JP2001088297A - インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

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JP2001088297A
JP2001088297A JP26708199A JP26708199A JP2001088297A JP 2001088297 A JP2001088297 A JP 2001088297A JP 26708199 A JP26708199 A JP 26708199A JP 26708199 A JP26708199 A JP 26708199A JP 2001088297 A JP2001088297 A JP 2001088297A
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jet recording
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ink jet
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JP26708199A
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Nanao Inoue
七穂 井上
Satonobu Hamazaki
聡信 浜崎
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低エネルギー、高速且つ高効率で画像を記録
でき、しかも階調記録が可能なインクジェット記録ヘッ
ド、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装
置を得る。 【解決手段】 インクジェット記録ヘッド10のノズル
板32には、インク吐出口28の間に圧電素子30が設
けられており、この圧電素子30に対応して、ノズル板
32と基板26との間の空間がインクバッファー室44
とされている。インクがインク吐出口28から吐出され
るのに同期して圧電素子30が変位し、インクバッファ
ー室44の容積を増大させるので、インクタンク22か
らインク供給口34を経てインク室38にインクが流入
され、短時間でインクが充填される。また、圧電素子3
0の振動・変位によって、多値のインク滴を噴射して、
階調記録を行うことも可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録ヘッド、インクジェット記録方法及びインクジェット
記録装置に関し、さらに詳しくは、画像情報に基づいて
インク滴を画像記録媒体に吐出し画像を記録するインク
ジェット記録ヘッドと、このインクジェット記録ヘッド
によって画像記録媒体に画像を記録するインクジェット
記録方法及び、このインクジェット記録ヘッドを備えた
インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像記録媒体にインク滴を吐出して画像
記録を行うインクジェット記録方法は、画像記録の際に
発生する騒音が少なく、カラー化が容易であり、所謂普
通紙に記録でき、定着処理を必要としない、等の利点が
あるため、近年注目を集めている。特に、いわゆるオン
デマンド型インクジェット記録方法では、インクジェッ
ト記録ヘッドの小型化が容易であるため、家庭用やオフ
ィス用のインクジェット記録装置に広く適用されて、普
及してきている。
【0003】このオンデマンド型インクジェット記録方
法は、インクを噴射(吐出)させる方法の違いにより、
熱エネルギーを利用するものと、圧電素子(ピエゾ素
子)の振動エネルギーを利用するものに大別される。
【0004】熱エネルギーを利用するオンデマンド型イ
ンクジェット記録方法では、ノズル内に設けられた発熱
素子を画像情報に応じて発熱させ、発生したバブルの圧
力により、液滴を形成する。この発熱素子は小さくする
ことが可能であるため、高密度に配置することができる
が、発生したバブルが自然消滅するまでの時間が長く、
次の噴射までに長い時間を必要とする。すなわち、熱エ
ネルギーを利用するオンデマンド形インクジェット記録
方法は、高密度でノズルを配置できるが、インク噴射の
時間間隔が長くなって、画像記録の高速化を図ることが
難しいという課題を有する。また、インク滴の量を変化
させていわゆる階調記録を行うようにするために、1つ
のノズル内に複数の発熱素子を設けることが提案されて
いるが、高密度に配列したノズル内に複数の発熱素子を
設けることは、インクジェット記録ヘッド作成上の歩留
まりを下げることになる。
【0005】これに対し、圧電素子の振動エネルギーを
利用するインクジェット記録方法は、インク流路に設け
られた圧電素子を画像情報に応じて振動させ、この圧電
素子の歪みによってインク滴を形成するが、上記した熱
エネルギーを利用するものと比較して、インク滴を形成
するために圧電素子が広い領域を必要とするため、高密
度化、多ノズル化が難しい。しかし、圧電素子にかかる
電圧の波形を制御することで、インク吐出口のメニスカ
スや吐出後のインクの再供給を制御することが可能であ
るため、高い周波数での駆動(インク吐出)と、インク
滴の量を変化させた階調記録が可能となる。
【0006】このようなインクジェット記録方法の課題
を解決するため、熱エネルギーを利用するオンデマンド
型インクジェット記録方法のインクジェット記録ヘッド
において、図11に示すように、複数のノズル110に
共通して設けられた共通液室112に圧電素子114を
配置し、画像情報に応じた発熱素子116の駆動に対応
して、圧電素子114を振動させる提案がなされている
(特公平7−29435号参照)。
【0007】しかし、この構成では、圧電素子114を
共通液室112に設ける必要があり、圧電素子114か
らインク吐出口(ノズル110)までの距離が長くなる
ため、圧電素子からインクに作用する振動がインク吐出
口に至るまでに減衰してしまう。従って、ノズル110
の近傍でのインクのメニスカス位置を的確に制御するた
めには、高いエネルギーで圧電素子114を駆動させる
必要が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実を
考慮し、低エネルギー、高速且つ高効率で画像を記録で
き、しかも階調記録が可能なインクジェット記録ヘッ
ド、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装
置を得ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、インクが供給されるインク流路と、前記インク流路
内のインクを画像記録媒体に向かって吐出するためのイ
ンク吐出口と、画像情報に基づいて前記流路内のインク
に吐出エネルギーを印加するエネルギー印加手段と、前
記インク吐出口に隣接して設けられた圧電素子と、を有
することを特徴とする。
【0010】従って、エネルギー印加手段が画像情報に
基づいてインク流路内のインクに吐出エネルギーを印加
するため、このインクがインク吐出口から画像記録媒体
に向かって吐出し、画像記録媒体に画像が記録される。
【0011】インク吐出口に隣接した位置には、圧電素
子が設けられている。この圧電素子を、インク吐出口か
らのインク吐出に連動させて振動させることで、インク
流路へのインクの再供給を速やかに行うことができるの
で、1回のインク吐出に要する時間を短縮して、高速で
画像を記録することが可能となる。また、圧電素子の振
動によってインク吐出口近傍のインクのメニスカスを制
御し、エネルギー印加手段からインク吐出口までに充填
されたインクの量を調整することで、インク滴の体積を
効率良く変化させて、階調記録を行うことが可能とな
る。
【0012】圧電素子は、インク吐出口からのインク吐
出には使用していないので、圧電素子を振動させるため
に必要なエネルギーは、圧電素子の振動のエネルギーに
よってインク吐出させるインクジェット記録ヘッドと比
較して低くなる。しかも、圧電素子はインク吐出口に隣
接した位置に設けられているので、圧電素子から伝わっ
たインクの振動が、減衰することなくインク吐出口に達
する。このため、インクジェット記録ヘッドを小型化す
ると共に、低エネルギーで画像記録を行うことが可能と
なる。
【0013】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記インク吐出口が、前記エネルギ
ー印加手段と対面した位置に設けられていることを特徴
とする。
【0014】従って、エネルギー印加手段からエネルギ
ーを与えられたインクが直接的にインク吐出口から吐出
する。インクの吐出抵抗が低くなるので、低エネルギ
ー、高効率且つ高速で画像を記録することが可能とな
る。
【0015】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記インク吐出口が、
前記エネルギー印加手段と対面する位置に設けられた板
部材に形成され、前記圧電素子が、前記板部材に設けら
れていることを特徴とする。
【0016】すなわち、インク吐出口を板部材に形成す
ることで、所望の位置に、且つ高密度でインク吐出口を
配置することができる。板部材はエネルギー印加手段と
対面する位置に設けられているので、インク吐出口をエ
ネルギー印加手段と対面する位置に形成することも可能
となる。
【0017】さらに、圧電素子を板部材に設けること
で、板部材に形成されたインク吐出口に圧電素子を隣接
配置することが可能となる。
【0018】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記インク流路、前記インク吐出口
及び前記エネルギー印加手段が複数設けられ、前記圧電
素子が、前記エネルギー印加手段のそれぞれに隣接して
設けられていることを特徴とする。
【0019】このようにインク流路、インク吐出口及び
エネルギー印加手段を複数設けることで、高速且つ高効
率の画像記録が可能となる。
【0020】また、圧電素子をエネルギー印加手段のそ
れぞれに隣接して設けることで、インクの再供給及びイ
ンク吐出口近傍でのインクのメニスカス位置の制御をよ
り的確に行うことが可能となる。
【0021】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の発明において、前記インク流
路に流入するインクを貯留可能なインクバッファー室を
有し、前記圧電素子が、前記インク流路及び前記エネル
ギー印加手段に隣接して前記インクバッファー室に対向
するように設けられていることを特徴とする。
【0022】これにより、圧電素子の振動が減衰するこ
となくインクバッファー室内のインクに直接伝わり、イ
ンク流路へのインクの再供給を速やかに行うことができ
る。また、圧電素子の振動がインク流路に伝わりやすく
なり、圧電素子の変位量或いは振幅が小さくて済むの
で、圧電素子を小型化することができる。
【0023】請求項6に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記インク吐出口及び前記エネルギ
ー印加手段が所定数ごとに群を成し、前記圧電素子が、
前記群を構成する前記インク吐出口及び前記エネルギー
印加手段に対して共通に設けられていることを特徴とす
る。
【0024】このように、圧電素子をインク吐出口及び
エネルギー印加手段に対して共通に設けることで、部品
点数を少なくすることができるので、高速且つ低エネル
ギーで画像を形成することが可能となる。
【0025】請求項7に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記圧電素子が、前記インク吐出口
及び前記エネルギー印加手段のそれぞれに対応するよう
に分離して設けられていることを特徴とする。
【0026】このように圧電素子を分離することで、駆
動されたエネルギー印加手段に対応する圧電素子のみを
振動させて、インクの再供給やメニスカスの位置制御を
行うことができるので、圧電素子の振動に要するエネル
ギーが低くなると共に、高速での画像記録や、高画質の
階調記録が可能となる。
【0027】請求項8に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、隣接配置された一定数の前記インク
吐出口及び前記エネルギー印加手段によってブロックが
構成され、前記圧電素子が、前記ブロックごとに分離し
て設けられていることを特徴とする。
【0028】従って、圧電素子を、対応するブロックを
構成するそれぞれのエネルギー印加手段に対応して振動
させればよく、対応しない他のブロックのエネルギー印
加手段に対応して振動させる必要はない。このため、長
い時間間隔で、分離された圧電素子を振動させることが
でき、高速で画像を記録することが可能となる。
【0029】なお、ここでいう「一定数」とは、画像記
録に求められる記録速度や、製造コスト等との兼ね合い
から、最適な数に決定される。従って、複数のインク吐
出口及びエネルギー印加手段によってブロックが構成さ
れていてもよいし、1つのインク吐出口及びエネルギー
印加手段によってブロックが構成されていてもよい。
【0030】請求項9に記載の発明では、請求項4〜請
求項8のいずれかに記載の発明において、複数の前記イ
ンク室が一定方向に並べて配列されて複数の列が構成さ
れ、前記圧電素子が前記列の間に設けられていることを
特徴とする。
【0031】これにより、圧電素子の両側にインク室が
設けられていることになるので、圧電素子の振動が両側
のインク室のインクに伝播する。このため、効率的に圧
電素子の振動を利用することが可能になる。また、換言
すれば、圧電素子に対応するインク室が圧電素子の両側
に設けられていることになるため、圧電素子の数と比較
してインク吐出口をより多く設けることが可能となり、
多ノズル化を図ることができる。
【0032】なお、圧電素子をインク室の列の間に配置
する構成としては、例えば、各列の間に1つずつ圧電素
子を配置する(列の数をRとして、圧電素子の数が(R
−1)となる)構成であってもよいし、2本の列を組と
して、この2本の列の間に圧電素子を配置する(列の数
R(Rは偶数)に対して、圧電素子の数は(R/2)と
なる)構成であってもよい。
【0033】請求項10に記載の発明では、請求項1〜
請求項9のいずれかに記載の発明において、前記圧電素
子及び前記エネルギー印加手段のそれぞれに駆動信号を
送る接続部が、前記エネルギー印加手段の長手方向の端
部に設けられていることを特徴とする。
【0034】これにより、レイアウトの制限を受けるこ
となく圧電素子及びエネルギー印加手段を配列すると共
に、インクジェット記録ヘッドの小型化を図ることが可
能となる。
【0035】請求項11に記載の発明では、請求項4〜
請求項10のいずれかに記載の発明において、複数の前
記エネルギー印加手段を駆動する駆動素子が、エネルギ
ー印加手段の配列方向の両側に交互に配置されているこ
とを特徴とする。
【0036】これにより、少ないスペースで、エネルギ
ー印加手段を駆動するために必要な駆動素子の必要領域
(面積)を確保できる。
【0037】請求項12に記載の発明では、請求項1〜
請求項11のいずれかに記載の発明において、前記圧電
素子の長手方向略中央に対応した位置に、圧電素子の略
中央部分の変位を一定範囲に制限する制限手段が設けら
れていることを特徴とする。
【0038】これにより、圧電素子の振動の変位が、圧
電素子の長手方向に沿って均一化されるので、圧電素子
の端部と中央とで、対応するインク室へのインク供給速
度のや、インクのメニスカスの位置制御のばらつきを解
消することができる。
【0039】請求項1〜請求項12のいすれかに記載の
発明において、請求項13に記載のように、エネルギー
印加手段が、発熱体である構成とすることができる。こ
れにより、エネルギー印加手段を高密度に多数配置する
ことが可能となる。
【0040】また、請求項1〜請求項13のいすれかに
記載の発明において、請求項14に記載のように、前記
圧電素子が、前記基板上に下層電極、圧電体、上層電極
及び保護層を順次積層して構成されているようにするこ
とも可能である。
【0041】なお、請求項6に記載のインクジェット記
録ヘッドによって画像記録媒体に画像を記録するインク
ジェット記録方法としては、請求項15に記載のよう
に、前記群を構成する前記エネルギー印加手段のいずれ
かが駆動されるときの最小の時間間隔に同期させて前記
圧電素子を振動させる構成とすることができる。
【0042】また、請求項7に記載のインクジェット記
録ヘッドによって画像記録媒体に画像を記録するインク
ジェット記録方法としては、請求項16に記載のよう
に、前記エネルギー印加手段のそれぞれの駆動周期に同
期させて前記圧電素子を振動させる構成とすることがで
きる。
【0043】さらに、請求項8に記載のインクジェット
記録ヘッドによって画像記録媒体に画像を記録するイン
クジェット記録方法としては、請求項17に記載のよう
に、隣接配置された一定数の前記エネルギー印加手段の
うち少なくとも1つが駆動されると、これに同期させて
対応する圧電素子を振動させる構成とすることができ
る。
【0044】いずれのインクジェット記録方法でも、エ
ネルギー印加手段の駆動によるインク吐出に同期して圧
電素子が振動するので、インク流路へのインクの再供給
を速やかに行い、1回のインク吐出に要する時間を短縮
して、高速の画像記録が可能となる。また、圧電素子の
振動によってインク吐出口近傍のインクのメニスカスを
制御し、エネルギー印加手段からインク吐出口までに充
填されたインクの量を調整することで、インク滴の体積
を効率良く変化させて、階調記録を行うことが可能とな
る。
【0045】請求項18に記載の発明では、請求項1〜
請求項14のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッ
ドと、前記インクジェット記録ヘッドと前記画像記録媒
体とを画像記録媒体の記録面に沿った方向へ相対移動さ
せる移動手段と、を有することを特徴とする。
【0046】このため、インクジェット記録ヘッドから
インクが画像記録媒体に向かって吐出し、さらに、移動
手段によってインクジェット記録ヘッドと画像記録媒体
とが画像記録媒体の記録面に沿った方向へ相対移動され
ることで、画像記録媒体の所定領域に所望の画像が記録
される。
【0047】また、請求項1〜請求項14のいずれかに
記載のインクジェット記録ヘッドを有するので、高速で
画像を記録することが可能となると共に、階調記録を行
うことが可能となる。
【0048】さらに、圧電素子の振動のエネルギーによ
ってインク吐出させるものと比較して圧電素子の振動に
必要なエネルギーが低くなるので、画像記録に必要なエ
ネルギーも低くなる。加えて、インクジェット記録ヘッ
ドを小型化すると共に、低エネルギーで画像記録を行う
ことが可能となる。
【0049】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1実施形態
のインクジェット記録ヘッド10が部分的に拡大して示
されている。また、図2には、このインクジェット記録
ヘッド10を備えたインクジェット記録装置12が、一
部を破断して示されている。
【0050】図2に示すように、インクジェット記録装
置12は、インクジェット記録ヘッド10が搭載された
キャリッジ14を有している。キャリッジ14は、イン
クジェット記録装置12に設けられたシャフト16に沿
って、主走査方向(矢印M方向)へ移動する。
【0051】また、インクジェット記録装置12には、
記録用紙18を搬送する搬送ローラ20が設けられてい
る。記録用紙18は、搬送ローラ20に挟持されて搬送
され、副走査方向(矢印S方向)へと移動する。
【0052】図1にも示すように、インクジェット記録
ヘッド10にはインクタンク22が設けられており、こ
のインクタンク22の、記録用紙18との対向面側(図
1(B)の上側)が、インクジェット記録ヘッド10と
されている。なお、本実施形態のインクジェット記録ヘ
ッド10では、長手方向が副走査方向と一致し、短手方
向が主走査方向と一致しているため、図1においてイン
クジェット記録ヘッド10の長手方向が矢印Sで、短手
方向が矢印Mでそれぞれ示されていることになる。
【0053】インクジェット記録ヘッド10は、複数の
発熱体24が設けられたSiからなる基板26と、イン
ク吐出口28及び圧電素子30が設けられたノズル板3
2と、を有している。これらの基板26とノズル板32
とは、一定の間隔をあけて平行に配置されている。
【0054】基板26には、複数のインク供給口34が
形成されている。インク供給口34は、インクジェット
記録ヘッド10の長手方向に沿って長孔状とされると共
に、短手方向に沿って複数(本実施形態では3本)形成
されている。インクタンク22内のインクは、インク供
給口34を通って、基板26とノズル板32との間に流
入する。
【0055】基板26には、インク供給口34の間の位
置に、インクジェット記録ヘッド10の長手方向に沿っ
て複数の発熱体24が等間隔で設けられており、基板2
6とノズル板32との間隙のうち、発熱体24の近傍領
域がインク室38とされている。
【0056】それぞれの発熱体24は、基板26とノズ
ル板32の間に設けられた隔壁部材36によって隔離さ
れている。そして、インク供給口34から発熱体24の
近傍のインク室38までの部分までを含んで、インク流
路40が構成されている。また、それぞれの発熱体24
は、基板26に設けられた駆動トランジスタ42を介し
て制御回路(図示省略)に接続されており、画像情報に
応じた所定のタイミングで発熱する。
【0057】ノズル板32には、発熱体24に対応した
位置にインク吐出口28が形成されている。図3(A)
に示すように、発熱体24が発熱することによりインク
室38内のインクにバブルが生じ、図3(B)に示すよ
うにバブルの圧力によってインク滴が生じると、図3
(C)に示すように、このインク滴がインク吐出口28
から吐出され、記録用紙18(図2参照)に着弾して、
画像が記録される。
【0058】図1(A)から分かるように、本実施形態
では、発熱体24及びインク吐出口28を2列配置する
と共に、各列での発熱体24及びインク吐出口28の位
置をずらし、長手方向(矢印S方向)に沿って全体をみ
たときに等間隔となるように配置した、いわゆる千鳥配
置としている。これにより、1列当たりの解像度が2列
で2倍になる。本実施形態では、1列当たりの解像度を
400dpiとしており、2列で800dpiとなって
いる。
【0059】発熱体24及びインク吐出口28の、1列
あたりの数も特に限定されないが、本実施形態では1列
あたり128ビット配列し、全体として256ビットと
している。
【0060】また、図1(A)に示すように、発熱体2
4の配列方向に沿って見ると、各々の発熱体24に対応
した駆動トランジスタ42は、配列方向の左右に交互に
配置されている。例えば、図1(A)の最上の発熱体2
4Aを駆動する駆動トランジスタ42Aは図面の左側に
配置され、上から2番目の発熱体24Bを駆動する駆動
トランジスタ42Bは図面の右側に配置され、以下交互
に、奇数番目の発熱体24に対応した駆動トランジスタ
42は左側に、偶数番目の発熱体24に対応した駆動ト
ランジスタ42は右側に配置されている。一般に、発熱
体24への印加エネルギーは数マイクロジュールと大き
いため、このような大きなエネルギーに対応するために
は、駆動トランジスタ42の面積を広く確保する必要が
ある。上記したように駆動トランジスタ42を左右に交
互に配置したことで、基板26の短手方向の長さを短く
すると共に、駆動トランジスタ42の必要面積(大きな
印加エネルギー)を確保することが可能となっている。
【0061】ノズル板32には、インク吐出口28の間
に圧電素子30が設けられており、この圧電素子30に
対応して、ノズル板32と基板26との間の空間がイン
クバッファー室44とされている。インクバッファー室
44には、インク供給口34から基板26とノズル板3
2との間に流入したインクが一時的に貯留される。ま
た、圧電素子30は、インクバッファー室44側から順
に、下層電極46、圧電体48、上層電極50及び保護
層52が積層されて構成されると共に、長手方向端部か
ら図示しない制御回路に接続されており、後述するよう
に所定のタイミングで振動されて、インクバッファー室
44の容量が変化する。なお、インクバッファー室44
を平面視したときの面積は、圧電素子30からの振動が
十分に作用して、インクバッファー室44内の各領域に
おいて振動が均一化されるために十分な面積とされてい
る。また、このように十分な面積を確保したことで、イ
ンクバッファー室44の下方に配置された駆動トランジ
スタ42の面積を広く確保することも可能になってい
る。
【0062】インク吐出口28の下のインク室38と、
圧電素子30を有するインクバッファー室44とは、図
1(B)からも分かるように極めて隣接しており、イン
クバッファー室44の容量変化が、直接的にインク室3
8に伝わる。このため、後述するようにインク室38に
インクを再供給する際に、圧電素子30に高い変位や振
動を生じさせる必要がなく、大きな面積の圧電素子30
を必要としない。なお、圧電素子30の長手方向の長さ
は、1列の発熱体数と配列密度に依存し、これに応じて
短手方向の長さは数10〜数100μmであることが望
ましい。インク吐出口28の下のインク室38とインク
バッファー室44とを結ぶ流路長は、数10〜数100
μmであることが望ましい。また、これと略対向する位
置に設けられた(圧電素子を有しない側の)インク流路
40と略等しい流路抵抗にすることが望ましい。これ
は、両者の流路抵抗に大きな差がある場合、インクの再
供給に偏りを生じるからである。
【0063】また、圧電素子30及びインクバッファー
室44は、左右のインク室38の間に配置されているた
め、圧電素子30の振動によるインクバッファー室44
の容積変化が、左右の隣接したインク室38に伝わる。
従って、発熱体24の1つの列に対して1つの圧電素子
30を設けた場合と比較して、圧電素子30を効率的に
使用し、圧電素子30の数に対するインク吐出口28及
び発熱体24の数を多くすることができるので、多ノズ
ル化と圧電素子30の利用拡大の点で優れている。
【0064】なお、圧電素子30は、ノズル板32のイ
ンク面(インクバッファー室44側の面)及び反インク
面(記録用紙18に対向する面)のいずれに設けてもよ
いが、耐インク性を考慮する場合には、反インク面に設
けることが望ましい。
【0065】圧電体48の製法は特に限定されないが、
本実施形態の圧電体48は、酸化亜鉛をスパッタリング
することに作成した。一般に酸化亜鉛は振動効率が高
く、更にスパッタリングによる堆積方法では高い結晶配
向が得られる点で適している。この他、ペロブスカイト
構造の圧電体や有機系圧電体PVDF等を使用すること
ができる。また、電極層(上層電極50及び下層電極4
6)にはTaTiを用いた。この他、金属材料であれば
任意の素材を用いることが可能であるが、圧電体48と
の良好な接触をとるためには、高融点金属が望ましい。
下層電極46と上層電極50の絶縁を図るために、下層
電極46と圧電体48あるいは圧電体48と上層電極5
0の間に層間絶縁膜を設けることも可能である。保護層
52はTa 25を用いた。特に、反インク面はメンテナ
ンスの際にワイピングされるため比較的硬い絶縁素材を
用いることが望ましい。この他、SiO2が適している
が、これに限るものではない。保護層52上には、イン
ク撥水膜54を積層することが望ましい。本実施形態で
は、Cytop(旭ガラス社の商品名)のを用いたが、
これに限るものではない。このCytopとの密着性の
点で、保護層52の材質としてはTa25、SiO2
の酸化物が優れている。
【0066】図1(A)及び(B)に示すように、イン
クバッファー室44内には、基板26からノズル板32
に向かって支柱56が立設されており、この支柱56の
上端が、圧電素子30の長手方向略中央部分でノズル板
32を支持している。本実施形態のように細長い形状の
圧電素子30を長手方向両端近傍で支持した場合、長手
方向の中央部分と端部近傍とでは、変形量(歪み量)が
微妙に異なってしまうことがあるが、このように支柱5
6によってノズル板32を支持すると長手方向の中央部
分の変形量が制限されるので、ノズル板32の長手方向
の変形が均一化される。
【0067】次に、本実施形態のインクジェット記録ヘ
ッド10を使用したインクジェット記録方法について説
明する。
【0068】図4には、本実施形態のインクジェット記
録ヘッド10における駆動方法が示されている。通常、
多数のノズルを有するインクジェット記録装置では、電
源容量の制約やインクの再供給性の限界から一度にすべ
てのエネルギー印加手段を駆動して噴射をすることはし
ない。本実施形態では、同時に駆動する発熱体24の数
(同時駆動ビット数)として32ビットを単位とし、8
つの発熱体群(ブロック)に分割して画像情報に応じた
画素を形成する。同時駆動する発熱体は必ずしも隣接し
ている必要はないが、1つの発熱体24に注目したとき
の繰り返し周期の間に、8つの発熱体群すべてについて
対応するインク吐出口28からのインクの吐出を終了す
る必要がある。本実施形態のインクジェット記録ヘッド
10では、一例として、繰り返し周波数7kHz、発熱
体の駆動パルス幅2μsecで動作させている。
【0069】また、圧電素子30は発熱体群のうちのど
れかが駆動される最小の周期(最大の周波数)に同期し
て振動・変位させる。そして、圧電素子30の変位によ
り(図4において符号Aで示す部分を参照)、インクが
滴化する瞬間付近では、サテライト(微小なインクの飛
散等)の発生を抑制するために、インクメニスカスを強
制的に後退させる変位を圧電素子30が与える。
【0070】図3(A)〜(C)に示すように、インク
がインク吐出口28から吐出されると、インク室38内
は一時的にインクの量が少ない状態になる。そこで、イ
ンクの吐出後にインク室38にインクの再供給を強制的
に行う為に、圧電素子30が変位し(図4において符号
Bで示す部分を参照)、インクバッファー室44の容積
を増大させる。これにより、図3(D)に示すようにイ
ンクタンク22からインク供給口34を経てインク室3
8にインクが流入され、図3(E)に示すように、短時
間でインク室38内にインクが充填される。なお、図4
に示した圧電素子30の波形は一例であり、本実施形態
のインク流路40の構成・寸法に応じて適時選択され
る。例えば、正・負それぞれの振幅の大きさ、台形波・
正弦波・矩形波等の波形である。
【0071】このように、本実施形態では、発熱体24
の駆動に同期して圧電素子30を駆動させたので、サテ
ライトは現れず、しかも、すべての発熱体24を駆動し
てインク滴を噴射させたときにも、インクの再供給が充
分行われ、不吐出のノズルが現れることはなかった。こ
れに対して、圧電素子30を駆動させることなく、発熱
体24のみを駆動させた場合には、サテライトが発生し
た。また、すべての発熱体24を駆動してインク滴を吐
出させると、インクの再供給が不充分となって、不吐出
のインク吐出口28が発生した。
【0072】図5には、本発明の第2実施形態のインク
ジェット記録ヘッド60が示されている。以下、第1実
施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を
付して説明を省略する。
【0073】このインクジェット記録ヘッド60では、
発熱体24が3列配置され、これら発熱体24の列の間
に、圧電素子30が1本ずつ(合計2本)設けられてい
る点が、第1実施形態のインクジェット記録ヘッド10
と異なっている。
【0074】一般に、発熱体の配列数をR本(Rは複
数)に対して、間に挟むように(R−1)本の圧電素子
を設けることが、多ノズル化と圧電素子30の利用拡大
の点で望ましい。従って、この構成においては、発熱体
24と圧電素子30の両者の駆動・制御信号は基板26
の長手方向の端部で外部と接続することが望ましい。な
お、複数の発熱体配列を持つ場合には、複数色をいくつ
かの発熱体配列に振り分けることが可能である。
【0075】また、発熱体24及びインク吐出口28
は、各列ごとにその位置を配列方向に沿ってずらして、
3列全体で長手方向(配列方向)沿って全体をみたとき
に等間隔となるように配置したいわゆる千鳥配置として
いる。従って、例えば1列当たりの解像度を400dp
iとした場合、3列で1200dpiとなる。
【0076】図6には、本発明の第3実施形態のインク
ジェット記録ヘッド70が示されている。第3実施形態
においても、第1実施形態と同一の構成要素、部材等に
ついては同一符号を付して説明を省略する。
【0077】このインクジェット記録ヘッド70も第2
実施形態のインクジェット記録ヘッド60と同様、発熱
体24及びインク吐出口28は3列配置されると共に、
いわゆる千鳥配置とされている。発熱体24及びインク
吐出口28は、一例として1列128ビットで、3列合
計では384ビットとされている。また、圧電素子30
は、8ビットの発熱体24に対して1本設けられてお
り、1列の発熱体24に対して16本、全体では、16
×2=32の独立・分割された圧電素子30が設けられ
ている。この点において、第3実施形態は第2実施形態
と異なっている。
【0078】そして、各発熱体24の配列の隣接8ビッ
トの列を3列を合わせて発熱体24の1ブロックを形成
する。従って、1ブロックの発熱体数は、8×3=24
ビットであり、これらの発熱体24の間に独立して分割
配置された2つの圧電素子30がこの発熱体24のブロ
ックの駆動に同期して、変位・振動する。すなわち、ブ
ロックの繰り返し同期に同期して、変位・振動する点が
第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。これによ
り、他のブロックの影響を受けることなく、長い時間間
隔の中で独立、分割した圧電素子30を変位・振動でき
るため、図7にも示すように、高周波数(高速)駆動が
可能になる。本実施形態では一例として、15kHzの
繰り返し周波数で駆動したが、サテライトの発生はな
く、いわゆるベタ印字でも掠れることはなかった。これ
に対し、圧電素子30を発熱体24の駆動に同期して振
動・変位させない場合には、12kHzのベタ印字が限
界であった。このように、本実施形態のインクジェット
記録ヘッド10ではインクの再供給性が高められている
が、この効果は、1つのインク室38に双方向からイン
クが供給されていることの他に、圧電素子30の振動・
変位による、強制的なインク供給によるところが大き
い。
【0079】これとは別に、本発明の第3実施形態のイ
ンクジェット記録ヘッド70では、圧電素子30の振動
・変位によって、多値のインク滴を噴射することも可能
である。より具体的には、ある特定のインク滴を構成す
る発熱体24で大小2つのインク滴を噴射するために
は、図8に示すように、最初に大きいインク滴に対応す
る振動・変位を圧電素子30に与え、次のタイミングで
小さいインク滴に対応する振動・変位を圧電素子に与え
る時分割振動で実現される。本実施形態は、大小2つの
インク滴を噴射することに成功したが、さらに圧電素子
30の振動(変位量)を制御することで、さらに多段階
の大きさのインク滴を吐出することも可能となる。
【0080】図9には、本発明の第4実施形態のインク
ジェット記録ヘッド80が示されている。第4実施形態
においても、第1実施形態と同一の構成要素、部材等に
ついては同一符号を付して説明を省略する。
【0081】このインクジェット記録ヘッド80では、
1列128ビットの発熱体24及びインク吐出口28が
2列配置され、合計で256ビットの発熱体24及びイ
ンク吐出口28が設けられている。これらの発熱体24
及びインク吐出口28は、第1実施形態のインクジェッ
ト記録ヘッド10と同様、いわゆる千鳥配置とされてい
る。
【0082】圧電素子30は、発熱体24及びインク吐
出口28の列の数と同数、すなわち2列配置されてお
り、各列には互いに独立した16本の圧電素子30が分
割して配置されている。従って、全体では16×2=3
2本の独立・分割された圧電素子30が発熱体24及び
インク吐出口28に対応して設けられている。
【0083】そして、各発熱体24の配列の隣接8ビッ
トで発熱体24の1ブロックを構成し、第3実施形態と
同様に、1つの独立・分割された圧電素子30が発熱体
24の1ブロックの振動に同期して、変位・振動する。
従って、ブロックの繰り返し周期に同期して、圧電素子
30が変位・振動するところが第1実施形態及び第2実
施形態とは異なる。これにより、他のブロックの影響を
受けることなく、長い時間間隔の中で独立・分割した圧
電素子30を変位・振動できるため、高周波数(高速)
駆動が可能になる。本実施例では、15kHzの繰り返
し周波数で駆動したが、サテライトの発生はなく、また
ベタ印字でも掠れることはなかった。他方、圧電素子を
発熱体駆動に同期して振動・変位させない場合には、1
2kHzのベタ印字が限界であった。
【0084】これとは別に、本発明の第4実施形態のイ
ンクジェット記録ヘッド80では、圧電素子30の振動
・変位によって、多値のインク滴を噴射することが可能
である。すなわち、第3実施形態と同様、ある特定ブロ
ックの発熱体24で大小2つのインク滴を噴射するため
には、最初に大きいインク滴に対応する振動・変位を圧
電素子30に与え、次のタイミングで小さいインク滴に
対応する振動・変位を圧電素子に与える時分割駆動で実
現される。本実施形態では、大小2つのインク滴を噴射
することに成功したが、さらに圧電素子30の振動(変
位量)を制御することで、さらに多段階の大きさのイン
ク滴を吐出することも可能となる。
【0085】図10は、本発明の第5実施形態のインク
ジェット90が示されている。第5実施形態において
も、第1実施形態と同一の構成要素、部材等については
同一符号を付して説明を省略する。
【0086】このインクジェット90では、第4実施形
態のインクジェット記録ヘッド80と同様、1列128
ビットの発熱体24及びインク吐出口28が2列で千鳥
配置され、合計で256ビットの発熱体24が設けられ
ているが、圧電素子30は、それぞれの発熱体24に対
応して独立・分割されて設けられており、この点が第4
実施形態と異なっている。そして、同時に駆動する発熱
体24の数32ビットを単位として、8つのブロックに
分割し、画素情報に応じた画素を形成する。同時駆動す
る発熱体24は、必ずしも隣接している必要はない。本
発明では、個々の発熱体24の駆動に対してそれぞれの
圧電素子が繰り返し周期に同期して、変位・振動する。
【0087】これとは別に、本発明の第5実施形態のイ
ンクジェット90では、圧電素子30の振動・変位によ
って、第3実施形態及び第4実施形態と同様、多値のイ
ンク滴を噴射することが可能である。
【0088】また、圧電素子30が個々の発熱体24及
びインク吐出口28に対して独立・分割しているため、
異なる発熱体24で大小2つのインク滴を、同一のタイ
ミングで吐出することも可能である。
【0089】以上説明したように、本発明のいずれのイ
ンクジェット記録ヘッドにおいても、圧電素子30をイ
ンク吐出口28に隣接して配置するように構成し、エネ
ルギー印加手段(発熱体24)に連動させて、すなわち
インク吐出に連動させて圧電素子30を振動させるの
で、インク流路へのインクの再供給を速やかに行って、
高速での画像記録が可能になると共に、インク吐出口近
傍のインクのメニスカスを制御して、階調記録を行うこ
とが可能となる。
【0090】なお、上記説明では、発熱体24及びイン
ク吐出口28の列の数Rに対して、圧電素子30の列の
数が(R−1)とされたもの、及びこれらが同数とされ
たものを例として挙げたが、これらの列の数は上記した
ものに限定されない。例えば、発熱体24及びインク吐
出口28の列の数Rに対して、圧電素子30の列の数が
(R/2)とされたもの(すなわち、図1に示す構成
が、短手方向に複数配置されている)であってもよい。
これにより、圧電素子30の利用拡大の点でさらに優れ
ることとなる。
【0091】また、本発明のエネルギー印加手段として
も、上記した発熱体24に限定されない。すなわち、画
像情報に基づいて、インク流路(インク室38)内のイ
ンクに、インク吐出口28から吐出可能なエネルギーを
印加可能であればよい。特に、上記各実施形態のように
発熱体24を用いると、発熱体24自体を小型化するこ
とにより、インクジェット記録ヘッドのノズル(インク
吐出口28)の高密度化、多ノズル化を図ることが可能
となる。
【0092】
【発明の効果】本発明は上記構成としたので、低エネル
ギー、高速且つ高効率で画像を記録でき、しかも階調記
録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るインクジェット
記録ヘッドを示し、(A)は平面図、(B)は(A)を
I−I線で破断して示す概略断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係るインクジェット
記録装置を一部破断して示す斜視図である。
【図3】 (A)〜(E)は、本発明の第1実施形態に
係るインクジェット記録ヘッドからインク滴が吐出され
る様子を時系列的に示す説明図である。
【図4】 本発明の第1実施形態に係るインクジェット
記録ヘッドの発熱体及び圧電素子の駆動タイミングと印
加エネルギーの関係を定性的に示すグラフである。
【図5】 本発明の第2実施形態に係るインクジェット
記録ヘッドを示し、(A)は平面図、(B)は(A)を
V−V線で破断して示す概略断面図である。
【図6】 本発明の第3実施形態に係るインクジェット
記録ヘッドを示し、(A)は平面図、(B)は(A)を
VI−VI線で破断して示す概略断面図である。
【図7】 本発明の第3実施形態に係るインクジェット
記録ヘッドの発熱体及び圧電素子の駆動タイミングと印
加エネルギーの関係を定性的に示すグラフである。
【図8】 本発明の第3実施形態に係るインクジェット
記録ヘッドにおいて大小のインク滴を吐出する場合の発
熱体及び圧電素子の駆動タイミングと印加エネルギーの
関係を定性的に示すグラフである。
【図9】 本発明の第4実施形態に係るインクジェット
記録ヘッドを示し、(A)は平面図、(B)は(A)を
IX−IX線で破断して示す概略断面図である。
【図10】 本発明の第4実施形態に係るインクジェッ
ト記録ヘッドを示し、(A)は平面図、(B)は(A)
をX−X線で破断して示す概略断面図である。
【図11】 従来のインクジェット記録ヘッドを示す斜
視図である。
【符号の説明】 10 インクジェット記録ヘッド 12 インクジェット記録装置 14 キャリッジ(移動手段) 20 搬送ローラ(移動手段) 24 発熱体(エネルギー印加手段) 28 インク吐出口 30 圧電素子 32 ノズル板(板部材) 38 インク室(インク流路) 40 インク流路 44 インクバッファー室 46 下層電極 48 圧電体 50 上層電極 52 保護層 56 支柱(制限手段)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが供給されるインク流路と、 前記インク流路内のインクを画像記録媒体に向かって吐
    出するためのインク吐出口と、 画像情報に基づいて前記流路内のインクに吐出エネルギ
    ーを印加するエネルギー印加手段と、 前記インク吐出口に隣接して設けられた圧電素子と、 を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記インク吐出口が、前記エネルギー印
    加手段と対面した位置に設けられていることを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記インク吐出口が、前記エネルギー印
    加手段と対面する位置に設けられた板部材に形成され、 前記圧電素子が、前記板部材に設けられていることを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記インク流路、前記インク吐出口及び
    前記エネルギー印加手段が複数設けられ、 前記圧電素子が、前記エネルギー印加手段のそれぞれに
    隣接して設けられていることを特徴とする請求項3に記
    載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記インク流路に流入するインクを貯留
    可能なインクバッファー室を有し、 前記圧電素子が、前記インク流路及び前記エネルギー印
    加手段に隣接して前記インクバッファー室に対向するよ
    うに設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項
    4のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記インク吐出口及び前記エネルギー印
    加手段が所定数ごとに群を成し、 前記圧電素子が、前記群を構成する前記インク吐出口及
    び前記エネルギー印加手段に対して共通に設けられてい
    ることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記圧電素子が、前記インク吐出口及び
    前記エネルギー印加手段のそれぞれに対応するように分
    離して設けられていることを特徴とする請求項4に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 隣接配置された一定数の前記インク吐出
    口及び前記エネルギー印加手段によってブロックが構成
    され、 前記圧電素子が、前記ブロックごとに分離して設けられ
    ていることを特徴とする請求項4に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 複数の前記インク室が一定方向に並べて
    配列されて複数の列が構成され、 前記圧電素子が前記列の間に設けられていることを特徴
    とする請求項4〜請求項8のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記圧電素子及び前記エネルギー印加
    手段のそれぞれに駆動信号を送る接続部が、前記エネル
    ギー印加手段の長手方向の端部に設けられていることを
    特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 複数の前記エネルギー印加手段を駆動
    する駆動素子が、エネルギー印加手段の配列方向の両側
    に交互に配置されていることを特徴とする請求項4〜請
    求項10のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】 前記圧電素子の長手方向略中央に対応
    した位置に、圧電素子の略中央部分の変位を一定範囲に
    制限する制限手段が設けられていることを特徴とする請
    求項1〜請求項11のいずれかに記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記エネルギー印加手段が発熱体であ
    ることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに
    記載のインクジェット記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記圧電素子が、前記基板上に下層電
    極、圧電体、上層電極及び保護層を順次積層して構成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜請求項13のいず
    れかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  15. 【請求項15】 請求項6に記載のインクジェット記録
    ヘッドによって画像記録媒体に画像を記録するインクジ
    ェット記録方法であって、 前記群を構成する前記エネルギー印加手段のいずれかが
    駆動されるときの最小の時間間隔に同期させて前記圧電
    素子を振動させることを特徴とするインクジェット記録
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項7に記載のインクジェット記録
    ヘッドによって画像記録媒体に画像を記録するインクジ
    ェット記録方法であって、 前記エネルギー印加手段のそれぞれの駆動周期に同期さ
    せて前記圧電素子を振動させることを特徴とするインク
    ジェット記録方法。
  17. 【請求項17】 請求項8に記載のインクジェット記録
    ヘッドによって画像記録媒体に画像を記録するインクジ
    ェット記録方法であって、 隣接配置された一定数の前記エネルギー印加手段のうち
    少なくとも1つが駆動されると、これに同期させて対応
    する圧電素子を振動させることを特徴とするインクジェ
    ット記録方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜請求項14のいずれかに記
    載のインクジェット記録ヘッドと、 前記インクジェット記録ヘッドと前記画像記録媒体とを
    画像記録媒体の記録面に沿った方向へ相対移動させる移
    動手段と、 を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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