JP2006316872A - 真空断熱材、および真空断熱材を適用した保温機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空断熱材の初期断熱性能を向上させるとともに、保温機器のように使用する環境温度が高い場合においても、経時断熱性能に優れた真空断熱材を提供する。
【解決手段】水分吸着剤10を使用することで、真空断熱材8内部の水蒸気分圧を低減し、熱伝導率を改善する。また、水分吸着剤10の包装材12が、熱変形温度が100℃未満の樹脂を含まない構成であることによって、使用環境温度が高い場合においても包装材12の通気性を確保し、経時的にも吸着能力を十分に発揮できるために経時断熱性能に優れた真空断熱材8となる。また、この真空断熱材8を適用することで省エネに優れた保温機器となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、真空断熱材、および真空断熱材を適用した保温機器に関するものである。
地球温暖化防止の対策として、家電製品や設備機器などの省エネルギー化は重要な課題であり、その解決手段の一つとして、高性能な断熱材である真空断熱材の使用がある。
真空断熱材は、芯材とそれを被覆する外被材とからなり、外被材内部を真空に保つことにより気体の熱伝導率を著しく低下させた断熱材である。
しかし、真空断熱材の芯材は、芯材自身が微細空隙を有する多孔体であるためその比表面積が大きく吸湿性が高い。さらに、芯材材料が親水性の場合は、より一層吸湿性が高くなる。そのため、ベーキングが実施できない場合、汎用の真空排気装置においては芯材表面に付着した表面吸着水を完全に除去することが容易ではないために、減圧密閉後、表面吸着水の一部が気化することによって真空断熱材の内圧が上昇し、所望の断熱性能が得られないことがあった。
また、経時的には、外被材を透過して徐々に水分やガスが真空断熱材内部に侵入するために、これによって真空断熱材の内圧が上昇し、断熱性能が悪化してしまうという課題があった。
そこで従来、芯材表面に付着した表面吸着水などの水分やガス成分を除去することによる初期断熱性能の確保や真空断熱材内部への経時的な水分やガス侵入による断熱性能の悪化を抑制することを目的として、シリカゲル、酸化カルシウム、ゼオライトなどの吸着剤を適用することが多数提案されている。
また、その吸着剤が真空断熱材作製作業中に劣化することを防止することを目的として、吸着剤が、少なくとも撥水処理を施している耐水性和紙層と微細孔を有しているポリエチレン層とを含む積層フィルムからなる包装材にて覆われている真空断熱材がある(例えば、特許文献1参照)。
図4は、特許文献1に記載された従来の真空断熱材を示すものであり、図5は、図4における吸着剤の拡大図である。図4、5に示すように、真空断熱材1は、芯材2と水分を吸着する吸着剤3とをガスバリア性フィルムからなる外被材4で被覆したものであり、吸着剤3は撥水処理を施している耐水性和紙層5と微細孔を有するポリエチレン層6とを含む積層フィルムからなる包装材7にて覆われている。
耐水性和紙層5により作業者の汗や機械部の結露などの水分が包装材内部に侵入することを防止するために、真空断熱材1作製工程において、取り扱い性および生産性を損なわずに吸着剤3の性能劣化を防止できる。また、ポリエチレン層6に設けた微細孔の大きさや数によって包装材7内部への水分の透過を制御できるため、長期に渡って断熱性能に優れた真空断熱材1が得られる。
特開2002−48466号公報
しかしながら、特許文献1に記載の吸着剤3の包装材7は、ポリエチレンを使用している。ポリエチレンの特性は密度によって変化するが、融点が105〜135℃であり、また熱変形温度は35〜85℃である。ゆえに、真空断熱材1を使用する環境温度が高い場合においては、ポリエチレンの種類によってはポリエチレンに設けた微細孔が変形または閉塞してしまうために通気性が悪化し、吸着速度が低下するため、吸着剤3の適用効果が小さくなり、所望の経時断熱性能が得られないという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、初期断熱性能に優れた真空断熱材を得るとともに、真空断熱材を使用する環境温度が高い場合においても、経時断熱性能に優れた真空断熱材を提供することを目的とする。
また、断熱性能に優れた真空断熱材を適用することで、省エネに優れた保温機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱材は、水分吸着剤の包装材が、通気性を有し、かつ熱変形温度が100℃未満の樹脂を含まない構成としたものである。
真空断熱材は、その内部圧力の低下と共に気体分子の平均自由工程が低減するため、内部静止気体の熱伝導率が低下し、断熱性能が改善されるが、減圧密閉後、その芯材に残留した表面吸着水が、減圧下にさらされることから、その一部が気化して真空断熱材内部の水蒸気分圧が増大する場合がある。しかし、水分吸着剤を適用することで、この水蒸気分圧を低減し、真空断熱材の熱伝導率を改善する。
吸着剤の包装材が、熱変形温度が100℃未満の樹脂を含まない構成であることで、使用環境温度が高い場合でも包装材が溶融することなく通気性を確保する。
また、本発明の真空断熱材は、水分吸着剤が、包装材を使用せずに芯材に挟み込まれている構成としたものである。芯材に挟み込むことで吸着剤として鋭利な破断面を有する物質を使用しても芯材が保護する役目を果たすので、外被材にピンホールを生じにくい。
本発明の真空断熱材は、水蒸気分圧を水分吸着剤により低減させることが可能となるため、真空断熱材の熱伝導率を改善できる。
また、吸着剤の包装材に熱変形温度が100℃未満の樹脂を使用していないため、使用環境温度が高い場合でも吸着能力を十分発揮できる。
ゆえに、初期、経時ともに断熱性能に優れた真空断熱材を得ることができる。
さらに、真空断熱材の高温での使用が可能であるため、省エネに優れた保温機器を得ることができる。
請求項1に記載の発明は、芯材と、水分吸着剤と、前記芯材と前記水分吸着剤を被覆するガスバリア性を有する外被材とからなり、前記外被材の内部を減圧密閉した真空断熱材であって、前記水分吸着剤が、熱変形温度が100℃未満の樹脂を含まない通気性を有する包装材で包装されている真空断熱材である。
真空断熱材に水分吸着剤を使用することで、真空断熱材の内圧のうち水蒸気分圧を低減することができる。その結果、真空断熱材の熱伝導率を低減することができる。
熱変形温度が100℃未満の樹脂を含まないことによって、使用環境温度が100℃を超えるような場合においても、包装材の通気性が維持できるために、吸着剤の性能を十分に発揮することができる。また、100℃を超えない環境で使用することも可能である。
ここで、熱変形温度について説明する。熱変形温度とは荷重たわみ温度とも呼ばれ、JIS K 7207に規定されている方法で測定が可能である。なお、本発明における熱変形温度は荷重が0.45MPaの場合の温度を指す。
通気性は、JIS P 8117により測定が可能である。なお、通気度は0秒以上5000秒以下が望ましい。
さらに、芯材の表面吸着水を効率的に吸着除去するためには、真空断熱材作製後に常温以上の温度でエージングを行うとよく、またそれが高温であるほど吸着速度が早くなるが、本発明の構成であると、より高い温度でエージングを行うことができるため、時間短縮が可能である。
以下に本発明について、より詳細に説明する。
本発明で使用する芯材は、繊維系、粉末系、発泡体系など高い空隙率を有する材料であれば特に指定するものではないが、断熱性能の観点からガラス繊維の使用が望ましい。また、ガラス短繊維は、繊維化できるガラス組成物であれば特に問題なく使用できる。
より望ましくは、ガラス短繊維の集合体がガラス短繊維のウェブの積層体からなり、前記ウェブ間は集合体の一体性が保持できる必要最低限の交絡により結合され、厚み方向に均質に積層配列されたものが好適である。
更には、外被材のピンホール発生を抑制するためガラスショット等の異物混入のないガラス短繊維がより望ましい。このような条件を満たす汎用工業製品としては、グラスウールが安価、かつ取り扱い性の観点からより望ましい。
また、その繊維径は、特に指定するものではないが、繊維径が微細なものは、より優れた断熱性能が得られる。しかし、経済性の観点からは平均繊維径が3〜5μmのものを使用するのが望ましい。
また、本発明の外被材の構成は特に指定するものではない。
例えば、最内層の熱溶着層には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレンービニルアルコール共重合体樹脂フィルムなど、特に指定するものではない。しかし、使用環境温度が100℃を超える場合は融点の高いポリプロピレンフィルムを使用することが望ましい。
また、外部からの気体の透過を抑制するために、金属箔や、金属蒸着、無機蒸着、ダイヤモンドライクカーボンなどを蒸着したプラスチックフィルムなどが使用可能である。金属箔は、アルミニウム、ステンレス、鉄など、特に指定するものではない。
また、蒸着の基材となるプラスチックフィルムの材料は、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリイミドなど、特に指定するものではない。
さらに、金属蒸着の材料は、アルミニウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀など、また、無機蒸着の材料は、シリカ、アルミナなど、あるいはそれらの混合物など、特に指定するものではない。
また、さらに蒸着層の上に樹脂コーティング層を設けてもよい。コーティング樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂やポリアクリル酸系樹脂、またはその混合樹脂など、特に指定するものではない。
さらに、必要に応じて表面保護層を設けることも可能である。表面保護層としては、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンの延伸加工フィルムなど、特に指定するものではない。
また、外被材の袋形状は、四方シール袋、ガゼット袋、L字袋、ピロー袋、センターテープシール袋など、特に指定するものではない。
さらに、本発明の水分吸着剤は、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの化学吸着剤、シリカゲル、ゼオライトなどの物理吸着剤など、特に指定するものではない。しかし、高温でも安定した吸着性能を有することから、化学吸着剤が望ましい。
さらにその中でも、賦活処理が必要なく、取り扱い性に優れ、高温での吸着容量が大きい、安価であるなどの点から、酸化カルシウムを使用することがより望ましい。また、その形状も、粉末、細粒、顆粒、錠剤、固形状など、特に指定するものではない。
また、包装材の構成に、不織布層や微細孔を有するフィルム層を含んでいてもよい。この場合、耐突き刺し性が強化されるため、吸着剤として鋭利な破断面を有する物質を使用した場合にも包装材が破れにくくなる。また、不織布には有機不織布、無機不織布があるが、特に指定するものではない。
また、包装材の袋形状は、四方シール袋、L字袋など、特に指定するものではない。また、周縁部の接着方法も、ヒートシール、超音波シール、糊付け、テープで貼り付けるなど、特に指定するものではない。なお、周縁部を糊付けやテープで貼り付ける場合は、なるべく発生ガスの少ないものを選定することが望ましい。
請求項2に記載の発明は、水分吸着剤の包装材が、微細孔を有するポリプロピレン層を最内層に含む積層フィルムである請求項1に記載の真空断熱材である。
ポリプロピレンは、ポリエチレン同様非常に安価であるが、その融点は150〜170℃、熱変形温度は100〜115℃であり、ポリエチレンより高い。
ゆえに、保温機器のように真空断熱材の使用温度が100℃を超える用途においても、ポリプロピレン層に設けられた微細孔が閉塞することがなく、真空断熱材内部に経時的に侵入する水分を十分に吸着し続けることができるために、経時断熱性能が向上する。
さらに、ポリプロピレンは吸水性が低いため、吸着剤包装後の包装材からの発生水分による吸着剤の劣化がほとんどない。
また、この構成であると、ヒートシールが可能であるため、製造が容易である。
請求項3に記載の発明は、水分吸着剤の包装材が、ポリプロピレンからなる不織布層を最内層に含む積層フィルムである請求項1に記載の真空断熱材である。
ポリプロピレンの融点は150〜170℃、熱変形温度は100〜115℃である。ゆえに、保温機器のように真空断熱材の適用温度が100℃を超える用途においても繊維によって形成される微細孔が閉塞することがなく、真空断熱材内部に経時的に侵入する水分を十分に吸着し続けることができるために、経時断熱性能が向上する。
さらに、ポリプロピレンは吸水性が低いため、吸着剤包装後の包装材からの発生水分による吸着剤の劣化がほとんどない。
また、この構成であるとヒートシールが可能であるため、製造が容易である。
さらに、最内層が不織布層であることによって、微細孔の分布がより均一になり、また耐突き刺し性が向上する。
請求項4に記載の発明は、水分吸着剤の包装材が、耐水性和紙層を含む構成である請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材である。
耐水性和紙層により、真空断熱材作製作業時に水分が包装材内に侵入することを防止できるため、吸着剤の劣化をより防止できる。
なお、耐水性和紙は、紙の製造中に耐水性の液体を加えるか、作製した紙に耐水性の液体を塗布して紙に耐水性を付与したものである。
請求項5に記載の発明は、水分吸着剤の包装材が、不織布からなる請求項1または3に記載の真空断熱材である。
不織布は、より均一に細孔を有する。また、不織布は、耐突き刺し性に優れているために、吸着剤として鋭利な破断面を有する物質を使用しても包装材が破れにくい。通気度も、不織布の積層や、厚さや坪量の変更で容易に制御することができる。
請求項6に記載の発明は、芯材と、水分吸着剤と、前記芯材と前記水分吸着剤を被覆するガスバリア性を有する外被材とからなり、前記外被材の内部を減圧密閉した真空断熱材であって、前記水分吸着剤が、包装材を使用せずに、前記芯材に挟み込まれている真空断熱材である。
包装材を使用しないために、高温での使用が可能である。また、芯材に挟み込むことで、鋭利な破断面を有する物質を吸着剤として使用しても、芯材が保護する役目を果たすので、外被材にピンホールが生じにくい。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の真空断熱材を適用した保温機器である。
請求項1から6に記載の真空断熱材は、断熱性能に優れているために、保温機器に適用した場合も優れた断熱性能を発現する。
高温においても吸着剤の包装材の細孔が塞がれることがなく、吸着性能を発揮し続けることができるため、真空断熱材は、初期、及び経時的にも優れた断熱性能を保持することが可能となり、長期に渡って消費電力量の低い保温機器が提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図である。図1において、真空断熱材8は、芯材9と、水分吸着剤10と、芯材9と水分吸着剤10を被覆するガスバリア性を有する外被材11とからなり、外被材11の内部を減圧密閉したものである。
また、図2は、本発明の実施の形態1の真空断熱材8における水分吸着剤10の断面図である。図2において、水分吸着剤10は、包装材12によって包装されている。
まず、真空断熱材8の作製方法を説明する。
同じ大きさの長方形に切った二枚のラミネートフィルムの熱溶着層同士を向かい合わせて三辺を熱溶着し、袋状とする。次に、袋状とした外被材11の開口部から芯材9および水分吸着剤10を挿入する。これを減圧チャンバー内に設置し、外被材11の内部を10Pa以下まで減圧した後、外被材11の開口部を熱溶着により密閉封止する。
次に、真空断熱材8の構成を説明する。
芯材9は、ガラス短繊維からなるウェブ間が物理的交絡により結合されたガラス繊維の積層体であり、平均繊維径3.5μmのグラスウールを所定密度になるまで積層したものを使用し、ガラス繊維の品温がガラスの歪点よりも低い450℃で5分間加熱プレスすることでボード状に成形している。
水分吸着剤10は、酸化カルシウムであり、通気性を有する包装材12によって包装されている。
通気性を有する包装材12として、外側から撥水処理された耐水性和紙層13、数μmの微細孔を有するポリプロピレン層14の2層構造からなる積層フィルムを使用し、包装材の周縁部をヒートシールした。なお、包装材12中のポリプロピレンの熱変形温度は105℃であるため、包装材12は熱変形温度が100℃未満の樹脂を有していない。
外被材11は、同じ構成の二枚のラミネートフィルムからなり、外側から、ナイロン層、ポリエチレンテレフタレート層、アルミ蒸着層、ポリアクリル酸系樹脂層、ポリプロピレンフィルム層の構成である。なお、アルミ蒸着層およびポリアクリル酸系樹脂層はポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとしている。
水分吸着剤10の包装材12の撥水処理を施している耐水性和紙層13により、真空断熱材8の作製作業中に水分が包装材12内部へ侵入することを防止でき、作業効率も良好であった。
この真空断熱材8の熱伝導率を作製後24時間経過後に測定した結果、熱伝導率は、0.0020W/mKであった。
また、148℃にて真空断熱材8の温度加速試験を行ったが、水分吸着剤10の包装材12の通気性が維持できたために所望の経時性能0.0150W/mKをクリアできた。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2における電気湯沸し器の断面図である。
図3に示すように、電気湯沸し器15は、外容器16と、貯水用内容器17と、ヒーター18と、蓋19と、実施の形態1の真空断熱材8とから構成されている。
貯水用内容器17の中はヒーター18により加温・保温され、保温中は真空断熱材8により貯水用内容器17の側面からの放熱を抑制している。
真空断熱材8を適用することによって、優れた省エネルギー効果を示す。消費電力量を測定したところ、真空断熱材を適用しない場合に比べ10%程度の低減が確認できた。また、水分吸着剤10の効果が十分に発揮されているために経時断熱性能を維持でき、保温効果も長期に渡って維持できた。
なお、電気湯沸かし器15は、使用環境温度が100℃程度であるが、本発明の真空断熱材8はより温度が高くなる用途に適用すると効果が高い。
また、本発明における保温機器は、電気湯沸し器15に限らず、炊飯器や保温調理器、給湯器、電気炉など、保温を目的とする機器であれば特に指定するものではない。
以下、実施例および比較例を用いて、本発明の真空断熱材8についてより具体的に説明するが、本発明は本実施例のみに限定されるものではない。
ここで、水分吸着剤10の包装材12の構成以外は実施の形態1と同様である。
(実施例1)
水分吸着剤10の包装材12として、ポリエチレンテレフタレートからなる不織布層、ポリプロピレンからなる不織布層の2層構造からなる積層フィルムを使用し、包装材12の周縁部をヒートシールした。なお、包装材12中のポリエチレンテレフタレートの熱変形温度は150℃、ポリプロピレンの熱変形温度は105℃である。
この真空断熱材8の初期熱伝導率は、0.0020W/mKであった。また、温度加速試験でも、ポリプロピレンからなる不織布層の細孔が閉塞しないために所望の経時性能が得られた。
(実施例2)
水分吸着剤10の包装材12として、ポリエチレンテレフタレートからなる不織布を使用し、包装材12の周縁部を超音波シールした。なお、包装材12として使用したポリエチレンテレフタレートの熱変形温度は、150℃である。
この真空断熱材8の初期熱伝導率は、0.0020W/mKであった。また、温度加速試験でも不織布層の細孔が閉塞しないために所望の経時性能が得られた。さらに、ポリエチレンテレフタレート融点が200℃を超えるため、より高い温度での使用が可能である。
(実施例3)
水分吸着剤10の包装材12として、外側から耐水性和紙層13、ポリエチレンテレフタレートからなる不織布層の2層構造からなる積層フィルムを使用し、包装材12の周縁部を糊付けした。なお、包装材12中のポリエチレンテレフタレートの熱変形温度は150℃である。
この真空断熱材8の初期熱伝導率は、0.0020W/mKであった。また、温度加速試験でも、所望の経時性能が得られた。
(実施例4)
水分吸着剤の包装材12を使用せず芯材9に水分吸着剤を挟み込んだ。
この真空断熱材8の初期熱伝導率は0.0020W/mKであった。また、温度加速試験でも、所望の経時性能が得られた。
水分吸着剤の包装材12を使用しなかったが、芯材9に水分吸着剤を挟み込むことで、芯材9がクッションの役目を果たしたため、水分吸着剤による外被材11への突き刺しは発生しなかった。
(比較例1)
水分吸着剤10を適用せずに真空断熱材を作製した。
この真空断熱材の熱伝導率は、初期値が0.0030W/mKであった。
(比較例2)
水分吸着剤10の包装材として、撥水処理を施した耐水性和紙層と微細孔を有するポリエチレン層とからなる積層フィルムを使用し、包装材の周縁部をヒートシールした。なお、使用したポリエチレンの熱変形温度は80℃である。
この真空断熱材の初期熱伝導率は、0.0020W/mKであった。温度加速試験では所望の経時性能が得られなかった。ポリエチレンの微細孔が変形または閉塞したために吸着速度が遅くなったことが原因であると考える。
以上から、水分吸着剤10の適用が断熱性能の向上に効果的であり、中でも、高温での使用においては、熱変形温度が100℃未満の樹脂を含まない通気性を有する包装材12にて覆われた酸化カルシウム使用することが効果的であることがわかる。
以上のように、本発明にかかる真空断熱材は、熱変形温度が100℃未満の樹脂を含まない包装材にて覆われた水分吸着剤として適用しているので、真空断熱材を高温で使用した場合においても、通気性を維持し、真空断熱材内部の水蒸気分圧を低減できることから、優れた断熱性能を有する真空断熱材が提供できる。
また、本発明の真空断熱材は、電気湯沸かし器や炊飯器のような保温機器だけでなく、冷凍冷蔵庫、冷凍機器、及び米や野菜保冷庫等をはじめとして、冷却システムを有しないクーラーボックスやコンテナボックス等、保冷を必要とする機器や設備などに適用することも可能であり、大幅な省エネルギー化や省スペース化に貢献できる。
本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図 本発明の実施の形態1における吸着剤の断面図 本発明の実施の形態2における電気湯沸かし器の断面図 従来の真空断熱材の断面図 従来の吸着剤の断面図
符号の説明
8 真空断熱材
9 芯材
10 水分吸着剤
11 外被材
12 包装材
13 耐水性和紙層
14 ポリプロピレン層

Claims (7)

  1. 芯材と、水分吸着剤と、前記芯材と前記水分吸着剤を被覆するガスバリア性を有する外被材とからなり、前記外被材の内部を減圧密閉した真空断熱材であって、前記水分吸着剤の包装材が、通気性を有し、かつ熱変形温度が100℃未満の樹脂を含まない構成であり、かつ周縁部が接着されている真空断熱材。
  2. 水分吸着剤の包装材が、最内層が微細孔を有するポリプロピレン層である構成である請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 水分吸着剤の包装材が、最内層がポリプロピレンからなる不織布層である構成である請求項1に記載の真空断熱材。
  4. 水分吸着剤の包装材が、耐水性和紙層を含む構成である請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材。
  5. 水分吸着剤の包装材が、不織布からなる請求項1または3に記載の真空断熱材。
  6. 芯材と、水分吸着剤と、前記芯材と前記水分吸着剤を被覆するガスバリア性を有する外被材とからなり、前記外被材の内部を減圧密閉した真空断熱材であって、前記水分吸着剤が、包装材を使用せずに、前記芯材に挟み込まれている真空断熱材。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の真空断熱材を適用した保温機器。
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