JP2006326654A - 微細凹部加工装置 - Google Patents

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Yoshitaka Uehara
義貴 上原
Minoru Ota
稔 太田
和彦 ▲高▼嶋
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Abstract

【課題】被加工物における円柱部の外周面に対して精度良好に微細凹部を形成することができる微細凹部加工装置を提供する。
【解決手段】被加工物Wを回転可能に保持する主軸台5及び心押し台6と、基端部を中心にして被加工物Wに近接離間する方向に回動可能な支持杆3と、支持杆3の中間部に設けたフォームローラ9と、支持杆3の先端部分に荷重を付与してフォームローラ9を被加工物Wに圧接させる圧縮コイルばね14と、被加工物Wとフォームローラ9を相対的に移動させる軸方向移動手段を備え、支持杆3を梃子として作用させることにより、フォームローラ9のぶれ等を解消して被加工物Wに凸部8を正確に転写し得るようにし、被加工物Wに微細凹部を高精度に形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、自動車用エンジンを構成するクランクシャフトやカムシャフトにおけるジャーナルの外周面などのように、摺動接触を伴う被加工物の円柱部の外周面に、低フリクション化を実現するための微細凹部(油だまり)を形成するのに用いられる微細凹部加工装置に関するものである。
従来、被加工物における円柱部の外周面に微細凹部を形成する場合には、ショットブラストが多く採用されていた。このショットブラストでは、円柱部の外周面に所定形状の透孔を有するマスキングシートを貼り付けた後、セラミックス等の小径粒子を外周面に向けて圧縮空気とともに投射することで、外周面の透孔を通して露出している部分に微細凹部を形成するようにしている。
そして、微細凹部を形成した後は、マスキングシートを取り外して洗浄するのに続いて、再びホーニングを行うことにより、上記ショットブラスト加工で微細凹部の周囲に生じた盛上り部分を除去するようにしている。
特開2002−307310
しかしながら、上記したようなショットブラストによる微細凹部の形成にあっては、微細凹部を規則的に配置することが困難であり、加えて、円柱部の外周面に対するマスキングシートの貼り付け工程及び取り外し工程、並びに洗浄工程が不可欠であって、このような作業が多い分だけ加工コストが嵩むという問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたものであって、被加工物における円柱部の外周面に対して精度良好に微細凹部を形成することができると共に、加工コストの低減を実現することが可能である微細凹部加工装置を提供することを目的としている。
本発明の微細凹部加工装置は、被加工物における円柱部の外周面に微細凹部を形成するものであって、被加工物を円柱部の中心線回りに回転可能に保持するワーク保持手段と、ワーク保持手段で保持した被加工物の円柱部に対してその中心線に直交する状態に配置され且つ基端部を中心にして円柱部に近接離間する方向に回動可能な支持杆と、支持杆の中間部に配置され且つ凹部形成用の凸部を有するフォーミング用工具と、支持杆の先端部分に荷重を付与してフォーミング用工具の凸部を円柱部の外周面に圧接させる荷重付与手段と、円柱部の中心線に沿う方向に被加工物とフォーミング用工具を相対的に移動させる軸方向移動手段を備えたことを特徴としている。
上記の微細凹部加工装置は、支持杆において、回動中心となる基端部が支点、荷重付与手段により荷重が付与される先端部分が力点、被加工部の円柱部に当接したフォーミング用工具が作用点となり、荷重付与手段から支持杆に荷重を付与することでフォーミング用工具の凸部を円柱部の外周面に圧接させ、これにより円柱部の外周面に凸部の転写形である微細凹部を形成する。
また、微細凹部加工装置は、フォーミング用工具として、支持杆に対して同軸状態で回転自在に設けられ且つ外周部に凹部形成用の凸部を有するフォームローラや、被加工物の円柱部の中心線に沿う方向に凹部形成用の凸部を配列させたラック状工具を用いることができ、さらには、先端部を鋭角なエッジとした凹部形成用の凸部を有するものを用いることができる。
本発明の微細凹部加工方法は、上記の微細凹部加工装置を用いて、被加工物における円柱部の外周面に微細凹部を形成するに際し、支持杆の先端部分に荷重を付与してフォーミング用工具の凸部を円柱部の外周面に圧接させる動作と、円柱部の中心線に沿う方向への被加工物とフォーミング用工具の相対的移動によって、円柱部の外周面に対してその中心線に沿う方向に微細凹部を形成する。
ここで、フォーミング用工具としてフォームローラを用いた場合には、円柱部の外周面にフォームローラを圧接させた状態にして、軸方向移動手段で被加工物とフォームローラを相対的に移動させることにより、円柱部の中心線に沿う方向にフォームローラを転動させて微細凹部を形成する。
また、フォーミング用工具としてラック状工具を用いた場合には、円柱部の外周面にラック状工具を圧接させて複数の微細凹部を形成し、この微細凹部形成の動作と、軸方向移動手段による被加工物とラック状工具の相対的移動を交互に行うことで、円柱部の中心線に沿う方向に微細凹部を形成する。
その後、当該微細凹部加工方法では、被加工物を円柱部の中心線回りに所定角度だけ回転させてから、フォーミング用工具の圧接動作と、被加工物とフォーミング用工具の相対的移動を繰り返すことにより、円柱部の中心線に沿う方向に加えて円周方向にも微細凹部を形成し、円柱部の外周面の所定領域に規則的な配列で微細凹部を形成する。
さらに、当該微細凹部加工方法では、とくに、被加工物の円柱部の摺動条件等により、例えば断面直角三角形状の微細凹部が要求される場合には、先端部を鋭角なエッジとした凹部形成用の凸部を有するフォーミング用工具を用い、エッジの片側の面が、円柱部の表面に対して垂直な角度よりも低角度を成す状態にして微細凹部を形成する。
本発明の微細凹部加工装置は、従来のような使い捨てのマスキングシートを用いずにフォームローラによる機械加工を行うことから、被加工物における円柱部の外周面に高精度の微細凹部を高効率で形成することができると共に、生産性の向上や製造コストの低減を実現することができる。
また、微細凹部加工装置は、とくに支持杆が梃子として働いて、荷重付与手段による先端部分への荷重を中間部のフォーミング用工具に作用させることから、例えばフォーミング用工具と荷重付与手段を直列に配置した場合に比べて、フォーミング用工具のぶれ等を大幅に解消して円柱部の外周面に凸部を正確に転写することができ、微細凹部のさらなる高精度化を実現することができる。
本発明の微細凹部加工方法は、被加工物における円柱部の外周面に高精度の微細凹部を高効率で形成することができると共に、生産性の向上や製造コストの低減を図ることができるほか、フォーミング用工具のぶれ等を大幅に解消して円柱部の外周面に凸部を正確に転写することができ、微細凹部のさらなる高精度化を実現する。
また、本発明の微細凹部加工方法は、例えば断面直角三角形状の微細凹部が要求される場合に、被加工物の材料のスプリングバックや塑性流動を許容したうえで、微細凹部の内部片側の端面が円柱部の表面に対してほぼ垂直となるように同微細凹部を高精度に形成することができ、さらには、その他の断面形状の要求に応じて内部端面の角度を変化させることも可能である。
図1〜図5は、本発明の微細凹部加工装置の一実施例を説明する図である。
図2に全体の概略を示す微細凹部加工装置1は、基台2上に、後記する支持杆3を連結した支持台4と、装置前後方向(X方向)に水平移動可能な第1テーブルT1と、第1テーブルT1上で装置左右方向(Y方向)に水平移動可能な第2テーブルT2を備えており、第2テーブルT2上に、被加工物Wの一端部を保持する主軸台5と、同被加工物Wの他端部を保持する心押し台6を備えている。
被加工物Wは、全体が円柱状(全体が円柱部に相当する)を成しており、主軸台5と心押し台6により中心線を水平にした姿勢で保持されると共に、その外周面に微細凹部が形成される。
主軸台5は、被加工物Wを把持するチャッキング装置7を備えると共に、モータを駆動源とする回転駆動機構を内蔵しており、心押し台6との間で保持した被加工物Wを中心線回りに回転駆動する。心押し台6は、主軸台5に対して近接離間する方向に位置調整可能であり、被加工物Wの異なる長さに対応し得る。
ここで、主軸台5と心押し台6は、第2テーブルT2の移動方向(Y方向)において相対向しており、これらの背後側に支持台4が配置してある。したがって、被加工物Wは、中心線を第2テーブルT2の移動方向(Y方向)に一致させた状態で保持され、第2テーブルT2の往復動に伴って中心線に沿う方向に移動すると共に、第1テーブルT1の往復動に伴って支持台4に対して近接離間する。
支持杆3は、例えば断面が円形状を成す棒部材であって、主軸台5と心押し台6で保持した被加工物Wに対してその中心線に直交する状態に配置してあると共に、図1に示すように、支持台4に対して下側の基端部が回動可能に連結してあり、この基端部を中心にして被加工物Wに近接離間するように回動する。
支持杆3の中間部には、フォーミング用工具として、外周部に凹部形成用の凸部8を一定間隔で備えたフォームローラ9が設けてある。フォームローラ9は、支持杆3に対して同軸状態で且つ回転自在に装着してあると共に、支持杆3の軸線方向に沿って移動可能であり、任意の位置で回転させることができる。さらに、フォームローラ9の凸部8は、先端に鋭角なエッジを有しており、その断面において、一方の面を垂直面とし且つ他方の面を傾斜面としている。
このフォームローラ9は、材料がとくに限定されるものではないが、少なくとも凸部8を含む部分が、例えば、超硬、超硬以外の硬質金属やアルミナ、窒化珪素等のセラミックスあるいはダイヤモンドなどから成るものであって、高い強度と靭性を有しており、被加工物Wが焼入れ鋼などの高硬度材料であっても微細凹部を形成することができる。凸部8は、その高さが1mm以下であって、例えば100μm程度であり、被加工物に数μm又は数十μm程度の微細凹部を形成する。
また、図2に示すように、基台2の上側には、複数の支柱10によってフレーム11が支持してある。フレーム11の下面には、図1に示すように、装置前後方向(X方向)に沿って配置したガイドレール12と、このガイドレール12によって案内される第1スライド体S1が設けてある。
そして、第1スライド体S1には、図1では装置正面側に下向き傾斜したアクチュエータ13が設けてあり、これに対して、先の支持杆3の先端部分には、同支持杆3の軸線方向に移動可能な第2スライド体S2が装着してあり、アクチュエータ13の出力ロッド13Aと第2スライド体S2との間に、支持杆3に荷重を付与する圧縮コイルばね14と、圧縮コイルばね14による発生荷重を検出する圧電型のロードセル15が装着してある。
なお、アクチュエータ13は、出力ロッド13Aを突没させることで全体として伸縮駆動されるものであって、装置前後方向に角度調整することが可能である。
これにより、第1スライド体S1を装置後方(図1において右方向)に移動させると、アクチュエータ13及び圧縮コイルばね14を介して支持杆3が装置後方に回動し、フォームローラ9を被加工物Wから離間させることができる。
また、第1スライド体S1を装置前方に移動させると、支持杆3が装置前方に回動してフォームローラ9が被加工物Wに当接し、さらにアクチュエータ13を伸長駆動すると、圧縮コイルばね14が圧縮され、その反発力を被加工物Wに対するフォームローラ9の荷重として付与することになる。
つまり、第1スライド体S1の位置及びアクチュエータ13の伸縮量を選択することにより、被加工物Wに対するフォームローラ9の進退動作と、圧接荷重の調整を行うことが可能であり、また、第1スライド体S1を移動させなくても、アクチュエータ13の伸縮駆動のみでフォームローラ9の進退動作及び圧接荷重の調整を行うことができる。
このとき、第2スライド体S2は、第1スライド体S1の往復動やアクチュエータ13の角度変化に対し、アクチュエータ13及び圧縮コイルばね14の軸線が支持杆3の中心線に対して常に垂直となるように、支持杆3に沿って円滑に摺動することができる。
この実施例では、主軸台5及び心押し台6が、被加工物Wを円柱部の中心線回りに回転可能に保持するワーク保持手段に相当する。
また、この実施例では、アクチュエータ13及び圧縮コイルばね14が、支持杆3の先端部分に荷重を付与してフォームローラ(フォーミング用工具)9の凸部8を被加工物Wの円柱部の外周面に圧接させる荷重付与手段に相当し、簡単な構成で充分な荷重を付与し得るものとなっている。
さらに、この実施例では、ロードセル15が、荷重付与手段(アクチュエータ13,圧縮コイルばね14)による発生荷重を検出する荷重検出手段に相当し、小型軽量の構成で発生荷重を精度良く検出し得るものとなっている。
さらに、この実施例では、第2テーブルT2が、被加工物Wの円柱部の中心線に沿う方向(Y方向)に被加工物Wとフォームローラ(フォーミング用工具)9を相対的に移動させる軸方向移動手段に相当し、被加工物Wを移動させるものとなっている。
さらに、この実施例では、ガイドレール12、第1及び第2のスライド体S1,S2が、支持杆3の軸線方向に沿って荷重付与手段(アクチュエータ13,圧縮コイルばね14)の位置を変化させる荷重調整手段に相当する。
そしてさらに、微細凹部加工装置1は、図示を省略したが、主軸台5、第1及び第2のテーブルT1,T2、並びに第1スライド体S1を駆動制御するための制御装置を備えており、とくに、ロードセル(荷重検出手段)15による検出結果に基づいて第1スライド体S1の位置やアクチュエータ13の伸縮量をフィードバック制御することができる。
次に、上記構成を備えた微細凹部加工装置1の動作とともに、微細凹部加工方法の一例を説明する。
当該微細凹部加工装置1及び加工方法では、主軸台5と心押し台6の間に被加工物Wをセットした後、被加工物Wに対するフォームローラ9の凸部8の接触角が所定の値となるように、支持杆3の軸線方向に沿ってフォームローラ9の位置(作用点の位置)を調整する。
次に、荷重の大きさや必要精度に応じて、支持杆3の軸線方向における第2スライド体S2の位置(力点の位置)を調整すると共に、アクチュエータ13及び圧縮コイルばね14による発生荷重が支持杆3に対して垂直に働くように、第1スライド体S1の位置及びアクチュエータ13の角度を調整する。
その後、アクチュエータ13を伸長駆動することで、圧縮コイルばね14を圧縮して被加工物Wに対するフォームローラ9の圧接荷重を増大させ、ロードセル15の検出荷重が所定値に達したところでアクチュエータ13の伸長駆動を停止する。このとき、被加工物Wには、凸部8の転写形であるディンプル状の微細凹部が形成される。
次に、微細凹部加工装置1及び加工方法では、第2テーブルT2によって被加工物Wをその中心線に沿う方向に移動させる。これにより、被加工物Wに圧接しているフォームローラ9が転動することとなり、被加工物Wに対してその中心線に沿う方向に一列分の微細凹部を形成する。
その後は、アクチュエータ13の収縮駆動によって被加工物Wからフォームローラ9を一旦離間させ、主軸台5によって被加工物Wをその中心線回りに所定角度だけ回転させた後、アクチュエータ13の伸長駆動によるフォームローラ9の圧接、第2テーブルT2による被加工物Wの移動に伴って二列目の微細凹部を形成し、以下、同様の動作を繰り返すことにより、被加工物Wの外周面に規則的な配列で微細凹部を形成する。
このように、上記の微細凹部加工装置1及び加工方法は、フォームローラ9を用いた機械加工を行うことから、被加工物Wの外周面に高精度な微細凹部を高効率で形成することができ、使い捨てのマスキングシートを用いてショットブラスト行う従来の微細凹部加工に比べて、生産性の向上や製造コストの低減を実現することができる。
ここで、微細凹部加工装置1及び加工方法では、支持杆3において、回動中心となる基端部が支点、荷重付与手段すなわちアクチュエータ13及び圧縮コイルばね14により荷重が付与される先端部分が力点、被加工部Wに当接したフォームローラ(フォーミング用工具)9が作用点となる。
すなわち、微細凹部加工装置1及び加工方法では、支持杆3が梃子として働いて、アクチュエータ13及び圧縮コイルばね14による先端部分への荷重を中間部のフォームローラ9に作用させることから、例えばフォームローラ9と圧縮コイルばね14を直列に配置した場合に比べて、フォームローラ9のぶれ等が大幅に解消され、被加工物Wの外周面に凸部8を正確に転写することができる。
これにより、微細凹部加工装置1及び加工方法では、被加工物Wの外周面に微細凹部を高精度に形成することができ、しかも、被加工物Wに対する凸部8の接触角を変更した場合でも、微細凹部を高精度に形成することができる。
ところで、当該微細凹部加工装置1により形成する微細凹部は、摺動部品である被加工物Wにおいて油だまりとして機能するものであって、摺動条件等に応じて様々な断面形状が考えられている。
また、上記の摺動条件によっては、例えば、図4(a)に示す如く摺動面Faに対して垂直な内部端面Fbを有する微細凹部Q1,Q2を形成した場合に、図4(b)に示す如く摺動面Faに対して傾斜した内部端面Fcを有する微細凹部Q3,Q4を形成した場合よりも、大きな摩擦低減効果が得られることが確認されている。
ここで、この実施例の微細凹部加工装置1におけるフォームローラ9は、先述したように、凸部8の先端に鋭角なエッジを有しており、その断面において、一方の面を垂直面とし且つ他方の面を傾斜面としており、図4(a)の左側に示すような断面直角三角形状の微細凹部Q1を形成するものとなっている。
ところが、凸部8が先端に鋭角なエッジを有する場合、例えばフォームローラ9と圧縮コイルばね14を直列に配置すると、被加工物Wに当接した際にフォームローラ9のぶれがより生じやすくなり、微細凹部の形成が困難になることがある。
これに対して、当該微細凹部加工装置1では、梃子として働く支持杆3の採用によってフォームローラ9のぶれが大幅に解消されるので、凸部8が先端に鋭角なエッジを有する場合でも微細凹部を高精度に形成することができる。
また、図5(a)(b)に示すように、被加工物Wの表面に対して凸部8の垂直面8aが垂直になる状態で微細凹部Q1を形成すると、図5(c)に示すように、被加工物Wの材料のスプリングバックや塑性流動により、凸部8が離間した際に微細凹部Q1の内部端面が曲面状になり、摺動面Faに対して垂直な内部端面Fbを有する微細凹部Q1すなわち断面直角三角形状の微細凹部Q1を精度良く形成することができないことがある。
これに対して、当該微細凹部加工装置1及び加工方法では、図5(a)(d)に示すように、凸部8におけるエッジの片側である垂直面8aが、被加工物Wの表面に対して垂直な角度よりも低角度を成す状態にして微細凹部を形成する。
これにより、図5(e)に示すように、被加工物Wの材料のスプリングバックや塑性流動の影響を受けたとしても、これらの影響を許容して、摺動面Faに対して垂直な内部端面Fbを有する微細凹部Q1すなわち断面直角三角形状の微細凹部Q1を精度良く形成することができる。
なお、当該微細凹部加工装置1及び加工方法では、上記の如く断面直角三角形状の微細凹部Q1に限らず、その他の断面形状の要求に応じて内部端面の角度を変化させることも当然可能である。
さらに、微細凹部加工装置1及び加工方法では、ロードセル15の検出結果に基づいてアクチュエータ13等をフィードバック制御することで、圧縮コイルばね14による発生荷重を調整し、これにより、微細凹部の深さが常に均一になるようにしたり、微細凹部の深さが部分的に異なるようにしたりすることが容易であると共に、これらの制御を一回の加工毎、又は一回の加工中に実施することができる。
さらに、微細凹部加工装置1は、第1テーブルT1により、支持台3に対して被加工物Wを近接離間させることができるので、円柱部の直径が異なる被加工物にも容易に対処することができ、また、第1テーブルT1の装置前後方向の移動により、被加工物Wに対する凸部8の接触角の調整を行うことも可能である。
図6は、本発明の微細凹部加工装置の他の実施例を説明する図である。なお、先の実施例と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図示の微細凹部加工装置は、先の実施例では荷重付与手段としてアクチュエータと圧縮コイルばねの両方を使用していたのに対して、伸縮駆動するアクチュエータ13のみを用いている。
また、アクチュエータ13には、荷重付与手段(アクチュエータ13)による発生変位を検出する変位検出手段として、非接触式の変位測定器24が設けてある。この変位測定器24は、アクチュエータ13の伸縮駆動に伴って変化するアクチュエータ13の本体部と第2スライド体S2との距離を測定する。
上記の微細凹部加工装置にあっても、先の実施例と同様の効果を得ることができるうえに、構造をより簡略化することができ、また、変位測定器24の検出結果をアクチュエータ13のフィードバック制御に用い、アクチュエータ13による発生変位を制御することで、被加工物Wに対するフォームローラ9の圧接荷重を常に一定にしたり任意に変化させたりすることができる。
図7は、本発明の微細凹部加工装置のさらに他の実施例を説明する図である。なお、先の実施例と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図示の微細凹部加工装置は、先の実施例ではフォーミング用工具としてフォームローラ9を使用していたのに対して、被加工物Wの中心線に沿う方向に凹部形成用の凸部8を配列させたラック状工具29を用いている。なお、荷重付与手段や軸方向移動手段などについては、図1や図6に示すものを用いることができる。
上記のラック状工具29を用いた微細凹部加工装置では、被加工物Wの外周面にラック状工具29を圧接させて複数の微細凹部を形成し、この微細凹部形成の動作と、軸方向移動手段による被加工物Wとラック状工具29の相対的移動を交互に行うことで、被加工物Wの中心線に沿う方向に一列分の微細凹部を形成し、その後は、先の実施例と同じ要領で被加工物Wの外周面に規則的な配列で微細凹部を形成する。
なお、上記のようなラック状工具29を用いれば、被加工物Wの円柱部の長さによっては、一回の圧接で一列分の微細凹部を形成することもできる。また、比較的幅が大きいラック状工具29を用いる場合には、各凸部8における圧接荷重の均一化を図るために、凸部8の配列方向に複数の荷重付与手段を所定間隔で配置することも可能である。
上記各実施例の微細凹部加工装置1及び加工方法は、例えば、自動車用エンジンを構成するクランクシャフトのクランクジャーナルの外周面、クランクピンの外周面、カムシャフトのカムジャーナルの外周面、カムロブの外周面、あるいはバランサシャフト(サイレントシャフト)の軸受部分の外周面などに微細凹部を形成するのに好適であって、これらの外周面に高精度の微細凹部を効率良く形成することができる。
そして、上記の各エンジン構成部品は、高精度に形成した微細凹部が油だまりとしてより効果的に機能することとなり、エンジンの性能向上に貢献し得るものとなる。
なお、本発明に係わる微細凹部加工装置は、その構成が上記各実施例に限定されるものではなく、構成の細部を適宜変更することができる。例えば、軸方向移動手段として被加工物を移動させる場合を例示したが、フォーミング用工具、あるいはフォーミング用工具と被加工物の両方を移動させるものでも良い。
また、支持台に昇降機能を加えることも可能であり、このほか、溝状の微細凹部を形成するための鍔状の形成用凸部を備えたフォームローラや、凹部形成用の凸部を複列に備えたフォームローラなどを用いることも可能である。
さらに、当該微細凹部加工装置は、被加工物における円形穴の内周面に微細凹部を形成することも不可能ではないが、円形穴の直径や軸線長さによっては支持杆等を配置することが難しくなるため、主として、被加工物における円柱部の外周面に微細凹部を形成する場合に好適である。
本発明の微細凹部加工装置の一実施例を説明する断面図である。 微細凹部加工装置の全体を説明する概略正面図である。 図2における被加工物付近の平面図である。 被加工物に対して凸部の接触角を異ならせた二例と夫々の微細凹部を示す断面図である。 微細凹部の異なる断面形状を示す各々断面図(a)(b)である。 本発明の微細凹部加工装置の他の実施例を説明する断面図である。 本発明の微細凹部加工装置のさらに他の実施例を説明する要部の平面図及びラック状工具の拡大斜視図である。
符号の説明
Q 微細凹部
S1 第2スライド体(荷重調整手段)
S2 第2スライド体(荷重調整手段)
T2 第2テーブル(軸方向移動手段)
W 被加工物
1 微細凹部加工装置
3 支持杆
5 主軸台(ワーク保持手段)
6 心押し台(ワーク保持手段)
8 凸部
9 フォームローラ(フォーミング用工具)
12 ガイドレール(荷重調整手段)
13 アクチュエータ(荷重付与手段手段)
14 圧縮コイルばね(荷重付与手段)
15 ロードセル(荷重検出手段)
24 変位測定器(変位検出手段)
29 ラック状工具(フォーミング用工具)

Claims (17)

  1. 被加工物における円柱部の外周面に微細凹部を形成する微細凹部加工装置であって、被加工物を円柱部の中心線回りに回転可能に保持するワーク保持手段と、ワーク保持手段で保持した被加工物の円柱部に対してその中心線に直交する状態に配置され且つ基端部を中心にして円柱部に近接離間する方向に回動可能な支持杆と、支持杆の中間部に配置され且つ凹部形成用の凸部を有するフォーミング用工具と、支持杆の先端部分に荷重を付与してフォーミング用工具の凸部を円柱部の外周面に圧接させる荷重付与手段と、円柱部の中心線に沿う方向に被加工物とフォーミング用工具を相対的に移動させる軸方向移動手段を備えたことを特徴とする微細凹部加工装置。
  2. フォーミング用工具が、支持杆に対して同軸状態で回転自在に設けられ且つ外周部に凹部形成用の凸部を有するフォームローラであることを特徴とする請求項1に記載の微細凹部加工装置。
  3. フォーミング用工具が、被加工物の円柱部の中心線に沿う方向に凹部形成用の凸部を配列させたラック状工具であることを特徴とする請求項1に記載の微細凹部加工装置。
  4. フォーミング用工具が、支持杆に対してその軸線方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  5. フォーミング用工具が、先端部を鋭角なエッジとした凹部形成用の凸部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  6. 支持杆の軸線方向に沿って荷重付与手段の位置を変化させる荷重調整手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  7. 荷重付与手段が、ばねを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  8. 荷重付与手段が、伸縮駆動されるアクチュエータを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  9. 荷重付与手段による発生荷重を検出する荷重検出手段を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の微細凹部加工装置。
  10. 荷重付与手段による発生変位を検出する変位検出手段を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の微細凹部加工装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、被加工物における円柱部の外周面に微細凹部を形成するに際し、支持杆の先端部分に荷重を付与してフォーミング用工具の凸部を円柱部の外周面に圧接させる動作と、円柱部の中心線に沿う方向への被加工物とフォーミング用工具の相対的移動によって、円柱部の外周面に対してその中心線に沿う方向に微細凹部を形成し、その後、被加工物を円柱部の中心線回りに所定角度だけ回転させてから、フォーミング用工具の圧接動作と、被加工物とフォーミング用工具の相対的移動を繰り返すことにより、円柱部の外周面の所定領域に微細凹部を形成することを特徴とする微細凹部加工方法。
  12. 請求項5に記載の微細凹部加工装置のフォーミング用工具を用い、凹部形成用の凸部におけるエッジの片側の面が、円柱部の表面に対して垂直な角度よりも低角度を成す状態にして微細凹部を形成することを特徴とする請求項11に記載の微細凹部加工方法。
  13. 円柱部の外周面に対して部分的にフォーミング用工具の圧接荷重を変化させながら微細凹部を形成することを特徴とする請求項11又は12に記載の微細凹部加工方法。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、クランクジャーナルの外周面に微細凹部を形成したことを特徴とするエンジンのクランクシャフト。
  15. 請求項1〜10のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、クランクピンの外周面に微細凹部を形成したことを特徴とするエンジンのクランクシャフト。
  16. 請求項1〜10のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、カムジャーナルの外周面に微細凹部を形成したことを特徴とするエンジンのカムシャフト。
  17. 請求項1〜10のいずれかに記載の微細凹部加工装置を用いて、カムロブの外周面に微細凹部を形成したことを特徴とするエンジンのカムシャフト。
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