06Panoramic objectives; So-called "sky lenses" including panoramic objectives having reflecting surfaces

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Stereoscopic And Panoramic Photography (AREA)

Abstract

【課題】 半球状の曲面物体の像を撮像したり、半球状の曲面像として投影することができる小型で収差が良好に補正されて解像力の良い曲面画像変換光学系。
【解決手段】 半球状の球面の画像100を平面の像面30に結像させる結像系であって、中心軸1の周りで回転対称な透明媒体からなり、少なくとも2面の内面反射面12、13と2面の透過面11、14からなる前群10と、中心軸1の周りで回転対称で正パワーを有する後群20と、中心軸1に同軸に配置された開口5とを備えており、物点100から前群10に入射する第1透過面11、その透過光束を反射する第1反射面12、その反射光束を反射する第2反射面13、その反射光束を透明媒体から射出する第2透過面14からなる前群10を有し、物体100からの光束は、前群10と後群20を順に経て像面30の中心軸1から外れた位置に結像し、輪帯状の平面像を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学系に関し、特に、半球状の曲面の物体を平面の輪帯状の像面に結像させる全天カメラ等に適した対物光学系、及び、像面に配置された輪帯状の画像を半球状の曲面に投影する全天プロジェクター等に適した投影光学系に関するものであ。
従来、ドーム状のスクリーンに映像を投影する場合には、複数台のプロジェクターから複数の映像を別々に投影してスクリーン上で張り合わせるか、魚眼レンズ等の広角な光学系により投影していた。
例えば、特許文献1に記載のものの場合、中心軸の周りで回転対称な環状の凸面からなる第1反射面と凸面からなる第2反射面とを結像レンズの前方に配置して、半球状の曲面の物体を平面の結像させる内視鏡用の対物光学系である。ただし、光学系の詳細は一切示されていない。
また、特許文献2に記載のものは、ビームスプリッターと凹面鏡とボールレンズアセンブルとを組み合わせて、フラットな画像を湾曲画像に変換するものであ。
特開2001−174713号公報 特開2004−287435号公報
本発明は従来技術のこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で半球状の曲面物体の像を撮像したり、半球状の曲面像として投影することができる小型で収差が良好に補正されて解像力の良い、全天カメラや全天プロジェクター等に適した曲面画像変換光学系を提供することである。
上記目的を達成する本発明の光学系は、半球状の球面の画像を平面の像面に結像させる結像系か、平面の画像を球面の像面に投影する投影系であって、中心軸の周りで回転対称な透明媒体からなり、少なくとも2面の内面反射面と2面の透過面からなる前群と、中心軸の周りで回転対称で正パワーを有する後群と、中心軸に同軸に配置された開口とを備えており、
結像系の場合は光線の進む順に、投影系の場合は光線の進む順とは反対に、物点から前記前群に入射する第1透過面、前記第1透過面通過後の光束を反射する第1反射面、前記第1反射面で反射後の光束を反射する第2反射面、前記第2反射面で反射後の光束を前記透明媒体から射出する第2透過面からなる前群を有し、物体からの光束は、前記前群と前記後群を順に経て像面の中心軸から外れた位置に結像し、輪帯状の平面像を形成することを特徴とするものである。
この場合に、メリジオナル断面で、中心軸を挟んで対称に2つの入射瞳を有することが望ましい。
また、少なくとも1面の反射面は対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有することが望ましい。
また、少なくとも1面の反射面は奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有することが望ましい。
また、メリジオナル断面とサジタル断面の入射瞳位置が異なることが望ましい。
また、メリジオナル断面内の入射瞳は光学系の第1透過面近傍に位置し、サジタル断面内の入射瞳は中心軸近傍に位置するものとすることができる。
また、前記開口を前記光束の入射方向と逆方向へ投影した絞り像の結像回数が、メリジオナル断面内とサジタル断面内とで同じになっているか1回の差があることが望ましい。
また、メリジオナル断面内で、前記前群により物体側に形成される絞りと共役な入射瞳近傍に前記断面内でのみ開口を制限する一方向性のフレア絞りを配置することが望ましい。
また、メリジオナル断面において、前記第1透過面の画角中心からの中心光束の中心光線が入射する位置での接平面の中心軸に対する角度をθ1 とするとき、
−60°<θ1 <−20° ・・・(1)
の条件を満たすことが望ましい。
また、像面の垂線方向に前記前群の上端から下端までの高さをH1 、前記前群の上端から前記第1透過面の画角中心からの中心光束の中心光線が入射する位置までの高さをH2 とするとき、
1.2<H1 /H2 ・・・(2)
の条件を満たすことが好ましい。
また、メリジオナル断面における入射瞳位置から前記開口位置までの光路長をA、メリジオナル断面における入射瞳位置から前記前群の前記第1透過面までの光路長をBとするとき、
5<|A/B| ・・・(3)
の条件を満たすことが好ましい。
以上の本発明によると、簡単な構成で半球状の曲面物体の像を撮像したり、投影することができる小型で収差が良好に補正されて解像力の良い曲面画像変換光学系を得ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明の光学系について説明する。
図1は、後記する実施例1の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図であり、図2は、その光学系内の光路を示す平面図である。これらの図1、図2を用いて本発明の光学系を説明する。なお、以下の説明は、半球状の曲面物体の像を結像する結像光学系として説明するが、光路を逆にとって半球状の曲面画像として投影する投影光学系として用いることもできる。なお、図2には方位角0°方向から入射する光路と方位角±14°方向から入射する光路とを示してある。
本発明の光学系は、中心軸1の周りで回転対称な前群10と中心軸1の周りで回転対称な後群20とからなり、半球状の曲面物体100から入射する光束2は、前群10と後群20を順に経て中心軸1に垂直な像面30の中心軸1から外れた位置に結像するものである。
前群10は、中心軸1の周りで回転対称な屈折率が1より大きい樹脂等の透明媒体からなり、2面の内面反射面12、13と2面の透過面(入射面、射出面)11、14を持つものである。内面反射面12、13と透過面11、14も中心軸1の周りで回転対称な形状をしている。また、後群20は、中心軸1の周りで回転対称で正パワーを有するでレンズ系等の同軸屈折光学系からなるものである。
そして、前群10の透明媒体は、第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14から構成され、第1透過面11は中心軸1に対して曲面物体100からの光束2が入射する側に配置され、第1反射面12は中心軸1を挟んで第1透過面11と反対側に配置され、第1透過面11より像面30側に配置されており、第2反射面13は中心軸1に対して第1透過面11と同じ側で、第1反射面12より像面30と反対側に配置されており、第2透過面14は第1透過面11と同じ側で、第1反射面12より像面30側に配置されている。
そして、曲面物体100から入射する光束2は、第1透過面11を経て透明媒体内に入り、中心軸1を挟んで第1透過面11と反対側に配置されている第1反射面12で像面30と反対側に反射され、中心軸1に対して第1透過面11と同じ側に配置されている第2反射面13で像面30側に反射され、第2透過面14を経て透明媒体から外に出て、前群10と後群20の間に中心軸1と同軸に配置され絞りを構成する円形の開口5と正パワーの後群20を経て、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。
この前群10の役割は、半球状の曲面物体100から半球の中心に向かって進んでくる光束2を回転対称軸1に対して垂直な円環状の空中像に変換する働きをする。
この場合、前群10の各面11〜14と光路が相互に干渉しないように配置することが必要となり、光線を斜めに反射屈折する偏心配置をとることが必要になる。しかし、一般に偏心させた配置では偏心収差が激しく発生するために、解像力が悪くなったり、画角を大きくとれなくなってしまう。そこで、本発明では、奇数次項等を用いた対称面を持たない任意形状の線分を中心軸1の周りで回転させて形成される回転対称な面形状を使うことにより、偏心収差の発生を少なくして、解像力の良い平面像を得ることに成功したものである。
また、透明媒体により前群10を構成することにより、製作性も向上すると同時に、裏面反射面12、13を使うことにより、収差の発生もさらに良好に補正することができる。
また、後群20の役割は、その円環状の空中像を像面30に投影する働きをするものである。さらに、前群10で変換される円環状の空中像は光線の進む方向に凹面を向けた像面湾曲が残ることが多いので、前群10で補正不足となる像面湾曲や非点収差を後群20で相補うことも可能である。
ここで、光学系の中心軸(回転対称軸)1と画角中心からの中心光束2の中心光線(主光線)20 とを含む断面をメリジオナル断面、そのメリジオナル断面に対して直交し中心光線(主光線)20 を含む断面がサジタル断面とするとき、円環状の平面像を得るために、本発明の光学系では、メリジオナル断面では、中心軸を挟んで2つの入射瞳6Yを有する。
一般的な光学系は、回転対称軸(光軸)上に配置された開口を絞りとして、唯一の入射瞳を有する。そのため、画角が大きくなると広い入射画角の光束を入射瞳に入射させる必要があり、強い負のパワーを有する凹レンズを物体側に配置した所謂魚眼レンズのような構成をとる必要がある。しかし、この場合の問題点は、強い負の凹レンズにより像歪みが発生して、周辺の映像が小さくなってしまう点である。
本発明の光学系のように、半球状の物体面に対してどの方向も略同一の解像力を得たい場合にはこの問題は非常に重要である。そこで、本発明では、メリジオナル断面で考えると、中心軸1を挟んで左右別の2つの光路を形成するようにすることによりこの問題を解決したものである。
中心軸1に対して例えば左にある入射瞳6Yは左側の半球状の物体面の像を取り込み、右にある入射瞳6Yは右側の半球状の物体面の像を取り込ように構成されている。つまり、メリジオナル断面では、半球の片側の物体からの光束のみを入射瞳6Yから取り込むことができれば、反対側の半球は中心軸1の反対側にある入射瞳6Yが受け持つことができる。
さらに、左右の光路はお互いに干渉しないように配置されていることが重要である。これは、図1の実施例のように、光路が中心軸1に対して左右にまたがる場合に特に重要で、左右光路と各面が干渉してしまうと面を構成することができなくなってしまうからである。また、メリジオナル断面上の左右の像面もお互いに干渉しないような位置、つまり、中心軸1に対して少し離れた位置に結像することが重要である。
さらに、左右の光路は中心軸1に対して回転対称に構成され、かつ、中心軸1周りにこのようなメリジオナル断面の形状を回転させることにより、回転対称な光学系を構成することが可能となり、像面は中心軸1を中心とした扇形の像面となり、全体として輪帯状の像面となる。
また、入射瞳6Yも輪帯状の入射瞳を形成するが、入射瞳6Yが輪帯状に見えるのは、メリジオナル断面(図1)で左右画角が重なっている中心軸1方向から見た場合のみである。
さらに、前群10の働きとしては、中心軸2上に配置された開口5の像を、メリジオナル断面で見た場合に、中心軸1を挟んで左右2つの入射瞳6Yに分割投影する作用を有することもある。
さらに、少なくとも1つの内面反射面は奇数次項を用いた対称面を持たない任意形状の線分を中心軸1の周りで回転させて形成される回転対称な面形状を使うことが望ましい。この奇数次項により画角中心に対して上下非対称な形状を与えることが可能となり、収差補正上好ましい。
さらに、中心軸上に配置された絞り(開口)5が前群10により逆投影、又は、1回結像されてからさらに逆投影されることにより入射瞳を形成するが、本発明の特徴は、この入射瞳がメリジオナル断面内では、第1透過面11近傍に配置(メリジオナル断面の入射瞳6Y)しながら、サジタル断面内では中心軸(回転対称軸)1上に配置(サジタル断面の入射瞳6X)されるように、入射瞳位置をメリジオナル断面とサジタル断面で異ならせることである。
一般的な球面で構成される光学系では、メリジオナル断面の入射瞳もサジタル断面内の入射瞳も共に中心軸上に配置されるために、本発明のような光学系を球面で構成した場合、メリジオナル断面の入射瞳も中心軸上になってしまうため、第1透過面11の有効範囲が広くなってしまい、透明媒質に入射してしまう有害光をカットするフレア絞りを有効に配置することができない。
本発明では、任意形状の線分を中心軸1の周りで回転させて面を形成するために、メリジオナル断面の曲率とサジタル断面の曲率を独立に与えることが可能である。これにより、開口5が逆投影又は1回結像されてからさらに逆投影されて形成されるメリジオナル断面内の入射瞳6Yのみを前群10の中心軸1より物体側に配置することにより、第1面(第1透過面)11の有効範囲をメリジオナル断面において狭くすることが可能となる。これにより、前群10内に入り込む不要光を大幅にカットして、フレアを減らすことが可能となったものである。
一方、中心軸1と直交するサジタル断面においては、回転対称系なので光束も回転対称に通過することになり、同じ上下方向画角の円周上物点は回転中心である中心軸1上を常に通過する光束となるか、又は、常に中心軸1を目指して前群10から射出する光束となる。ゆえに、サジタル断面では入射瞳6Xは中心軸1上にある。
このような配置をとるために、前群10は、メリジオナル断面とサジタル断面で曲率を自由にコントロールできる任意形状の線分を中心軸1の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有する面で構成することが重要である。さらに、前群10では、偏心して配置されるパワーを有する面11〜14で反射又は透過させるために、偏心収差が大きく発生する。これを補正するために、上記のように、特に内部反射面12、13は任意形状の線分に奇数次項等を用いた対称面を持たない任意形状の線分を回転させることにより得られる面形状を使用することが重要になる。
このような構成において、中心軸1をY軸とし、中心軸1を含む断面(図1)をY−Z面とするとき、上記のように、メリジオナル断面内の入射瞳6Y近傍にY方向にスリット状のフレア絞りをその入射瞳6Y近傍に配置することが可能となり、不要光をこのフレア絞りでカットすることが可能となる。
フレアー絞りは、このような機械的なスリット状の絞りでも可能であるし、光学系の保護を目的としたケーシングや、光線の通過しない部分を黒く塗った中心軸1に同心の透明パイプ状のものでもよい。また、反射面13の反射コーティング部分を併用したり、前群10の光学的に不使用な領域を砂目処理したり、黒い塗料を塗布することで、併用することも可能である。
本発明では、入射瞳を形成するために、サジタル断面内の絞り5のリレー回数とメリジオナル断面内の絞り5のリレー回数を合わせるか、少なくとも±1回にした方が好ましい。
後記の実施例1においては、第1透過面11と第1反射面12は中心軸1を跨がって配置されている。さらに、第2反射面13は第1反射面12と中心軸1を跨がって配置され、第1透過面11と同じ側に配置されている。そこで、サジタル断面では、光束は図2に示すように、中心軸1を2回通過して絞り5に入射することになる。このことは、開口5の逆投影された開口像は中心軸1上で第1透過面11と第1反射面12の間で結像し、さらに第1反射面12と第2反射面13の間でも中心軸1上に結像することになる。
つまり、実施例1のサジタル断面では1回結像した開口像をさらにもう1回結像する2回結像になっている。各面11〜14、特に反射面12、13のサジタル断面のパワーとメリジオナル断面のパワーを比較的同一にした方が収差補正上良い結果を得るので、メリジオナル断面でも絞り5を2回結像させる構成にすることが、収差補正上好ましい。そこで、本発明では、メリジオナル断面においても、図1のように、第1透過面11近傍の像6Yと第1反射面12と第2反射面13の間の像6Y’の2回の結像をさせている。
また、メリジオナル断面の開口5の逆投影位置も中心軸1上にしてしまうと、入射面11の有効径が大きくなってしまい、フレアーの発生が大きくなり、本発明の趣旨と矛盾する。さらに、各面11〜14の有効径が大きくなると面同士の干渉が起こり、広い上下方向(Y方向)の観察画角をとることが不可能になる。
そこで、本発明では、上記のように、逆投影された開口5の像の最も物体側の開口像6Yを第1透過面11近傍に配置する構成としている。
後記の実施例2(図4)においては、中心軸1を挟んで、第1透過面11と、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14とは反対に配置されているために、サジタル断面の開口5の像は第1透過面11と第1反射面12の間に1回逆投影されるのみである。そこで、メリジオナル断面でも、これに合わせて第1透過面11近傍に1回のみ逆投影する構成になっている。
後記の実施例3(図7)においては、第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14の全ての面が中心軸1の物体側にあるために、サジタル断面では中心軸1を通過しないためにサジタル断面での開口5は逆投影はされない。しかし、メリジオナル断面でも同様に絞り5が逆投影されない配置では、本発明の趣旨に合わないので、1回逆投影の構成になっている。
つまり、サジタル断面での絞り5の結像回数とメリジオナル断面での絞り5の結像回数を同じか±1回にすることが収差補正上好ましい。
次に、半球状の物体100からの光束2を光学系に取り込む本発明のような場合には、半球の中心に入射瞳を配置することが望ましい。しかし、本発明の光学系の場合は、半球の中心には中心軸1があり、配置できない。そこで、中心軸1近傍に第1透過面11を配置して、透過した光束が像面側に屈折するように斜めに傾けた面形状としている。これにより、第1透過面11を透過後の光束と、中心軸1を挟んで反対側の入射瞳6Yを経て入射する光束の第1反射面12とが干渉しないように配置することができる。さらに、この第1透過面11の傾きを適切に与えることにより、第1反射面11と第2透過面14の干渉も避けることが可能となる。
さらに、実施例3の場合には、前群10の光路が中心軸1の片側のみに位置するために、中心軸1を挟んで反対側の入射瞳6Yからの光束と面との干渉を考慮する必要はないが、反対に第1透過面11を半球の中心近傍に配置できないために、半球状の物体100と第1透過面11の距離が近づき観察画角が非常に広角になる。そのため、この広い画角の光線を前群10に取り込むために第1透過面11を斜め約45°に傾けて配置しないと、光束を前群10内に入射させることができない。
このように、半球状の広い画角を前群10に取り込むためには、第1透過面11の角度が重要となり、第1透過面11の画角中心からの中心光束2の中心光線(主光線)20 が入射する位置での接平面の中心軸1に対する角度をθ1 とするとき、
−60°<θ1 <−20° ・・・(1)
なる条件を満足することが重要である。
この条件式の下限の−60°を越えると、半球状の画面の下方向の画角がとれなくなり、上限の−20°を越えると、半球状の画面の天頂方向の画角がとれなくなる。
また、前群10全体に対する第1透過面11の位置が光路と面の干渉を避けるために重要となり、像面30の垂線方向に前群10の高さをとると、前群10の上端から下端までの高さをH1 、前群10の上端から第1透過面11の中心光線20 が入射する位置までの高さをH2 とするとき、
1.2<H1 /H2 ・・・(2)
の条件を満たすことが好ましい。
この条件式の下限の1.2を越えると、第1透過面11が下方に位置しすぎてしまい、前群10自体で半球状の視野を妨げてしまい、広い観察画角をとることができなくなってしまう。
さらに好ましくは
2<H1 /H2 ・・・(2−1)
の条件を満たすことが好ましい。
本発明の光学系は、上記のように、メリジオナル断面の入射瞳6Yが第1透過面11近傍に投影されていることが特徴であり、ゴースト等を防ぐフレアー絞りを効果的に配置することが可能となる。これにより、光学系の入射面11の有効領域をメリジオナル断面において小さくすることが可能となり、前群10に入射する不要光を効果的に防ぐことが可能となり、根本的なフレアー対策に効果を発揮する。そのためには以下の条件式を満足することが重要である。
メリジオナル断面における入射瞳6Y位置から絞り5位置までの光路長をA、入射瞳6Y位置から前群10の第1透過面11までの光路長をBとする。|A/B|は、前群10の入射面11近傍に入射瞳6Yが配置されている度合いを表す。|A/B|が、
5<|A/B| ・・・(3)
なる条件を満たすことが望ましい。
条件式(3)の下限の5を越えると、入射瞳6Yが光学系第1面11から離れてしまい、第1面11の有効系が大きくなり、前群10に入射する有害なフレアー光を効果的にカットすることができなくなる。この値が大きい程フレアー防止用のフレアー絞りを有効に働かせることが可能となる。
さらに好ましくは
20<|A/B| ・・・(3−1)
なる条件を満足することが好ましい。
後記の実施例1〜3のA、B、|A/B|、H1 、H2 、H1 /H2 は次のようになる。
実施例1 実施例2 実施例3
A 31.827 22.629 16.433
B 0.022 0.039 0.005
|A/B| 1462.605 576.341 3600.538
1 5.000 6.600 3.300
2 0.100 0.100 1.900
1 /H2 50.000 66.000 1.737 。
以下に、本発明の光学系の実施例1〜3をより詳しく説明する。これら光学系の構成パラメータは後記する。これら実施例の構成パラメータは、例えば図1に示すように、物体面から前群10と後群20を経て像面30に至る順光線追跡の結果に基づくものである。
座標系は、順光線追跡において、例えば図1に示すように、半球状物体100の曲率中心を偏心光学系の偏心光学面の原点とし、回転対称軸(中心軸)1の像面30から離れる方向をY軸正方向とし、図1の紙面内をY−Z平面とする。そして、図1の紙面内のいま考えている入射瞳6Yの側と反対側の方向をZ軸正方向とし、Y軸、Z軸と右手直交座標系を構成する軸をX軸正方向とする。
偏心面については、その面が定義される座標系の上記光学系の原点の中心からの偏心量(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向をそれぞれX,Y,Z)と、光学系の原点に定義される座標系のX軸、Y軸、Z軸それぞれを中心とする各面を定義する座標系の傾き角(それぞれα,β,γ(°))とが与えられている。その場合、αとβの正はそれぞれの軸の正方向に対して反時計回りを、γの正はZ軸の正方向に対して時計回りを意味する。なお、面の中心軸のα,β,γの回転のさせ方は、各面を定義する座標系を光学系の原点に定義される座標系のまずX軸の回りで反時計回りにα回転させ、次に、その回転した新たな座標系のY軸の回りで反時計回りにβ回転させ、次いで、その回転した別の新たな座標系のZ軸の回りで時計回りにγ回転させるものである。
また、各実施例の光学系を構成する光学作用面の中、特定の面とそれに続く面が共軸光学系を構成する場合には面間隔が与えられており、その他、面の曲率半径、媒質の屈折率、アッベ数が慣用法に従って与えられている。
なお、後記の構成パラメータ中にデータの記載されていない非球面に関する項は0である。屈折率、アッベ数については、d線(波長587.56nm)に対するものを表記してある。長さの単位はmmである。各面の偏心は、上記のように、半球状物体100の曲率中心からの偏心量で表わす。
なお、非球面は、以下の定義式で与えられる回転対称非球面である。
Z=(Y2 /R)/[1+{1−(1+k)Y2 /R2 1 /2
+aY4 +bY6 +cY8 +dY10+・・・
・・・(a)
ただし、Zを軸とし、Yを軸と垂直な方向にとる。ここで、Rは近軸曲率半径、kは円錐定数、a、b、c、d、…はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。この定義式のZ軸が回転対称非球面の軸となる。
また、拡張回転自由曲面は、以下の定義で与えられる回転対称面である。
まず、Y−Z座標面上で原点を通る下記の曲線(b)が定められる。
Z=(Y2 /RY)/[1+{1−(C1 +1)Y2 /RY2 1 /2
2 Y+C3 2 +C4 3 +C5 4 +C6 5 +C7 6
+・・・・+C2120+・・・・+Cn+1 n +・・・・
・・・(b)
次いで、この曲線(b)をX軸正方向を向いて左回りを正として角度θ(°)回転した曲線F(Y)が定められる。この曲線F(Y)もY−Z座標面上で原点を通る。
その曲線F(Y)をZ正方向に距離R(負のときはZ負方向)だけ平行移動し、その後にY軸の周りでその平行移動した曲線を回転させてできる回転対称面を拡張回転自由曲面とする。
その結果、拡張回転自由曲面はY−Z面内で自由曲面(自由曲線)になり、X−Z面内で半径|R|の円になる。
この定義からY軸が拡張回転自由曲面の軸(回転対称軸)となる。
ここで、RYはY−Z断面での球面項の曲率半径、C1 は円錐定数、C2 、C3 、C4 、C5 …はそれぞれ1次、2次、3次、4次…の非球面係数である。
そして、本発明の光学系においては、前群10の少なくとも1面の反射面は、このような拡張回転自由曲面であって、Y−Z断面で多項式で表現した場合に、少なくとも奇数次項を持ち対称面を持たない任意形状の線分を中心軸1の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有するものとすることが望ましい。少なくとも1面の反射面にこのような面形状を持たせることにより、反射光学系においては避けられない偏心収差を補正して解像力の良い光学系を提供することができると共に、その光学系の小型化が可能になる。
実施例1の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図を図1に、その光学系内の光路を示す平面図を図2に示す。なお、図2には方位角0°方向から入射する光路と方位角±14°方向から入射する光路とを示してある。
この実施例の光学系は、中心軸1の周りで回転対称な前群10と、中心軸1の周りで回転対称な後群20と、前群10と後群20の間に中心軸1に同軸に配置された開口5とからなり、原点を曲率中心とする半球状の曲面物体100から入射する光束2は、前群10と後群20を順に経て中心軸1に垂直な像面30の中心軸1から外れた位置に結像するものであり、中心軸1を垂直(上下方向)に設定した場合、半球状の曲面物体100の円状の縁に沿っての360°全方位(全周)の画角を有する画像であって、半球状の曲面物体100の中心が画像の中心方向に向き、半球状の曲面物体100の縁の線が外側の円になるような円環状の画像を像面30に結像させるものである。
前群10は、中心軸1の周りで回転対称な屈折率が1より大きい樹脂等の透明媒体からなり、2面の内面反射面12、13と2面の透過面(入射面、射出面)11、14を持つものである。内面反射面12、13と透過面11、14も中心軸1の周りで回転対称な形状をしている。また、後群20は、中心軸1の周りで回転対称な2枚のレンズL1、L2からなり正パワーを有するレンズ系からなる。
前群10の透明媒体は、第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14から構成され、第1透過面11は中心軸1に対して曲面物体100からの光束2が入射する側に配置され、第1反射面12は中心軸1を挟んで第1透過面11と反対側に配置され、第1透過面11より像面30側に配置されており、第2反射面13は中心軸1に対して第1透過面11と同じ側で、第1反射面12より像面30と反対側に配置されており、第2透過面14は第1透過面11と同じ側で、第1反射面12より像面30側に配置されている。
そして、曲面物体100から入射する光束2は、第1透過面11を経て透明媒体内に入り、中心軸1を挟んで第1透過面11と反対側に配置されている第1反射面12で像面30と反対側に反射され、中心軸1に対して第1透過面11と同じ側に配置されている第2反射面13で像面30側に反射され、第2透過面14を経て透明媒体から外に出て、前群10と後群20の間に中心軸1と同軸に配置され絞りを構成する円形の開口5と正パワーの後群20を経て、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。この前群10の第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14は何れも拡張回転自由曲面面で構成されている。ただし、円錐定数は0である。
後群20を構成するレンズ系は、前群10側から順に、前群10側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と両凸正レンズL2とからなる。
そして、中心軸1が半球状の曲面物体100の中心を通る配置の場合、曲面物体100の曲率中心から見て仰角45°方向の物体位置から入射する中心光束2は入射面の第1透過面11で屈折して前群10の透明媒体内に入り、第1反射面12、第2反射面13の順に反射された光束は第2透過面14で屈折して前群10の透明媒体から外に出て、開口5を介して後群20に入射し、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。
この実施例の光学系では、前群10と後群20の間に位置する開口(絞り)5が物体側に投影されてメリジオナル断面内では1回像6Y’として結像され、再度逆投影されて結像されたメリジオナル断面内の入射瞳6Yを前群10の第1透過面11近傍に形成するようになっており、また、サジタル断面内では中心軸(回転対称軸)1上に像6X’、6Xとして2度結像され、中心軸1上に入射瞳6Xを形成している。
そして、この実施例の光学系では、入射瞳6Yを経て半球状の曲面物体100から入射する光束2、3U、3L(光束3Uは半球状の曲面物体100の中心から入射する光束、3Lは半球状の曲面物体100の円状の縁から入射する光束)を、中心軸1を含む断面(メリジオナル断面:図1)内では、第1反射面12近傍の位置4Y1 に1回結像し、再度第2反射面13と第2透過面14の間の位置4Y2 に結像し、また、中心軸1を含む面に直交しその光束の中心光線20 を含む平面(サジタル断面:図2)内では、第1透過面11と第1反射面12の間の位置4X1 と第2反射面13と第2透過面14の間の位置4X2 に2回結像している。
この実施例1の仕様は、
水平画角 360°
垂直画角(半球状物体の曲率中心に対する) 90°(中心画角45°)
入射NA(開口数) 0.014
像の大きさ φ0.10〜φ2.00mm
である。
図3に、この実施例の光学系の横収差を示す。この横収差図において、中央に示された角度は、半球状物体100の曲率中心(原点)から見た垂直方向の画角を示し、半球状物体100の中心方向を0°、半球状物体100の縁方向を90°とし、その画角におけるY方向(メリジオナル方向)とX方向(サジタル方向)の横収差を示す。以下、同じ。
さらに、本発明の光学系の場合、半球状物体100の曲率半径を1mにした場合には、像面30の両凸正レンズL2の後面からの距離を2.07mm(後記の構成パラメータ中の偏心(10)と偏心(11)のY方向位置の差)から2.00mmにすることにより、良好な像を得ることができる。
実施例2の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図を図4に、その光学系内の図2と同様の光路を示す平面図を図5に示す。
この実施例の光学系は、中心軸1の周りで回転対称な前群10と、中心軸1の周りで回転対称な後群20と、前群10と後群20の間に中心軸1に同軸に配置された開口5とからなり、原点を曲率中心とする半球状の曲面物体100から入射する光束2は、前群10と後群20を順に経て中心軸1に垂直な像面30の中心軸1から外れた位置に結像するものであり、中心軸1を垂直(上下方向)に設定した場合、半球状の曲面物体100の円状の縁に沿っての360°全方位(全周)の画角を有する画像であって、半球状の曲面物体100の中心が画像の中心方向に向き、半球状の曲面物体100の縁の線が外側の円になるような円環状の画像を像面30に結像させるものである。
前群10は、中心軸1の周りで回転対称な屈折率が1より大きい樹脂等の透明媒体からなり、2面の内面反射面12、13と2面の透過面(入射面、射出面)11、14を持つものである。内面反射面12、13と透過面11、14も中心軸1の周りで回転対称な形状をしている。また、後群20は、中心軸1の周りで回転対称な2枚のレンズL1、L2からなり正パワーを有するレンズ系からなる。
前群10の透明媒体は、第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14から構成され、第1透過面11は中心軸1に対して曲面物体100からの光束2が入射する側に配置され、第1反射面12は中心軸1を挟んで第1透過面11と反対側に配置され、第1透過面11より像面30側に配置されており、第2反射面13は中心軸1に対して第1反射面12と同じ側で、第1反射面12より像面30と反対側に配置されており、第2透過面14は第1反射面12と第2反射面13と同じ側で、第2反射面13より像面30側に配置されている。
そして、曲面物体100から入射する光束2は、第1透過面11を経て透明媒体内に入り、中心軸1を挟んで第1透過面11と反対側に配置されている第1反射面12で像面30と反対側に反射され、中心軸1に対して第1反射面12と同じ側に配置されている第2反射面13で像面30側に反射され、第2透過面14を経て透明媒体から外に出て、前群10と後群20の間に中心軸1と同軸に配置され絞りを構成する円形の開口5と正パワーの後群20を経て、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。この前群10の第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14は何れも拡張回転自由曲面面で構成されている。ただし、円錐定数は0である。
後群20を構成するレンズ系は、前群10側から順に、前群10側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と凸平正レンズL2とからなる。
そして、中心軸1が半球状の曲面物体100の中心を通る配置の場合、曲面物体100の曲率中心から見て仰角45°方向の物体位置から入射する中心光束2は入射面の第1透過面11で屈折して前群10の透明媒体内に入り、第1反射面12、第2反射面13の順に反射された光束は第2透過面14で屈折して前群10の透明媒体から外に出て、開口5を介して後群20に入射し、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。
この実施例の光学系では、前群10と後群20の間に位置する開口(絞り)5が物体側に投影されてメリジオナル断面内の入射瞳6Yを前群10の第1透過面11近傍に形成するようになっており、また、サジタル断面内では中心軸(回転対称軸)1上に1度結像されて中心軸1上の入射瞳6Xを形成している。
そして、この実施例の光学系では、入射瞳6Yを経て半球状の曲面物体100から入射する光束2、3U、3L(光束3Uは半球状の曲面物体100の中心から入射する光束、3Lは半球状の曲面物体100の円状の縁から入射する光束)を、中心軸1を含む断面(メリジオナル断面:図4)内では、第1反射面12と第2反射面13の間に像4Yとして1回結像し、また、中心軸1を含む面に直交しその光束の中心光線20 を含む平面(サジタル断面:図5)内では、第1透過面11と第1反射面12の間の位置4Xに1回結像している。
この実施例2の仕様は、
水平画角 360°
垂直画角(半球状物体の曲率中心に対する) 90°(中心画角45°)
入射NA(開口数) 0.022
像の大きさ φ0.14〜φ2.00mm
である。
図6に、この実施例の光学系の図3と同様の横収差を示す。
実施例3の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図を図7に、その光学系内の図2と同様の光路を示す平面図を図8に示す。
この実施例の光学系は、中心軸1の周りで回転対称な前群10と、中心軸1の周りで回転対称な後群20と、前群10と後群20の間に中心軸1に同軸に配置された開口5とからなり、原点を曲率中心とする半球状の曲面物体100から入射する光束2は、前群10と後群20を順に経て中心軸1に垂直な像面30の中心軸1から外れた位置に結像するものであり、中心軸1を垂直(上下方向)に設定した場合、半球状の曲面物体100の円状の縁に沿っての360°全方位(全周)の画角を有する画像であって、半球状の曲面物体100の中心が画像の外側の円になり、半球状の曲面物体100の縁の線が中心方向に向く円環状の画像を像面30に結像させるものである。
前群10は、中心軸1の周りで回転対称な屈折率が1より大きい樹脂等の透明媒体からなり、2面の内面反射面12、13と2面の透過面(入射面、射出面)11、14を持つものである。内面反射面12、13と透過面11、14も中心軸1の周りで回転対称な形状をしている。また、後群20は、中心軸1の周りで回転対称な2枚のレンズL1、L2からなり正パワーを有するレンズ系からなる。
前群10の透明媒体は、第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14から構成され、第1透過面11は中心軸1に対して曲面物体100からの光束2が入射する側に配置され、第1反射面12は中心軸1に対して第1透過面11と同じ側に配置され、第1透過面11より像面30側に配置されており、第2反射面13は中心軸1に対して第1透過面11、第1反射面12と同じ側で、第1反射面12より像面30と反対側に配置されており、第2透過面14は中心軸1と同軸で、第2反射面13より像面30側に配置されている。
そして、曲面物体100から入射する光束2は、第1透過面11を経て透明媒体内に入り、中心軸1に対して第1透過面11と同じ側に配置されている第1反射面12で像面30と反対側に反射され、中心軸1に対して第1透過面11、第1反射面12と同じ側に配置されている第2反射面13で像面30側に反射され、第2透過面14を経て透明媒体から外に出て、前群10と後群20の間に中心軸1と同軸に配置され絞りを構成する円形の開口5と正パワーの後群20を経て、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。この前群10の第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13は拡張回転自由曲面面で構成されている。ただし、円錐定数は0である。また、第2透過面14は中心軸1上に面頂を有する回転対称非球面で構成されている。
後群20を構成するレンズ系は、前群10側から順に、前群10側に凹面を向けた正メニスカスレンズL1と両凸正レンズL2とからなる。
そして、中心軸1が半球状の曲面物体100の中心を通る配置の場合、曲面物体100の曲率中心から見て仰角45°方向の物体位置から入射する中心光束2は入射面の第1透過面11で屈折して前群10の透明媒体内に入り、第1反射面12、第2反射面13の順に反射された光束は第2透過面14で屈折して前群10の透明媒体から外に出て、開口5を介して後群20に入射し、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。
この実施例の光学系では、前群10と後群20の間に位置する開口(絞り)5が物体側に投影されてメリジオナル断面内の入射瞳6Yを前群10の第1透過面11近傍に形成するようになっており、また、サジタル断面内では開口(絞り)5自身が入射瞳6Xを形成している。
そして、この実施例の光学系では、入射瞳6Yを経て半球状の曲面物体100から入射する光束2、3U、3L(光束3Uは半球状の曲面物体100の中心から入射する光束、3Lは半球状の曲面物体100の円状の縁から入射する光束)を、中心軸1を含む断面(メリジオナル断面:図7)内では、第1反射面12と第2反射面13の間に像4Yとして1回結像し、また、中心軸1を含む面に直交しその光束の中心光線20 を含む平面(サジタル断面:図8)内では結像しない。
この実施例3の仕様は、
水平画角 360°
垂直画角(半球状物体の曲率中心に対する) 90°(中心画角45°)
入射NA(開口数) 0.021
像の大きさ φ0.44〜φ2.00mm
である。
図9に、この実施例の光学系の図3と同様の横収差を示す。
図10は、以上の実施例1〜3の垂直方向のディストーションを示す図であり、実施例1〜3として示した曲線は、それぞれ実施例1〜3の光学系の垂直方向入射画角(半球状物体100の曲率中心(原点)から見た垂直方向の画角を示し、半球状物体100の中心方向を0°、半球状物体100の縁方向を90°としており、光学系に実際に入射する光線の角度とは異なる。)に対する像面30での像高(中心軸1から半径方向の像高)をプロットしたグラフである。F*θとして示した曲線は、入射画角に対して像高が比例する場合(IH∝f・θの場合。ここで、IH:像高、f:焦点距離、θ:画角)を表している。
以下に、上記実施例1〜3の構成パラメータを示す。なお、以下の表中の“ASS”は非球面、“ERFS”は拡張回転自由曲面をそれぞれ示す。また、“RE”は反射面をそれぞれ示す。
実施例1
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 8.50 偏心(1)
1 ERFS[1] 偏心(2) 2.0033 28.3
2 ERFS[2] (RE) 偏心(3) 2.0033 28.3
3 ERFS[3] (RE) 偏心(4) 2.0033 28.3
4 ERFS[4] 偏心(5)
5 ∞(絞り) 偏心(6)
6 -6.32 偏心(7) 1.6294 58.6
7 -1.53 偏心(8)
8 3.49 偏心(9) 1.6204 60.3
9 -4.93 偏心(10)
像 面 ∞ 偏心(11)
ERFS[1]
RY 1.92
θ -43.48
R -0.75
ERFS[2]
RY -4.04
θ -39.02
R 2.54
3 6.6373 ×10-3
4 7.6697 ×10-4
ERFS[3]
RY 14.37
θ -45.87
R -2.52
3 9.9554 ×10-2
4 3.8512 ×10-3
ERFS[4]
RY 3.47
θ -50.03
R -0.59
3 -1.7743 ×10-1
4 -1.1463 ×10-2
偏心(1)
X 0.00 Y 8.50 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y -0.80 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y -4.45 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y -1.51 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y -5.07 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y -7.13 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y -7.66 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y -8.59 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y -8.74 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y -9.67 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(11)
X 0.00 Y -11.74 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00 。

実施例2
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 8.69 偏心(1)
1 ERFS[1] 偏心(2) 2.0033 28.3
2 ERFS[2] (RE) 偏心(3) 2.0033 28.3
3 ERFS[3] (RE) 偏心(4) 2.0033 28.3
4 ERFS[4] 偏心(5)
5 ∞(絞り) 偏心(6)
6 -1.87 偏心(7) 1.8830 40.7
7 -1.36 偏心(8)
8 2.29 偏心(9) 1.8830 40.7
9 ∞ 偏心(10)
像 面 ∞ 偏心(11)
ERFS[1]
RY 4.49
θ -29.03
R -1.37
4 -4.6687 ×10-2
ERFS[2]
RY -15.19
θ -62.20
R 5.06
3 -6.5847 ×10-4
4 -1.6144 ×10-3
5 1.9526 ×10-4
ERFS[3]
RY 16.88
θ -106.81
R 4.60
3 -2.3864 ×10-2
4 -1.7959 ×10-3
5 2.2822 ×10-4
ERFS[4]
RY 7.45
θ -144.87
R 1.46
3 -8.5413 ×10-2
4 1.4177 ×10-3
5 2.7441 ×10-3
偏心(1)
X 0.00 Y 8.69 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 0.00 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y -5.45 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y -1.01 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y -4.82 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y -8.31 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y -8.47 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y -9.42 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y -9.58 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y -10.84 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(11)
X 0.00 Y -11.83 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00 。

実施例3
面番号 曲率半径 面間隔 偏心 屈折率 アッベ数
物体面 8.96 偏心(1)
1 ERFS[1] 偏心(2) 2.0033 28.3
2 ERFS[2] (RE) 偏心(3) 2.0033 28.3
3 ERFS[3] (RE) 偏心(4) 2.0033 28.3
4 ASS[1] 偏心(5)
5 ∞(絞り) 偏心(6)
6 -1.78 偏心(7) 1.8830 40.7
7 -1.07 偏心(8)
8 3.89 偏心(9) 1.8830 40.7
9 -9.07 偏心(10)
像 面 ∞ 偏心(11)
ERFS[1]
RY 1.53
θ -44.61
R -3.58
4 1.4335
ERFS[2]
RY -3.36
θ -81.09
R -2.31
3 5.7104 ×10-3
4 1.1068 ×10-2
5 1.0552 ×10-3
ERFS[3]
RY 18.68
θ -97.17
R -0.71
3 -2.9161 ×10-2
4 -5.8238 ×10-2
5 -1.3492 ×10-2
ASS[1]
R -0.12 ×10-12
k -2.2639 ×10+33
a 4.4978 ×10-1
偏心(1)
X 0.00 Y 8.96 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(2)
X 0.00 Y 3.50 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(3)
X 0.00 Y 2.22 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(4)
X 0.00 Y 5.37 Z 0.00
α 0.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(5)
X 0.00 Y 2.75 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(6)
X 0.00 Y 2.51 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(7)
X 0.00 Y 2.34 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(8)
X 0.00 Y 1.53 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(9)
X 0.00 Y 1.37 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(10)
X 0.00 Y 0.72 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00
偏心(11)
X 0.00 Y -0.98 Z 0.00
α -90.00 β 0.00 γ 0.00 。
次に、図11、図12に別の実施例を示す。ただし、これら実施例の構成パラメータは省いてある。
図11は実施例4の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図である。この実施例は、実施例1の変形例であり、第1透過面11を中心軸1を挟んで曲面物体100から入射する光束2の反対側に配置した構成である。
すなわち、この実施例の光学系は、中心軸1の周りで回転対称な前群10と、中心軸1の周りで回転対称な後群20と、前群10と後群20の間に中心軸1に同軸に配置された開口5とからなり、原点を曲率中心とする半球状の曲面物体100から入射する光束2は、前群10と後群20を順に経て中心軸1に垂直な像面30の中心軸1から外れた位置に結像するものであり、中心軸1を垂直(上下方向)に設定した場合、半球状の曲面物体100の円状の縁に沿っての360°全方位(全周)の画角を有する画像であって、半球状の曲面物体100の中心が画像の中心方向に向き、半球状の曲面物体100の縁の線が外側の円になるような円環状の画像を像面30に結像させるものである。
前群10は、中心軸1の周りで回転対称な屈折率が1より大きい樹脂等の透明媒体からなり、2面の内面反射面12、13と2面の透過面(入射面、射出面)11、14を持つものである。内面反射面12、13と透過面11、14も中心軸1の周りで回転対称な形状をしている。また、後群20は、中心軸1の周りで回転対称な2枚のレンズL1、L2からなり正パワーを有するレンズ系からなる。
前群10の透明媒体は、第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14から構成され、第1透過面11は中心軸1を挟んで曲面物体100からの光束2が入射する側と反対側に配置され、第1反射面12は中心軸1に対して第1透過面11と同じ側に配置され、第1透過面11より像面30側に配置されており、第2反射面13は中心軸1を挟んで第1透過面11と反対側で、第1反射面12より像面30と反対側に配置されており、第2透過面14は第1透過面11と反対側で、第2反射面13より像面30側に配置されている。
そして、曲面物体100から入射する光束2は、第1透過面11を経て透明媒体内に入り、中心軸1に対して第1透過面11と同じ側に配置されている第1反射面12で像面30と反対側に反射され、中心軸1に対して第1透過面11と反対側に配置されている第2反射面13で像面30側に反射され、第2透過面14を経て透明媒体から外に出て、前群10と後群20の間に中心軸1と同軸に配置され絞りを構成する円形の開口5と正パワーの後群20を経て、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。この前群10の第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14の少なくとも反射面を含む1面は拡張回転自由曲面面で構成されている。
そして、中心軸1が半球状の曲面物体100の中心を通る配置の場合、曲面物体100の曲率中心から見て仰角45°方向の物体位置から入射する中心光束2は入射面の第1透過面11で屈折して前群10の透明媒体内に入り、第1反射面12、第2反射面13の順に反射された光束は第2透過面14で屈折して前群10の透明媒体から外に出て、開口5を介して後群20に入射し、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。
この実施例の光学系では、前群10と後群20の間に位置する開口(絞り)5が物体側に投影されてメリジオナル断面内では1回像6Y’として結像され、再度逆投影されて結像されたメリジオナル断面内の入射瞳6Yを前群10の第1透過面11近傍に形成するようになっており、また、サジタル断面内では中心軸(回転対称軸)1上に2度結像され、その中心軸1上に入射瞳を形成している。
そして、この実施例の光学系では、入射瞳6Yを経て半球状の曲面物体100から入射する光束2、3U、3L(光束3Uは半球状の曲面物体100の中心から入射する光束、3Lは半球状の曲面物体100の円状の縁から入射する光束)を、中心軸1を含む断面(メリジオナル断面:図11)内では、第1反射面12近傍の位置4Y1 に1回結像し、再度第2透過面14の絞り5側の位置4Y2 に結像している。
図12は実施例5の光学系の中心軸(回転対称軸)1に沿ってとった断面図である。この実施例は、実施例2の変形例であり、第1透過面11を中心軸1を挟んで曲面物体100から入射する光束2の反対側に配置した構成である。
すなわち、この実施例の光学系は、中心軸1の周りで回転対称な前群10と、中心軸1の周りで回転対称な後群20と、前群10と後群20の間に中心軸1に同軸に配置された開口5とからなり、原点を曲率中心とする半球状の曲面物体100から入射する光束2は、前群10と後群20を順に経て中心軸1に垂直な像面30の中心軸1から外れた位置に結像するものであり、中心軸1を垂直(上下方向)に設定した場合、半球状の曲面物体100の円状の縁に沿っての360°全方位(全周)の画角を有する画像であって、半球状の曲面物体100の中心が画像の中心方向に向き、半球状の曲面物体100の縁の線が外側の円になるような円環状の画像を像面30に結像させるものである。
前群10は、中心軸1の周りで回転対称な屈折率が1より大きい樹脂等の透明媒体からなり、2面の内面反射面12、13と2面の透過面(入射面、射出面)11、14を持つものである。内面反射面12、13と透過面11、14も中心軸1の周りで回転対称な形状をしている。また、後群20は、中心軸1の周りで回転対称な2枚のレンズL1、L2からなり正パワーを有するレンズ系からなる。
前群10の透明媒体は、第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14から構成され、第1透過面11は中心軸1を挟んで曲面物体100からの光束2が入射する側と反対側に配置され、第1反射面12は中心軸1に対して第1透過面11と同じ側に配置され、第1透過面11より像面30側に配置されており、第2反射面13は中心軸1に対して第1反射面12と同じ側で、第1反射面12より像面30と反対側に配置されており、第2透過面14は第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13と同じ側で、第2反射面13より像面30側に配置されている。
そして、曲面物体100から入射する光束2は、第1透過面11を経て透明媒体内に入り、中心軸1に対して第1透過面11と同じ側に配置されている第1反射面12で像面30と反対側に反射され、中心軸1に対して第1反射面12と同じ側に配置されている第2反射面13で像面30側に反射され、第2透過面14を経て透明媒体から外に出て、前群10と後群20の間に中心軸1と同軸に配置され絞りを構成する円形の開口5と正パワーの後群20を経て、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。この前群10の第1透過面11、第1反射面12、第2反射面13、第2透過面14の少なくとも反射面を含む1面は拡張回転自由曲面面で構成されている。
そして、中心軸1が半球状の曲面物体100の中心を通る配置の場合、曲面物体100の曲率中心から見て仰角45°方向の物体位置から入射する中心光束2は入射面の第1透過面11で屈折して前群10の透明媒体内に入り、第1反射面12、第2反射面13の順に反射された光束は第2透過面14で屈折して前群10の透明媒体から外に出て、開口5を介して後群20に入射し、像面30の中心軸1から外れた半径方向の所定位置に結像する。
この実施例の光学系では、前群10と後群20の間に位置する開口(絞り)5が物体側に投影されてメリジオナル断面内の入射瞳6Yを前群10の第1透過面11近傍に形成するようになっており、また、サジタル断面内では中心軸(回転対称軸)1上に1度結像されて中心軸1上の入射瞳を形成している。
そして、この実施例の光学系では、入射瞳6Yを経て半球状の曲面物体100から入射する光束2、3U、3L(光束3Uは半球状の曲面物体100の中心から入射する光束、3Lは半球状の曲面物体100の円状の縁から入射する光束)を、中心軸1を含む断面(メリジオナル断面:図12)内では、第1反射面12近傍に像4Yとして1回結像している。
また、以上の実施例では、前群10の反射面、屈折面をそれぞれ任意形状の線分を回転対称軸1の周りで回転することにより形成され回転対称軸1上に面頂を有さない拡張回転自由曲面で構成しているが、それぞれ任意の曲面に置き換えることは容易である。
また、本発明の前群10を構成する中心軸1の周りで回転対称な透明媒体はそのまま用いることにより、360°全方位の画角を有する画像を撮影したり投影できるが、その透明媒体を中心軸1を含む断面で切断して2分の1、3分の1、3分の2等にすることにより、中心軸1の周りの画角が180°、120°、240°等の画像を撮影したり投影するようにしてもよい。
なお、以上の数値実施例においては、像高が1mの場合の数値であるが、これを係数倍することによって任意の像高にすることは可能である。また、半球状の曲面物体100の半径を任意に変えた場合は、像面30を中心軸1方向にずらしてフォーカスすることも、後群20の一部を移動してフォーカスすることも可能である。
以下に、本発明の光学系の適用例として、全天撮影光学系31又は全天投影光学系32の使用例を説明する。図13は、内視鏡先端の撮影光学系として本発明による全天撮影光学系31を用いた例を示すための図であり、図13(a)は、硬性内視鏡41の先端31に本発明による全天撮影光学系31を取り付けて360°全方位の全天画像を撮像観察する例である。図13(b)にその先端の概略の構成を示す。本発明による全天撮影光学系31の前群10の入射面11の周囲には円周方向にスリット状に伸びる開口16を有するケーシング等からなるフレア絞り17が配置され、フレアー光が入射するのを防止している。また、図13(c)は、軟性電子内視鏡42の先端に本発明による全天撮影光学系31を同様に取り付けて、表示装置43に撮影された画像を画像処理を施して歪みを補正して表示するようにした例である。
図14は、カプセル内視鏡44の撮影光学系として本発明による全天撮影光学系31を用いた例を示すための図であり、カプセル内視鏡44の先端の半球状の窓45に密接する腸壁等の360°全方位の全天画像をこの全天撮影光学系31で撮像観察するものである。
図15は、投影装置46の投影光学系として本発明による全天投影光学系32を用い、その像面に配置した表示素子に全天画像を表示し、全天投影光学系32を通して半球状のスクリーン47に360°全方位全天画像を投影表示する例である。
本発明の実施例1の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 本発明の実施例1の光学系内の光路を示す平面図である。 実施例1の光学系の横収差図である。 本発明の実施例2の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 本発明の実施例2の光学系内の光路を示す平面図である。 実施例2の光学系の横収差図である。 本発明の実施例3の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 本発明の実施例3の光学系内の光路を示す平面図である。 実施例3の光学系の横収差図である。 実施例1〜3の垂直方向のディストーションを示す図である。 本発明の実施例4の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 本発明の実施例5の光学系の中心軸に沿ってとった断面図である。 内視鏡先端の撮影光学系として本発明による全天撮影光学系を用いた例を示すための図である。 カプセル内視鏡の撮影光学系として本発明による全天撮影光学系を用いた例を示すための図である。 投影装置の投影光学系として本発明による全天投影光学系を用いた例を示すための図である。
符号の説明
1…中心軸(回転対称軸)
2…半球状の曲面物体から入射する中心光束
0 …中心光束の中心光線(主光線)
3U…半球状の曲面物体の中心から入射する光束
3L…半球状の曲面物体の円状の縁から入射する光束
4X1 、4X2 、4X…サジタル断面内での中間像結像位置
4Y1 、4Y2 、4Y…メリジオナル断面内での中間像結像位置
5…開口(絞り)
6X…サジタル断面内での入射瞳
6X’…サジタル断面内で1回目に結像された開口の像
6Y…メリジオナル断面内での入射瞳
6Y’…メリジオナル断面内で1回目に結像された開口の像
10…前群
11…入射面(第1透過面)
12…第1反射面
13…第2反射面
14…射出面(第2透過面)
16…円周方向にスリット状に伸びる開口
17…フレア絞り
20…後群
30…像面
31…全天撮影光学系
32…全天投影光学系
41…硬性内視鏡
42…軟性電子内視鏡
43…表示装置
44…カプセル内視鏡
45…半球状の窓
46…投影装置
47…半球状のスクリーン
100…半球状の曲面物体

Claims (11)

  1. 半球状の球面の画像を平面の像面に結像させる結像系か、平面の画像を球面の像面に投影する投影系であって、中心軸の周りで回転対称な透明媒体からなり、少なくとも2面の内面反射面と2面の透過面からなる前群と、中心軸の周りで回転対称で正パワーを有する後群と、中心軸に同軸に配置された開口とを備えており、
    結像系の場合は光線の進む順に、投影系の場合は光線の進む順とは反対に、物点から前記前群に入射する第1透過面、前記第1透過面通過後の光束を反射する第1反射面、前記第1反射面で反射後の光束を反射する第2反射面、前記第2反射面で反射後の光束を前記透明媒体から射出する第2透過面からなる前群を有し、物体からの光束は、前記前群と前記後群を順に経て像面の中心軸から外れた位置に結像し、輪帯状の平面像を形成することを特徴とする光学系。
  2. メリジオナル断面で、中心軸を挟んで対称に2つの入射瞳を有することを特徴とする請求項1項記載の光学系。
  3. 少なくとも1面の反射面は対称面を持たない任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有することを特徴とする請求項1又は2記載の光学系。
  4. 少なくとも1面の反射面は奇数次項を含む任意形状の線分を中心軸の周りで回転させて形成される回転対称な形状を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の光学系。
  5. メリジオナル断面とサジタル断面の入射瞳位置が異なることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の光学系。
  6. メリジオナル断面内の入射瞳は光学系の第1透過面近傍に位置し、サジタル断面内の入射瞳は中心軸近傍に位置することを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の光学系。
  7. 前記開口を前記光束の入射方向と逆方向へ投影した絞り像の結像回数が、メリジオナル断面内とサジタル断面内とで同じになっているか1回の差があることを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載の光学系。
  8. メリジオナル断面内で、前記前群により物体側に形成される絞りと共役な入射瞳近傍に前記断面内でのみ開口を制限する一方向性のフレア絞りを配置したことを特徴とする請求項1から7の何れか1項記載の光学系。
  9. メリジオナル断面において、前記第1透過面の画角中心からの中心光束の中心光線が入射する位置での接平面の中心軸に対する角度をθ1 とするとき、
    −60°<θ1 <−20° ・・・(1)
    の条件を満たすことを特徴とする請求項1から8の何れか1項記載の光学系。
  10. 像面の垂線方向に前記前群の上端から下端までの高さをH1 、前記前群の上端から前記第1透過面の画角中心からの中心光束の中心光線が入射する位置までの高さをH2 とするとき、
    1.2<H1 /H2 ・・・(2)
    の条件を満たすことを特徴とする請求項1から9の何れか1項記載の光学系。
  11. メリジオナル断面における入射瞳位置から前記開口位置までの光路長をA、メリジオナル断面における入射瞳位置から前記前群の前記第1透過面までの光路長をBとするとき、
    5<|A/B| ・・・(3)
    の条件を満たすことを特徴とする請求項1から10の何れか1項記載の光学系。
JP2005153760A 2005-05-26 2005-05-26 光学系 Expired - Fee Related JP4611115B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005153760A JP4611115B2 (ja) 2005-05-26 2005-05-26 光学系
US11/434,751 US7542218B2 (en) 2005-05-26 2006-05-17 Optical system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005153760A JP4611115B2 (ja) 2005-05-26 2005-05-26 光学系

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006330353A true JP2006330353A (ja) 2006-12-07
JP4611115B2 JP4611115B2 (ja) 2011-01-12

Family

ID=37552099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005153760A Expired - Fee Related JP4611115B2 (ja) 2005-05-26 2005-05-26 光学系

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7542218B2 (ja)
JP (1) JP4611115B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009041288A1 (ja) * 2007-09-27 2009-04-02 Olympus Corp. 光学系及びそれを用いた内視鏡
JP2009300796A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Fujinon Corp 撮像レンズ及びカプセル型内視鏡
JP2009300797A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Fujinon Corp 撮像レンズ及びカプセル型内視鏡
JP2014170127A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Ricoh Co Ltd 投射光学系と画像表示装置
US9261758B2 (en) 2011-12-01 2016-02-16 Mitsubishi Electric Corporation Projection optical system and projection-type image display apparatus

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008152073A (ja) * 2006-12-19 2008-07-03 Olympus Corp 光学系
KR101018117B1 (ko) * 2008-09-01 2011-02-25 삼성전기주식회사 렌즈 조립체 및 그 제조 방법
JP5412348B2 (ja) * 2009-03-24 2014-02-12 富士フイルム株式会社 カプセル型内視鏡用撮像光学系
FI20105058A0 (fi) * 2010-01-22 2010-01-22 Valtion Teknillinen Omnidirektionaalinen linssi, linssiä hyödyntävät optiset laitteet sekä menetelmä optiseksi mittaamiseksi
WO2014089564A1 (en) * 2012-12-07 2014-06-12 The General Hospital Corporation Optical system for endoscopic internally-referenced interferometric imaging, and method for employing the same
CN103293845B (zh) * 2013-06-26 2015-08-19 浙江大学 一种全景成像装置及方法
JP7433930B2 (ja) * 2020-01-24 2024-02-20 キヤノン株式会社 光学系およびそれを有する撮像装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6356296B1 (en) * 1997-05-08 2002-03-12 Behere Corporation Method and apparatus for implementing a panoptic camera system
JP4272783B2 (ja) 1999-12-21 2009-06-03 Hoya株式会社 対物光学系および内視鏡の対物光学系
US6755532B1 (en) 2003-03-20 2004-06-29 Eastman Kodak Company Method and apparatus for monocentric projection of an image
JP4884085B2 (ja) * 2006-06-09 2012-02-22 オリンパス株式会社 光学系

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009041288A1 (ja) * 2007-09-27 2009-04-02 Olympus Corp. 光学系及びそれを用いた内視鏡
JP2009300796A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Fujinon Corp 撮像レンズ及びカプセル型内視鏡
JP2009300797A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Fujinon Corp 撮像レンズ及びカプセル型内視鏡
US9261758B2 (en) 2011-12-01 2016-02-16 Mitsubishi Electric Corporation Projection optical system and projection-type image display apparatus
JP2014170127A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Ricoh Co Ltd 投射光学系と画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7542218B2 (en) 2009-06-02
US20080151380A1 (en) 2008-06-26
JP4611115B2 (ja) 2011-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4611115B2 (ja) 光学系
JP4728034B2 (ja) 回転非対称光学系
JP4780713B2 (ja) 光学系
JP4884085B2 (ja) 光学系
JP4674906B2 (ja) 光学系
JP2008152073A (ja) 光学系
JP4648758B2 (ja) 光学系
JP5214161B2 (ja) 透過光学素子及びそれを用いた光学系
JP2008309860A (ja) 光学系及びそれを用いた内視鏡
JP4847133B2 (ja) 光学系
JP4873927B2 (ja) 光学系
JP2011257630A (ja) アタッチメント光学系
JP4544939B2 (ja) パノラマアタッチメント光学系
JP2011186480A (ja) 光学系
JP2006259659A (ja) 光学系
JP4869712B2 (ja) 光学系
JP4855076B2 (ja) 光学系
JP4839013B2 (ja) 光学系
JP4849591B2 (ja) 光学系
JP4585352B2 (ja) 光学系
JP4908853B2 (ja) 光学系
JP4671758B2 (ja) 光学系
JP2006126322A (ja) 光学系
JP4648757B2 (ja) 光学系
WO2009041332A1 (ja) 光学系及びそれを用いた内視鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100721

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100910

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101006

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101013

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4611115

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131022

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees