JP2006308286A - ストークスパラメータ測定装置及びその測定方法 - Google Patents

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裕 味村
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一庸 水野
武史 ▲高▼木
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Abstract

【課題】入射光の分岐時に偏波変動やPDLが発生せず、ストークスパラメータを高精度で正確に測定するストークスパラメータ装置を提供するものである。【解決手段】本発明のストークスパラメータ装置は、測定対象の信号光が入射される入射部と、入射部から入射された信号光を分岐する光分岐部と、分岐された各信号光にそれぞれ相違する偏光および位相を与える位相補償部と、位相補償部から出射された信号光の光成分を光電変換する受光回路部と、光電変換された電気成分を演算してストークスパラメータを得る演算部とを備え、前記光分岐部は、少なくとも1つ以上のプリズムを有し、該プリズムはその稜(入射光学面)と前記信号光の光軸とのなす角度が45°よりも大きく形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、信号光等の偏光状態を測定するストークスパラメータ測定装置及びその測定方法に関するものである。
ストークスパラメータとは、偏光状態を表したパラメータである。このストークスパラメータを測定する場合は、図11に示すように、入射された信号光をビームスプリッタ、ハーフミラー、フィルタからなる分岐手段を用いて4分岐し、偏光素子および1/4波長板等の位相素子により各々の信号光にそれぞれ相違する偏光及び移相を与え、受光素子により分岐された各信号光の光成分を光電変換して、各光電変換された電気成分を演算してストークスパラメータを求めてきた(特許文献1を参照)。また、入射された信号光を分岐する手法としてプリズムを用いるものもある(特許文献2を参照)。
特開平6−18332号公報 特開2004−93549号公報
このような従来のストークスパラメータ測定装置では、入射光の分岐手段としてビームスプリッタ、ハーフミラー、フィルタ等を用いた場合、入射光を干渉により分岐させているため、偏波変動やPDL(Polarization dependent loss)が発生してしまう。また、入射光の分岐手段としてプリズムを用いると、干渉による分岐手法よりもPDLの発生を抑制することが出来るが、さらに高精度なストークスパラメータの測定が求められているのが現状である。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を鑑みてなされたもので、入射光の分岐時に偏波変動やPDLが発生せず、ストークスパラメータを高精度で正確に測定するストークスパラメータ装置および測定方法を提供するものである。
本発明の第一の態様によれば、測定対象の信号光が入射される入射部と、入射部から入射された信号光を少なくとも4つ以上に分岐する光分岐部と、分岐された各信号光にそれぞれ相違する偏光および位相を与える位相補償部と、位相補償部から出射された信号光の光成分を光電変換する受光回路部と、光電変換された電気成分を演算してストークスパラメータたる光強度成分と0°直線偏光成分と45°直線偏光成分と円偏光成分とを得る演算部とを備え、前記光分岐部は、少なくとも1つ以上のプリズムを有し、該プリズムはその稜(入射光学面)と前記信号光の光軸とのなす角度が45°よりも大きく形成され、該プリズムに形成された稜を挟む複数の面に対し、前記入射部から出射された信号光を入射させて当該信号光を分岐させることを特徴とする。
上記第一の態様では、プリズムの形状が、その稜(入射光学面)と光軸とのなす角度が45°よりも大きくしている。入射角度が大きいほど、光損失を抑えるためのARコートを施したとしても、偏光状態(もしくは偏光方向)による反射率の差が大きくなり、PDLが大きくなってしまう。特に広波長範囲でのPDLの抑制が困難である。PDLは、DOP精度を劣化させる要因となる。このため、本態様では、入射角を45°未満とし(つまり入射光学面と光軸とのなす角度が45°よりも大きくし)、入射角度を小さく小さく(浅く)することで、入射された信号光を分割する際のPDL発生を抑制することができ、広範囲の波長帯域においてDOP精度(ストークスパラメータの測定精度)を高くすることができる。
本発明の第二の態様によれば、測定対象の信号光が入射される入射部と、入射部から入射された信号光を少なくとも4つ以上に分岐する光分岐部と、分岐された各信号光にそれぞれ相違する偏光および位相を与える位相補償部と、位相補償部から出射された信号光の光成分を光電変換する受光回路部と、光電変換された電気成分を演算してストークスパラメータたる光強度成分と0°直線偏光成分と45°直線偏光成分と円偏光成分とを得る演算部とを備え、前記光分岐部は、少なくとも1つ以上のプリズムを有し、該プリズムには1/2波長板が介在されてなることを特徴とする。
上記第二の態様では、分岐部に入射された信号光は、入射面に垂直な面内で振動する偏光と、それに対して垂直な方向に振動する偏光とを、1/2波長板で90度回転させることができる。PDLは、前述した二つの偏光が、分岐部への入射時に生じる反射率が異なることにより発生する。このため、二つの偏光の偏光状態を90度回転させることにより、入射側で発生したPDLを1/2波長板でキャンセルさせることができる。つまり、分岐部から出射される信号光のPDLを抑制することができる。
本発明の第三の態様によれば、前記光分岐部に配置されたプリズムは、相対する面が平行に形成されて構成されている。この場合、入射光に平行に出射する分岐光を得ることができる。
本発明の第四の態様によれば、第一および第二の態様において、前記光分岐部は、第一分岐部と第二分岐部とから構成され、第一分岐部が1個のプリズムで構成され、第二分岐部が2個のプリズムで構成されている。
本発明の第五の態様によれば、前記光分岐部に配置されたプリズムは、入射側に四角錐状の受光部分が形成され、当該受光部分の4つの側面に対し前記入射部を経た信号光を入射させて当該信号光を4分岐する構成となっている。この場合、一つのプリズムを用いた簡単な構成で信号光の4分岐を達成することができる。なお、この一つのプリズムは、出射側に四角錐状の光出射部を有するものとでき、前記受光部分の4つの側面と前記光出射部の対向する4つの側面とをそれぞれ平行にすることにより、一括して4分岐した分岐光をすべて入射光に平行に出射させることができる。
本発明の第六の態様によれば、測定対象の信号光を入射部から入射させ、入射された信号光をプリズムで構成された光分岐部で分岐し、分岐された各信号光の偏光状態を90度回転させ、分岐部から出射された各信号光に位相補償部でそれぞれ相違する偏光および位相を与え、該位相補償部から出射された信号光の光成分を受光回路部で光電変換し、光電変換された電気成分を演算回路部でストークスパラメータたる光強度成分と0°偏光成分と45°偏光成分と右円偏光成分とを演算するものである。
この第六の態様でも、第二の態様と同様にPDLを抑えることができ、ストークスパラメータの高精度な測定が可能となる。
本発明によれば、被測定光(入射光)を複数に分岐する分岐部に配置されたプリズムは、その稜(入射光学面)と前記信号光の光軸とのなす角度が45°よりも大きく形成されているので、入射界面でのPDLの発生を抑制することが可能となる。このため、偏波変動、PDL等の不具合を防止することができる。
また、本発明によれば、プリズムの長手方向(光の伝搬方向)の中心付近(入射面と出射面との中間地点)に、1/2波長板が、その光軸がプリズムの入射面に対して45°となるように配置されているので、プリズムの入射側と1/2波長板よりも出射側とでは、偏波を90°回転させることが可能となる。このため、入射界面でPDLが発生したとしても、そのPDLをキャンセルすることが可能となり、PDL等の不具合を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕 図1は、本発明の第1実施形態に係るストークスパラメータ測定装置の構成を示すブロック図である。
本装置例のストークスパラメータ測定装置αは、レセプタクル、コリメータレンズ等からなる測定対象光の入射部1と、偏光解析光学部Aと、電気回路部Bと、GP−IB等からなる出力部2とが順に配置されて構成されている。偏光解析光学部Aは、光分岐部A1と位相補償部A2とで構成されている。電気回路部Bは、フォト・ダイオード等からなる受光回路部B1と、演算回路部B2とを備えている。な
お、図示しないが、必要に応じて、A/D変換回路部、アナログ出力回路部を備えてもよい。
図2は、図1に示した光分岐部A1、位相補償部A2および受光回路部B1の一構成例を示すものである。
光分岐部A1は、3つの立方体状のプリズムP1、P2、P3を2次元的に配列することによって構成される。本構成例では、第一分岐部がプリズムP1で構成され、第二分岐部がプリズムP2、P3で構成されている。プリズムP1は、入射光L1のビーム径中心付近が、頂角の稜を透過するような位置に配置されている。このため、入射光L1は、プリズムP1の稜を挟んだ2面によって1:1の分岐比(強度比)で分岐されることになる。一対のプリズムP2、P3は、プリズムP1より出射された第一分岐光L2a、L2bのビーム径中心付近が、それぞれの頂角の稜を透過するような位置に配置されている。このため、プリズムP1から出射された第一分岐光L2a、L2bは、各プリズムP2、P3の稜を挟んだ2面によって、1:1の分岐比でそれぞれ分岐されることになる。
つまり、信号光の分岐比は、各プリズムP1、P2、P3の配置と、入射光L1、第一分岐光L2a、L2bのビーム径中心が各プリズムP1、P2、P3のどの部分に入射されるかによって決定される。上述したように、本実施例では、入射光L1、第一分岐光L2a、L2bのビーム径中心が各プリズムP1、P2、P3の頂角の稜に位置合わせされた状態で入射されるので、第二分岐光L3a、L3b、L3c、L3dは、入射光を分岐比1:1:1:1で4等分したものとなる。
図3は、プリズムP1における信号光の分岐を具体的に説明する図である。このプリズムP1は、立方体の外形を有し、紙面に平行な面内でひし形断面を有するものである。なお、このプリズムP1は、対向する面が平行に形成されている。このため、出射光が入射光に対して必ず平行となるので、位相補償部A2に組み込む偏光子、位相子等の設置が容易になる。
また、プリズムP1は、その稜42と前記信号光の光軸Xとのなす角度θが45°よりも大きく形成されている。なお、θの範囲は45°より大きく90°より小さければよく、最も好ましい範囲は50°〜70°である。これは、θが大きくなると、PDLを抑制する効果は得られるものの、信号光を分岐するためにプリズムの長手方向(信号光の伝搬方向)を長くしなければならないので、装置のサイズが大型化してしまうからである。装置のサイズとPDL抑制効果のバランスを考慮すると、θの範囲は50°〜70°が好ましい。
プリズムP1の頂角部分41に入射された信号光、すなわち入射光は、頂角部分41に形成された稜42を挟む一対の側面44、45に均等に入射し、紙面に平行な面内で2つに分岐される。これら2つの分岐光は、各々、別の光路でプリズムP1内を伝搬し、一対の対向側面47、48から出射光(第一分岐光)として個別に出射される。なお、各対向側面47、48から出射する一対の出射光は、プリズムP1から出射する際に屈折するので、各々、入射光と平行な状態で伝搬することになる。プリズムP1から出射された出射光(第一分岐光)は、プリズムP2、P3(図2参照)においても、プリズムP1と同様に分岐される。すなわち、第一分岐光は、プリズムP1の場合と同様に分岐されて、第二分岐光としてプリズムP2、P3からそれぞれ出射される。
なお、各プリズムP1〜P3による信号光の強度分岐比は、必ずしも1:1にする必要はない。つまり、入射光L1、第一分岐光L2a、L2bは、そのビーム径中心を、正確に各プリズムP1、P2、P3の頂角の稜に位置合わせをして、入射させる必要はない。分岐比が1:1でない場合は、その分岐比をあらかじめ測定しておき、その分岐比に応じた補償校正データを演算回路部B2に与えるようにすればよい。このようにすると、各プリズムP1、P2、P3の配置が容易となる。
次に、各プリズムP1〜P3の変形例を、図4(a)、(b)を参照して説明する。 なお、図4(a)、(b)に示すプリズムPは、図2に示すプリズムP1〜P3に置き換えることができる。
図4(a)に示すプリズムPは、透過しない部分の角を切除した略断面正方形状である。図4(a)のようなプリズム形状にすると、分岐部のスペースをより狭くすることが出来るので、装置をよりコンパクトにすることができる。図4(b)に示すプリズムPは、入射部分の頂角を切除した形状であり、プリズムPから出射する際に信号光を分岐させる構成のものである。つまり、図4(b)のプリズムPは、出射側の稜と光軸との角度が45°以上となるように形成されている。
次に、図5を参照して、プリズムPHのさらに他実施例を説明する。 図5に示すように、プリズムPHは、長手方向(光の伝搬方向)の中心部分に1/2波長板49が配置(介在)されている。この1/2波長板49は、その光軸がプリズムPHの入射面に対して45°(プリズムPHの光学面の法線と、入射光により決定される入射面と入射光に垂直な面との交線に対して45°)となるように配置されている。このため、プリズムPHの入射側と出射側とでは、偏波状態を90°回転させることができる。なお、1/2波長板49を配置させるには、プリズムPHを中央で切断させ、2つのプリズムの間に1/2波長板を介在(接着)させればよい。なお、あらかじめ2つの四角すいを使用し、1/2波長板を介在させてはり合わせてもよい。また、1/2波長板は、プリズムPHの長手方向中心からずれても構わない。さらに、図示しないが、図3と同様に、稜42と前記信号光の光軸Xとのなす角度θを45°よりも大きく形成させてもよい。
次に、位相補償部A2について、図2を参照して説明する。位相補償部A2は、主軸方位を0゜に持つ1/4波長板等からなる位相素子Cと、0゜の偏光方位角度を持つ偏光素子D1と、45゜の偏光方位角度を持つ偏光素子D2とで構成される。なお、位相素子Cの主軸方位および偏光素子D1、D2の偏光方位角度は、適宜変更することができ、上記の主軸方向及び偏光方位角度例に特に限定されない。
また、位相素子Cは、光分岐部A1で4分岐された第二分岐光L3a、L3b、L3c、L3dのうち、一番下方の一つの第二分岐光L3dのみが透過するように配置されているが、他のいずれか一つの第二分岐光L3a〜L3cのみが透過するように配置することもできる。ただし、この位相素子Cは、後述する偏光素子D2と組み合わせて配置されるべきものであるので、位相素子Cの配置変更に応じて偏光素子D1、D2の配置も変更する必要がある。
偏光素子D1は、4分岐された第二分岐光L3a、L3b、L3c、L3dのうち一つの第二分岐光L3bのみが透過するように配置されている。ただし、偏光素子D1を透過する第二分岐光L3bは、位相素子Cを透過していないものとする。偏光素子D2は、4分岐された第二分岐光L3a、L3b、L3c、L3dのうち、二つの第二分岐光L3c、L3dが透過するように配置されている。偏光素子D2を透過する二つの第二分岐光L3c、L3dのうち、一つの第二分岐光L3cは、位相素子Cを透過せずに偏光素子D2に入射され、もう一方の第二分岐光L3dは位相素子Cを透過して偏光素子D2に入射される。なお、4分岐された第二分岐光L3a、L3b、L3c、L3dのうち一つの第二分岐光L3aは、位相補償部A2では、何も透過せずそのまま受光回路部B1に入射される。
位相補償部A2を出射した信号光L4a、L4b、L4c、L4dは、受光回路部B1を構成している受光素子E1、E2、E3、E4にそれぞれ入射され、各信号光の透過光強度が測定される。なお、受光素子E1、E2、E3、E4は、例えば、PD等の光電変換受光素子を用いる。
次に、本実施形態のストークスパラメータ装置の測定方法について、図1および図2を参照して具体的に説明する。
まず、入射部1から入射された入射光L1は、偏光解析光学部Aに入射される。入射光L1は、まず光分岐部A1のプリズムP1に入射される。入射光L1は、プリズムP1に入射されると2つの第一分岐光L2a、L2bに分岐される。次に、第一分岐光L2a、L2bは、それぞれプリズムP2、P3に入射される。第一分岐光L2a、L2bは、プリズムP2、P3により、それぞれ第二分岐光L3a、L3b、L3c、L3dの4つに分岐される。本実施例では、入射光L1を4分岐する際、プリズムP1、P2およびP3を使用し、これらプリズムP1、P2およびP3は、各稜と光軸とのなす角度が45°よりも大きく形成されているので、従来、分岐する際に発生していたPDL、偏波変動を抑えることができる。
4つの第二分岐光L3a、L3b、L3c、L3dは、次に位相補償部A2に入射される。一つ目の第二分岐光L3aは、何も透過せずにそのままの状態で受光素子E1に入射され、透過光強度が測定される。二つ目の第二分岐光L3bは、0°の偏光方位角度を持つ偏光素子D1を透過させ、受光素子E2に入射され、0°直線偏光成分の透過光強度が測定される。三つ目の第二分岐光L3cは、45°の偏光方位角度を持つ偏光素子D2を透過させ、受光素子E3に入射され、45°直線偏光成分の透過光強度が測定される。四つ目の第二分岐光L3dは、まず、進相軸を0°にもつλ/4波長板に入射され、次に45°の偏光方位角度を持つ偏光素子D2に入射され、最後に受光素子E4に入射されて、円偏光成分の透過光強度が測定される。
4つの透過光強度をIt、Ix、I45、Iq45とすると、各ストークスパラメータS0、S1、S2、S3は、以下の(1)式により表されることが知られている。
Figure 2006308286
つまり、4つの各透過光強度を実測する事によりストークスパラメータを算出することができる。
各透過光強度It、Ix、I45、Iq45に対し、光電変換して実測した値をI、I、I、Iとして、ストークスパラメータを算出する。 なお、信号光の分岐比は、4つの第二分岐光がほぼ同じ光強度になるようにプリズムを配置しているが、偏光子、波長板のロス、1/4波長板の波長特性等により強度比が異なる場合がある。このため、演算回路部B2には、補正計算機能を組み込むことが好ましい。
分岐比については、偏光子等を挿入する前にあらかじめ測定しておいてもよいが、図6に示すような補償校正を行うことが好ましい。すなわち、完全偏光を出射することができる入力光源βを用意し、かかる入力光源βからの完全偏光を偏波コントローラFを介して偏光状態を変化させつつ、ストークスパラメータ測定装置αに入力させる。ストークスパラメータ測定装置αに入力される光は完全偏光であるから、各透過光強度において、そのmax値をとるときのストークスパラメータを1と規定し、min値をとるときのストークスパラメータを−1と規定できる。各I、I、I、Iのmax値をI0max、I1max、I2max、I3maxとし、min値をI0min、I1min、I2min、I3minとし、全体強度がIの入力光の透過強度である場合、そのストークスパラメータは、(2)式で与えられる。なお、So=1である。
Figure 2006308286
(i=1,2,3)
また偏光度DOPは(3)式として算出されるので、
Figure 2006308286
DOPモニタとしての機能も併せ持つようにすることができる。 このようにしてストークスパラメータとDOP値とを算出できるわけであるが、当該方法によれば、光学解析部におけるPDLを小さく抑えることができるので、より精度のよいストークスパラメータ測定装置すなわち光偏光アナライザが構成できる。
〔第2実施形態〕 以下、第2実施形態のストークスパラメータ計測装置について説明する。第2実施形態のストークスパラメータ計測装置では、図2に示す光分岐部A1を一つのプリズムで構成する点に特徴がある。
図7(a)は、光分岐部A1を構成するプリズムPQの斜視図であり、図7(b)はプリズムPQの側面図である。この光分岐部A1では、プリズムPQの受光部分(入射光L1の入射部分)を四角錐、すなわちピラミッド形状にする。図1に示す入射部1からの入射光L1をこのピラミッド形状の頂部61、すなわち4つの稜を挟む4側面62〜65に入射させることにより、一つのプリズムPQだけで入射光L1を4つの分岐光L3a〜L3dに一括して4分岐させることができる。よって、光分岐部A1を簡単な構造とすることができる。このプリズムPQは、図7(b)に示すように、各稜と光軸とのなす角度θが45°よりも大きく形成されている。つまり、各稜と光軸とのなす角度θの関係は、図3と同様であり、図3のプリズムと同様の効果が得られることは言うまでもない。
図8(a)は、図7(a)および図7(b)に示すプリズムPQの変形例を示す。この場合、プリズムPQの入射側と出射側をともにピラミッド形状としている。そして、このプリズムPQは、各稜と光軸とのなす角度θが45°よりも大きく形成されている。つまり、各稜と光軸とのなす角度θの関係は、図7と同様であり、図7のプリズムと同様の効果が得られることは言うまでもない。
このプリズムPQでは、入射光を頂部71の4つの側面72〜75に入射させることにより、各側面72〜75に平行な対向側面76〜79から4つの分岐光をそれぞれ出射させることができる。この際、各分岐光は入射光と平行になっており、ストークスパラメータ測定装置のコンパクトな設計が可能となる。さらに、このようなプリズムPQを用いることにより、入射光の波長が変化した場合にも、各分岐光を常に同一の分岐比で出射させることができる。
図8(b)は、図8(a)に示すプリズムPQのさらなる変形例を示す。この場合、入射側のピラミッド形状と出射側のピラミッド形状との間に四角柱部分を形成している。また、このプリズムPQは、図8(a)と同様に、各稜と光軸とのなす角度θが45°よりも大きく形成されている。このプリズムでは、図8(a)と同様の効果に加え、プリズムPQの屈折率に応じて効率よく分岐光を得ることができるとともに、光路すなわち軸に垂直な方向のプリズムPQのサイズを減少させることができる。
図9(a)および図9(b)は、プリズムのさらなる変形例を示す。図9(a)、図9(b)に示すプリズムPHPは、プリズムPQの長手方向(光の伝搬方向)の中心付近に1/2波長板が配置(介在)されている。このため、図5と同様に偏波状態を90°回転させることができ、プリズムの入射面で発生するPDLを低減させることができる。
なお、図示しないが、図9(a)および図9(b)に示したプリズムPHPの各稜と光軸とのなす角度θを45°よりも大きく形成してもよい。つまり、図8と図9を組合わせたプリズムを形成させてもよい。
〔第3実施形態〕 以下、第3実施形態のストークスパラメータ計測装置について説明する。この第3実施形態の計測装置は、第2実施形態の計測装置をさらに変形したものである。
図10(a)は、図8もしくは図9に示すプリズムPQ、PHPを変形したプリズムPPであり、入射側と出射側のピラミッド形状の頂点近傍をカットして、分割部である平坦面80、81を形成している。図1に示す入射部1からの入射光を図10(a)のプリズムPPの入射側截頭ピラミッドに入射させると、4つの側面82〜85に入射した入射光は、これらの側面82〜85で4つに分岐され、出射側截頭ピラミッドすなわち各側面82〜85に平行な対向側面86〜89から4つの分岐光として出射される。また、中央の平坦面80に入射した入射光は、そのまま直進して対向する平坦面81から分割光として分岐光と平行に出射される。このような分割光は、ストークスパラメータ測定装置で測定中の信号光を別の計測装置等でモニタする際に活用される。つまり、この実施形態のプリズムPPは、プリズムPQとほぼ同等のサイズでありながら、カプラとしての機能も有する。なお、図10(a)では詳細を記載していないが、図8と同様に、プリズムPPの各稜と光軸とのなす角度θを45°以上に形成するか、図9と同様に、プリズムPPの長手方向の中心付近に1/2波長板を配置介在させる。
図10(b)は、図10(a)に示すプリズムPPのさらなる変形例を示す。この場合、入射側の截頭ピラミッドと出射側の截頭ピラミッドとの間に四角柱部分を設けている。プリズムPPの屈折率に応じて効率よく分岐光を得ることができるとともに、光路すなわち軸に垂直な方向のプリズムPPのサイズを減少させることができる。なお、図10(b)も図10(a)と同様に、図面には詳細を記載していないが、図8と同様に、プリズムPPの各稜と光軸とのなす角度θを45°以上に形成するか、図9と同様に、プリズムPPの長手方向の中心付近に1/2波長板を配置介在させる。
上述した第1から第3の各実施形態では説明しなかったが、図2に示す偏光解析光学部A、受光回路部B1の各部において、信号光のビームサイズを調節するためのレンズを配置させてもよい。
例えば、光分岐部A1では、プリズムの前段に、入射光L1のビーム径を大きくするためのビームエキスパンダーレンズや、ビーム径が拡大された入射光L1をコリメート光にしてプリズムに入射させるためのコリメートレンズとを順に配置させてもよい。
また、受光回路部B1と位相補償部A2との間に、集光レンズを配置させることにより、第二分岐光L3a、L3b、L3c、L3d(図2を参照)が、位相補償部A2を透過した後、受光素子E1、E2、E3、E4に入射される際、集光されることになる。このように集光レンズを配置することにより、受光素子E1、E2、E3、E4による受光効率が上がり、精度が安定する効果が得られる。
第1実施形態の測定装置の構成を示すブロック図である。 図1の光分岐部、位相補償部および受光回路部の一構成例を示す図である。 プリズム内の分岐光路を示す図である。 (a)、(b)は、図3のプリズム構造の一変形例を示す図である。 第1実施形態に係るプリズム構造の一変形例を示す図である。 図1の計測装置において補償校正を行う方法を説明する図である。 (a)、(b)は、第2実施形態に係るプリズム構造の一構成例を示す図である。 (a)、(b)は、第2実施形態に係るプリズム構造の一変形例を示す図である。 (a)、(b)は、第2実施形態に係るプリズム構造の一変形例を示す図である。 (a)、(b)は、第3実施形態に係るプリズム構造の一構成例を示す図である。 従来の測定装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
α ストークスパラメータ測定装置β 光源A 偏光解析光学部A1 光分岐部A2 位相補償部B 電気回路部B1 受光回路部B2 演算回路部C 位相素子D1 偏光素子(0度挿入)D2 偏光素子(45度挿入)E1〜E4 受光素子F 偏波コントローラL1 入射光L2a〜L2b 第一分岐光L3a〜L3d 第二分岐光L4a〜L4d 信号光P1〜P3 プリズム1 入射部2 出力部3 分岐手段42 稜49 1/2波長板

Claims (6)

  1. 測定対象の信号光が入射される入射部と、入射部から入射された信号光を少なくとも4つ以上に分岐する光分岐部と、分岐された各信号光にそれぞれ相違する偏光および位相を与える位相補償部と、位相補償部から出射された信号光の光成分を光電変換する受光回路部と、光電変換された電気成分を演算してストークスパラメータたる光強度成分と0°直線偏光成分と45°直線偏光成分と円偏光成分とを得る演算部とを備え、前記光分岐部は、少なくとも1つ以上のプリズムを有し、該プリズムはその稜と前記信号光の光軸とのなす角度が45°よりも大きく形成され、該プリズムに形成された稜を挟む複数の面に対し、前記入射部から出射された信号光を入射させて当該信号光を分岐させることを特徴とするストークスパラメータ測定装置。
  2. 測定対象の信号光が入射される入射部と、入射部から入射された信号光を少なくとも4つ以上に分岐する光分岐部と、分岐された各信号光にそれぞれ相違する偏光および位相を与える位相補償部と、位相補償部から出射された信号光の光成分を光電変換する受光回路部と、光電変換された電気成分を演算してストークスパラメータたる光強度成分と0°直線偏光成分と45°直線偏光成分と円偏光成分とを得る演算部とを備え、前記光分岐部は、少なくとも1つ以上のプリズムを有し、該プリズムには1/2波長板が介在されてなることを特徴とするストークスパラメータ測定装置。
  3. 前記光分岐部に配置されたプリズムは、相対する面が平行に形成されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のストークスパラメータ測定装置。
  4. 前記光分岐部は、第一分岐部と第二分岐部とから構成され、第一分岐部が1個のプリズムで構成され、第二分岐部が2個のプリズムで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のストークスパラメータ測定装置。
  5. 前記光分岐部に配置されたプリズムは、入射側に四角錐状の受光部分が形成され、当該受光部分の4つの側面に対し前記入射部を経た信号光を入射させて当該信号光を4分岐することを特徴とする請求項1または2に記載のストークスパラメータ測定装置。
  6. 測定対象の信号光を入射部から入射させ、入射された信号光をプリズムで構成された光分岐部で分岐し、分岐された各信号光の偏光状態を90度回転させ、分岐部から出射された各信号光に位相補償部でそれぞれ相違する偏光および位相を与え、該位相補償部から出射された信号光の光成分を受光回路部で光電変換し、光電変換された電気成分を演算回路部でストークスパラメータたる光強度成分と0°偏光成分と45°偏光成分と右円偏光成分とを演算することを特徴とするストークスパラメータの測定方法。
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