JP6622734B2 - 偏光解析装置および光スペクトラムアナライザ - Google Patents

偏光解析装置および光スペクトラムアナライザ Download PDF

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本発明は、被測定光の偏光状態を解析する偏光解析装置および光スペクトラムアナライザを、簡易で安価に構成するための技術に関する。
高速光通信システムでは、伝送信号光の偏光方向による光ファイバ内での光の伝搬スピードの違いによって発生する偏波モード分散が伝送信号を劣化させる。また、伝送装置を構成する各光学部品のPDL(Po1arization Dependent Loss:偏波依存性損失)特性も、伝送信号の劣化要因となる。
従って、伝送信号光の偏光度(DOP:Degree Of Polarization)や偏波状態(SOP:State Of Polarization)、および、伝送線路である光ファイバや伝送装置を構成する光学部品の偏波特性を測定・把握することは、光通信にとって非常に重要な項目の1つである。
また、光増幅器を含む伝送線路においては、光増幅器から出力される増幅された自然放出光(ASE)が信号品質を劣化させる。信号光は偏光した光であるのに対し、このASE光は一般に無偏光であるため、偏光した光パワーと無偏光な光パワーの比から、光伝送信号光の品質を示す別の指標であるOSNR(optical signa1-to-noise ratio)が計算される(例えば、米国特許7106443号参照)。
光の偏光状態を解析する従来技術として、図13の偏光解析装置10が知られている。この偏光解析装置10は、被測定光Rを、レンズ11により平行光R′にして、ビームスプリッタ12a〜12cとミラー12dからなる光分岐部12により、4つの光Ra〜Rdに分け、そのうちの光Raをレンズ13aで集光して光検出器14aに入射して被測定光Rの全パワーP0を求め、別の光Rbを方位角0度の偏光子15に入射して0度の直線偏光成分を抽出し、レンズ13bで集光して光検出器14bに入射して、その0度の直線偏光成分のパワーP1を求める。
また、別の光Rcを方位角45度の偏光子16に入射して45度の直線偏光成分を抽出し、レンズ13cで集光して光検出器14cに入射し、その45度の直線偏光成分のパワーP2を求め、別の光Rdを、主軸方位45度のλ/4板17に入射し、その出射光を方位角90度の偏光子18に入射して、被測定光Rの右回り円偏光成分を抽出し、その右回り円偏光成分のパワーP3を求める。
この構成の偏光解析装置10では、前記光パワーP0、P1、P2、P3から、被測定光RのストークスパラメータS0、S1、S2、S3は、以下の式にて計算される。
S0=P0
S1=2P1−P0
S2=2P2−P0
S3=2P3−P0
また、全光パワーのうち偏光している光パワーの割合を表す指標となる偏光度(DOP)は次式にて計算される。
DOP={√(S1+S2+S3)}/S0
さらに、被測定光のOSNRは、次式にて算出される。
OSNR=S0×DOP/{S0(1−DOP)}=DOP/(1−DOP)
なお、上記のように、被測定光を複数の光に分岐し、それぞれについて偏光子を用いた偏光成分の抽出を行い、それぞれを光検出器に入射させて、各偏光成分のパワーを求め、被測定光の偏光状態を表すストークスパラメータを測定する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
特開平6−18332号
しかしながら、上記した偏光解析装置10では、被測定光を光分岐部12で4分岐して、その3つに対して偏光子を用いた偏光成分の抽出を行い、それぞれをレンズで集光して光検出器に入射させる構成であるため、多くの光学部品を要し、高額となり、また小型化が困難であった。
また、上記構成の偏光解析装置10は、被測定光が特定波長の信号光だけの場合には有効であるが、例えば、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)方式や、WDMとパス管理の技術を組み合わせたROADM(reconfigurable optical add/drop multiplexer)方式等で、一つの伝送路に伝送される複数の異なる波長の信号光(チャネル光)を被測定光として解析することができない。
これを実現するためには、上記偏光解析装置の構成に、波長選択機能を付加し、各波長ごとの光強度と偏光状態を求めることができる光スペクトラムアナライザとする必要があるが、装置全体の構成がさらに大掛かりとなり、高額となる。
本発明は、この課題を解決して、簡易で安価に構成できる偏光解析装置および光スペクトラムアナライザを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の偏光解析装置は、
入射される光を偏光方向が互いに直交し且つ出射光軸が所定の分離角を成す2つの光に分離させて出射する複屈折素子が、入射光軸に沿って順に複数n(nは3以上)配置され、該複数の複屈折素子のうち、被測定光が最初に入射される第1の複屈析素子以外の複屈折素子は、直前の複屈折素子から入射される直交した2つの偏光方向以外の方向の直交2偏光成分へ分離するよう互いの光学軸が成す角度が調整されており、前記第1の複屈折素子に入力された前記被測定光を2のn乗個の光に分離して最終の第nの複屈折素子から出射するように構成され、前記第nの複屈折素子から出射される2のn乗個の光のうち、前記第1の複屈折素子により分離された第1の光を基に分離された2の(n−1)乗個の光のいずれかと、前記第1の複屈折素子により分離されたもう一方の第2の光を基に分離された2の(n−1)乗個の光のいずれかとの組み合わせのうち、互いの出射光軸が平行となる組合せが複数個生じるように、前記複数の複屈折素子のそれぞれの分離角および分離方向が設定されている光分離部(22)と、
前記光分離部から出射された2のn乗個の光を受け、その全ての偏光方向を揃えてそれぞれ出射する偏光方向変換手段(24)と、
前記偏光方向変換手段から出射される2のn乗個の光のうち、前記出射光軸が平行となる光同士を合波して同一の位置である組合せ光集光位置にそれぞれ集光させ、それ以外の光を互いに独立した位置である単独光集光位置にそれぞれ集光させる集光手段(26)と、
前記組合せ光集光位置と単独光集光位置に集光された光の強度を検出する光強度検出手段(30)と、
前記光強度検出手段が検出した光の強度から、前記第1の光と第2の光の強度およびそれらの位相差を求める演算処理部(40)とを備えている。
また、本発明の請求項2の偏光解析装置は、請求項1記載の偏光解析装置において、
前記光分離部は3つの複屈折素子(22a〜22c)により構成されており、それぞれの複屈折素子は入力される入射光光軸方向と出射光光軸方向が全てある同一平面に対し平行となるように配置され、前記第1の複屈析素子の分離角が、残りのいずれかの複屈折素子の分離角と等しくなるように設定されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3の偏光解析装置は、請求項1または請求項2記載の偏光解析装置において、
前記偏光方向変換手段が、偏光子(24)であることを特徴とする。
また、本発明の請求項4の偏光解析装置は、請求項1または請求項2記載の偏光解析装置において、
前記偏光方向変換手段が、
前記光分離部から出射された2のn乗個の光を受け、偏光方向が特定方向に揃えられた2のn乗個の光と、偏光方向が前記特定方向と直交する方向に揃えられた2のn乗個の光とに分けて、異なる方向に出射する偏光ビームスプリッタ(80)により形成され、
前記集光手段は、
前記偏光ビームスプリッタから偏光方向が前記特定方向に揃えられて出射される2のn乗個の光のうち、前記出射光軸が平行となる光同士を合波して同一の位置である組合せ光集光位置にそれぞれ集光させ、それ以外の光を互いに独立した位置である単独光集光位置にそれぞれ集光させる第1集光手段(26)と、前記偏光ビームスプリッタから偏光方向が前記特定方向と直交する方向に揃えられて出射される2のn乗個の光のうち、前記出射光軸が平行となる光同士を合波して同一の位置である組合せ光集光位置にそれぞれ集光させ、それ以外の光を互いに独立した位置である単独光集光位置にそれぞれ集光させる第2集光手段(26′)とを含み、
前記光強度検出手段は、前記第1集光手段および前記第2集光手段によって前記組合せ光集光位置と単独光集光位置に集光された光の強度を検出するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5の光スペクトラムアナライザは、
入射される光を偏光方向が互いに直交し且つ出射光軸が所定の分離角を成す2つの光に分離させて出射する複屈折素子が、入射光軸に沿って順に複数n(nは3以上)配置され、該複数の複屈折素子のうち、被測定光が最初に入射される第1の複屈析素子以外の複屈折素子は、直前の複屈折素子から入射される直交した2つの偏光方向以外の方向の直交2偏光成分へ分離するよう互いの光学軸が成す角度が調整されており、前記第1の複屈折素子に入力された前記被測定光を2のn乗個の光に分離して最終の第nの複屈折素子から出射するように構成され、前記第nの複屈折素子から出射される2のn乗個の光のうち、前記第1の複屈折素子により分離された第1の光を基に分離された2の(n−1)乗個の光のいずれかと、前記第1の複屈折素子により分離されたもう一方の第2の光を基に分離された2の(n−1)乗個の光のいずれかとの組み合わせのうち、互いの出射光軸が平行となる組合せが複数個生じるように、前記複数の複屈折素子のそれぞれの分離角および分離方向が設定されている光分離部(22)と、
前記光分離部から出射された2のn乗個の光を受け、その全ての偏光方向を揃えてそれぞれ出射する偏光方向変換手段(24)と、
前記偏光方向変換手段から出射された2のn乗個の光に含まれる波長成分を、所定波長範囲で抽出する波長成分抽出部(51)と
前記波長成分抽出部から出射される2のn乗個の光の波長成分のうち、前記出射光軸が平行となる光の波長成分同士を合波して同一の位置である組合せ光集光位置にそれぞれ集光させ、それ以外の光の波長成分を互いに独立した位置である単独光集光位置にそれぞれ集光させる集光手段(26)と、
前記組合せ光集光位置と単独光集光位置に集光された光の波長成分の強度を検出する光強度検出手段(30)と、
前記光強度検出手段が検出した光の波長成分の強度から、波長毎の前記第1の光と第2の光の強度およびそれらの位相差を求める演算処理部(60)とを備えている。
また、本発明の請求項6の光スペクトラムアナライザは、請求項5記載の光スペクトラムアナライザにおいて、
前記光分離部は3つの複屈折素子(22a〜22c)により構成されており、それぞれの複屈折素子は入力される入射光光軸方向と出射光光軸方向が全てある同一平面に対し平行となるように配置され、前記第1の複屈析素子の分離角が、残りのいずれかの複屈折素子の分離角と等しくなるように設定されていることを特微とする。
また、本発明の請求項7の光スペクトラムアナライザは、請求項5または請求項6記載の光スペクトラムアナライザにおいて、
前記波長成分抽出部は、
回折用の溝が形成された回折面で入射光を受け、該入射光に含まれる波長成分を、波長に応じた出射角で出射させる回折格子(52)を含んでおり、
前記波長成分抽出部の前記回折格子が、前記光分離部から出射された光の偏光方向を揃えて出射する前記偏光方向変換手段を兼ねていることを特徴とする。
このように、本発明の偏光解析装置は、最小限の光学系として、最小で3つの複屈折素子、偏光方向変換手段、集光手段および光強度検出手段だけで構成することができ、従来装置に比べて格段に簡易に且つ安価に構成することができる。
また、偏光方向変換手段として偏光ビームスプリッタを用い、偏光方向が特定方向に揃えられた複数の光と、偏光方向が特定方向に直交する方向に揃えられた複数の光をそれぞれ集光させ、その強度を検出するようにしたものでは、光強度検出用の受光素子のオフセット成分などの同相雑音の影響を抑え、精度の良い測定が可能となり、ひいては、被測定光の偏波状態をより高精度に特定する事が可能となる。
また、本発明の光スペクトラムアナライザは、上記偏光解析装置の構成に、光学系として波長成分抽出部を付加しただけで簡易に且つ安価に構成でき、波長が異なる複数の信号光が含まれる被測定光についてのスペクトラム解析だけでなく、各信号光のストークスパラメータおよびOSNRを容易に算出できる。
また、波長成分抽出部として、回折格子を用いた場合、回折格子が入射光に対して回折する光の偏光方向を変える作用を利用することで偏光方向変換手段を兼ねることができ、光スペクトラムアナライザとしての構成をさらに簡単化できる。
本発明の偏光解析装置の実施形態の構成図 実施形態の光強度検出手段の別の構成例を示す図 光分離部の複数の複屈折素子に傾きを与えた構成例を示す図 入射側のコリメートレンズを省略した構成例を示す図 入射側のコリメートレンズの代わりに集光用レンズを用いた構成例を示す図 偏光子の代わりに、偏光ビームスプリッタ(PBS)を用いた構成例を示す図 本発明の光スペクトラムアナライザの実施形態の構成図 波長成分抽出部の構成例を示す図 受光素子の前にスリットを設けた例を示す図 波長成分抽出部の別の構成例を示す図 波長成分抽出部の回折格子を偏光方向変換手段として用いた場合の構成例を示す図 波長の異なる複数の信号光を含む被測定光に対する測定結果の一例を示すスペクトラム図 従来の偏光解析装置の構成例を示す図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した偏光解析装置20の基本構成図である。
この偏光解析装置20は、SM(single mode)型の光ファイバ1の一端側から出射される被測定光Rをコリメートレンズ21により平行光R′にしてから、光分離部22に入射する。
光分離部22は、第1〜第3の複屈折素子22a〜22cによって構成されている。複屈折素子は、例えば二つの楔形状の人工水晶をその光学軸が互いに直交するように貼り合わせた素子であり、一端面に入射された光を、偏光方向が互いに直交する2つの光に分離し、入射光軸を含む基準平面内で、入射光軸に対して所定(微小)の分離角(分離された2つの光の光軸が成す角)をもって他端面から出射する機能を有している。
この偏光解析装置20では、3つの複屈折素子を用いて、被測定光Rに含まれる偏光方向が互いに直交する光の分離角を拡げるとともに、光軸方向の同じ光同士を偏光子を通した後に集光する位置を複数設定して、短い光路長で偏光状態の算出に必要な光の強度を検出している。なお、後述するように、光分離部22を構成する複屈折素子の数は3以上であれば任意である。
第1〜第3の複屈折素子22a〜22cは、被測定光Rの入射光軸に沿って順番に並んで配置されており、平行光R′を第1の複屈折素子22aの一端面で受ける。なお、ここでは、被測定光Rの入射方向(各光学素子の並び方向)をZ、それに直交する方向をX(水平方向)、Y(垂直方向)、各複屈折素子で分離される光の光軸が含まれる基準平面をXZ平面として説明するが、光学素子による反射、屈折、回折等により変化する場合がある。
第1の複屈折素子22aは、一端面に入射した光R′を偏光方向が互いに直交する第1の光R1と第2の光R2に分け、光R′の入射光軸(この場合Z)に対してそれぞれ第1の分離角±φ1をなす光軸で他端面から出射する。
この第1の複屈折素子22aは、入射側結晶の光学軸が例えばY軸と平行な方向に、出射側結晶の光学軸がX軸と平行な方向となる様に配置されており、第1の分離角±φ1で分離された第1の光R1の偏光方向がX方向、第2の光R2の偏光方向がY方向となる。
第2の複屈折素子22bは、第1の複屈折素子22aから出射された第1の光R1と第2の光R2を一端面で受け、第1の光R1を偏光方向が互いに直交する第3の光R3と第4の光R4に分け、第1の光R1の光軸に対してそれぞれ第2の分離角±φ2をなす光軸で他端面から出射する。また、入射された第2の光R2を偏光方向が互いに直交する第5の光R5と第6の光R6に分け、第2の光の光軸に対してそれぞれ第2の分離角±φ2をなす光軸で他端面から出射する。
この第2の複屈折素子22bは、入射側結晶の光学軸が例えば−45度の方向に、出射側結晶の光学軸が+45度の方向となる様に配置されており、第3の光R3の偏光方向がX軸に対して+45度の方向、第4の光R4の偏光方向がX軸に対して−45度の方向となり、第5の光R5の偏光方向がX軸に対し+45度の方向、第6の光R6の偏光方向がX軸に対して−45度の方向となる。
第3の複屈折素子22cは、第2の複屈折素子22bから出射された第3〜第6の光R3〜R6を一端面で受け、第3の光R3を偏光方向が互いに直交する第7の光R7と第8の光R8に分け、第3の光R3の光軸に対してそれぞれ第3の分離角±φ3をなす光軸で他端面から出射し、第4の光R4を偏光方向が互いに直交する第9の光R9と第10の光R10に分け、第4の光R4の光軸に対してそれぞれ第3の分離角±φ3をなす光軸で他端面から出射する。また、第5の光R5を偏光方向が互いに直交する第11の光R11と第12の光R12に分け、第5の光R5の光軸に対してそれぞれ第3の分離角±φ3をなす光軸で他端面から出射し、第6の光R6を偏光方向が互いに直交する第13の光R13と第14の光R14に分け、第6の光R6の光軸に対してそれぞれ第3の分離角±φ3をなす光軸で他端面から出射する。
この第3の複屈折素子22cは、入射側結晶の光学軸が例えばY軸と平行な方向に、出射側結晶の光学軸がX軸と平行な方向となる様に配置されており、第7の光R7の偏光方向はX方向、第8の光R8の偏光方向はY方向、第9の光R9の偏光方向はX方向、第10の光R10の偏光方向はY方向、第11の光R11の偏光方向はX方向、第12の光R12の偏光方向はY方向、第13の光R13の偏光方向はX方向、第14の光R14の偏光方向はY方向となる。
したがって、第3の複屈折素子22cから出射される光R7〜R14のうち、光R1から分離された第7〜第10の光R7〜R10の光軸のZ軸に対する角度∠R7〜∠R10は、
∠R7=φ1+φ2+φ3
∠R8=φ1+φ2−φ3
∠R9=φ1−φ2+φ3
∠R10=φ1−φ2−φ3
となる。
また、光R2から分離された光R11〜R14の光軸の角度∠R11〜∠R14は、
∠R11=−φ1+φ2+Φ3
∠R12=−φ1+φ2−φ3
∠R13=−φ1−φ2+φ3
∠R14=−φ1−φ2−φ3
となる。
光分離部22は、第3の複屈折素子22cから出射される光のうち、光R1から分離された光R7〜R10のいずれかと、光R2から分離された光R11〜R14のいずれかの組合せのうち、光軸が平行となる組合せが複数組(2組あるいは3組)生じるように、第1〜第3の複屈折素子22a〜22cの分離角が設定されている。
この条件を満たす分離角については種々考えられるが、3つの複屈折素子を用いた図1の実施形態では、φ2=2・φ1、φ3=φ1の例を示しており、この場合、光R1から分離された光R7〜R10については、
∠R7=4・φ1
∠R8=2・φ1
∠R9=0
∠R10=−2・Φ1
となり、光R2から分離された光R11〜R14については、
∠R11=2・φ1
∠R12=0
∠R13=−2・φ1
∠R14=−4・φ1
となる。
したがって、この場合、光(R8,R11)の組、光(R9,R12)の組、光(R10,R13)の組でそれぞれ光軸が平行となり、光(R7,R14)の組は、光軸が非平行となる。
光分離部22から出射された光R7〜R14は、偏光方向変換手段としての偏光子24に入射され、偏光方向が同一に揃えられて、それぞれ第15〜第22の光R7′〜R14′として出射される。
ここで、光分離部22から出射された光R7〜R14の偏光方向は、X方向あるいはY方向であるので、偏光子24として光学軸がX軸に対して+45度傾いたものを用いれば、入射した光R7〜R14の全てが、偏光方向がX軸に対して+45度の光R7′〜R14に変換されることになる。なお、偏光子24を光が通過する際にその光軸の方向に変化がないものとする。したがって、偏光子24からは、入射した光R7、R14に対応した光R7′、R14′の光軸が最も外側で非平行となり、その間に光軸がある光R8′〜R13′のうち、光(R8′,R11′)、(R9′,R12′)、光(R10′,R13′)の組が互いに平行に出射されることになる。
なお、3つの複屈折素子22a〜22cおよび偏光子24による偏光方向の組合せは上記実施形態に限定されない。例えば、第1の複屈折素子22aから偏光方向が±45度の光R1、R2を出射させ、第2の複屈折素子22bから偏光方向がX方向とY方向の光R3〜R6を出射させ、第3の複屈折素子22cから偏光方向が±45度の光R7〜R14を出射させ、偏光子24から偏光方向がX方向(水平方向)あるいはY方向(垂直方向)の光R7′〜R14′を出射させてもよい。また、ここでは、分離される光の光軸が含まれる基準平面をXZ平面(水平面)としているが、YZ平面(垂直面)でもよく、その中間でもよい。
偏光子24から出射された光R7′〜R14′は、集光手段としての凸型のレンズ26に入射される。レンズ26は焦点距離Fを有しており、その光学中心軸がZ軸方向に一致し、かつXY座標の原点を通過する位置に配置される。
一般的にレンズに入射される平行な光は、その光軸とレンズ光学軸とが成す角度に応じた焦点位置に象を結ぶ。したがって、互いに光軸が平行な光は同一焦点上に集光されることになる。
即ち、入射される光R7′〜R14のうち、光軸の成す角度がともに+2・φ1の角度をなす互いに平行な1組の光R8′、R11′は、Z軸に垂直な(即ち、XY平面と平行な)レンズ26の焦点面上の、X=+F・tan(2・φ1)、Y=0の位置P1に集光され、光軸の成す角度がともに0で互いに平行な1組の光R9′、R12′は、前記焦点面上の、X=0、Y=0の位置P2に集光され、更に、光軸の成す角度がともに−2・φ1の角度をなす互いに平行な1組の光R10′、R13′は、前記焦点面上の、X=−F・tan(2・φ1)、Y=0の位置P3に集光される。以下、これらの3つ位置P1〜P3を、2つの互いに平行な光が収束されて交わる組合せ光集光位置と呼ぶ。
各組合せ光集光位置P1〜P3に入射される光は、被測定光Rに含まれる直交偏光成分からそれぞれ分離され、偏光方向が揃えられた光同士の組合せであるため、互いに干渉し、それぞれの光強度および互いの位相差により同集光位置に照射される光の強度が決まることになる。
これに対し、Z軸に対して±4・φlの角度をなすいずれの光とも非平行な光R7′、R14′は、前記焦点面上の、X=±F・tan(4・φ1)、Y=0の位置P4、P5にそれぞれ単独で集光される。
これら、光軸が非平行の光R7′、R14′は、前記した位置P4、P5にそれぞれ単独で集光されることになる。以下、この位置P4、P5を単独光集光位置と呼ぶ。
3つの組合せ光集光位置P1〜P3と2つ単独光集光位置P4、P5に入射する光の強度は、光強度検出手段30により検出される。この実施形態では、光強度検出手段30を、各集光位置P1〜P5に配置した受光素子31〜35により入射光の強度をそれぞれ検出する構成としているが、図2のように、各集光位置P1〜P5に入射する光をアレイ状に配置された光ファイバ36a〜36eの一端側で受けて、その他端側から任意の位置に配置された受光素子31〜35に入射させてもよい。また、後述するように、組合せ光集光位置としては2つ以上あればよく、3つの組合せ光集光位置全ての入射光強度を検出しなくてもよい。
ここで、1つの組合せ光集光位置で検出される光の強度は、その位置に入射する2つの光の強度および互いの位相差に依存する。この位相差は、第1の複屈折素子22aにて互いに直交する偏波成分に分離された光R1、R2間の位相差(被測定光Rに起因する位相差)と、同複屈折素子22aにて分離されてから、その組み合わせ光集光位置に至るまでの光路長の差(光学系に起因)とによって決まる。また、2つの単独光集光位置で検出される光の強度は、光R1、R2の強度にそれぞれ依存する。
上記した光学系の特性が既知であれば、複屈折素子22aから各組合せ光集光位置に至る光路長は既知となるので、各組合せ光集光位置および単独光集光位置で検出される光の強度から、被測定光Rの直交偏光成分R1、R2の強度および位相差を求めることができ、これらの値から、被測定光Rの偏光状態を表すストークスパラメータやOSNRを求めることができる。
演算処理部40は、光強度検出手段30の各受光素子31〜35が検出した光の強度から、被測定光Rの直交偏光成分R1、R2の強度および位相差を求め、さらに、これらの値から、被測定光Rの偏光状態を表すストークスパラメータやOSNRを求める。
この演算処理について簡単に説明する。被測定光RのパワーPtotal は、それに含まれる偏光した信号光のパワーPsig と無偏光成分(ノイズ)のパワーPnとの和で表され、信号光のパワーPsig は、偏光方向が互いに直交する成分Px、Pyの和で表される。
したがって、
Ptotal =Psig +Pn=Px+Py+Pn
となり、この被測定光Rが、第1の複屈折素子22に入射されて互いに直交する偏光成分に分けられるので、偏光した信号光パワーはPxとPyに、無偏光成分Pnは、等しいパワーに等分されるので、第1の複屈折素子22aから出射される光R1、R2のパワーPr1、Pr2は、
Pr1=Px+Pn/2
Pr2=Py+Pn/2
となる。
第2の複屈折素子22bから出射される光R3〜R6のパワーPr3〜Pr6は、入射光と出射光の偏光方向が45度をなしているため、入射する光のパワーがそれぞれ等分されて、
Pr3=Pr4=Px/2+Pn/4
Pr5=Pr6=Py/2+Pn/4
となる。
同様に、第3の複屈折素子22cから出射される光R7〜R14のパワーPr7〜Pr14は、入射する光のパワーがそれぞれ等分されて、
Pr7=Pr8=Pr9=Pr10=Px/4+Pn/8
Pr11=Pr12=Pr13=Pr14=Py/4+Pn/8
となる。
さらに、偏光子24から出射される光R7′〜R14′のパワーPr7′〜Pr14′は、
Pr7′=Pr8′=Pr9′=Pr10′=Px/8+Pn/16
Pr11′=Pr12′=Pr13′=Pr14′=Py/8+Pn/16
となる。
そして、8つの光R7′〜R14′のうち、光軸が最も外側で非平行となる光R7′、R14′は、レンズ26によって単独光集光位置P4、P5にそれぞれ入射され、光軸が平行な光(R8′,R11′)、(R9′,R12′)、(R10′,R13′)の組が、組合せ光集光位置P1〜P3にそれぞれ入射される。
そして、受光素子34、35により、単独光集光位置P4、P5にそれぞれ単独に入射した光R7′、R14′のパワーに比例した強度Ix、Iyが検出される。この比例係数(散乱等による光学系の損失は無視できるものとし、受光系の変換係数を1とすると)を8とし、
Ix=Px+Pn/2 ……(1)
Iy=Py+Pn/2 ……(2)
となる。
一方、例えば、偏光子24から平行な光軸で出射された光R8分、R11′は、レンズ26によって組合せ光集光位置P1に集光され、受光素子31により、それぞれの光強度および位相差に応じた強度Ixy1が検出される。
ここで光R8′、R11′間の位相差は、被測定光Rが複屈折素子22aによって分離された位置における2つの光R1、R2間の位相差θに、複屈折素子22aによって分離されてから組合せ光集光位置P1に至るまでの光路長差に起因する位相差△1が加わっている。
但し、光R1、R2に含まれる信号光Rの無偏光成分Pnについては、位相差は時間的にランダムに変化しており、たとえ同一偏光となっても干渉はおこらず、それぞれの和のパワーが観測されるだけである。
従って、受光素子31にて検出される強度Ixy1は、前記したように比例係数を8とし、次のように表される。
Ixy1=Px+Py+Pn+2√(Px×Py)cos (θ+Δ1)
……(3)
同様に、組合せ光集光位置P2において受光素子32で検出される強度Ixy2は、複屈折素子22aによって分離されてから組合せ光集光位置P2に至るまでの光路長差に起因する位相差を△2とすると、
Ixy2=Px+Py+Pn+2√(Px×Py)cos (θ+Δ2)
……(4)
と表される。
また、組合せ光集光位置P3において受光素子33で検出される強度Ixy3は、複屈折素子22aによって分離されてから組合せ光集光位置P3に至るまでの光路長差に起因する位相差を△3とすると、
Ixy3=Px+Py+Pn+2√(Px×Py)cos (θ+Δ3)
……(5)
と表される。
ここで、Ix、Iy、Ixy1〜Ixy3は、受光素子31〜35の出力値で既知であり、複屈折素子22aによって分離されてから各組合せ光集光位置に至るまでの光路長差に起因する位相差Δ1〜Δ3も、光学系が決まれば既知となるから、これら既知の値を上記5つの式の少なくとも4つに代入し、所定の演算を行なえば、4つの未知数Px、Py、Pn、θを求めることができる。
演算処理部40は、上記したように、5つの受光素子31〜35で検出される強度Ix、Iy、Ixy1〜Ixy3の情報から、被測定光Rに含まれる信号光の直交偏光成分の強度と位相差を求める第1の演算手段41と、これらの値から被測定光RのストークスパラメータやOSNRを算出する第2の演算手段42によって構成される。
次に、この演算処理部40が行う計算の一例について説明する。
例えば、式(3)、(4)を位相差θについて解き、下記を得る。
θ=arctan(x0,y0)+kπ
x0=(Ix+Iy−Ixy1)sin△2−(Ix+Iy−Ixy2)sin△1
y0=(Ix+Iy−Ixy1)cos△2−(Ix+Iy−Ixy2)cos△1
k={0:0<sin(△1−△2)、1:0>sin(△1−△2)}
ここで、arctan(x0,y0)は、象限を考慮した逆正接関数である。
次に、被測定光Rに含まれる信号光の直交偏光成分のパワーPx、Pyは、式(1)、(2)も使って解くと、下記を得る。
Px=c+√(c+d)
Py=−c+√(c+d)
c=(Ix−Iy)/2
d={(Ixy1−Ixy2)/[2cos(θ+△1)−2cos(θ+△2)]}
最後に、例えば再び式(1)を使って、被測定光Rに含まれる無偏光なノイズ成分Pnを次のように得る。
Pn=2(Ix−Px)
上記演算を行なうことで、被測定光Rに含まれる信号光の直交偏光成分のパワーPx、Pyと位相差θ、および、無偏光成分(ノイズ成分)のパワーPnが得られるから、これらを用いて、被測定光Rの偏光状態を表す4種類のストークスパラメータS0〜S3を以下のように得ることができる。
S0=Px+Py+Pn (全パワー)
S1=Px−Py
S2=2√(PxPy)cos θ
S3=2√(PxPy)sin θ
また、被測定光RのOSNRを次の計算によって求めることができる。
OSNR=(Px+Py)/Pn
なお、前述の位相差△1〜△3は、それら位相差の差がπの整数倍に等しくならない様に選ぶ必要がある。これは、例えば図3のように、複屈折素子22a〜22cを適時傾ける事により容易に達成する事が出来る。
上記演算では、式(1)、(2)の他に式(3)、(4)を用いて4つの未知数θ、Px、Py、Pnを求めていたが、式(1)、(2)の他に、式(4)、(5)あるいは式(3)、(5)を用いて4つの未知数θ、Px、Py、Pnを求めてもよく、これらの全ての組合せで得られたθ、Px、Py、Pnについての平均化処理により、測定精度を高めることもできる。また、演算処理部40による各位置における光強度Ix、Iy、Ixy1〜Ixy3を用いて、未知数を求める前記計算方法は一例に過ぎず、他にもさまざまな計算方法が考えられる。
このように、実施形態の偏光解析装置20は、少なくとも3つの複屈折素子22a〜22c、偏光子24、レンズ26、受光素子31〜35という極めて小規模な光学系の構成で、小型に且つ安価に、被測定光Rの偏光状態およびOSNRをリアルタイムに測定することができる。
さらに、図1の構成例では、光分離部22は3つの複屈折素子により、光強度検出手段30は5つの受光素子にて構成していたが、より多くの複屈折素子および受光素子により4組以上の組合せ光集光位置における干渉強度を測定するように構成する事も出来る。
この場合、より多くの測定結果を基に被測定光Rの互いに直交した偏光成分パワーPx、Pyとそれらの位相差θ、および、無偏光成分パワーPnを計算できるため、更に測定精度を高める事が出来る。
なお、光分離部22を構成する複屈折素子の数をn(nは3以上)とすると、被測定光Rは光分離部22によって最終的に2のn乗個の光に分離されることになり、第1の複屈折素子22aで分離された光R1を基とする2の(n−1)乗個の光と、光R2を基とする2の(n−1)乗個の光との組み合わせのうち、光軸同士が平行な光を組合せ光集光位置に集光させ、それ以外の光を単独光集光位置に集光させて、その強度を検出すればよい。
また、前記実施形態では、最小構成となる3つの複屈折素子からなる光分離部22の第2の分離角±φ2が第1の分離角±φ1の2倍、第3の分離角±φ3が第1の分離角±φ1に等しく設定された例を示したが、第3の複屈折素子22cから出射される光のうち、光軸が最も外側の第7の光R7と第14の光R14を除いて、第1の光R1から分離された第8〜第10の光R8〜R10のいずれかと、第2の光R2から分離された第11〜13の光R11〜R13のいずれかの組合せのうち、光軸が互いに平行となる組合せが複数組(2組あるいは3組)生じるように、第1〜第3の複屈折素子22a〜22cの分離角が設定されていればよい。
この分離角の組合せについて考察する。
φ1に対するφ2、φ3の倍率をM、Nとすると、Z軸に対する各光R7〜R14の光軸の角度∠R7〜∠R14は、
∠R7=(1+M+N)φ1
∠R8=(1+M−N)φ1
∠R9=(1−M+N)φ1
∠R10=(1−M−N)φ1
∠R11=(−1+M+N)φ1
∠R12=(−1+M−N)φ1
∠R13=(−1−M+N)φ1
∠R14=(−1−M−N)φ1
となる。
ここで、光R1から分離した光R7〜R10のうちで最も内側の光R10と、光R2から分離した光R11〜R14のうちで最も内側の光R11とが平行になってしまうと、それ以外の光R7〜R9のいずれかと光R12〜R14のいずれかとが平行となる組合せは得られない。したがって、この光R10、光R11が平行となる組合せを除外する。
そこで、例えば、光R8、R11の組が平行となる条件を求めると、
(1+M−N)φ1=(−1+M+N)φ1
から、N=1が得られる。つまり、N=1であれば、Mに関わらず、光R8、R11の組が平行となり、その対称性から光R10、R13の組も平行となる。
また、N=1のとき、光R9、R12の角度は、
∠R9=(2−M)・φ1
∠R12=−(2−M)・φ1
となり、M=2で両者が等しくなる。この条件、N=1、M=2は、前記実施例の場合を表している。
前記したように、光R8、R11の組と、光R10、R13の組が平行になる条件は、N=1であるから、第1の分離角±φ1と第3の分離角±φ3が等しい場合であれば、第2の分離角±φ2によらず(倍率Mによらず)、必ず光R8、R11の組と光R10、R13の組が平行となる。
また、別の組合せとして、例えば、光R9、R11の組が平行となる条件を求めると、
(1−M+N)φ1=(−1+M+N)φ1
から、M=1が得られる。つまり、M=1であれば、Nに関わらず、光R9、R11の組が平行となり、その対称性から光R10、R12の組も平行となる。
ここで、特別な例として、M=N=1とすると、
∠R7=3・φ1
∠R8=φ1
∠R9=φ1
∠R10=−φ1
∠R11=φ1
∠R12=−φ1
∠R13=−φ1
∠R14=−3・φ1
となる。
この場合、∠R8=∠R9=∠R11=φ1、∠R10=∠R12=∠R13=−φ1となり、光R1から分離された2つの光と光R2から分離された1つの光が一つの集光位置に入射され、光R1から分離された1つの光と光R2から分離された2つの光が別の一つの集光位置に入射されることになる。
この例の様な場合にも、光R1から分離された2つの光の合波光と光R2から分離された1つの光との干渉と、光R2から分離された1つの光と光R2から分離された2つの光の合波光との干渉をそれぞれ考えれぱよい。以下、順に説明する。
先ず、偏光子24透過後の光R8′、R9′の合波光R89′について考える。これら2つの光は同一偏光状態であるので互いに干渉し、第2の複屈折素子22bにて光R1から等分されレンズ26の焦点面上の同一集光位置P1に至るまでの互いの光路の光路長差に起因する位相差(△aとする)に応じた光強度となる。2つの光R8′、R9′は、同一の直線偏光R1から分離したものであるので、この干渉は被測定光Rに含まれていた無偏光成分Pnについても偏光成分Pxと同様に生じるため、この合波光R89′の光強度をPaとすると、
Pa=(Px/4+Pn/8)(1+cos△a)
となる。
よって、この合波光R89′と光R11′の干渉光強度をIxyaとすると、前述の比例係数を8とし
Ixya=2(1+cos△a)Px+Py+Pn(3/2+cos△a)
+2√[2(1+cos△a)Px・Py]cos(θ+△a′)……(3a)
を得る。
ここで、△a′は、第1の複屈折素子22aから前述の集光位置P1′に至るまでの光R8′、R9′の2つの光路の平均光路長と、光R11′の光路の光路長との差に起因する位相差である。
同様にして、光R10′、R12′およびR13′による干渉光強度Ixybは、
Ixyb=Px+2(1+cos△b)Py+Pn(3/2+cos△b)
+2√[Px・2(1+cos△b)Py]cos(θ+△b′)……(3b)
を得る。
ここで、Δbは第2の複屈折素子22bにて光R2から等分されレンズ26の焦点面上の同一集光位置P2′に至るまでの光R12′、R13′の互いの光路の光路長差に起因する位相差、△b′は第1の複屈折素子22aから前述の集光位置P2′に至るまでの光R12′、R13′の2つの光路の平均光路長と、光R10′の光路の光路長との差に起因する位相差である。これらの位相差△a、Δa′、Δb、Δb′は光学系によって決まる値であり、事前の測定等による既知の値である。
従って、式(1)、(2)、(3a)、(3b)を解く事で前述の説明同様に4つの未知数θ、Px、Py、Pnを求める事が出来る。
以上をまとめると、N=1、M≠1で、光R8、R11の組と光R10、R13の組が必ず平行となり、M=1、N≠1で、光R8、R11の組と光R10、R13の組が必ず平行となる。また、上記例に限らず、M、Nの値を、例えば、1/2等のように1より小さい倍率にしてもよく、2を超える値(整数に限らない)にしてもよい。また、光軸が平行な光の組が2組だけの場合、光R7、R14以外にも光軸が非平行な光の組が存在することになり、これを単独光集光位置に入射して、その強度を検出してもよい。
上記説明した実施形態の偏光解析装置20は、SM型の光ファイバ1の一端側から出射される被測定光Rをコリメートレンズ21にて平行光R′にしてから、第1の複屈析素子22aの一端面に入射しているが、図4に示すように、コリメートレンズ21を省略して、SM型の光ファイバ1の一端側から出射される被測定光Rを、直接第1の複屈析素子22aの一端面に入射する構成としても良いし、図5に示すように、SM型の光ファイバ1の直後に集光用のレンズ26を配置する事や、複屈折素子22a〜22cの間にレンズ26を配置する事も出来る。
更に、集光手段としてはレンズ以外にも、球面ミラーや放物面鏡等を随意用いる事も出来る。
また、例えば、図6のように、偏光子24の代わりに偏光ビームスプリッタ(PBS)80を用い、複屈折素子22cから出射された光R7〜R14を、それぞれ偏光方向が直交する二つの光に分け、偏光方向が揃った光同士を互いに異なる方向へ出射させ、二つの集光用のレンズ26、26′にて光強度検出手段30を構成する10個の受光素子31〜35、31′〜35′へ照射する構成も考えられる。
この場合、例えば、複屈折素子22aとしては−45度と+45度の光学軸を組み合わせたものを用い、被測定光RをX軸に対して偏光方向が+45度の光R1と−45度の光R2に分離して複屈折素子22bへ入力させる。
複屈折素子22bとしては、90度と0度の光学軸を組み合わせたものを用い、光R1をX軸に対して偏光方向が0度の光R3と90度の光R4とに分離し、光R2をX軸に対して偏光方向が0度の光R5と90度の光R6とに分離して、複屈折素子22cへ入射させる。
複屈折素子22cとしては、−45度と+45度の光学軸を組み合わせたものを用い、光R3をX軸に対して偏光方向が+45度の光R7と−45度の光R8とに分離し、光R4をX軸に対して偏光方向が+45度の光R9と−45度の光R10とに分離して、光R5をX軸に対して偏光方向が+45度の光R11と−45度の光R12とに分離し、光R6をX軸に対して偏光方向が+45度の光R13と−45度の光R14とに分離して、PBS80へ入射させる。
PBS80は光R7〜R14をおのおのX軸に対して0度と90度の偏光成分に分離し、分離された0度の偏光成分R7′〜R14′をPBS80の一方の端面(この例ではZ軸に直交する端面)から出射させ集光用のレンズ26に照射し、分離された90度の偏光成分R7″〜R14″をPBS80の別の端面(この例ではX軸に直交する端面)から出射させ、別の集光用のレンズ26′へ照射する。
集光用のレンズ26に照射された偏光方向が0度の光R7′〜R14′のうち、図1の構成と同様に、光軸が最も外側のR7′、R14′は、前述の単独光集光位置P4、P5にそれぞれ配置された受光素子34、35へ集光され、それらの光パワーに比例した強度lx′、ly′に変換され、互いに平行な3組の光(R8′,R11′)、(R9′,R12′)、(R10′,R13′)は、前述の3つの組合せ光集光位置P1、P2、P3に配置された受光素子31〜33により、それぞれ互いの光パワーと位相差に応じた光強度Ixyl′、Ixy2′、Ixy3′に変換される。
同様に、もう一方の集光用のレンズ26′に照射された偏光方向が90度の光R7″〜R14″のうち、前述と同様にして、光軸が最も外側のR7″、R14″が、レンズ26′の焦点面上で中心からZ軸方向に±F・tan(4・φ1)だけ離れた単独光集光位置P4′、P5′にそれぞれ配置された受光素子34′、35′へ集光され、それらの光パワーに比例した強度lx″、Iy″に変換され、互いに平行な3組の光(R8″,R11″)、(R9″,R12″)、(R10″,R13″)は、レンズ26′の焦点面上でZ軸方向に中心からそれぞれ+F・tan(2・φ1)、0、−F・tan(2・φ1)だけ離れた3つの組合せ光集光位置P1′、P2′、P3′に配置された受光素子31′〜33′により、それぞれ互いの光パワーと位相差に応じた光強度Ixy1″、Ixy2″、Ixy3″に変換される。
第1の演算手段41は、これら受光素子31〜35、31′〜35′の出力が、前述の比例係数を4とし、次の関係を満たすことを利用して、被測定光Rの直交偏光成分のパワーPx、Py、それらの位相差θ、および無偏光成分のパワーPnを前述同様に計算する。
Ix=Ix′+Ix″=Px+Pn/2 ……(1′)
Iy=ly′+Iy″=Py+Pn/2 ……(2′)
Ixyl=Ixy1′−Ixy1″
=4√(Px・Py)cos(θ+△1)…(3′)
Ixy2=Ixy2′−Ixy2″
=4√(Px・Py)cos(θ+△2)…(4′)
Ixy3=Ixy3′−Ixy3″
=4√(Px・Py)cos(θ+△3)…(5′)
この構成の場合、受光素子31〜33、31′〜33′にて集光される光強度は、それぞれ互いに相補的な関係にあり、式(3′)〜(5′)が示す通り、それらの光強度の差には被測定光Rの直交偏光成分間の干渉成分のみが現れる。したがって、受光素子のオフセット成分などの同相雑音の影響を抑え、精度の良い測定が可能となり、ひいては、被測定光Rの偏波状態を更に高精度に特定する事が可能となる。
次に、上記偏光解析装置の構成に波長抽出機能を持たせた光スペクトラムアナライザについて説明する。図7は、この光スペクトラムアナライザ50の全体構成図である。
この光スペクトラムアナライザ50は、図1に示した偏光解析装置20の偏光方向変換手段としての偏光子24と受光素子31〜35の間に、波長成分抽出部51を配置したものである。ただし、前記した偏光解析装置20は、3つの複屈折素子22a〜22cにより分離される光の光軸が含まれる基準平面をXZ平面(水平面)としていたが、この光スペクトラムアナライザ50の場合、後述する回折格子52の回折用の溝52aの方向をY軸方向としている関係で、3つの複屈折素子22a〜22cにより分離される光の光軸が含まれる基準平面をYZ平面(垂直面)としている。なお、後述するように、偏光方向変換手段として波長成分抽出部51の回折格子52を兼用すれば、偏光子24を省略した構成とすることができる。
波長成分抽出部51は、偏光子24から出射された光R7′〜R14′に含まれる波長成分を、所定の波長範囲に渡って所定の分解能で順次抽出する。この波長範囲は、被測定光Rが、例えばWDM方式のように、波長が異なる複数の信号光(チャネル光)が含まれた光の場合、その複数のチャネル光が存在する範囲全体をカバーするように設定される。
この波長成分抽出部51としては、一面側に回折用の溝が微細な間隔で設けられている回折格子の分光作用、即ち、所定入射角で回折面に入射される光に含まれる波長成分を、その波長に応じた出射角で出射させる作用を利用したものが一般的である。
その具体的な構造例の一つは、図8に示すように、回折格子52に対する光R7′〜R14′の入射角αを、回折格子52を回動させる回動装置53(波長掃引手段)により可変させ、その回折光のうち、回折角βの特定方向(Z′方向)に出射される光R7′(λ)〜R14′(λ)の波長を可変させる方式である。
この場合、回折格子52は、その回折用の溝52aの長さ方向が、入射する8つの光R7′〜R14′の光軸の並び方向(この例ではY軸方向)に一致する向きで配置され、その溝52aに平行な軸で回動され、回折格子52により特定方向に出射される光の波長が所定範囲内で連続的に変化するように、各部が配置されているものとする。回動装置53は、抽出波長λと回折格子52の回転角(入射角α)との関係を予め記憶しているコントローラ54とともに波長選択手段を形成するものであり、抽出波長λに対応した回転角αの情報を回動装置53に与えるとともに、その抽出波長λの情報を演算処理部60に与える。
回折格子52により特定方向に出射された光R7′(λ)〜R14′(λ)は、前記同様に、レンズ26に入射されて、そのうちの光軸が最も外側の光R7′(λ)、R14′(λ)がそれぞれ単独光集光位置P4、P5に集光され、光軸が平行な3組の光[R8′(λ),R11′(λ)]、[R9′(λ),R12′(λ)]、[R10′(λ),R13′(λ)]が、組合せ光集光位置P1〜P3にそれぞれ集光されて、各集光位置P1〜P5の強度Ix(λ)、Iy(λ)、Ixy1(λ)〜Ixy3(λ)が検出されることになる。
なお、上記実施例では、抽出する波長幅は受光素子31〜35の有効幅の影響を受けるが、図9に示すように、回折格子52により特定方向へ出射される光R7′(λ)〜R14′(λ)がレンズ26によって集光される各集光位置(すなわちP1〜P5)にスリット55を配置し、そのスリット55を通過した光を受光素子31〜35にて受光するように構成することが出来る。
この場合、光R7′(λ)〜R14′(λ)の集光位置P1〜P5の並び方向が、スリット55の長手方向となる様にスリット55を配置する。
このような構成とし、特定の幅を有するスリット55を用いる事で、受光素子31〜35の有効幅の影響を受けることなく、所望する抽出波長幅を実現する事が出来る。
また、波長成分抽出部51の別の構造例を図10に示す。この構成の場合、波長成分抽出部51では、固定された回折格子52に一定の入射角で光R7′〜R14′を入射させ、その回折光を反射体56に出射する。反射体56は、回折格子52の回折用の溝52aの長さ方向(Y軸方向)に対して±45度の傾きを持つ反射面56a、56bが互いに直交し、回折格子52側に向かって開くように一体化され、回動装置57により、回折格子52の溝52aと平行な軸で回動される。
回折格子52に入射された光R7′〜R14′の回折光はそれぞれの波長に応じた出射角で反射体56側に出射され、反射体56の上側の反射面56aおよび下側の反射面56bを経由して回折格子52に再入射し、2度目の回折を受けることになる。なお、図10では、光軸が平行な3組の光(R8′,R11′)、(R9′,R12′)、(R10′,R13′)およびその波長成分については、光軸を1本の線で表している。
この2度目の回折を受けた光のうち、特定方向に出射される光の波長が、回折格子52に対する反射体56の角度αによって連続的に変化するように各部が配置されている。したがって、この特定方向に出射される光R7′(λ)〜R14′(λ)の波長λを反射体56の角度αにより連続的に可変できる。前記同様に回動装置57は、抽出波長λと反射体56の角度αとの関係を予め記憶しているコントローラ58とともに波長選択手段を形成するものであり、抽出波長λに対応した回転角αの情報を回動装置57に与えるとともに、その抽出波長λの情報を演算処理部60に与える。
図10に示した波長成分抽出部51の構成は、所望波長の光を抽出するために、回折格子52の分光作用を2度利用しているので、高い波長分解能が得られる。この構成の場合も、図9で示したように各集光位置にスリットを配置することができる。
なお、上記波長成分抽出部51に用いられる回折格子52の回折作用は、光波長、入射角、溝形状や溝表面材質、および、入射光偏波状態に依存して変化する。したがって、特定の溝形状や溝表面材質、入射角を選ぶことにより、所望の波長範囲において、例えば、回折格子の溝に直交する偏光成分に対して回折効率が最大となり、逆に、溝に平行な偏光成分に対しては回折効率が最小(理論的には0)とする事が出来る。
したがって、前記構成のように、波長成分抽出部51の前段に偏光子24を用いる場合、8つの光R7′〜R14′の偏光方向を、回折格子52の回折用の溝52aに直交するX方向(水平方向)に変換してやれば最も効率的である。
また、回折格子52の回折作用は、回折用の溝52aに直交する偏光成分に対して現れるので、回折面の溝52aに対して、偏光方向が+45度傾いた光と−45度傾いた光を回折格子52に入射した場合に、回折格子52から出射される回折光の偏光方向は、回折用の溝52aに直交するX方向(水平方向)に揃えられることになる。
つまり、回折格子52は、偏光方向が互いに直交する2つの光を、偏光が揃った2つの光(回折光)に変換する偏光方向変換手段の機能を有していることになる。
よって、図11に示す光スペクトラムアナライザ50′のように、偏光子24を省略し、第3の複屈折素子22cから、波長成分抽出部51の回折格子52の溝52aに対して偏光が±45度となる光R7〜R14を入射させ、回折格子52から偏光方向が水平方向の回折光R7(λ)〜R14(λ)を出射させる構成も可能である。このようにすれば、装置全体をより簡易に構成できる。
なお、光スペクトラムアナライザ50、50′の演算処理部60の第1の演算手段61は、上記したように抽出した波長成分毎に得られる各集光位置P1〜P5の光強度から、各波長毎に、前記した直交偏光成分のパワーPx(λ)、Py(λ)、位相差θ(λ)、無偏光成分(ノイズ成分)のパワーPn(λ)を求め、第2の演算手段62は、第1の演算手段61で得られた波長毎の値から波長毎のストークスパラメータ、および、OSNRを算出する。ただし、単純に被測定光Rのスペクトラム波形を得て、これを表示する場合には、被測定光Rの全パワー(=Px+Py+Pn)を波長毎に求め、例えば、図12のように、波長軸上に表示すれぱよい。
また、ストークスパラメータやOSNRは、被測定光Rに含まれる信号光(チャネル光)について求める場合が多いので、図12の(a)のように得られたスペクトラム波形のうちそのパワーが極大となる波長(あるいは既知の信号光波長)λ1、λ2、λ3、λ4についての各測定値から、各信号光についてのストークスパラメータおよびOSNRを算出すればよく、これらの算出値の表示方法等は任意である。
なお、実施形態の光スペクトラムアナライザ50、50′では、各波長毎に直交偏光成分のパワーPx(λ)、Py(λ)、位相差θ(λ)、無偏光成分(ノイズ成分)のパワーPn(λ)を求め、それに基づいてSN比を算出しているから、図12の(a)のように、全ての信号光のノイズレベルがほぼ同一の場合だけでなく、図12の(b)のように、異なる伝送経路を伝搬して合波されたことにより、信号光毎のノイズレベルが異なるような場合であっても、各信号光のOSNRを正確に算出できる。
上記実施形態の光スペクトラムアナライザ50、50′では、各集光位置に入射する光の強度を検出する光強度検出手段30として受光素子31〜35を用いていたが、図2に示したように、アレイ状に並べた光ファイバ経由で各集光位置の光強度を検出する構成であってもよい。
20、20′……偏光解析装置、21……コリメートレンズ、22……光分離部、22a……第1の複屈折素子、22b……第2の複屈折素子、22c……第3の複屈折素子、24……偏光子、26、26′……レンズ、30……光強度検出手段、31〜35、31′〜35′……受光素子、40、60……演算処理部、41、61……第1の演算手段、42、62……第2の演算手段、50、50′……光スペクトラムアナライザ、51……波長成分抽出部、52……回折格子、53、57……回動装置、54、58……コントローラ、55……スリット、56……反射体、80……偏向ビームスプリッタ

Claims (7)

  1. 入射される光を偏光方向が互いに直交し且つ出射光軸が所定の分離角を成す2つの光に分離させて出射する複屈折素子が、入射光軸に沿って順に複数n(nは3以上)配置され、該複数の複屈折素子のうち、被測定光が最初に入射される第1の複屈析素子以外の複屈折素子は、直前の複屈折素子から入射される直交した2つの偏光方向以外の方向の直交2偏光成分へ分離するよう互いの光学軸が成す角度が調整されており、前記第1の複屈折素子に入力された前記被測定光を2のn乗個の光に分離して最終の第nの複屈折素子から出射するように構成され、前記第nの複屈折素子から出射される2のn乗個の光のうち、前記第1の複屈折素子により分離された第1の光を基に分離された2の(n−1)乗個の光のいずれかと、前記第1の複屈折素子により分離されたもう一方の第2の光を基に分離された2の(n−1)乗個の光のいずれかとの組み合わせのうち、互いの出射光軸が平行となる組合せが複数個生じるように、前記複数の複屈折素子のそれぞれの分離角および分離方向が設定されている光分離部(22)と、
    前記光分離部から出射された2のn乗個の光を受け、その全ての偏光方向を揃えてそれぞれ出射する偏光方向変換手段(24)と、
    前記偏光方向変換手段から出射される2のn乗個の光のうち、前記出射光軸が平行となる光同士を合波して同一の位置である組合せ光集光位置にそれぞれ集光させ、それ以外の光を互いに独立した位置である単独光集光位置にそれぞれ集光させる集光手段(26)と、
    前記組合せ光集光位置と単独光集光位置に集光された光の強度を検出する光強度検出手段(30)と、
    前記光強度検出手段が検出した光の強度から、前記第1の光と第2の光の強度およびそれらの位相差を求める演算処理部(40)とを備えた偏光解析装置。
  2. 前記光分離部は3つの複屈折素子(22a〜22c)により構成されており、それぞれの複屈折素子は入力される入射光光軸方向と出射光光軸方向が全てある同一平面に対し平行となるように配置され、前記第1の複屈析素子の分離角が、残りのいずれかの複屈折素子の分離角と等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の偏光解析装置。
  3. 前記偏光方向変換手段が、偏光子(24)であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の偏光解析装置。
  4. 前記偏光方向変換手段が、
    前記光分離部から出射された2のn乗個の光を受け、偏光方向が特定方向に揃えられた2のn乗個の光と、偏光方向が前記特定方向と直交する方向に揃えられた2のn乗個の光とに分けて、異なる方向に出射する偏光ビームスプリッタ(80)により形成され、
    前記集光手段は、
    前記偏光ビームスプリッタから偏光方向が前記特定方向に揃えられて出射される2のn乗個の光のうち、前記出射光軸が平行となる光同士を合波して同一の位置である組合せ光集光位置にそれぞれ集光させ、それ以外の光を互いに独立した位置である単独光集光位置にそれぞれ集光させる第1集光手段(26)と、前記偏光ビームスプリッタから偏光方向が前記特定方向と直交する方向に揃えられて出射される2のn乗個の光のうち、前記出射光軸が平行となる光同士を合波して同一の位置である組合せ光集光位置にそれぞれ集光させ、それ以外の光を互いに独立した位置である単独光集光位置にそれぞれ集光させる第2集光手段(26′)とを含み、
    前記光強度検出手段は、前記第1集光手段および前記第2集光手段によって前記組合せ光集光位置と単独光集光位置に集光された光の強度を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の偏光解析装置。
  5. 入射される光を偏光方向が互いに直交し且つ出射光軸が所定の分離角を成す2つの光に分離させて出射する複屈折素子が、入射光軸に沿って順に複数n(nは3以上)配置され、該複数の複屈折素子のうち、被測定光が最初に入射される第1の複屈析素子以外の複屈折素子は、直前の複屈折素子から入射される直交した2つの偏光方向以外の方向の直交2偏光成分へ分離するよう互いの光学軸が成す角度が調整されており、前記第1の複屈折素子に入力された前記被測定光を2のn乗個の光に分離して最終の第nの複屈折素子から出射するように構成され、前記第nの複屈折素子から出射される2のn乗個の光のうち、前記第1の複屈折素子により分離された第1の光を基に分離された2の(n−1)乗個の光のいずれかと、前記第1の複屈折素子により分離されたもう一方の第2の光を基に分離された2の(n−1)乗個の光のいずれかとの組み合わせのうち、互いの出射光軸が平行となる組合せが複数個生じるように、前記複数の複屈折素子のそれぞれの分離角および分離方向が設定されている光分離部(22)と、
    前記光分離部から出射された2のn乗個の光を受け、その全ての偏光方向を揃えてそれぞれ出射する偏光方向変換手段(24)と、
    前記偏光方向変換手段から出射された2のn乗個の光に含まれる波長成分を、所定波長範囲で抽出する波長成分抽出部(51)と
    前記波長成分抽出部から出射される2のn乗個の光の波長成分のうち、前記出射光軸が平行となる光の波長成分同士を合波して同一の位置である組合せ光集光位置にそれぞれ集光させ、それ以外の光の波長成分を互いに独立した位置である単独光集光位置にそれぞれ集光させる集光手段(26)と、
    前記組合せ光集光位置と単独光集光位置に集光された光の波長成分の強度を検出する光強度検出手段(30)と、
    前記光強度検出手段が検出した光の波長成分の強度から、波長毎の前記第1の光と第2の光の強度およびそれらの位相差を求める演算処理部(60)とを備えた光スペクトラムアナライザ。
  6. 前記光分離部は3つの複屈折素子(22a〜22c)により構成されており、それぞれの複屈折素子は入力される入射光光軸方向と出射光光軸方向が全てある同一平面に対し平行となるように配置され、前記第1の複屈析素子の分離角が、残りのいずれかの複屈折素子の分離角と等しくなるように設定されていることを特微とする請求項5記載の光スペクトラムアナライザ。
  7. 前記波長成分抽出部は、
    回折用の溝が形成された回折面で入射光を受け、該入射光に含まれる波長成分を、波長に応じた出射角で出射させる回折格子(52)を含んでおり、
    前記波長成分抽出部の前記回折格子が、前記光分離部から出射された光の偏光方向を揃えて出射する前記偏光方向変換手段を兼ねていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の光スペクトラムアナライザ。
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