JP2006312345A - トレーリングアームブラケット - Google Patents

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Abstract

【課題】 疲労耐久性に優れた構造を有し、かつ安価に得られるトレーリングアームブラケットを提供する。
【解決手段】 略矩形のトレーリングアームブラケット基板と、該トレーリングアームブラケット基板に相対向して垂設され、ビーム類の軸方向と直交して配置される一対の壁板とからなり、該トレーリングアームブラケット基板及び壁板には、トレーリングアームブラケットをビーム類の下部側に当接させるための当接用切欠き部と、トレーリングアームを連結するための前後の取り付け孔とを有し、ビーム類の下端部を当接用切り欠き部に当接させ、溶接部により固定されるトレーリングアームブラケットにおいて、前記トレーリングアームブラケットの壁板には、前記前後の取り付け孔以外の、少なくとも1つの孔が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両のスタビライザーを収容するアクスルビーム、駆動車軸およびディファレンシャルギアを収容するアクスルケース等のビームに取り付けられるトレーリングアームブラケットのビームの取付け構造に関する。なお、以下の説明において、ビームとは、上記のアクスルビーム、アクスルケースの他、アクセルシャフト、トーションビーム、クロスビーム等の名称で呼ばれる車輌横方向に沿う部材全般を含むものとする。
従来のビームを含む車輌におけるリアサスペンションは、図12に示すような構成のものがある。図12は、従来のリアサスペンションの車体左側後方の部分側面模式図である。図12において、アクスルケース51の端部近傍には下部スプリングシート53が設けられており車体54における下部スプリングシート53の上方部位には上部スプリングシート55が設けられている。上部スプリングシート53及び下部スプリングシート55の間にはコイルスプリング56が介装されている。上部スプリングシート55にはコイルスプリング56内に挿入されるようにして所定長さの弾性材料製のバンプストッパ57が取り付けられている。
また、アクスルケースの下部スプリングシート53の近傍には、一端側が車体54に支持されるトレーリングアーム58の他端側が、トレーリングアームブラケット59を介して支持されている。
トレーリングアームブラケット59は、トレーリングアームブラケット基板59aとトレーリングアームブラケット基板59aに相対向して垂設され、アクスルケース51と直交して配置される一対の壁板、すなわち、トレーリングアームブラケットの壁板59b、59c(以下、ブラケット基板、車両内側の壁板を内側壁板、車両外側の壁板を外側壁板ともいう。)とからなっている。ブラケット基板59a及び内側、外側壁板59b、59cにはアクスルケース51の下部側に当接する側面視が円弧状(略半円状)の当接用切欠部60が形成されている。
当接用切欠き部60をアクスルケースに当接させて当接用切欠き部の外周側部分(トレーリングアームブラケット59の外側部分及びまたは内側部分)とアクスルケース51とに対して溶接を施すことにより、トレーリングアームブラケット59は、アクスルケース51に取り付けられている。
特許文献1には、上記のようなビームのうちアクスルケースにトレーリングアームブラケットを取り付けたアクスルケースであって、トレーリングアームブラケットの一対の壁板のうちの車両内側の壁板とリアアクスルケースとの溶接において、アクスルケースの外周部の最下端部側部分については、トレーリングアームブラケットの車両内側の壁板における対向する他方の壁板側部分で行うこと、トレーリングアームブラケットの一対の壁板のうちの車両内側の壁板に、当接用切欠き部の略中央部分に対向する他方の壁板方向に凹む凹部を形成すること、或いは、トレーリングアームブラケットの一対の壁板のうちの車両内側の壁板とアクスルケースとの間に、正面視で円弧状のパッチを介装するする車両のリヤサスペンションが開示されている。
これにより、アクスルケースのトレーリングアームブラケット59の取付部分における内側壁板に作用する大きな曲げモーメントを緩和するものである。
しかしながら、この方法では、部位を変えて溶接したり、寸法精度を維持しつつ対応位置に適切に凹部を形成したり、或いはパッチを挿入、固定したりする必要があり、作業が煩雑となる。
特許文献2には、アクスルケースの本体の外周面に外方に突出する台座部を設け、これに各種のブラケットを溶着するアクスルケース構造が開示されている。
これにより、アクスルケース本体と各種ブラケットとの溶接部に発生していた応力集中を、アクスルケース本体の外周面に形成した台座部の立ち上がり部に発生させて、台座部と各種ブラケット溶接部における応力集中の発生部位を縮小し、アクスルケース本体と各種ブラケットとの溶接部の疲労強度を確保するものである。
しかしながら、溶接部に対する応力集中の度合いは緩和されるものの、この構造では、台座部を溶接し、さらにこの台座の上に各種のブラケットを取り付ける必要があり、部材のコスト、作業コストが増大する問題がある。
特許文献3には、アクスルケースとフレームを連結するトルクロッドの端部を支持するためのトルクロッドブラケットに二股状に形成したフランジ部を設け、略矩形断面の前記アクスルケースの外面を前記フランジ部で挟み込むようにし、フランジ部端縁部をアクスルケースに隅肉溶接して前記トルクロッドをアクスルケースに固定するトルクロッドブラケットの取り付け構造において、前記フランジ部の端縁部におけるアクスルケース軸方向両端部を中間部より突出させ、この突出形成されたフランジ部端縁部両端で挟まれた中間部とアクスルケースとを隅肉溶接接合するトルクロッドブラケットの取り付け構造が開示されている。
これにより、溶接ビード端部が従来のように曲面状に突出することがなく、溶接特有の切り欠き状の凹部が発生せず、溶接工程前後において亀裂の要因となる応力集中部を除去する処理が不要となる。
しかしながら、製造工程の増加に伴うコスト増を伴う反面、十分な応力集中の緩和効果が得られない問題がある。
特許文献4には、アクスルケースの上側に配される板バネ支持板とアクスルケースの下側に配されるトルクロッド支板とを一体に構成すると共に、両者の間にアクスルケースを嵌挿する中空部を形成し、該中空部をアクスルケースに外嵌したうえ結合したトラニオン式懸架装置が開示されている。
これによりアクスルケースに対するトルクロッド支板の結合部の強度不足を解消するものであるが、板バネ支板とトルクロッド支板を一体化するために、両者をボルトで結合するか、両者を直接溶接するか、鋳造で一体形成するかが必要であり、製造工程の増加に伴うコスト増を伴う反面、十分な強度の向上効果が得られない問題がある。
特開2000−085331号公報 特開2003−237306号公報 実開平02−107503号公報 特開平09−039530号公報
ビームとトレーリングアームブラケットとの溶接部には、主にトレーリングアームを通じて車両前後方向に作用する荷重と、ビームを上下方向に曲げる荷重とが作用し、いずれもこの溶接部の下端部から疲労破壊を誘発し、耐久性を低下させている。上記のように、ビームへのトレーリングアーム用ブラケットの取り付けに関して、トレーリングアームブラケット部材への曲げモーメントを緩和し、或いはビームとトレーリングアームブラケットとの溶接部への応力集中を緩和するための種々の提案がなされているが、いずれの場合も、製造工程が増加し、これに伴ってコストが増加する反面、十分な応力緩和や、疲労強度の向上効果が得られない問題がある。本発明は、このような状況に鑑み、疲労耐久性に優れた構造を有し、かつ安価に得られるトレーリングアームブラケットを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。
本第1発明は、(1)略矩形のトレーリングアームブラケット基板と、該トレーリングアームブラケット基板に相対向して垂設され、ビームの軸方向と直交して配置される一対の壁板とからなり、該トレーリングアームブラケット基板及び壁板には、トレーリングアームブラケットをビームの下部側に当接させるための当接用切欠き部と、トレーリングアームを連結するための前後の取り付け孔とを有し、ビームの下端部を当接用切り欠き部に当接させ、溶接部により固定されるトレーリングアームブラケットにおいて、
前記トレーリングアームブラケットの壁板には、前記前後の取り付け孔以外の、少なくとも1つの孔が設けられていることを特徴とする。
本第2発明は、(2)本第1発明のトレーリングアームブラケットにおいて、前記トレーリングアームブラケットの壁板には、側面視で、ビームとトレーリングアームブラケットの基板との前後の交点と、トレーリングアームブラケットの前後の取り付け孔の中心とを結んだ線で囲まれた壁板の範囲に、前記前後の取り付け孔以外の、少なくとも1つの孔が設けられていることを特徴とする。
本第3発明は、(3)本第1または第2発明のトレーリングアームブラケットにおいて、前記トレーリングアームブラケットの壁板には、側面視で、ビームとトレーリングアームブラケットとの溶接部下端側の溶接止端部とトレーリングアームブラケットの前後の取り付け孔の中心とを結んだ線と、ビームの軸中心とトレーリングアームブラケットの前後の取り付け孔の中心とを結んだ線とで囲まれる壁板の範囲に、前記前後の取り付け孔以外の、少なくとも1つの孔が設けられていることを特徴とする。
本第4発明は、(4)本第1〜第3発明のいずれか1つに記載のトレーリングアームブラケットにおいて、前記孔と前記溶接部下端側の溶接止端部からの距離をL、前記孔の直径をDとするとき、L/Dが0.2〜1.5であることを特徴とする。
本第5の発明は、(5)本第3発明に記載のトレーリングアームブラケットにおいて、ビームとトレーリングアームブラケットとの前記溶接部下端側の溶接止端部とトレーリングアームブラケットの前記前後の取り付け孔の中心とを結んだ線と、ビームの軸中心とトレーリングアームブラケットの前記前後の取り付け孔の中心とを結んだ線とで囲まれる壁板の範囲にあり、前記前後の取り付け孔のうち前記孔に近い取り付け孔の中心と前記溶接部の止端部とを結ぶ線分のうち該孔内の内部にある線分の長さが最も長い線分が前記溶接部の止端部と交差する点をX、該線分が前記取り付け孔の周縁と交差する点をY、XからYまでの線分の長さをS、前記孔の内部にある該線分の長さをCとしたとき、C/Sが0.2〜0.5であることを特徴とする。
本第1発明によれば、トレーリングアームの前後方向に作用する荷重及びビームを上下方向に曲げる荷重によって、トレーリングアームブラケットとビームとの溶接部に作用する応力集中を緩和することができ、この部分の耐久性を向上させ、車体の耐久性を向上させることができる。
本第2発明によれば、トレーリングアームの前後方向に作用する荷重及びビームを上下方向に曲げる荷重によって、トレーリングアームブラケットとビームとの溶接部に作用する応力集中をより効率的に緩和することができ、この部分の耐久性を向上させ、車体の耐久性を向上させることができる。
また、本第3発明によれば、トレーリングアームの前後方向に作用する荷重及びビームを上下方向に曲げる荷重によって、トレーリングアームブラケットとビームとの溶接部のうち、特に、応力集中の重なる溶接部の下端部に作用する応力を緩和することができるので、この部分の耐久性を効率的に向上させることができる。
また、本第4発明によれば、大きな応力集中低減効果を効率的に得ることができる。
また、本第5の発明によれば、更に大きな応力集中低減効果を効率的に得ることができる。
以下、本発明を図面を用いて説明する。
図11は、従来のトレーリングアームブラケットの概要を示す斜視図である。
なお、以下の説明において、内側、外側、前方、後方、左右とは、車両にトレーリングアームブラケットを取り付けた場合、車両の正面から見た場合の位置関係をいうものとする。
図11において、トレーリングアームブラケット1は、略矩形のトレーリングアームブラケット基板1aと、該トレーリングアームブラケット基板に相対向して垂設され、前記ビーム(ビームの一例としてのアクスルシャフト)2の軸方向と直交して配置される一対のトレーリングアームブラケット壁板1b、1cとからなり、前記トレーリングアームブラケット基板及び壁板には、前記トレーリングアームブラケットを前記ビームの下部側に当接させるための、側面視が円弧状の当接用切欠き部4が形成され、かつトレーリングアームと連結するための前後の取り付け孔3、3を有している。
ビーム(ビームの一例としてのアクスルシャフト)2とトレーリングアームブラケット1とは、トレーリングアームブラケットの切欠き部4に、ビーム2が当接され、溶接により形成された溶接部5により固定される。溶接部5には、ビーム2の周方向に止端部5aが形成される。
なお、溶接部は、トレーリングアームブラケットの1対の壁板1b、1cとビーム2との間で形成されるが、壁板1b、1cのいずれか一方の壁板、すなわち、外側(1c)或いは内側(1b)の壁板とビームとの間に形成される場合もある。
トレーリングアーム(図示せず)の一端側は車体に支持され、他端側はトレーリングアームブラケット1の一対の壁板1b、1cの間に挿入され、前後の取り付け孔3、3において、軸止めされる。
発明者らは、ビームの耐久性を向上させるために検討を行った。
図5は、トレーリングアームブラケットとビーム(ビームの一例としてアクスルシャフト)との間に作用する応力の伝達経路の概念を示す模式図であり、(a)は本発明の場合の例、(b)は従来の場合の例を示すものである。
従来の場合、図5(b)に示すように、トレーリングアームブラケット1とビーム2との間に作用する応力の伝達経路9は、トレーリングアームブラケットの前後のトレーリングアーム取り付け孔3,3の中心B,Eとビームの軸中心Gを結ぶ線の周りに広がっており、この線の周りにある溶接部5及び溶接止端部5aの周辺には応力集中が生じ、溶接止端部から溶接部に疲労亀裂が入り、耐久性が劣化するものと考えた。
そこで、図5(a)に示すように、この伝達経路の途中に孔6を開けると、伝達経路9が孔6の周縁を通るように曲げられ、上記のトレーリングアーム取り付け孔3、3の中心B,Eとビームの軸中心Gを結ぶ線から迂回、分散することになり、この線の周りにある溶接部に応力の集中する度合いが、孔がない場合に比べて小さくなると考えられる。
すなわち、トレーリングアームブラケットの壁板に適切な孔を設けることによって応力の集中を緩和するようにすれば、トレーリングアームブラケットの溶接部の耐久性を向上することができることを知見し、本発明をなしたものである。
図1〜図4、図6〜図8は、本発明の実施形態のトレーリングアームブラケットを示す側面模式図である。なお、図ではスプリングシートは省略している。
本発明のトレーリングアームブラケットは、上記図11に示した形状と基本的には同様であり、略矩形のトレーリングアームブラケット基板1aと、該ブラケット基板に相対向して垂設され、ビーム(ビームの一例としてのアクスルシャフト)2の軸方向と直交して配置される一対のトレーリングアームブラケット壁板1b、1c(図示せず)とからなり、前記トレーリングアームブラケット基板1a及び壁板1b、1cには、前記トレーリングアームブラケットを前記ビーム(アクスルシャフト)2の下部側に当接させるための当接用切欠き部4と、トレーリングアームブラケットとトレーリングアームとを連結するための前後の取り付け孔3を有している。ビーム2とトレーリングアームブラケット1とは、トレーリングアームブラケットの切欠き部4に、ビーム2が当接され、溶接により形成された溶接部5により固定される。溶接部5には、ビーム2の周方向に溶接止端部5aが形成されている。
なお、本発明の実施形態では、上記のようにビームとしてアクスルシャフトを例にとって説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
図1(a)(b)に示すように、本発明のトレーリングアームブラケットの壁板1aおよび/または1b(図示せず)には、孔6が設けられている。
なお、本発明において設ける孔とは、前後のトレーリングアーム取り付け孔3,3は含まないものであることはいうまでもない。
本発明において孔6の外形状は、特に限定するものではない。図1(a)(b)に示すような円形或いは長円形のものに限らず、図8に示すような楕円形、レーストラック形、曲線からなる形状の孔など、非円形状の孔も応力を緩和する上で好ましい。
また、上記の孔は、トレーリングアームブラケットの壁板に少なくとも1個配置するが、孔の大きさ、形状、個数、孔相互の位置は、トレーリングアームブラケットの壁板の大きさ、強度などを勘案して決めることができる。
すなわち、一個の孔が大きすぎると、孔周辺の応力が大きくなり、また、小さすぎると応力伝達経路の迂回効果が小さくなり、多数の孔を設ける必要が生じて加工が煩雑になる。また、多数の孔を近接して設けると隣り合う孔との間隔が狭くなり、その箇所での応力集中が生じる虞もある。孔を大きくして相互の間隔を広げすぎると、迂回した応力経路が元の経路の戻り、応力集中の緩和効果が小さくなる可能性もあるからである。
本発明においては、上述のようにトレーリングアームブラケットの壁板に孔を設けることによって溶接部への応力集中を緩和することができ、ビームの耐久性を向上させることができる。したがって、孔を設ける位置を限定するものではないが、以下に説明する範囲に少なくとも設けることが効率的であり、好ましい。
トレーリングアームの前後方向に作用する荷重は、トレーリングアームブラケットのトレーリングアーム取り付け用孔3の中心BおよびEからビーム(アクスルシャフト)2の軸中心Gに向かって応力伝達されるため、この両者を結ぶ直線上の応力が高く、また、ビーム2を上下方向に曲げる荷重は、トレーリングアームブラケット1とビーム2との溶接部5の止端部5aでの応力が高い。
従って、この両者の応力を緩和するためには、図2に示すように、トレーリングアームブラケットの壁板の側面視で、ビーム2とトレーリングアームブラケット基板1aとの前後の交点A、Fと、トレーリングアームブラケットの前後の取り付け孔3、3のB,E中心とを結んだ線(点線)で囲まれる略扇形の壁板の範囲に、すなわち、図2の斜線で示した範囲(孔の設置範囲Iとも記す)7に、少なくとも1つの孔を設けることが有効である。この範囲は、溶接部5及び溶接止端部5aを広く含んでおり、孔を設けることにより応力集中を安定して緩和できる。
また、図3に示すように、ビーム(アクスルシャフト)2とトレーリングアームブラケット1との溶接部5のうち、ビームの下端部Hに位置する部分では、トレーリングアームブラケット1の前後の取り付け孔3,3の中心B,Eとビーム2の軸中心Gとを結ぶ線が近接し、特に応力集中が起こりやすいため、ビーム2とトレーリングアームブラケット1との溶接部5及び溶接止端部5aの下端部Hとトレーリングアームブラケット1の前後の取り付け孔3,3の中心B,Eとを結ぶ線と、ビーム2の軸中心Gとトレーリングアームブラケット1の前後の取り付け孔3,3の中心B,Eとを結んだ線とで囲まれる壁板の範囲に、すなわち、図3の斜線で示した範囲(孔の設置範囲IIとも記す)8に、少なくとも1つの孔を設けることが効率的である。この範囲は、上述のように、特に応力集中が起こりやすいため、この範囲に孔を設けることにより効率的に応力集中を緩和することができる。
なお、本発明において、上記の7,8、すなわち、孔の設置範囲I或いはIIの範囲内にある孔とは、図1、図4、図6〜8に示すように、孔6の中心が上記の範囲内にあるもののみならず、孔の一部、すなわち孔の周縁、がこの範囲内あるものも含むものとする。いずれの存在形態であっても、応力集中を緩和し、耐久性を向上させる本発明の効果をうることができるからである。
この範囲内にある孔の外形状は、特に限定するものではない。また、上記の孔は、上記の範囲内に少なくとも1個配置するが、孔の大きさ、形状、個数、孔相互の位置は、前述のように、トレーリングアームブラケットの壁板の大きさ、強度などを勘案して決めることができる。
図4は、本発明の実施形態を示すものであり、トレーリングアームブラケットの壁板に設ける孔の大きさ、配置の一例を示す図である。
図4に示すように、孔6’が壁板の範囲7(孔の設置範囲I)に設けられている。その孔6’の直径をD、孔6’と溶接止端部5aとの最短距離をL(孔6’の周縁Kと溶接止端部Jとの距離)としたとき、L/Dが0.2〜1.5の範囲であることが好ましい。
これは、孔6’と溶接止端部5aとの最短距離Lが孔の直径Dの0.2倍より小さいと孔の周縁での応力集中が大きくなり、孔の周縁から疲労破壊を生じる可能性があるからであり、一方、孔の直径より1.5倍を超えて離れると、応力集中を低減する効果か小さくなるからである。
なお、孔6’の直径Dは、孔の形状(外形状)が円形の場合はその直径、楕円形又はレーストラック形である場合は短径、多曲線からなる閉断面形状である場合は、孔の図心(重心)を通り、溶接止端部からの最短距離を示す直線のうち、孔の内側に含まれる長さとする。
また、図4の例では孔6’は孔の配置範囲Iに設けられているが、これ以外の位置に設けられている場合、或いは、また複数の孔が設けられる場合も、孔が上記の関係を満たすことが好ましいことはいうまでもない。
また、図4に示すように、孔6”が壁板の範囲8(孔の設置範囲II)に設けられている。
壁板の範囲8(孔の設置範囲II)の中で孔6”に近いトレーリングアームブラケットの取り付け孔3の中心(図4の例ではB)と溶接止端部5aを結ぶ線分のうち、孔6”の内部にある線分の長さが最も長い線分と、溶接止端部5aとの交点をX、取り付け孔との交点をY、孔6”との交点をT、Uとし、さらに、この線の上記取り付け孔3のとの交点Yと溶接止端部との交点Xとの長さをS、孔6”との交点T,Uの長さをCとするとき、C/Sが0.2〜0.5の範囲であることが好ましい。
これは、壁板の範囲8(孔の設置範囲II)の中に孔6”に近いトレーリングアームブラケットの取り付け孔3の中心と溶接止端部5aを結ぶ線分のうち、孔6”の内部にある線分の長さが最も長い線分と孔6”との交点T,Uの長さCが、上記取り付け孔との交点Yと溶接止端部との交点Xとの長さSの0.2倍未満では、応力集中を低減する効果が小さくなり、一方、取り付け孔との交点Yと溶接止端部との交点Xとの長さSの0.5倍より大きくなると孔の周辺での応力集中が大きくなり、孔の周縁から疲労破壊を生じる可能性があるからである。
上述のように、本発明においては、トレーリングアームブラケットの壁板に、1つ以上の孔を設けるが、この孔は、トレーリングアームブラケットの壁板の内側及び外側の双方に設けることが好ましいが、少なくとも、溶接部を有する側の壁板には孔を設けることが好ましい。したがって、少なくと内側の壁板には孔を設けることが好ましい。これは、トレーリングアームブラケットの内側には、外側に比べて荷重が大きく、また溶接部を設けることが多いからである。なお、ビームの中心Gは、トレーリングアームブラケットが接合される位置での断面形状における重心の位置とする。ビームが鋼管の場合は、その断面形状である円の中心である。
板厚2.6mmの270MPa級鋼を用いて図4に示す形状の外形寸法を有するトレーリングアームブラケットを一対製作した。なお、このトレーリングアームブラケットの壁板には、図6〜8に示す形状および配置位置を有するa〜mおよびα〜δの孔を表1に示すように単独又は組合せで設けた。これを、ビームとしての厚さ3.2mm、外径60mm、長さ1400mmの440MPa級鋼管に溶接により接合して、図9のようにトレーリングアームブラケット1を含むビーム11を切り出して、トレーリングアーム10およびビーム11をそれぞれピンで固定した±8kNの前後方向荷重による疲労試験、ならびに図10に示すように0〜+8kNの上下方向荷重による疲労試験を室温、大気中で実施した。この鋼管の両端を固定して±8kNの前後方向荷重による疲労試験、ならびに0〜+8kNの上下方向荷重による疲労試験を室温、大気中で実施した。
前後方向荷重疲労試験は、図9に示すようにトレーリングアームブラケット1を含むビーム11を切り出して車の前後方向に相当する方向の繰返し荷重(前後荷重)13を与える試験であり、図10の上下方向荷重疲労試験は、スプリングシート12から圧縮荷重(上下荷重)14を繰返し与える試験である。
疲労試験結果を同じく表1、表2(表1の続き)に示す。
Figure 2006312345
Figure 2006312345
孔を有する例は全て本発明例であり、孔のないNo.1は比較例である。孔を有する本発明例は、比較例に比べて前後方向荷重、上下方向荷重の場合とも疲労寿命が30%以上向上している。
次に、No.2〜No.18は、孔が一つの場合の例を示しており、No.2〜9、12〜18、すなわち孔a〜h、k〜m、α〜δは、孔が図2に示す範囲7(孔の設置範囲I)に含まれるため、i、j(No.10、11)の場合に比べて、さらに寿命が向上している。
特に、図6〜図8に示す範囲8(孔の設置範囲II)に孔が設けられた孔b、f、g、k、l、mおよびα、β、γは100%以上の寿命向上が認められた。
さらに、図4で説明したように、孔の直径Dに対する溶接止端と孔との距離Lの比L/Dが0.2〜1.5の範囲、あるいは、線分Sに対する線分Cの比C/Sが0.2〜0.5の範囲、にある孔a、e、j、kおよびγは、長寿命を示し、また、孔の直径Dに対する溶接止端と孔との距離Lの比L/Dが0.2〜1.5の範囲にあり、かつ線分Sに対する線分Cの比C/Sが0.2〜0.5の範囲にある孔b、f、l、m、α、βは、さらに長寿命を示しており、本発明のトレーリングアームブラケットが疲労強度向上に有効なことがわかる。
No.19〜25は2つ以上の孔を有する場合の実施例であり、いずれも孔の無い比較例No.1に比べて30%以上の寿命向上が認められる。特に、図4に示した範囲7(孔の設置範囲I)に孔が存在するNo.19〜22、24、25は寿命向上が顕著である。
特にNo.25は、孔BおよびFによりトレーリングアーム取付孔3からビーム2に伝わる応力の溶接止端での応力集中が大きく緩和されており、大幅な寿命向上が認められた。
本発明のトレーリングアームブラケットに設ける孔の形状を示す側面模式図であり、(a)は、円形の孔の例、(b)は、閉曲線で形成された長径の孔の例を示す。 本発明の実施形態のトレーリングアームブラケットにおけるトレーリングアームブラケットの壁板に孔を設ける範囲を示す側面模式図である。 本発明の実施形態のトレーリングアームブラケットにおけるトレーリングアームブラケットの壁板に孔を設ける他の範囲を示す側面模式図である。 本発明のトレーリングアームブラケットの壁板に設ける孔の大きさと位置の関係を説明する側面模式図である。 トレーリングアームブラケットとビームとの間に作用する応力の伝達経路の概念を示す模式図であり、(a)は本発明の場合の例、(b)は従来の場合の例を示す。 本発明の実施例のトレーリングアームブラケットにおける孔の形状、配置を示す図である。 本発明の他の実施例のトレーリングアームブラケットにおける孔の形状、配置を示す図である。 本発明のさらに他の実施例のトレーリングアームブラケットにおける孔の形状、配置を示す図である。 本発明の実施例におけるトレーリングアームブラケットの前後方向荷重疲労試験の方法を説明する模式図である。 本発明の実施例におけるトレーリングアームブラケットの上下方向荷重疲労試験の方法を説明する模式図である。 従来のトレーリングアームブラケットの斜視図である。 従来のリアサスペンションの構造を示す部分側面模式図である。
符号の説明
1 トレーリングアームブラケット
1a トレーリングアームブラケット基板
1b、1c トレーリングアームブラケット壁板
2 ビーム(アクスルシャフト)
3 トレーリングアーム取付孔
4 当接用切欠き部
5 溶接部
5a 溶接止端部
6、6’、6” 孔
7 孔の設置範囲I
8 孔の設置範囲II
9 応力伝達経路
10 トレーリングアーム
11 ビーム
12 スプリングシート
13 前後方向荷重
14 上下方向荷重
15 応力集中部
A、F ブラケット基板とビームとの交点
C 孔内の線分の長さ
D 孔の直径
B、E 取り付け孔の中心
G ビームの軸中心
H 溶接部下端側の溶接止端部
J 溶接止端部の位置
K 孔の周縁位置
L 溶接止端部と孔の周縁との距離
S 線分X−Yの長さ
T、U 孔の周縁と線分の交点
a〜m 孔(円形状)
α〜δ 孔(非円形状)
51 アクスルケース
52 ラテラルロッド
53 下部スプリングシート
54 車体
55 上部スプリングシート
56 コイルスプリング
57 バンプストッパ
58 トレーリングアーム
59 トレーリングアームブラケット
59a トレーリングアームブラケット基板
59b、59c トレーリングアームブラケット壁板
60 当接用切欠き部

Claims (5)

  1. 略矩形のトレーリングアームブラケット基板と、該トレーリングアームブラケット基板に相対向して垂設され、ビーム類の軸方向と直交して配置される一対の壁板とからなり、該トレーリングアームブラケット基板及び壁板には、トレーリングアームブラケットをビーム類の下部側に当接させるための当接用切欠き部と、トレーリングアームを連結するための前後の取り付け孔とを有し、ビーム類の下端部を当接用切り欠き部に当接させ、溶接部により固定されるトレーリングアームブラケットにおいて、前記トレーリングアームの壁板には、前記前後の取り付け孔以外の、少なくとも1つの孔が設けられていることを特徴とするトレーリングアームブラケット。
  2. 前記トレーリングアームブラケットの壁板には、側面視で、ビーム類とトレーリングアームブラケットの基板との前後の交点と、トレーリングアームブラケットの前後の取り付け孔の中心とを結んだ線で囲まれた壁板の範囲に、前記前後の取り付け孔以外の、少なくとも1つの孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトレーリングアームブラケット。
  3. 前記トレーリングアームブラケットの壁板には、側面視で、ビーム類とトレーリングアームブラケットとの溶接部下端側の溶接止端部とトレーリングアームブラケットの前後の取り付け孔の中心とを結んだ線と、ビーム類の軸中心とトレーリングアームブラケットの前後の取り付け孔の中心とを結んだ線とで囲まれる壁板の範囲に、前記前後の取り付け孔以外の、少なくとも1つの孔が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のトレーリングアームブラケット。
  4. 前記孔と前記溶接部下端側の溶接止端部からの距離をL、前記の孔の直径をDとするとき、L/Dが0.2〜1.5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトレーリングアームブラケット。
  5. ビーム類とトレーリングアームブラケットとの前記溶接部下端側の溶接止端部とトレーリングアームブラケットの前記前後の取り付け孔の中心とを結んだ線と、ビーム類の軸中心とトレーリングアームブラケットの前記前後の取り付け孔の中心とを結んだ線とで囲まれる壁板の範囲にあり、前記前後の取り付け孔のうち前記孔に近い取り付け孔の中心と前記溶接部の止端部とを結ぶ線分のうち、該孔内の内部にある線分の長さが最も長い線分が前記溶接部の止端部と交差する点をX、該線分が前記取り付け孔の周縁と交差する点をY、XからYまでの線分の長さをS、前記孔の内部にある該線分の長さをCとしたとき、C/Sが0.2〜0.5であることを特徴とする請求項3に記載のトレーリングアームブラケット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013036605A (ja) * 2011-08-08 2013-02-21 Hyundai Motor Co Ltd 無段変速機のオイルポンプ支持部材
JP2015140031A (ja) * 2014-01-27 2015-08-03 トヨタ自動車株式会社 サスペンション装置
JP2016205516A (ja) * 2015-04-22 2016-12-08 トヨタ自動車株式会社 車両のレバー構造
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