JP2006327277A - ワイパー支持構造 - Google Patents

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JP2006327277A JP2005150252A JP2005150252A JP2006327277A JP 2006327277 A JP2006327277 A JP 2006327277A JP 2005150252 A JP2005150252 A JP 2005150252A JP 2005150252 A JP2005150252 A JP 2005150252A JP 2006327277 A JP2006327277 A JP 2006327277A
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Abstract

【課題】 カウルトップの剛性を確保しつつ、ワイパーが衝突荷重を受けた際のカウルトップの変形および破損を抑制できるワイパー支持構造を提供する。
【解決手段】 車両のフロントガラスの下縁に沿って配置され、前壁2と後壁3とを有して車幅方向に延び、上方が開口した断面コ字状に形成されたカウルトップ1と、前壁2と後壁3とに支持され、ワイパーユニット5が取り付けられるワイパーユニット取付部を有するワイパーブラケット7と、を備えたワイパー支持構造において、ワイパーユニット支持点Aを、カウルトップ1の前壁側ワイパーブラケット支持点と後壁側ワイパーブラケット支持点とを結ぶ直線mに対し、車幅方向一方側へオフセットさせた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両用のワイパー支持構造の技術分野に属する。
従来のワイパー支持構造では、2分割のワイパーブラケットを用いてワイパーピボットをボルト締結すると共に、一方のブラケットのボルト挿通穴にスリットを設けることで、ワイパーピボット固定部に車両前方からの衝突荷重が作用したとき、2つのワイパーブラケットを分離させることにより、衝突物への衝撃を緩和している(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−312450号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、2分割のワイパーブラケットを用いているため、カウルトップの剛性が低下するという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、カウルトップの剛性を確保しつつ、衝突物への衝撃を効果的に緩和できるワイパー支持構造を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、
車両のフロントガラスの下縁に沿って配置され、前壁と後壁とを有して車幅方向に延び、上方が開口した断面コ字状に形成されたカウルトップと、
前記前壁と前記後壁とに支持され、ワイパーユニットが取り付けられるワイパーユニット取付部を有するワイパーブラケットと、
を備えたワイパー支持構造において、
前記ワイパーユニット取付部のワイパーユニット支持点を、前記カウルトップの前壁側ワイパーブラケット支持点と後壁側ワイパーブラケット支持点とを結ぶ直線に対し、車幅方向一方側へオフセットさせたことを特徴とする。
本発明にあっては、ワイパーユニット支持点を、両ワイパーブラケット支持点を結ぶ直線からオフセットしたため、両ワイパーブラケット支持点を結ぶ直線上の位置にワイパーユニット支持点を設けた場合に対し、ワイパーブラケットがワイパーユニットからの小さな荷重で変形し易くなる。よって、ワイパーユニットを容易に落ち込み変位させることができ、衝突物への衝撃を効果的に緩和できる。
また、ワイパーユニットに入力された衝突荷重は、両ワイパーブラケット支持点を結ぶ直線を中心としたねじり力としてワイパーブラケットに伝達されるため、衝突時におけるカウルトップの形状変化を小さく抑えることができる。
以下、本発明のワイパー支持構造を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
[全体構成]
図1は実施例1のワイパー支持構造を適用した車両のカウルトップ1を示す斜視図、図2は実施例1のカウルトップ1を示す平面図である。
実施例1のカウルトップ1は、車両のフロントガラス(図外)の下縁に沿って配置される車体骨格部材である。このカウルトップ1は、略垂直に立ち上がる前壁2と後壁3とを有し、上方が開口した断面コ字状に形成されている。また、前壁2と後壁3の上端部には、前壁2または後壁3に対し略垂直方向に延び、前壁2または後壁3の一部を形成するフランジ部2a,3aがそれぞれ形成されている。
フランジ部2a,3aには、ワイパーユニット5,6が取り付けられるワイパーブラケット7,8が支持されている。ワイパーユニット5,6には、ワイパーアーム4a,4bが支持されている。ワイパーブラケット7は、前壁2のフランジ部2aと後壁3のフランジ部3aに、前端部7aと後端部7bの車幅方向両端の2点をそれぞれ溶着されている。同様に、ワイパーブラケット8は、カウルトップ1の前壁2と後壁3に、前端部8aと後端部8bの車幅方向両端の2点をそれぞれ溶着されている。図2において、ワイパーブラケット7,8の前端部7a,8aと後端部7b,8bの位置に記載された×印は、カウルトップ1の前壁2と後壁3との溶着点を示す。
カウルトップ1には、ワイパーアーム4a,4bを駆動するためのワイパーモータ9とワイパーリンク10とが収容されている。ワイパーモータ9を駆動すると、ワイパーモータ9の回転力がワイパーリンク10に伝達されてワイパーアーム4a,4bが揺動し、ワイパーアーム4a,4bの先端に取り付けられたワイパーブレード(不図示)がフロントガラスのガラス面を摺動する。
[ワイパーユニット取付部の構成]
ワイパーユニット5は、2つのアーム部5a,5bを有し、ワイパーブラケット7にボルト11a,11bにより締結されている。実施例1では、ワイパーユニット取付部を、ワイパーブラケット7の側方突出部7c,7dとボルト11a,11bとにより別体に形成している。そして、ボルト11a,11bのワイパーユニット支持点(締結されたボルト11a,11bの中心点)A,Bのうち、ワイパーユニット支持点Aは、カウルトップ1の前壁側ワイパーブラケット支持点(前端部7aの2つの溶着点の中央)と後壁側ワイパーブラケット支持点(後端部7bの2つの溶着点の中央)とを結ぶ直線mに対し、車幅方向外側へ所定量Δαだけオフセットした位置に配置されている。
アーム部5a,5bのボルト挿入部分12a,12bは、先割れに形成され、ワイパーユニット支持点A,Bに対して設定値以上の負荷が作用したとき、アーム部5a,5bがボルト11a,11bから分離するように設定されている。実施例1では、設定荷重をワイパーブラケット7の弾性変形範囲内、すなわち塑性変形を伴わず、かつワイパーモータ9の駆動時にワイパーアーム4aが振動しない程度に支持可能な入力荷重に設定している。
次に、作用を説明する。
[衝突荷重の回転モーメント変換作用]
ワイパーユニット5に車両前方から障害物が接触すると、ワイパーブラケット7は、ワイパーユニット支持点Aが下方へ向かうように、直線mを中心として回転し、これにより、ワイパーユニット5が下方へ落ち込み変位する。
ここで、ワイパーユニット5に過大な衝突荷重が入力され、ワイパーユニット支持点Aに設定値以上の負荷が作用した場合、ワイパーユニット5はワイパーブラケット7から分離し、下方へ脱落する。すなわち、ワイパーブラケット7への荷重入力が前記設定値に応じた値に抑えられるため、カウルトップ1の変形を回避できる。
[ワイパーモータ等との干渉防止作用]
実施例1では、ワイパーユニット支持点Aの直線mに対するオフセット方向を、ワイパーユニット5に対し車幅方向反対側に設定している。したがって、ワイパーユニット5に衝突荷重が作用したとき、ワイパーブラケット7のワイパーユニット支持点A側をワイパーユニット5と反対側へ回転させることで、ワイパーブラケット7とモータ9およびワイパーリンク10等との干渉が回避される。
[従来技術の課題]
従来のワイパー支持構造において、ワイパーブラケットのワイパーユニット支持点は、カウルトップの前壁側ワイパーブラケット支持点と後壁側ワイパーブラケット支持点とを結ぶ直線上に配置されている(図3(a))。したがって、車両前方からワイパーに衝突荷重が入力されたとき(図3(b))、ワイパーブラケットの両ワイパーブラケットを結ぶ直線には、衝突荷重と同方向の荷重が入力されるため、カウルトップの変形量が大きくなり、破損等を伴う(図3(c))。また、ワイパーブラケットの支持剛性が高い場合には、ワイパーユニットの落ち込み変位が制約されるため、衝突荷重を十分に吸収することができない。
この問題を解決するため、特開2003−312450号公報に記載のワイパーピボット部の取付構造では、所定の衝突荷重を受けたとき分離する2分割のワイパーブラケットを用いることで、衝突物への衝撃を緩和している。
ところが、この従来技術では、ワイパーブラケットを2分割しているため、カウルトップの剛性低下を伴うという問題があった。また、2つのワイパーブラケットをオーバーラップさせ、オーバーラップ部分にワイパーをボルト締結する構成であるため、組み付け精度が要求される。
[カウルトップへの衝突荷重入力低減作用]
これに対し、実施例1のワイパー支持構造では、図4(a)に示すように、ワイパーユニット支持点Aを、カウルトップ1の前壁2のワイパーブラケット支持点と後壁3のワイパーブラケット支持点とを結ぶ直線mに対し、所定量Δαだけ車幅方向外側へオフセットして配置した。
すなわち、ワイパーアーム4aに入力された衝突荷重を、直線mを中心としたねじり力に変換してワイパーブラケット7に伝達し、ワイパーユニット支持点Aを下方側へ回転させることにより(図4(b))、ワイパーユニット5を容易に下方へ脱落させることができ、衝突物への衝撃を効果的に緩和できるる(図4(c))。
また、実施例1では、ワイパーユニット支持点Aを、ワイパーユニット5に対し、直線mを挟んでそれぞれ車幅方向反対側に設けたため、ワイパーユニット5からワイパーブラケット7に至る衝突エネルギーの伝達経路を長くできる。すなわち、衝突エネルギーの伝達経路を長くし、ワイパーユニット5およびワイパーブラケット7の側部の変形によって吸収できるため、ワイパーブラケット5の形状変化を抑制できる。
さらに、実施例1では、ワイパーユニット支持点Aに過大な負荷が作用した場合には、ワイパーユニット5がワイパーブラケット7から脱落する構造であるため、ワイパーブラケット7への衝突荷重入力が所定値以下に抑えられる。
[カウルトップの剛性向上作用]
実施例1では、ワイパーブラケット7において、少なくともカウルトップ1の前壁2と後壁3に支持された部分(前端部7aおよび後端部7b)を一体に形成することで、ワイパーブラケットを2分割とした従来技術に比して、カウルトップ1の剛性をより高めることができる。また、従来技術に対し、ワイパーブラケット7をカウルトップ1に組み付ける際の精度が要求されないため、コストダウンを図ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のワイパー支持構造にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 車両のフロントガラスの下縁に沿って配置され、前壁2と後壁3とを有して車幅方向に延び、上方が開口した断面コ字状に形成されたカウルトップ1と、前壁2と後壁3とに支持され、ワイパーユニット5が取り付けられるワイパーユニット取付部を有するワイパーブラケット7と、を備えたワイパー支持構造において、ワイパーユニット支持点Aを、カウルトップ1の前壁側ワイパーブラケット支持点と後壁側ワイパーブラケット支持点とを結ぶ直線mに対し、車幅方向一方側へオフセットさせた。これにより、カウルトップ1の剛性を確保しつつ、ワイパーユニット5が衝突荷重を受けた際のカウルトップ1の変形および破損を抑制できる。
(2) ワイパーユニット支持点Aを、ワイパーユニット5に対し、両ワイパーブラケット支持点を結ぶ直線mを挟んで車幅方向反対側の位置に設けたため、ワイパーブラケット7に伝わる衝突エネルギーをより小さくできる。
(3) ワイパーブラケットの少なくとも前壁と後壁とに支持された部分を一体に形成したため、ワイパーブラケットを2分割とした従来技術に比して、カウルトップ1の剛性がより高められる。
(4) ワイパーユニット取付部(ボルト11a,11bおよび側方突出部7c,7d)を、ワイパーブラケット7,8と別体に形成し、ワイパーユニット取付部に設定値以上の負荷が作用したとき、ワイパーユニット5がワイパーブラケット7から脱落するように設定したため、ウルトップ1への荷重入力を設定荷重に応じた所定値以下に抑えることができる。また、衝突エネルギーの吸収作用により、衝突物に与える衝撃を効果的に緩和でき、傷害値をより低減できる。
(5) ワイパーユニット支持点Aを、カウルトップ1内に設置されたワイパーモータ9およびワイパーリンク10に対し、両ワイパーブラケット支持点を結ぶ直線mを挟んで車幅方向反対側にオフセットさせたため、ワイパーブラケット7の回転に伴い、ワイパーユニット支持点A側がモータ9やワイパーリンク10と干渉するのを回避でき、モータ9やワイパーリング10等の破損を防止できる。
実施例2は、ワイパーユニット取付部をワイパーブラケットと一体に形成した例である。
図5は、実施例2のワイパー支持構造を示す模式図であり、実施例2のワイパーブラケット11は、実施例1のワイパーブラケット7に代えて用いられる。
実施例2のワイパーブラケット11は、車両前後方向中央部分を車幅方向外側へ突出させることで、ワイパーユニット5を支持するワイパーユニット取付部12を形成している。ワイパーユニット支持点Cは、カウルトップ1の前壁側ワイパーブラケット支持点(前端部11aの2つの溶着点の中央)と後壁側ワイパーブラケット支持点(後端部11bの2つの溶着点の中央)とを結ぶ直線mに対し、車幅方向外側へ所定量Δγだけオフセットさせた位置に配置されている。
次に、作用を説明する。
[部品点数低減作用]
実施例2では、ワイパーユニット取付部12をワイパーブラケット11と一体に形成したため、ワイパーユニット取付部(ボルト11a,11b)をワイパーブラケット7に対し別体に設けた実施例1に対し、部品点数を低減でき、コストダウンを図ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2のワイパー支持構造にあっては、実施例1の効果(1),(3),(5)に加え、以下の効果が得られる。
(6) ワイパーユニット取付部12を、ワイパーブラケット11の車両前後方向中央部分を車幅方向一方側へ突出させ、ワイパーブラケット11と一体に形成したため、実施例1に対し、部品点数の低減によるコストダウンを図ることができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1,2に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例1,2に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、前壁2と後壁3にそれぞれフランジ部2a,3aを設け、両フランジ部2a,3aにワイパーブラケット7,8を架設した例を示したが、前壁2と後壁3に直接ワイパーブラケット7,8を架設する構成としても良い。
また、実施例1では、ワイパーブラケット7の前端部7aと後端部7bを2つの溶着点により前壁2または後壁3に固定し、両溶着点の中央位置をワイパーブラケット支持点としたが、溶着点が3つ以上の場合には、両側の2点の中央位置をワイパーブラケット支持点とする。また、溶着に限らず、ボルト締結でも良い。
実施例1のワイパー支持構造を適用した車両のカウルトップ1を示す斜視図である。 実施例1のカウルトップ1を示す平面図である。 従来技術の問題を示す説明図である。 実施例1の衝突荷重入力低減作用を示す説明図である。 実施例2のワイパー支持構造を示す模式図である。
符号の説明
1 カウルトップ
2 前壁
2a フランジ部
3 後壁
3a フランジ部
4a,4b ワイパーアーム
5,6 ワイパーユニット
5a,5b,6a アーム部
7,8 ワイパーブラケット
7a,8a 前端部
7b,8b 後端部
9 ワイパーモータ
10 ワイパーリンク
11a,11b ボルト
12a,12b ボルト挿入部分

Claims (6)

  1. 車両のフロントガラスの下縁に沿って配置され、前壁と後壁とを有して車幅方向に延び、上方が開口した断面コ字状に形成されたカウルトップと、
    前記前壁と前記後壁とに支持され、ワイパーユニットが取り付けられるワイパーユニット取付部を有するワイパーブラケットと、
    を備えたワイパー支持構造において、
    前記ワイパーユニット取付部のワイパーユニット支持点を、前記カウルトップの前壁側ワイパーブラケット支持点と後壁側ワイパーブラケット支持点とを結ぶ直線に対し、車幅方向一方側へオフセットさせたことを特徴とするワイパー支持構造。
  2. 請求項1に記載のワイパー支持構造において、
    前記ワイパーユニット支持点を、前記ワイパーユニットに対し、両ワイパーブラケット支持点を結ぶ直線を挟んで車幅方向反対側の位置に設けたことを特徴とするワイパー支持構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載のワイパー支持構造において、
    前記ワイパーブラケットの少なくとも前壁と後壁とに支持された部分を一体に形成したことを特徴とするワイパー支持構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のワイパー支持構造において、
    前記ワイパーユニット取付部を、前記ワイパーブラケットと別体に形成し、前記ワイパーユニット取付部に設定値以上の負荷が作用したとき、両者を分離するように設定したことを特徴とするワイパー支持構造。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のワイパー支持構造において、
    前記ワイパーユニット取付部を、前記ワイパーブラケットの車両前後方向中央部分を車幅方向一方側へ突出させ、該ワイパーブラケットと一体に形成したことを特徴とするワイパー支持構造。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のワイパー支持構造において、
    前記ワイパーユニット支持点を、前記カウルトップ内に設置されたワイパーモータおよびワイパーリンク等に対し、両ワイパーブラケット支持点を結ぶ直線を挟んで車幅方向反対側にオフセットさせたことを特徴とするワイパー支持構造。
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JP2000326832A (ja) * 1999-05-17 2000-11-28 Mitsubishi Motors Corp ワイパ取付構造

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