JP2006327912A - シリコンインゴット形成用鋳型およびシリコンインゴットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高純度のシリコンインゴットを歩留よく製造する。
【解決手段】内表面に離型層が形成されたものであって、離型層は、鋳型内表面に、窒化珪素及び二酸化珪素からなり、該二酸化珪素が80重量%以下(0を含む)の割合で含有される第一層2と、二酸化珪素のみからなる第二層3とが順次形成されてなるシリコンインゴット形成用鋳型とする。
【選択図】図1
【解決手段】内表面に離型層が形成されたものであって、離型層は、鋳型内表面に、窒化珪素及び二酸化珪素からなり、該二酸化珪素が80重量%以下(0を含む)の割合で含有される第一層2と、二酸化珪素のみからなる第二層3とが順次形成されてなるシリコンインゴット形成用鋳型とする。
【選択図】図1
Description
本発明はシリコンインゴット形成用鋳型及びシリコンインゴットの製造方法に関するものであり、特に太陽電池等に用いられるシリコンインゴットの形成に関する。
従来から太陽電池を形成するための半導体基板の一種として多結晶シリコンが用いられている。多結晶シリコンは、高温度で加熱溶融させたシリコン融液を鋳型内に注湯して凝固させることによって形成したり、シリコン原料を鋳型内に入れて一旦溶融した後に再び凝固させることによって形成している。
このような鋳型は、通常、その内表面に窒化珪素(Si3N4)や二酸化珪素(SiO2)などからなる離型層を形成したものが用いられる。
しかしながら、離型層として窒化珪素(Si3N4)を用いる場合、シリコン融液が離型層から侵入し鋳型に到達して融着することを防止するため、比較的離型層の厚みを大きくする必要があった。また、窒化珪素からなる離型層は、皮膜自体の強度が脆弱で破損し易く、また、シリコン融液の凝固過程において高温のシリコン融液と接触するため、シリコン融液中に溶け込むという問題点があった。
また、離型層として二酸化珪素(SiO2)を用いる場合、二酸化珪素は鋳型及びシリコンインゴットへの付着性が大きいことから、鋳型からの除去が困難で鋳型の再使用が出来なくなったり、脱型の際にシリコンインゴットの一部に欠けが発生したりするという問題点があった。
これに対して、窒化珪素(Si3N4)や二酸化珪素(SiO2)を混合してなる離型層も種々提案されている。
しかしながら、混合してなる離型層においても、上述の問題点を根本的に解決することは出来ず、また、混合の制御に困難性を有していた。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、高純度のシリコンインゴットを歩留よく製造するためのシリコンインゴット形成用鋳型およびシリコンインゴットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のシリコンインゴット形成用鋳型は、内表面に離型層が形成されたものであって、前記離型層は、前記鋳型内表面に、窒化珪素及び二酸化珪素からなり、該二酸化珪素が80重量%以下(0を含む)の割合で含有される第一層と、二酸化珪素のみからなる第二層とが順次形成されてなることを特徴とするものである。
前記第一層は0.02g/cm2以上0.4g/cm2以下であることが好ましく、前記第二層は、0.1g/cm2以上0.4g/cm2以下であることが好ましい。
また本発明のシリコンインゴットの製造方法は、上記シリコンインゴット形成用鋳型に保持されたシリコン融液を凝固させてシリコンインゴットを形成する工程と、前記シリコンインゴットを前記鋳型から取り出す工程とを有して成るものである。
特に、前記シリコンインゴットは、前記離型層と接する表面全域が前記第二層で覆われた状態で、前記鋳型から取り出されるようにすることが好ましい。
本発明のシリコンインゴット形成用鋳型によれば、内表面に離型層が形成されたものであって、該離型層は、鋳型内表面に、窒化珪素及び二酸化珪素からなり、該二酸化珪素が80重量%以下(0を含む)の割合で含有される第一層と、二酸化珪素のみからなる第二層とが順次形成されてなることから、比較的脆弱な第一層の存在によって離型の容易性を確保しつつ、第二層の存在によって第一層の破損やシリコン融液中への溶け込みを効果的に抑制することができ、高純度のシリコンインゴットを歩留よく製造することが可能となる。
ここで、第一層は、シリコンインゴットの離型容易性の観点から0.02g/cm2以上、また、膜強度を確保する観点から0.4g/cm2以下の範囲で形成されることが好ましい。また、第二層は、第一層のシリコン融液中への溶け込みを抑制する観点から0.1g/cm2以上、また、熱伝導性を保って凝固時間を比較的短くする観点から0.4g/cm2以下であるほうが好ましい。
また本発明のシリコンインゴットの製造方法は、上記シリコンインゴット形成用鋳型に保持されたシリコン融液を凝固させてシリコンインゴットを形成する工程と、シリコンインゴットを鋳型から取り出す工程とを有して成るものである。
特に、シリコンインゴットは、離型層と接する表面全域が第二層で覆われた状態で、鋳型から取り出されるようにすることが好ましい。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシリコンインゴット形成用鋳型の一実施形態を示す図である。
鋳型基体1は例えば黒鉛や石英、シリカまたはセラミックなどから成り、一体成型或いは分割組み立て可能な分割型のものによって構成され、その内表面に、窒化珪素及び二酸化珪素からなり、該二酸化珪素が80重量%以下(0を含む)の割合で含有される第一層2を形成し、その上に二酸化珪素からなる第二層3が形成されて鋳型10を構成している。
これにより、比較的脆弱な第一層2の存在によって離型の容易性を確保しつつ、第二層3の存在によって第一層2の破損やシリコン融液中への溶け込みを効果的に抑制することができ、高純度のシリコンインゴットを歩留よく製造することが可能となる。
また、第一層2を窒化珪素と二酸化珪素との混合層とすることによって、第二層3との付着性が良好となる。
さらに、二酸化珪素は窒化珪素に比べ熱伝導率が良いため、シリコン融液の凝固時間を短縮することによって、第一層2を構成する成分のシリコン融液中への溶け込みをより効果的に抑制できる。
ここで、第一層2は、窒化珪素が20重量%以上含んでいればよく、窒化珪素層のみで形成しても良い。なお、第一層2及び第二層3には、1%未満であれば例えば窒化ホウ素などの不純物を含んでも良い。
次に、離型層の形成方法を詳細に説明する。
まず、第一層2は、鋳型10内表面にスラリーを塗布したのち乾燥させることによって形成される。第一層2は、シリコンインゴットの離型容易性の観点から0.02g/cm2以上、また、膜強度を確保する観点から0.4g/cm2以下の範囲で形成されることが好ましい。なお、スラリーを塗布・乾燥させることによって上記数値範囲に該当するように第一層2を形成すれば良く、特に第一層2の厚みの上限下限が限定されるものではない。この点は、後述の第二層についても同様である。
ここで、スラリーは、例えば窒化珪素及び二酸化珪素からなる粉末を、有機バインダーと溶剤とから構成される溶液中に混合・攪拌して形成され、へらや刷毛、スプレー法など、或いはプラズマ流中に各種粉末材料を送って溶融噴射して皮膜を形成するプラズマ溶射法などによって鋳型10内表面に形成される。
このとき、窒化珪素は平均粒径が0.1〜5μm程度の粉体、また二酸化珪素は平均粒径が0.1〜40μm程度の粉体が用いられる。有機バインダーには、PVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)、MC(メチルセルロース)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、EC(エチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、ワックスなどが一般的に使用される。
なお、有機バインダー水溶液を混合してスラリー状にした離型層を被覆するような場合、その後の加熱で有機バインダーの熱分解性生成物がシリコン融液中に混入することを防止するため、脱脂処理を行うことが好ましい。また、乾燥方法としては、自然乾燥または、ホットプレート、オーブンなどの従来周知の方法を用いて乾燥させて脱脂処理を行うことで、鋳型10への離型層の接着が可能となる。
次に、第二層3は、第一層2の上に二酸化珪素からなるスラリーを塗布、乾燥させて形成される。第二層3は、第一層2のシリコン融液中への溶け込みを抑制する観点から0.1g/cm2以上、また、熱伝導性を保って凝固時間を比較的短くする観点から0.4g/cm2以下であるほうが好ましい。
この場合に用いるスラリーも、第一層2と同様、有機バインダー及び溶剤と共に混合・攪拌して形成される。
<シリコンインゴットの製造方法>
上記のようにして離型層2が形成された鋳型10を、例えば7〜100Torrに減圧したアルゴン(Ar)雰囲気中でシリコン融液と同程度か若干低い温度で加熱して、シリコン融液を注湯する。または、鋳型10内にシリコン原料を入れて加熱溶融してもよい。
上記のようにして離型層2が形成された鋳型10を、例えば7〜100Torrに減圧したアルゴン(Ar)雰囲気中でシリコン融液と同程度か若干低い温度で加熱して、シリコン融液を注湯する。または、鋳型10内にシリコン原料を入れて加熱溶融してもよい。
その状態で、鋳型10の底部から徐々に降温させてシリコン融液を鋳型10底部から徐々に一方向凝固させる。
その後、鋳型10から、シリコンインゴットを離型層と接する表面全体に二酸化珪素からなる第二層3が覆われた状態で取り出すことによって、シリコンインゴットが形成される。これは、二酸化珪素はシリコンとの付着性が高く第一層2の皮膜に比べ安定した皮膜であるため、第二層3はほとんど皮膜が破損せずに第一層2が破損して離型することが可能となり、それ故、シリコンインゴットと鋳型10との融着を防ぎ、シリコンインゴット中の析出物の発生を抑制することができる。
なお、鋳型10から取り出したシリコンインゴットの端部は、表面に覆われた二酸化珪素とともに切断除去される。そして端部が除去されたシリコンインゴットをマルチワイヤーソーなどを用いてスライスし、太陽電池用シリコン基板を得ることができる。
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。
例えば、第一層2のスラリーを塗布した後に、第二層3のスラリーを塗布し、その後、同時に乾燥させて離型層を形成しても構わない。
1・・・鋳型基体
2・・・第一層
3・・・第二層
10・・鋳型
2・・・第一層
3・・・第二層
10・・鋳型
Claims (5)
- 内表面に離型層が形成されたシリコンインゴット形成用鋳型であって、
前記離型層は、前記鋳型内表面に、窒化珪素及び二酸化珪素からなり、該二酸化珪素が80重量%以下(0を含む)の割合で含有される第一層と、二酸化珪素のみからなる第二層とが順次形成されてなることを特徴とするシリコンインゴット形成用鋳型。 - 前記第一層は、0.02g/cm2以上0.4g/cm2以下であることを特徴とする請求項1記載のシリコンインゴット形成用鋳型。
- 前記第二層は、0.1g/cm2以上0.4g/cm2以下であることを特徴とする請求項1記載のシリコンインゴット形成用鋳型。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のシリコンインゴット形成用鋳型に保持されたシリコン融液を凝固させてシリコンインゴットを形成する工程と、
前記シリコンインゴットを前記鋳型から取り出す工程と、を有して成るシリコンインゴットの製造方法。 - 前記シリコンインゴットは、前記離型層と接する表面全域が前記第二層で覆われた状態で、前記鋳型から取り出されることを特徴とする請求項4記載のシリコンインゴットの製造方法。
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2005
- 2005-05-30 JP JP2005157078A patent/JP2006327912A/ja active Pending
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