JP2006327479A - 車載電源バックアップ装置及び車載電気システム - Google Patents
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Abstract
【課題】バックアップ時の電気負荷同士の不整合を防止する。
【解決手段】複数の電気負荷14は、バックアップ対象となる電気負荷18a〜18nと、バックアップ対象外となる電気負荷20a〜20nに区分けされている。車載電源10の電圧低下時、バックアップ対象外の電気負荷20a〜20nには、車載電源10から作動電圧が供給されず、通常動作を行えない状態になる。一方、バックアップ対象の電気負荷18a〜18nには、車載電源バックアップ装置16からバックアップ電圧として半作動電圧、例えば、非作動電圧<半作動電圧<作動電圧が供給される。半作動電圧が供給された電気負荷18a〜18nは、通常動作を行わず、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理のみ行う。これにより、バックアップ対象外の電気負荷20a〜20nとの動作の不整合を防止することができる。
【選択図】図1
【解決手段】複数の電気負荷14は、バックアップ対象となる電気負荷18a〜18nと、バックアップ対象外となる電気負荷20a〜20nに区分けされている。車載電源10の電圧低下時、バックアップ対象外の電気負荷20a〜20nには、車載電源10から作動電圧が供給されず、通常動作を行えない状態になる。一方、バックアップ対象の電気負荷18a〜18nには、車載電源バックアップ装置16からバックアップ電圧として半作動電圧、例えば、非作動電圧<半作動電圧<作動電圧が供給される。半作動電圧が供給された電気負荷18a〜18nは、通常動作を行わず、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理のみ行う。これにより、バックアップ対象外の電気負荷20a〜20nとの動作の不整合を防止することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、車載電源バックアップ装置及び車載電気システム、特に、車載電源が複数の電気負荷に作動電圧を供給不可能になった場合の車載電源のバックアップの改良に関する。
従来から、車両が信号待ち等で停車した場合に、燃料消費量の節減及びエミッションの低減を目的としてエンジンを一時的に自動停止させるアイドルストップ運転が実用化されている。このアイドルストップ運転では、エンジン停止条件が成立し、かつ、車両が停止中であると推測されるときにエンジンが自動停止される。そして、その後、エンジン始動条件が成立したときに、エンジンがスタータにより自動始動されて車両は発進する。
このスタータによるエンジンの再始動には、かなりの消費電力が必要なことから、車両の停止・発進が繰り返される市街地走行等では、エンジンの始動頻度の増加とともに電源であるバッテリの消耗が甚だしくなる。
なお、このバッテリは、ECUやオーディオ/ナビゲーション等の複数の電気負荷にも電圧を供給しているので、エンジン再始動時にバッテリが消耗すると、電気負荷へ電圧が供給できないという問題が生じる。
この問題を解決するため、特許文献1には、バッテリ電圧が低下した場合、バッテリから供給される電圧を昇圧し、電気負荷に対する電圧の供給を補償することが開示されている。
しかしながら、特許文献1のように、車両に搭載された総ての電気負荷に電圧を補償しようとすると、バックアップ装置が大型化し、コストがかかるという問題がある。また、バッテリ電圧が大きく低下した場合には、車両に搭載された総ての電気負荷に対して十分に電圧を昇圧できないことも生じ、車両に搭載される各種の電気負荷の駆動をうまく制御できないという問題がある。
そこで、特許文献2,3は、複数の電気負荷のうち、重要な電気負荷や走行系に関する電気負荷に、優先的に電圧を供給してバックアップを行う。すなわち、電圧補償を行うバックアップ対象の電気負荷とバックアップ対象外の電気負荷に区分けし、バックアップ対象の電気負荷のみに電圧を補償する。
しかしながら、特許文献2,3のように、バックアップ対象を限定すると、以下の様な問題が懸念される。すなわち、ECUがバックアップ対象の電気負荷で、ECUに検知信号を供給するセンサ等がバックアップ対象外となった場合、バックアップ時、電圧が供給されないセンサはECUに何ら検知信号を供給することができない。従って、電圧が供給され通常動作が可能なECUは、センサからの検知信号がないとして誤った判定をしたりセンサが故障していると判定してしまう可能がある。このように、バックアップ対象の電気負荷とバックアップ対象外の電気負荷との間で不整合な処理が行われてしまう可能性がある。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、複数の電気負荷に対して、電源をバックアップするバックアップ対象とバックアップ対象外に分けた場合において、他の電気負荷との関係において整合がとれるようにバックアップを行うことを目的とする。
本発明の車載電源バックアップ装置は、エンジン始動モータ及び複数の電気負荷に電圧を供給する車載電源のための車載電源バックアップ装置であって、車載電源が複数の電気負荷に作動電圧を供給不可能な状態を識別する電源状態識別手段と、電源状態識別手段が供給不可能な状態を識別した場合に、バックアップ対象となる少なくとも1つの電気負荷に対して、車載電源から供給される電圧に基づいて所定のバックアップ電圧を供給する電源バックアップ手段と、を備え、所定のバックアップ電圧は、電気負荷が所定の作動電圧に基づく通常動作を行えない電圧であって、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理のみ可能な半作動電圧であることを特徴とする。
また、本発明の車載電源バックアップ装置であって、電源状態識別手段は、車載電源からエンジン始動モータに電源電圧が供給されるときに、供給不可能な状態と識別することを特徴とする。
更に、本発明の車載電源バックアップ装置であって、バックアップ対象となる総ての電気負荷に対して、所定のバックアップ電圧を供給することを特徴とする。
更に、本発明の車載電源バックアップ装置であって、バックアップ対象の電気負荷のうち、他の電気負荷と関連せず単独で通常動作を動作可能な電気負荷に対しては、その電気負荷が通常動作を行う所定の作動電圧を供給することを特徴とする。
更に、本発明の車載電源バックアップ装置であって、所定のバックアップ電圧は、その電気負荷が通常動作を動作可能な所定の作動電圧より小さくその電気負荷が動作不可能な非作動電圧より大きい半作動電圧であることを特徴とする。
更に、本発明の車載電源バックアップ装置であって、所定のバックアップ電圧が供給される電気負荷は、2つの動作モードを有し、所定の作動電圧に基づいて通常動作を行う通常動作モードと、半作動電圧に基づいて、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理を行う整合処理モードと、を有することを特徴とする。
本発明の車載電気システムは、車載電源と、車載電源から電源電圧が供給されるエンジン始動モータと、車載電源に基づいて作動電圧が供給される複数の電気負荷と、車載電源からエンジン始動モータに電源電圧が供給されることにより、車載電源が複数の電気負荷に作動電圧を供給不可能な状態を識別する電源状態識別手段と、電源状態識別手段が、供給不可能な状態を識別した場合に、車載電源から供給される電圧に基づいて所定のバックアップ電圧を供給する電源バックアップ手段と、を備え、複数の電気負荷は、電源バックアップ手段のバックアップ対象となるバックアップ対象の電気負荷と、電源バックアップ手段のバックアップ対象外となるバックアップ対象外の電気負荷と、に区分けされており、電源バックアップ手段は、バックアップ対象となる電気負荷に対して所定のバックアップ電圧を供給し、所定のバックアップ電圧が供給される電気負荷は、2つの動作モードを有し、所定の作動電圧に基づいて通常動作を行う通常動作モードと、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理を行う整合処理モードと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、バックアップ対象となる少なくとも1つの電気負荷に対して、所定のバックアップ電圧、すなわち、電気負荷が所定の作動電圧に基づく通常動作を行えない電圧であって、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理のみ可能な半作動電圧を供給することにしたので、他の電気負荷との間の不整合を防止することができる。
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について、図面を参照し説明する。
図1は、本実施形態における車載電源バックアップ装置を含む車載電気システムを示す全体構成図である。
図1に示すように、車載電気システム1は、車載電源10と、車載電源10から電源電圧が供給されるエンジン始動モータ12と、車載電源10から作動電圧が供給される複数の電気負荷14と、車載電源10から電圧の供給を受け、その受けた電圧に基づいてバックアップ電圧を供給する車載電源バックアップ装置16と、を備えている。本実施形態においては、複数の電気負荷14は、車載電源バックアップ装置16のバックアップ対象となる電気負荷18a〜18nと、車載電源バックアップ装置16のバックアップ対象外となる電気負荷20a〜20nと、に区分けされている。本実施形態において特徴的な点は、車載電源バックアップ装置16がバックアップ対象となる電気負荷18a〜18nに対して、電気負荷18a〜18nが所定の作動電圧に基づく通常動作を行えない電圧であって、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理のみ可能な半作動電圧を供給する点である。以下、詳細に説明する。
車載電源10は、12V程度の電圧を有し、エンジン始動モータ12、複数の電気負荷14、オルタネータ22に電圧を供給する。
エンジン始動モータ12は、エンジン24に取り付けられており、イグニッションスイッチ26及び自動停止自動始動装置28のスタート操作によって、車載電源10からの電流により作動してエンジン24を起動させる。自動停止自動始動装置28は、後述するように、アイドルストップ運転を実行する。
オルタネータ22は、車載電源10から供給される直流電流及びエンジン24の回転を利用して交流発電を行う。オルタネータ22で発電した交流電流は、内蔵されている整流回路 (rectifying circuit) で直流に変換された後、電気負荷14に供給されると共に、余剰電流は車載電源10に送られ充電される。
自動停止自動始動装置28は、車両の停止時にエンジン24を自動停止自動始動させるアイドルストップ処理を実行する。まず、自動停止自動始動装置28は、エンジン24の停止条件が成立するか否かを判定する。停止条件が成立した場合、自動停止自動始動装置28は、イグニッションスイッチ26のオン状態からオフ状態への移行を必要とせずに、エンジン24の点火系や燃料噴射系を停止させる。これにより、エンジン24は、運転状態から停止状態へ移行する。その後、自動停止自動始動装置28は、エンジン24の停止状態からエンジン24の始動条件が成立するか否か判定する。始動条件が成立した場合、自動停止自動始動装置28は、エンジン24の点火系や燃料噴射系の作動を再開すると共に、エンジン始動モータ12を始動させる。これにより、エンジン24が再始動し、車両は、その後の発進に備えることができる。なお、本実施形態において、自動停止自動始動装置28の制御信号は、車載電源バックアップ装置16に供給されている。
なお、アイドルストップ処理おけるエンジン24の停止条件は、車両の状態やドライバーの操作状態から、車両が停車中でありエンジン24を停止しても良いと考えられる条件であり、始動条件は、車両を発進の意思が確認できる条件である。この停止条件、始動条件は、個々の車両によって異なり、どの条件であっても良い。
電気負荷14は、ECU(electronic control unit)、各種補機、電気制御されるアクセルやブレーキ(いわゆるバイワイヤシステム)等が含まれる。なお、補機には、ヘッドランプ、フォグランプ、コーナリングシグナルランプ、コーナーランプ等のランプ類、エアコン等の空調装置、オーディオ、カーナビゲーション、ABSシステム、オイルポンプ、メータ類、デフォガ、ワイパ、パワーウィンドウ等が含まれる。
これら複数の電気負荷14は、上述したように、バックアップ対象となる電気負荷18a〜18nと、バックアップ対象外となる電気負荷20a〜20nに区分けされている。この区分けは、種々の観点から適宜決めることができる。例えば、電気負荷14は、走行系、信号処理系、コンフォート系(ナビゲーション装置等)、等に大きく区分けすることができ、例えば、走行系の電気負荷14をバックアップ対象とすることができる。また、車両の商品性、走行性、高付加価値性等に基づいて各車両に優先される商品性に従って決めることができる。車両の高付加価値性が重要視される高級車等では、例えば、ナビゲーションシステムをバックアップ対象とする。
以上のように区分けされ、バックアップ対象外の電気負荷20a〜20nは、イグニッションスイッチ26のオンにより、車載電源10と接続され、車載電源10から作動電圧を受けるようになっている。一方、バックアップ対象となる電気負荷18a〜18nは、電気負荷18a〜18nと車載電源10との間に車載電源バックアップ装置16が介装され、車載電源10と接続されている。電気負荷18a〜18nも、イグニッションスイッチ26のオンにより、車載電源10と接続され、車載電源10が十分な電圧を維持している場合には、車載電源10からそのまま作動電圧を受けるようになっている。一方、車載電源10の電圧が低下した場合には、電気負荷18a〜18nは、車載電源バックアップ装置16から所定のバックアップ電圧が供給されるようになっている。
以下、車載電源バックアップ装置16の構成について説明する。図2は、車載電源バックアップ装置の構成図である。
図2に示すように、車載電源バックアップ装置16は、各種の入力信号を受け付けて、車載電源10が複数の電気負荷14に作動電圧を供給不可能な状態を識別する制御部30と、車載電源10の電圧を受けて、電圧を昇圧する電圧補償回路32と、を備えている。なお、制御部30は、本発明の電源状態識別手段の機能を実現し、電圧補償回路32は、本発明の電源バックアップ手段の機能を実現する。
本実施形態において、制御部30は、車載電源10からエンジン始動モータ12に電源電圧が供給されるときに、車載電源10が複数の電気負荷14に作動電圧を供給不可能な状態と識別する。
上述したように、アイドルストップ処理が行われると、エンジンの再始動の頻度、換言すると、エンジン始動モータ12の作動頻度が著しく増加する。停止、発進を繰り返す市街地での走行では、アイドルストップ処理が頻繁に行われ、通常の運転に比べて、エンジン始動モータ12の作動に起因する消費電力が非常に大きくなり、車載電源10の消耗が著しくなる。更に、エンジン24の始動時には、オルタネータ22の発電がなされないので、エンジン始動モータ12は車載電源10から供給される電圧のみで作動されることになり、エンジン24の再始動中に車載電源10の電圧が著しく低下する。従って、アイドルストップ処理後、車載電源10からエンジン始動モータ12に電源電圧が供給されるときは、車載電源10の電圧が低下するとみなし、車載電源10が複数の電気負荷14に作動電圧を供給不可能と識別することができる。
本実施形態においては、制御部30に、アイドルストップ処理におけるエンジンの停止信号及び始動信号を供給する。停止信号及び始動信号が入力されると、制御部30は、車載電源10からエンジン始動モータ12に電源電圧が供給され、車載電源10の電圧が低下するとみなし、車載電源10が複数の電気負荷14に作動電圧を供給不可能と識別する。
制御部30は、供給不可能な状態と識別した場合に、電圧補償回路32を作動させる。電圧補償回路32は、DC−DCコンバータを含んで構成され、車載電源10から供給される電圧を昇圧し、その昇圧した電圧を電気負荷18a〜18nに供給する。本実施形態において、電圧補償回路32は、所定のバックアップ電圧、すなわち、半作動電圧を電気負荷18a〜18nに供給する。この半作動電圧は、電気負荷が所定の作動電圧に基づく通常動作を行えない電圧であって、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理のみ可能な電圧である。
図3は、車載電源バックアップ装置16が供給する半作動電圧を説明する図である。図3(A)に示すように、電気負荷14が通常動作を動作可能な所定の作動電圧Aと電気負荷14が動作不能な非作動電圧Bが示されている。車載電源10は、電圧が維持されている場合には作動電圧Aを電気負荷14に供給している。しかし、エンジン24の再始動時には、作動電圧A以下、更には、非作動電圧B以下まで低下してしまう。このとき、電圧補償回路32は、車載電源10から供給される電圧を半作動電圧Cにまで昇圧する。半作動電圧Cは、例えば、図3(B)に示すように、作動電圧Aより小さく非作動電圧Bより大きい電圧である。言い換えると、作動電圧Aより低い中途半端な電圧を供給する。なお、半作動電圧Cは、作動電圧Aより小さく非作動電圧Bより大きいある範囲の電圧でも良く、この範囲の所定値の電圧でも良い。例えば、ECUの作動電圧Aが10V以上(動作保証電圧12V)で、非作動電圧Cが6V以下の場合、6V<半作動電圧C<10Vとしても良いし、この範囲の何れかの電圧値とすることができる。
バックアップ対象の電気負荷18a〜18nは、入力電圧を監視し、半作動電圧Cが供給されると、電気負荷18a〜18nは、通常動作を行わず、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理を行う。例えば、整合処理は、他の電気負荷からの信号に基づく処理や、他の電気負荷の制御基準となるような信号を供給しない処理である。例えば、ECUであれば、メモリの保存処理等である。また、ナビゲーションシステムであれば、目的地などの情報を保持し、商品性を損なわせないために画面表示を維持させる処理が考えられる。
この整合処理は、他の電気負荷との関係において、矛盾を生じさせないための処理に行われる。すなわち、車載電源10の電圧が低下した場合には、バックアップ対象外の電気負荷20a〜20nは、車載電源10から作動電圧が供給されず、通常動作を行うことができない。従って、バックアップ対象の電気負荷18a〜18nに、バックアップ電圧として、作動電圧を供給し、電気負荷18a〜18nが通常動作をしてしまうと、電気負荷18a〜18nは、誤った判断や誤った動作をして、全体として整合が取れなくなってしまう。すなわち、ECUをバックアップ対象とし、ドア開閉センサをバックアップ対象としなかった場合、ECUは、ドア開閉センサからの検知信号が供給されないので、ドア開閉センサが故障若しくはドア開閉センサの供給信号がないことを前提とした信号処理を行ってしまう。また、ECUからドア開閉センサに制御信号を供給しても、ドア開閉センサは動作することができない。従って、本実施形態においては、バックアップ時に、バックアップ対象になったECUに対して半作動電圧を供給し、ECUは、ドア開閉センサからの検知信号が供給されなくても、ドア開閉センサに関する信号処理を行わない。また、ECUは、ドア開閉センサに制御信号を出力しない等の整合処理を行う。これにより、バックアップ対象の電気負荷18a〜18nとバックアップ対象外の電気負荷20a〜20nとの不整合を防止することができる。
なお、電気負荷側から述べると、バックアップ対象の電気負荷18a〜18nは、所定の作動電圧に基づいて通常動作を行う通常動作モードと、半作動電圧に基づいて、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理を行う整合処理モードと、を有していると説明することができる。
車載電源10の電圧が回復すれば、制御部30は、電圧補償回路32による半作動電圧の供給を停止させる。この停止は、例えば、制御部30に、エンジン24の回転数の信号を入力し、制御部30は、エンジン24が所定の回転数以上になったときに、電圧補償回路32による電圧補償を停止させることができる。また、エンジン24の回転数が所定数以上になる経験的な時間、例えば、所定時間を制御部30に設定しておき、制御部30は、所定時間が経過したら、電圧補償回路32による昇圧を停止するようにしても良い。
このように、本実施形態においては、バックアップ対象とバックアップ対象外の電気負荷とを区分け、更に、バックアップ対象の電気負荷に対しては、半作動電圧を供給する。これにより、昇圧するバックアップ電圧の容量を小さくすることができ、車載電源バックアップ装置を小規模、低コストで実現することができる。更に、半作動電圧が供給された電気負荷は、整合処理のみを行うので、バックアップがされない他の電気負荷との不整合を防止することができる。
以下、全体動作について説明する。図4は、全体動作を説明するフローチャートである。
車載電源バックアップ装置16の制御部30は、車載電源10が複数の電気負荷14に作動電圧を供給不可能な状態を識別する(S10)。例えば、制御部30は、自動停止自動始動装置28から停止信号及び始動信号が入力されると、供給不可能な状態と識別する。制御部30は、供給不可能な状態であると識別すると(S10でYES)、電圧補償回路32を作動させ、電圧補償回路32は、バックアップ電圧として半作動電圧を供給する(S12)。バックアップ対象の電気負荷18a〜18nは、整合処理のみを行う(S14)。このとき、電気負荷18a〜18nは、通常動作を行わず、整合処理しか行わないので、動作を行えないバックアップ対象外の電気負荷20a〜20bとの不整合を防止することができる。制御部30は、車載電源10の電圧が回復したか否か判定する(S16)。車載電源10の電圧が回復したら(S16でYES)、電圧補償回路32による半作動電圧の供給を停止し、バックアップを終了する(S18)。
<他の実施形態>
なお、本実施形態においては、車載電源が複数の電気負荷に作動電圧を供給不可能な状態として、車載電源がエンジン始動モータに電圧を供給する場合を中心に説明した。これ以外の場合の車載電源の電圧が低下した場合にも、車載電源バックアップ装置は、本実施形態と同様に、バックアップ対象の電気負荷に半作動電圧を供給することができる。この場合において、車載電源バックアップ装置(例えば、制御部)に車載電源の電圧値を入力し、車載電源バックアップ装置は、所定値以下になった場合に供給不可能な状態と識別することができる。また、車載電源バックアップ装置は、他の車載電源の電圧低下を示す制御信号に基づいて識別しても良い。
なお、本実施形態においては、車載電源が複数の電気負荷に作動電圧を供給不可能な状態として、車載電源がエンジン始動モータに電圧を供給する場合を中心に説明した。これ以外の場合の車載電源の電圧が低下した場合にも、車載電源バックアップ装置は、本実施形態と同様に、バックアップ対象の電気負荷に半作動電圧を供給することができる。この場合において、車載電源バックアップ装置(例えば、制御部)に車載電源の電圧値を入力し、車載電源バックアップ装置は、所定値以下になった場合に供給不可能な状態と識別することができる。また、車載電源バックアップ装置は、他の車載電源の電圧低下を示す制御信号に基づいて識別しても良い。
上述した実施形態では、車載電源バックアップ装置は、バックアップ対象の総ての電気負荷に半作動電圧を供給しているが、バックアップ対象の少なくとも1の電気負荷に半作動電圧を供給しても良い。この場合において、バックアップ対象の電気負荷のうち、他の電気負荷と関連せず単独で通常動作を動作可能な電気負荷に対しては、その電気負荷が通常動作を行う所定の作動電圧を供給しても好適である。このような電気負荷は、バックアップ時に通常の動作を行っても、他の電気負荷との不整合を生じさせないからである。このように、バックアップ対象となる電気負荷を、半作動電圧を供給する電気負荷と、作動電圧を供給する電気負荷とに分けることにより、効率的な制御を行うことができる。
また、電気負荷には、入力電圧が低下したときに、その装置自体が損傷しない程度に保証動作を行わせるフェール動作モードを有している。このフェール動作モードは、上述した整合処理と類似する。従って、バックアップ対象となる電気負荷18a〜18nがフェール動作モードを有している場合には、バックアップ電圧としてフェール動作モードを実行する電圧を供給しても好適である。
なお、本実施形態においては、車載電源がエンジン始動モータに電圧を供給する場合を中心に説明した。これ以外の場合の車載電源の電圧が低下した場合にも、車載電源バックアップ装置は、本実施形態と同様に、バックアップ対象の電気負荷に半作動電圧を供給することができる。
1 車載電気システム、10 車載電源、12 エンジン始動モータ、14 電気負荷、16 車載電源バックアップ装置、18a〜18n バックアップ対象の電気負荷、20a〜20n バックアップ対象外の電気負荷、22 オルタネータ、24 エンジン、26 イグニッションスイッチ、28 自動停止自動始動装置、30 制御部、32 電圧補償回路。
Claims (7)
- エンジン始動モータ及び複数の電気負荷に電圧を供給する車載電源のための車載電源バックアップ装置であって、
車載電源が複数の電気負荷に作動電圧を供給不可能な状態を識別する電源状態識別手段と、
前記電源状態識別手段が前記供給不可能な状態を識別した場合に、バックアップ対象となる少なくとも1つの電気負荷に対して、車載電源から供給される電圧に基づいて所定のバックアップ電圧を供給する電源バックアップ手段と、
を備え、
前記所定のバックアップ電圧は、電気負荷が所定の作動電圧に基づく通常動作を行えない電圧であって、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理のみ可能な半作動電圧であることを特徴とする車載電源バックアップ装置。 - 請求項1に記載の車載電源バックアップ装置であって、
前記電源状態識別手段は、車載電源からエンジン始動モータに電源電圧が供給されるときに、前記供給不可能な状態と識別することを特徴とする車載電源バックアップ装置。 - 請求項1又は2に記載の車載電源バックアップ装置であって、
バックアップ対象となる総ての電気負荷に対して、前記所定のバックアップ電圧を供給することを特徴とする車載電源バックアップ装置。 - 請求項1又は2に記載の車載電源バックアップ装置であって、
バックアップ対象の電気負荷のうち、他の電気負荷と関連せず単独で通常動作を動作可能な電気負荷に対しては、その電気負荷が通常動作を行う所定の作動電圧を供給することを特徴とする車載電源バックアップ装置。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載の車載電源バックアップ装置であって、
前記所定のバックアップ電圧は、その電気負荷が通常動作を動作可能な所定の作動電圧より小さくその電気負荷が動作不可能な非作動電圧より大きい半作動電圧であることを特徴とする車載電源バックアップ装置。 - 請求項1〜3又は5の何れか1項に記載の車載電源バックアップ装置であって、
所定のバックアップ電圧が供給される電気負荷は、2つの動作モードを有し、所定の作動電圧に基づいて通常動作を行う通常動作モードと、前記半作動電圧に基づいて、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理を行う整合処理モードと、を有することを特徴とする車載電源バックアップ装置。 - 車載電源と、
車載電源から電源電圧が供給されるエンジン始動モータと、
車載電源に基づいて作動電圧が供給される複数の電気負荷と、
車載電源からエンジン始動モータに電源電圧が供給されることにより、車載電源が複数の電気負荷に作動電圧を供給不可能な状態を識別する電源状態識別手段と、
前記電源状態識別手段が、前記供給不可能な状態を識別した場合に、車載電源から供給される電圧に基づいて所定のバックアップ電圧を供給する電源バックアップ手段と、
を備え、
前記複数の電気負荷は、電源バックアップ手段のバックアップ対象となるバックアップ対象の電気負荷と、電源バックアップ手段のバックアップ対象外となるバックアップ対象外の電気負荷と、に区分けされており、
前記電源バックアップ手段は、バックアップ対象となる電気負荷に対して所定のバックアップ電圧を供給し、
前記所定のバックアップ電圧が供給される電気負荷は、2つの動作モードを有し、所定の作動電圧に基づいて通常動作を行う通常動作モードと、他の電気負荷との関係において互いに動作の不整合を生じさせない整合処理を行う整合処理モードと、を有することを特徴とする車載電気システム。
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---|---|---|---|
JP2005155731A Pending JP2006327479A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | 車載電源バックアップ装置及び車載電気システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006327479A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009083654A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Pioneer Electronic Corp | 制御装置、制御方法、制御プログラムおよび記録媒体 |
JP2009120019A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Autonetworks Technologies Ltd | 車載電力供給システム |
JP2010052573A (ja) * | 2008-08-28 | 2010-03-11 | Toyota Motor Corp | アイドリングストップ車両の制御装置 |
US9048690B2 (en) | 2007-10-05 | 2015-06-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | In-vehicle power supply apparatus |
-
2005
- 2005-05-27 JP JP2005155731A patent/JP2006327479A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009083654A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Pioneer Electronic Corp | 制御装置、制御方法、制御プログラムおよび記録媒体 |
US9048690B2 (en) | 2007-10-05 | 2015-06-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | In-vehicle power supply apparatus |
JP2009120019A (ja) * | 2007-11-14 | 2009-06-04 | Autonetworks Technologies Ltd | 車載電力供給システム |
JP2010052573A (ja) * | 2008-08-28 | 2010-03-11 | Toyota Motor Corp | アイドリングストップ車両の制御装置 |
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