JP6622733B2 - 偏光解析装置および光スペクトラムアナライザ - Google Patents

偏光解析装置および光スペクトラムアナライザ Download PDF

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Description

本発明は、被測定光の偏光状態を解析する偏光解析装置および光スペクトラムアナライザを、簡易で安価に構成するための技術に関する。
高速光通信システムでは、伝送信号光の偏光方向による光ファイバ内での光の伝搬スピードの違いによって発生する偏波モード分散が伝送信号を劣化させる。また、伝送装置を構成する各光学部品のPDL(Po1arization Dependent Loss:偏波依存性損失)特性も、伝送信号の劣化要因となる。
従って、伝送信号光の偏光度(DOP:Degree Of Polarization)や偏波状態(SOP:State Of Polarization)、および、伝送線路である光ファイバや伝送装置を構成する光学部品の偏波特性を測定・把握することは、光通信にとって非常に重要な項目の1つである。
また、光増幅器を含む伝送線路においては、光増幅器から出力される増幅された自然放出光(ASE)が信号品質を劣化させる。信号光は偏光した光であるのに対し、このASE光は一般に無偏光であるため、偏光した光パワーと無偏光な光パワーの比から、光伝送信号光の品質を示す別の指標であるOSNR(optical signa1-to-noise ratio)が計算される(例えば、米国特許7106443号参照)。
光の偏光状態を解析する従来技術として、図17の偏光解析装置10が知られている。この偏光解析装置10は、被測定光Rを、レンズ11により平行光R′にして、ビームスプリッタ12a〜12cとミラー12dからなる光分岐部12により、4つの光Ra〜Rdに分け、そのうちの光Raをレンズ13aで集光して光検出器14aに入射して被測定光Rの全パワーP0を求め、別の光Rbを方位角0度の偏光子15に入射して0度の直線偏光成分を抽出し、レンズ13bで集光して光検出器14bに入射して、その0度の直線偏光成分のパワーP1を求める。
また、別の光Rcを方位角45度の偏光子16に入射して45度の直線偏光成分を抽出し、レンズ13cで集光して光検出器14cに入射し、その45度の直線偏光成分のパワーP2を求め、別の光Rdを、主軸方位45度のλ/4板17に入射し、その出射光を方位角90度の偏光子18に入射して、被測定光Rの右回り円偏光成分を抽出し、その右回り円偏光成分のパワーP3を求める。
この構成の偏光解析装置10では、前記光パワーP0、P1、P2、P3から、被測定光RのストークスパラメータS0、S1、S2、S3は、以下の式にて計算される。
S0=P0
S1=2P1−P0
S2=2P2−P0
S3=2P3−P0
また、全光パワーのうち偏光している光パワーの割合を表す指標となる偏光度(DOP)は次式にて計算される。
DOP={√(S1+S2+S3)}/S0
さらに、被測定光のOSNRは、次式にて算出される。
OSNR=S0×DOP/{S0(1−DOP)}=DOP/(1−DOP)
なお、上記のように、被測定光を複数の光に分岐し、それぞれについて偏光子を用いた偏光成分の抽出を行い、それぞれを光検出器に入射させて、各偏光成分のパワーを求め、被測定光の偏光状態を表すストークスパラメータを測定する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
特開平6−18332号
しかしながら、上記した偏光解析装置10では、被測定光を光分岐部12で4分岐して、その3つに対して偏光子を用いた偏光成分の抽出を行い、それぞれをレンズで集光して光検出器に入射させる構成であるため、多くの光学部品を要し、高額となり、また小型化が困難であった。
また、上記構成の偏光解析装置10は、被測定光が特定波長の信号光だけの場合には有効であるが、例えば、WDM(Wavelength Division Multiplexing :波長分割多重)方式や、WDMとパス管理の技術を組み合わせたROADM(reconfigurable optical add/drop multiplexer)方式等で、一つの伝送路に伝送される複数の異なる波長の信号光(チャネル光)を被測定光として解析することができない。
これを実現するためには、上記偏光解析装置の構成に、波長選択機能を付加し、各波長ごとの光強度と偏光状態を求めることができる光スペクトラムアナライザとする必要があるが、装置全体の構成がさらに大掛かりとなり、高額となる。
本発明は、この課題を解決して、簡易で安価に構成できる偏光解析装置および光スペクトラムアナライザを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の偏光解析装置は、
被測定光を一端面で受けて、偏光方向が互いに直交する第1の光と第2の光に分け、所定の分離角をもって他端面から出射する複屈折素子(22)と、
前記複屈折素子から出射された前記第1の光と第2の光を受けて、その偏光方向を揃えて出射する偏光方向変換手段(24)と、
前記偏光方向変換手段から出射された前記第1の光と第2の光のビームが互いに重なった状態で照射される干渉領域と、該干渉領域の両側で前記第1の光と第2の光のビームが重ならない状態で照射される2つの非干渉領域とが生じる位置に配置され、前記干渉領域および前記2つの非干渉領域の光強度分布を検出する光強度分布検出器(30)と、
前記光強度分布検出器が取得した光強度分布から、前記第1の光と第2の光の強度およびそれらの位相差を求める演算処理部(40)とを備えている。
また、本発明の請求項2の偏光解析装置は、請求項1記載の偏光解析装置において、
前記偏光方向変換手段が、偏光子(24)であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3の偏光解析装置は、請求項1記載の偏光解析装置において、
前記偏光方向変換手段は、
前記複屈折素子から出射された前記第1の光と第2の光を受け、前記第1の光を偏光方向が互いに直交する第3、第4の光に分け、前記第2の光を偏光方向が互いに直交する第5、第6の光に分け、前記第3の光と偏光方向が同じ前記第5の光を前記分離角をもって第1の方向に出射し、前記第4の光と偏光方向が同じ前記第6の光を前記分離角をもって第2の方向に出射する偏光ビームスプリッタ(25)により構成され、
前記光強度分布検出器は、
前記偏光方向変換手段から前記第1の方向に出射された前記第3の光と第5の光のビームが重なった状態で照射される干渉領域と、該干渉領域の両側で前記第3の光と第5の光のビームが重ならない状態で照射される2つの非干渉領域の光強度分布を検出する第1の光強度分布検出器(31)と、
前記偏光方向変換手段から前記第2の方向に出射された前記第4の光と第6の光のビームが重なった状態で照射される干渉領域と、該干渉領域の両側で前記第4の光と第6の光のビームが重ならない状態で照射される2つの非干渉領域の光強度分布を検出する第2の光強度分布検出器(32)により構成され、
前記演算処理部は、前記第1の光強度分布検出器が取得した光強度分布と前記第2の光強度分布検出器が取得した光強度分布から、前記第1の光と第2の光の強度およびそれらの位相差を求めることを特徴とする。
また、本発明の請求項4の偏光解析装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光解析装置において、
前記偏光方向変換手段と前記光強度分布検出器の間に、前記偏光方向変換手段から出射される2つの光の光軸が近づくように集光させる集光手段(26)を設けたことを特徴とする。
また、本発明の請求項5の光スペクトラムアナライザは、
被測定光を一端面で受けて、偏光方向が互いに直交する第1の光と第2の光に分け、所定の分離角をもって他端面から出射する複屈折素子(22)と、
前記複屈折素子から出射された前記第1の光と第2の光を受けて、その偏光方向を揃えて出射する偏光方向変換手段(24)と、
前記偏光方向変換手段から出射された前記第1の光と第2の光に含まれる波長成分を、所定波長範囲で抽出する波長成分抽出部(51)と、
前記波長成分抽出部によって抽出される前記第1の光と第2の光の波長成分のビームが互いに重なった状態で照射される干渉領域と、該干渉領域の両側で前記第1の光と第2の光の波長成分のビームが重ならない状態で照射される2つの非干渉領域とが生じる位置に配置され、前記干渉領域および前記2つの非干渉領域の光強度分布を波長毎に取得する光強度分布検出器(30)と、
前記光強度分布検出器が波長毎に取得した光強度分布の情報から、前記第1の光と第2の光の波長毎の強度およびそれらの位相差を求める演算処理部(60)とを備えている。
また、本発明の請求項6の光スペクトラムアナライザは、請求項5記載の光スペクトラムアナライザにおいて、
前記波長成分抽出部は、
回折用の溝が形成された回折面で入射光を受け、該入射光に含まれる波長成分を、波長に応じた出射角で出射させる回折格子(52、52′)を含んでおり、
前記波長成分抽出部の前記回折格子が、前記複屈折素子から出射された前記第1の光と第2の光の偏光方向を揃えて出射する前記偏光方向変換手段を兼ねていることを特徴とする。
また、本発明の請求項7の光スペクトラムアナライザは、請求項5または請求項6に記載の光スペクトラムアナライザにおいて、
前記波長成分抽出部と前記光強度分布検出器の間に、前記波長成分抽出部から出射された2つの光の光軸が近づくように集光させる集光手段(26)を設けたことを特徴とする。
このように、本発明の偏光解析装置は、最小限の光学系として、複屈折素子、偏光方向変換手段および光強度分布検出器だけで構成することができ、従来装置に比べて格段に簡易に且つ安価に構成することができる。
また、本発明の光スペクトラムアナライザは、上記偏光解析装置の構成に、光学系として波長成分抽出部を付加しただけで簡易に且つ安価に構成でき、波長が異なる複数の信号光が含まれる被測定光についてのスペクトラム解析だけでなく、各信号光のストークスパラメータおよびOSNRを容易に算出できる。
また、波長成分抽出部として、回折格子を用いた場合、回折格子の溝に平行な偏光成分と溝に垂直な偏光成分の回折効率が異なることを利用することで偏光方向変換手段を兼ねることができ、光スペクトラムアナライザとしての構成をさらに簡単化できる。
本発明の偏光解析装置の実施形態の構成図 実施形態の光強度分布検出器に照射されるビームの位置と干渉縞の発生原理を示す図 実施形態の光強度分布検出器で取得される強度分布の一例を示す図 偏光子と光強度分布検出器の間に集光用のレンズを挿入した構成図 レンズによるビームの収束例を示す図 本発明の偏光解析装置の別の実施形態の構成図 本発明の光スペクトラムアナライザの実施形態の構成図 波長成分抽出部の構成例を示す図 図8の波長成分抽出部の動作を説明するための図 波長成分抽出部の別の構成例を示す図 図10の波長成分抽出部の動作を説明するための図 波長成分抽出部の別の構成例を示す図 波長成分抽出部の別の構成例を示す図 波長成分抽出部の回折格子を偏光方向変換手段として用いた場合の構成例を示す図 波長の異なる複数の信号光を含む被測定光に対する測定結果の一例を示すスペクトラム図 波長成分抽出部と光強度分布検出器の間に、集光用のレンズを挿入した構成図 従来の偏光解析装置の構成例を示す図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した偏光解析装置20の基本構成図である。
この偏光解析装置20は、SM(single mode)型の光ファイバ1の一端側から出射される被測定光Rをコリメートレンズ21により平行光R′にしてから、複屈折素子22の一端面に入射する。なお、ここでは、被測定光Rの入射方向(各光学素子の並び方向)をZ、それに直交する方向をX(水平方向)、Y(垂直方向)として説明するが、光学素子による反射、屈折、回折等により変化する場合がある。
複屈折素子22は、例えば二つの楔形状の人工水晶をその光学軸22a、22bが互いに直交するように貼り合わせた素子であり、一端面に入射された被測定光Rを、偏光方向が互いに直交する第1の光R1と第2の光R2に分離し、所定(微小)の分離角(光軸が成す角)δを持って他端面から出射する。なお、ここでは、複屈折素子22の一端面側の光学軸22aがX方向、他端面側の光学軸22bがY方向とし、分離された一方の光R1の偏光方向はX(水平)方向、他方の光R2の偏光方向はY(垂直)方向となり、これら2つの光の光軸がXZ平面内で分離角δを成す(Z軸に対して±δ/2の角度を成す)ように僅かに拡がって出射される。
複屈折素子22から出射される2つの光R1、R2は、この実施形態の偏光方向変換手段としての偏光子24によって偏光方向が同一となるように揃えられて出射される。ここで、偏光子24として光学軸24aがX軸に対して+45度傾いたものを用いれば、偏光方向がX方向の光R1のうちX軸に対して+45°の偏光成分R1′が出射され、偏光方向がY方向の光R2のうちX軸に対して+45゜の偏光成分R2′が出射される。
偏光子24で偏光方向が同一に変換された2つの光R1′、R2′のビームは、複屈折素子22から離間するほど互いに離れ、所定距離以上離れるとビーム同士が完全に分離してしまうが、所定距離以内の特定位置Z=z0におけるXY平面上に、図2の(a)に示しているように、2つの光R1′、R2′のビームの一部が重なり合った状態で照射されることになる。
この特定位置において2つの光R1′、R2′が互いに重なる領域Qaは、偏光方向が同一の光が互いに干渉する干渉領域となる。また、その干渉領域Qaの両側の2つの領域Qb、Qcは、2つの光R1′、R2′のビームが重ならず、干渉が起きない非干渉領域となる。なお、厳密には、各光のビームの強度分布に拡がりがあって、一方の光のビームの分布の裾の部分(強度が低い部分)が他方の光のビームに重なり合うが、その場合でも一方の光の強度が他方に対して十分低いので、干渉の影響を無視できるものとする。
この特定位置における干渉領域Qaでは、比較的強度が高い光同士が互いの光軸に傾きのある状態で入射されるので、図2の(b)のように、一方の光の等位相面(ここでは平面波とする)と他方の光の等位相面が同相で交わる位置と逆位相で交わる位置が、X方向に交互に生じる。このため、図2の(c)のように、干渉領域Qaでは、明部と暗部が交互に並ぶ干渉縞が発生し、ビームが重ならない非干渉領域Qb、Qcでは明部のみが生じる。
本発明の実施形態の偏光解析装置20は、この特定位置における干渉領域Qaと非干渉領域Qb、Qcの明暗の光強度分布情報に基づいて、被測定光Rの偏光状態を解析するものであり、そのための光強度分布検出器30が特定位置に配置されている。この光強度分布検出器30は、干渉領域Qaとそれを挟む2つの非干渉領域Qb、Qcの並び方向(図1の例ではX方向)に光電変換素子が並んだ1次元フォトダイオードアレイや、光電変換素子が2次元に配置されたCCD(撮像素子)等で構成され、少なくとも、干渉領域Qaおよび2つの非干渉領域Qb、Qcの特定位置の光強度を取得する。図3は、光強度分布検出器30としてCCDを用いた場合に実際に得られた光強度分布の例を示している。
演算処理部40は、光強度分布検出器30が取得した各領域の光強度の情報から、第1の光R1と第2の光R2の強度とそれらの位相差を求める第1の演算手段41と、これらの値から被測定光RのストークスパラメータやOSNRを算出する第2の演算手段42によって構成される。
次に、この演算処理部40が行なう計算の一例について説明する。
例えば、被測定光Rを導入するためのSM型の光ファイバ1の端を、焦点距離5mmのコリメートレンズ21の焦点位置に配置すると、被測定光Rはビームウェスト半径が約0.5mmの0次のガウシアンビームに変換される。
このビームを、光学軸が水平および垂直の楔角60°の人工水晶を張り合わせた複屈折素子22に入射した場合、水平(X)および垂直(Y)な偏光成分に分離された第1の光R1と第2の光R2は、Z軸を挟んで互いに1°40′の分離角δだけ傾いた方向へ分離される。
これらの2つの光R1、R2は、光学軸が45°の偏光子24により、共に方位45°の直線偏光R1′、R2′に変換されて、複屈折素子22から所定距離の位置に配置された光強度分布検出器30の受光面に照射される。
ここで、2つの光R1′、R2′のビームが分離角δ=1°40′で、例えば距離35mm進むと、そのビーム間距離は約1mmとなるがビーム半径はほぼ変わらず、図2に示したように、この位置に配置した光強度分布検出器30の受光面上で両方のビームが重なり合う干渉領域Qaが生じ、その両側にはビームが重ならない非干渉領域Qb、Qcが生じ、干渉領域Qa内に、図3に示したような干渉縞が例えば所定間隔dxで生じる。
次に、この干渉縞の強度(明るさ)について検討する。
被測定光Rの全パワーPsは、次のように、被測定光Rに含まれる信号光の互いに直交する偏光成分のパワーPx、Pyと無偏光成分(ノイズ成分)のパワーPnの和で表される。
Ps=Px+Py+Pn
また、非干渉領域Qb、Qcの光強度分布からは、第1の光R1と第2の光R2のそれぞれの光パワーPr1、Pr2に比例した信号(Ix、Iy)を得ることができる。
Ix∝Pr1∝Px+Pn/2
Iy∝Pr2∝Py+Pn/2
前述したように、本実施例の場合、被測定光RはSM型の光ファイバ1により導入されるため、2つの光のR1、R2(R1′、R2′も同様)は共に強度分布が0次のガウシアンビームとなっている。
0次ガウシアンビームの電界Eは、ビームウエスト位置を原点とし、光の伝搬方向をZ軸方向に座標軸をとると、
E=√(P)・√(π/2)・(1/w(z))・e
A=−j{kz−φ(z)}−{(1/w(z))+jk/2R(z)}(x+y
と表すことができる。
ここで、Pはビームのパワー、
w(z)=w√[1+(λz/πw
は、ビームウエスト位置から距離zにおけるスポットサイズ、wは、ビームウエストのスポットサイズ、λは波長である。
また、
R(z)=z[1+(πw /λz)
は、波面(等位相面)の曲率半径、
φ(z)=tan−1[λz/πw
は、z軸上における平面波からの位相ずれ量、
k=ω√(εμ)=2π/λ
は伝搬定数、ωは光の角周波数、εは誘電率、μは透磁率である。
2つの分離された光R1′、R2′は、XZ平面内でZ軸に対して±δ/2傾いているため、前述の電界Eの式に対して、次の座標変換、
x→x cos(±δ/2)−z sin(±δ/2)
z→x sin(±δ/2)+z cos(±δ/2)
を行なう必要があるが、分離角δは1°40′と微小なため、
x→x−z(±δ/2)
z→x(±δ/2)+z
と近似できる。
また、前記数値例では、ビームウエストのサイズが0.5mmと大きく、ビームウエスト位置から僅か3.5mm離れた位置においては、2つの光R1′、R2′は、ほぼ平面波と見なすことができるため、上記電界Eの式のAのうち、波面曲率半径に関する位相項−j(k/2R(z))(x+y)は省略できる。
さらに、Aのうち、Z軸上における平面波からの位相ずれ量に関する項jφ(z)は、2つの光に共通の位相であるため、考慮しなくてよい。
また、ここでは、光強度分布検出器30の受光面のX軸上に並んだピクセル(各光電変換素子)に照射される光パワーを考えればよいので、y=0とおける。
したがって、X軸上の一方の光R1′の電界E1と、他方の光R2′の電界E2は、次のように表される。
E1∝√(Px)・e+√(Pn/2)・e
E2∝√(Py)・e+√(Pn/2)・e
B=−jk(+xδ/2+z)−[(x−zδ/2)/w]
C=−jθnx−[(x−zδ/2)/w]
G=−jk(−xδ/2+z)−[(x+zδ/2)/w]]−j(θ+α)
H=−jθny−[(x+zδ/2)/w]
ただし、zは、複屈折素子22(ビームウエスト位置)から光強度分布検出器30までの距離であり、
w=w√{1+[λ(x(±δ/2)+z)/πw
≒w√{1+[λz/πw }≒w
ここで、θは、被測定光Rに含まれる信号光の2つの直交成分の位相差、αは複屈折素子22により分離されてから光強度分布検出器30の受光面までに至る間の光路差に起因する位相差(機器固有の既知量)である。
また、θnx、θnyは、被測定光Rに含まれる無偏光成分(ノイズ成分)のX偏光成分の位相およびY偏光成分の位相である。
したがって、光強度分布検出器30の受光面のX軸上の位置xにおける光強度I(x)は、
I(x)=(E1+E2)(E1+E2)
∝tPx+sPy+2ts√(PxPy)・cos γ+(t+s)Pn/2
……(1)
t=e, L=−[(x−zδ/2)/w]
s=e, M=−[(x+zδ/2)/w]
γ=(2π/λ)xδ−θ−α
記号*は共役を表す
となる。
なお、θnx、θnyは、時間の経過とともにランダムに変化するため、無偏光成分間のビート成分(干渉)は発生しない。上記t、sは、位置xが決まれば決定される係数であり、波長λの値は、予め測定者が指定した値を用いたり、干渉縞間隔dxからλ=dx×δの計算により、求めることができる既知の値である。
したがって、第1の演算手段41は、光強度分布検出器30によって検出される強度分布の情報から、複数の位置xにおける光の強度I(x)を抽出し、その結果を上記式(1)に代入することで、未知数である被測定光Rに含まれる信号光の偏光成分のパワーPx、Py、位相差θおよび無偏光成分のパワーPnを算出する。また、第2の演算手段42は、第1の演算手段41で得られた値を用いて、被測定光のストークスパラメータやOSNRを算出することになる。
次に3つの位置xにおける観測結果から、上記値を算出する例を示す。
ここで、zδ/2は約0.5mmでビームサイズwとほぼ等しいとする。
(a)x=+zδ/2−w=1mmの場合
この場合、
L=−[(x−zδ/2)/w]=−[w/w]=−1
M=−[(x+zδ/2)/w]≒−[3w/w]=−9
となり、
t=1/e
s=1/e
が得られる。
したがって、tはsに対して十分(3000倍)大きく、sの項を無視できるので、kをある定数とすると、
I(1mm)=k(Px+Pn/2)e−2=Ix
となる。この強度Ixは、前記した一方の非干渉領域Qbに照射される光R1′の強度(明るさ)を表している。
(b)x=+zδ/2−w=−1mmの場合
この場合には、上記例と逆に、sに対してtの項が無視できる程小さくなるので、
I(−1mm)=k(Py+Pn/2)e−2=Iy
となる。この強度Iyは、前記した他方の非干渉領域Qcに照射される光R2′の強度(明るさ)を表している。
(c)x=0近辺で、最も明るい位置xの場合
この場合、cos γ≒1となり、
I(x
=k{t Px+s Py+2t√(PxPy)+(t +s )Pn/2}
=Ixy
となる。この強度Ixyは、前記した干渉領域Qaの最も明るい位置の光強度(明るさ)を表している。
ここで、
上記Ix、Iyの式を次のように変形し、
kt (Px+Pn/2)=Ix・e
ks (Py+Pn/2)=Iy・e
これらを、上記Ixyから減算すると、
Ixy−(Ix・e +Iy・e )=2kt√(PxPy)
となり、
k√(PxPy)
={Ixy−(Ix・e +Iy・e )}/2t
=a
が得られる。
また、
Ix−Iy=k(Px−Py)e−2
から、
k(Px−Py)=(Ix−Iy)e−2
=b
が得られる。
上記a、bは、測定あるいは計算によって求めることができる既知量であり、これらを使うとPx、Pyの比率uを次式によって計算できる。
u=Py/Px={−b+√(4a+b)}/{b+√(4a+b)}
さらに、
k(Px+Pn/2)e−2=Ix
k(Py+Pn/2)e−2=Iy
Py=uPx
から、PxとPnの比率vを次式によって計算できる。
v=Pn/Px=2(−uIx+Iy)/(Ix−Iy)
これを、Ixの式に代入すると、
k(Px+vPx/2)e−2=Ix
Px=e−2Ix/k(1+v/2)
となる。ここで、定数kは、ビーム径やピクセルサイズ等の装置固有のパラメータによって決まる既知の値である。
次に、被測定光Rに含まれる信号光の直交偏光成分間の位相差θを計算する。
これは、前記した干渉領域Qaの最も明るい位置xの値を使って次のように計算できる。
(2π/λ)xδ−θ−α=0
により、
θ=(2π/λ)xδ−α
以上をまとめると、被測定光Rに含まれる信号光の直交偏光成分のパワーPx、Pyと位相差θ、および無偏光成分(ノイズ成分)のパワーPnが、次の4つの式で表される。
Px=e−2Ix/k(1+v/2)
Py=uPx
θ=(2π/λ)xδ−α
Pn=vPx
また、それらの演算に必要なパラメータは、次のように求められる。
u={−b+√(4a+b)}/b+√(4a+b
v=2(−uIx+Iy)/(Ix−Iy)
a={Ixy−(Ix・e +Iy・e )}/2t
b=(Ix−Iy)e−2
=e, L=−[(x−zδ/2)/w]
=e, M=−[(x+zδ/2)/w]
上記演算を行なうことで、被測定光Rに含まれる信号光の直交偏光成分のパワーPx、Pyと位相差θ、および、無偏光成分(ノイズ成分)のパワーPnが得られるから、これらを用いて、被測定光Rの偏光状態を表す4種類のストークスパラメータS0〜S3を以下のように得ることができる。
S0=Px+Py+Pn (全パワー)
S1=Px−Py
S2=2√(PxPy)cos θ
S3=2√(PxPy)sin θ
また、被測定光RのOSNRを次の計算によって求めることができる。
OSNR=(Px+Py)/Pn
このように、実施形態の偏光解析装置20は、複屈折素子22、偏光子24、光強度分布検出器30という極めて小規模な光学系の構成で、小型に且つ安価に、被測定光Rの偏光状態およびOSNRをリアルタイムに測定することができる。
なお、演算処理部40による上記X軸上の3つの位置における光強度Ix、Iy、Ixyを用いた計算方法は一例に過ぎず、他にもさまざまな計算方法が考えられる。
また、測定する位置xについても、前述の例にとどまらず、様々な位置でも計算可能であり、また、測定位置の数も3つ以上の複数の測定結果から最小二乗法等により計算する事で、精度良く偏光状態を特定できる。
また、X軸上の光強度のみならず、センサに照射されているすべての2次元の光強度を使って計算する事で、更に精度のよい偏光状態計算を求めることが可能である。
前記実施形態では、偏光方向変換手段としての偏光子24を通過した2つの光R1′、R2′を、分離角δを維持したまま光強度分布検出器30の受光面に照射しているが、図4に示す偏光解析装置20′のように、偏光子24と光強度分布検出器30の間に、集光用の凸型のレンズ26を配置し、このレンズ26から出射される光R1″、R2″を、光強度分布検出器30の受光面に照射してもよい。
この場合、レンズ26は、その収束作用により、Z軸に対してそれぞれ±δ/2の角度の入射光軸で入射された光R1′、R2′を、それぞれの出射光軸が、Z軸に対して分離角δの1/2より小さい角度となる光R1″、R2″として出射する。
ここで、レンズ26の焦点距離を選ぶことにより、光R1″、R2″を、図5のように、互いの光軸が近づくように出射できる。この場合、レンズ26の中心からZ軸方向にほぼ焦点距離進んだ位置Fで2つの光のビーム径が最小(スポット状)となり、その位置Fを過ぎるとビーム径が拡がることになる。したがって、レンズ26から同一偏光方向で出射される2つの光R1″、R2″のビームの一部が重なり合う干渉領域とビームが重ならない非干渉領域の強度分布を検出するための光強度分布検出器30は、位置Fより近い任意の位置Z1と、位置Fより遠い任意の位置Z2のいずれにも設定することができる。図4は、位置Fより遠いZ2の位置に配置した例を示している。なお、出射する光R1″、R2″の光軸が平行(Z軸に平行)になると、図2の(b)からわかるように、2つ光の等位相面(波面)の交わりが生じなくなって干渉が生じなくなってしまう。
このように、偏光子24と光強度分布検出器30の間に集光手段としてのレンズ26を配置して、光強度分布検出器30に入射する光の光軸が近づくようにすることで、光強度分布検出器30の配置できる位置の自由度が増し、光強度分布検出器30の受光面の大きさや、光電変換素子のピッチ等に適した位置を選択できる利点がある。
なお、このようにレンズ26を用いた場合には、その収束作用によるビーム径の変化や光路長の変化等を考慮して前記演算処理を行なう必要があるが、基本的には、前記した式(1)と同等に、光強度分布検出器30の出力I(x)が、被測定光Rに含まれる信号光の直交偏光成分のパワーPx、Py、その位相差θ、無偏光成分(ノイズ成分)のパワーPnを未知数とする式で表すことができ、それに対して光強度分布検出器30が取得する光強度分布の情報のうち、複数の異なる位置の光強度、即ち、2つの非干渉領域の光強度(明るさ)、干渉領域の最も明るい位置の光強度(明るさ)等を代入して演算を行なうことで、Px、Py、θ、Pnを求めることができ、それらの値から、被測定光RのストークスパラメータおよびOSNRを算出できる。
また、前記実施形態では、偏光方向変換手段として偏光子24を用い、複屈折素子22から出射された光R1、R2の偏光方向を揃えて、一つの光強度分布検出器30に入射させていたが、図6に示す偏光解析装置20″のように、偏光方向変換手段として偏光ビームスプリッタ(PBS)25を用い、複屈折素子22から出射された光R1、R2を、それぞれ偏光方向が直交する2つの光に分け、偏光方向が揃った光同士を互いに異なる方向へ出射させ、2つの光強度分布検出器31、32に照射する構成も考えられる。
この場合、例えば、複屈折素子22としては、+45°と−45°の光学軸の素子を組合せたものを用い、被測定光RをX軸に対して偏光方向が+45°の光R1と、−45°の光R2に分離してPBS25に入射する。
PBS25は、光R1を偏光方向が水平方向(X)の光R1xと垂直方向(Y)の光R1yに分け、光R2を偏光方向が水平方向(X)の光R2xと垂直方向(Y)の光R2yに分け、偏光方向が水平方向の光R1x、R2xを第1の方向(例えばZ軸方向)に分離角δを維持したまま出射させ、偏光方向が垂直方向の光R1y、光R2yを第1の方向と直交する第2の方向(例えばX軸方向)に分離角δを維持したまま出射させて、それぞれ光強度分布検出器31、32に照射し、各光強度分布検出器31、32の受光面上で偏光方向が揃った2つの光の一部同士を干渉させる。
このように構成した場合、2つの光強度分布検出器31、32上に生じる干渉部分の明暗は、互いに相補の関係となる。したがって、演算処理部40′の第1の演算手段41において、光強度分布検出器31、32の信号I(x)、I(x)′の差分をとると、干渉による項、
2t√(PxPy)
のみが残る。
また、光強度分布検出器31、32の信号I(x)、I(x)′の和をとると、干渉によらない項、
Px+s Py+(t +s )Pn/2
のみが残る。
これらにより、光強度分布検出器31、32のオフセット成分や迷光等の雑音の影響を抑え、干渉光成分および非干渉光成分の精度良い測定が可能となり、ひいては、被測定光Rの偏波状態を更に高精度に特定することが可能となる。
なお、この実施形態についても、偏光方向変換手段としてのPBS25と二つの光強度分布検出器31、32の間に、それぞれ集光手段としてのレンズ26を配置してもよい。
次に、上記偏光解析装置の構成に波長抽出機能を持たせた光スペクトラムアナライザについて説明する。図7は、この光スペクトラムアナライザ50の全体構成図である。
この光スペクトラムアナライザ50は、図1に示した偏光解析装置20の偏光方向変換手段としての偏光子24と光強度分布検出器30の間に、波長成分抽出部51を配置したものである。なお、後述するように、偏光方向変換手段として波長成分抽出部51の回折格子を兼用すれば、偏光子24を省略した構成とすることができる。
波長成分抽出部51は、偏光子24から出射された光R1′、R2′に含まれる波長成分を、所定の波長範囲に渡って所定の分解能で順次抽出する。この波長範囲は、被測定光Rが、例えばWDM方式のように、波長が異なる複数の信号光(チャネル光)が含まれた光の場合、その複数のチャネル光が存在する範囲全体をカバーするように設定される。
この波長成分抽出部51としては、一面側に回折用の溝が微細な間隔で設けられている回折格子の分光作用、即ち、所定入射角で回折面に入射される光に含まれる波長成分を、その波長に応じた出射角で出射させる作用を利用したものが一般的である。
その具体的な構造例の一つは、図8に示すように、回折格子52に対する光R1′、R2′の入射角αを、回折格子52を回動させる回動装置53(波長掃引手段)により可変させ、その回折光のうち、出射角βの特定方向の出射光がシリンドリカルレンズ70により集光されてスリット55を通過する光R1′(λ)、R2′(λ)の波長を可変させる方式である。
この場合、回折格子52は、その回折用の溝の長さ方向が、入射する2つの光R1′R2′の光軸の並び方向(Y方向)と一致する向きで配置され、その溝に平行な軸で回動され、シリンドリカルレンズ70は、図9のように、回折された光の分散方向(X軸)のみを、スリット55の入射面位置にて集光させるように、向き、および、スリット55までの距離が調整されて配置され、スリット55を通過する光の波長が所定範囲内で連続的に変化するように、各部が配置されているものとする。回動装置53は、抽出波長λと回折格子52の回転角(入射角α)との関係を予め記憶しているコントローラ54とともに波長選択手段を形成するものであり、抽出波長λに対応した回転角αの情報を回動装置53に与えるとともに、その抽出波長λの情報を演算処理部60に与える。スリット55を通過した光R1′(λ)、R2′(λ)は、前記同様に、両者のビームの一部が重なり合う位置に配置した光強度分布検出器30に入射する。
上記例では、スリット55を通過する光の波長を、回折格子52を回転させることで変化させているが、図10に示すように、スリット55は使わずにスリット55の位置に光強度分布検出器30を直接配置し、回動装置53を有せず回折格子52は固定されている構成でも良い。
この場合、光強度分布検出器30上には図11に示すように、被測定光Rの異なる波長成分λ−△λ、λ、λ+△λがそれぞれが細長く集光されX軸方向に波長順に並んで照射される。高さ方向(Y軸方向)には、分散された各光R1′、R2′は集光されない状態で、互いの一部の光が重なり合った状態で照射される干渉領域Qaと、その上下に互いの光が重なり合わずに照射される非干渉領域Qb、Qcとを形成して照射される。
第1の演算手段61は、光強度分布検出器30のあるX位置におけるY軸方向の光強度分布を基に前述の演算を行う事で、被測定光Rに含まれる波長λにおける直交偏光成分Px(λ)、Py(λ)とそれらの位相差θ(λ)および無偏光成分Pn(λ)を計算し、この演算をX軸方向に沿って順に行う事で、被測定光Rの直交偏光成分Px、Pyとそれらの位相差θおよび無偏光成分Pnの値を波長毎に演算する。
この場合、回動装置53およびコントローラ54を必要としないことから装置を小型・低価格とする事ができると共に、回折格子52を回転させる必要が無いため、被測定光Rの各波長ごとのPx、Py、θおよびPnをリアルタイムで得る事が出来る。
この構成の場合、分析可能な被測定光Rの波長範囲は、光強度分布検出器30のX軸方向の素子幅等により大きく制限されるが、回動装置53による回折格子52の回転制御も合わせて行う事で、広い波長範囲における分析も可能とする事が出来る。
さらに、前述の例では回折格子52として平面形状のものを使用しているが、図12に示すように格子の長さ方向と垂直な方向が曲面形状であるシリンドリカル凹面格子52′を使う事で、集光用のシリンドリカルレンズ70は使用する必要が無く、装置構成がさらに簡単でコンパクトにすることが出来る。
また、波長成分抽出部51の別の構造例を図13に示す。この波長成分抽出部51では、固定された回折格子52に一定の入射角で光R1′、R2′を入射させ、その回折光を反射体56に出射する。反射体56は、回折格子52の回折用の溝の長さ方向に対して±45度の傾きを持つ反射面56a、56bが互いに直交し、回折格子52側に向かって開くように一体化され、回動装置57により、回折格子52の溝と平行な軸で回動される。
回折格子52に入射された光R1′、R2′の回折光はそれぞれの波長に応じた出射角で反射体56側に出射され、反射体56の上側の反射面56aおよび下側の反射面56bを経由して回折格子52に再入射し、2度目の回折を受けることになる。
この2度目の回折を受けた光のうち、特定方向に出射される光の波長が、回折格子52に対する反射体56の角度αによって連続的に変化するように各部が配置されている。したがって、この特定方向に出射されてシリンドリカルレンズ70によって集光されスリット59を通過した光R1′(λ)、R2′(λ)の波長λを、反射体56の角度αにより連続的に可変できる。前記同様に回動装置57は、抽出波長λと反射体56の角度αとの関係を予め記憶しているコントローラ58とともに波長選択手段を形成するものであり、抽出波長λに対応した回転角αの情報を回動装置57に与えるとともに、その抽出波長λの情報を演算処理部60に与える。
図13に示した波長成分抽出部51の構成は、所望波長の光を抽出するために、回折格子52の分光作用を2度利用しているので、高い波長分解能が得られる。
この図13に示した波長成分抽出部51も、前述の図10のように、スリット59を使用せず、直接光強度分布検出器30にて受光する構成(この場合、回動装置57およびコントローラ58も省略してもよい)や、前述の図12のように回祈格子52をシリンドリ力ル凹面格子52′とすることでシリンドリカルレンズ70を省略する構成とする事もできる。
なお、上記波長成分抽出部51に用いられる回折格子52(シリンドリ力ル凹面格子52′も含む:以下同様)の回折作用は、光波長、入射角、溝形状や溝表面材質、および、入射光偏波状態に依存して変化する。したがって、特定の溝形状や溝表面材質、入射角を選ぶことにより、所望の波長範囲において、例えば、回折格子の溝に直交する偏光成分に対して回折効率が最大となり、逆に、溝に平行な偏光成分に対しては回折効率が最小(理諭的には0)とする事が出来る。
したがって、前記構成のように、波長成分抽出部51の前段に偏光子24を用いる場合、2つの光R1′、R2′の偏光方向を、回折格子52の回折用の溝に直交する状態に変換してやればよい。
また、回折格子52の回折作用は、回折用の溝に直交する偏光成分に対して現れるので、回折面の溝に対して、偏光方向が+45度傾いた光と−45度傾いた光を回折格子52に入射した場合に、回折格子52から出射される回折光の偏光方向は、回折用の溝に直交する方向に揃えられることになる。
つまり、回折格子52は、偏光方向が互いに直交する2つの光を、偏光が揃った2つの光(回折光)に変換する偏光方向変換手段の機能を有していることになる。
よって、図14に示す光スペクトラムアナライザ50′のように、偏光子24を省略し、複屈折素子22から、波長成分抽出部51の回折格子52の溝に対して偏光が±45度となる光R1、R2を入射させる構成も可能である。このようにすれば、装置全体をより簡易に構成できる。
なお、光スペクトラムアナライザ50、50′の演算処理部60の第1の演算手段61は、上記したように抽出した波長成分毎の光についての干渉領域と非干渉領域の光強度分布の情報から、各波長毎に、前記した直交偏光成分のパワーPx(λ)、Py(λ)、位相差θ(λ)、無偏光成分(ノイズ成分)のパワーPn(λ)を求め、第2の演算手段62は、第1の演算手段61で得られた波長毎の値から波長毎のストークスパラメータ、および、OSNRを算出する。ただし、単純に被測定光Rのスペクトラム波形を得て、これを表示する場合には、被測定光Rの全パワー(=Px+Py+Pn)を波長毎に求め、例えば、図15のように、波長軸上に表示すれぱよい。
また、ストークスパラメータやOSNRは、被測定光Rに含まれる信号光(チャネル光)について求める場合が多いので、図15の(a)のように得られたスペクトラム波形のうちそのパワーが極大となる波長(あるいは既知の信号光波長)λ1、λ2、λ3、λ4についての各測定値から、各信号光についてのストークスパラメータおよびOSNRを算出すればよく、これらの算出値の表示方法等は任意である。
なお、実施形態の光スペクトラムアナライザ50、50′では、各波長毎に直交偏光成分のパワーPx(λ)、Py(λ)、位相差θ(λ)、無偏光成分(ノイズ成分)のパワーPn(λ)を求め、それに基づいてOSNRを算出しているから、図15の(a)のように、全ての信号光のノイズレベルがほぼ同一の場合だけでなく、図15の(b)のように、異なる伝送経路を伝搬して合波されたことにより、信号光毎のノイズレベルが異なるような場合であっても、各信号光のOSNRを正確に算出できる。
上記光スペクトラムアナライザ50、50′においては、回折格子52を用いた波長成分抽出部51により、複屈折素子22から光強度分布検出器30までの光路長が長くなり、それによって、分離角δの2つの光R1、R2のビーム間の距離が大きくなって、互いに重なり合う干渉領域が狭くなる場合がある。この場合には、図16に示すように、波長成分抽出部51と光強度分布検出器30の間に集光用の凸型のレンズ26を配置して、波長成分抽出部51から出射される2つの光の光軸を近づけて、光強度分布検出器30の受光面上で互いのビームが重なり合う範囲が狭くならないようにすればよい。
20、20′、20″……偏光解析装置、21……コリメートレンズ、22……複屈折素子、24……偏光子、25……偏光ビームスプリッタ、26……レンズ、30、31、32……光強度分布検出器、40、60……演算処理部、41、61……第1の演算手段、42、63……第2の演算手段、50、50′……光スペクトラムアナライザ、51……波長成分抽出部、52……回折格子、52′……シリンドリカル凹面格子、53、57……回動装置、54、58……コントローラ、55、59……スリット、56……反射体、70……シリンドリカルレンズ

Claims (7)

  1. 被測定光を一端面で受けて、偏光方向が互いに直交する第1の光と第2の光に分け、所定の分離角をもって他端面から出射する複屈折素子(22)と、
    前記複屈折素子から出射された前記第1の光と第2の光を受けて、その偏光方向を揃えて出射する偏光方向変換手段(24)と、
    前記偏光方向変換手段から出射された前記第1の光と第2の光のビームが互いに重なった状態で照射される干渉領域と、該干渉領域の両側で前記第1の光と第2の光のビームが重ならない状態で照射される2つの非干渉領域とが生じる位置に配置され、前記干渉領域および前記2つの非干渉領域の光強度分布を検出する光強度分布検出器(30)と、
    前記光強度分布検出器が取得した光強度分布から、前記第1の光と第2の光の強度およびそれらの位相差を求める演算処理部(40)とを備えた偏光解析装置。
  2. 前記偏光方向変換手段が、偏光子(24)であることを特徴とする請求項1記載の偏光解析装置。
  3. 前記偏光方向変換手段は、
    前記複屈折素子から出射された前記第1の光と第2の光を受け、前記第1の光を偏光方向が互いに直交する第3、第4の光に分け、前記第2の光を偏光方向が互いに直交する第5、第6の光に分け、前記第3の光と偏光方向が同じ前記第5の光を前記分離角をもって第1の方向に出射し、前記第4の光と偏光方向が同じ前記第6の光を前記分離角をもって第2の方向に出射する偏光ビームスプリッタ(25)により構成され、
    前記光強度分布検出器は、
    前記偏光方向変換手段から前記第1の方向に出射された前記第3の光と第5の光のビームが重なった状態で照射される干渉領域と、該干渉領域の両側で前記第3の光と第5の光のビームが重ならない状態で照射される2つの非干渉領域の光強度分布を検出する第1の光強度分布検出器(31)と、
    前記偏光方向変換手段から前記第2の方向に出射された前記第4の光と第6の光のビームが重なった状態で照射される干渉領域と、該干渉領域の両側で前記第4の光と第6の光のビームが重ならない状態で照射される2つの非干渉領域の光強度分布を検出する第2の光強度分布検出器(32)により構成され、
    前記演算処理部は、前記第1の光強度分布検出器が取得した光強度分布と前記第2の光強度分布検出器が取得した光強度分布から、前記第1の光と第2の光の強度およびそれらの位相差を求めることを特徴とする請求項1記載の偏光解析装置。
  4. 前記偏光方向変換手段と前記光強度分布検出器の間に、前記偏光方向変換手段から出射される2つの光の光軸が近づくように集光させる集光手段(26)を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光解析装置。
  5. 被測定光を一端面で受けて、偏光方向が互いに直交する第1の光と第2の光に分け、所定の分離角をもって他端面から出射する複屈折素子(22)と、
    前記複屈折素子から出射された前記第1の光と第2の光を受けて、その偏光方向を揃えて出射する偏光方向変換手段(24)と、
    前記偏光方向変換手段から出射された前記第1の光と第2の光に含まれる波長成分を、所定波長範囲で抽出する波長成分抽出部(51)と、
    前記波長成分抽出部によって抽出される前記第1の光と第2の光の波長成分のビームが互いに重なった状態で照射される干渉領域と、該干渉領域の両側で前記第1の光と第2の光の波長成分のビームが重ならない状態で照射される2つの非干渉領域とが生じる位置に配置され、前記干渉領域および前記2つの非干渉領域の光強度分布を波長毎に取得する光強度分布検出器(30)と、
    前記光強度分布検出器が波長毎に取得した光強度分布の情報から、前記第1の光と第2の光の波長毎の強度およびそれらの位相差を求める演算処理部(60)とを備えた光スペクトラムアナライザ。
  6. 前記波長成分抽出部は、
    回折用の溝が形成された回折面で入射光を受け、該入射光に含まれる波長成分を、波長に応じた出射角で出射させる回折格子(52、52′)を含んでおり、
    前記波長成分抽出部の前記回折格子が、前記複屈折素子から出射された前記第1の光と第2の光の偏光方向を揃えて出射する前記偏光方向変換手段を兼ねていることを特徴とする請求項5記載の光スペクトラムアナライザ。
  7. 前記波長成分抽出部と前記光強度分布検出器の間に、前記波長成分抽出部から出射された2つの光の光軸が近づくように集光させる集光手段(26)を設けたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の光スペクトラムアナライザ。
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