JP2006323745A - モータ制御装置とその制御方法 - Google Patents
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Abstract
制御ゲイン切換えを簡素化し、PI型とI−P型の速度制御両方で利用できる積分補正式を用いて補正し、位置決め時間の短いモータ制御装置と制御方法を提供する。
【解決手段】
位置指令の差分値の絶対値と前記位置偏差の絶対値を計算し、前記状態量に応じて制御パラメータを変更するゲイン切換器16を備えるとともに、積分出力値は、次式で補正するようにした。
【数1】
ここで、v:積分器出力値、Kv:速度ゲイン、Ts:速度制御のサンプリング時間、Ki:速度ループ積分ゲイン、Verr:速度偏差 を表す。
【選択図】図1
Description
特許文献1では、電動機の極低速状態、特に停止状態に限り発生する振動を回避するゲイン切換器を備えたモータ制御装置が記載されている。以下、簡単に図面を用いて説明する。図7(従来装置1の図)において、701は指令パルスを発生するパルス発生器であり、指令パルスを702のサーボドライバが受け取る。サーボドライバ702は、703のパルス間隔計測器と704のサーボ定数切換器と705のサーボ制御器で構成されている。指令パルスは、サンプリング周期毎にパルス間隔計測器703へ入力される。パルス間隔計測器703は指令パルスが入力されない場合にカウントし、指令パルスが入力された場合はゼロクリアし、パルス間隔をサンプリング周期単位で計測するものである。パルス間隔計測器703で計測されたパルス間隔がサーボ定数切換器704の切換設定値以上の時間になれば、サーボ定数が切り換えられ、反対にパルス間隔計測器703で計測されたパルス間隔が、サーボ定数切換器704の切換設定値未満の時間になれば、切り換え前のサーボ定数に切り換える。指令パルスが切換え設定値以上の時間入力されない場合、低いサーボゲインとなり、それ以外の場合、高いサーボゲインとなる。
本発明では、このような問題点に鑑みてなされたものであり、制御ゲイン切換えを簡素化し、PI型とI−P型の速度制御両方で利用できる積分補正式を用いて補正し、ゲイン切換後のオーバーシュートを抑制し、位置決め時間が短く、設定の誤りなどをユーザが監視でき安全に調整ができるモータ制御装置と制御方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、位置指令を生成する位置指令生成器と、前記位置指令とモータ位置の偏差を入力し速度指令を生成する位置制御器と、前記速度指令とモータ速度の偏差を入力しトルク指令を生成する速度制御器と、前記トルク指令を入力しモータ駆動電流を生成する電流制御器と、前記位置制御器の位置制御ゲインと前記速度制御器の速度制御ゲインを状態に応じて切換えるゲイン切換器とを備えたモータ制御装置において、前記ゲイン切換器は、前記位置指令の時間差分の絶対値である位置指令差分絶対値が所定値以上のときは前記位置制御ゲインと前記速度制御ゲインを第1所定値に切換え、前記位置指令差分絶対値が所定値よりも小さく、前記位置偏差の絶対値である位置偏差絶対値が所定値以上のときは第2所定値に切換え、前記位置指令差分絶対値が所定値よりも小さく前記位置偏差絶対値が所定値よりも小さい時は第3所定値に切換えるとともに、前記速度制御器の積分器出力値を(1)式で補正することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータ制御装置において、前記速度制御器はI−P制御器であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のモータ制御装置において、前記速度制御器はPI制御器であることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のモータ制御装置において、前記ゲイン切換器は、外部信号の値に応じて、前記位置制御ゲインおよび前記速度制御ゲインを切換えることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のモータ制御装置において、前記ゲイン切換器は、現在のゲイン設定値を表示できるモニタを備えたことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、位置指令を発生する位置指令発生器と、前記位置指令とモータ位置の偏差を入力し速度指令を生成する位置制御器と、前記速度指令とモータ速度の偏差を入力しトルク指令を生成する速度制御器と、前記トルク指令を入力しモータ駆動電流を生成する電流制御器と、前記位置制御器の位置制御ゲインと前記速度制御器の速度制御ゲインを状態に応じて切換えるゲイン切換器とを備えたモータ制御装置のモータ制御方法において、位置指令の時間差分の絶対値である位置指令差分絶対値を求めるステップST1と、前記位置指令差分絶対値を所定値と比較し、前記位置指令差分絶対値が大きい場合はステップST4へ移行し、小さい場合はステップST3へ移行するステップST2と、位置制御ゲイン、速度制御ゲインを第1所定値に切換えるステップST4と、位置偏差絶対値を所定値と比較し、前記位置偏差絶対値が大きい場合はステップST5へ移行し、小さい場合はステップST6へ移行するステップST3と、前記位置制御ゲイン、前記速度制御ゲインを第2所定値に切換えるステップST5と、前記位置制御ゲイン、前記速度制御ゲインを第3所定値に切換えるステップST6と、前記速度制御器の積分器出力を(1)式で補正するステップST7とを備えることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によると、積分補正式を使わなくとも位置P速度I−P制御でオーバーシュートを抑制できる。
請求項3に記載の発明によると、積分補正式を使わなくとも位置P速度PI制御でオーバーシュートを抑制できる。
請求項4に記載の発明によると、内部状態よりも外部信号(例えば負荷状態)を優先させてゲイン切換ができる。
請求項5に記載の発明によると、現在のゲイン設定値をモニタできるので、設定の誤りなどをユーザーが監視でき、安全に調整ができる。
モータ速度と202の速度ループゲインを乗算した結果と積分出力値を11の減算器に入力する。減算器11の出力であるトルク指令を13の電流制御器に入力し、電流制御器13は14のモータを駆動する電流を出力する。16のゲイン切換器を説明する。ゲイン切換器16には位置指令2と位置偏差5を入力し、ゲイン切換器では、位置指令2の差分値の絶対値と位置偏差5の絶対値を計算する。位置指令2の差分値の絶対値が所定値よりも大きい時(これを状態1とする)には、モータが動きだすことを表しており、位置ループゲインKp1,速度ループゲインKv1,速度ループ積分ゲインKi1を位置ループゲイン6と速度ループゲイン12、202と積分制御器201の速度ループ積分ゲインに設定する。次に位置指令2の差分値の絶対値が0となり、位置偏差の絶対値が所定値以上の時(これを状態2とする)では、指令は0であるが、まだ駆動中であるので、位置ループゲインKp2,速度ループゲインKv2,速度ループ積分ゲインKi2を位置ループゲイン6と速度ループゲイン12、202と積分制御器201の速度ループ積分ゲインに設定する。最後に位置指令2の差分の絶対値が0で、位置偏差の絶対値が所定値以下の時(これを状態3とする)、モータは停止状態であると見なし、位置ループゲインKp3,速度ループゲインKv3,速度ループ積分ゲインKi3を位置ループゲイン6と速度ループゲイン12、202と積分制御器201の速度ループ積分ゲインに設定する。ゲイン切換時点、例えば状態1から状態2に変わった瞬間は、現在速度ループゲイン(Kv[i])はKv2であり、1サンプリング過去の速度ループゲイン(Kv[i−1])はKv1を表す。また、状態1が持続されている間は、現在の速度ループゲインも1サンプリング過去の速度ループゲインもKv1を表す。この時、(4)式のKv[i−1]はKv1であり、Kv[i]もKv1であることを表している。18は、現在の速度ループゲインを表示するモニタである。モニタ18の出力信号を計測装置などで取り込むことにより、運転状態を確認することができる。
図13は本発明のモータ制御方法を示すフローチャートである。図13においてステップST1で位置指令の時間差分の絶対値を求める。次にステップST2で位置指令差分絶対値と所定値を比較し、大きい場合はステップST4へ、小さい場合はステップST3へ移行する。次にステップST3で位置偏差の絶対値と所定値を比較し、大きい場合はステップST5へ、小さい場合はステップST6へ移行する。次にステップST4で位置制御ゲイン、速度制御ゲインを第1所定値に切換える。また、ステップST5で位置制御ゲイン、速度制御ゲインを中間ゲインの第2所定値に切換える。さらに、ステップST6で位置制御ゲイン、速度制御ゲインを第3所定値に切換える。次にステップST7で速度制御器の積分器出力を補正式(1)を使用して補正する。なお第1所定値>第2所定値>第3所定値である。
2 位置指令
3 モータ位置
4、8、11、800、802 減算器
5 位置偏差
6 位置制御ゲイン
7 差分演算器
9、200、300 速度比例積分制御器
10、201 積分制御器
12、202 速度制御ゲイン
13 電流制御器
14、809 サーボモータ
15、810 検出器
16 ゲイン切換器
17 設定パラメータ
18 モニタ
301、807 加算器
400 外部信号
701 パルス発生器
702 サーボドライバ
703 パルス間隔計測器
704 サーボ定数切換器
705 サーボ制御器
801 位置ループゲイン
803 速度検出器
804 速度ループゲイン
805 積分器
806 速度ループ積分ゲイン
808 サーボアンプ
811 動作状態判断部
812 ゲイン変更部
813 速度偏差積分値変更部
Claims (6)
- 位置指令を生成する位置指令生成器と、前記位置指令とモータ位置の偏差を入力し速度指令を生成する位置制御器と、前記速度指令とモータ速度の偏差を入力しトルク指令を生成する速度制御器と、前記トルク指令を入力しモータ駆動電流を生成する電流制御器と、前記位置制御器の位置制御ゲインと前記速度制御器の速度制御ゲインを状態に応じて切換えるゲイン切換器とを備えたモータ制御装置において、
前記ゲイン切換器は、前記位置指令の時間差分の絶対値である位置指令差分絶対値が所定値以上のときは前記位置制御ゲインと前記速度制御ゲインを第1所定値に切換え、前記位置指令差分絶対値が所定値よりも小さく、前記位置偏差の絶対値である位置偏差絶対値が所定値以上のときは第2所定値に切換え、前記位置指令差分絶対値が所定値よりも小さく前記位置偏差絶対値が所定値よりも小さい時は第3所定値に切換えるとともに、前記速度制御器の積分器出力値を(1)式で補正することを特徴とするモータ制御装置。
ここで、v:積分器出力値、Kv:速度ループゲイン、Ts:速度制御のサンプリング時間、Ki:速度ループ積分ゲイン、Verr:速度偏差 を表す。 - 前記速度制御器はI−P制御器であることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
- 前記速度制御器はPI制御器であることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
- 前記ゲイン切換器は、外部信号の値に応じて、前記位置制御ゲインおよび前記速度制御ゲインを切換えることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
- 前記ゲイン切換器は、現在のゲイン設定値を表示できるモニタを備えたことを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
- 位置指令を発生する位置指令発生器と、前記位置指令とモータ位置の偏差を入力し速度指令を生成する位置制御器と、前記速度指令とモータ速度の偏差を入力しトルク指令を生成する速度制御器と、前記トルク指令を入力しモータ駆動電流を生成する電流制御器と、前記位置制御器の位置制御ゲインと前記速度制御器の速度制御ゲインを状態に応じて切換えるゲイン切換器とを備えたモータ制御装置のモータ制御方法において、
位置指令の時間差分の絶対値である位置指令差分絶対値を求めるステップST1と、
前記位置指令差分絶対値を所定値と比較し、前記位置指令差分絶対値が大きい場合はステップST4へ移行し、小さい場合はステップST3へ移行するステップST2と、
位置制御ゲイン、速度制御ゲインを第1所定値に切換えるステップST4と、
位置偏差絶対値を所定値と比較し、前記位置偏差絶対値が大きい場合はステップST5へ移行し、小さい場合はステップST6へ移行するステップST3と、
前記位置制御ゲイン、前記速度制御ゲインを第2所定値に切換えるステップST5と、
前記位置制御ゲイン、前記速度制御ゲインを第3所定値に切換えるステップST6と、前記速度制御器の積分器出力を(1)式で補正するステップST7と、
を備えることを特徴とするモータ制御方法。
ここで、v:積分器出力値、Kv:速度ループゲイン、Ts:速度制御のサンプリング時間、Ki:速度ループ積分ゲイン、Verr:速度偏差 を表す。
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