JP2006328569A - 造花材および造花 - Google Patents

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Abstract

【課題】 花の製作が容易であり、比較的重量のある材料を用いても花が脱落することがない造花材を提供する。
【解決手段】 七分咲きの桜の花を模した花冠様の基材11と、基材11上に配置されるパールで構成した花蕊様の装飾部材13とを、基材11と装飾部材13とにそれぞれ設けられた貫通孔12,14にワイヤー21を通すことにより結合し、基材11と装飾部材13とをワイヤーで支持する造花材1を得る。造花材1を用いてブーケを製作した場合、ブーケを持つ人の動きに合わせて、造花が自然に揺れる個性的なブーケを実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、造花材および造花に関する。
従来、日本国内においては、(社)日本フラワーアレンジメント協会が中心となって、フラワーアレンジメントの普及・啓蒙活動が行われてきた。
その活動の中で、同協会は、フラワーアレンジメントの技術を取得した人向けの検定試験を実施している。検定試験においては、公平性を確保するため、感性や主観に頼らないで採点が行われる。このため、採点基準は、予め試験用の課題として公表されたブーケを、規格通りのサイズ、角度、形状で作成できるか否かが中心となる。
日本国内でフラワーアレンジメントを習得した人の多くは同協会の検定試験を受験するので、検定試験の課題となったウェディング用のブーケの規格が、基本的なブーケの規格として知られるようになった。そして、生花店やブーケの製作・販売を手がける事業者が一般消費者向けに提供するブーケも、同協会の規格に基づくものが大半を占めるようになった。
また、近年、フラワーアレンジメントの人気が高まるにつれて、ブーケの製作に興味を持つ人が増えている。最も一般的なブーケの製作には、生花、ドライフラワー或いはプリザーブドフラワー等、生花を乾燥させて得られる加工花が用いられている。
一方、着色された透明樹脂の花弁と接着部を備えた萼とを用い、技術的に未熟な人であっても容易に造花を製作できるようにした例も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−328221号公報
特許文献1に開示された造花は、複数枚の花弁と、花弁を支持する萼とを備えており、萼が有する接着面に花弁を接着し、萼を支持するための支柱となる茎を、萼に設けられた嵌入孔に嵌入する構造である。
上述のように、日本国内においてフラワーアレンジメントを習得した人の多くが、上記協会が定めた規格を踏襲したブーケを製作するようになったため、生花店や各種業者が提供するブーケも、個人が製作するブーケも、上記協会の規格に準じた物が主流であった。
この規格によれば、ある一方向を前側と定め、前側から見た場合に美しい配置となるよう、全ての花及び葉の配置が定められる。ブーケの花や葉は、揺れ動いて位置がずれないようにワイヤーで強固に固定され、ワイヤーの位置も細かく指定される。例えば、花については、ワイヤーが花の下半分に厳重に巻き付けられ、葉については葉の裏側全面がワイヤーで保持される。さらに、ワイヤーはフローラルテープによって被覆されるが、ワイヤーの強度を補強する意味から、フローラルテープは短いピッチで厚く巻かれる。このようにして、従来のブーケは、花及び葉を強固に固定したものであった。
このため、上記規格に準じたブーケには、次のような特徴がある。
1.特定の方向を前側と定め、前側から美しく見えることを前提にしているため、前側から見ないと美しく見えない。特に裏側に相当する面は「見せない」ことを前提としており、ワイヤー等が多く露出していて極めて見苦しい。また、横からは平面的に見えてしまう。このため、ブーケを持つ人は裏側が絶対に見えないようにブーケを持たなければならず、ブーケの裏側に形成されたハンドル(持ち手)を体の正面に保持し、かつ、体から離れないよう配慮する必要がある。
2.前面にワイヤー等が露出しないようにするため、花や葉が極めて密に配置され、ブーケを持つ人の衣装が完全に隠れてしまう。
3.ブーケを持って歩いても花や葉が全く動かないので、見た目に重く不自然な印象を与えてしまう。
以上の特徴から、上記規格に準じたブーケは、必ずしも美観に優れているわけではないといえる。しかし、上述したように、日本国内においては上記規格がブーケの規格として認識されているため、画一的でバリエーションに欠けるブーケが多用されるという事態を招いていた。
一方、特許文献1に開示された造花は、予め接着面と嵌入孔とを備えた萼により花弁と茎とが接着剤によって所定位置に接合されるので、熟練者でなくても、部品を組み立てる感覚で容易に造花を製作できる利点がある。しかし、接着剤による接合によるため、高い機械的強度を持たせるのには限界があり、比較的重量のある材料(例えば、貴金属、卑金属、貴石、宝石など)で造花を製作することには適していない。
また、完成した造花は、花弁が萼の所定の接着面に強固に固定され、茎もまた萼に設けられた嵌入孔に嵌入され強固に固定されている。このため、その造花を複数本束ねて例えばブーケを製作した場合、ブーケを持つ人の動きに応じて造花が自然に揺れるといった演出効果が得られない。
そこで、本発明は、花の製作が容易であり、比較的重量のある材料を用いても花が脱落することがない造花材を提供することにある。また、本発明は、例えばブーケを製作した場合に、ブーケを持つ人の動きに合わせて、造花が自然に揺れる個性的なブーケを実現することを可能とする造花材を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、少なくとも一つの花冠様の基材と、前記基材上に配置される花蕊様の装飾部材とを含み、前記基材と前記装飾部材とには、前記基材と前記装飾部材とを結合し且つこれらを支持するためのワイヤーが通される貫通孔が、それぞれ設けられていることを特徴とする造花材である。
ここで、花冠とは、複数片の花弁の集合体をいい、花冠様の基材とは、少なくとも形状において花冠を模した部材をいう。また、花蕊(かずい)とは、一般には花のおしべまたはめしべを意味するが、本発明において花蕊様の装飾部材とは、通常花冠の中央に位置して外観上花蕊と認識されうる装飾性の部材をいう。自然界には様々な種類の花があり、花冠、花蕊の外観(形状、色彩、光沢の有無等)も千差万別であるが、本発明の基材、装飾部材は、自然界に存在する花を正確に模したものである必要はない。例えば、花冠様の基材が金属光沢を有していても良く、花蕊用の装飾部材が宝石、貴石、パール、あるいはそれらの模造品、ビーズ等であっても良い。また、花冠の基材は、金、銀、プラチナ等の貴金属の他、卑金属、卑金属の表面に金、銀、プラチナ、クロム等の金属薄膜をメッキ形成したもの、あるいは着色加工等を施した樹脂等でも良い。
請求項2記載の発明は、少なくとも一つの花冠様の基材と、前記基材上に配置される花蕊様の装飾部材とを含み、前記装飾部材には下方に延びる軸部が形成され、前記基材には前記装飾部材の前記軸部を挿入する挿入孔が形成され、前記軸部には、前記軸部には、前記基材の挿入孔に前記装飾部材の前記軸部を挿入した状態で前記基材と前記装飾部材とを支持するためのワイヤーを固定する固定部が設けられていることを特徴とする造花材である。
ここで、固定部は、花蕊用の装飾部材の軸部とワイヤーとの結合を保つために軸部に施される加工部を意味し、ワイヤーを通す貫通孔、ワイヤーの一部を巻回して収納する外周溝、ワイヤーを係止するための小突起等を含む。本発明の好ましい実施態様においては、花蕊用の装飾部材の軸部に形成された貫通孔とし、貫通孔にワイヤーを通して基材と装飾部材とを支持する構成とすることができる。
請求項4記載の発明は、少なくとも一つの花冠様の基材と、前記基材上に配置される花蕊様の装飾部材とを、前記基材と前記装飾部材とにそれぞれ設けられた貫通孔にワイヤーを通すことにより結合して、前記基材と装飾部材とを前記ワイヤーで支持する造花材を構成し、前記造花材の複数が、前記ワイヤーの長手方向の少なくとも一部で結束されていることを特徴とする造花である。
請求項5記載の発明は、少なくとも一つの花冠様の基材と、前記基材上に配置される花蕊様の装飾部材とを、前記装飾部材から下方に延びる軸部を前記基材に形成された挿入孔に挿入した状態で、前記軸部に設けられた固定部にワイヤーを固定することにより、前記基材と装飾部材とを前記ワイヤーで支持する造花材を構成し、前記造花材の複数が、前記ワイヤーの長手方向の少なくとも一部で結束されていることを特徴とする造花である。
請求項5記載の発明は、請求項3または4記載の造花において、前記造花材は、前記ワイヤーの上に、前記ワイヤーを覆うようにフローラルテープが巻回されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、花冠様の基材と、基材上に配置される花蕊様の装飾部材とを、基材と装飾部材とにそれぞれ設けられた貫通孔にワイヤーを通すことにより結合して、基材と装飾部材とをワイヤーで支持する造花材が得られる。ワイヤーの引き締めによって花冠様の基材と花蕊様の装飾部材とを結合状態とするので、花の製作が容易であり、しかも、花冠様の基材と花蕊様の装飾部材とがこれらを貫通するワイヤーで支持されるので、基材、装飾部材が脱落するのを防止できる。したがって、これらの部材に比較的重量のある材料(例えば、貴金属、貴石、宝石など)を用いることができる。
また、造花材を束ねてブーケを製作した場合、ブーケを持つ人の動きに合わせて自然に揺れ動く、自然で軽やかな印象を与える造花材を製作できる。
さらに、ワイヤーの引き締め具合によって、花冠様の基材と花蕊様の装飾部材との結合状態を、強固にも緩くにも任意に調整できるので、制作者の趣向に応じて多様な「揺れる」演出効果を実現できる。
請求項2記載の発明によれば、花冠様の基材と、基材上に配置される花蕊様の装飾部材とを、装飾部材から下方に延びる軸部を基材に形成された挿入孔に挿入した状態で、軸部に設けられた固定部にワイヤーを固定することにより、基材と装飾部材とをワイヤーで支持する造花材が得られる。したがって、軸部によって、花冠様の基材と花蕊様の装飾部材とが結合状態とされ、これら部材が軸部に固定されるワイヤーによって支持されるので、請求項1記載の発明と同様に、基材、装飾部材の脱落を防止でき、これらの部材に比較的重量のある材料を用いることができ、自然に揺れ動く造花材を、容易に製作できるという効果が得られる。
また、花蕊様の装飾部材から下方に延びる軸部を花冠様の基材に形成された挿入孔に挿入して、基材と装飾部材とを結合状態とするので、花冠様の基材に形成された挿入孔の寸法や形状を適宜選択することによって、花蕊様の装飾部材の軸部の外面と挿入孔の内面との結合状態を、強固にも緩くにも任意に調整できる。したがって、請求項1記載の発明と同様に、制作者の趣向に応じて多様な「揺れる」演出効果を実現できる。
請求項4または5記載の発明によれば、上記のようにして花冠様の基材と花蕊様の装飾部材とワイヤーで支持する造花材の複数を、ワイヤーの長手方向の少なくとも一部で結束するので、結束長さを適宜選択することにより、花の揺れ方を細かく調節することができる。これにより、例えば造花がブーケであれば、ブーケを持つ人の動きに合わせて、所望の揺れ方で揺れるブーケが得られる。
なお、本発明においては、ワイヤーが露出して見苦しくならないように、ワイヤーの上に、ワイヤーを覆うようにフローラルテープが巻回されていることが好ましい。
上記した本発明の目的および利点並びに他の目的および利点は、以下の実施の形態の説明を通じてより明確に理解される。もっとも、以下に記述する実施の形態は例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、第1の実施の形態による造花材の構成を示す図であり、造花材1は、花冠様の基材11と、花蕊様の装飾部材13と、ワイヤー21とにより構成される。なお、図1の(a)は、造花材1の製作分解図、図1の(b)はワイヤー21を引き締めて、花冠様の基材11と花蕊様の装飾部材13とを結合した状態を示す図であり、ここでは、七分咲きの桜の花を模した例を示している。また、図2は、花冠様の基材11の縦断面図である。
花冠様の基材11は、図1および図2に示すとおり、桜の花冠を模して成形された薄板状の部材であり、中央部にはワイヤー21を通すための2つの貫通孔12が設けられている。花冠様の基材11は、各種材料の薄板からの打ち抜き、塑性加工、鋳造、その他周知の方法で成形することができるが、特にその成形方法を限定するものではない。
貫通孔12は、成形した基材への打ち抜き加工、ドリルによる切削加工等により形成することができる。なお、2つの貫通孔12を設けるにあたっては、図1の(b)に示すようにワイヤー21を引き締めた状態で貫通孔12が花蕊様の装飾部材13によって隠れるような位置にくるようにするのが好ましい。また、ワイヤーを通す貫通孔12を一つにしてもよいが、一つ孔では後述するワイヤーでの支持構造に対して花冠様の基材が大きくぐらついて安定性に劣るので、上記のように二つ孔とするのが好ましい。
花蕊様の装飾部材13は、この例ではパールを用いており、装飾部材13には、ワイヤー21を通す貫通孔14が設けられている。なお、この例では、一粒のパールとしたが、二粒以上のパールをワイヤー21に通し、数珠繋ぎにして構成することも勿論可能であり、その個数は限定しない。
ワイヤー21は、造花・フラワーアレンジメント等に使用される金属製の線材であり、所定の弾性と柔軟性とを有し、手で容易に折り曲げ加工を施すことが可能である。なお、以下に説明する製作工程において、ワイヤー21の太さは、花冠様の基材11と花蕊様の装飾部材13とを合わせた重量及び花のサイズ、希望する揺れ方を考慮して決定することが望ましいが、およそ#20(直径約0.9mm)〜#30(直径約0.3mm)程度のものであれば、花が緩やかに大きく揺れるようにすることができ、好ましい。なお、ワイヤー21の材質によってワイヤー21の弾性が異なるので、通常とは異なる材質のワイヤーを用いる場合は、ワイヤーの太さを変えることも当然に考慮される。
次に、図1、図3を参照して造花材1の製作工程を説明する。
まず、花冠様の基材11に設けられた一方の貫通孔12、花蕊様の装飾部材13に設けられた貫通孔14、基材11に設けられた他方の貫通孔12の順に、ワイヤー21を通す(図1の(a))。貫通孔12から延びるワイヤー21の端部側を手で引っ張って、花蕊様の装飾部材13を花冠様の基材11の上に配置させ、花冠様の基材11の裏側でワイヤー21同士を密に捻る。このようにして、ワイヤー21を引き締めることで、花冠様の基材11と花蕊様の装飾部材13とを結合する(図1の(b)、図3の(a)参照)。
上記のようにして引き締められたワイヤー21の周囲に、ワイヤー21を覆い隠すように、フローラルテープ22を巻き付ける。フローラルテープ22は、フラワーアレンジメント等に使用される紙、布、不織布等からなる帯状のテープであり、一面に粘着剤または接着剤が塗布(付着)されていて、任意の場所に貼り付けることのできるテープである。なお、フローラルテープ22は、緑色、淡緑色、茶色等、様々な色のものが入手可能であり、所望の造花材のイメージに合わせて好みの色を用いることができる。例えば、桜をイメージするのであれば、濃い茶色のフローラルテープを巻き付けて桜の枝を模した支持構造とする。
図3は、ワイヤー21へのフローラルテープ22の巻回工程を示す図である。
フローラルテープ22の巻き始めは、花冠様の基材11の裏側の近傍とし、好ましくは貫通孔12を出たワイヤー同士が密に捻られている部位とする(図3の(a))。
巻き始めの部分は、ほつれ(剥がれ)を防止するため比較的短いピッチで1〜2回巻き回し、その後は長いピッチでワイヤー21の周囲を巻き回す(図3の(b))。
このとき、造花材1の枝あるいは茎を細く仕上げるため、フローラルテープ22とワイヤー21とがなす角(図中符号A)が鋭角になるように、より好ましくは45度以下になるようにフローラルテープ22を巻く。フローラルテープ22の幅はワイヤー21よりも遙かに幅広であるから、フローラルテープ22とワイヤー21とがほぼ平行になったとしても、十分にワイヤー21を包んで覆い隠すことができる。このため、造花材1の枝あるいは茎を細く仕上げたい場合は、フローラルテープ22とワイヤー21とがなす角(図中符号A)がほぼ0度になる程度に、長いピッチでフローラルテープ22を巻くと良い。
なお、ワイヤー21に巻き付けるフローラルテープ22の厚みにより、造花材1の支持構造(枝あるいは茎)が有する弾性が変化し、結果として花の揺れ方に影響する点をも考慮しながらフローラルテープ22を巻くと良い。
このようにして、図3の(c)に示す造花材1が製作される。ワイヤー21及びフローラルテープ22の端部は、適切な長さを残して切断すれば良い。
次に、図4および図5を参照して、第2の実施の形態による造花材の構造と、製造工程を説明する。
図4は、第2の実施の形態による造花材の構成を示す図であり、造花材2は、寸法、形状が異なる2つの花冠様の基材15a,15bと、花蕊様の装飾部材17と、ワイヤー21とにより構成される。なお、図4の(a)は、造花材2の製作分解図、図2の(b)はワイヤー21を引き締めて、花冠様の基材15a,15bと花蕊様の装飾部材13とを結合した状態を示す図であり、ここでは、満開の八重桜の花を模した例を示している。
花冠様の基材15a,15bは、八重桜の多重の花弁を、外輪の花冠と内輪の花冠とにそれぞれ模して成形された薄板状の部材である。花冠様の基材15a,15bの中央部には、後述する花蕊様の装飾部材17の下部に形成された軸部18を挿入するための挿入孔16a,16bが設けられている。花冠様の基材15a,15bの成形方法、挿入口16a,16bの形成方法は、上記第1の実施の形態の場合と同様であり、説明を省略する。
花蕊様の装飾部材17において、その上部はこの例では八重桜のおしべを構成する花糸および葯を模したものである。また花蕊様の装飾部材17の下部には、円筒状の軸部18が形成されている。ここで、軸部18の外径は、花冠様15a,15bに設けられた挿入孔16a,16bの内径よりもわずかに小さい。なお、図示のような細部構造を有する花蕊様の装飾部材17は、例えば金属材料で構成する場合、鋳造により製作するのが一般的であるが、特にその製法を限定するものではない。
軸部18にはワイヤー21を通す貫通孔19が設けられている。この貫通孔19は、後述するように軸部18を花冠様の基材15a,15bに設けられた挿入孔16a,16bに挿入したときに、花冠様の基材15aの裏側の直下に位置するように形成する。貫通孔19にワイヤーを通したときに、ワイヤーが丁度とストッパーとなって軸部19に対する花冠様の基材15a,15bの移動を規制し、また脱落を防止できるからである。
次に、造花材2の製作工程を説明する。
図4を参照して、まず、花蕊様の装飾部材17の軸部18を、花冠様の基材15bに設けられた挿入孔16b、花冠様の基材15aに設けられた挿入孔16aの順に挿入する。この状態で花蕊様の装飾部材17の上部は、花冠様の基材15bの上に配置される。花蕊様の装飾部材17の軸部18に形成された貫通孔19に、ワイヤー21を通し、U字状に曲げ、軸部18の下側でワイヤー21同士を密に捻る。このようにして、花冠様の基材15a,15bと花蕊様の装飾部材17とを結合する(図4の(b)、図5の(a)参照)。
次いで、図5に示すように、軸部18およびワイヤー21の周囲に、軸部18とワイヤー21を覆い隠すように、フローラルテープ22を巻き付ける。
図5は、ワイヤー21へのフローラルテープ22の巻回工程を示す図である。
フローラルテープ22の巻き始めは、花冠様の基材15aの裏側の近傍とし、好ましくはワイヤー21を通した貫通孔18を含む軸部とする(図5の(a))。なお、その他の巻き付け方法の細部は、上記第1の実施の形態と同様であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
このようにして、図5の(c)に示す造花材2が製作される。
第2の実施の形態による造花材2によれば、花蕊様の装飾部材17から下方に延びる軸部18を花冠様の基材15a,15bに形成された挿入孔16a,16bに挿入して、基材15a,15bと装飾部材17とを結合状態としていることから、花冠様の基材15a,15bに形成された挿入孔16a,16bの寸法や形状を適宜選択することによって、軸部18の外面と挿入孔16a,16bの内面との結合状態を、強固にも緩くにも任意に調整できることは明らかである。例えば、これらの結合状態が緩くなるようにすれば、花冠様の基材15a,15bは、軸部18に対して自由に回転し、揺動もする。したがって、制作者の趣向に応じて多様な「揺れる」演出効果を実現できる。
また、上記のようにしてこれらの結合状態が緩くなるようにすれば、揺らしたときに花冠様の基材15a,15bが別個に揺動し、互いに衝突し合って、音を発生する。花冠様の基材15a,15bに貴金属、卑金属の材料を用いて造花材2を製作したところ、軽やかな音を発した。つまり、「揺れる」演出効果に加えて音による演出効果も得られた。
次に、本発明に従い製作した造花材を束ねて造花とする場合について説明する。
図6は、第1の実施の形態に従い製作した造花材と、第2の実施の形態に従い製作した造花材とを用い、フローラルテープが巻回されたワイヤーの一部を束ねてフローラルテープをその上に巻き付け、ミニブーケの造花を構成した一例を示す図面代用写真である。三分咲き、五分咲き、満開の桜の花を模した花が、ワイヤーによって支持されている。第1の実施の形態および第2の実施の形態の造花材の構成から明らかように、ワイヤーを曲げることによって花同士の間隔を任意に調整したり、花の向きを変えたりすることができる。また、図6の図面代用写真では動きを表現できないが、ワイヤーが有する弾性と花の有する重量とのバランスによって花をしなやかに支持する構造とできるため、ブーケを持つ人の動きに合わせて、花が自然に揺れる個性的なブーケを実現できた。
また、ブーケを揺らしたときに花同士が衝突し合って、音を発生する。貴金属、卑金属の材料でできた花冠様の基材が軽やかな鈴の音様の音を発し、音による演出効果にも優れることがわかった。
もっとも、図6は造花のほんの一例であり、造花材の束ね方によって様々な造花を構成できることは明らかである。例えば、上部に大輪の花を配し、下部には花が垂れ下がるキャスケードブーケは、「揺れるブーケ」の典型例である。また、複数の造花材を一本の綱の様に繋げた形状のガーランド(花綱)を構成して、ガーランド同士を束ねたり、ガーランドと造花材、さらにはグリーンを混ぜて束ねたりしても良い。
花とワイヤーとの結合部からフローラルテープ22で結束された結束部までの長さは任意であるが、長めにすると花が大きく揺れ、短くすると花が小さく、速く揺れる。したがって、この長さを調節することによって、所望の揺れ方で、花を揺らすことができる。
なお、第1の実施の形態において、同種若しくは異種のまたはサイズの異なる2つ以上の花冠様の基材を用い、それらと単一の花蕊様の装飾部材にワイヤーを通し、あるいは、同種若しくは異種のまたはサイズの異なる2つ以上の花蕊様の装飾部材を数珠繋ぎにしてワイヤーを通し、ワイヤー引き締めてこれらを一体化した造花材とすることも可能である。
さらに、同種若しくは異種のまたはサイズの異なる2以上の花蕊様の装飾部材を用い、花冠様の基材には複数の挿入孔を設け、装飾部材の軸部を挿入孔に挿入し、軸部を数珠繋ぎにしてワイヤーを通して固定することも可能である。このようにして、本発明によれば、興趣性に富んだ造花材を容易に製作できる。
また、本発明の造花材、造花は、広く花飾りとして広範に利用可能であり、ウェディングブーケの他に、コサージュ、帯飾り、髪飾りなどの装身具、テーブル飾り、リビングフラワー等の装飾品に応用することも勿論可能である。
その他の細部構成についても、本発明の趣旨を損なうことのない範囲において適宜変更可能であることは勿論である。
第1の実施の形態に係る造花材の構成を示す図であり、(a)は造花材の製作分解図、(b)は花冠様の基材と花蕊様の装飾部材との結合状態を示す図である。 花冠様の基材の縦断面図である。 第1の実施の形態に係る造花材の製作工程を示す図である。 第2の実施の形態に係る造花材の構成を示す図であり、(a)は造花材の製作分解図、(b)は花冠様の基材と花蕊様の装飾部材との結合状態を示す図である。 第2の実施の形態に係る造花材の製作工程を示す図である。 第1の実施の形態および第2の実施の形態により製作した造花材を束ねて構成した造花(ミニブーケ)の一例を示す図面代用写真である。
符号の説明
1、2 造花材
11,15a,15b 花冠様の基材
13,17 花蕊用の装飾部材
12,14,19 貫通孔
16a,16b 挿入孔
18 軸部
21 ワイヤー
22 フローラルテープ

Claims (6)

  1. 少なくとも一つの花冠様の基材と、前記基材上に配置される花蕊様の装飾部材とを含み、前記基材と前記装飾部材とには、前記基材と前記装飾部材とを結合し且つこれらを支持するためのワイヤーが通される貫通孔が、それぞれ設けられていること、
    を特徴とする造花材。
  2. 少なくとも一つの花冠様の基材と、前記基材上に配置される花蕊様の装飾部材とを含み、前記装飾部材には下方に延びる軸部が形成され、前記基材には前記装飾部材の前記軸部を挿入する挿入孔が形成され、前記軸部には、前記基材の挿入孔に前記装飾部材の前記軸部を挿入した状態で前記基材と前記装飾部材とを支持するためのワイヤーを固定する固定部が設けられていること、
    を特徴とする造花材。
  3. 前記固定部が、前記装飾部材の前記軸部に形成された貫通孔であり、前記貫通孔にワイヤーを通して前記基材と前記装飾部材とを支持すること、
    を特徴とする請求項2記載の造花材。
  4. 少なくとも一つの花冠様の基材と、前記基材上に配置される花蕊様の装飾部材とを、前記基材と前記装飾部材とにそれぞれ設けられた貫通孔にワイヤーを通すことにより結合して、前記基材と装飾部材とを前記ワイヤーで支持する造花材を構成し、
    前記造花材の複数が、前記ワイヤーの長手方向の少なくとも一部で結束されていること、
    を特徴とする造花。
  5. 少なくとも一つの花冠様の基材と、前記基材上に配置される花蕊様の装飾部材とを、前記装飾部材から下方に延びる軸部を前記基材に形成された挿入孔に挿入した状態で、前記軸部に設けられた固定部にワイヤーを固定することにより、前記基材と装飾部材とを前記ワイヤーで支持する造花材を構成し、
    前記造花材の複数が、前記ワイヤーの長手方向の少なくとも一部で結束されていること、
    を特徴とする造花。
  6. 前記造花材は、前記ワイヤーの上に、前記ワイヤーを覆うようにフローラルテープが巻回されていることを特徴とする請求項4または5記載の造花。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010222735A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Princess Rose Kk プリザーブドフラワアレンジメント及びこれを用いた装飾品
JP2017082358A (ja) * 2015-10-29 2017-05-18 静玲 佐谷 造花と造花の製作方法、造花を用いた装飾品

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