JP2006309185A - In−Cell型偏光子用組成物、In−Cell型偏光子及びIn−Cell型積層偏光子、並びにそれらを用いた液晶素子 - Google Patents

In−Cell型偏光子用組成物、In−Cell型偏光子及びIn−Cell型積層偏光子、並びにそれらを用いた液晶素子 Download PDF

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Abstract

【課題】アクティブ駆動方式において、駆動性能、表示性能に優れた液晶素子を得ることが可能なIn-Cell型偏光子を提供する。
【解決手段】色素及び溶剤を含有するIn-Cell型偏光子用組成物であって、電気伝導度が25mS/cm以下で、ナトリウムイオン濃度が2500ppm以下であるものを用いるとアクティブ駆動に適した高い電圧保持率を得ることができ、フリッカーやコントラスト比の低下といった表示性能の低下を引き起こすことのない優れた液晶素子が実現される。
【選択図】図5

Description

本発明は、調光素子や液晶素子(LCD)、及びLCDを用いた表示素子に具備される偏光子に有用なIn-Cell型偏光子用組成物、In-Cell型偏光子及びIn-Cell型積層偏光子、並びにそれらを用いた液晶素子に関するものである。
LCDでは、表示における旋光性や複屈折性を制御するために、直線偏光板や円偏光板が用いられている。従来、これらの偏光板(偏光子)には主にポリビニルアルコールなどの延伸フィルムをベースフィルムとした積層フィルムが偏光子として使用されてきた。
しかし、LCDの使用環境の多様化に伴い、軽量、薄型化や高耐久化などの改良がLCDに求められている。
そのため、例えば特許文献1,2及び非特許文献1に記載されるように、有機系の二色性物質をLCDセルの内部に塗布してなる、いわゆるIn-Cell型偏光子(膜)が検討されている。
特開昭50−98370号公報 特表平8−511109号公報 "TN Mode TFT-LCD with In-Cell Polarizer",Tsuyoshi Ohyama et al.,SID Digest,Vol.4,p.1106-1109
近年、OA用モニターやテレビなど表示情報量の多いディスプレイにもLCDの使用が可能となると、LCDの駆動方式が従来のパッシブ方式から薄膜トランジスタ(TFT)などの能動素子によるアクティブ駆動方式が主流となってきている。アクティブ駆動方式のLCD材料、特に駆動電荷を印加する液晶材料や配向膜材料などの電極間に挟持する材料には、優れた駆動特性、表示性能が要求されている。
ところが、非特許文献1などで提案されているIn-Cell型偏光子及びIn-Cell型偏光子を具備したアクティブ駆動型LCDでは、その動作は確認されているものの、高精細化や大型化に向けた駆動性能、表示性能の向上に関する技術開発は皆無であったことなどから、これら課題を克服する必要があった。
従って、本発明の目的は、アクティブ駆動方式において、駆動性能、表示性能に優れた液晶素子を得ることが可能な、In-Cell型偏光子用組成物、In-Cell型偏光子及びIn-Cell型積層偏光子を提供するとともに、それらを用いた液晶素子を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、In-Cell型偏光子の電圧保持率(電荷保持特性)の低下が、液晶素子の表示性能等の低下の原因であるとの知見を得た。電荷保持特性が低いと液晶層に充分な駆動電荷が印加されず、画面のちらつき(フリッカー)やコントラスト比の低下といった表示性能の低下を引き起こす。このような現象は、ポケットサイズの液晶テレビ等では顕著ではないが、LCDの画面サイズの大型化や、表示密度の上昇(例えばハイビジョンなどの高精細化)に伴い、より顕著となる。
本発明者らはこうした知見に基づき更に鋭意検討を重ねた結果、In-Cell型偏光子の形成に用いる色素含有組成物(In-Cell型偏光子用組成物)において、電気伝導度又はナトリウムイオン濃度の値を一定値以下に抑えることにより、アクティブ駆動に適した高い電圧保持率(電荷保持特性)を有するIn-Cell型偏光子を得ることができ、ひいては駆動性能、表示性能に優れた液晶素子が実現されることを見出して、本発明の完成に到った。
即ち、本発明の趣旨は、色素及び溶剤を含有するIn-Cell型偏光子用組成物であって、電気伝導度が25mS/cm以下であることを特徴とする、In-Cell型偏光子用組成物に存する(請求項1)。
また、本発明の別の趣旨は、色素及び溶剤を含有するIn-Cell型偏光子用組成物であって、ナトリウムイオン濃度が2500ppm以下であることを特徴とする、In-Cell型偏光子用組成物に存する(請求項2)。
また、本発明の別の趣旨は、上述のIn-Cell型偏光子用組成物を塗布により成形してなることを特徴とする、In-Cell型偏光子に存する(請求項3)。
また、本発明の別の趣旨は、電圧保持率が50%以上であることを特徴とする、In-Cell型偏光子に存する(請求項4)。
また、本発明の別の趣旨は、比電圧保持率が90%以上であることを特徴とする、In-Cell型偏光子に存する(請求項5)。
また、本発明の別の趣旨は、上述のIn-Cell型偏光子を用いたことを特徴とする、液晶素子に存する(請求項6)。
また、本発明の別の趣旨は、偏光子及びパッシベーション膜を有するIn-Cell型積層偏光子であって、比電圧保持率が90%以上であることを特徴とする、In-Cell型積層偏光子に存する(請求項7)。
また、本発明の別の趣旨は、上述のIn-Cell型積層偏光子を用いたことを特徴とする、液晶素子に存する(請求項8)。
本発明のIn-Cell型偏光子用組成物によれば、アクティブ駆動に適した高い電圧保持率(電荷保持特性)を有するIn-Cell型偏光子及びIn-Cell型積層偏光子が実現される。
また、本発明のIn-Cell型偏光子及びIn-Cell型積層偏光子は、高い電圧保持率(電荷保持特性)を有することから、アクティブ駆動方式の液晶素子に用いることによって、駆動性能、表示性能に優れた液晶素子を得られるものと期待される。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。
[I.In-Cell型偏光子用組成物]
本発明のIn-Cell型偏光子用組成物は、色素及び溶剤を含有するものであって、以下の(i)、(ii)のうち少なくとも何れか一方、好ましくは双方を特徴とするものである。
(i)電気伝導度が25mS/cm以下である。
(ii)ナトリウムイオン濃度が2500ppm以下である。
〔色素〕
色素としては、本発明の趣旨を逸脱するものでない限り、その種類は特に限定されないが、通常は可溶性基を有する異方性色素が使用される。異方性色素は通常、二色性を示す。好ましい例としては、アミノ基、スルホニウム基、ピロール基、3−ピロリン基、ピロリジン基、ピラゾール基、2−ピラゾリン基、ピラゾリジン基、イミダゾール基、1,2,3−トリアゾール基、1,2,4−トリアゾール基、ピペリジン基、ピペラジン基などの塩基性基やスルホ基、カルボキシ基、リン酸基など酸性基を有する可溶性の異方性色素が挙げられる。
色素の骨格は特に限定されないが、アゾ系色素、ペリレン系色素、ポリエン系色素、アントラキノンなどのキノン系色素などが挙げられる。特に、直接染料の骨格に多く見られるベンジジン系、スチルベン系、ポリアゾ系が好ましく、更に好ましくは、少なくとも1つ以上のスルホ基を有し、水系溶媒での溶解性があり、リオトロピック液晶性などの会合状態を形成するものが挙げられる。特に好ましくはアゾ系色素である。
具体的には、下記式(1)で表される色素が特に好ましい。
Figure 2006309185
前記式(1)において、D1は、置換基を有していてもよいフェニレン基又は置換基を有していてもよいナフチレン基を表わす。フェニレン基としては1,4−フェニレン基が好ましく、ナフチレン基としては1,4−ナフチレン基が、疎水性相互作用を示すために好ましい。
フェニレン基の置換基としては、置換基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等)、置換基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等)、置換基を有していてもよい、炭素数2〜7のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)等の極性の小さい基がリオトロピック液晶を形成する上での疎水性相互作用による会合性向上の点で好ましい。
ナフチレン基の置換基としては、置換基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)等の極性の小さい基が、リオトロピック液晶を形成する上での疎水性相互作用による会合性向上の点で好ましい。前記アルキル基、アルコキシ基、アシルアミノ基の有し得る置換基としては、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
前記式(1)において、G1は、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、又はシアノ基を表わす。これらの基は、強い引力を与える置換基であることから好ましい。中でも、広いpH範囲で引力を与えるという点で、特に好ましくはスルホ基、シアノ基である。
前記式(1)において、Q1は、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、置換基を有していてもよいアミノ基(好ましくはアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基)、置換基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、置換基を有していてもよい、炭素数1〜3のアルコキシ基、カルボキシ基、又はスルホ基を表わす。中でも、特に好ましくは水素原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。前記アルキル基、アルコキシ基の有し得る置換基としては、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
前記式(1)において、Q2及びQ3はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表わす。中でも、特に好ましくは、Q2及びQ3の少なくとも一方が水素原子であることが挙げられる。前記アルキル基及びフェニル基の有し得る置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。
前記式(1)において、nは1又は2の数を表わし、pは0又は1の数を表わし、tは1又は2の数を表わす。なお、nが2の場合、一分子中に含まれる二つのD1は、同一であっても異なっていてもよい。
前記式(1)で表わされる色素の具体例としては、特願2005−110535号及び特願2005−123029号各明細書に記載されたものが挙げられる。
なお、色素は何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び組成で併用してもよい。
色素は、遊離酸型の状態で使用してもよく、酸基の一部が塩型を取った状態で使用してもよい。また、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していてもよい。塩型の交換方法としては、例えば後出の〔電気伝導度〕の欄に記載の(1)〜(4)等の方法が挙げられる。
本発明のIn-Cell型偏光子用組成物中における色素の濃度としては、色素の溶解性やリオトロピック液晶状態などの会合状態の形成濃度にも依存するが、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1重量%以上、また、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下の範囲である。
本発明において、色素は通常、可溶性の染料系色素を使用する。染料系色素は水に可溶であるため、以下詳述するように、ナトリウムイオンなどの水可溶性イオンを制御することは困難な操作であるが、本発明においては表示性能の低下を避けるため、敢えてナトリウムイオン濃度を制御する。
〔溶剤〕
溶剤としては、上述の色素を好適に溶解又は分散できるものであって、本発明の趣旨を逸脱するものでない限り、その種類は特に限定されないが、その例としては、水、水と混和性のある有機溶剤、或いはこれらの混合物等が挙げられる。
水としては、イオン交換処理を施したイオン交換水や蒸留水、逆浸透膜などの各種フィルター処理された純水、超純水を用いることができる。中でも、1MΩcm以上の比抵抗値を有することが好ましく、10MΩcm以上の比抵抗値を有することが更に好ましい。
有機溶剤の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類等が挙げられる。これらは何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び組成で混合して用いてもよい。
〔その他の成分〕
本発明のIn-Cell型偏光子用組成物は、上述の色素及び溶媒の他に、更にその他の成分を含有していてもよい。例えば、後述の湿式成膜法等において、本発明のIn-Cell型偏光子用組成物を色素溶液として基材に塗布する場合には、基材への濡れ性、塗布性を向上させるため、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を加えることができる。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれも使用可能である。その使用量は、組成物全体に対する濃度の値で、通常0.05重量%以上、0.5重量%以下の範囲とすることが好ましい。
上記以外の添加剤としては、"Additives for Coating",Edited by J. Bieleman,Willey-VCH,2000年に記載の公知の添加剤を用いることができる。
〔電気伝導度〕
本発明のIn-Cell型偏光子用組成物の特徴の一つは、その電気伝導度が25mS/cm以下であるという点にある。電気伝導度を25mS/cm以下とすることにより、電圧保持率の高いIn-Cell型偏光子を得ることが可能となる。中でも、好ましくは10mS/cm以下、更に好ましくは1mS/cm以下である。尚、通常0.2mS/cm以上である。上限を越えると極性不純物の溶解性が高くなり好ましくない。
In-Cell型偏光子用組成物の電気伝導度は、2電極法(セル)又は4電極法(セル)による電導度メーターなどにより求められる。具体的には、日本工業規格(JIS)のK0101:1998「工業用水試験方法」で規定されている電気伝導率の測定方法に準じた各種方法により測定することが可能であるが、ガード電極による測定精度の向上の観点から2電極法(セル)よりも4電極法(セル)が、印加電圧(電極間に発生する電位差)により偏在すると予想されるキャリアー(イオンなど)の電極近傍での諸現象を排除する観点から直流(DC)印加よりも交流(AC)印加による測定が好ましい。
本発明のIn-Cell型偏光子用組成物は、上述のように、色素と、溶剤と、必要に応じて用いられる界面活性剤などの各種添加剤からなる混合物(溶液)である。この混合物を構成する各成分の化学種及び各成分に由来する不純物、特に極性成分やイオン性成分が、組成物の電気伝導度に寄与すると考えられ、これらの含有量を低減させることにより、25mS/cm以下の電気伝導度を実現することが可能となると考えられる。
ここで、該不純物を低減させる手法としては、以下の手法が挙げられる。
・色素、溶剤及び各種添加剤などに用いられる合成原料の化学純度を精製処理(蒸留、カラム、再結晶など)により向上させる。
・色素及び各種添加剤を溶媒から結晶化して取り出す際には、pHが中性となるよう操作する。溶剤に水を用いる場合には、使用する水をイオン交換法、蒸留法、RO(逆浸透)処理法などの各種処理法により処理する。
・組成物を配合・溶解操作により調製する際に、容器や器具からの溶出を防止するために、洗剤洗浄、超音波洗浄、UVオゾン洗浄などの各種洗浄を施すか、溶出が懸念される材質(例えばアルカリガラスや可塑剤を多く含む合成樹脂など〉を避ける。
・組成物の調製(溶解振とう)中や組成物の輸送・保管時には、塵などが混入しないように密封する。
特に、極性成分やイオン性成分を低減させる手法としては、以下の手法が挙げられる。・色素及び各種添加剤を溶媒から結晶化して取り出す際に、pHが中性となるよう操作する。
・溶剤に水を用いる場合に、イオン交換法、蒸留法、RO(逆浸透〉処理法などの純水化処理を行なう。
・組成物を配合・溶解操作により調製する際に、テフロン(登録商標)製、ほうケイ酸ガラス製、無アルカリガラス製などの器具・容器を用いる。
電気伝導度に寄与する極性成分やイオン性成分は、現在の化学的分析手法では検出限界以下の濃度であり、その具体的な化学種を断定することは困難であるが、LCDの液晶層に溶出可能なアルカリ金属イオン類や、比較的低分子量の有機性の陰イオン成分であると考えられる。これらは、異方性色素の合成過程で混入する不純物以外に、溶媒や界面活性剤などの各種添加剤に由来すると考えられる。
また、水溶性の異方性色素は、上述のようにアミノ基、置換アミノ基、スルホニウム基など塩基性基やスルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性基を有するため、これらの対イオン性成分による影響が考えられる。
特に、酸性基を有する色素は、酸性基の一部が塩型を取っているものが、溶媒への溶解性の観点から多用されるが、塩型の交換方法として以下の(1)〜(4)等の方法を用いる場合には、過剰量の酸又は塩基の残留が色素の不純物となり得るため、注意が必要であると考えられる。
(1)塩型で得られた色素の水溶液に塩酸等の強酸を加え、色素を遊離酸の形で酸析せしめた後、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
(2)塩型で得られた色素の水溶液に、所望の対イオンを有する大過剰の中性塩(例えば、塩化リチウム)を加え、塩析ケーキの形で塩交換を行う方法。
(3)塩型で得られた色素の水溶液を、強酸性イオン交換樹脂で処理し、色素を遊離酸の形で酸析せしめた後、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
(4)予め所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で処理した強酸性イオン交換樹脂に、塩型で得られた色素の水溶液を作用させ、塩交換を行う方法。
〔ナトリウムイオン濃度〕
本発明のIn-Cell型偏光子用組成物の別の特徴は、そのナトリウムイオン濃度が2500ppm以下であるという点にある。中でも、好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは100ppm以下の範囲である。なお、その下限は通常10ppm以上である。上限を越えると、液晶素子(液晶層)への溶出、更には電気特性への悪影響があり好ましくない。ナトリウムイオン濃度を本発明の範囲内にするための手法としては、例えば、不純物を低減させる手法として上に例示した各種の手法を用いることができる。
本発明のIn-Cell型偏光子用組成物のナトリウムイオン濃度は、組成物中に存在する特定イオンの濃度に応答して電極電位が変化するイオン選択性電極と比較電極とを併用することにより求めることができる。具体的には、日本工業規格(JIS)のK0101:1998「工業用水試験方法」で規定されているナトリウム(イオン)の測定方法に準じたフレーム光度法、フレーム原子吸光法、イオンクロマト法等各種方法により測定することが可能であるが、比較的高濃度のナトリウムイオン量を直接的に測定可能であることから、日本工業規格(JIS)のK0122:1998「イオン電極測定方法通則」で規定されている測定方法に準じたイオン電極測定法が好ましい。更に、バッファー液によるpHの調整が不要なイオン選択性電極を用いたイオンメーターを使用する方が、pHによる解離状態の変化を抑止することができるため好ましい。
[II.In-Cell型偏光子]
本発明のIn-Cell型偏光子は、以下の(i)〜(iii)のうち少なくとも何れか一つ、好ましくは二つ以上の特徴を有するものである。
(i)本発明のIn-Cell型偏光子用組成物を塗布により成形してなる。
(ii)電圧保持率が50%以上である。
(iii)比電圧保持率が90%以上である。
〔異方性〕
本発明のIn-Cell型偏光子は、色素膜の厚み方向及び任意の直交する面内2方向の立体座標系における合計3方向から選ばれる任意の2方向における電磁気学的性質に異方性を有する色素膜である。電磁気学的性質の中でも、特に吸収の異方性を有する。吸収のほかにも屈折などの光学的性質、抵抗、容量などの電気的性質などの吸収、屈折などの光学的異方性を有する場合もある。具体的には、直線偏光膜、円偏光膜、位相差板、導電異方性膜などがある。なお、色素膜が吸収等の異方性を有することは、例えば、ヨウ素系等の偏光フィルムを置いたライトボックス上で回転させる等の手法により、確認することができる。
〔In-Cell型偏光子用組成物の塗布〕
本発明のIn-Cell型偏光子の特徴の一つは、本発明のIn-Cell型偏光子用組成物を塗布により成形してなるという点である。塗布は通常、何らかの基板材料(基材)を対象として行なわれる。また、成形の形状は特に制限されないが、好ましくは膜状・層状である。
・基材:
塗布対象の基材は、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に制限されない。例としては、ガラスや合成樹脂などの透明基板、シリコン基板などが挙げられる。本発明のIn-Cell型偏光子用組成物を、この基板材料に直接塗布してもよいが、基材上に導電性又は絶縁性の薄膜を単独又は積層してから、本発明のIn-Cell型偏光子用組成物を塗布してもよい。導電性の薄膜としては、ITO(酸化インジウム錫)などの透明電極やアルミや金などの金属電極が、絶縁性の薄膜としてはポリイミド樹脂やポリシロキサンなどのポリマー、酸化ケイ素などが挙げられる。また、この基材の表面には、偏光子に含まれる色素の配向方向を制御するために、「液晶便覧」(丸善株式会社、平成12年10月30日発行)226頁〜239頁などに記載の公知の方法により、配向処理層を施しておいてもよい。
なお、通常はこの基材が、後述する液晶素子の基板を形成することになるので、基材の形状や厚み等は、目的とする液晶素子に応じて適宜調整するのが好ましい。一般的な基材の厚みは、通常10μm以上、好ましくは100μm以上、また、通常10mm以下、好ましくは1mm以下の範囲である。
・塗布の方法:
本発明のIn-Cell型偏光子用組成物を塗布する方法としては、湿式成膜法が挙げられる。湿式製膜法は、本発明のIn-Cell型偏光子用組成物を塗布液として調製後、前述の基板材料(基材)に塗布、乾燥し、色素を配向、積層して得る方法など公知の方法が挙げられる。湿式成膜法としては、原崎勇次著「コーティング工学」(株式会社朝倉書店、1971年3月20日発行)253頁〜277頁や市村國宏監修「分子協調材料の創製と応用」(株式会社シーエムシー出版、1998年3月3日発行)118頁〜149頁などに記載の公知の方法や、例えば、予め配向処理を施した基材上に、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法などで塗布することが挙げられる。
この場合、本発明のIn-Cell型偏光子用組成物中の色素の濃度は、低すぎると十分な二色性を得ることができず、高すぎると成膜が困難になるので、上記範囲となるようにすることが好ましい。
塗布時の温度は好ましくは0℃以上、80℃以下、湿度は好ましくは10%RH以上、80%RH以下程度である。また、塗膜の乾燥時の温度は好ましくは0℃以上、120℃以下、湿度は好ましくは10%RH以上、80%RH以下程度である。
湿式成膜法で基材上に本発明のIn-Cell型偏光子を形成する場合、本発明のIn-Cell型偏光子の膜厚は、通常、乾燥後の膜厚で、好ましくは50nm以上、更に好ましくは100nm以上、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは1μm以下である。
〔電圧保持率〕
本発明のIn-Cell型偏光子の別の特徴は、その電圧保持率が50%以上であるという点にある。電圧保持率を50%以上とすることにより、液晶表示素子の駆動特性、表示特性を低下させない、或いは向上させることが可能となる。中でも、好ましくは70%以上、更に好ましくは85%以上である。下限を下回ると液晶素子全体の電圧保持率が低下し、フリッカー(画面のちらつき)の発生やコントラスト比の低下が発生し、好ましくない。
なお、電荷保持特性は、電圧保持率として測定することが可能であり、具体的な方法としては、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の規格書ED−2521A「液晶表示パネル及びその構成材料の測定方法」に記載の「電圧保持率測定方法」により測定することができる。
電圧保持率が50%以上のIn-Cell型偏光子は、例えば上に記載した本発明の組成物を用いて塗布により製造する方法や、熱蒸着法等のドライプロセス、LB膜、ドライフィルムレジスト等の転写法等の手法によって得ることができる。中でも好ましくは、上に記載した塗布により製造する方法である。
〔比電圧保持率〕
また、本発明のIn-Cell型偏光子の更に別の特徴は、その比電圧保持率が90%以上であるという点にある。比電圧保持率を90%以上とすることにより、液晶表示素子の駆動特性、表示特性を低下させない、或いは向上させることが可能となる。
本明細書において「比電圧保持率値」とは、In-Cell型偏光子を有する液晶素子と同一仕様で、偏光子を配置しない液晶素子における電圧保持率を100%とした時の百分率で表わしたものである。なお、電圧保持率は上記の方法で測定される。
Figure 2006309185
本発明のIn-Cell型偏光子の比電圧保持率の値は、液晶素子の精細度(画素数)や画面サイズによるが、通常90%以上、好ましくは95%以上である。下限を下回ると液晶素子全体の電圧保持率が低下し、フリッカー(画面のちらつき)の発生やコントラスト比の低下が発生し、好ましくない。
比電圧保持率が90%以上のIn-Cell型偏光子は、例えば上に記載した本発明の組成物を用いて塗布により製造する方法や、熱蒸着法等のドライプロセス、LB膜、ドライフィルムレジスト等の転写法等の手法によって得ることができる。中でも好ましくは、上に記載した塗布により製造する方法である。
〔その他〕
本発明のIn-Cell型偏光子の膜厚は、上述の(i)〜(iii)の何れの特徴を備えたものについても、通常1nm以上、中でも10nm以上、また、通常50μm以下、中でも5μm以下の範囲とすることが好ましい。
[III.液晶素子]
本発明の液晶素子は、上述の本発明のIn-Cell型偏光子を用いてなるものである。通常は、2枚の基板により液晶材料を挟持した液晶素子において、少なくとも一方の基板の内側(液晶材料を挟持している側)に、本発明のIn-Cell型偏光子が形成されてなる。
本発明の液晶素子の基本構成は、例えば、株式会社工業調査会「フラットパネルディスプレイ大辞典」(内田龍男、内池平樹監修、2001年12月25日発行)の45頁の図1に示されている通りである。即ち、本発明の液晶素子は、対向して配置される一対の基板と、各基板の内側に設けられる一対の配向膜(液晶材料を配向させる配向層)と、基板間(液晶セル)に介装される液晶層(液晶材料を有する層)と、液晶層に電界を印加する電極(例えばITO電極等)とを少なくとも備えてなり、電極により液晶層に電界を印加して液晶の配列を変化させることによって、光の透過・遮断を制御するものである。ここで、本発明のIn-Cell型偏光子は、前述の配向膜と偏光層との間、配向膜と電極との間に挿入され、用いられる。
液晶素子の具体的な表示方式としては、株式会社工業調査会「フラットパネルディスプレイ大辞典」(内田龍男、内池平樹監修、2001年12月25日発行)の54頁から83頁に記載された、TNモード、STNモード、DSMモード、ECBモード、VAモード、πセル、OCBモード、HANモード、相転移−コレステリック液晶モード、ECEモード、強誘電性液晶モード、反強誘電性液晶モード、ゲスト−ホスト液晶モード、IPSモード、高分子複合型モード、高分子液晶モード、フォトルミネッセントモードなどの各種液晶モードを用いた液晶素子が挙げられるが、本発明の液晶素子は、これらの何れに対しても適用可能である。
本発明の液晶素子の具体的な構成例としては、図5に示す構成が挙げられる。図5は、本発明の液晶素子の一種であるTNモードの透過型カラー液晶素子の構成の例を模式的に示す図である。図5に示す液晶素子は、TNモードの透過型カラー液晶素子であって、AR(AG)フィルム1、光学補償フィルム2、カラーフィルター付き基板3、ITO電極4、配向膜(配向層及び偏光子)5、スペーサ6、液晶層7、TFT,ITO電極8、基板9から構成されるとともに、輝度向上フィルム10、プリズムシート11、拡散板12、導光板13、光源14からなるバックライトユニット15と組み合わせて用いられる。本発明のIn-Cell型偏光子は、上述の配向膜(配向層及び偏光子)5として用いられる。なお、一対の配向膜5のうち、何れか一方のみが本発明のIn-Cell型偏光子であってもよく、双方の配向膜5が本発明のIn-Cell型偏光子であってもよい。また、本発明のIn-Cell型偏光子が配向層の機能を兼ねることにより、配向層を省略してもよい。
但し、図5の液晶素子の構成はあくまでも一例であって、液晶素子としての機能を損なわない限り、その用途に応じて各構成要素の配置・形状・積層順等を変更したり、一部の構成要素を省略したり、複数の構成要素を一体に構成したり、他の構成要素を追加したり等、適宜変形を加えて実施することが可能である。
例えば、バックライトなどの補助光源を有しない反射型液晶素子や、フロントライトやサイドエッジライトを具備した透過型・半透過型液晶素子、マイクロカラーフィルターを具備しないモノクロ液晶素子や、フィールドシーケンシャル方式の液晶素子として、本発明の液晶素子を構成することも可能である。
また、本発明のIn-Cell型偏光子の配置位置は、In-Cell型であれば特に制限されず、電極と基板との間であっても、電極と液晶層との間であってもよい。また、本発明のIn-Cell型偏光子に対して、他の機能層である配向膜やλ/4板などの位相差膜、反射膜、光拡散膜、光吸収膜を、単独若しくは複数組み合わせて付加、配置してもよい。更には、IPSモードのように液晶層などを挟持する2枚の基板(基材)のうち、一方の基材にのみ電極が形成されている液晶素子についても、電極を有していない基材及び基材表面に形成された各種膜が液晶素子の電気特性に影響を及ぼすことがあるため、本発明のIn-Cell型偏光子を設けることにより駆動特性や表示性能の向上という効果を得ることができる。
中でも、本発明のIn-Cell型偏光子は、例えば上述の図5に示すように、液晶材料を電界効果により駆動させる電極よりも内側に配置される構成(即ち、本発明のIn-Cell型偏光子にも電界が印加される構成)の液晶素子に適用した場合に、電荷保持特性(電圧保持率)の向上が得られて有用である。特に、ツイストネマティック(TN)モードや垂直配向(VA)モードなど、基板間でコモン電極とアドレス電極の両電極が対向するよう配置された液晶素子において有用であるが、インプレーンスイッチング(IPS)モードのように、同一基板上に両電極が配置されている場合にも有用である。
また、本発明のIn-Cell型偏光子上に電極が形成される場合においても、電荷保持特性(電圧保持率)を低下させる不純物の液晶層への溶出を低減できるため有用である。
[IV.In-Cell型積層偏光子]
本発明のIn-Cell型積層偏光子は、上述の本発明のIn-Cell型偏光子と、パッシベーション膜とを積層してなるものである。ここで「パッシベーション膜」とは、In-Cell型偏光子に機械的強度を付与したり、In-Cell型偏光子から液晶層への不純物などの溶出を防止するための層である。
パッシベーション膜の種類は、本発明の趣旨を逸脱するものでない限り特に制限されないが、通常は透明な高分子材料からなる膜が用いられる。ここで「透明」であるとは、少なくとも目的とする液晶素子に使用する光源に対して透明性を示すことをいう。このような高分子材料の例としては、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。なお、パッシベーション膜は、これらの高分子材料のうち一種のみからなっていてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で含有していてもよい。
パッシベーション膜は、通常は本発明のIn-Cell型積層偏光子上にラミネーションして形成、積層されるが、その積層順及び積層手段は限定されるものではない。具体的には、In-Cell型積層偏光子上に、スクリーン印刷法等の公知のコーティング法により、樹脂溶液を塗布する方法や、転写膜などの貼合によりラミネーションして形成、積層する方法等が挙げられる。パッシベーション膜は、In-Cell型積層偏光子の全面に形成してもよいし、液晶素子の画素に対応させてパターン形成して積層してもよい。パターン形成においては、パッシベーション膜を形成後、レジストなどを用いたフォトリソグラフィー手法によりパターン化する方法や、感光性を有したパッシベーション膜をラミネーションした後、マスク露光によりパターンを形成する方法が挙げられる。更に、パッシベーション膜をラミネーションする際に、In-Cell型積層偏光子の表面を安定化させて、プロセス耐性を高めることも可能である。安定化の方法としては、小西謙三、黒木宣彦共著「合成染料の化学」(槇書店、1974年3月15日発行)388頁〜404頁などに記載されている染料のレーキ法を利用した、多価金属塩による不溶化が挙げられる。パッシベーション膜の膜厚は特に制限されず、目的とする液晶素子に応じて適宜調整すればよいが、通常1nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常100μm以下、好ましくは10μm以下の範囲である。また、パッシベーション膜は一層のみでもよく、二層以上でもよい。通常、液晶素子の駆動電圧を低く抑えることが求められることから、パッシベーション膜は上記目的を損なわない範囲で薄くすることが好ましく、また、各膜界面で生じる屈折率差による反射が液晶素子としての光利用効率を低下させること等から、パッシベーション膜は一層であることが好ましい。
本発明のIn-Cell型積層偏光子は、本発明のIn-Cell型偏光子と同様、上述した液晶素子(本発明の液晶素子)の偏光子として用いられる。この場合、In-Cell型偏光子が基板と接する側に配置され、パッシベーション膜が液晶層と接する側に配置される。なお、液晶素子の一対の偏光子のうち、何れか一方のみが本発明のIn-Cell型積層偏光子であってもよく、双方の偏光子が本発明のIn-Cell型積層偏光子であってもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[I.In-Cell型偏光子用組成物]
〔実施例1〕
比抵抗値が18MΩcmの超純水8.5gに、下記式(2)に示す構造の塩型色素であって、合成工程により得られた色素の水溶液に、塩酸を加え、色素を遊離酸の形で酸析した後、水酸化ナトリウム水溶液によって色素酸性基をpH7で中和し、塩交換して得た色素1.5gを加え、撹拌して溶解させた後、濾過することにより、In-Cell型偏光子用組成物を得た。これを実施例1のIn-Cell型偏光子用組成物とする。
Figure 2006309185
実施例1のIn-Cell型偏光子用組成物の電気電導度を、JIS K0101に従い、交流2電極法による電導度計(堀場製作所製)により測定した結果、13.5mS/cmであった。
更に、実施例1のIn-Cell型偏光子用組成物のナトリウムイオン濃度を、JIS K0101に従い、ナトリウムイオン電極法によるイオンメーター(堀場製作所製)により測定した結果、1000ppmであった。
また、実施例1のIn-Cell型偏光子用組成物を、スクリーン印刷法により表面にポリイミド(日立化成製)の配向膜が形成されたITO電極付ガラス製基板(電極面積8mm×8mm、ポリイミド膜厚約80nmのポリイミド配向膜を予めナイロン布でラビング処理を施したもの)に、ギャップ10μmのアプリケーター(井元製作所社製)で塗布した後、自然乾燥することにより、色素膜を得た。更に、この色素膜付基板を、ヨウ素系偏光フィルムを置いたライトボックス上で回転させたところ、吸収異方性があり、偏光子として機能することを確認した。
この色素膜(偏光子)の電荷保持特性を測定するため、偏光子上に対向電極材料として、銀ペースト(藤倉化成製、商品名:ドータイト)を塗布し、180℃で30分間加熱乾燥させた。更に、室温まで冷却し、JEITAのED−2521A規格書に準拠して東陽テクニカ製液晶物性評価システム6254型を用いて、電圧保持率を測定した。測定時の条件は、印加電圧5V、パルス幅60μsec、周期60Hz、温度25℃であった。この偏光子自体の電圧保持率は56.6%であった。
〔比較例1〕
実施例1で使用した超純水の代わりにイオン交換樹脂により得られたイオン交換水を、また、pH7で中和し塩交換した色素の代わりにpH約8の弱アルカリ性で塩交換した色素を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりIn-Cell型偏光子用組成物を調製した。これを比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物とする。
比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物について、実施例1と同様の方法により、電気電導度及びナトリウムイオン濃度を測定したところ、電気電導度は27.0mS/cm、ナトリウムイオン濃度は2900ppmであった。
更に、比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いて、実施例1と同様の方法によって偏光子を作製し、その電圧保持率を測定したところ、この偏光子自体の電圧保持率は34.4%であった。
〔実施例2〕
実施例1で使用したpH7で中和し塩交換した色素の代わりに、pH約8の弱アルカリ性で塩交換した色素を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、In-Cell型偏光子用組成物を得た。これを実施例2のIn-Cell型偏光子用組成物とする。
実施例2のIn-Cell型偏光子用組成物について、実施例1と同様の方法により、電気電導度及びナトリウムイオン濃度を測定したところ、電気電導度は15.3mS/cm、ナトリウムイオン濃度は2200ppmであった。
〔実施例3〕
実施例1で使用したpH7で中和し塩交換した色素の代わりに、実施例1で使用した超純水の代わりにイオン交換樹脂によるイオン交換水を用いた以外は、実施例1と同様な方法により、In-Cell型偏光子用組成物を得た。これを実施例3のIn-Cell型偏光子用組成物とする。
実施例3のIn-Cell型偏光子用組成物について、実施例1と同様の方法により、電気電導度及びナトリウムイオン濃度を測定したところ、電気電導度は22.0mS/cm、ナトリウムイオン濃度は2200ppmであった。
[II.液晶素子1]
上述の実施例1〜3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を、ITO電極付ガラス製基板(電極面積8mm×8mm)に、ギャップ2μmのアプリケーター(井元製作所社製)で各々塗布し、室温下で自然乾燥させることにより、色素膜(In-Cell型偏光子)を得た。得られた色素膜を更に180℃下30分間加熱して充分乾燥させることにより、In-Cell型偏光子付き基板(以下「LCD用基板」という。)を得た。
得られたLCD用基板のうち、同じ種類のIn-Cell型偏光子用組成物を塗布したLCD基板2枚を、粒径5μmのシリカビーズスペーサ(積水ファインケミカル製、商品名:ミクロパール)とエポキシ樹脂(三井化学製、商品名:ストラクトボンド)とを混合したシール剤兼スペーサ剤として基板の縁部に塗布し、偏光子が内側に対向するよう基板を圧着、貼り合わせることにより、液晶素子用セルを作製した。更に、フッ素系液晶材料(メルク社、商品名:ZLI−4792)を各々注入することにより、液晶素子を作製した。実施例1〜3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いて得られた液晶素子を、それぞれ実施例4〜6及び比較例2の液晶素子とする。
また、比電圧保持率値の算出のため、In-Cell型偏光子用組成物を塗布しない以外は、上述の実施例4〜6及び比較例2と同様の材料及び手法により、液晶素子を作製した。これを参考例1の液晶素子とする。
得られた実施例4〜6、比較例2、参考例1の液晶素子について、実施例1に記載の条件で電圧保持率を測定し、併せて比電圧保持率を求めた。得られた各液晶素子の電圧保持率値及び比電圧保持率、並びに、各液晶素子に用いたIn-Cell型偏光子用組成物の電気伝導度値及びナトリウムイオン濃度値を、下記表−1に示す。
Figure 2006309185
表−1から明らかなように、実施例1〜3のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた、実施例4〜6の液晶素子は、比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた比較例2の液晶素子に比べて、優れた電荷保持特性(比電圧保持率)を示した。
また、実施例1〜3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物の電気電導度と実施例4〜6及び比較例2の液晶素子の電圧保持率との関係及びを示すグラフ、並びに、実施例1〜3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物のナトリウムイオン濃度と実施例4〜6及び比較例2の液晶素子の電圧保持率との関係を示すグラフを、それぞれ図1及び図2として示す。図1及び図2において、中黒点は各実施例のIn-Cell型偏光子用組成物及び対応する液晶素子を表わし、中白抜き点は比較例のIn-Cell型偏光子用組成物及び対応する液晶素子を表わす。
図1及び図2より、電気伝導度が25mS/cm以下、ナトリウムイオン濃度が2500ppm以下である実施例1〜3のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた実施例4〜6の液晶素子は、電気伝導度及びナトリウムイオン濃度が上述の規定を満たしていない比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた比較例2の液晶素子に比べて、電圧保持率に優れており、駆動性能、表示性能に優れた素子であると推測される。
[III.液晶素子2]
ITO電極付ガラス製基板(電極面積8mm×8mm)に、スピンコーター(押鐘社製、SC−200)を用いて、ポリイミド(JSR社製、オプトマー)を3000rpm×30秒の条件で基板上に塗布した後、180℃下30分、更に240℃下1時間加熱焼成して、ポリイミド樹脂膜付ITO基板を作製した。このポリイミド樹脂膜上に、上述の実施例2、3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を、ギャップ2μmのアプリケーター(井元製作所社製)で塗布した後、自然乾燥することにより、色素膜を得た。得られた色素膜付基板をヨウ素系偏光フィルムを置いたライトボックス上で回転させることにより、吸収異方性があり、該色素膜が偏光子として機能することを確認した。このIn-Cell型偏光子付基板を180℃下30分間加熱して充分乾燥させることにより、LCD用基板とした。
得られたLCD用基板のうち、同じ種類のIn-Cell型偏光子用組成物を塗布したLCD基板を、上述の実施例4〜6及び比較例1と同様の方法により貼り合わせて、液晶素子用セルを作製した。これらの液晶素子用セルに、フッ素系液晶材料(メルク社、商品名:ZLI−4792)を注入することにより、液晶素子を作製した。実施例2、3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いて得られた液晶素子を、それぞれ実施例7、8及び比較例3の液晶素子とする。
また、比電圧保持率値の算出のため、In-Cell型偏光子用組成物を塗布しない以外は、上述の実施例7、8及び比較例3と同様の材料及び手法により、液晶素子を作製した。これを参考例2の液晶素子とする。
得られた実施例7,8、比較例3、参考例2の液晶素子について、実施例1に記載の条件で電圧保持率を測定し、併せて比電圧保持率を求めた。得られた各液晶素子の電圧保持率値及び比電圧保持率、並びに、各液晶素子に用いたIn-Cell型偏光子用組成物の電気伝導度値及びナトリウムイオン濃度値を、下記表−2に示す。
Figure 2006309185
表−2から明らかなように、実施例2,3のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた実施例7,8の液晶素子は、比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた比較例3の液晶素子に比べて、優れた電荷保持特性(比電圧保持率)を示した。
また、実施例2,3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物の電気電導度と実施例7,8及び比較例3の液晶素子の電圧保持率との関係及びを示すグラフ、並びに、実施例2,3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物のナトリウムイオン濃度と実施例7,8及び比較例3の液晶素子の電圧保持率との関係を示すグラフを、それぞれ図3及び図4として示す。図3及び図4において、中黒点は各実施例のIn-Cell型偏光子用組成物及び対応する液晶素子を表わし、中白抜き点は比較例のIn-Cell型偏光子用組成物及び対応する液晶素子を表わす。
図3及び図4より、電気伝導度が25mS/cm以下、ナトリウムイオン濃度が2500ppm以下である実施例2,3のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた実施例7,8の液晶素子は、電気伝導度及びナトリウムイオン濃度が上述の規定を満たしていない比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた比較例3の液晶素子に比べて、電圧保持率に優れており、駆動性能、表示性能に優れた素子であると推測される。
[IV.液晶素子3]
スクリーン印刷法により表面にポリイミド(日立化成製)の配向膜が形成されたITO電極付ガラス製基板(電極面積8mm×8mm、ポリイミド膜厚約80nmのポリイミド配向膜を予めナイロン布でラビング処理を施したもの)に、上述の実施例2、3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を、ギャップ2μmのアプリケーター(井元製作所社製)で各々塗布し、色素膜(In-Cell型偏光子)付基板を作製した。更に、そのIn-Cell型偏光子上にスピンコーター(押鐘社製、SC−200)を用いて、ポリイミド(JSR社製、オプトマー)を300rpm×30秒の条件で塗布した後、180℃下30分、更に240℃下1時間加熱焼成することにより、ポリイミド樹脂膜(パッシベーション膜)がIn-Cell型偏光子上に積層された、In-Cell型積層偏光子付ITO基板を作製した。
得られたLCD用基板のうち、同じ種類のIn-Cell型偏光子用組成物を塗布したLCD基板を、上述の実施例4〜6及び比較例1と同様の方法により貼り合わせて、液晶素子用セルを作製した。これらの液晶素子用セルに、フッ素系液晶材料(メルク社、商品名:ZLI−4792)を注入することにより、液晶素子を作製した。実施例2、3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いて得られた液晶素子を、それぞれ実施例9、10及び比較例4の液晶素子とする。
また、比電圧保持率値の算出のため、In-Cell型偏光子用組成物を塗布しない以外は、上述の実施例9、10及び比較例4と同様の材料及び手法により、液晶素子を作製した。これを参考例3の液晶素子とする。
得られた実施例9、10、比較例4、参考例3の液晶素子について、実施例1に記載の条件で電圧保持率を測定し、併せて比電圧保持率を求めた。得られた各液晶素子の電圧保持率値及び比電圧保持率、並びに、各液晶素子に用いたIn-Cell型偏光子用組成物の電気伝導度値及びナトリウムイオン濃度値を、下記表−3に示す。
Figure 2006309185
表−3から明らかなように、実施例2,3のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた実施例9、10の液晶素子は、比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた比較例4の液晶素子に比べて、優れた電荷保持特性(比電圧保持率)を示すことから、駆動性能、表示性能に優れた素子であると推測される。
また、比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた比較例4の液晶素子も、色素膜に隣接して樹脂層を付与することにより、比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物を用いた上述の比較例2,3の液晶素子に比べ、電荷保持特性が改善された。
本発明のIn-Cell型偏光子用組成物は、各種の液晶素子のIn-Cell型偏光子及びIn-Cell型積層偏光子の材料としての用途に好適に使用される。
また、本発明のIn-Cell型偏光子及びIn-Cell型積層偏光子は、各種の液晶素子の偏光子としての用途に好適に使用される。
また、本発明の液晶素子は、画像表示素子、テキスト表示素子、ライトバルブ等の各種の用途に好適に使用される。中でも、薄膜トランジスタ(TFT)などの能動素子によるアクティブ駆動方式の液晶素子として、テレビ、モニター、プロジェクター等の各種の用途に好適に使用される。
実施例1〜3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物の電気電導度と実施例4〜6及び比較例2の液晶素子の電圧保持率との関係及びを示すグラフである。 実施例1〜3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物のナトリウムイオン濃度と実施例4〜6及び比較例2の液晶素子の電圧保持率との関係を示すグラフである。 実施例2,3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物の電気電導度と実施例7,8及び比較例3の液晶素子の電圧保持率との関係を示すグラフである。 実施例2,3及び比較例1のIn-Cell型偏光子用組成物のナトリウムイオン濃度と実施例7,8及び比較例3の液晶素子の電圧保持率との関係を示すグラフである。 本発明の液晶素子の一例である透過型ツイストネマティック(TN)型液晶素子の構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 AR(AG)フィルム
2 光学補償フィルム
3 カラーフィルター付き基板
4 ITO電極
5 In-Cell型偏光子
6 スペーサ
7 液晶層
8 TFT,ITO電極
9 基板
10 輝度向上フィルム
11 プリズムシート
12 拡散板
13 導光板
14 光源
15 バックライトユニット

Claims (8)

  1. 色素及び溶剤を含有するIn-Cell型偏光子用組成物であって、
    電気伝導度が25mS/cm以下である
    ことを特徴とする、In-Cell型偏光子用組成物。
  2. 色素及び溶剤を含有するIn-Cell型偏光子用組成物であって、
    ナトリウムイオン濃度が2500ppm以下である
    ことを特徴とする、In-Cell型偏光子用組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のIn-Cell型偏光子用組成物を塗布により成形してなる
    ことを特徴とする、In-Cell型偏光子。
  4. 電圧保持率が50%以上である
    ことを特徴とする、In-Cell型偏光子。
  5. 比電圧保持率が90%以上である
    ことを特徴とする、In-Cell型偏光子。
  6. 請求項3〜5の何れか一項に記載のIn-Cell型偏光子を用いた
    ことを特徴とする、液晶素子。
  7. 偏光子及びパッシベーション膜を有するIn-Cell型積層偏光子であって、
    比電圧保持率が90%以上である
    ことを特徴とする、In-Cell型積層偏光子。
  8. 請求項7記載のIn-Cell型積層偏光子を用いた
    ことを特徴とする、液晶素子。
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