JP2006313004A - 熱交換システム、熱交換方法、並びに液化ガスの気化方法および冷熱回収方法 - Google Patents

熱交換システム、熱交換方法、並びに液化ガスの気化方法および冷熱回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被冷却媒体の凝結を防いで設備を停止することなく連続運転して効率的に液化ガスの気化およびその冷熱の回収を行う熱交換システムおよび熱交換方法を提供する。
【解決手段】液化ガスと被冷却媒体との間で熱交換を行わせる熱交換システムであって、熱交換器1により熱交換された被冷却媒体の凝固点を超える温度の液化ガス又はその気化したガスを熱交換器から取り出す取出管路6と、取出管路により熱交換器から取り出した液化ガス又はその気化したガスを液化ガス供給管路3、4に戻して、供給する液化ガスと混合し、この混合液を熱交換器中に供給する手段7とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は熱交換システムに関し、詳しくは、本発明は被冷却媒体の凝結を防いで効率よく液化ガスの気化およびその冷熱の回収を行う熱交換システムおよび熱交換方法に関する。
従来、液化ガスを熱交換器に流し、流路の管壁を介して被冷却媒体との熱交換を行うことで、液化ガスの気化およびその冷熱の回収を行っている。ここで、被冷却媒体が凝結(凝固・凍結)すると、その流路が狭められて圧力損失が増大し、被冷却媒体の循環不良を招き、さらには流路を塞いでしまうという問題がある。このような問題が生じた場合、設備を完全に停止して流路を温めて凍結した被冷却媒体を解凍しなければならず、非効率的である。
したがって、被冷却媒体としてはその凝固点が液化ガスの沸点よりも低い物質が望まれる。このような物質としてフロンが好適であったが、代替フロンとして上記性質を満たす物質は未だ見つかっておらず、被冷却媒体の凝結を防ぐことが課題となっている。
例えば、非特許文献1に記載された方法では、まず液化天然ガス(LNG)を蒸発器に通して加熱蒸気と熱交換を行って液化天然ガスを気化し、その後に熱交換器に通して被冷却媒体(海水)と熱交換を行う。この方法によれば、液化天然ガスを熱交換器内で被冷却媒体と直接熱交換する前に加熱蒸気と熱交換することで液化天然ガスの温度を上げて被冷却媒体の凝結を防ぐことができるが、この方法は2段階のプロセスを必要とするため設備のコストがかかるという問題があった。また、この方法では液化天然ガスの冷熱を一部廃棄してしまうこととなり、液化天然ガスの冷熱を完全に回収できないという問題があった。
一方、特許文献1に記載された熱交換器は、熱交換器内における低温液化ガスを流す第一流路の上手側の伝熱隔壁を、下手側の伝熱隔壁と比べて熱抵抗を大きく構成することで、該流路の上手側の伝熱隔壁表面付近の被冷却媒体が凝固することを防ぐことができる。しかし、流路の構造が複雑であるため設備のコストがかかるという問題があった。また、該流路の下手側の伝熱隔壁については熱抵抗を小さく構成しているため、低温液化ガスの流速を上げると該流路の下手側の伝熱隔壁表面付近で被冷却媒体が凝固するおそれがあった。
特開平9−178374号公報 「LNG産業技術資料集」,日本技術経済センター,昭和47年,p.38−40
本発明は、被冷却媒体の凝結を防いで設備を停止することなく連続運転して効率的に液化ガスの気化およびその冷熱の回収を行う熱交換システムおよび熱交換方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、液化ガスを熱交換器に供給する前に熱交換後の温められた液化ガスと混合し、この混合液化ガスを熱交換器に供給して、熱交換器内に供給する液化ガスの温度を被冷却媒体の凝固点を超える温度にしてから熱交換を行うことで、被冷却媒体が凍結するのを防ぐことができることを見い出した。本発明はこのような知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
[1]熱交換器内に液化ガスを管路より供給し、被冷却媒体を該熱交換器中の管流路に供給して、前記管流路の管壁を介して前記の液化ガスと被冷却媒体との間で熱交換を行わせる熱交換システムであって、
(a)前記熱交換器により熱交換された、被冷却媒体の凝固点を超える温度の液化ガス又はその気化したガスを前記熱交換器から取り出す取出管路と、
(b)前記(a)の、取出管路により熱交換器から取り出した液化ガス又はその気化したガスを前記液化ガス供給管路に戻して、供給する液化ガスと混合し、この混合液を熱交換器中に供給する手段
とを有し、これにより前記熱交換器内の温度を被冷却媒体の凝固点を超える温度に保持して、液化ガスを気化するとともにその冷熱を回収することを特徴とする熱交換システム、
[2]前記(b)の、熱交換器から取り出した液化ガス又はその気化したガスと供給される液化ガスとの混合を、エゼクターを用いて行うことを特徴とする[1]項に記載の熱交換システム、
[3]熱交換器内に液化ガスを管路より供給し、被冷却媒体を該熱交換器中の管流路に供給して、前記管流路の管壁を介して前記の液化ガスと被冷却媒体との間で熱交換を行わせる熱交換方法であって、
前記液化ガスを熱交換器内に供給する前に、
(a)前記熱交換器により熱交換された、被冷却媒体の凝固点を超える温度の液化ガス又はその気化したガスを前記熱交換器から取り出して前記液化ガス供給管路に戻し、
(b)前記の熱交換器から取り出した液化ガス又はその気化したガスを前記の供給する液化ガスと混合し、
熱交換器内に供給する液化ガスの温度を前記被冷却媒体の凝固点を超える温度にしてから熱交換を行うことを特徴とする熱交換方法、
[4]前記(b)の混合を行う際にエゼクターを用いることを特徴とする[3]項に記載の熱交換方法、
[5][3]又は[4]項に記載の熱交換方法により液化ガスを気化する方法、および
[6][3]又は[4]項に記載の熱交換方法により液化ガスの冷熱を回収する方法
を提供するものである。
本発明のシステムは、簡潔な構成で被冷却媒体の凝結を防ぎ、比較的低温で熱の回収利用ができる。
また、本発明の方法によれば、被冷却媒体の凝結を防いで、設備を停止することなく連続運転して効率的に液化ガスの気化およびその冷熱の回収を行うことができる。
次に本発明の好ましい一実施態様について、添付の図面に基づいて詳細に説明をする。なお、各図の説明において同一の要素には同一の符号を付す。
図1は、本発明の熱交換システムの好ましい一実施態様を示す構成図である。本発明の熱交換システムは、熱交換器1、熱交換器1中に配置された被冷却媒体を流す管流路2、熱交換器1へ液化ガスを供給する液化ガス供給管3及び4、熱交換により気化したガスを回収するガス回収管5、熱交換器1で熱交換された液化ガスを前記熱交換器1から取り出す取出管路6、液化ガス供給管3と4との間に配置された混合手段7を含んでなる。
熱交換器1は密閉状のタンクであり、その内部には被冷却媒体を流す管流路2が配置されている。また、熱交換器1には液化ガス供給管4及びガス回収管5が接続されており、熱交換器1内は供給された液化ガス8及びその気化したガス9で満たされている。
さらに、熱交換器1には熱交換された液化ガスを前記熱交換器1から取り出す取出管路6が接続されており、取出管路6は熱交換器1と液化ガス供給管3と4との間に配置された混合手段7とを連結する。
熱交換器1内には、仕切り板10が配置されていることが好ましい。液化ガス供給管4より供給される液化ガスが熱交換器1内の管流路2に直接吐出されると、液化ガスに接触した部分周辺の被冷却媒体が急冷され凝結することがある。このため、これを防ぐ役割を有する仕切り板10を上部に間隙を設けて配置する。液化ガス8及びその気化したガス9はこの間隙を通って隣室に流動することができる。
また、熱交換器1には、内部の温度を被冷却媒体の凝固点を超える温度に保持する手段(図示せず)が設置される。当該手段は特に限定されないが、例えば、熱交換器内に温度計を設置して内部の温度を監視し、温度変化に応じて液化ガス及び被冷却媒体の流量を変化させることで制御することができる。具体的には、内部の温度が被冷却媒体の凝固点以下となる場合には被冷却媒体の流速を上げたり供給される液化ガスの流量を少なくしたりして内部の温度を制御する。
また、熱交換器1内部の温度及び圧力は、液化ガスが気液平衡状態となる温度及び圧力が好ましい。例えば、−100℃の液化エチレンを液化ガスとして用いる場合、熱交換器1の内部の温度を−31℃前後とし、圧力を1.9MPaA(単位の後の「A」は絶対圧力を表す)とすることが好ましい。
熱交換器1中に配置された管流路2の管壁に液化ガスが接触することで、該管壁を介して、管流路2内を流れる被冷却媒体と熱交換器1内の液化ガスとの間で熱交換が行われる。効率的な熱交換のためには、液化ガスが管流路2に接触する面積が大きいことが好ましく、例えば、管流路2は熱交換器1内でコイル状に配置されていてもよい。
液化ガス供給管3と4との間に混合手段7が配置されている。混合手段7には、熱交換器1で熱交換された液化ガスを前記熱交換器1から取り出して混合手段7へ送る取出管路6が接続される。該混合手段7により、供給する液化ガスを、熱交換器1により熱交換された、被冷却媒体の凝固点を超える温度の液化ガスと混合し、この混合液化ガスを熱交換器1に供給して、熱交換器1内に供給する液化ガスの温度を前記被冷却媒体の凝固点を超える温度にすることで、熱交換時の被冷却媒体の凝結を防止する。
混合手段7は特に限定されず、例えばインラインミキサーやドラムを用いることもできる。ただし、インラインミキサー等を用いる場合は、熱交換器1で熱交換された液化ガスを取出管路6を通じて混合手段7へ送るために、ポンプ等の動力機器が必要となる。
本発明では、混合手段7としてエゼクターを用いることが特に好ましい。
エゼクター(ejector:エジェクター又はジェットポンプともいう)は、その内部において、第一流体(本発明では供給液化ガス)をノズルから吸引室に噴出させ、ついでディフューザーに流入させ、このため低圧になった吸引室に第二流体(本発明では取出管路6を通じて混合手段7に移送される熱交換器1で熱交換された液化ガス)を吸引させてディフューザーから第一流体と混合昇圧して排出させる装置である。第一流体及び第二流体はディフューザーの前半部で混合され、後半部では速度を減じて昇圧しつつ吐出口に向かう。エゼクターは、高圧の第一流体を末広ノズルより噴出させると低圧超音速流となり第二流体を吸い込むため、圧力差を駆動源としポンプ等の動力機器を必要としないという利点を有する。
本発明では、エゼクターは特に限定されず、市販のものを用いることができる。例えば、北斗社の5PS−Wや5PS−WG(いずれも商品名)などを用いることもできる。
本発明を適用する液化ガスの種類は特に限定されず、具体的には液化天然ガス(LNG)、液体エチレン、液化石油ガス(LPG)、液化プロピレンなどを用いることができる。
本発明に使用される被冷却媒体としては特に限定されず、供給される液化ガスの温度と被冷却媒体の凝固点とを考慮して適宜選択することができる。被冷却媒体としては、使用する液化ガスより高温(より好ましくは5℃以上)であり、かつ、凝固点が低いという性質を有するものが好ましい。被冷却媒体の具体例としては、例えば海水、蒸気(スチーム)、メタノール水溶液などが挙げられる。
液化ガスおよび被冷却媒体の各流量は、熱交換器1内の液化ガスが気液平衡状態となるように適宜決定される。例えば、−100℃の液化エチレンを液化ガスとして用い、−11℃のメタノール水溶液(メタノール濃度46wt%)を被冷却媒体として用いる場合、液化ガスと被冷却媒体との流量比は1:7以上が好ましく、1:7.8〜1:8.8がより好ましい(出口温度差を3〜5℃とした場合)。
本発明の熱交換システムの作用について図1を参照しながら説明する。ここでの混合手段7はエゼクターである。
まず、管流路2に被冷却媒体を流通させる一方、液化ガス供給管3より液化ガスを供給する。この際、液化ガス供給管3と4との間に設けられたエゼクター7を液化ガスが通過するときに、エゼクター7内部に圧力差が生じ、熱交換器1で熱交換された液化ガスが取出管路6から取り出されてエゼクター7に移送され、エゼクター7内で2つの温度の液化ガスが混合される。混合された液化ガスの温度は被冷却媒体の凝固点を超える温度にされる。
混合された液化ガスはエゼクター7から吐出され液化ガス供給管4より熱交換器1に供給される。この際、熱交換器1内部の温度を被冷却媒体の凝固点を超える温度に保持するように、液化ガス及び被冷却媒体の流量を制御する。
熱交換器1内に供給された混合液化ガス8は、仕切り板10を越えて隣室に移動し、熱交換器1内に配置された管流路2の管壁に接触して、該管壁を介して液化ガスと被冷却媒体との間で熱交換を行う。熱交換により液化ガスは気化する。熱交換器1内は液化ガス8及びその気化したガス9とで満たされる。
気化したガスはガス回収管5から回収する。一方、被冷却媒体に与えられた冷熱は被冷却媒体とともに回収する。また、熱交換により温められた液化ガスは取出管路6から取り出されてエゼクター7に移送され、液化ガス供給管3から新たに供給される液化ガスと混合される。
このようにして液化ガスの一部を循環させながら熱交換を行う。
次に、本発明の別の好ましい一実施態様について図2を参照しながら説明をする。
図2は、本発明の熱交換システムの別の好ましい一実施態様を示す構成図である。図2の熱交換システムは、熱交換器1で熱交換された液化ガスを前記熱交換器1から取り出して混合手段7へ送る取出管路6の代わりに、熱交換器1で熱交換され気化したガスを混合手段7へ送るガス取出管路11を備える。
ガス取出管路11は、ガス回収管5および混合手段7に接続されている。熱交換により気化したガスはガス回収管5により回収されるが、一部はガス取出管路11から取り出されて混合手段7へ送られ、液化ガス供給管3から供給する液化ガスと混合される。この混合液化ガスを熱交換器1に供給して、熱交換器1内に供給する液化ガスの温度を前記被冷却媒体の凝固点を超える温度にすることで、熱交換時の被冷却媒体の凝結を防止する。
この実施態様の熱交換システムの他の構成や作用、効果は、図1に示した熱交換システムとほぼ同様であるのでそれらの説明は省略する。
本実施態様のように、気化したガスを供給液化ガスと混合することで取出管路6での気液混相流を防止できるというメリットがある。
なお、図示しないが、図1と図2の実施態様を組み合わせて、取出管路6とガス取出管路11の両方を備えた実施態様も好ましい。この場合、取出管路6およびガス取出管路11のそれぞれに切替えバルブを設け、該バルブの一方又は両方を開くことで液化ガス及び/又はその気化したガスを取り出すことができる。
次に、本発明の熱交換方法について説明する。
本発明は以下のステップ(1)〜(4)を繰り返すことにより熱交換を行う。
(1)熱交換器により熱交換された、被冷却媒体の凝固点を超える温度の液化ガス又はその気化したガスを前記熱交換器から取り出して液化ガス供給管路に戻す。
(2)前記の熱交換器から取り出した液化ガス又はその気化したガスを、供給する液化ガスと混合する。
(3)混合した液化ガスを熱交換器に供給する。
(4)熱交換器内に供給した混合液化ガスを、熱交換器内に配置された被冷却媒体を流す管流路の管壁に接触させ、該管壁を介して液化ガスと被冷却媒体との間で熱交換を行う。
上記の熱交換により、液化ガスが気化する一方、その冷熱が被冷却媒体に与えられる。気化したガスを回収する一方、冷熱を被冷却媒体とともに回収する。
上記ステップ(1)では、熱交換器により熱交換された、被冷却媒体の凝固点を超える温度の液化ガス又はその気化したガスを前記熱交換器から取り出して液化ガス供給管路に戻す。また、上記ステップ(2)では、前記の熱交換器から取り出した液化ガス又はその気化したガスを、供給する液化ガスと混合する。そして、上記ステップ(3)では、混合した液化ガスを熱交換器に供給する。このように本発明は、被冷却媒体の凝固点を超える温度に温められた熱交換後の液化ガス又はその気化したガスの一部を循環させながら熱交換を行うことで熱交換時の被冷却媒体の凝結を防止することを特徴とする。
混合手段としては任意のものを用いることができるが、エゼクターを用いることが特に好ましい。
上記ステップ(4)では、一般的な熱交換器を用いる従来の熱交換方法と同様に、液化ガスを、熱交換器内に配置された被冷却媒体を流す管流路の管壁に接触させ、該管壁を介して液化ガスと被冷却媒体との間で熱交換を行い、液化ガスを気化させると同時にその冷熱を被冷却媒体により回収する。
上記の熱交換方法を用いることで、被冷却媒体の凝結を防ぐことができるため設備を停止することなく連続運転して効率的に液化ガスを気化すると同時にその冷熱を回収することができる。
本発明による冷熱回収効率は、設備表面からの放熱を考慮しなければ理論上100%である。設備表面からの放熱は、設備表面を保温材等で覆うことにより最小化することができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1に示された熱交換システムを用いて液体エチレンの気化を行った。供給する液化ガスとして−100℃の液体エチレンを用い、被冷却媒体として−11℃のメタノール水溶液(メタノール濃度:46wt%、凝固点:−55℃)を用いた。実施例の構成を図3に示す。
あらかじめ熱交換器1内の状態を、エチレン(圧力1.9MPaA(単位の後の「A」は絶対圧力であることを示す))が−31℃で気液平衡の状態となるように両流体の流量を調節した。
−100℃の液体エチレンを、圧力2.3MPaA、流量3300kg/hで液化ガス供給管3に流し、エゼクター7に導入した。エゼクター7内では高圧の液体エチレンが末広ノズルから噴出されることで圧力差が生じ、熱交換器1から取出管路6を通じて−31℃の液体エチレンが吸い込まれ(圧力1.9MPaA、流量8680kg/h)、2つが混合され、液体エチレンの温度は−50℃になった。混合された液体エチレンを圧力1.9MPaA、流量11980kg/hでエゼクター7から吐出し、液化ガス供給管4を通じて熱交換器1内に導入した。
一方、メタノール水溶液を圧力0.5MPaA、流量29000kg/hで熱交換器1中の管流路2に流入した。
熱交換器1内で、液体エチレンとメタノール水溶液との熱交換が行われた。気化した液化ガス(−31℃)はガス回収管5により回収した(圧力1.9MPaA、流量3300kg/h)。一方、気化時の冷熱が被冷却媒体であるメタノール水溶液に与えられ、メタノール水溶液の温度は−26℃となり、これを回収することで気化時の冷熱を回収した。
また、熱交換後の液体エチレンは、新たに液化ガス供給管3から供給された液体エチレンがエゼクター7に導入された際に、取出管路6を通じてエゼクター7に吸引され、エゼクター7内で新たに供給された液体エチレンと混合されて再び液化ガス供給管4を通じて熱交換器1内に供給された。
上記のようにして−100℃から−50℃に液体エチレンを暖めることでメタノール水溶液の凝固点である−55℃を超える温度にしてから熱交換器1内に供給したため、本システムを24時間稼動し続けてもメタノール水溶液が凍結することは全くなかった。
図1は、本発明の熱交換システムの好ましい一実施態様を示す構成図である。 図2は、本発明の熱交換システムの別の好ましい一実施態様を示す構成図である。 図3は、実施例で用いた熱交換システムの構成図である。
符号の説明
1 熱交換器
2 管流路
3 液化ガス供給管
4 液化ガス供給管
5 ガス回収管
6 取出管路
7 混合手段(エゼクター)
8 液化ガス
9 気化した液化ガス
10 仕切り板
11 ガス取出管路

Claims (6)

  1. 熱交換器内に液化ガスを管路より供給し、被冷却媒体を該熱交換器中の管流路に供給して、前記管流路の管壁を介して前記の液化ガスと被冷却媒体との間で熱交換を行わせる熱交換システムであって、
    (a)前記熱交換器により熱交換された、被冷却媒体の凝固点を超える温度の液化ガス又はその気化したガスを前記熱交換器から取り出す取出管路と、
    (b)前記(a)の、取出管路により熱交換器から取り出した液化ガス又はその気化したガスを前記液化ガス供給管路に戻して、供給する液化ガスと混合し、この混合液を熱交換器中に供給する手段
    とを有し、これにより前記熱交換器内の温度を被冷却媒体の凝固点を超える温度に保持して、液化ガスを気化するとともにその冷熱を回収することを特徴とする熱交換システム。
  2. 前記(b)の、熱交換器から取り出した液化ガス又はその気化したガスと供給される液化ガスとの混合を、エゼクターを用いて行うことを特徴とする請求項1記載の熱交換システム。
  3. 熱交換器内に液化ガスを管路より供給し、被冷却媒体を該熱交換器中の管流路に供給して、前記管流路の管壁を介して前記の液化ガスと被冷却媒体との間で熱交換を行わせる熱交換方法であって、
    前記液化ガスを熱交換器内に供給する前に、
    (a)前記熱交換器により熱交換された、被冷却媒体の凝固点を超える温度の液化ガス又はその気化したガスを前記熱交換器から取り出して前記液化ガス供給管路に戻し、
    (b)前記の熱交換器から取り出した液化ガス又はその気化したガスを前記の供給する液化ガスと混合し、
    熱交換器内に供給する液化ガスの温度を前記被冷却媒体の凝固点を超える温度にしてから熱交換を行うことを特徴とする熱交換方法。
  4. 前記(b)の混合を行う際にエゼクターを用いることを特徴とする請求項3記載の熱交換方法。
  5. 請求項3又は4に記載の熱交換方法により液化ガスを気化する方法。
  6. 請求項3又は4に記載の熱交換方法により液化ガスの冷熱を回収する方法。
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