JP2006307888A - 継手装置 - Google Patents

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【課題】 外力に対して強い継手装置を提供する。
【解決手段】 第一部材10と第二部材11の間において、第一部材10と第二部材11を回動可能なアンロック状態と回動不能なロック状態とに切換え可能に連結する継手装置1であって、筒状の筒部材2と、筒部材2の筒孔2aに挿入されるガイド部材3と、筒部材2とガイド部材3とを相対的に軸周り回動可能な状態と回動不能な状態とに切換えるロック機構4を有する。筒部材2は、外周部に第一部材10が接合される第一接合部2cを有する。ガイド部材3は、両端部が筒部材2の筒孔2aから突出し、その両端部のそれぞれに第二部材11の第一片11aまたは第二片11bが接合される第二接合部3cを有する。そして第一片11aと第二片11bとの間に位置する筒部材2が、第一片11aと第二片11bとによってガイド部材3に対して軸方向に外れることが防止される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、第一部材と第二部材の間において、これら第一部材と第二部材を回動可能なアンロック状態と回動不能なロック状態とに切換え可能に連結する継手装置に関する。例えば車両用シートのリクライニング装置に利用される継手装置に関する。
従来、特許文献1に記載の継手装置(リクライニング装置)が知られている。
特許文献1に記載の継手装置は、対向状に配設された二枚の円盤状のハウジングと、二枚のハウジングを離間しないよう保持するリング部材と、二枚のハウジングの間に設けられかつ二枚のハウジングを回動可能なアンロック状態と回動不能なロック状態とに切換えるロック機構を有している。リング部材は、径の大きい方のハウジングの外周部を両側面から挟持するようにかしめた「かしめ部」と、そのかしめ部から軸中心側に張出して径の小さい方のハウジングの外周部一側面を覆うドーナツ円盤状の側縁部を有している。そしてかしめ部と側縁部によって二つのハウジングが軸方向に外れず、小さい方のハウジングが側縁部に対して摺動することで大きい方のハウジングに対し相対的に回動し得る構成になっている。
特開2004−187867号公報
しかしリング部材は、かしめられる「かしめ部」を有しているために、所定の柔軟性が必要であって、熱処理等による強度補強ができなかった。そのため特許文献1に記載の継手装置は、外力に対して強い構成にすることが容易でない構造であった。
そこで本発明は、外力に対して強い継手装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える継手装置であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によると、継手装置は、筒状の筒部材と、その筒部材の筒孔に挿入されるガイド部材と、筒部材とガイド部材とを相対的に軸周り回動可能な状態と回動不能な状態とに切換えるロック機構とを有している。筒部材は、外周部に第一部材が接合される第一接合部を有している。ガイド部材は、筒部材の筒孔から突出した両端部のそれぞれに第二部材の第一片または第二片が接合される第二接合部を有している。そして第一片と第二片との間に位置する筒部材が、第一片と第二片とによってガイド部材に対して軸方向に外れることが防止されている。
したがって筒部材は、第一片と第二片とによって軸方向への移動が規制され、ガイド部材に対して軸方向に外れることが防止される。そしてこれら第一片と第二片は、かしめることなくガイド部材の両端部に接合される。そのため第一片と第二片は、かしめるための柔軟性が不要であって、材料強度の向上を図ることができる。例えば熱処理等を施すことができる。そして第一片と第二片の材料強度を向上させることによって、筒部材をガイド部材に対して軸方向に外れることを強固に防止することができる。かくして継手装置は、外力に対して強い構成、とりわけ軸方向の外力に対して強い構成になる。
また本発明によると、筒部材は、第一片と第二片との間の隙間を小さくすることによってガイド部材に対する軸方向のガタ量を小さくすることもできる。したがってガタを小さくすることで継手装置の操作性を向上させることもできる。
請求項2に記載の発明によると、ロック機構は、筒部材の内周面に形成された内歯と、筒部材とガイド部材の間に配設されかつガイド部材によって径方向にスライド可能に案内支持されるポールと、そのポールの外周面に形成された外歯と、ポールを径方向に進退させることで外歯を内歯に対して係脱可能とする進退部材を有している。
したがって進退部材によってポールを径外方向に進出させ、ポールの外歯を筒部材の内歯に係合させることで、ポールを介して筒部材とガイド部材とをロック状態にすることができる。そしてポールを軸中心側に後退させ、ポールの外歯を筒部材の内歯から離脱させることで、筒部材とガイド部材とをアンロック状態にすることができる。
請求項3に記載の発明によると、進退部材は、ガイド部材に対して軸中心に回動することによってポールを内歯に対して後退させ、内歯に対する外歯の掛止状態を解除する構成になっている。
したがって進退部材を回動させることによって、外歯と内歯との掛止状態が解除され、第一部材と第二部材とがアンロック状態になる。
本発明の実施の形態を図1〜5にしたがって説明する。
本形態は、継手装置の一形態であって、車両シート用のリクライニング装置1である。
リクライニング装置1は、シートバックをシートクッションに対して傾動可能な状態と傾動不能な状態とに切換えるために、図1に示すようにシートバックのフレーム(10又は11)とシートクッションのフレーム(11又は10)との間に設けられる。そしてリクライニング装置1は、これら二つのフレームを回動可能なアンロック状態と回動不能なロック状態とに切換え可能に連結する。
以下、図1などに記載の10を第一部材といい、11を第二部材という。
リクライニング装置1は、図1に示すように、ラチェット2とガイド部材3とロック機構4を有している。そしてラチェット2に第一部材10が接合され、ガイド部材3に第二部材11が接合される。
ラチェット(筒部材)2は、図3に示すように筒状(例えば円筒状)であって外周部(最外周部)に第一接合部2cを有し、第一接合部2cに第一部材10が接合される。
第一接合部2cは、複数の突片2c1を有し、複数の突片2c1は、周方向にほぼ等間隔で設けられている。そして各突片2c1は、ラチェット2の外周面から径方向に突出しかつ軸方向に延伸する構成になっている。
第一部材10は、図3に示すようにラチェット2が挿通され挿通孔を有し、その挿通孔の孔端縁に嵌合部10aを有している。嵌合部10aは、図5に示すようにラチェット2の突片2c1の間に嵌合する複数の突片10a1を有し、第一接合部2cに対して接合する。そして嵌合部10aは、第一接合部2cに接合された状態で、図2に示すように溶接される。そのため第一部材10とラチェット2は、溶接部12を介して一体とされる。
ガイド部材3は、図3に示すように略円筒状に形成されており、図1に示すようにラチェット2の筒孔2aに差し込まれる。
ガイド部材3は、図1,2に示すように両端部3a,3bがラチェット2の筒孔2aから突出し、これらの間に位置する中央部が筒孔2a内に収納される。そしてその中央部に複数(例えば4つ)のガイド孔3fを有している。
ガイド孔3fは、ガイド部材3の外周面と内周面とを径方向に貫通する。そしてガイド孔3fには、ポール41〜44の足部41b〜44bが挿入される。したがってポール41〜44は、ガイド孔3fの孔壁面によって径方向にスライド可能に案内支持される。
ガイド部材3の両端部3a,3bには、図1に示すようにその外周部に第二接合部3c,3dが形成されている。そして一端部3a側の第二接合部3cには、図1,4に示すように第二部材11の第一片11aが接合される。そして他端部3b側の第二接合部3dには、図1に示すように第二部材11の第二片11bが接合される。
第二部材11は、図2に示すように第一片11aと第二片11bを有している。これら第一片11aと第二片11bは、基端部、上端部あるいは下端部などにおいて一体となっており、その一体となった部分から略平行に延出している。
第一片11aと第二片11bは、図3に示すようにそれぞれガイド部材3が挿通される挿通孔を有し、その挿通孔の孔端縁に嵌合部11a1,11b1を有している。嵌合部11a1(11b1)は、図4に示すように複数、例えば四つの凹部と凸部を周方向に交互に有している。そして凹部の底部および凸部の側面に第二接合部3c(3d)が接合される。そして嵌合部11a1,11b1は、図2に示すように第二接合部3c,3dに接合された状態で溶接される。そのため第一片11aと第二片11bは、それぞれ溶接部13を介してガイド部材3と一体とされる。
ラチェット2とガイド部材3の間には、図3に示すようにラチェット2とガイド部材3を相対的に軸周り回動可能な状態と回動不能な状態とに切換えるロック機構4が設けられている。
ロック機構4は、ラチェット2の内周面に形成された内歯2bと、ポール41〜44とカム(進退部材)40とスプリング22とを有している。
ポール41〜44は、図3に示すように外歯41a〜44aと足部41b〜44bを有している。
外歯41a〜44aは、図5に示すようにポール41〜44の外周面に形成されており、ラチェット2の内歯2bに噛合うピッチを有している。
足部41b〜44bは、ポール41〜44の内周面から突出状に形成されており、ガイド孔3fにスライド可能に挿入される。そして足部41b〜44bの先端部は、ガイド孔3fを貫通し、ガイド部材3の軸孔3eに突出する。そのため該先端部は、軸孔3eに挿通されたカム40に対して当接する。したがってポール41〜44は、カム40によって径外方向に押され得る構成になっている。
カム(進退部材)40は、図3に示すように略円筒状であって、外周面に形成されたカム面40aと、一端面から軸方向に突出する力受部40cを有している。
カム面40aは、図5に示すようにカム40をガイド部材3に対して軸周り方向に回動させることでポール41〜44の足部41b〜44bと当接し、ポール41〜44を径外方向に押す状態と、押さない状態とに切換わる。
力受部40cには、スプリング22が取付けられる(図3参照)。スプリング22は、渦巻き状のスパイラルスプリングであって、中心側の端部が力受部40cに掛止される。そして外周側の端部は、ガイド部材3に形成された掛止部3gに掛止される。したがってスプリング22によってカム40が一方向側に付勢され、カム40が定常位置に位置する(図5の位置)。そして定常位置におけるカム40がポール41〜44を径外方向に押し、ポール41〜44の外歯41a〜44aがラチェット2の内歯2bに噛合う。
これによりラチェット2とガイド部材3がポール41〜44を介して軸周り回動不能になる(ロック状態)。そしてシートバックがシートクッションに対して回動不能にロックされる。
カム40の一端部には、図2に示すように解除レバー45が取付けられる。解除レバー45は、シートの横面に配設されており、使用者にて回動操作される。
解除レバー45を回動操作することでカム40がスプリング22に抗して回動する。そしてポール41〜44が軸中心側に後退可能となり、ポール41〜44が軸中心側に後退することで外歯41a〜44aが内歯2bから外れる。
これによりラチェット2とガイド部材3が相対的に軸周り回動可能になる(アンロック状態)。そしてシートバックがシートクッションに対して角度調整可能な状態になる。
以上のようにしてリクライニング装置1が構成されている。
すなわちリクライニング装置1は、図1に示すように筒状のラチェット(筒部材)2と、ラチェット2に挿入されるガイド部材3を有している。ラチェット2は、外周部に第一部材10が接合される第一接合部2cを有している。ガイド部材3は、ラチェット2の筒孔2aから突出した両端部のそれぞれに第二部材11の第一片11aまたは第二片11bが接合される第二接合部3c,3dを有している。そして第一片11aと第二片11bとの間に位置するラチェット2が、第一片11aと第二片11bとによってガイド部材3に対して軸方向に外れることが防止されている。
したがってラチェット2は、第一片11aと第二片11bとによって軸方向への移動が規制され、ガイド部材3に対して軸方向に外れることが防止される(図2参照)。そしてこれら第一片11aと第二片11bは、かしめることなくガイド部材3の両端部に接合される。そのため第一片11aと第二片11bは、かしめるための柔軟性が不要であって、材料強度の向上を図ることができる。例えば熱処理等を施すことができる。そして第一片11aと第二片11bの材料強度を向上させることによって、ラチェット2をガイド部材3に対して軸方向に外れることを強固に防止することができる。かくしてリクライニング装置1は、外力に対して強い構成、とりわけ軸方向の外力に対して強い構成になる。
また本形態によると、ラチェット2は、第一片11aと第二片11bとの間の隙間を小さくすることによってガイド部材3に対する軸方向のガタ量を小さくすることもできる。したがってガタを小さくすることでリクライニング装置1の操作性を向上させることもできる。
またロック機構4は、図3に示すようにラチェット2に形成された内歯2bと、ポール41〜44と、カム(進退部材)40を有している。
したがってカム40によってポール41〜44を径外方向に進出させ、ポール41〜44の外歯41a〜44aをラチェット2の内歯2bに係合させることで、ポール41〜44を介してラチェット2とガイド部材3とをロック状態にすることができる。そしてポール41〜44を軸中心側に後退させ、ポール41〜44の外歯41a〜44aをラチェット2の内歯2bから離脱させることで、ラチェット2とガイド部材3とをアンロック状態にすることができる。
またカム(進退部材)40は、ガイド部材3に対して軸中心に回動することによってポール41〜44を内歯2bに対して後退させ、内歯2bに対する外歯41a〜44aの掛止状態を解除する構成になっている。
したがってカム40を回動させることによって、外歯41a〜44aと内歯2bとの掛止状態が解除され、第一部材10と第二部材11とがアンロック状態になる。
(他の実施の形態)
本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下の形態であってもよい。
(1)例えば上記の実施の形態に係る第一部材10は、ラチェット2に対して一箇所で接合される形態であった。しかし第一部材が第二部材と同様に平行に延出する第一片と第二片とを有し、これら第一片と第二片がそれぞれラチェット(筒部材)の外周部に形成された第一接合部に接合される形態であっても良い。
(2)また実施の形態1,2に係る継手装置は、車両シート用のリクライニング機構に応用される形態であった。しかし第一部材と第二部材との間において、これら第一部材と第二部材を回動可能なアンロック状態と回動不能なロック状態とに切換え可能に連結する継手装置であればどんな分野に利用される形態であっても良い。
リクライニング装置の正面模式図である。 リクライニング装置の正面断面図である。 リクライニング装置の構成部品の斜視図である。 図2のA−A線断面矢視図である。 図2のB−B線断面矢視図である。
符号の説明
1…リクライニング装置(継手装置)
2…ラチェット(筒部材)
2a…筒孔
2b…内歯
2c…第一接合部
2c1…突片
3…ガイド部材
3a,3b…端部
3c,3d…第二接合部
3f…ガイド孔
4…ロック機構
5…抜止部材
6…連結部材
10…第一部材
11…第二部材
11a…第一片
11b…第二片
12,13…溶接部
22…スプリング
40…カム(進退部材)
41〜44…ポール
41a〜44a…外歯

Claims (3)

  1. 第一部材と第二部材の間において、これら第一部材と第二部材を回動可能なアンロック状態と回動不能なロック状態とに切換え可能に連結する継手装置であって、
    筒状の筒部材と、その筒部材の筒孔に挿入されるガイド部材と、前記筒部材と前記ガイド部材とを相対的に軸周り回動可能な状態と回動不能な状態とに切換えるロック機構とを有し、
    前記筒部材は、外周部に前記第一部材が接合される第一接合部を有し、
    前記ガイド部材は、両端部が前記筒部材の筒孔から突出し、その両端部のそれぞれに前記第二部材の第一片または第二片が接合される第二接合部を有し、
    前記第一片と前記第二片との間に位置する前記筒部材が、前記第一片と前記第二片とによって前記ガイド部材に対して軸方向に外れることが防止されていることを特徴とする継手装置。
  2. 請求項1に記載の継手装置であって、
    ロック機構は、筒部材の内周面に形成された内歯と、前記筒部材とガイド部材の間に配設されかつ前記ガイド部材によって径方向にスライド可能に案内支持されるポールと、そのポールの外周面に形成された外歯と、前記ポールを径方向に進退させることで前記外歯を前記内歯に対して係脱可能とする進退部材を有していることを特徴とする継手装置。
  3. 請求項2に記載の継手装置であって、
    進退部材は、ガイド部材に対して軸中心に回動することによってポールを内歯に対して後退させ、内歯に対する外歯の掛止状態を解除する構成になっていることを特徴とする継手装置。

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