JP2006319038A - 単電子トランジスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】単電子トランジスタが、より安定した状態でより高温で動作できるようにする。
【解決手段】量子サイズ効果が生じるような微小な細線部105の両端に、半導体よりなる細線部105より大きなソース103及びドレイン104が接続された状態とすると、ソース103に存在する電子にとって、細線部105の禁制帯はエネルギーバリアとなる。この状態で、ゲート電極107に正の電圧を印加し、細線部105に電界が印加された状態とすると、細線部105の中央部のエネルギーバリアは小さくなるが、ソース103,ドレイン104と接続している細線部105の両端のエネルギーバリアは変化しない。この結果、細線部105のエネルギーバリアは、放物線的に中央部が小さくなり、ここに等価的に単電子島が形成された状態となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ゲート電極に印加されるゲート電圧の電界効果により動作の制御を行う単電子トランジスタに関するものである。
単電子トランジスタは、2つのトンネル接合に挟まれた単電子島と呼ばれる微小な導電性の島の電位を、ゲート電圧で制御することにより、クーロンブロッケード状態(島の帯電エネルギーが大きいため、電子のトンネリングが禁止された状態)の発現・非発現を制御し、ソース・ドレイン間の電流を制御するトランジスタである。
図7は、一般的な単電子トランジスタの等価回路を示す回路図である。図7に示すように、単電子トランジスタは、ソースSと単電子島701との間にトンネル接合702が設けられ、ドレインDと単電子島701との間にもトンネル接合703が設けられ、ゲート電極Gが単電子島701に容量結合した構造となっている。単電子島701は、トンネル接合702,トンネル接合703に挟まれているため、電子1個が単電子島701に入ることによるエネルギー増加分に相当する間隔(ギャップ)で、2つのエネルギー準位ができる。なお、以下の説明では、エネルギー準位は全て電子に対するものとする。
上記構成の単電子トランジスタにおいては、ゲート・ソース間電圧Vgsを変化させると、ゲート電極Gと単電子島との容量的な結合により、単電子島701におけるエネルギー準位が変化する、ただし、上記ギャップは、一定のまま変化する。ソース・ドレイン間電圧Vdsがこのギャップよりも小さい場合、ギャップ内にソースとドレインの両方の伝導可能な準位がないと、ソース・ドレイン間に電流Idが流れないクーロンブロッケード状態となる。一方、ソースとドレインの準位の間に単電子島の準位のいずれかが入ると、単電子島の準位を介してソース・ドレイン間に電流Idが流れる状態になる。
よって、あるゲート・ソース間電圧Vgsでは、ブロッケードの効果で単電子島701内の電子個数がn個(nは整数)で安定となり、電流Idは流れないが、ゲート・ソース間電圧Vgsが増加すると、ブロッケードが破れてもう1個電子が増えることが可能となる。後者の領域にゲート・ソース間電圧Vgsが入ると、単電子島701の電子数がn個とn+1個の両方の値を取れるので、1個の電子が単電子島701内に入り、次に出て行くことで電流Idが流れるようになる。なお、このとき、単電子島701内の電子数は、n個とn+1個との間を往復する。従って、図8に示すように、ゲート・ソース間電圧Vgsを変化させると、ソース・ドレイン間の電流Idが振動することになる。その振動の周期はe/CSET-gとなる。ここに、eは電気素量であり、CSET-gはゲートキャパシタの容量である。
上述した特徴を備える単電子トランジスタは、低電圧・微小電流で動作するので消費電力が極めて小さく、また素子面積を小さくできることなどの理由により、論理回路・記憶回路応用の観点からも注目を集めている。
この単電子トランジスタを実現するためには、電子1個が単電子島に入ることによるエネルギー増加分e2/2Ctotalが、熱エネルギーkBTよりも大きい必要がある。ここに、Ctotalは単電子島の全静電容量、kBはボルツマン定数、Tは絶対温度である。よって、Ctotalが数aFと小さいとき、つまり素子寸法が小さいときに、室温で単電子トランジスタは動作させることが可能となる。このため、より微細な素子の製造方法の開発が試みられている。
従来の単電子トランジスタでは、一般に、単電子島に金属や半導体が用いられ、トンネル接合には絶縁膜を用いられている。金属を用いた例は、非特許文献1などに見られる。非特許文献1に示されている製造方法について説明すると、まず、図9(a)に示すように、絶縁膜901の情報にマスク902を配置し、斜めからアルミニウムを蒸着することで、金属パターン903が形成された状態とする。ついで、形成された金属パターン903の表面を酸化することで、図9(b)に示すように、金属パターン903の上に、絶縁層904が形成された状態とする。
この後、図9(c)に示すように、マスク902を用いて異なる斜めの方向からアルミニウムを蒸着することで、一部が金属パターン903の上に重なる状態に金属パターン905が形成された状態とする。これらのことにより、金属パターン903と金属パターン905とが、絶縁層904を介して重なった状態に形成される。この絶縁層904を介して重なっている箇所にトンネル接合が形成され、単電子トランジスタが構成できる。しかし、上述した非特許文献1の製造方法では、nmオーダの寸法の素子を形成することが容易ではないため、形成可能な素子の寸法が大きくなり、動作可能な温度が数Kと非常に低い温度範囲に限られている。
一方、非特許文献2に示されているように、nmオーダの微細な素子を形成する技術も提案されている。非特許文献2に示されている技術では、図10に示すように、シリコン基板1001の上に、酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層1002を備えたSOI基板を用い、埋め込み絶縁層1002の上のシリコン層を加工することで、くびれ部1003aを備えたシリコンパターン1003を形成するようにしたものである。この技術では、形成されたシリコンパターン1003を表面より酸化してくびれ部1003aにおけるシリコンの部分を小さくすることで、くびれ部1003aに単電子島が形成された状態としている。
この技術によれば、くびれ部1003aにおける量子サイズ効果によって、シリコンのエネルギーバンド禁制帯幅が広がる一方で、くびれ部1003aの長さ方向の中心では酸化に伴う応力によって禁制帯幅が狭くなり、中心付近に単電子島が形成されていると思われる。この技術によれば、現在の半導体装置材料であるシリコンを用いているので、半導体装置の製造に用いられている微細加工技術を利用すれば、容易に素子パターンの微細化が可能であり、より高い温度で単電子トランジスタとして動作をさせることが可能となる。また、金属と比較して材料的かつ電気特性的な安定性も得られる。
T.A.Fulton, et al.,"Observation of Single-Electron Charging Effect in Small Tunnel Junctions",Phys. Rev. Lett., Vo1.59, pp.109-112, 1987. Yasuo Takahashi, et al., "Size Dependence of the Characterristics of Si Single-Electron Transistor on SIMOX Substrates", IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES, VOL. 43, NO. 8, AUGUST, 1996.
しかしながら、非特許文献2の技術においては、シリコンを酸化させることにより微細な単電子島の構造を形成するようにしているため、形成される単電子トランジスタをより高い温度で動作させるためには、酸化後のシリコン細線(単電子島)の寸法や、酸化によって発生する応力などを制御する必要がある。しかしながら、酸化による最終的な寸法を設計通りに得ることは、容易ではない。また、微細化とともに酸化時における応力を任意に制御することも難しく、さらにこの応力は酸化メカニズム自体も複雑にする。これらのように、従来では、単電子トランジスタを作製する様々な方法が報告されているが、室温に近い高温状態で動作が可能な、非常に微細な単電子島や高品質な微小トンネル接合を形成することが困難であった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、単電子トランジスタが、より安定した状態でより高温で動作できるようにすることを目的とする。
本発明に係る単電子トランジスタは、基板の上に形成されて互いに離間して配置された半導体からなるソース及びドレインと、ソース及びドレインの間に配置されてソース及びドレインに接続する半導体からなる細線部と、この細線部と絶縁分離して配置されたゲート電極とを少なくとも備え、ソース,細線部,及びドレインが配列された第1方向に対して垂直な第2方向の細線部の寸法は、ソース及びドレインの第2方向の寸法より小さく形成され、かつ量子効果が発現される範囲の寸法に形成されているようにしたものである。従って、ソース,細線部,ドレインにかけてのエネルギーバンドにおいて、細線部には、キャリアとなる素電荷に対するエネルギーバリアが形成された状態となる。ここにゲート電圧を印加すると、細線部の中央部のエネルギーバリア(エネルギーバンド)は小さくなるが、ソース,ドレインと接続している細線部の両端のエネルギーバリアは、変化せずにトンネル障壁として機能し、細線部には単電子島が形成された状態となる。
上記電界変調型単電子トランジスタにおいて、基板の平面の法線方向の細線部の寸法は、ソース及びドレインの第2方向の寸法より小さい状態とされていればよく、この場合、基板の平面の方向の細線部の寸法は、ソース及びドレインの第2方向の寸法に等しい状態であってもよい。また、ソースと細線部との間及びドレインと細線部との間に形成されたトンネル接合を備えるようにしてもよい。また、基板がゲート電極であってもよい。なお、前述したように、細線部に単電子島が形成される。
以上説明したように、本発明では、ソース,細線部,及びドレインが配列された第1方向に対して垂直な第2方向の細線部の寸法は、ソース及びドレインの第2方向の寸法より小さく形成され、かつ量子効果が発現される範囲の寸法に形成されているようにした。従って、本発明によれば、より容易に微小な単電子トランジスタが製造可能となり、単電子トランジスタが、安定した状態で高温で動作できるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における単電子トランジスタの構成例を示す断面図(a),(b),(c),及び平面図(d)である。なお、図1(d)のaa線の断面が図1(a)であり、図1(d)のbb線の断面が図1(b)であり、図1(d)のcc線の断面が図1(s)である。図1に示す単電子トランジスタは、例えばシリコンからなる基板(制御電極)101の上に、絶縁層102を介してソース103,ドレイン104,及び細線部105とを備える。例えば、ソース103,ドレイン104,及び細線部105は、一体に形成されている。また、図1に示す単電子トランジスタは、ソース103,ドレイン104,及び細線部105の上に、絶縁層106を介してゲート電極107を備える。
ソース103とドレイン104とは、例えば、30nm程度離間して配置されている。また、ソース103とドレイン104との間に断面の寸法が、幅27.5nm,高さ18nm程度とされた細線部105が、ソース103及びドレイン104に接触(接続)して配置されている。従って、細線部105は、長さ30nm程度に形成されている。なお、細線部105の断面の各寸法は、量子効果が発現(観察)される範囲の寸法であればよく、実用的には数〜数十nmの範囲であればよい。例えば、環境の温度が常温(20℃)程度のときは、5nm程度であれば、量子効果が観察されるので、本単電子トランジスタを常温程度で動作させる場合、細線部105の断面寸法が5nm程度となっていればよい。また、0.005K程度のときは、上記寸法が1μm程度であれば量子効果が観察されるので、0.005Kと極低温で動作させる場合、細線部105の断面寸法は、1μm程度であってもよい。
このように、図1に示す単電子トランジスタは、ゲート電極107から細線部105の方向に延在する平面に平行な断面(図1(a)に示す断面)において、ソース103及びドレイン104に比較して、細線部105の寸法が小さく形成されている。言い換えると、ソース103,細線部105,及びドレイン104が配列された第1方向に対して垂直な第2方向の細線部105の寸法は、ソース103及びドレイン104の第2方向の寸法より小さくされている。このように構成された図1の単電子トランジスタでは、図2に示すように、印加されたゲート電圧に対してソース・ドレイン間に流れる電流が周期的に振動し、単電子トランジスタとしての動作が発現されることが確認された。
なお、図1に示す構成例では、図1(a)に示す断面方向だけではなく、図1(d)に示すように、上記断面に直交する方向においても、細線部105に比較して、ソース103及びドレイン104の寸法が大きく形成されている。例えば、図1(b)及び図1(c)に示す断面における各寸法は、ソース103及びドレイン104が、幅200nm,高さ40nmに形成されている。ところで、ソース103とドレイン104とは、各寸法が同じである必要はない。また、細線部105は、ソース103,細線部105,及びドレイン104が配列された方向に対して垂直ないずれかの方向の寸法が、ソース103及びドレイン105より小さく形成されていればよく、他の方向の寸法は、ソース103及びドレイン105より小さく形成されている必要はない。
図1に示す単電子トランジスタは、例えば、絶縁層102を埋め込み絶縁層としたSOI基板を用いることで形成できる。まず、SOI基板の埋め込み絶縁層上のSOI層を、公知のリソグラフィー技術とエッチング技術とにより微細加工することで、ソース103,ドレイン104,及び細線部105の部分が形成可能である。また、これらのパターンが形成された後、例えば、よく知られたCVD法もしくはスパッタ法などにより酸化シリコンを堆積することで、絶縁層106が形成可能である。このようにして絶縁層106が形成された後、絶縁層106の上に所定の金属材料の膜が形成された状態とし、この金属膜を公知のリソグラフィー技術とエッチング技術とにより加工することで、ゲート電極107の形成が可能である。
次に、図1に示すように構成された単電子トランジスタの動作原理について、図3を用いて説明する。一般に、半導体より構成された細線などの寸法が小さくなると、量子サイズ効果(量子効果)によりエネルギーバンドの禁制帯が広がる。図3(a)に示すように、量子サイズ効果が生じるような微小な細線部105の両端に、半導体よりなる細線部105より大きなソース103及びドレイン104が接続された状態とすると、これらの伝導帯は、図3(b)に示す状態となる。ここで、図3(a)に示すように、ソース103に負の電圧が印加され、ドレイン104は接地された状態とすると、図3(b)に示すように、ソース103には、複数の電子が存在する状態となる。図3(b)に示すエネルギーバンドの状態では、ソース103に存在する電子にとって、細線部105の禁制帯はエネルギーバリアとなる。このエネルギーバリアの高さが熱エネルギーよりも高いとき、上記電子は細線部105を通過することができない。
上述した状態において、図3には示していないゲート電極に正の電圧を印加し、細線部105に電界が印加された状態とすると、細線部105の中央部のエネルギーバリア(エネルギーバンド)が小さくなる。一方、ソース103,ドレイン104と接続している細線部105の両端のエネルギーバリアは、上述したように電界が印加されても変化しない。これは、この接続部分のエネルギーバリアの大きさ(高さ)が、量子サイズ効果により決定されるためである。この結果、上述したように電界が印加されると、図3(c)に示すように、細線部105のエネルギーバリアは、放物線的に中央部が小さくなり、エネルギーバンドがソース103のフェルミエネルギーよりも小さい領域が、図3(d)に示す等価的な単電子トランジスタの単電子島701となる。また、フェルミエネルギーよりも高いトンネル障壁となっている領域が、等価的にトンネル接合702,トンネル接合703となる。
このように、等価的に単電子トランジスタが形成された状態で、正のゲート電圧による電界の印加により、クーロンブロッケードで決定される帯電エネルギーに等しい状態にまで、細線部105の中央部におけるエネルギーバンドを小さくすれば、1つの電子がトンネル障壁(等価的なトンネル接合)を通過し、1つの電子の電動が可能な状態となる。この状態よりさらにゲート電圧を高くすると、クーロンブロッケード状態により、1つの電子が細線部105に形成された等価的な単電子島702に蓄積され、電子は伝導できなくなる。このとき、単電子島702に蓄積された1つの電子による帯電エネルギーの増加分、単電子島におけるエネルギーが上昇する。
この状態で、等価的な単電子島702に蓄積された1つの電子による帯電エネルギーの増加分に等しいエネルギーを、ゲート電圧の増加により与えて細線部105の伝導帯を下げ、ソース103におけるフェルミエネルギーと帯電エネルギーとが等しい状態となれば、再度1つの電子が伝導する状態となる。このように、ゲート(ゲート−ソース間)電圧の増加に対し、図8に示したような周期的な電流特性が得られるようになり、図1に示す単電子トランジスタによれば、クーロンブロッケードを利用した単電子トランジスタの動作が可能となる。
なお、上述した説明では、ソース103に負の電圧が印加され、ドレイン104は接地された状態とすることで、ゲート電圧が印加されていなくてもソース103に電子が存在する状態の場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、ソース103に0V,ドレイン104に1Vが印加され、ソース103に電子が存在していない場合であっても、ソース電圧に対して正のゲート電圧がゲート電極107に印加された状態とすることで、ソース103に電子が誘起された状態となり、前述同様の動作が可能である。なお、量子サイズ効果の結果により細線部105の両端に形成されるトンネル障壁は、環境の温度により加わる熱エネルギーより高い状態となっていればよい。このトンネル障壁の大きさは、細線部105の断面寸法に反比例するので、前述したように、断面寸法は、熱エネルギーに対応して設計すればよい。例えば、より高温で動作可能とするためには、細線部105の断面寸法をより小さくすればよい。
ところで、図1に示す単電子トランジスタでは、基板101の平面上で、ソース103からドレイン104の方向に垂直な方向の中央部に細線部105が配置されているようにしたが、これに限るものではない。例えば、図4に示すように、基板101の平面上で、ソース103からドレイン104の方向に垂直な方向の、ソース103及びドレイン104の一方の側に接して細線部405が配置されているようにしてもよい。ソース及びドレインに対して、細線部はいずれの位置に配置されていてもよい。このように、本実施の形態における単電子トランジスタによれば、製造上、高い位置精度が必要とならず、より容易に製造することが可能である。また、酸化により細線部の両端にトンネル接合を形成する必要もない。従って、上記単電子トランジスタにおいては、酸化による様々な問題も発生しない状態で製造可能である。
また、図1に示す単電子トランジスタでは、基板101の平面のソース103からドレイン104の方向に垂直な方向において、細線部105よりソース103及びドレイン105の寸法が大きくなるようにしたが、これに限るものではない。例えば、図5(a)の断面図に示すように、基板101の上において、細線部105よりソース103及びドレイン105の方が厚く形成され、図5(b)に示すように、基板101の平面におけるソース103からドレイン104の方向に垂直な方向の寸法(幅)は、同一に形成されていてもよい。このようにすることで、基板101の平面方向における単電子トランジスタ全体の寸法を小さくできるので、より多くの単電子トランジスタを同一基板の上に集積させることが可能となる。なお、ソース103及びドレイン105が細線部105より厚く形成されていれば、細線部105の幅がソース103及びドレイン105より大きくてもよい。
ところで、より微細な細線部をソース及びドレインと一体に形成しようとすると、図6に示すように、細線部105とソース103との境界部及び細線部105とドレイン104との境界部が、丸みを帯びた状態となる。この部分の曲率半径Rが、細線部103の直線部の長さL程度となると、トンネル障壁が低くなるので、熱揺らぎによって電子がトンネル障壁を越える場合がある。従って、上記Rは、可能な限り小さくした方がよい。
なお、上述では、ソース,細線部,及びドレインが一体に形成されている場合について例示したが、これに限るものではなく、各々個別に形成されていてもよい。また、ソースと細線部との界面及びドレインと細線部との界面に、トンネル障壁として機能する絶縁層が形成されていてもよい。このように構成することで、ゲート電圧などが印加されていなくてもトンネル障壁(トンネル接合)が形成され、細線部に単電子島が形成された状態となる。また、一体に形成したソース,細線部,ドレインの表面を酸化して絶縁層が形成されるようにしてもよい。酸化の量が微量であれば、酸化により発生する応力の影響を小さくできるようになる。
また、上記では、伝導する素電荷が電子の場合について説明したが、これに限るものではなく、ゲート電圧に印加する電圧の極性を逆にすることで、正孔を素電荷として動作させることができる。また、上述では、ソース,ドレイン,及び細線部が、シリコンから構成されている場合について説明したが、これに限るものではなく、これらは、他の半導体材料から構成されていてもよい。また、ソース,ドレイン,及び細線部が、各々異なる半導体材料から構成されていてもよい。また、上述ではゲート電極107を設けるようにしたが、これに限るものではなく、基板101をゲート電極として利用することも可能である。
本発明の実施の形態における単電子トランジスタの構成例を示す断面図(a),(b),(c),及び平面図(d)である。 図1の単電子トランジスタの動作状態を示す特性図である。 図1の単電子トランジスタの動作原理について説明する説明図である。 本発明の実施の形態における他の単電子トランジスタの構成例示す平面図である。 本発明の実施の形態における他の単電子トランジスタの構成例示す断面図(a),及び平面図(b)である。 本発明の実施の形態における単電子トランジスタの部分構成例を示す平面図である。 一般的な単電子トランジスタの等価回路を示す回路図である。 単電子トランジスタのゲート・ソース間電圧Vgsを変化させたときの、ソース・ドレイン間の電流Idの振動の状態を示す特性図である。 従来よりある単電子トランジスタの製造方法例を示す工程図である。 従来よりある単電子トランジスタの構成例を示す構成図である。
符号の説明
101…基板、102…絶縁層、103…ソース、104…ドレイン、105…細線部、106…絶縁層、107…ゲート電極。

Claims (6)

  1. 基板の上に形成されて互いに離間して配置された半導体からなるソース及びドレインと、
    前記ソース及びドレインの間に配置されて前記ソース及び前記ドレインに接続する半導体からなる細線部と、
    前記細線部と絶縁分離して配置されたゲート電極と
    を少なくとも備え、
    前記ソース,前記細線部,及び前記ドレインが配列された第1方向に対して垂直な第2方向の前記細線部の寸法は、前記ソース及びドレインの前記第2方向の寸法より小さく形成され、かつ量子効果が発現される範囲の寸法に形成されている
    ことを特徴とする単電子トランジスタ。
  2. 請求項1記載の単電子トランジスタにおいて、
    前記基板の平面の法線方向の前記細線部の寸法は、前記ソース及びドレインの前記第2方向の寸法より小さい
    ことを特徴とする単電子トランジスタ。
  3. 請求項2記載の単電子トランジスタにおいて、
    前記基板の平面の方向の前記細線部の寸法は、前記ソース及びドレインの前記第2方向の寸法に等しい
    ことを特徴とする単電子トランジスタ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の単電子トランジスタにおいて、
    前記ソースと細線部との間及び前記ドレインと細線部との間に形成されたトンネル接合を備える
    ことを特徴とする単電子トランジスタ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の単電子トランジスタにおいて、
    前記基板がゲート電極である
    ことを特徴とする単電子トランジスタ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の単電子トランジスタにおいて、
    前記細線部に単電子島が形成される
    ことを特徴とする単電子トランジスタ。
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