JP2006315303A - チップ素子、液滴吐出ヘッド及び印刷装置 - Google Patents

チップ素子、液滴吐出ヘッド及び印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体基板に液体供給用の貫通穴を有しない液体吐出用のチップ素子及びチップ素子を搭載した液滴吐出ヘッドを形成する。
【解決手段】液室内の液体を加熱して液滴を吐出する方式の液滴吐出ヘッドを、(a)基体に形成された液体の共通流路と、(b)共通流路と接する側面端部から液室の配置方向へ、駆動素子領域、発熱素子領域、制御回路領域を順に配置したチップ素子と、(c)基体上面に露出した共通流路の開口を、チップ素子の一部表面と一体的に封止する封止部材とで実現する。
【選択図】図7

Description

発明の一つの形態は、液滴吐出用の回路素子を半導体層に集積したチップ素子に関する。また、発明の一つの形態は、チップ素子を基体上に搭載した液滴吐出ヘッドに関する。また、発明の一つの形態は、液滴吐出ヘッドを搭載した印刷装置に関する。
ここでは、印刷装置の一例であるインクジェットプリンタについて説明する。
近年、インクジェットプリンタは一般家庭にも普及し、身近な存在となっている。現在インクジェットプリンタの印刷方式には、シリアルスキャン方式が広く採用されている。シリアルスキャン方式とは、記録幅よりも小さなサイズの印刷ヘッドを往復動作させながら印刷する方式をいう。
シリアルスキャン方式は、印刷ヘッドの構成部品が少なく、製造コストの低減に有利である。ただし、往復動作を必要とするため、印刷時間が長くなる問題がある。
この他、インクジェットプリンタの印刷方式には、ライン方式がある。ライン方式とは、記録幅と同等以上のサイズを有する印刷ヘッドを用いて印刷する方式をいう。この印刷ヘッドは、ラインヘッドとも呼ばれる。ラインヘッドは、シリアルスキャン方式と異なり、往復動作を必要としない。このため、シリアルスキャン方式に比して高速度での印刷が可能である。
ただし、ラインヘッドは、シリアルスキャン方式に比して構成部品が多く、製造コストが高くなり易い。
そこで、出願人は、半導体製造技術を適用して製造したチップ素子を複数貼り合わせてラインヘッドを構成する方式を採用する。
図1に、ラインヘッドの従来例を示す。図1は、ラインヘッドの断面図である。ラインヘッドは、基体1の上面にチップ素子3を接着した構造を有する。チップ素子3は、半導体基板3a上に形成された発熱素子3bと、その表面を被覆する被覆層3cとで構成される。なお、発熱素子3aと対面する位置の被覆層3cには、ノズル(液滴の吐出口)5が加工されている。また、被覆層3cには、インクを液室(ノズル下部の空間であり、発熱素子3bが配置されている)に導くための個別流路7が形成されている。なお、半導体基板3aには、共通流路9と個別流路7とを結合する貫通穴11が形成されている。
特許第3343875号公報
ところで、貫通穴11の形成には、通常、異方性エッチングやドライエッチングが用いられる。
しかし、いずれも、エッチングレートが遅く、加工時間が長い問題がある。また、貫通穴11以外の領域を保護するエッチングマスクが必要となり、製造工程が複雑になる問題がある。
発明者らは、以上の技術的課題に着目し、更なる製造コストの低減を実現するチップ構造を提案する。すなわち、半導体基板に貫通穴を形成しないチップ構造を提案する。この際、発明者らは、液体の共通流路と接する半導体チップの側面端部から液室の配置方向へ、駆動素子領域、発熱素子領域、制御回路領域を順に配置する構造を採用する。
発明に係るチップ素子の場合、共通流路に結合するための貫通穴を半導体基板に設ける必要がない。従って、その加工に要する時間だけチップ素子の製造時間を大幅に短縮できる。また、このチップ素子の場合、共通流路と接する側端部側には駆動素子領域が位置するため、その上面部を共通流路の開口を封止する封止部材の接着領域として利用できる。従って、封止部材の接着用領域(のりしろ部)を不要とでき、チップ素子面積の小型化を実現できる。これにより、製造コストの低減化を実現できる。
以下、発明に係るチップ素子を搭載する液滴吐出ヘッドの形態例を説明する。
なお、本明細書で特に図示又は記載していない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
また以下に説明する素子構造や製造方法は、発明の一つの形態であって、これらに限定されない。
(A)液滴吐出ヘッドの製造工程
ここでは、発熱体による加熱により発生される気泡の圧力でインク滴を発射する方式(サーマル方式)の液滴吐出ヘッド(以下、「印刷ヘッド」という。)を製造する場合について説明する。
図2〜図6に、印刷ヘッドの製9020工程例を示す。なお、印刷ヘッドとは、液滴吐出用の回路素子を集積したチップ素子の表面を被覆する被覆層にノズルを加工したチップデバイス(アセンブリ部品)を基体に取り付けたものをいう。
まず、図2に示すように、半導体基板21上に回路素子を形成する。半導体基板21を構成する基体には、例えばシリコン、ガラス、セラミックスその他の材料を使用する。半導体基板21表面の半導体層には、半導体製造技術により発熱素子23が形成される(第1工程)。
ここで、発熱素子23は、半導体基板21の長手方向にノズルピッチと同じ間隔で形成される。図2の場合、紙面に垂直な方向が半導体基板21の長手方向に当たる。例えば600DPIの印刷ヘッドを製造したい場合、発熱素子23は、42.3(μm)の間隔で形成される。図2に示す半導体基板の場合、一度に6個のチップ素子を切り出すことができる。
この工程では、半導体基板21表面の半導体層に駆動素子や制御回路も形成される。回路素子の配置パターンについては後述する。
次に、インクを個々の液室に導く個別流路に対応する犠牲層25がパターンニング処理により形成される(第2工程)。犠牲層25には、例えば溶解性の樹脂材料を使用する。
次に、半導体基板21の表面(犠牲層25を含む。)を被覆層27で被覆する(第3工程)。被覆層27には、例えば光硬化型のエポキシ樹脂を使用する。被覆層27は、例えばスピンコート法により塗布する。
次に、ノズル27aを被覆層27に形成する(第4工程)。ノズル27aは、発熱素子23の真上に位置するように形成する。ここで、ノズル27aの下端(底)は、犠牲層25まで到達するように形成する。すなわち、ノズル27aは、被覆層27を貫通するように形成する。
次に、図3に示すように、半導体基板21をカットラインLの位置で複数のチップ素子に切断する(第5工程)。半導体基板21の切断には、例えばダイサーを使用する。カットラインLは、発熱素子23と発熱素子23の中間位置とする。図3の場合、1つの半導体基板21から6個のチップ素子が切り出される。なお、図3の場合、隣接する2つのチップ素子の断面構造は左右対称である。この切断により、一方の側面に犠牲層25が露出したチップ素子が生成される。
このように、半導体基板21の切断は、犠牲層25を除去する前に実行される。因みに、半導体基板21の切断前に犠牲層25を除去することは、除去後の空隙が逃げ部となり、加工精度に影響するため好ましくない。
次に、チップ素子から犠牲層25を除去する(第6工程)。図4に除去例を示す。図4は、溶解液31が充填された液槽33内に、チップ素子を浸漬する方法を示す。使用する溶解液31は、犠牲層25の材質に応じて選択する。
チップ素子を溶解液31に浸漬すると、犠牲層25だけが溶解し、チップ素子の外部に流出(溶出)する。このとき、被覆層27は溶解液31に溶解しないので、被覆層27の形状変化はない。この結果、犠牲層25が存在していた部分にだけ空隙が形成される。この空隙が、液室を含む個別流路35となる。形成された個別流路35は、ノズル27aと連通する。
なお、犠牲層25は、チップ素子の側面側から溶解液31を吹き付けることにより除去しても良い。
以上の工程で、被覆層27の内側に個別流路35が形成されたチップ素子が完成する。
次に、図5に示すように、チップ素子を印刷ヘッドの基体37に接着する(第7工程)。基体37の材料には、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、セラミックス、樹脂その他を使用する。
この形態例の場合、共通流路39に対応する貫通孔は基体37に形成されており、チップ素子は、この貫通孔を構成する内壁の一部分に形成された段部に装着される。装着には、例えば接着剤を使用する。個別流路35の開口が存在するチップ素子の側面は、基体37と共に共通流路39の内壁面を構成する。
なお、段部は、チップ素子を取り付けた際に、チップ素子と基体37の表面が同じ高さになるように、対面側に対して一段低く形成されている。
このように、チップ素子の基体37への装着が完了すると、図6に示すように、基体37の上面に露出した共通流路39の開口を、チップ素子の上面と一体的に封止する(第8工程)。開口の封止には、天板41(封止部材)を使用する。
天板41は、シート状の部材である。天板41の材質には、例えばポリイミド、PETその他の樹脂フィルム、ニッケル、アルミニウム、ステンレスその他の金属箔を使用する。なお、天板41と基体37(チップ素子を含む。)とは、接着層43を挟んで接着される。天板41の接着により、共通流路の上面側の開口は完全に塞がれる。なお、接着剤には、耐水性のあるシリコン系の接着剤を使用する。
天板41による封止により、共通流路39から個別流路35経由でノズル27aに至るインクの流路が形成される。
なお、ノズル27aの下部領域(発熱素子23の形成されている空間)にインクが充填している状態で、発熱素子23を加熱することでインク滴の吐出が実現される。すなわち、加熱された発熱素子23の表面から成長する気泡の圧力変化(気泡の膨張及び収縮)によってインクの一部が液滴化し、ノズル27aから外部に吐出される。図6には、インクの流れを矢印で示す。
(B)回路素子の配置例
図7に、この明細書で提案するチップ素子の回路パターン例を示す。図7は、チップ素子の全体を上面側から表した図である。
このチップ素子の場合、印刷ヘッドを構成する基体に装着した際に共通流路に接する側の端部から液室が配置される方向へ、駆動トランジスタ部(駆動素子領域)51、ヒーター部(発熱素子領域)53、ロジック回路部(制御回路領域)55、電極部57の順に配置する。
駆動トランジスタ部51は、発熱素子を駆動する駆動素子を長手方向に配列した領域である。駆動素子には、トランジスタを使用する。トランジスタがオン状態のとき、発熱素子に駆動電流が供給され、トランジスタがオフ状態のとき、駆動電流の供給が停止される。
ヒーター部53は、発熱素子を長手方向に配列した領域である。発熱素子は、ノズルピッチで配列される。なお、発熱素子には抵抗体を使用する。駆動電流が供給されるとき、発熱素子は発熱する。液室にインクが充填されている場合、発熱素子の発熱によって成長する気泡の圧力により、インク滴がノズルから外部に吐出される。
ロジック回路部55は、駆動素子の動作を制御する回路素子(制御回路素子)を配列した領域である。
電極部57は、チップ素子に形成された回路素子の駆動に必要な電源を供給する端子である。電極には、電源電位(VDD)の供給用と接地電位(GND)の供給用との2種類を用意する。
図8に、印刷ヘッドの部分断面構造を示す。図8に示すように、共通流路39の上面開口を封止する天板41は、チップ素子の駆動トランジスタ部51の上面位置で被覆層27に接着される。なお、天板41の端部は、接着剤43aで封止されている。すなわち、駆動トランジスタ部51を配置した領域部分がのりしろ用の領域として利用される。
なお、図8には、チップ素子の表面に露出した電極とプリント配線基板61(基体37上に接着されている)との接続構造も表している。電極部57の電極は、バンプ63、導体層65、バンプ63経由でプリント配線基板61に接続される。因みに、その上面は、保護層67で被覆されている。
図9に、印刷ヘッドの構造を透過的に上方から見た平面図を示す。ヒーター部53の両側付近まで天板41や被覆層67が被覆している。
図10に、チップ素子の他の回路パターン例を示す。図10には、図7と対応する部分に同一符号を付して示している。
図10と図7との違いは、駆動トランジスタ部51とヒーター部53の並びが反対である点と、のりしろ部71が存在する点の2点である。のりしろ部71は、駆動トランジスタ部51とヒーター部53の並びを入れ替えたことにより必要となる領域である。ヒーター部53の上面には天板41を接着できないためである。
のりしろ部71が存在することで、ヒーター部53、駆動トランジスタ部51、ロジック回路部55の並びが可能となる。
ただし、図10に示す構造のチップ素子の幅L2は、図7に示す構造のチップ素子の幅L1に対してのりしろ部71の幅だけ長くなる。これは、駆動トランジスタ部51、ヒーター部53、ロジック回路部55、電極部57のサイズは全て同じだからである。
このため、製造コストの観点からは、チップ幅が狭い図7に示す構造のチップ素子が図10に示す構造のチップ素子よりも優れている。
チップ素子の構造として、図7に示す回路配置を採用することにより、1つの基板から切り出すことができるチップ素子の枚数を増やすことができる。その分、チップ素子の製造単価を下げることが可能となる。従って、発明者らは、図7に示す回路配置を推奨する。
(C)配線パターンの配置例
次に、電源電位(VH)用の配線パターンと、接地電位(GND)用の配線パターンの配置例を示す。配線パターンの配置には1階層型と2階層型の2種類がある。
(a)1階層型
図11に、1階層型の配線パターンの配置例を示す。図11に示す配置例は、電源電位(VH)用と接地電位(GND)用のそれぞれに1つの電極を使用する。
図11の場合、接地電位(GND)用の配線パターン81は、その一辺が駆動トランジスタ部51の外縁に沿うように電極83からL字型に配置される。一方、電源電位(VH)用と接地電位(GND)用の配線パターン85は、その一辺がヒーター部53とロジック回路部55の間に沿うようにL字型に電極87から配置される。
図11には、任意に選択した2つの発熱素子に供給される電流の供給経路も示している。いずれの場合も、供給経路長は同じである。勿論、他の発熱素子も供給経路長は同じになる。
図12に、配線パターンの他の配置例を示す。図12に示す配置例は、電源電位(VH)用と接地電位(GND)用のそれぞれに2つの電極を使用する。この場合も、任意の発熱素子に流れる電流の供給経路長は同じになる。
図12の場合、発熱素子に流れ込む電流の供給路と、発熱素子から流れ出る電流の流出路をそれぞれ2つに分岐できる。
この結果、発熱素子と各電位用の電極間の実効抵抗値を小さくできる。すなわち、実効配線長を短くできる。その分、配線部分で消費されるエネルギーを小さくできる。この結果、発熱素子に印加できるエネルギーを図11の場合よりも大きくできる。
なお、印加エネルギーが大きくなると、インク滴の吐出速度を速めることができる。従って、記録媒体にインク滴が着弾するまでの時間を短縮できる。
図13に、図11及び図12の配線パターンに対応する等価回路を示す。
(b)2階層型
図14に、2階層型の配線パターンの配置例を示す。図14に示す配置例は、接地電位(GND)用を1層目(下位階層)に、電源電位(VH)用を2層目(上位階層)に配置する。図14では、電源電位用の配線パターンを太線で示し、接地電位用の配線パターンを細線で示す。
2階層に分けて配線パターンを配置できるため、接地電位(GND)用と電源電位(VH)用の配線パターンをヒーター部53の長手方向外縁に沿って配置することができる。この結果、ヒーター部53の長手方向外縁に沿って配置された各配線パターンから対応する素子へ最短距離で各電位を供給することが可能になる。
なお、図14では、各電位用の電極を複数とする場合について表している。すなわち、図14は、1階層型の配線パターンについて各電位用の電極を2つとする場合(図12)と同じである。従って、この2階層型の配線パターンの場合にも、各電位用の電極を1つとすることも可能である。
因みに、図14では、電源電位(VH)用の電極を2つ、接地電位(GND)用の電極を3つとする。このため、発熱素子と各電位用の電極間の実効抵抗値を小さくできる。すなわち、図14は、実効配線長を短くして発熱素子に印加できるエネルギーを増加させる場合の形態例を表している。
図15に、図14の配線パターンに対応する等価回路を示す。
なお、実際の配線パターンは、図16〜図19に示す構造を採用する。このうち、図16〜図18に、図14に対応する各階層の配線パターン例を示す。図19は、図16〜図18に示す各階層の配線パターンを重ねたものをチップ素子の表面側から見た図である。
図16は、2階層目(上位階層)の配線パターン例を示す。図16は、ヒーター部53付近について表している。配線パターン85は、電源電位(VH)の供給用であり、発熱素子89の一方の端子に接続されている。また、発熱素子89の他端は、1階層目の配線(トランジスタのドレイン端子)と接続される配線パターン91に接続されている。
図17は、1階層目(下位階層)の配線パターン例を示す。図17も、ヒーター部53付近について表している。配線パターン81は、接地電位(GND)の供給用であり、発熱素子89と発熱素子の間の領域を通ってトランジスタのソース端子に接続されている。なお、トランジスタのドレイン端子は、2階層目の配線パターン91と接続されている。
図18は、駆動素子であるトランジスタの動作を制御する制御用の配線パターン93を示す。配線パターンのうち駆動トランジスタ部51側の端部は、トランジスタのゲート端子に接続される。一方、配線パターンの反対側の端部は、ロジック回路部55の端子と接続される。
この配線パターン93も、発熱素子89と発熱素子の間の領域を通るように配置される。この形態例の場合、制御用の配線パターン93は、接地電位(GND)用の配線パターン81よりも更に下位の階層に配置する。
なお、前述した「1階層目」と「2階層目」の表記は、接地電位(GND)用の配線パターンと電源電位(VH)用の配線パターンとの階層関係を説明するための意味である。
図19に、全階層の配線パターンを重ねた位置関係を示す。
(D)形態例の効果
チップ素子の共通流路側端部から短辺方向(発熱素子の並び方向と直交する方向)に、駆動トランジスタ部51、ヒーター部53、ロジック回路部55を順番に配置することにより、チップ素子の小型化を実現できる。すなわち、チップ素子の端部に配置される駆動トランジスタ部51を天板41と被覆層27との接着領域として利用でき、1つの半導体基板から切り出すことができるチップ素子の枚数を増やすことができる。これにより、製造コストの低減を実現できる。
また、電源電位(VH)用の配線パターンと、接地電位(GND)用の配線パターンを同一面内に配置する場合、単純な配線パターンでチップ素子を実現できる。この際、各電位用の配線パターンに2つ以上の電極を接続すれば、発熱素子に供給できるエネルギーを増やすことができ、印刷速度の向上と吐出能力の向上とを実現できる。
また、電源電位(VH)用の配線パターンと、接地電位(GND)用の配線パターンを2つの階層に分離して配置する場合、2つの配線パターンをヒーター部53の長手方向外縁に沿って配置することができる。
この場合、発熱素子やドレイン端子に対する電位の供給を最短経路で実現できる。このため、発熱素子に供給できるエネルギーを1階層型よりも更に増やすことができ、印刷速度の向上と吐出能力の向上とを実現できる。
また、配線パターンを2つの階層に分離する場合、接地電位(GND)用の配線パターンをチップ素子の外縁に配置せずに済み、チップ素子の更なる小型化を実現できる。すなわち、製造コストの低減化を実現できる。
(E)他の形態例
(a)前述の形態例では、1つのノズルに対して発熱素子を1つ配置する駆動方式のチップ素子について説明した。
しかし、図20のように1つのノズル95に対して2つの発熱素子97a、97bを配置する駆動方式のチップ素子についても適用できる。ここで、一対の発熱素子97a及び97bは、発熱素子の並び方向(チップ素子の長手方向)に沿って配置する。この発熱素子構造を有するチップ素子の場合、左右2つの発熱素子97a、97bに印加されるエネルギー(電圧)を非対称にすることで、インク滴の吐出方向を偏向させることができる。
図21に、電源電位(VH)用の配線パターンと、接地電位(GND)用の配線パターンを2つの階層に分離して配置する場合の配線パターンをチップ素子の表面側から見た図を示す。2つの発熱素子97a、97bは直列接続されている。ただし、2つの発熱素子97a、97bは、同一面内において並列に配置されている。
図21では、発熱素子97aと発熱素子97bの接続中点の電位を調整することにより、発熱素子97a、97bに印加されるエネルギーを調整できるような仕組みを採用する。図中、網掛けを付した配線パターン99が接続中点電位を与える配線である。配線パターン99の一端は電極部57の電極と接続されている。
図22に、接続中点電位の与え方によるインク滴の吐出方向の関係を示す。
図22(A)は、接続中点電位を駆動電位(VH)の半分に設定した場合の吐出例である。この場合、発熱素子97a及び97bには同じ大きさのエネルギーが印加される。このとき、発熱素子の発熱特性は同じになるので、インク滴は正面に吐出される。
図22(B)は、接続中点電位を駆動電位(VH)の半分より大きく設定した場合の吐出例である。この場合、発熱素子97aに印加されるエネルギーの方が、発熱素子97bに印加されるエネルギーよりも大きくなる。このとき、発熱素子97aの方がインク滴を吐出する力が相対的に大きくなるので、インク滴は正面に対して右方向(発熱素子97b側)に偏向吐出される。
図22(C)は、接続中点電位を駆動電位(VH)の半分より小さく設定した場合の吐出例である。この場合、発熱素子97bに印加されるエネルギーの方が、発熱素子97aに印加されるエネルギーよりも大きくなる。このとき、発熱素子97bの方がインク滴を吐出する力が相対的に大きくなるので、インク滴は正面に対して左方向(発熱素子97a側)に偏向吐出される。
このように、前述した技術は、偏向吐出機能を有するチップ素子にも適用できる。
(b)前述の形態例では、吐出する液体がインクの場合について説明した。しかし、液体の種類は、インクに限らない。例えば、表示装置や電子回路の製造装置として応用する場合には、有機材料や導電性の材料でも良い。
(c)前述の形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される各種の変形例及び応用例も考えられる。
印刷ヘッドの断面構造例を示す図である(従来例)。 印刷ヘッドの製造工程例を示す図である(第1工程〜第4工程)。 印刷ヘッドの製造工程例を示す図である(第5工程)。 印刷ヘッドの製造工程例を示す図である(第6工程)。 印刷ヘッドの製造工程例を示す図である(第7工程)。 印刷ヘッドの製造工程例を示す図である(第8工程)。 チップ素子の回路パターン例を示す図である。 印刷ヘッドの断面構造例を示す図である。 印刷ヘッドの平面構造例を示す図である。 チップ素子の他の回路パターン例を示す図である。 1階層型の配線パターンの配置例を示す図である。 1階層型の配線パターンの配置例を示す図である。 1階層型の配線パターンの等価回路図である。 2階層型の配線パターンの配置例を示す図である。 2階層型の配線パターンの等価回路図である。 2階層目の配線パターン例を示す図である。 1階層目の配線パターン例を示す図である。 制御用の配線パターン例を示す図である。 図16〜図18に示す配線パターンを重ねて示す図である。 偏向吐出に対応した発熱素子の配置例を示す図である。 偏向吐出用の配線パターン例を示す図である。 印加されるエネルギーと偏向吐出方向の関係を示す図である。
符号の説明
51 駆動トランジスタ部(駆動素子領域)
53 ヒーター部(発熱素子領域)
55 ロジック回路部(制御回路領域)
57 電極部
81 配線パターン(接地電位用)
83 電極(接地電位用)
85 配線パターン(電源電位用)
87 電極(電源電位用)

Claims (5)

  1. 液滴吐出用の回路素子を半導体層に集積したチップ素子であって、
    液体の共通流路と接する側面端部から液室の配置方向へ、駆動素子領域、発熱素子領域、制御回路領域を順に配置した回路パターン
    を有することを特徴とするチップ素子。
  2. 請求項1に記載のチップ素子において、
    電源電位用の配線パターンと接地電位用の配線パターンを、同一階層内に配置する
    ことを特徴とするチップ素子。
  3. 請求項1に記載のチップ素子において、
    電源電位用の配線パターンと接地電位用の配線パターンを、異なる階層内に配置する
    ことを特徴とするチップ素子。
  4. 液室内の液体を加熱して液滴を吐出する方式の液滴吐出ヘッドにおいて、
    基体に形成された液体の共通流路と、
    前記共通流路と接する側面端部から液室の配置方向へ、駆動素子領域、発熱素子領域、制御回路領域を順に配置したチップ素子と、
    基体上面に露出した前記共通流路の開口を、前記チップ素子の一部表面と一体的に封止する封止部材と
    を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 液室内の液体を加熱して液滴を吐出する方式の液滴吐出ヘッドと、被記録媒体と前記液滴吐出ヘッドを相対的に移動する駆動機構とを搭載する印刷装置において、
    前記液滴吐出ヘッドは、
    基体に形成された液体の共通流路と、
    前記共通流路と接する側面端部から液室の配置方向へ、駆動素子領域、発熱素子領域、制御回路領域を順に配置したチップ素子と、
    基体上面に露出した前記共通流路の開口を、前記チップ素子の一部表面と一体的に封止する封止部材と
    を有することを特徴とする印刷装置。
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