JP2006330242A - 無端ベルトおよびその製造方法、ならびに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置で用いる無端ベルトにおいて、それから微粒子の潤滑剤が剥落して周囲を汚したり、駆動時にスリップを生じたりする不具合なく、駆動開始時からスムーズな回転を可能とする。
【解決手段】複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置で用いる、中間転写ベルト20、転写搬送ベルト、定着ベルトなどの無端ベルトである。そのような無端ベルトにおいて、例えばポリイミドを主成分とするベルト基体42の表面の全領域、または画像形成領域などの一部の領域に、例えばステアリン酸亜鉛を真空蒸着したり、溶剤に溶かして塗布したりすることにより形成した潤滑剤膜層43を設けてなる。
【選択図】 図2
【解決手段】複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置で用いる、中間転写ベルト20、転写搬送ベルト、定着ベルトなどの無端ベルトである。そのような無端ベルトにおいて、例えばポリイミドを主成分とするベルト基体42の表面の全領域、または画像形成領域などの一部の領域に、例えばステアリン酸亜鉛を真空蒸着したり、溶剤に溶かして塗布したりすることにより形成した潤滑剤膜層43を設けてなる。
【選択図】 図2
Description
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機など、例えば感光体上にトナー画像を形成し、そのトナー画像をいったん中間転写ベルトに転写して後、その中間転写ベルト上のトナー画像を転写して転写紙に画像を記録する画像形成装置に関する。ならびに、そのような画像形成装置において、トナー画像をいったん担持する中間転写ベルト、トナー画像を転写して画像記録後の転写紙を搬送する転写搬送ベルト、転写紙上の転写画像を定着する定着ベルトなどの無端ベルト、およびその無端ベルトの製造方法に関する。
電子写真式のカラー画像形成装置の中には、ドラム状やベルト状の感光体の回転とともに、その感光体上に帯電、書込みを行って第1色目の静電潜像を形成してから、第1色目の現像器でトナーを付着することによりその静電潜像を可視像化して第1色目のトナー画像を形成し、そのトナー画像を中間転写ベルトに転写し、次に感光体上に第2色目の静電潜像を形成してから、第2色目の現像器で第2色目のトナー画像を形成してその第2色目のトナー画像を中間転写ベルト上の第1色目のトナー画像に重ねるように転写し、さらに同様に第3色目、第4色目のトナー画像を順に重ねて転写して中間転写ベルト上に合成カラー画像を形成し、その中間転写ベルト上の合成カラー画像を一括転写して、搬送する用紙、OHPフィルム等の転写紙に多色画像を記録するものがある。
このような画像形成装置にあっては、感光体上のトナー画像を中間転写ベルトに転写する一次転写、中間転写ベルト上のトナー画像を転写紙に転写する二次転写では、100%転写されることが望まれる。しかし、現実には、数%の転写残トナーが残る。このため、画像汚れを生じないように感光体や中間転写ベルト上の転写残トナーを除去し、再度の画像形成に備えるべくクリーニング装置を備えていた。クリーニング装置には、安価でかつクリーニング性能が良好なことから、クリーニング部材としてクリーニングブレードを用いるものが多かった。
ところが、感光体や中間転写ベルトに常時クリーニングブレードを押し当てて残トナーを掻き落とすようにすると、弾性のある板状のクリーニングブレードにより擦って感光体や中間転写ベルトの表面に傷を付けるおそれがある。このような事態を避けるため、従来は、ポリフッ化ビニリデンやステアリン酸亜鉛等の微粒子を潤滑剤として塗布し、感光体や中間転写ベルトの摩擦抵抗を下げることが行われている。
しかしながら、微粒子の潤滑剤をあらかじめ感光体や中間転写ベルトの表面に塗布する方法では、単に付着するのみであるから、振動を与えると微粒子の潤滑剤が剥落して周囲を汚してしまい、取り扱いが不便であるばかりでなく、過剰な場合には中間転写ベルトの裏側にまで入り込んで駆動ローラの表面に付着し、駆動時に中間転写ベルトがスリップを生ずることがある不具合があった。
また、トナーは、摩擦抵抗が大きい方に引きずられる。よって、摩擦抵抗は、転写によりトナーを移動する方向に順に、感光体<中間転写ベルト<転写紙の関係とすることが望ましい。このため、最近は、上流の感光体にのみ潤滑剤を塗布し、中間転写ベルトでは感光体から流れてくる潤滑剤のみで摩擦抵抗を低下させることが検討されている。ところが、このようにすると、駆動開始時、中間転写ベルトには潤滑剤が付着していないことから、中間転写ベルトの摩擦抵抗が大きくなってクリーニングブレードとの摩擦が増大し、中間転写ベルトのスムーズな走行の開始が妨げられる不具合があった。
そこで、この発明の第1の目的は、画像形成装置で用いる無端ベルトにおいて、それから微粒子の潤滑剤が剥落して周囲を汚したり、駆動時にスリップを生じたりする不具合なく、駆動開始時からスムーズな回転を可能とすることにある。
この発明の第2の目的は、画像形成装置で用いる無端ベルトにおいて、無端ベルト表面に設ける潤滑剤膜層で潤滑性をなお一層よくするとともに、駆動開始直後に潤滑剤膜層を剥離離脱容易とすることにある。
この発明の第3の目的は、画像形成装置で用いる無端ベルトにおいて、ベルト基体の耐熱性および耐薬品性を良好とすることにある。
この発明の第4の目的は、上述した目的を達成した無端ベルトを備える画像形成装置を提供することにある。
この発明の第5の目的は、画像形成装置において、画像形成装置の立ち上げ時から無端ベルトのスムーズな回転を可能とし、画像品質を良好とすることにある。
この発明の第6の目的は、感光体上に形成したトナー画像を中間転写ベルトを介して転写紙に転写する画像形成装置において、摩擦抵抗を、感光体<中間転写ベルト<転写紙の関係とすることにある。
この発明の第7の目的は、駆動開始時からスムーズな回転を可能とする無端ベルトの製造方法を提供することにある。
この発明の第8の目的は、駆動開始時からスムーズな回転を可能とする無端ベルトを容易に形成する無端ベルトの製造方法を提供することにある。
このため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置で用いる、中間転写ベルト、転写搬送ベルト、定着ベルトなどの無端ベルトにおいて、ベルト基体の表面の全領域、または例えば画像形成領域などの一部の領域に潤滑剤膜層を設けてなるものである。ここで、ベルト基体は、ポリイミド、それを主成分とする例えば樹脂、ポリフッ化ビリニデンPVdF、PTFE、PAIなど、いろいろのもので形成する。潤滑剤膜層は、ステアリン酸亜鉛、それと同属の金属石鹸類、ポリフッ化ビリニデンPVdFなどで形成する。
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の無端ベルトにおいて、前記潤滑剤膜層を、特にステアリン酸亜鉛で形成するものである。
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的を達成すべく、請求項1または2に記載の無端ベルトにおいて、前記ベルト基体を、特にポリイミドまたはそれを主成分として形成するものである。ポリイミドを主成分とするものとしては、PAIポリアミドイミドのようにイミド成分を任意に含む樹脂などをあげることができる。
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的を達成すべく、請求項1ないし3のいずれか1に記載の無端ベルトを備える、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、請求項4に記載の画像形成装置において、前記無端ベルトが、中間転写ベルトである。
請求項6に記載の発明は、上述した第6の目的を達成すべく、請求項4または5に記載の画像形成装置において、駆動開始直後に、例えばクリーニングブレードにより削り取って前記潤滑剤膜層を剥離脱落するものである。
請求項7に記載の発明は、上述した第7の目的を達成すべく、画像形成装置で用いる無端ベルトのベルト基体表面に、ステアリン酸亜鉛を真空蒸着して潤滑剤膜層を形成する無端ベルトの製造方法である。
請求項8に記載の発明は、上述した第8の目的を達成すべく、画像形成装置で用いる無端ベルトのベルト基体表面に、ステアリン酸亜鉛をベンゼン溶液に溶かして塗布することにより潤滑剤膜層を形成する無端ベルトの製造方法である。
請求項1に記載の発明によれば、画像形成装置で用いる無端ベルトにおいて、ベルト基体の表面の全領域または一部の領域に潤滑剤膜層を設けるので、無端ベルトから微粒子の潤滑剤が剥落して周囲を汚したりすることなく、また駆動ローラとの間に潤滑剤が入り込んで駆動時にスリップを生じたりする不具合なく、潤滑剤膜層により、クリーニングブレード等の無端ベルトに押し当てる部材との摩擦抵抗を下げ、画像形成装置の立ち上げ時から無端ベルトのスムーズな回転を可能とすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、画像形成装置で用いる無端ベルトにおいて、潤滑剤膜層をステアリン酸亜鉛で形成するので、潤滑剤膜層を形成するステアリン酸亜鉛により無端ベルト表面の潤滑性をなお一層よくするとともに、駆動開始直後に潤滑剤膜層を剥離離脱容易とすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、画像形成装置で用いる無端ベルトにおいて、ベルト基体を、ポリイミドまたはそれを主成分として形成するので、耐熱性が良好であり、例えば蒸着による潤滑剤膜層形成時の熱に十分耐えることができ、また耐薬品性も良好であり、例えば塗布による潤滑剤膜層形成時の溶剤に対しても十分に耐えることができ、最適なベルト基体を使用することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれか1に記載の無端ベルトを備える画像形成装置であるので、上述した効果を有する無端ベルトを備えた画像形成装置を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、無端ベルトが中間転写ベルトであるので、画像形成装置の立ち上げ時から無端ベルトである中間転写ベルトのスムーズな回転を可能とし、画像品質を良好とすることができる。
請求項6に記載の発明によれば、駆動開始直後に潤滑剤膜層を剥離脱落するので、感光体上に形成したトナー画像を中間転写ベルトを介して転写紙に転写する画像形成装置において、画像形成装置の立ち上げ時以降は、潤滑剤膜層を剥離脱落して感光体から流れてくる潤滑剤のみとし、摩擦抵抗を、感光体<中間転写ベルト<転写紙の関係に維持し、トナーの移動方向に順にトナーの付着力を高めることにより転写を良好として高画質を維持することができる。
請求項7に記載の発明によれば、画像形成装置で用いる無端ベルトのベルト基体表面に、ステアリン酸亜鉛を真空蒸着して潤滑剤膜層を形成するので、潤滑剤膜層を適宜の厚さに容易にコントロールすることができる。
請求項8に記載の発明によれば、画像形成装置で用いる無端ベルトのベルト基体表面に、ステアリン酸亜鉛をベンゼン溶液に溶かして塗布することにより潤滑剤膜層を形成するので、簡単な塗布装置を用いて無端ベルトのベルト基体表面に塗布することで、潤滑剤膜層を容易に形成することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、画像形成装置の一例であるカラー複写機における内部機構の全体概略構成を示す。
図1には、画像形成装置の一例であるカラー複写機における内部機構の全体概略構成を示す。
図中符号100は複写機本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写機本体100上に取り付けるスキャナである。
複写機本体100内には、中央やや上部に、ベルト状でもよいが、図示例ではドラム状の感光体10を図中反時計まわりに回転自在に備える。感光体10のまわりには、反時計まわりに、帯電装置12、現像装置13、中間転写装置14、一次クリーニング装置15、除電装置16などを設ける。帯電装置12、クリーニング装置15、除電装置16の上には、書込み装置17を配置する。
現像装置13には、感光体10の回転方向に沿って、ブラック、イエロ、マゼンタ、シアンの4色の現像器をそれぞれ感光体10に対して接離自在に備える。また、中間転写装置14には、一次転写ローラ18を含む複数のローラに掛けまわして無端ベルトである中間転写ベルト20を設ける。中間転写ベルト20のまわりには、二次転写位置で、図示例では二次転写ローラ22を押し当て、また二次転写位置のベルト走行方向下流に二次クリーニング装置23を設置する。
図示省略するが、一次クリーニング装置15には、クリーニング部材として、感光体10の表面に押し当ててクリーニングブレードを設け、また二次クリーニング装置23にも、クリーニング部材として、中間転写ベルト20の表面に押し当ててクリーニングブレードを設ける。クリーニングブレードは、ともに弾性材料を用いて板状につくり、その弾性で感光体10や中間転写ベルト20の表面に押し当てる。
一方、給紙テーブル200には、上下二段に給紙カセット25を備え、それらの給紙カセット25に各々、用紙、OHPフィルム等の転写紙26を積載して収容する。それらの給紙カセット25の片端上には、給紙ローラ27を設ける。そして、それら給紙ローラ27位置から給紙テーブル200内を通って複写機本体100内に入り、二次転写位置を通って、複写機本体100側面に取り付ける排紙トレイ28に達する転写紙搬送路30を形成する。
転写紙搬送路30には、給紙ローラ27位置と二次転写位置間に複数の搬送ローラ対32、レジストローラ対33を備え、二次転写位置と排紙トレイ28間に搬送ベルト34、定着装置35、排紙ローラ対36を設ける。搬送ベルト34は、無端ベルトであり、2つのローラ37間に掛けまわして回転可能に支持する。
いま、このカラー複写機を用いてコピーをとるときは、スキャナ300のコンタクトガラス38上に原稿40をセットし、不図示の原稿押えで押さえて複写機本体100の不図示のスタートスイッチを押し、スキャナ300を駆動して原稿内容を読み取る。また、不図示のスタートスイッチを押すと、適宜のタイミングで不図示の駆動モータを駆動し、感光体10を回転するとともに、駆動ローラを回転駆動して従動ローラを従動回転し、中間転写ベルト20を時計まわりに回転搬送する。
そして、感光体10の回転とともに、帯電装置12でその感光体10の表面を一様に帯電してから、書込み装置17で露光して書込みを行うことにより第1色目の静電潜像を形成する。その後、感光体10に接近した第1色目のブラックの現像器でトナーを付着することによりその静電潜像を可視像化してブラックのトナー画像を形成し、そのトナー画像を、一次転写ローラ18にバイアス電圧を印加して中間転写ベルト20に転写する。
次いで、感光体10上に第2色目の静電潜像を形成してから、入れ替わりに感光体10に接近した第2色目のイエロの現像器でイエロのトナー画像を形成してそのイエロのトナー画像を、一次転写ローラ18にバイアス電圧を印加して中間転写ベルト20上のブラックのトナー画像に重ねるように転写する。さらに同様に、第3色目のマゼンタ、第4色目のシアンのトナー画像を形成し、それらのトナー画像を順に重ねて転写して中間転写ベルト20上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、適宜のタイミングで給紙テーブル200の給紙ローラ27の1つを選択的に回転し、給紙カセット25の1つから転写紙26を繰り出して転写紙搬送路30に入れる。そして、複数の搬送ローラ対32で搬送して転写紙26を給紙テーブル200内の転写紙搬送路30から複写機本体100内の転写紙搬送路30へと導き、先端をレジストローラ対33に突き当てて止める。その後、中間転写ベルト20上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対33を回転し、転写紙26を二次転写位置へと送り込む。
そして、二次転写位置で、二次転写ローラ22にバイアス電圧を印加することにより、中間転写ベルト20上の合成カラー画像を、送り込んだ転写紙26に一括転写する。画像転写後の転写紙26は、搬送ベルト34上に載せて搬送して定着装置35に入れ、定着装置35で熱と圧力とを加えて転写画像を定着することにより転写紙26に多色画像を記録して後、排出ローラ36で排出して排紙トレイ28上にスタックする。トナー画像転写後の感光体10および中間転写ベルト20の表面は、それぞれ一次クリーニング装置15、二次クリーニング装置23で残トナーを除去することにより清掃する。
上述したカラー複写機で、原稿がブラックのみの単色画像である場合には、第1色目のブラックの現像器でトナーを付着することにより感光体上10上にブラックのトナー画像を形成し、そのトナー画像を中間転写ベルト20を介して転写紙26に転写する。
図2には、図1に示すカラー複写機で用いる中間転写ベルト20の一部断面を示す。
無端ベルトである中間転写ベルト20は、図2に示すとおり、ベルト基体42の表面に潤滑剤膜層43を設けてなる。ベルト基体42は、ポリイミド、それを主成分とする例えば樹脂、ポリフッ化ビリニデンPVdF、PTFE、PAIなどを用いてつくる。潤滑剤膜層43は、ステアリン酸亜鉛、それと同属の金属石鹸類、ポリフッ化ビリニデンPVdFなどを用いてつくる。
無端ベルトである中間転写ベルト20は、図2に示すとおり、ベルト基体42の表面に潤滑剤膜層43を設けてなる。ベルト基体42は、ポリイミド、それを主成分とする例えば樹脂、ポリフッ化ビリニデンPVdF、PTFE、PAIなどを用いてつくる。潤滑剤膜層43は、ステアリン酸亜鉛、それと同属の金属石鹸類、ポリフッ化ビリニデンPVdFなどを用いてつくる。
潤滑剤膜層43は、クリーニングブレードとの摩擦抵抗を低減して画像形成装置の立ち上げ時から中間転写ベルト20のスムーズな回転を可能とすべく設けるものであり、故にクリーニングブレードに接触しない領域に設ける必要はなく、ベルト基体42の表面の全領域に限らず、クリーニングブレードが接触する例えば画像形成領域など、ベルト基体42表面の一部の領域に設けるようにしてもよい。ベルト基体に積層されており、密着性は強くなく、駆動開始直後にクリーニングブレードで削り取って剥離脱落するが、運送中や取り付け時のたわみ程度では剥落しないようにベルト基体42に付着している。
図3には、真空蒸着装置の概略構成を示す。
ベルト基体42の表面に潤滑剤膜層43を形成するときは、例えば図示真空蒸着装置を用いてステアリン酸亜鉛を真空蒸着する。すなわち、保温部材であるマンドレル45のまわりに、厚さ100μmのポリイミドよりなる無端状のベルト基体42を巻き付ける。そして、それをチャンバ46内にセットし、90℃で保温する。チャンバ46は、内部に、蒸発源としてステアリン酸亜鉛の固形物47を容器48に入れて投入設置し、内部圧力を10の−3乗Torr以下に減圧する。その後、通電過熱して固形物47を蒸発し、上部のベルト基体42の表面に蒸着して0.1μmの膜厚の潤滑剤膜層43を形成する。(この方法により形成した中間転写ベルト20を、後述する表1のNo1とする。)
ベルト基体42の表面に潤滑剤膜層43を形成するときは、例えば図示真空蒸着装置を用いてステアリン酸亜鉛を真空蒸着する。すなわち、保温部材であるマンドレル45のまわりに、厚さ100μmのポリイミドよりなる無端状のベルト基体42を巻き付ける。そして、それをチャンバ46内にセットし、90℃で保温する。チャンバ46は、内部に、蒸発源としてステアリン酸亜鉛の固形物47を容器48に入れて投入設置し、内部圧力を10の−3乗Torr以下に減圧する。その後、通電過熱して固形物47を蒸発し、上部のベルト基体42の表面に蒸着して0.1μmの膜厚の潤滑剤膜層43を形成する。(この方法により形成した中間転写ベルト20を、後述する表1のNo1とする。)
また、保温部材であるマンドレル45のまわりに、厚さ100μmのポリイミドよりなる無端状のベルト基体42を取り付けてチャンバ46内にセットし、60℃で保温して、固形化したステアリン酸亜鉛ディスクに電子ビームを照射して蒸発し、ベルト基体42の表面に数分子数のステアリン酸亜鉛薄膜を形成することもできる。(この方法により形成した中間転写ベルト20を、後述する表1のNo2とする。)
さらに、ベルト基体42の表面に潤滑剤膜層43を形成するときは、ベルト基体42の表面にステアリン酸亜鉛をベンゼン溶液に溶かして塗布するようにしてもよい。すなわち、ステアリン酸亜鉛をエチルベンゼン溶液50℃中に添加して5%の塗布液を作成する。その塗布液をスプレーを用いて無端状のベルト基体42に塗布する。
図4には、溶剤塗布装置の概略構成を示す。
例えば図4に示すように、2本の平行なローラ50・51間にベルト基体42を掛けまわし、そのベルト基体42の表面にノズル52から噴射する塗布液53を付着する。そして、乾燥することにより溶剤を除去し、ベルト基体42の表面に0.1μmの膜厚の潤滑剤膜層43を形成する。ベルト基体42には、上述した例と同様に、例えば厚さ100μmのポリイミドを用いる。(この方法により形成した中間転写ベルト20を、後述する表1のNo3とする。)
例えば図4に示すように、2本の平行なローラ50・51間にベルト基体42を掛けまわし、そのベルト基体42の表面にノズル52から噴射する塗布液53を付着する。そして、乾燥することにより溶剤を除去し、ベルト基体42の表面に0.1μmの膜厚の潤滑剤膜層43を形成する。ベルト基体42には、上述した例と同様に、例えば厚さ100μmのポリイミドを用いる。(この方法により形成した中間転写ベルト20を、後述する表1のNo3とする。)
以上の方法により形成した中間転写ベルト20の表面摩擦係数と、それをリコー製複写機Imagio Color 5100(カトレア)に搭載したときの作動状況および画像品質を表1に示す。なお、表面摩擦係数は、白綿布JISL-0803綿3号を使用したHEIDON Type94iの測定器を用いて測定した。
また、比較のため、表面に潤滑剤膜層43を有しない厚さ100μmのポリイミドのみからなる中間転写ベルトをNo4とし、またその中間転写ベルトにステアリン酸亜鉛の微粉末を振りかけてブラシで均したものをNo5として、表1に付加した。
表1から判るとおり、この発明にかかるNo1からNo3の中間転写ベルトを用いたカラー複写機は、電源スイッチを入れると、すぐにウォーミングアップ状態に立ち上がり、スムーズに画像形成を行うことができ、画像品質も良好であった。これに対し、比較例であるNo4の中間転写ベルトを用いたカラー複写機は、電源スイッチを入れると、ガリッという音とともに停止した。また、比較例であるNo5の中間転写ベルトを用いたカラー複写機では、中間転写ベルトの内面にステアリン酸亜鉛の微粉末が付着した場合に滑りが生じ、画像に流れ模様が発生した。
さて、上述した例では、無端ベルトが、トナー画像をいったん担持する中間転写ベルトである場合について説明したが、中間転写ベルトに限らず、トナー画像を転写して画像転写後の転写紙を定着装置へと搬送する転写搬送ベルトや、定着装置に用いて転写紙上の転写画像を定着する定着ベルトなどであってもよい。転写搬送ベルトや定着ベルトにも、同様にクリーニングブレード等を押し当てる。
20 中間転写ベルト(無端ベルト)
42 ベルト基体
43 潤滑剤膜層
52 ノズル
53 塗布液
42 ベルト基体
43 潤滑剤膜層
52 ノズル
53 塗布液
Claims (8)
- 画像形成装置で用いる無端ベルトにおいて、
ベルト基体の表面に潤滑剤膜層を設けてなることを特徴とする無端ベルト。 - 前記潤滑剤膜層をステアリン酸亜鉛で形成することを特徴とする、請求項1に記載の無端ベルト。
- 前記ベルト基体を、ポリイミドまたはそれを主成分として形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の無端ベルト。
- 請求項1ないし3のいずれか1に記載の無端ベルトを備えることを特徴とする、画像形成装置。
- 前記無端ベルトが、中間転写ベルトであることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
- 駆動開始直後に、前記潤滑剤膜層を剥離脱落することを特徴とする、請求項4または5に記載の画像形成装置。
- 画像形成装置で用いる無端ベルトのベルト基体表面に、ステアリン酸亜鉛を真空蒸着して潤滑剤膜層を形成することを特徴とする、無端ベルトの製造方法。
- 画像形成装置で用いる無端ベルトのベルト基体表面に、ステアリン酸亜鉛をベンゼン溶液に溶かして塗布することにより潤滑剤膜層を形成することを特徴とする、無端ベルトの製造方法。
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