JP2006309869A - 光ヘッド装置およびこの光ヘッド装置を搭載したディスクドライブ装置 - Google Patents

光ヘッド装置およびこの光ヘッド装置を搭載したディスクドライブ装置 Download PDF

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靖幸 月岡
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Abstract

【課題】 レーザドライバに生じる発熱による光学素子の位置ずれを防止し、レーザドライバの発熱による光学特性への影響を抑制することができ、しかも放熱板が小型化であっても充分な放熱効果を得ることができる光ヘッド装置およびこの光ヘッド装置を搭載したディスクドライブ装置を提供すること。
【解決手段】 光ヘッド装置1では、光ディスク側に配設され対物レンズ駆動装置16を塵等から保護する防塵カバー19を有し、この防塵カバー19を銅またはアルミまたはステンレス等の熱伝導性に優れた材料によって形成し、その一部を対物レンズ駆動装置16に近接配置したレーザドライバIC22まで延設し、レーザドライバIC22から発生する熱を放散可能な放熱部19aとしている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、CDやDVDなどの光ディスクの記録、再生に用いられる光ヘッド装置に関する。更に詳しくは、光ヘッド装置が備えるレーザ発光素子を駆動するレーザドライバの放熱構造に関する。
CDやDVD等の光ディスクの記録、再生に用いられる光ヘッド装置は、光源としてのレーザ発光素子を有する光学系と、レーザ発光素子を駆動するレーザドライバICと、光学系が搭載されるフレームと、光学系を保護するためフレームに固定されるカバーなどを備えている。
この種の光ヘッド装置では、光学系を保護するためのカバーは、一般にステンレス製の金属板から形成されており、このカバーを用いて、レーザドライバに生じる発熱を放散している。すなわち、従来の光ヘッド装置では、レーザドライバの放熱板を兼用したカバーが使用されている。図6および図7を用いて、具体的に、従来の光ヘッド装置の構成を説明する。
図6に示すように、従来の光ヘッド装置101は、光源としてのレーザ発光素子102と、レーザ発光素子102を駆動するため、回路基板103上に設けられたレーザドライバIC104と、レーザ発光素子102を有する光学系(詳細は図示省略)が搭載されて固定されるフレーム105とを備えている。そして、図7に示すように、フレーム105には、光学系を保護するため、ステンレス鋼板からなるカバー106が取付ねじ108によって固定されている。
カバー106は、図7から明らかなようにフレーム105の底面側の大半部分を覆うように固定されており、このカバー106によって、光学系を構成する光学素子が覆われている。また、カバー106は、伝熱性と弾性とを有する図示しない伝熱シートを介してレーザドライバIC104に接触している。従って、レーザドライバIC104で生じた発熱は、伝熱シートを介してフレーム105に放散されるようになっており、カバー106は、レーザドライバIC104の放熱板としての機能を備えている。
なお、レーザドライバICの発熱をより積極的に放熱するための方法として、特許文献1では、レーザドライバICを光ディスク側に配設し、光ディスクの回転により空気を拡散し、レーザドライバICからの発熱を放熱部材を介して空気中へ放散するようにしている。
特開2004−192751号公報
従来の光ヘッド装置101の構成を採用した場合には、カバー106がレーザドライバIC104の放熱板としての機能を有していることから、レーザドライバIC104の温度上昇に伴い、カバー106の温度が上昇する。このカバー106は、光学系が搭載されたフレーム105の底面側の大半部分を覆っているため、カバー106の温度上昇に伴って、フレーム105全体の温度も上昇する。また、カバー106の温度上昇に伴って、カバー106に覆われるように配置された光学素子の温度も上昇する。
ここで、近年の光ディスクの高記録密度化や記録速度の高速化に伴い、レーザ発光素子を駆動するレーザドライバIC104に生じる発熱量が増加している。一方で、光ヘッド装置の小型化および薄型化に伴って放熱板も小型化されている。故に、フレーム105全体の上昇温度や、カバー106に覆われるように配置された光学素子の上昇温度も高くなるため、光ヘッド装置101の光学特性に影響を与えてしまうという問題が顕在化してきている。すなわち、フレーム105の温度上昇等によって、光学系を構成する光学素子の固定位置にずれが発生し、光ヘッド装置101の光学特性に影響を与えてしまうという問題が顕在化してきている。
また、特許文献1では、レーザドライバICを光ディスク側に設け、カバーとは別部材となる放熱部材により放散させることにより光学素子への悪影響を回避することはできるが、放熱部材のジッタ方向に対向する両腕部がアクチュエータ(対物レンズ駆動装置)を避けるようにコ字状に形成されており、外形が大型の割には放熱面積が得られず、放熱効果が低いという問題がある。また、レーザドライバIC専用の放熱部材を別途設ける必要があり、部品点数が増加するという問題がある。さらに、ノートパソコン等に用いられる薄型の光ヘッド装置では、放熱部材が光ディスクが載置されるトレイの開口から露出しないため、冷却効果が低いという問題がある。さらにまた、放熱部材のジッタ方向に対向する両腕部がトレイに干渉しないように構成する必要があり、トレイの光ディスクを載置する載置部を回転軸方向に低く抑えることができず、ディスクドライブ装置の薄型化の妨げになるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、レーザドライバに生じる発熱による光学素子の位置ずれを防止し、レーザドライバの発熱による光学特性への影響を抑制することができ、しかも放熱板が小型化であっても充分な放熱効果を得ることができる光ヘッド装置およびこの光ヘッド装置を搭載したディスクドライブ装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明では、光源としてのレーザ発光素子と、該レーザ発光素子からの出射光を光ディスクに収束させる対物レンズを有し該対物レンズを駆動する対物レンズ駆動装置と、前記レンズ発光素子を駆動するレーザドライバIC等の発熱体と、該発熱体と前記レーザ発光素子と前記対物レンズ駆動装置とが搭載されるフレームとを備え、前記光ディスクの記録および再生の少なくともいずれか一方を行う光ヘッド装置において、前記対物レンズ駆動装置は、光ディスク側に配設され前記対物レンズ駆動装置を塵等から保護する防塵カバーを有し、該防塵カバーを熱伝導性に優れた材料によって形成し、その一部を前記発熱体まで延設し、該発熱体から発生する熱を放散可能な放熱部としたことを特徴とする。
本発明における発熱体とは、レーザドライバICの他、レーザ発光素子および受光素子等、駆動によって発熱する部材の一部または全部を含むものであってもよい。
本発明において、防塵カバーを、光学素子の少なくとも一部を保護するためにフレームに固定される保護カバーとは別体で構成した場合には、防塵カバーによってレーザドライバICに生じる発熱が放散され、且つ、保護カバーにはレーザドライバICに生じる発熱が放散されない。従って、光学素子を適切に保護すべく、従来のように、フレームの底面側の大半部分を覆うようにカバーを形成しても、フレーム全体の温度上昇や、カバーに覆われるように配置された光学素子の温度上昇を抑制することができる。
本発明において、前記防塵カバーは、銅またはアルミまたはステンレス製の金属板であることが好ましい。このように構成すると、放熱性の高い銅板またはアルミまたはステンレス製の板によってレーザドライバICに生じる発熱を効果的に放散することができる。
本発明において、前記放熱部は、前記レーザドライバICに当接して設けられるとともに、前記防塵カバーは、前記レーザ発光素子から離間して配設されていることが好ましい。ここで、レーザドライバICの発熱はレーザ発光素子の発熱と比較して大きいため、防塵カバーが小型化されると、レーザドライバICからの放熱に冷却が追いつかず放熱部材の温度が上昇してしまう。このように構成することにより、防塵カバーの温度が上昇し、レーザ発光素子の温度より上昇した場合であっても、レーザドライバICから放散された熱が防塵カバーを介してレーザ発光素子へ放散されることを回避できる。
本発明において、前記対物レンズ駆動装置と前記レーザドライバICとは、前記光ディスクの半径方向に近接配置され、その半径方向の外側にレーザドライバICが配設されていることが好ましい。このように構成すると、光ディスクは半径方向の内側と比較して外側の回転速度が大きいため空気の拡散効率が大きい。故に、光ディスクの半径方向の外側にレーザドライバICを配設することで空気冷却による放熱効果を向上することができる。
本発明の光ヘッド装置を搭載したディスクドライブ装置において、前記光ディスクを載置するトレイを有し、該トレイは、前記光ヘッド装置の可動方向に沿って開口し前記対物レンズが前記光ディスクに対向可能に露出する開口部を有し、該開口部は、前記光ディスクに対向可能に前記防塵カバーが露出していることが好ましい。このように構成すると、防塵カバーが、光ディスクが載置されるトレイの開口から露出するので、空気の流れがトレイによって遮られない。従って、空気の拡散によって防塵カバーからの熱が滞留することがないので、より一層の放熱効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明における対物レンズ駆動装置は、光ディスク側に配設され対物レンズ駆動装置を塵等から保護する防塵カバーを有し、この防塵カバーを熱伝導性に優れた材料によって形成し、その一部を対物レンズ駆動装置に近接配置したレーザドライバICまで延設し、レーザドライバICから発生する熱を放散可能な放熱部としている。そのため、防塵カバーを放熱部材として用いることにより、放熱面積を確保することが可能となり、大きな放熱効果を得ることができる。しかも、防塵カバーにより放熱部材を兼用させることで部品点数の削減が図れる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる光ヘッド装置を斜め上方から見た斜示図である。図2は、図1に示す光ヘッド装置から防塵カバーを取り外し、対物レンズ駆動装置を露出した状態を斜め上方から見た斜示図である。図3は、図1に示す光ヘッド装置の光学系の構成を説明する説明図である。
(光ヘッド装置の構成)
本形態にかかる光ヘッド装置1は、CDやDVD等の光ディスク30(図4参照)に対する情報記録や情報再生を行うものであり、以下に説明する光学系31等が搭載されるフレーム15を備えている。このフレーム15は、ディスクドライブ装置23(図4参照)に対して相互に平行となるように取り付けられ図示しない2本のガイドシャフトに沿って摺動可能に取り付けられている。尚、本明細書においては、光ディスク30の半径方向(トラッキング方向)をX方向、光ディスク30の接線方向(ジッタ方向)をY方向、光ディスク30の直交方向(フォーカシング方向)をZ方向と定義する。
図3に示すように光ヘッド装置1における光学系31は、光源として、CD用の780nm〜800nmの長波長レーザ光(第1のレーザ光)を出射する第1のレーザ発光素子2と、DVD用の630nmまたは650nmの短波長レーザ光(第2のレーザ光)を出射する第2のレーザ発光素子3とを備えている。
本形態における光学系31では、第1のレーザ光及び第2のレーザ光は、光路合成用光学素子であるプリズム6によって、光ディスク30へ向かう共通光路14へ導かれるようになっている。本形態において、第1のレーザ発光素子2から出射される第1のレーザ光L1、および第2のレーザ発光素子3から出射される第2のレーザ光L2を光路合成用光学素子であるプリズム6によって、光ディスク30に向かう共通光路14に導くようになっており、この共通光路14には、コリメータレンズ8と、コリメータレンズ8からの出射光を光ディスク30に向けて立ち上げる立上げミラー9と、コリメータレンズ8で平行光にされたレーザ光を光ディスク30に収束させる対物レンズ10とが、この順番で配置されている。これらの光学素子のうち、対物レンズ13は、後述の対物レンズ駆動装置16のレンズホルダ上に搭載され、このレンズホルダは、ホルダ支持部材に片持ちされたワイヤによって駆動可能に支持されている。
本形態の光ヘッド装置1では、第1のレーザ発光素子2から出射された第1のレーザ光L1、および第2のレーザ発光素子3から出射された第2のレーザ光L2をプリズム6に導くにあたって、第1のレーザ発光素子2から光記録媒体に向かう光路上には、第1のレーザ光L1をプリズム6に向けて部分反射するとともに、光ディスク30からの戻り光を部分透過して受光素子13に向かわせる戻り光分離用光学素子としてのハーフミラ−7が配置されている。また、第2のレーザ発光素子3からプリズム6に至る光路上には、グレーティング11が配置されている。さらに、プリズム6に対して、ハーフミラー7と反対側には、モニター用の受光素子17が配置されている。さらにまた、ハーフミラー7と受光素子13との間には、非点収差発生素子としてのセンサレンズ12が配置されている。
グレーティング11は、所定の回折特性が付与されており、第2のレーザ発光素子3から出射された第2のレーザ光L2を3ビームに分割することにより、周知の3ビーム法またはDPP法によってトラッキングエラー検出を行う。
このように本形態の光ヘッド装置1においては、CD用およびDVD用の2種類のレーザ発光素子2、3を使用して、記録形態の異なるCDおよびDVD等の記録媒体を記録または再生し、且つ、コリメートレンズ8、立ち上げミラー9、および対物レンズ10によって共通光路14を形成しているので、各レーザ発光素子2、3に対応した個別独立の光学系を構成する必要はない。
但し、このような光ヘッド装置1では、光学素子の共通化を図ることができる代わりに、第1のレーザ発光素子2から受光素子13に到る第1の光路と、第2のレーザダイオード5から受光素子9に到る第2の光路とを空間的に等距離とすることができず、本形態のように、第1のレーザダイオード4から受光素子9に到る第1の光路を、第2のレーザダイオード5から受光素子9に到る第2の光路より長くせざるを得ないことがある。
そこで、本形態では、第1の光路上のうち、共通光路14から外れた位置、すなわち、プリズム6とハーフミラー7との間に、第1のレーザ光L1の焦点位置を第2のレーザ光L2の焦点位置に調整する正のパワーを備えた率変換レンズ18が配設されている。
また、光ヘッド装置1は、対物レンズ10をフォーカシング方向(Z方向)及びトラッキング方向(X方向)へ駆動する対物レンズ駆動装置16を備えており、フレーム15の上面側に取り付けられている。対物レンズ駆動装置16は、トラッキング駆動コイル、トラッキング駆動磁石やフォーカシング駆動コイル、フォーカシング駆動磁石等を備えるが、その構成は周知の構成であるため、詳細な説明は省略する。
本形態におけるフレーム15は、例えば、ダイキャストで成形されたアルミ製のフレームであり、底面側に光学系31の一部が搭載される図示しない凹部を備えている。この凹部には、プリズム6、ハーフミラー7、コリメータレンズ8、立上げミラー9等の光学系31を構成する光学素子の一部が固定され、これらの光学素子が、図示しない保護カバーによって覆われている。また、フレーム15の側面には、第1のレーザ発光素子2および第2のレーザ発光素子3を固定するための固定部(図示せず)が形成されている。なお、フレーム15の上面側に、レーザドライバIC22が載置される凹部が形成されており、この凹部に配設されたレーザドライバIC22は、対物レンズ駆動装置16に近接配置されている。
対物レンズ駆動装置16の構成部品は防塵カバー19によって覆われており、防塵カバー19はネジ20を用いてフレーム15に被着されている。ただし、対物レンズ10は防塵カバー19の上面に形成された開口19cから露出し、光ビームの通過を妨げないようになっている。
図1および図2に示すように、防塵カバー19は、トラッキング方向(X方向)の断面が略U字状に形成され、その側壁部の開放端側から略直角に折曲されて外方に延設された鍔部19d、19eが形成されている。すなわち、本形態では、対物レンズ駆動装置16がフォーカシング方向への駆動によってフレーム15の上面から若干突出するため、この対物レンズ駆動装置16のフォーカシング方向への駆動による干渉を避けるように断面が略U字状に形成されている。ただし、略U字状に形成された防塵カバー19の底面は、対物レンズ駆動装置16がフォーカシング方向に規定値を超えて駆動した際、上限を規定する深さに形成されている。
鍔部19d、19eは、フレーム15の上面側に当接しており、一方の鍔部19dには、ジッタ方向の略半分が、さらに外方に延設されレーザドライバIC22の上面に面接触する放熱部19aになっている。すなわち、防塵カバー19は、例えば銅またはアルミまたはステンレス等の熱伝導性に優れた金属板を曲げ加工することで形成されており、レーザドライバIC22の上面に面接触することによりレーザドライバIC22に生じる発熱が放散される放熱部19aが形成されている。
より具体的には、レーザドライバIC22は、その上面がフレームの上面より若干低くなるようになるようにして凹部に配設されているため、放熱部19aと鍔部19dとの間にはその高低さ分の段部19fが形成されており、この段部は、放熱部19aがレーザドライバIC22の上面に付勢した状態で面接触可能な寸法に形成されている。なお、放熱部19aはレーザドライバIC22の上面を全て覆う大きさに形成されているため、レーザドライバIC22から発生した熱が、放熱部19aから効率良く防塵カバー19全体に放散することができる。また、レーザドライバIC22の上面と放熱部19aとの間に伝熱シートや放熱ゲル等放熱機能を持った材料を挟むようにしてもよい。さらに、本形態では、防塵カバー19が、鍔部19d、19eに形成したネジ穴19bにネジ20を係合することによりフレーム15の上面に固定されている。
図4は、図1に示す光ヘッド装置を搭載したディスクドライブ装置の一部を模式的に示し、斜め上方から見た斜視図である。図5は、図4に示すディスクドライブ装置において、その一部を拡大して示す拡大図である。
本形態のディスクドライブ装置23は、ノートパソコン等に用いられるものであり、光ディスク30を載置し、図示しない筐体に進退自在に保持されたトレイ21を有している。トレイ21は、樹脂製のフレームで構成され、裏側に配設された光ヘッド装置1の可動方向に沿って開口し、対物レンズ10が光ディスク30に対向可能に露出する開口部20を有している。なお、ディスクドライブ装置23には、光ディスク30の載置部21aの略中心に光ディスク30を回転駆動させるスピンドルモータ24が配設されている。
開口部20からは、対物レンズ10以外にスピンドルモータ24の一部および防塵カバー19の一部が露出している。この防塵カバー19の露出した部分は、若干の隙間を介して光ディスク30に対向しているため空気冷却による冷却効率が高く、放熱部19aから防塵カバー19に放散された熱を効率良く空気冷却させる冷却部19gになっている。すなわち、スピンドルモータ24によって回転駆動された光ディスク30で発生した空気流は、開口部20を通して防塵カバー19の冷却部19gに直接あたり、冷却部19gは空気流によって空気冷却が促進されるためレーザドライバICから防塵カバー19に放散された熱を効果的に冷却することができる。本形態の場合、放熱部19aと冷却部19gとが近接配置されているため、放熱部19aに放散された熱を冷却部19gにより効率良く冷却することができる。
また、上述の通り対物レンズ駆動装置16とレーザドライバIC22とが、光ディスク30の半径方向に近接配置され、その半径方向の外側にレーザドライバIC22が配設されている。ここで、スピンドルモータ24によって回転駆動された光ディスク30で発生した空気流は、光ディスク30の外周側の方が内周側より強い。故に、本形態では、レーザドライバIC22が開口部20から露出していないが、強い空気流が開口部20を通してトレイ21の裏側に流れ込み、空気が拡散されることにより放熱部19aの上面からの放散を促進することができる。
(本形態の効果)
以上説明したように、本形態における光ヘッド装置1では、光ディスク30側に配設され対物レンズ駆動装置16を塵等から保護する防塵カバー19を有し、この防塵カバー19を銅またはアルミまたはステンレス等の熱伝導性に優れた材料によって形成し、その一部を対物レンズ駆動装置16に近接配置したレーザドライバIC22まで延設し、レーザドライバIC22から発生する熱を放散可能な放熱部19aとしている。そのため、防塵カバー19を放熱部材として用いることにより、放熱面積を確保することが可能となり、大きな放熱効果を得ることができる。しかも、防塵カバー19により放熱部材を兼用させることにより部品点数の削減が図れる。
また、本形態の防塵カバー19は、光学素子の少なくとも一部を保護するための図示しない保護カバーとは別体で構成されているため、防塵カバー19によってレーザドライバIC22に生じる発熱が放散されることになる。故に、保護カバーにはレーザドライバIC22に生じる発熱が放散されない。従って光学素子を適切に保護すべく、従来のように、フレーム15の底面側の大半部分を覆うように保護カバーを形成しても、フレーム15全体の温度上昇や、保護カバーに覆われるように配置された光学素子の温度上昇を抑制することができる。
さらに、本形態において、防塵カバー19は、銅またはアルミまたはステンレス製の金属板により形成されている。その結果、放熱性の高い銅板またはアルミまたはステンレス製の金属板によってレーザドライバIC22に生じる発熱を効果的に放散することができる。
さらにまた、本形態において、防塵カバー19は、レーザ発光素子2、3から離間して設けられている。故に、防塵カバー19の温度が、レーザ発光素子2、3の温度より上昇しても、レーザドライバIC22から放散された熱が防塵カバー19を介してレーザ発光素子2、3側へ放散されない。従って、レーザ発光素子2、3の長期信頼性を確保することができる。
本形態において、対物レンズ駆動装置16とレーザドライバIC22とは、光ディスク30の半径方向に近接配置され、その半径方向の外側にレーザドライバIC22が配設されているので、レーザドライバIC22が開口部20から露出していなくても、強い空気流が開口部20を通してトレイ21の裏側に流れ込み、空気が拡散されることにより放熱部19aの上面からの放散を促進することができる。
本形態の光ヘッド装置1を搭載したディスクドライブ装置23において、光ディスク30を載置するトレイ21は、光ヘッド装置1の可動方向に沿って開口し対物レンズ10が光ディスク30に対向可能に露出する開口部20を有し、開口部20からは、光ディスク30に対向可能に防塵カバー19が露出している。故に、空気の流れがトレイ21によって遮られることなく防塵カバー19にあたる。従って、防塵カバー19からの熱が空気の拡散によって滞留することがないので、一層放熱効果が高められる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、発熱体をレーザドライバIC22としているが、レーザドライバIC22の他、レーザ発光素子2、3や受光素子13、フロントモニタ17としてもよい。
さらに、上述した形態では、放熱部19aが、防塵カバー19の上面に形成された開口19cと並設されているが、放熱部19aが、冷却部19gに対し光ディスクの半径方向の外側に並設するように構成してもよい。
さらにまた、上述した形態では、防塵カバー19が、鍔部19d、19eに形成したネジ穴19bにネジ20を係合することによりフレーム15の上面に固定されているが、必ずしもネジ20を用いて固定する必要はなく、防塵カバー19に係合爪を設け、係合爪をフレーム15に係合させて固定するように構成してもよい。なお、ネジ穴19bの位置は、鍔部19d、19eに形成する必要は無く、放熱部19aを延設し、その先端に形成してもよい。
本発明の実施の形態にかかる光ヘッド装置を斜め上方から見た斜示図である。 図1に示す光ヘッド装置から防塵カバーを取り外し、対物レンズ駆動装置を露出した状態を斜め上方から見た斜示図である。 図1に示す光ヘッド装置の光学系の構成を説明する説明図である。 図1に示す光ヘッド装置を搭載したディスクドライブ装置の一部を模式的に示し、斜め上方から見た斜視図である。 図4に示すディスクドライブ装置において、その一部を拡大して示す拡大図である。 従来技術にかかる光ヘッド装置のカバーを取り外した状態での底面を示す底面図である。 従来技術にかかる光ヘッド装置の底面を示す底面図である。
符号の説明
1 光ヘッド装置
2 第1のレーザ発光素子(レーザ発光素子)
3 第2のレーザ発光素子(レーザ発光素子)
10 対物レンズ
15 フレーム
16 対物レンズ駆動装置
19 防塵カバー
20 開口部
21 トレイ
22 レーザドライバIC
23 ディスクドライブ装置
30 光ディスク
31 光学系

Claims (5)

  1. 光源としてのレーザ発光素子と、該レーザ発光素子からの出射光を光ディスクに収束させる対物レンズを有し該対物レンズを駆動する対物レンズ駆動装置と、前記レンズ発光素子を駆動するレーザドライバIC等の発熱体と、該発熱体と前記レーザ発光素子と前記対物レンズ駆動装置とが搭載されるフレームとを備え、前記光ディスクの記録および再生の少なくともいずれか一方を行う光ヘッド装置において、
    前記対物レンズ駆動装置は、光ディスク側に配設され前記対物レンズ駆動装置を塵等から保護する防塵カバーを有し、該防塵カバーを熱伝導性に優れた材料によって形成し、その一部を前記発熱体まで延設し、該発熱体から発生する熱を放散可能な放熱部としたことを特徴とする光ヘッド装置。
  2. 請求項1において、前記防塵カバーは、銅またはアルミまたはステンレス製の金属板であることを特徴とする光ヘッド装置。
  3. 請求項1または2のいずれかにおいて、前記放熱部は、前記レーザドライバICに当接して設けられるとともに、前記防塵カバーは、前記レーザ発光素子から離間して配設されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記対物レンズ駆動装置と前記レーザドライバICとは、前記光ディスクの半径方向に近接配置され、その半径方向の外側にレーザドライバICが配設されていることを特徴とする光ヘッド装置。
  5. 請求項1ないし4記載の光ヘッド装置を搭載したディスクドライブ装置において、
    前記光ディスクを載置するトレイを有し、該トレイは、前記光ヘッド装置の可動方向に沿って開口し前記対物レンズが前記光ディスクに対向可能に露出する開口部を有し、該開口部は、前記光ディスクに対向可能に前記防塵カバーが露出していることを特徴とするディスクドライブ装置。
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