JP2006328026A - リポソームおよびそれを含む皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 4−n−ブチルレゾルシノールを含む皮膚外用剤であって、4−n−ブチルレゾルシノールを皮膚内の標的箇所に選択的に到達させることができ、優れた美白作用を奏する皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(I)で示されるセラミドをリポソーム膜に含むリポソームであって、4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を内包することを特徴とするリポソーム、ならびに当該リポソームを含む皮膚外用剤。
【化1】
Figure 2006328026

【選択図】 図1

Description

本発明は薬効成分を内包するリポソームに関する。更に詳細には、皮膚に外用されることにより、薬効成分を皮膚内の標的箇所に選択的に到達させることができるリポソームに関する。さらに本発明は、前記リポソームを含有する皮膚外用剤に関する。
リポソームはリン脂質などを含有する脂質二重膜で構成された小胞であり、該小胞内部には水性成分が保持されている。このためリポソームを生体中に投与すると、小胞内部に保持された成分は、酵素などの生体成分に触れることなく生体中を移動することができる。さらに、前記リポソームの内部を外部より画する、リポソーム膜を構成する脂質二重膜は生体臓器の細胞壁との親和性を有するので、臓器に到達したリポソームは細胞壁を通過して臓器中に取り込まれやすい性質を有するといわれている。これらの性質を利用して、リポソームはターゲッティング製剤の開発などに応用されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかしながらリポソームの、標的臓器に到達する性質と、該標的臓器において小胞内部に保持された成分を放出する性質とを両立させるのは困難である。すなわち、標的臓器に到達しやすいリポソームは、臓器に到達した後にその小胞内部に保持された成分を放出しにくい。一方、標的臓器において小胞内部に保持された有効成分を放出しやすいリポソームは、生体中でトラップされやすく標的臓器に到達しにくい。
したがって、標的臓器へ到達しやすく、かつ到達した標的臓器において小胞内に保持された成分を放出しやすいリポソームの開発が望まれていた。
一方、臓器構成成分で構成されるリポソーム膜を有するリポソームの小胞内部に保持された成分(「リポソームに内包された成分」ともいう)は、標的臓器に対するリリース性が向上され得ると報告されている(例えば、非特許文献1を参照)。リポソーム膜を構成する臓器構成成分としてセラミドが知られており、特定の構造を有するセラミドをリポソーム膜の構成成分としたリポソームが報告されている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)。しかしながら、このようなセラミドをリポソーム膜の構成成分とするリポソームも、前述のように標的臓器へ到達しにくいという問題があった。
一方、メラニン産生を抑制する成分である美白成分の例には、プラセンターエキス、エラグ酸及びその塩、アスコルビン酸及びその誘導体、トラネキサム酸及びその塩、コウジ酸及びその塩、アルブチン及びその塩、ならびに4−n−ブチルレゾルシノール及びその塩などが含まれる(例えば、非特許文献2参照)。
特再2000/061114号公報 特表平08−502961号公報 特開平10−059840号公報 特開2004−230173号公報 M. Kirjavainen et.al.,Biochim Biophys Acta. 1996 ;1304(3):179-189 Glasl S., et al., Z. Naturforsch., 2002(11-12), 976-982
本発明者等は、美白成分を標的臓器である皮膚内に選択的に到達させ、かつ皮膚内に到達した美白成分の美白作用を効率的に奏させる技術を検討した。なお、本発明において「
臓器」とは生体機能の構成単位を意味し、皮膚も包含する。
具体的には、美白成分である4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を内包するリポソームであって、投与(例えば経皮投与)されると皮膚の表皮・真皮内に選択的に到達し、かつ皮膚内において内包された4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を効率的に放出することができるリポソームの開発を検討した。
本発明者等は、4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を内包し、特定構造を有するセラミドをリポソーム膜に含むリポソームは、皮膚に投与されると、皮膚内に選択的に到達することができ、かつ皮膚内において効率的に4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を放出(リリース)することを見出した。
さらに、そのリポソームを含む組成物は優れた美白作用を有することを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 下記一般式(I)で示されるセラミドをリポソーム膜に含むリポソームであって、4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を内包することを特徴とするリポソーム。
Figure 2006328026
[2] 前記一般式(I)において、R1がメチル基またはヘプチル基を表し、R2がα−ペンタデセニル基を表すことを特徴とする、[1]に記載のリポソーム。
[3] 前記セラミドの含有量が、リポソーム膜の全質量に対して30〜60質量%であることを特徴とする、[1]または[2]に記載のリポソーム。
[4] 前記リポソーム膜が、コレステロール、脂肪酸、コレステロール硫酸、およびリン脂質、ならびにこれらの塩からなる群から選択される一種または二種以上をさらに含有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のリポソーム。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載のリポソームを含有する皮膚外用剤。
[6] 美白用の化粧料であることを特徴とする、[5]に記載の皮膚外用剤。
本発明により、4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を、標的臓器である皮膚内へ選択的に到達させることができ、かつ皮膚内で4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩の美白作用を効果的に奏させることができるリポソームが提供される。さらに、該リポソームを含み、優れた美白作用を奏する皮膚外用剤が提供される。
<本発明のリポソーム>
本発明のリポソームはリポソーム膜を有し、かつ該リポソーム膜が形成する小胞の内部および/または小胞脂質膜中に4−n−ブチルレゾルシノールを含むことを特徴とする。
「小胞の内部に含まれる」とは脂質二重膜と脂質二重膜の間に存在する水層の水に溶解している状態を含む。また「小胞脂質膜中に含まれる」とは、脂質二重膜の間にはめ込まれている状態を含む。
一般的にリポソームのリポソーム膜は脂質二重膜で構成されるが、その脂質二重膜は多重の同心球(多重層)を形成している場合と、単層を形成している場合とがある。本発明のリポソームのリポソーム膜は単層または多重層のいずれを形成していてもよい。
本発明のリポソームのリポソーム膜は少なくともセラミドを含有することを特徴とするが、リン脂質やその他の成分をさらに含有していてもよい。
一般的にセラミドとは、スフィンゴシンまたはその類似体の、N−アシル誘導体の総称である。セラミドは、その特徴部分であるN−アシル基の構造などによって、タイプ1〜タイプ7に大別されることがある(例えば、Robson KJ, Stewart ME, Michelsen S, Lazo
ND, Downing DT.:6-Hydroxy-4-sphingenine in human epidermal ceramides. J Lipid Res. 1994 Nov;35(11):2060-8.を参照)。そのタイプによって、生体中における臓器分布が異なっているといわれている。本発明のリポソームに含まれるセラミドは、特に限定されるわけではないが、前記7つのタイプのうちタイプ2に属するものと考えられる。
本発明のリポソームのリポソーム膜に含まれるセラミドは、下記一般式(I)で表されるセラミドであることが好ましい。
一般式(I)において、R1は好ましくは炭素数1〜8のアルキル基を示す。R1で示される基の具体的な例には、メチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘプチル基などが含まれ、特に好ましくはメチル基またはヘプチル基などである。
一般式(I)において、R2は好ましくは炭素数11〜21のアルキル基またはアルケニル基を示す。R2のアルキル基またはアルケニル基は水酸基を有してもよい。R2で示されるアルキル基の具体的な例には、1−ヒドロキシペンタデカニル(1-hydroxy-pentadecanyl)基などが含まれる。またR2で示されるアルケニル基の具体的な例には、α−ペンタデセニル(α-pentadecenyl)基および2−ヒドロキシ−α−ペンタデセニル(2-hydroxy-α-pentadecenyl)基などが含まれる。R2の特に好ましい例には、α−ペンタデセニル基などが含まれる。
Figure 2006328026
一般式(I)で表されるセラミドの具体的な例には、N−アセトイル−D−エリスロスフィンゴシン(N-Acetoyl-D-erythro-Sphingosine)またはN−オクタノイル−D−エリスロスフィンゴシン(N-Octanoyl-D-erythro-Sphingosine)などが含まれる。
一般式(I)で表される化合物は、既知の化合物またはその類似体であるので、公知の製造方法やそれに準じた方法で製造することができる(例えば、Iwamori M et.al;J. Lipid Res.;16(4):332-6:1975参照 )。また、一般式(I)で表される化合物のなかには市販されている化合物もある。市販されている化合物の例には、N−アセトイル−D−エリスロスフィンゴシン(N-Acetoyl-D-erythro-Sphingosine)やN−オクタノイル−D−エリスロスフィンゴシン(N-Octanoyl-D-erythro-Sphingosine)などが含まれ、これらはア
バンティ・ポーラー・リピッド社(Avanti Polar Lipids Inc.)より販売されている。
本発明のリポソームのリポソーム膜における一般式(I)で表されるセラミドの含有量は、リポソームが溶液中で安定に存在することができるように調整する。前記セラミドの含有量は、具体的にはリポソーム膜の全質量に対して30〜60質量%であることが好ましく、35〜55質量%であることがより好ましい。前記セラミドの含有量がこの範囲から大きくずれると、リポソームが形成されない場合がある。
前述の通り本発明のリポソームのリポソーム膜は、一般式(I)で表されるセラミド以外にリン脂質を含有することができる。リン脂質としては、通常のリポソーム膜を構成するリン脂質であれば、特段の限定無く適用することができる。
リン脂質の好ましい例には、レシチンの主成分であるホスファチジルコリン、ホスファチジル酸、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールおよびホスファチジルグリセロール、ならびにこれらのリゾ体が含まれる。これらは大豆や卵黄から抽出したレシチンの形態、あるいはこれらを水素添加した水添レシチンの形態であってもよい。本発明のリポソームのリポソーム膜は、かかるリン脂質の一種を単独で含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。
リポソーム膜におけるリン脂質の総含有量は、リポソーム膜の総質量に対して50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。リン脂質の量が多すぎると、必須成分であるセラミドの含有量を適切に調整することが困難になる場合がある。
本発明のリポソームのリポソーム膜は、リン脂質以外の脂質を含有することもできる。該脂質の例には、コレステロール類や脂肪酸が含まれる。
本発明のリポソームのリポソーム膜に含まれ得るコレステロール類の好ましい例には、コレステロールそのもの、ならびにコレステロールの脂肪酸エステル、硫酸エステルおよびリン酸エステルなどが含まれる。特に好ましい例には、コレステロールそのもの、およびコレステロール硫酸エステルが含まれる。本発明のリポソームのリポソーム膜は、これらのコレステロール類の唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。
リポソーム膜におけるコレステロール類の好ましい総含有量は、リポソーム膜の総質量に対して50質量%以下であり、より好ましくは45質量%以下である。コレステロール類の量が多すぎると、必須成分であるセラミドの含有量を適切に制御することが困難になる場合がある。
本発明のリポソームのリポソーム膜に含まれ得る脂肪酸は、炭素数10〜30の脂肪酸であることが好ましい。脂肪酸は、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれでもよい。脂肪酸の好ましい例には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、イソステアリン酸、オクチルドデカン酸などが含まれる。特に好ましい脂肪酸は不飽和脂肪酸であり、オレイン酸、リノール酸及びリノレイン酸から選択される。本発明のリポソームのリポソーム膜は、これらの脂肪酸の唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。
リポソーム膜における脂肪酸の総含有量は、リポソーム膜の総質量に対して50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。脂肪酸の量が多すぎると、必須成分であるセラミドの含有量を適切に制御することが困難である場合がある。
本発明のリポソームのリポソーム膜は、前述した成分以外の、通常リポソーム膜を構成する成分を、本発明の効果を損なわない範囲において任意に含有することができる。この
ような任意成分の例には、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコールなどの多価アルコール類;POE脂肪酸エステルやPOEアルキルエーテルのような非イオン界面活性剤類;ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどのような高分子類などが含まれる。
本発明のリポソームのリポソーム膜は、一般式(I)で表されるセラミドに加えて、コレステロール、コレステロールの硫酸エステルおよび脂肪酸を組み合わせて含有することが特に好ましい。リポソーム膜におけるこれらの成分の好ましい質量比としては、セラミドの質量に対して、リン脂質の質量比が0〜150%(より好ましくは0〜100%)であり、脂肪酸の質量比が0〜50%(より好ましくは0〜15%)であり、コレステロールの質量比が0〜50%(より好ましくは0〜15%)であり、コレステロール硫酸の質量比が0〜100%(より好ましくは50〜100%)である。
本発明のリポソームは、4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩(以下、「4−n−ブチルレゾルシノール類」ということがある)を、小胞の内部及び/又は小胞脂質膜中に含むことを特徴とする。
4−n−ブチルレゾルシノールは、常法に従って製造することができる。例えば、Lille, J.; Bitter, L. A.; Peiner, V. Trudy-Nauchono-Issledovatel' skii Institut Slantsev (1969), No.18, 127-134に記載された方法に従って製造すればよい。具体的には、レゾルシンとブタン酸を塩化亜鉛の存在下で縮合し、亜鉛アマルガム/塩酸で還元する方法;レゾルシンとn−ブチルアルコールとを200〜400℃の高温下で縮合させる方法などが例示される。
4−n−ブチルレゾルシノールの塩は、生理的に許容されるものであれば特段の限定はされない。かかる4−n−ブチルレゾルシノールの塩は、4−n−ブチルレゾルシノールを種々の塩基性化合物と反応させることにより得られる。好ましい塩基性化合物の例には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属;アンモニア;トリエタノールアミンやトリエチルアミン等の有機アミン;リジンやアルギニン等の塩基性アミノ酸などが含まれる。さらに好ましい塩基性化合物の例はアルカリ金属であり、ナトリウムが特に好ましい。
本発明のリポソームに内包される4−n−ブチルレゾルシノール類は、一種単独でもよく、二種以上の組み合わせでもよい。
前述の通り本発明のリポソームは4−n−ブチルレゾルシノール類を内包している。4−n−ブチルレゾルシノール類は、脂質二重膜と脂質二重膜の間に存在する水層に溶解されているか、脂質二重膜の間にはめ込まれている状態でリポソームに内包されていると考えられる。
前述の通り本発明のリポソームは、多重層リポソームであっても単層リポソームであってもよいが、好ましくは多重層リポソームである。したがって、リポソームの粒径は、100nm〜10μmであることが好ましい。
本発明のリポソームは小胞内部または脂質二重膜の間に水性溶液を含む。その水性溶液の容量は、特に限定されないが0.1〜100μLであると考えられる。
本発明のリポソームは、水性溶媒中に懸濁させることができるが、その水性溶媒の例には、リン酸緩衝生理食塩水やリンゲル氏液などが含まれる。4−n−ブチルレゾルシノールを安定に存在させるため、その水性溶媒のpH域は、4〜5程度であることが好ましい。
水性溶媒に懸濁されているリポソームに含まれる4−n−ブチルレゾルシノール類の、
該懸濁液中における濃度は、4−n−ブチルレゾルシノールに換算して、1〜50mMであることが好ましい。
本発明のリポソームは、例えば薄膜法にしたがって製造することができる。薄膜法とは、例えばBangham, A.D., Standish, M.M. and Watkins, J.C. "Diffusion of univalent ions across the lamellae of swollen phospholipids."(1965) J. Mol. Biol. 13, 238-252に記載される方法である。
具体的には以下の手順に従って製造することができるが、これらの記載により本発明のリポソームの製造方法が特に限定されるわけではない。
1) リポソーム膜を構成する成分(前記一般式(I)で示されるセラミドを含む)を有機溶媒に溶解又は懸濁させる。ここで有機溶媒は、脂質を溶解することができ、かつ沸点が低いことが好ましい。有機溶媒の具体例には、クロロホルム、メタノール、エタノール、アセトンなどが含まれる。
2) 1)で得られた溶液または懸濁液に、4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を含む溶液を添加する。かかる溶液の溶媒は、脂質を溶解することができ、かつ粉点が低いことが好ましい。この溶媒の例には、メタノール、クロロホルム、エタノール、アセトンなどが含まれる。
3) 2)で得られた混合液から溶媒を除去することにより、リポソーム構成成分の薄膜を形成させる。溶媒は減圧下に留去することが好ましい。
4) 3)で得られた薄膜に水性溶媒(好ましくは緩衝液)を添加して撹拌することにより、水性溶媒中に懸濁されたリポソームを得ることができる。
上記で得られたリポソームを含む水性溶媒(懸濁液)を、さらにフィルターに通すことにより、リポソームの粒径を揃えることができる。
また、リポソームを含む水性溶媒(懸濁液)を超遠心処理することにより、沈殿物としてリポソームを分離することができる。分離されたリポソームは必要に応じて生理食塩水などで洗浄することもできる。
<本発明の皮膚外用剤>
本発明の皮膚外用剤は、前述した本発明のリポソームを含むことを特徴とするが、さらに任意の成分を含むことができる。
本発明の皮膚外用剤におけるリポソームの含有量は、皮膚外用剤全質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。本発明の皮膚外用剤においてリポソームは、懸濁もしくは分散されていてもよく、または溶解されていてもよいが、好ましくは分散されている。
また、本発明の皮膚外用剤における4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩の含有量は、皮膚外用剤全量に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましい。
前述のとおり、本発明の皮膚外用剤は必須成分である本発明のリポソーム以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することができる。任意成分の例には、オイルもしくはワックス、炭化水素類、高級脂肪酸類、多価アルコールを含むアルコール類、油剤、界面活性剤、保湿成分、増粘剤、粉体類、無機顔料類、パール剤、有機色素、防腐剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、pH調整剤などが含まれる。
オイルもしくはワックスの例には、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリ
ン、ホホバロウ等が含まれる。
炭化水素類の例には、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が含まれる。
高級脂肪酸類の例には、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等が含まれる。
アルコール類の例には、エタノール、イソプロパノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、エリトリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール等が含まれる。
油剤の例には、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等が含まれる。
界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤のいずれでもよい。
アニオン界面活性剤の例には、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等が含まれる。
カチオン界面活性剤の例には、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等が含まれる。
両性界面活性剤の例には、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等が含まれる。
非イオン界面活性剤の例には、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(PO
E・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等が含まれる。
保湿成分の例には、ポリメタクリロイルオキシエトキシホスホリルコリン、ポリグリコシルエトキシメタクリレート、ポリグルコシルエトキシメタクリレート、ポリメタクリロイルリジン等の、ポリアクリル酸又はポリメタクリル酸を基体とし、側鎖に親水性基を導入したポリマー又はコポリマー、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等が含まれる。
増粘剤の例には、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が含まれる。
粉体類は、無機粉体でも有機粉体でもよい。
無機粉体の例には、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体が含まれる。無機粉体は表面が処理されていてもよい。
有機粉体の例には、ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン、オルガノポリシロキサンエラストマー等の粉体が含まれる。
無機顔料類の例には、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛等が含まれる。無機顔料類は、表面が処理されていてもよい。
パール剤の例には、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等が含まれる。パール剤類は、表面が処理されていてもよい。
有機色素の例には、赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等が含まれる。有機色素は、レーキ化されていてもよい。
防腐剤の例には、フェノキシエタノール等が含まれる。
紫外線吸収剤の例には、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等が含まれる。
ビタミン類の例には、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等が含まれる。
pH調整剤の例には、リン酸およびその塩(ナトリウム塩など)が含まれる。
さらに本発明の皮膚外用剤は、リポソームに内包される4−n−ブチルレゾルシノール類の効果が損なわれない限り、4−n−ブチルレゾルシノール類以外の美白成分を含んでいてもよい。この美白成分の例には、プラセンターエキス、エラグ酸及びその塩、アスコルビン酸及びその誘導体(アスコルビン酸グルコシドを含む)、トラネキサム酸及びその塩、コウジ酸及びその塩、ならびにアルブチン及びその塩が含まれる。
本発明の皮膚外用剤の剤型は特に限定されないが、ローション剤型、クリーム剤型、ハイドロゲル剤型、貼布剤型などが例示される。
本発明の皮膚外用剤は剤型に応じて、前述のリポソームと任意成分とを常法に従って処理することにより製造することができる。
本発明の皮膚外用剤の製造において用いられるリポソームは、溶液または懸濁液に含まれた状態で配合してもよく、あるいは必要に応じて溶媒から分離された状態または洗浄されて単離された状態で配合してもよい。
本発明の皮膚外用剤が皮膚投与(例えば経皮投与)されると、それに含まれるリポソームは標的臓器である皮膚内に選択的に到達することができる。これは、リポソームが角層間脂質への高い融合能を有するためであると推察される。
また後述の実施例に示されたように、本発明の皮膚外用剤は優れた美白作用を奏する。これは、角層を透過したリポソームから、内包する薬剤(美白剤)が角質間脂質に効率的に分配(放出)され、分配された美白剤が角層間脂質から表皮細胞内へ拡散するためであると考えられる。
また本発明の皮膚外用剤は、美白成分である4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩をリポソームに内包させているため、外用剤の性質(pHなど)は広い範囲で調整され得る。例えば、4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩はpH4〜5の環境下において安定であるといわれているが、本発明の皮膚外用剤は該pH域になくても、4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を安定に存在させることができる。したがって本発明の皮膚外用剤のpHは3〜9の範囲であればよいが、外用剤として適切な範囲のpHは3〜8であると考えられる。
本発明の皮膚外用剤は、リポソームに含有される4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を含み、かつ4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩は皮膚内部に選択的に送達され、皮膚内部において効率的にリポソームから放出される。したがって、4−n−ブチルレゾルシノールなどのメラニン産生抑制作用が効果的に奏される。
4−n−レゾルシノール及び/又はその塩は、薬事法で定義される医薬部外品の有効成分(メラニン産生抑制作用を有する有効成分)として用いられるので、本発明の皮膚外用剤は医薬部外品として応用され得る。
医薬部外品として応用される場合には、メラニン産生抑制作用を有する旨の表示、または医薬部外品である旨の表示を付されていることが好ましい。また、適切な態様での使用を促すため、メラニン産生を抑制する目的で使用すること、色黒で気になる部分に1日1回乃至数回適量を投与すること、皮膚に異常を感じた場合は直ちに投与を中止すべきであることを表示することが好ましい。
以下に、本発明について実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
<実施例1>
リポソームの作製
リポソームを、Bangham, A.D., Standish, M.M. and Watkins, J.C. "Diffusion of univalent ions across the lamellae of swollen phospholipids."(1965) J. Mol. Biol. 13, 238-252に記載の薄膜法に従い、以下の様にして作製した。
表1に示した脂質組成物(計15mg)を、ナスフラスコ内のクロロホルム(15ml)に加えて懸濁した。得られた懸濁液に、メタノール(1ml)に溶解した4−n−ブチルレゾルシノール(3mg)を添加した。
Figure 2006328026
Figure 2006328026
エバポレーターにて溶媒を減圧除去して、フラスコの内壁に薄膜を形成した。薄膜が形成されたフラスコ中にリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)を6ml添加した。ウォーターバスにて60℃に温めながらボルテックスにかけて、フラスコの内壁から薄膜を剥離し、リポソーム懸濁液を得た。
得られたリポソーム懸濁液を、エクストルーダーに装着された目の大きさが200nmのメンブレンフィルターに10回通し、リポソーム懸濁液に含まれるリポソームの粒径を約200nmに揃えた。
さらにリポソーム懸濁液を、超遠心処理(267000g,60min)して生じた沈殿物を回収した。回収された沈殿物を、約1.5mlのPBS(pH7.4)に懸濁した。(以下、単に懸濁液という場合がある。)
得られた懸濁液をPBS(pH7.4)により希釈し、4−n−ブチルレゾルシノール濃度を0.3%とした。4‐n‐ブチルレゾルシノール濃度はHPLCにより測定した。得られたリポソーム懸濁液をリポソーム懸濁液1と称する。
<実施例2>
実施例1における脂質組成物を、表2に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例1と同様にしてリポソーム懸濁液2を得た。
Figure 2006328026
Figure 2006328026
<比較例1>
実施例1における脂質組成物を、表3に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例1と同様にしてリポソーム懸濁液3を得た。
Figure 2006328026
<比較例2>
実施例1における脂質組成物を、以下の表4に示される脂質組成物に変更すること以外は、実施例1と同様にしてリポソーム懸濁液4を得た。リポソーム懸濁液4に含まれるリポソームは、SCLL (Stratum corneum lipid liposome)と称されることがある。
Figure 2006328026
Figure 2006328026
in vitro皮膚透過試験
実施例1および2、ならびに比較例1および2で得られたリポソーム懸濁液1〜4について、以下の手順でin vitro皮膚透過試験を行った。リポソーム懸濁液1、2、3および4それぞれについて、3つの皮膚透過試験用拡散セルを用いて試験を行った。
ヘアレス・ラット(Hairless rat 7週齢オス)から採取した背部皮膚の裏面の脂肪組織を除去した。脂肪組織が除去された皮膚を、直径1.5cmのパンチで丸くくり抜いた。くり抜かれた皮膚を、皮膚外面側を上にして皮膚透過試験用Frantzセルにセットした。
Frantzセルのレシーバー(皮膚内面側)にPBS(pH7.4)を満たし(4.5mL)、レシーバー内のPBSをスティアラーにて撹拌しながら32℃に保持した。一方、セルのドナー(皮膚外面側)にリポソーム懸濁液(400μl)を入れた。
24時間後にFrantzセルから皮膚を回収した。回収した皮膚をビーカー内のPBS(pH7.4)に浸して、30回揺らして皮膚表面に付着している4−n−ブチルレゾルシノールを除去した。皮膚のうちドナー溶液が接していた部分(直径1.5cm)のみを鋏で丸く切り出し、切り出された皮膚を細かく切断した。切断された皮膚をバイアル瓶中のメタノール5mlに浸した。かかるバイアル瓶に対しバス型超音波を60分間照射した。バイアル瓶中の溶液200μlを採取して、4−n−ブチルレゾルシノールの濃度をHPLCにより測定した。測定された4−n−ブチルレゾルシノールの濃度から、皮膚内(真皮内)に含まれる4−n−ブチルレゾルシノール量を求めた。
求めた4−n−ブチルレゾルシノール量の、アプライした4−n−ブチルレゾルシノール量(ドナーに入れたリポソーム懸濁液に含まれる4−n−ブチルレゾルシノール量)に対する質量%を計算した。
算出された結果を図1に示す。図1に示されたように、リポソーム懸濁液3または4に含まれる4−n−ブチルレゾルシノールよりも、リポソーム懸濁液1または2に含まれる4−n−ブチルレゾルシノールの方が、選択的に皮膚内(真皮内)に到達していることがわかる。
<実施例3>
以下の表5に示される成分を均一に混合して、美白化粧水1(pH6.5)を作製した。
表5においてリン酸およびリン酸ナトリウムの配合率は、得られる化粧水のpHが6.5になるように調整された。
Figure 2006328026
<実施例4>
以下の表6に示される成分を均一に混合して、美白化粧水1(pH6.5)を作製した。
表6においてリン酸およびリン酸ナトリウムの配合率は、得られる化粧水のpHが6.5になるように調整された。
Figure 2006328026
<比較例3>
実施例3における美白化粧水1の作製において、リポソーム懸濁液1(5質量%)を、4−n−ブチルレゾルシノール3mgをエタノール1mlに溶解して得られた溶液に置換した化粧水を作成し、比較化粧料とした。
美白効果試験
実施例3で得られた美白化粧水1の美白効果を、パネラーを用いた試験によって調べた。
パネラー5名の前腕内側部に2cm×4cmの3つの部位A,B,Cを設定した。設定された部位に、予め測定してあった、最少紅斑用量(MED)の2倍の紫外線を照射した。照射後1週間放置して、炎症がおさまり、黒化を確認してから試験を開始した。
部位Aには連日朝晩2回、3週間連続して、美白化粧水1を40μL塗布した。部位Bには、比較化粧料を同様に投与した。部位Cはそのままにしてもらい、コントロールとした。
最後の投与から16時間後に、各部位の明度を、色差計(コニカミノルタCR400)を用いて測定した。コントロール部位Cに対する、部位A(美白化粧水1を塗布)、及び
部位B(比較化粧料を塗布)の明度差(ΔL*)をコニカミノルタの色彩色差計CR−400を用いて求めた。その結果を表7に示す。表7に示されたように、本発明の美白化粧水1を塗布した部位Aが、比較化粧料を塗布した部位Bよりも明度差が大きく、4−n−ブチルレゾルシノールがリポソームに内包されている美白化粧水1の美白効果が高いことがわかる。
Figure 2006328026
本発明の4−n−ブチルレゾルシノールを内包するリポソームを配合することにより、美白作用に優れた皮膚外用剤が提供される。
リポソームに内包される4−n−ブチルレゾルシノールの皮膚内への到達性を、本発明のセラミドを膜に含むリポソームと、セラミドを膜に含まないリポソームと、本発明のセラミドとは異なるセラミドを含んだSCLL (Stratum corneum lipid liposome)とで比較したグラフである(実施例1、2および比較例1、2を参照)。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で示されるセラミドをリポソーム膜に含むリポソームであって、
    4−n−ブチルレゾルシノール及び/又はその塩を内包することを特徴とするリポソーム。
    Figure 2006328026
  2. 前記一般式(I)において、
    1がメチル基またはヘプチル基を表し、R2がα−ペンタデセニル基を表すことを特徴とする、請求項1に記載のリポソーム。
  3. 前記セラミドの含有量が、リポソーム膜の全質量に対して30〜60質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のリポソーム。
  4. 前記リポソーム膜が、コレステロール、脂肪酸、コレステロール硫酸、およびリン脂質、ならびにこれらの塩からなる群から選択される一種または二種以上をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のリポソーム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のリポソームを含有する皮膚外用剤。
  6. 美白用の化粧料であることを特徴とする、請求項5に記載の皮膚外用剤。
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