JP7283170B2 - フランコン型サバール板を使用した分光測定装置における特有ノイズの防止方法、分光測定装置及び分光測定方法 - Google Patents

フランコン型サバール板を使用した分光測定装置における特有ノイズの防止方法、分光測定装置及び分光測定方法 Download PDF

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Description

この出願の発明は、分光測定の技術に関するものである。
対象物に光を照射し、その対象物からの光(透過光、反射光、散乱光等)のスペクトルを測定する分光測定の技術は、対象物の組成や性質を分析する技術として代表的なものである。典型的な分光測定の手法は、回折格子を用いる手法である。入射スリットから入射する被測定光を凹面鏡によって平行光にして回折格子に照射し、回折格子からの分散光を同様に凹面鏡で集光し、集光位置に受光器を配置して検出する。回折格子の姿勢を変化(スキャン)させることで、受光器には順次異なった波長の光が入射し、受光器の出力がスペクトルとなる。
このような回折格子を使用した分光測定では、回折格子のスキャンが必要なため、高速の測定ができない。また、入射スリットにおいて光を限定するため、測定のSN比を高くすることができない。このため、スキャンを何回か繰り返して受光器に入射する光の総量(光量)を多くすることが必要で、この点も高速測定ができない要因となっている。
近年、多数の光電変換素子を一列に配列したエリアセンサを使用するマルチチャンネル型の分光計が開発されている。マルチチャンネル型の場合、回折格子のスキャンは不要であるため、高速化が期待できる。しかしながら、入射スリットで光を限定して凹面鏡で回折格子に照射するという基本構造はそのままであるため、SN比が小さいという問題は解決されず、光量をかせぐために測定時間が長くなる欠点は解消されていない。
一方、上記以外の分光測定の技術として、光の干渉を利用する技術が知られている。光の干渉を利用した分光技術の代表的なものは、マイケルソン干渉計を使ったフーリエ変換分光計である。マイケルソン干渉計を使ったフーリエ変換分光計では、光路長が固定である第一の光路に対し、可動ミラーにより光路長を可変とした第二の光路を設定し、光を二つに分けて一方を第一の光路に沿って進ませ、他方を第二の光路に沿って進ませた後、両者を重ね合わせて干渉させる。そして、可動ミラーを連続的に移動(スキャン)することで光路差を時間的に連続して変化させながら干渉光の強度を検出器で検出する。検出器からは、可動ミラーのスキャンに伴って強度が変化する信号が出力されるが、干渉光の強度は波長と光路差に応じて決まるから、出力される信号強度の時間的変化は光路差の変化によってもたされたものであり、干渉信号の強度変化を表している。これは、インターフェログラムに相当しており、そのデータをフーリエ変換をすることで元の光のスペクトルが得られる。
このような光の干渉を利用した分光測定では、入射スリットで光を限定することはないので、SN比を高くでき、高精度の測定が可能となる。しかしながら、可動ミラーのスキャンが必要なため、測定の高速化という点では大きな進歩とはなっていない。
光の干渉を利用した分光測定において、可動ミラーのスキャンを不要にして測定の高速化を図る技術として、光路差を時間的に連続して変化させるのではなく、空間的に連続して変化させる技術が特許文献1や特許文献2に開示されている。
これら特許文献に開示された技術は、シアリング干渉系を採用した技術であり、対象物の1点から出た光を複屈折結晶によって平行に進む二つの光(光波)に分け、フーリエ変換レンズによってそれらが受光器の受光面上で結ぶようにして干渉させる。受光面上で結ぶ二つの光の光路差は、光軸からの距離に応じて異なるものとなり、空間的に光路差が変化した状態となる。受光器としてはラインセンサのようなアレイ検出器が採用され、配列された受光ピクセルに光路差が順次異なった各二つの光が入射する。このため、アレイ検出器からはインターフェログラムデータが出力され、それをフーリエ変換することでスペクトルが得られる。このように光路差を空間的に連続して変化させる構成は、マルチチャンネル型のフーリエ変換分光計と呼び得る。
実開平4-45906号公報 特開2015-194359号公報
鶴田匡夫著、1990年株式会社培風館発行、「応用光学▲2▼」、156~158頁 "Metal nano-grid reflective wave plate", 16 February 2009 / Vol. 17, No. 4 / OPTICS EXPRESS 2871-2879
上記のように光路差を空間的に連続して変化させながら干渉光を得る分光測定装置では、マイケルソン干渉計のように可動ミラーをスキャンすることは不要なので、高速の測定が可能となる。しかしながら、発明者の研究によると、この技術では、複屈折結晶を使用して光を二つに分け、それら光の光路差が変化するようにするため、複屈折結晶の性質又は配置等に起因するノイズが発生することが判ってきた。
この出願の発明は、上記判明した課題を解決するために為されたものであり、光路差を空間的に連続して変化させながら干渉光を得る分光測定の技術において、複屈折結晶の性質又は配置等に起因したノイズの影響が測定結果に含まれないようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本願発明のフランコン型サバール板を使用した分光測定装置における特有ノイズの防止方法は、光源からの光が照射された対象物からの光の光路上に設けられた干渉光学系及びアレイ検出器と、アレイ検出器から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算手段とを備え、干渉光学系は、光照射された対象物の一点からの光を二つの光に分ける分離手段と、分けられた二つの光をアレイ検出器の受光面上で干渉させる合波手段とを含んでおり、分離手段として、二個の複屈折結晶を備えているか又は二回目が一回目とは反対の向きで光が二回透過するよう配置された一個の複屈折結晶を備えているかのいずれかであるとともに、二個の複屈折結晶の間にλ/2波長板を備えているか又は一個の複屈折結晶を二回透過する際に一回目の透過の後であって二回目の透過の前に光に180度の位相差を与える位相差素子を備えているかのいずれかであるフランコン型サバール板を使用した分光測定装置において、フランコン型サバール板に起因した特有ノイズの影響が測定結果に含まれないようにする方法である。
この方法は、光源、アレイ検出器及び干渉光学系を含む測定系の測定可能な範囲を1オクターブ未満の波長幅に制限することで特有ノイズを防止する。
また、上記課題を解決するため、本願発明の分光測定装置は、対象物に光を照射する光源と、光照射された対象物からの光の光路上に設けられた干渉光学系及びアレイ検出器と、アレイ検出器から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算手段とを備えている。干渉光学系は、光照射された対象物の一点からの光を二つの光に分ける分離手段と、分けられた二つの光をアレイ検出器の受光面上で干渉させる合波手段とを含んでいる。分離手段は、二個の複屈折結晶を備え、二個の複屈折結晶の間にλ/2波長板を備えているか、又は二回目が一回目とは反対の向きで光が二回透過するよう配置された一個の複屈折結晶を備え、一個の複屈折結晶を二回透過する際に一回目の透過の後であって二回目の透過の前に光に180度の位相差を与える位相差素子を備えているかのいずれかである。そして、光源、アレイ検出器及び干渉光学系を含む測定系は、測定可能な範囲を1オクターブ未満の波長幅に制限する系である。
また、上記課題を解決するため、本願発明の分光測定方法は、対象物に光を照射する照射ステップと、光照射された対象物からの光をアレイ検出器の受光面で干渉させる干渉ステップと、アレイ検出器から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算ステップとを備えている。干渉ステップは、光照射された対象物の一点から出た光を二つに分離するステップと、分離した光をアレイ検出器の受光面で干渉させる合波ステップとを含んでいる。分離ステップは、二個の複屈折結晶を透過させることで光を二つに分け、光が一個目の複屈折結晶を透過した後にλ/2波長板を透過してから二個目の複屈折結晶を透過するか、又は二回目が一回目とは反対の向きになるように一個の屈折結晶を二回透過させることで光を二つに分け、光が一個の複屈折結晶を二回透過する際に一回目の透過の後であって二回目の透過の前に光に180度の位相差を与えるかのいずれかである。そして、光源、アレイ検出器及び干渉光学系を含む測定系は、測定可能な範囲を1オクターブ未満の波長幅に制限する系である。
上記各構成において、前記アレイ検出器は、感度を有する波長幅が1オクターブ未満であり得る。
上記各構成において、前記測定系は、前記光源から前記アレイ検出器までの光路上にフィルタを備えており、このフィルタは、1オクターブ未満の波長幅に制限して光を透過させるフィルタであり得る。
上記構成において、前記光源は、1オクターブ未満の波長幅に制限された光を出射する光源であり得る。
上記各構成において、前記アレイ検出器の受光面において各受光ピクセルが並んでいる方向をX方向とし、受光面においてX方向に垂直な方向をY方向としたとき、前記干渉光学系は、前記分離手段が分けた二つの光を受光面においてX方向の同じ位置に到達させるようにして干渉させるとともに、対象物からの光をY方向に集光して各受光ピクセルに到達させる系であり得る。
上記各構成において、前記アレイ検出器の受光面において各受光ピクセルが並んでいる方向をX方向とし、受光面においてX方向に垂直な方向をY方向としたとき、前記干渉ステップは、前記分離ステップにおいて分けた二つの光を受光面においてX方向の同じ位置に到達させるようにして干渉させるとともに、対象物からの光をY方向に集光して各受光ピクセルに到達させるステップであり得る。
上記各構成において、前記アレイ検出器の各受光ピクセルは、X方向の長さよりもY方向の長さが長いものであり得る。
また、上記課題を解決するため、本願発明の分光測定装置は、対象物に光を照射する光源と、光照射された対象物からの光を二つ以上の波長帯域の光に分割する分割素子と、分割素子から分岐する二以上の各測定光路上に配置された干渉光学系及びアレイ検出器と、各アレイ検出器から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算手段とを備えている。各干渉光学系は、光照射された対象物の一点からの光を二つの光に分ける分離手段と、分けられた二つの光をアレイ検出器の受光面上で干渉させる合波手段とを含んでいる。各分離手段は、二個の複屈折結晶を備え、二個の複屈折結晶の間にλ/2波長板を備えているか、又は二回目が一回目とは反対の向きで光が二回透過するよう配置された一個の複屈折結晶を備え、一個の複屈折結晶を二回透過する際に一回目の透過の後であって二回目の透過の前に光に180度の位相差を与える位相差素子を備えているかのいずれかである。そして、光源、各アレイ検出器及び各干渉光学系を含む各測定系は、測定可能な範囲を1オクターブ未満の波長幅に制限する系である。
また、上記課題を解決するため、本願発明の分光測定方法は、対象物に光を照射する照射ステップと、光照射された対象物からの光を二つ以上の波長帯域の光に分割する分割ステップと、分割された各波長帯域の光についてそれぞれアレイ検出器の受光面上で干渉させる各干渉ステップと、各アレイ検出器から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算ステップとを備えている。各干渉ステップは、各波長帯域において、光照射された対象物の一点から出た光を二つに分離するステップと、分離した光をアレイ検出器の受光面で干渉させる合波ステップとを含んでいる。各分離ステップは、二個の複屈折結晶を透過させることで光を二つに分け、光が一個目の複屈折結晶を透過した後にλ/2波長板を透過してから二個目の複屈折結晶を透過するか、又は二回目が一回目とは反対の向きになるように一個の複屈折結晶を二回透過させることで光を二つに分け、光が一個の複屈折結晶を二回透過する際に一回目の透過の後であって二回目の透過の前に光に180度の位相差を与えるかのいずれかである。そして、光源、各アレイ検出器及び各干渉光学系を含む各測定系は、測定可能な範囲を1オクターブ未満の波長幅に制限する系である。
上記各構成において、前記各アレイ検出器は、感度を有する波長幅が1オクターブ未満であり得る。
上記各構成において、前記各測定系は、前記光源から前記アレイ検出器までの光路上にフィルタを備えており、各フィルタは、1オクターブ未満の波長幅に制限して光を透過させるフィルタであり得る。
上記各構成において、前記各アレイ検出器の受光面において各受光ピクセルが並んでいる方向をX方向とし、受光面においてX方向に垂直な方向をY方向としたとき、前記各干渉光学系は、前記各分離手段が分けた二つの光を受光面においてX方向の同じ位置に到達させるようにして干渉させるとともに、対象物からの光をY方向に集光して各受光ピクセルに到達させる系であり得る。
上記各構成において、前記各アレイ検出器の受光面において各受光ピクセルが並んでいる方向をX方向とし、受光面においてX方向に垂直な方向をY方向としたとき、前記各干渉ステップは、前記各分離ステップにおいて分けた二つの光を受光面においてX方向の同じ位置に到達させるようにして干渉させるとともに、対象物からの光をY方向に集光して各受光ピクセルに到達させるステップであり得る。
上記各構成において、前記各アレイ検出器の各受光ピクセルは、X方向の長さよりもY方向の長さが長いものであり得る。
以下に説明する通り、本願の分光測定装置又は分光測定方法によれば、複屈折結晶に起因した迷光によるノイズが測定結果に含まれないようにすることができるので、分光測定の精度が高くなり、測定結果の信頼性が向上する。また、干渉縞の歪みが発生しない分離手段を採用しているので、アレイ検出器における各受光ピクセルの配列方向に垂直な方向で干渉縞を積分してSN比を高くする際にもインターフェログラムデータの劣化はなく、信頼性が低下してしまう問題は生じない。
また、二つ以上の測定系を設けて各測定系における測定可能範囲を1オクターブ未満としておくと、上記効果を得つつも広い波長範囲の測定が可能となる。
第一の実施形態の分光測定装置の概略図である。 空間的に連続した光路差の変化について示した概略図である。 通常のサバール板の概略図である。 フランコン型サバール板の概略図である。 アレイ検出器の受光面の概略図である。 複屈折結晶特有のノイズの問題についてフランコン型サバール板を例にして示した概略図である。 迷光による影響について示した概略図である。 第二の実施形態の分光測定装置の概略図である。 第三の実施形態の分光測定装置の概略図である。 第三の実施形態において採用され得る反射型ワイヤーグリッド波長板の斜視概略図である。
以下、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、第一の実施形態の分光測定装置の概略図である。図1に示す分光測定装置は、対象物Sに光を照射する光源1と、光照射された対象物Sからの光の光路上に設けられた干渉光学系3及びアレイ検出器2と、アレイ検出器2から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算手段4とを備えている。
光源1は、分光測定に必要な波長域の光を出射するものであり、例えば近赤外域で分光測定を行うのであれば、近赤外域の光を出射するものが使用される。光源1は、ハロゲンランプやLEDのようなインコヒーレント光源1の場合もあるし、半導体レーザのようなある程度のコヒーレンスを持った光源1の場合もある。
光源1からの光の照射位置に対象物Sを保持するため、この実施形態で受け板5が設けられている。この実施形態では、対象物Sの透過光を分光測定するので、受け板5は測定波長域において透明な材質となっている。
干渉光学系3は、光照射された対象物Sの一点から出た光を二つの光(光波)に分け、アレイ検出器2の受光面上で干渉させる光学系である。したがって、干渉光学系3は、分離手段と、合波手段とを備えている。分離手段としては、後述するようにフランコン型サバール板31が使用されている。また、合波手段としてはレンズ(フーリエ変換レンズ)32が使用されている。分けられた二つの光は、互い平行な光路に沿って進むので、この実施形態の干渉光学系3は、シアリング干渉光学系となっている。
この干渉光学系3は、二つの光(光波)を干渉させる際、光路差を空間的に連続して変化させながら二つの光(光波)を干渉させるものとなっている。この点について、図2を参照して説明する。図2は、空間的に連続した光路差の変化について示した概略図である。
フランコン型サバール板31は、対象物Sの一点から出た光を互いに平行な光路に沿って進む二つの光に分離する。いま、二つの光の組が三つあるとし、これらを光L11とL21,光L12とL22,光L13とL23とする。光L11とL21、光L12とL22、光L13とL23は、サバール板31からの出射角がそれぞれ等しい。但し、組と組との関係では出射角は異なっており、光軸Aから離れるほど出射角は大きい。
これらの光L11~L13,L21~L23において、各二つの光は光路差を持ってフランコン型サバール板31を出射している。光路差Δdは、サバール板31を出射した際の出射角と、フランコン型サバール板31を出射して平行に進む際の光路のずれ幅に比例する。光路のずれ幅は一定であり、出射角は光軸Aから離れるに従って大きくなるから、二つの光L11,L21の光路差をΔd、光L12,L22の光路差をΔd、光L13,L23の光路差をΔdとすると、Δd<Δd<Δdとなる。尚、この例では、L11,L21は光軸A上の進んできた光が分離された光であるので、Δd=0である。
これらの光11~L13,L21~L23は、図2に示すように、合波素子としてのフーリエ変換レンズ32によりそれぞれアレイ検出器2上の受光面の一点に結ぶ。つまり、アレイ検出器2の各ピクセル21についてみると、光軸Aに近いピクセル21ほど光路差は小さく、光軸Aから離れるに従って順次大きくなる。これは、光路差を空間的に連続して変化させていることになり、その変化する光路差の各々において光を結ばせて各ピクセル21に入射させている。各ピクセル21において結ぶ光L1,L2は対象物Sから出た一つの光を分離したものであり、したがって良好に干渉する。このため、各ピクセル21が並んでいる順に光電変換結果を出力させると、それはインターフェログラムデータということになる。
次に、フランコン型サバール板を採用する意義について説明する。図3及び図4は、サバール板について示した概略図であり、図3は通常のサバール板の概略図、図4はフランコン型サバール板の概略図である。
図3に示すように、サバール板30は、二枚の複屈折結晶311,312を組み合わせた光学素子である。各複屈折結晶311,312は、方解石や石英等の複屈折材料の結晶である。各複屈折結晶(典型的には一軸型)311,312は、入射面と出射面が平行であって光学軸に対して45度になるように切り出して各面が研磨されたものである。二枚の複屈折結晶311,312は、光学軸が互いに直交する姿勢で貼り合わされる。図3(1)において、光学軸の向きを矢印Acで示す。以下、入射側に位置する複屈折結晶311を第一の結晶とし、出射側に位置する複屈折結晶312を第二の結晶とする。
第一の結晶311の入射面に、垂直に光Lが入射する場合を考える。図3の例では、光Lは水平に進んでくるとし、第一の結晶311における主断面Pは水平であるとする。したがって、第二の結晶312の主断面P’は垂直である。
第一の結晶311に入射する光Lのうち、正常波Loは入射面をそのまま透過して直進するが、異常波Leはφだけずれた方向に進む。これらの光波Lo,Leは、次に第二の結晶312に入射するが、第二の結晶312は第一の結晶311に対して光学軸が90度回転しているので、正常波Loは第二の結晶312に対しては異常波となり、異常波Leは正常波となる。このため、図3(1)に破線で示すように各光波Lo,Leは進み、第二の結晶312から出射する。この際、サバール板30では、二枚の複屈折結晶311,312における角度φは等しいため、出射する二つの光L1,L2の光路は平行で横ずれしたような状態となる。このため、図2に示すように、干渉光学系3としてシアリング干渉系が構成され、アレイ検出器2の受光面上で二つの光L1,L2が干渉する。
このようなサバール板30は、非特許文献1で説明されているように、斜めから光を入射させた場合には干渉縞が扇状に歪むことが知られている。図3(2)に、この干渉縞の歪みを模式的に示す。干渉縞が歪む原因は、位相差がゼロになる位置が光軸から離れるに従って少しずつずれてくるからであり、サバール板30における非点収差とも呼び得るものである。
このような干渉縞の扇状の歪みは、光軸付近の干渉信号のみをインターフェログラムデータとする場合にはそれほど問題にはならない。この場合の光軸付近とは、受光ピクセル21の配列方向に対して直交する方向において光軸の近傍ということである。受光ピクセル21の配列方向は、フーリエ変換レンズ32が結像作用を為している方向であり、以下、X方向とする。また、受光面においてこれと直交する方向をY方向とする。
SN比を高くするには、干渉縞がもたらす光の強弱を漏れなく光電変換データに取り入れることが重要になる。このためには、図3(2)に破線で示すように、各受光ピクセルについてY方向の長さを長くしたアレイ検出器2’を採用し、干渉縞の強弱を漏れなく取り込むようにすることが考えられる。また、Y方向に光を集光し、干渉縞のコントラストを高くして各受光ピクセル21に光が入射するようにすることが考えられる。これらの両方を行うことも考えられる。以下、このようにY方向で干渉縞の取り込み量を多くすることを「Y方向で積分する」と表現する。
しかしながら、図3(1)に示すように干渉縞が扇状に歪んでいる場合、Y方向での積分を行うと、一つの受光ピクセル21において干渉縞の強弱を打ち消し合う結果となってしまい易い。干渉縞の打ち消しが生じると、出力される干渉信号が、光路差の大きい視野端の領域ほど振幅が小さく観測されてしまい、分光測定時の波数分解能が劣化する。
実施形態の分光測定装置は、このような点を考慮し、フランコン型サバール板31を分離手段として採用している。図4は、フランコン型サバール板について示した概略図である。
図4(1)に示すように、フランコン型サバール板31では、二枚の複屈折結晶311,312の間にλ/2波長板313を挿入した構造を有する。フランコン型サバール板31においても、二枚の複屈折結晶311,312は、入射面及び出射面が平行であり、それら面が光学軸に対して45度になるように切り出されている。そして、フランコン型サバール板31では、第一の結晶311の光学軸に対して第二の結晶312の光学軸が180度回転した状態となるように両者が配置されている。
180度に回転させてしまうと、正常波、異常波の関係が第二の結晶312でも同様になってしまって光が分離しなくなってしまうので、λ/2波長板313を間に挿入する。λ/2波長板313があると、第一の結晶311で正常波であった直線偏光光Loは方位角が90度回転して第二の結晶312では異常波となり、第一の結晶311で異常波Leであった直線偏光光は90度回転して第二の結晶312では正常波となる。そして、同様に二つの複屈折結晶311,312おいて角度φは同じであるため、二つの光は平行に光路がずれた状態で出射する。
上記フランコン型サバール板31では、第二の結晶312は第一の結晶311に対して光学軸が180度回転した状態となっているので、位相差のずれ方がちょうど逆の関係になる。このため、通常のサバール板で生じていた干渉縞の扇状の歪みは解消される。この様子が、図4(2)に模式的に示されている。干渉縞の歪みが生じないため、Y方向に長いアレイ検出器2’を使用しても、インターフェログラムデータに劣化はない。
実施形態の分光測定装置は、上記の点を考慮し、分離手段としてフランコン型サバール板31を採用している。そして、フランコン型サバール板31を使用して歪みのない干渉縞の形成をしているため、実施形態の分光測定装置は、干渉縞をY方向で積分する構成を採用している。これには二つの構成が含まれている。一つは、集光レンズ33を配置している点である。集光レンズ33はY方向で集光して干渉縞のコントラストを高くするものである。
もう一つの構成として、アレイ検出器2の各受光ピクセル21の形状を最適化している。図5は、アレイ検出器2の受光面の概略図である。
図5に示すように、この実施形態では、アレイ検出器2には、長方形の受光ピクセル21を多数配列したものが採用されている。長方形の各受光ピクセル21は、配列方向(X方向)の長さに比べてそれと直交する方向(Y方向)の長さの方が長い。これは、干渉縞のY方向における積分量を多くしてSN比を高くするためである。このようなアレイ検出器2としては、例えば、浜松ホトニクス株式会社製のInGaAsリニアイメージセンサG14237-512WA等を使用することができる。
演算手段4としては、この実施形態では汎用PCが使用されている。アレイ検出器2と演算手段4の間にはAD変換器6が設けられており、アレイ検出器2の出力はAD変換器6を介して演算手段4に入力される。
演算手段4は、プロセッサ41や記憶部(ハードディスク、メモリ等)42を備えている。記憶部42には、アレイ検出器2からのインターフェログラムデータを処理して測定結果を得るスペクトル算出プログラム43が記憶されている。また、記憶部42には、基準スペクトルデータを記録したファイル44が記憶されている。基準スペクトルデータは、対象物Sを配置しない状態で予め測定したスペクトルデータであり、吸収スペクトル等の算出の際に参照される。
実施形態の分光測定装置は、上述したように高SN比化という目的のため、フランコン型サバール板31の採用している。フランコン型サバール板は、高SN比化という点では顕著な効果があるが、発明者の研究によると、複屈折結晶特有のノイズの問題が顕在化することが判ってきた。以下、この点について図6を参照して説明する。図6は、複屈折結晶特有のノイズの問題についてフランコン型サバール板を例にして示した概略図である。
上記のように、サバール板では、最初の複屈折結晶311で正常波Loと異常波Leに分離した光波が次の複屈折結晶312では関係が逆になり、異常波と正常波になるという現象を利用している。上記説明から解るように、光学軸のずれ(90度異なる関係からのずれ)が生じると、サバール板が正常に動作しない。光学軸のずれは、結晶を切り出すときのずれや二つの結晶を貼り合わせるときのずれ等によって生じ得る。
特に、フランコン型サバール板の場合、間にλ/2波長板313を挿入しているので、製造上のばらつきに起因する光学軸のずれが生じ易い。通常のサバール板の場合、一個の結晶を中央で切断して互いに向きを逆にして貼り合わせれば良いので、比較的製造上のばらつきに起因する光学軸のずれは少ない。即ち、入射面及び出射面が光学軸に対して45度になるようにまず一個の結晶を切り出し、その結晶を入射面及び出射面に対して平行な面で二個に分断する。最初の一個の結晶の厚さを、必要な複屈折結晶の厚さのちょうど2倍としておき、正確に中央で切断して研磨、貼り合わせを行えば、光学軸のずれの発生要因は貼り合わせの際の精度のみであるので、比較的ずれは少ない。
しかしながら、フランコン型サバール板の場合、間にλ/2波長板を挿入しているので、λ/2波長板を要因とする光学軸のずれが発生し易い。即ち、λ/2波長板は、複屈折結晶とは異なる材料で形成されている場合が多く、光学軸の軸合わせは容易ではない。λ/2波長板は、直線偏光光の方位角を90度変えるものであるが、光学軸がずれて挿入されていると方位角もずれた状態となる。この場合、第一の結晶311で正常波Loであった光の方位角が正確に90度変位していないと、第二の結晶312では異常波Loにならず、通常の屈折をしてしまう。
上記のように複屈折結晶において予定されている屈折を行わない光を、以下、迷光と総称する。迷光は、λ/2波長板313が正しい姿勢で挿入されていても、その性能上の限界から生じることもある。例えば、実施形態ではフランコン型サバール板31を分光測定に利用しているので、λ/2波長板313は、ある波長範囲において動作する(180度の位相差を生じさせる)ものであることが必要である。このような波長板は、アクロマティック波長板等として市販されているものもあるが、全ての波長においてきっちり180度の位相差を生じさせるものではない。また、一般にこれらの波長板は0度の入射角で使用するように設計されているため、光学軸と平行でない光については、位相差が180度からずれる。したがって、僅かではあるが、方位角が正しく90度変位していない直線偏光光が発生してしまう。上記説明から解る通り、この光は迷光であり、第二の結晶において予定されていた屈折が生じない。
尚、上記のような迷光は、通常のサバール板の場合でも生じ得る。例えば、二つの複屈折結晶が正しく90度回転した姿勢でなかったり、各複屈折結晶の入射面や出射面が光学軸に対して正しく45度でなかったりした場合に生じ得る。ただし、通常のサバール板の場合は上述の通り、光学軸のずれの発生要因は貼り合わせの際の精度のみとなるので、生じる迷光は僅かである。
発明者の研究によると、このような迷光は、マルチチャンネル型のフーリエ分光計特有のノイズを発生させる。即ち、λ/2波長板313において方位角の変位が正しく行われないと、上記のように、第一の結晶311で正常波Loであった光は、第二の結晶312では異常波Loにならず、通常の屈折、即ち正常光としての屈折をしてしまう。この光L3は、図6に二点破線で示すように、第一の光L1の光路と第二の光L2の光路とのちょうど中間の光路を進む。
図6に示すこの迷光L3の光路も、第一の光L1の光路や第二の光L2の光路と平行であるので、迷光L3は、フーリエ変換レンズ32によって受光面上で第一の光L1と結んだり第二の光L2と結んだりして干渉する。このため、受光面で形成されるインターフェログラムには、複屈折結晶311,312において予定されていた屈折をして形成される干渉縞の他、迷光L3による干渉縞が含まれることになる。この場合に問題なのは、迷光L3による干渉縞は光路のずれ幅dが異なるため、本来含まれていなかった波長成分をスペクトルの算出において産み出してしまうこと、即ちノイズを発生させてしまうことである。
より具体的に説明すると、シアリング干渉系では、形成される干渉縞の周期は、分離された二つの光の光路のずれ幅dに反比例する。非特許文献1に開示されているように、無限遠点を仮定すると、干渉縞の角度で表した縞間隔Tは、光の波長λ、光路ずれ幅dに対して、T=λ/dとなる。したがって、波長が短くなれば縞周期も短くなり、波長が長くなれば縞周期も長くなる。光路ずれ幅dは、サバール板30,31における正常波Loと異常波Leの成す角φ及び各複屈折材料311,312の厚さで決まる。光路ずれ幅dは設計値として予め定められた定数であり、測定結果を得る際には定数dを組み込んでフーリエ変換を行ってスペクトルを算出する。
この場合、上記のように迷光L3が発生すると、第一の光L1と迷光L3の光路のずれ幅はd/2であり、第二の光L2と迷光L2の光路のずれ幅もd/2である。そして、第一の光L1と迷光L3が干渉したり、第二の光L2と迷光L3が干渉したりした場合、形成される干渉縞の間隔は、第一第二の光L1,L2による干渉縞の間隔の倍となる。この迷光L3との干渉縞は、アレイ検出器2から出力されるインターフェログラムデータに含まれることになるが、インターフェログラムデータの処理の際には、光路のずれ幅はdであるとして計算を行う。つまり、実際にはd/2であるために縞間隔が2Tになっている干渉縞に対してdを適用してフーリエ変換を行うこととなる。こうなると、フーリエ変換の結果には実際には存在しない2λの光が含まれることになってしまう。これが、迷光によるノイズ発生のメカニズムである。
実施形態の分光測定装置は、複屈折結晶を使用した場合のこのような課題を解決するものとなっている。
上記課題を解決する構成として、実施形態の分光測定装置は、測定可能な波長幅を1オクターブ未満に制限する構成を採用する。この構成によって、迷光によるノイズが測定結果に含まれることがない。
上記解決手段の一つの例として、検出系の構成として迷光が測定結果に含まれないようにする機能を持たせることが考えられる。具体的には、検出系に含まれるアレイ検出器2について、感度を有する波長域が1オクターブ未満のものを採用する。
図7は、迷光による影響について示した概略図である。アレイ検出器2は、例えば850~1450nmの範囲にのみ実質的に感度を有しているとする。したがって、この波長域の範囲内でしか原理的に分光測定を行うことができない。
この場合、上記のように、迷光の影響で1オクターブ長い波長がスペクトル算出結果に含まれ得る。例えば、対象物Sから1050nm付近の光が出射しており、それが迷光となって干渉縞を形成すると、図7に示すように、算出結果には2100nm付近の波長が出現する。しかしながら、アレイ検出器2は2100nmに感度を持たないので、あり得ない結果である。したがって、2100nm付近の波長の光は迷光によるものであると判断でき、測定結果に含まれないようにすることができる。つまり、上記の例では、アレイ検出器2が感度を持たない1450nm超については、値が算出されたとしても測定結果から除外してしまうのである。
測定可能な波長幅を1オクターブ未満に制限するという構成は、上記の他、フィルタによっても実現できる。即ち、光源1からアレイ検出器2に至る光路上のいずれかの位置に、1オクターブ未満の波長幅の範囲に制限して透過させるバンドパスフィルタを配置する。例えば、図1に示すように、光源1と対象物Sとの間に、1オクターブ未満の波長域を透過させるバンドパスフィルタ7を配置する。フィルタの透過波長域は既知であるので、それを測定可能波長範囲とする。
さらに、測定可能な波長幅を1オクターブ未満に制限する構成は、光源の特性によっても実現できる。即ち、既知の1オクターブ未満の波長幅の光を出射するものを光源1として採用することによっても実現できる。
尚、対象物Sが蛍光物質である場合、発生する蛍光を分光測定する場合もあり得る。この場合は、想定される蛍光の波長を含む1オクターブ未満の波長幅の範囲を測定可能波長とする。蛍光の波長を含む1オクターブ未満の波長幅の範囲を透過させるバンドパスフィルタを対象物Sの出射側に設けるか、蛍光の波長を含む1オクターブ未満の感度域を有するアレイ検出器を用いる。これら測定波長範囲は、光源1から出射される光の波長範囲をカバーしていなくても良い。
上記構成に係る実施形態の分光測定装置の動作について説明する。以下の説明は、分光測定方法の実施形態の説明でもある。
実施形態の分光測定装置は、対象物Sの分光分析のために使用される装置であり、測定に先立って対象物Sが受け板5に載置される。光源1からの光が照射光学系により対象物Sに照射される。光の一部は対象物Sを透過し、干渉光学系3に達する。
干渉光学系3内の分離手段(フランコン型サバール板21)は、光を二つの光に分離し、互いに平行な光路に沿って進ませる。これらの光は、合波手段としてのフーリエ変換レンズ31によりアレイ検出器2の受光面上で結ぶ。これらの光は、元は一つの光であるので、受光面上で良好に干渉し、インターフェログラムを形成する。
この結果、アレイ検出器2からはインターフェログラムデータが出力され、AD変換器6を介して演算手段4に入力される。演算手段4では、スペクトル算出プログラム43が実行され、スペクトルが算出される。算出されたスペクトルは、記憶部42に記憶されている基準スペクトルデータと比較され、吸収スペクトルが算出される。吸収スペクトルは、測定結果としてディスプレイへの表示等が行われる。
実施形態の分光測定装置、分光測定方法によれば、複屈折結晶に起因した迷光によるノイズが測定結果に含まれないので、分光測定の精度が高くなり、測定結果の信頼性が向上する。また、干渉縞をY方向で積分しているので、SN比が高くなり、この点でも分光測定の精度が高くなる。この際、フランコン型サバール板31を使用しているので、Y方向に積分する際の干渉縞の歪みは発生せず、かえって信頼性が低下してしまう問題はない。
次に、第二の実施形態の分光測定装置、分光測定方法について説明する。
図8は、第二の実施形態の分光測定装置の概略図である。第二の実施形態の分光測定装置も、マルチチャンネル型のフーリエ変換分光計となっており、複屈折材料を使用して光を二つに分けるシアリング干渉系を干渉光学系3として採用している。そして、第二の実施形態においても、迷光の影響が測定結果に含まれない構成を採用しているが、第二の実施形態では、測定可能な波長幅が1オクターブ未満である測定系を複数設けることでこれを達成している。
具体的に説明すると、図8に示すように、第二の実施形態では、対象物Sの出射側の光路上に帯域分割素子が設けられている。帯域分割素子としては、この実施形態では、ダイクロイックミラー8が使用されている。ダイクロイックミラー8の出射側の光路81,82を、以下、第一の測定光路、第二の測定光路と呼ぶ。
図8に示すように、第二の実施形態の分光測定装置は、第一の測定光路81上に設けられた第一の測定系9aと、第二の測定光路82上に設けられた第二の測定系9bとを含んでいる。各測定系9a,9bの構成は、第一の実施形態におけるものと同様である。第一の測定系9aは、第一の干渉光学系3aを有しており、第一の分離手段としてのフランコン型サバール板31a、第一の合波手段としてのフーリエ変換レンズ32a、第一のアレイ検出器2a等を含んでいる。第二の測定系9bも、第二の干渉光学系3bを有しており、第二の分離手段としてのフランコン型サバール板31b、第二の合波手段としてのフーリエ変換レンズ32b、第二のアレイ検出器2b等を含んでいる。この他、偏光子34a,34bや検光子35a,35b、集光レンズ33a,33b等も同様にそれぞれの測定系9a,9bに設けられている。
ダイクロイックミラー8は、各測定系9a,9bにおいて測定可能な波長幅が1オクターブ未満となるように分割波長が適宜選定される。例えば、装置全体として800nm~2000nmの波長域を測定する場合、第一の測定系9aの測定可能範囲を800nm~1200nmに制限し、第二の測定系9bの測定可能範囲を1200nm~2000nmに制限するものとされる。この場合、ダイクロイックミラー8の分割波長は、1200nmとなる。
そして、図8に示すように、ダイクロイックミラー8と第一のフランコン型サバール板31aの間には、第一の測定系9aにおける測定波長域未満(上記の例では800nm未満)の波長の光をカットする第一のフィルタ7aが設けられる。また、ダイクロイックミラー8と第二のフランコン型サバール板31bの間には、第二の測定系9bにおける測定波長域超(上記の例では2000nm超)の波長の光をカットする第二のフィルタ7bが設けられる。尚、第一のアレイ検出器2aは、800nm~1200nmの範囲を感度域として含んでおり、第二のアレイ検出器2bは1200nm~2000nmの範囲を感度域として含んでいる。
演算手段上のスペクトル算出プログラム43は、各アレイ検出器2から出力されるインターフェログラムデータを処理してそれぞれスペクトルを算出し、それらをつなぎ合わせて全体としての測定結果とする。
第二の実施形態では、対象物Sからの光は、ダイクロイックミラー8により二つの波長帯域の光に分割され、それぞれの測定系9a,9bにおいてインターフェログラムが取得される。そして各アレイ検出器2a,2bから出力されるインターフェログラムデータが処理されて波長帯域ごとにスペクトルが算出され、二つの波長帯域のスペクトルがつなげられて全体としての測定結果とされる。
上記説明から解るように、第二の実施形態では、1オクターブ未満の測定系9a,9bを二つ設けることで全体として1オクターブを越える波長幅での分光測定を実現している。このため、広い波長幅で分光測定を行う必要がある場合、好適な構成となっている。
上記の例では二つであったが、1オクターブ未満の測定系を三つ以上設けてさらに広い波長幅について分光測定するようにすることも可能である。
尚、上記の例では帯域分割素子としてダイクロイックミラー8を使用したが、回折格子のような分散素子を使用し、帯域ごとに光を取り出す構成であっても良い。
次に、第三の実施形態の分光測定装置、分光測定方法について説明する。
図9は、第三の実施形態の分光測定装置の概略図である。第三の実施形態の装置は、干渉光学系3の構成が第一の実施形態と異なっている。第三の実施形態においても、干渉光学系3は、シアリング干渉光学系となっており、分離手段310と合波手段とを含んでいる。この実施形態では、分離手段310は、光が2回透過するように配置された1個の複屈折結晶311を備えている。
具体的には、第三の実施形態における干渉光学系3は、対象物Sからの光が入射する位置に配置された複屈折結晶311と、複屈折結晶311を透過した光を反射させて複屈折結晶311をもう一度透過させるミラー314と、複屈折結晶311とミラー314との間に配置されたλ/4波長板315とを備えている。
複屈折結晶311は、サバール板30,31が備えるものと同様、入射面及び出射面が互いに平行であって光学軸に対して45度になるように切り出された結晶である。ミラー314は光軸に対して垂直である。
また、対象物Sと複屈折結晶311との間には、偏光ビームスプリッタ37が配置されている。偏光ビームスプリッタ37は、第一の実施形態における偏光子34としての機能及び検光子35として機能を兼ねている。
偏光ビームスプリッタ37の出射側には、フーリエ変換レンズ32が配置されている。フーリエ変換レンズ32は、同様に、平行にずれた光路に沿って進む二つの光をアレイ検出器2の受光面で結ばせて干渉させるレンズである。
さらに、偏光ビームスプリッタ37とフーリエ変換レンズ32との間には、集光レンズ33が配置されている。集光レンズ33は、同様に、光をY方向で集光してSN比を高めるためのレンズである。
このような第三の実施形態の分光測定装置では、対象物Sから出た光は、偏光ビームスプリッタ37で分割され、複屈折結晶311に適した方向の直線偏光光が複屈折結晶311に達する。この光は、複屈折結晶311において正常波Loと異常波Leに分離される。
正常波Loは、通常の屈折をして複屈折結晶311を透過し、出射面から出射する。異常波Leは、これに対してφの角度で屈折をして出射面が出射する。この結果、二つの光(光波)に分離する。これらの光は、λ/4波長板315により円偏光となった後、ミラー314で反射する。そして、もう一度λ/4波長板315を透過する。この際、二つの光再び直線偏光光になるが、最初に複屈折結晶311を出射した際とは90度回転した向きの直線偏光光となっている。このため、複屈折結晶311に達して入射する際、最初の透過の際に正常波だった光は異常波となり、異常波だった光は正常波となる。したがって、複屈折結晶311を最初に透過した際とは対称的な屈折をして出射する。この結果、図6に示すように、出射した光はさらにずれた二つの平行な光路に沿って進む。
二つの光は、偏光ビームスプリッタ37の分割面に達する。そして、この分割面は、第一の実施形態における検光子35と同様に作用し、揃った偏光方向の光が反射して集光レンズ33に達する。そして、集光レンズ33によりY方向に集光されながら、フーリエ変換レンズ32によってアレイ検出器2の受光面で結び、干渉する。その後、インターフェログラムデータがアレイ検出器2から出力され、演算手段4によりスペクトルが算出される。
第三の実施形態においても、測定可能な波長幅を1オクターブ未満に制限する構成が採用されている。即ち、アレイ検出器2における感度域が1オクターブ未満であるか、又は図8に示すように対象物Sと分離手段310との間にフィルタ7が配置される。フィルタ7は、1オクターブ未満の波長幅の光を透過させるバンドパスフィルタとされる。もしくは、光源1が1オクターブ未満の波長幅の光を出射するものとされる。このため、迷光による誤った波長での測定値を含まない状態で測定結果が得られることになり、測定結果の信頼性が向上する。
第三の実施形態の分光測定装置によれば、複屈折結晶は1個で足りるので、第一の実施形態に比べると安価に製作できる。但し、偏光ビームスプリッタ37の部分での損失があるので、効率の点では第一の実施形態の方が優れている。
第三の実施形態において、偏光ビームスプリッタ37ではなく無偏光ビームスプリッタ又はハーフミラーを使用して光の取り出しをすることも可能である。この場合には、無偏光ビームスプリッタ又はハーフミラーと複屈折結晶311との間に偏光素子を設ける。この偏光素子は、往路において(無偏光ビームスプリッタ又はハーフミラーから複屈折結晶311に光が進む際に)は偏光子として作用し、復路において(複屈折結晶311から無偏光ビームスプリッタ又はハーフミラーに光が進む際に)は検光子として作用する。
また、第三の実施形態において、λ/4波長板315とミラー314とを一つの光学素子で実現することも可能である。具体的には、背面(複屈折結晶311とは反対側の面)を反射面としたλ/4波長板を使用することができる。この構成では、λ/4波長板とミラーとが一個の素子で実現できるので、構造がシンプルになる。また、λ/4波長板315に対するミラー314の調整が不要になるので、この点で光学系全体の調整が簡略化される。
また、第三の実施形態において、λ/4波長板315とミラー314とを一つの光学素子で実現する構成として、反射型ワイヤーグリッド波長板を採用しても良い。以下、この構成について、図10を参照して説明する。図10は、第三の実施形態において採用され得る反射型ワイヤーグリッド波長板の斜視概略図である。
図10に示すように、反射型ワイヤーグリッド波長板は、誘電体より成る基板316上に微細構造としてワイヤーグリッド317が形成された構造を有する。ワイヤーグリッド317は、いわゆるラインアンドスペース構造であり、金属製の直線状部318と、各直線状部の間のスペースより成る。各直線状部318の幅、各スペースの幅は、光の波長以下とされる。
反射型ワイヤーグリッド波長板は、p波(入射面内で電場が振動する光)は各線状部318の上面で反射するのに対し、s波(入射面に垂直な面内で電場が振動する光)は、各スペースを透過して基板316の露出面(誘電体面)の部分で反射することを利用としている。尚、反射型ワイヤーグリッド波長板は、光の入射面に沿った方向に各線状部318が向くよう配置される。各線状部318の高さhを光の波長に対して適宜に選定すると、p波に対してs波の位相を180度遅らせることができる。このため、λ/4波長板315とミラー314に代えて反射型ワイヤーグリッド波長板を配置することで、同様に光の分離を行うことができる。
反射型ワイヤーグリッド波長板を用いる場合にも、一個の素子で実現できるので、構造がシンプルになり、且つ調整も容易となる。反射型ワイヤーグリッド波長板については、例えば非特許文献2に開示されており、参考にすることができる。
尚、第三の実施形態において第二の実施形態のように帯域分割素子を設け、1オクターブ未満の複数の測定系で分けて測定するようにすることも可能である。
上記各実施形態において、分離手段の出射側に配置されている集光レンズ33,33a,33bとフーリエ変換レンズ32,32a,32bは、一つのレンズで兼用することも可能である。この場合は、フーリエ変換作用を為す面(受光面で結ぶことで干渉する二つの光が進む面)内における投影作用と、この面に対して垂直な方向(Y方向)での集光作用とを行うことになるから、このレンズはいわゆる二軸のレンズ(トロイダルレンズ等)となる。この構成では、構造的にシンプルになり、また部品点数が少なくなるから、コストも安価となる。但し、フーリエ変換作用とY方向の集光作用とを別々に最適化することができるので、光学設計の自由度が増すという点で別々のレンズの方が有利である。
尚、上記実施形態では、対象物Sの透過光のインターフェログラムを取得してスペクトルを算出する例を説明したが、反射光や散乱光等のインターフェログラムを取得してスペクトルを算出する場合もある。
したがって、対象物Sからの光は、光照射された対象物からの透過光、反射光、産卵工などであり得る。
また、基準スペクトルデータについては予め測定しておくと説明したが、リアルタイムで基準スペクトルデータを取得する場合もあり得る。この場合は、光源1からの光を二つに分け、一方を対象物Sに照射し、他方を対象物Sを経由せずに受光器で受光して基準スペクトルデータとする。
1 光源
2 アレイ検出器
21 受光ピクセル
3 干渉光学系
31 フランコン型サバール板
311 複屈折結晶
312 複屈折結晶
313 λ/2波長板
314 ミラー
315 λ/4波長板
32 フーリエ変換レンズ
33 集光レンズ
34 偏光子
35 検光子
37 偏光ビームスプリッタ
4 演算手段
43 スペクトル算出プログラム
5 受け板
6 AD変換器
7 フィルタ
8 ダイクロイックミラー
81 第一の測定光路
82 第二の測定光路
9a 第一の測定系
9b 第二の測定系
7a フィルタ
7b フィルタ
S 対象物

Claims (23)

  1. 光源からの光が照射された対象物からの光の光路上に設けられた干渉光学系及びアレイ検出器と、アレイ検出器から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算手段とを備え、干渉光学系は、光照射された対象物の一点からの光を二つの光に分ける分離手段と、分けられた二つの光をアレイ検出器の受光面上で干渉させる合波手段とを含んでおり、分離手段として、二個の複屈折結晶を備えているか又は二回目が一回目とは反対の向きで光が二回透過するよう配置された一個の複屈折結晶を備えているかのいずれかであるとともに、二個の複屈折結晶の間にλ/2波長板を備えているか又は一個の複屈折結晶を二回透過する際に一回目の透過の後であって二回目の透過の前に光に180度の位相差を与える位相差素子を備えているかのいずれかであるフランコン型サバール板を使用した分光測定装置において、フランコン型サバール板に起因した特有ノイズの影響が測定結果に含まれないようにする方法であって、
    光源、アレイ検出器及び干渉光学系を含む測定系の測定可能な範囲を1オクターブ未満の波長幅に制限することを特徴とする、フランコン型サバール板を使用した分光測定装置における特有ノイズの防止方法。
  2. 対象物に光を照射する光源と、
    光照射された対象物からの光の光路上に設けられた干渉光学系及びアレイ検出器と、
    アレイ検出器から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算手段とを備えており、
    干渉光学系は、光照射された対象物の一点からの光を二つの光に分ける分離手段と、分けられた二つの光をアレイ検出器の受光面上で干渉させる合波手段とを含んでおり、
    分離手段は、二個の複屈折結晶を備えているか、又は二回目が一回目とは反対の向きで光が二回透過するよう配置された一個の複屈折結晶を備えているかのいずれかであり、
    分離手段は、二個の複屈折結晶の間にλ/2波長板を備えているか、又は一個の複屈折結晶を二回透過する際に一回目の透過の後であって二回目の透過の前に光に180度の位相差を与える位相差素子を備えているかのいずれかであり、
    光源、アレイ検出器及び干渉光学系を含む測定系は、測定可能な範囲を1オクターブ未満の波長幅に制限する系であることを特徴とする分光測定装置。
  3. 前記アレイ検出器は、感度を有する波長幅が1オクターブ未満であることを特徴とする請求項記載の分光測定装置。
  4. 前記測定系は、前記光源から前記アレイ検出器までの光路上にフィルタを備えており、このフィルタは、1オクターブ未満の波長幅に制限して光を透過させるフィルタであることを特徴とする請求項記載の分光測定装置。
  5. 前記光源は、1オクターブ未満の波長幅に制限された光を出射する光源であることを特徴とする請求項記載の分光測定装置。
  6. 対象物に光を照射する光源と、
    光照射された対象物からの光を二つ以上の波長帯域の光に分割する分割素子と、
    分割素子から分岐する二以上の各測定光路上に配置された干渉光学系及びアレイ検出器と、
    各アレイ検出器から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算手段と
    を備えており、
    各干渉光学系は、光照射された対象物の一点からの光を二つの光に分ける分離手段と、分けられた二つの光をアレイ検出器の受光面上で干渉させる合波手段とを含んでおり、
    各分離手段は、二個の複屈折結晶を備えているか、又は二回目が一回目とは反対の向きで光が二回透過するよう配置された一個の複屈折結晶を備えているかのいずれかであり、
    各分離手段は、二個の複屈折結晶の間にλ/2波長板を備えているか、又は一個の複屈折結晶を二回透過する際に一回目の透過の後であって二回目の透過の前に光に180度の位相差を与える位相差素子を備えているかのいずれかであり、
    光源、各アレイ検出器及び各干渉光学系を含む各測定系は、測定可能な範囲を1オクターブ未満の波長幅に制限する系であることを特徴とする分光測定装置。
  7. 前記各アレイ検出器は、感度を有する波長幅が1オクターブ未満であることを特徴とする請求項記載の分光測定装置。
  8. 前記各測定系は、前記光源から前記各アレイ検出器までの光路上にフィルタを備えており、各フィルタは、1オクターブ未満の波長幅に制限して光を透過させるフィルタであることを特徴とする請求項記載の分光測定装置。
  9. 対象物に光を照射する照射ステップと、
    光照射された対象物からの光をアレイ検出器の受光面で干渉させる干渉ステップと、
    アレイ検出器から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算ステップと
    を備えており、
    干渉ステップは、光照射された対象物の一点から出た光を二つに分離するステップと、分離した光をアレイ検出器の受光面で干渉させる合波ステップとを含んでおり、
    分離ステップは、二個の複屈折結晶を透過させることで光を二つに分けるか、又は二回目が一回目とは反対の向きになるように一個の複屈折結晶を二回透過させることで光を二つに分けるかのいずれかのステップであり、
    分離ステップは、光が一個目の複屈折結晶を透過した後にλ/2波長板を透過してから二個目の複屈折結晶を透過するか、又は光が一個の複屈折結晶を二回透過する際に一回目の透過の後であって二回目の透過の前に光に180度の位相差を与えるかのいずれかのステップであり、
    光源、アレイ検出器及び干渉光学系を含む測定系は、測定可能な範囲を1オクターブ未満の波長幅に制限する系であることを特徴とする分光測定方法。
  10. 前記アレイ検出器は、感度を有する波長幅が1オクターブ未満であることを特徴とする請求項記載の分光測定方法。
  11. 前記測定系は、前記光源から前記アレイ検出器までの光路上にフィルタを備えており、このフィルタは、1オクターブ未満の波長幅に制限して光を透過させるフィルタであることを特徴とする請求項記載の分光測定方法。
  12. 前記光源は、1オクターブ未満の波長幅に制限された光を出射する光源であることを特徴とする請求項記載の分光測定方法。
  13. 対象物に光を照射する照射ステップと、
    光照射された対象物からの光を二つ以上の波長帯域の光に分割する分割ステップと、
    分割された各波長帯域の光についてそれぞれアレイ検出器の受光面上で干渉させる各干渉ステップと、
    各アレイ検出器から出力されるインターフェログラムデータを処理してスペクトルを算出する演算ステップと
    を備えており、
    各干渉ステップは、各波長帯域において、光照射された対象物の一点から出た光を二つに分離するステップと、分離した光をアレイ検出器の受光面で干渉させる合波ステップとを含んでおり、
    各分離ステップは、二個の複屈折結晶を透過させることで光を二つに分けるか、又は二回目が一回目とは反対の向きになるように一個の複屈折結晶を二回透過させることで光を二つに分けるかのいずれかのステップであり、
    各分離ステップは、光が一個目の複屈折結晶を透過した後にλ/2波長板を透過してから二個目の複屈折結晶を透過するか、又は光が一個の複屈折結晶を二回透過する際に一回目の透過の後であって二回目の透過の前に光に180度の位相差を与えるかのいずれかのステップであり、
    光源、各アレイ検出器及び各干渉光学系を含む各測定系は、測定可能な範囲を1オクターブ未満の波長幅に制限する系であることを特徴とする分光測定方法。
  14. 前記各アレイ検出器は、感度を有する波長幅が1オクターブ未満であることを特徴とする請求項13記載の分光測定方法。
  15. 前記各測定系は、前記光源から前記アレイ検出器までの光路上にフィルタを備えており、各フィルタは、1オクターブ未満の波長幅に制限して光を透過させるフィルタであることを特徴とする請求項13記載の分光測定方法。
  16. 前記アレイ検出器の受光面において各受光ピクセルが並んでいる方向をX方向とし、受光面においてX方向に垂直な方向をY方向としたとき、前記干渉光学系は、前記分離手段が分けた二つの光を受光面においてX方向の同じ位置に到達させるようにして干渉させるとともに、対象物からの光をY方向に集光して各受光ピクセルに到達させる系であることを特徴とする請求項2乃至5いずれかに記載の分光測定装置。
  17. 前記アレイ検出器の各受光ピクセルは、X方向の長さよりもY方向の長さが長いものであることを特徴とする請求項16記載の分光測定装置。
  18. 前記各アレイ検出器の受光面において各受光ピクセルが並んでいる方向をX方向とし、受光面においてX方向に垂直な方向をY方向としたとき、前記各干渉光学系は、前記各分離手段が分けた二つの光を受光面においてX方向の同じ位置に到達させるようにして干渉させるとともに、対象物からの光をY方向に集光して各受光ピクセルに到達させる系であることを特徴とする請求項6乃至8いずれかに記載の分光測定装置。
  19. 前記各アレイ検出器の各受光ピクセルは、X方向の長さよりもY方向の長さが長いものであることを特徴とする請求項18記載の分光測定装置。
  20. 前記アレイ検出器の受光面において各受光ピクセルが並んでいる方向をX方向とし、受光面においてX方向に垂直な方向をY方向としたとき、前記干渉ステップは、前記分離ステップにおいて分けた二つの光を受光面においてX方向の同じ位置に到達させるようにして干渉させるとともに、対象物からの光をY方向に集光して各受光ピクセルに到達させるステップであることを特徴とする請求項9乃至12いずれかに記載の分光測定方法。
  21. 前記アレイ検出器の各受光ピクセルは、X方向の長さよりもY方向の長さが長いものであることを特徴とする請求項20記載の分光測定方法。
  22. 前記各アレイ検出器の受光面において各受光ピクセルが並んでいる方向をX方向とし、受光面においてX方向に垂直な方向をY方向としたとき、前記各干渉ステップは、前記各分離ステップにおいて分けた二つの光を受光面においてX方向の同じ位置に到達させるようにして干渉させるとともに、対象物からの光をY方向に集光して各受光ピクセルに到達させるステップであることを特徴とする請求項13乃至15いずれかに記載の分光測定方法。
  23. 前記各アレイ検出器の各受光ピクセルは、X方向の長さよりもY方向の長さが長いものであることを特徴とする請求項22記載の分光測定方法。
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