JP2010227333A - 車両用シートの連結装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用シートの連結装置と連結対象部材との軸線方向の連結強度を高める。
【解決手段】シートバックとシートクッションとを連結する回転留め可能な回転軸装置として機能する車両用シートの連結装置(リクライニング装置)である。ラチェット10は、シートバックの骨格フレームと連結され、ガイド20は、ラチェット10に対して回転可能に組み付けられて、シートクッションの骨格フレーム(クッションフレーム3f)に連結される。ガイド20とラチェット10との間には、これらの回転留め構造を構成するポール30・・が配設されている。保持部材70は、ラチェット10とガイド20の軸線方向の外れ止めをする。クッションフレーム3fは、ガイド20と半径方向に当接し、かつガイド20と保持部材70とによって軸線方向に挟持された状態でこれらに一体的に接合される。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両用シートの連結装置に関する。詳しくは、連結対象となる二つの対象部材同士を互いに相対回転可能に連結するための車両用シートの連結装置に関する。
従来、車両用シートにおいて、シートバックがリクライニング装置を介してシートクッションと連結されており、その背凭れ角度の調整操作が行えるようになっているものが知られている。ここで、下記特許文献1には、上記したリクライニング装置の具体的な構成が開示されている。この開示では、リクライニング装置は、円筒型形状の第1の連結部材と第2の連結部材とが互いに相対回転可能に支え合った状態となって組み付けられた構成となっている。
そして、リクライニング装置は、第1の連結部材がシートバックの板状の骨格フレームに形成された貫通孔内に嵌め込まれて溶接され、第2の連結部材がシートクッションの板状の骨格フレームに形成された貫通孔内に嵌め込まれて溶着されることにより、これらシートバックとシートクッションとを相対回転可能に軸連結した状態に組み付けられるようになっている。
特開2006−307887号公報
上記開示の従来技術では、リクライニング装置は、シートバックやシートクッションの骨格フレームに軸線方向に嵌め込まれて溶着される構成であるため、これらに対して半径方向には強固に一体的に連結されるが、軸線方向には比較的弱い支持強度で連結される構成となっている。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、車両用シートの連結装置と連結対象部材との軸線方向の連結強度を高めることにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートの連結装置は次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、二つの連結対象部材同士を互いに相対回転可能となるように連結する回転留め可能な回転軸装置を構成する車両用シートの連結装置であり、第1の連結部材と、第2の連結部材と、回転留め構造と、保持部材とを有する。第1の連結部材は、二つの連結対象部材の一方に連結される。第2の連結部材は、第1の連結部材に相対回転可能に組み付けられ、二つの連結対象部材の他方に連結される。回転留め構造は、第2の連結部材と第1の連結部材との間に配設され、これら両連結部材間の相対回転を留める機能をする。保持部材は、両連結部材間の軸線方向の外れ止めをする。少なくとも一方の連結対象部材は、その連結される連結部材と半径方向に当接し、かつこの連結部材と保持部材とによって軸線方向に挟持された状態でこれらに一体的に接合されている。
この第1の発明によれば、少なくとも一方の連結対象部材は、その連結される連結部材に対して、半径方向に当接し、かつこの連結部材と保持部材とによって軸線方向に挟持された状態でこれらに一体的に接合される。このように、連結対象部材を連結部材と保持部材とによって軸線方向に挟持した状態にしてこれらと一体的に接合する構成としたことにより、車両用シートの連結装置と連結対象部材との軸線方向の連結強度を高めることができる。
次に、第2の発明は、上述した第1の発明において、軸線方向の挟持構造は、前記連結部材の軸線方向の端部箇所に前記連結対象部材を軸線方向と半径方向とに当接させた状態となるように受け入れる凹部が形成され、該凹部に受け入れられた連結対象部材を前記連結部材と前記保持部材とによって軸線方向に挟持する構成となっている。
この第2の発明によれば、連結部材の軸線方向の端部箇所に、連結対象部材を受け入れ可能な凹部を形成して、この凹部に受け入れた連結対象部材を連結部材と保持部材とによって軸線方向に挟持する構成としたことにより、車両用シートの連結装置の大型化を招くことなく、連結対象部材の軸線方向の挟持構造を構成することができる。
次に、第3の発明は、上述した第1の発明において、軸線方向に挟持される少なくとも一方の連結対象部材は、周方向の半周以上の領域が開口した形状に形成されており、この開口部から連結部材を半径方向に差し込むことにより、この連結部材と保持部材とによって軸線方向に挟持される構成となっている。
この第3の発明によれば、軸線方向に挟持される少なくとも一方の連結対象部材は、周方向の半周以上の領域が開口して形成されていることにより、この開口部から連結部材を半径方向に差し込みやすくなっている。したがって、連結部材の連結を容易に行うことができる。
実施例1のリクライニング装置の構成を表した分解斜視図である。 車両用シートの概略構成を表した斜視図である。 シートバックのロックゾーンとフリーゾーンの回転領域を表した側面図である。 ガイドをクッションフレームに接合した状態を表した組み図である。 図4のV-V線断面図である。 リクライニング装置のロック状態及びロックゾーンの回転領域を表した図5のVI-VI線断面図である。 リクライニング装置のアンロック状態を表した断面図である。 リクライニング装置のフリーゾーンの回転領域を表した断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シートの連結装置の構成について、図1〜図8を用いて説明する。本実施例の車両用シートの連結装置は、図2に示されるように、右ハンドル車の助手席用シートとして配設された車両用シート1に採用されており、背凭れとなるシートバック2を着座部となるシートクッション3に対して背凭れ角度調整可能に連結するリクライニング装置4,4として構成されている。
詳しくは、リクライニング装置4,4は、車両用シート1の両サイド部に配設されており、シートバック2の左右両サイドの下端部とシートクッション3の左右両サイドの後端部とをそれぞれ同軸回りに回転可能となるように連結する回転留め可能な回転軸装置として構成されている。これにより、シートバック2は、各リクライニング装置4,4の作動状態を切換えることによって、シートクッション3に対する背凭れ角度が固定された状態と、背凭れ角度が調整可能な状態とに切換えられるようになっている。
上記した各リクライニング装置4,4は、それぞれ、常時は附勢によってシートバック2の背凭れ角度を固定した状態(ロック状態)に保持されている。そして、各リクライニング装置4,4は、シートクッション3の図示向かって右側(着座乗員から見て左側)の側部に設けられた操作レバー5を引き上げる操作によって、それらのロック状態が一斉に解除操作されるようになっている。また、各リクライニング装置4,4は、上記した操作レバー5の引き上げ操作をやめることにより、附勢によって、再びロックした作動状態に戻されるようになっている。
詳しくは、上記した各リクライニング装置4,4には、それらの中心部に、各リクライニング装置4,4のロック・アンロックの切換え操作を行うための操作軸4c,4cが挿通されている。これら操作軸4c,4cは、互いの間に設けられたロッド4rによって互いに一体的となって連結されており、図示右方側の操作軸4cが操作レバー5の引き上げ操作によって軸回転操作されることにより、互いが一体的となって軸回転操作されるようになっている。
ここで、各リクライニング装置4,4は、常時は附勢によってロックした作動状態に保持されている。そして、各リクライニング装置4,4は、上述した操作レバー5の引き上げ操作によって、各操作軸4c,4cが一斉に軸回転操作されることにより、それらのロック状態が一斉に解除操作されるようになっている。そしてこれにより、シートバック2の背凭れ角度の固定状態が解かれるため、シートバック2が背凭れ角度の調整操作を行うことのできる状態となる。
そして、シートバック2の背凭れ角度を所望の角度位置に調整し、操作レバー5の解除操作をやめることにより、各リクライニング装置4,4が附勢によって再びロック状態に戻されて、シートバック2がその調整された背凭れ角度位置にて固定される。ここで、シートバック2は、常時は、シートクッション3との間に掛着された図示しない附勢バネの附勢力によって、前倒れする回転方向に附勢されている。
これにより、シートバック2は、上述したように各リクライニング装置4,4のロック状態が解除されることにより、附勢によって前倒れ回転して、シートクッション3の上面部に畳み込まれるようになっている。ここで、上記した各リクライニング装置4,4は、通常、シートバック2が背凭れとして使用される回転角度領域にある時には、操作レバー5の解除操作をやめることによって、附勢によってロックした作動状態に戻されるようになっている。
しかし、各リクライニング装置4,4の回転角度領域には、図3に示されるように、上記した操作レバー5の解除操作をやめることで、附勢によってロック状態に戻されるロックゾーンLOの角度領域と、解除操作をやめてもロック状態には戻されないフリーゾーンFRの角度領域とが設定されている。前者のロックゾーンLOは、通常、シートバック2が背凭れとして使用される回転角度領域、具体的には、シートバック2が直立姿勢となる角度位置と後倒し姿勢となる角度位置との間の領域に設定されている。
そして、後者のフリーゾーンFRは、シートバック2が背凭れとして使用されることのない前倒れの回転角度領域、具体的には、シートバック2が上記した直立姿勢となる角度位置と前倒れ姿勢となる角度位置との間の領域に設定されている。これにより、シートバック2を前倒しする操作時には、各リクライニング装置4,4のロック状態を解除して、シートバック2が直立姿勢から少しでも前に傾けば、あとは解除操作をやめてしまっても、シートバック2はシートクッション3の上面部に畳み込まれる位置まで自然と前倒しされていくようになっている。
以下、上記した各リクライニング装置4,4の構成について詳しく説明する。なお、各リクライニング装置4,4は、互いに左右対称の構成となっており、実質的に同じ構成となっている。したがって、以下ではこれらを代表して、図2の紙面向かって右側に示されているアウター側のリクライニング装置4の構成についてのみ説明することとする。
ここで、図1には、リクライニング装置4の分解斜視図が示されている。このリクライニング装置4は、ラチェット10と、ガイド20と、三個のポール30・・(・・は複数を表す。)と、回転カム40と、ヒンジカム50と、渦巻きバネ60と、保持部材70とを有し、これらが一つに組み付けられて構成されている。先に、これらの概略構成について簡単に説明すると、ラチェット10は、図5に示されるように、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2fに一体的に連結される連結部材として構成されている。
このラチェット10は、ガイド20に対して軸線方向に組み付けられることにより、ガイド20に対して互いに回転可能に支え合った状態となって組み付けられるようになっている。また、ガイド20は、図4に示されるように、シートクッション3の骨格を成すクッションフレーム3fに一体的に連結される連結部材として構成されている。ここで、ラチェット10が本発明の第1の連結部材に相当し、ガイド20が本発明の第2の連結部材に相当し、クッションフレーム3fが本発明の一方側の連結対象部材に相当し、前述したバックフレーム2fが本発明の他方側の連結対象部材に相当する。
また、図1に戻って、各ポール30・・は、ガイド20に対して軸線方向に組み付けられることにより、ガイド20によって円周方向に支えられた状態として、それぞれ半径方向の内外方にのみ移動可能となるように支持されるようになっている。これらポール30・・は、図6に示されるように、回転カム40によって半径方向の外方側に押し動かされることにより、それらの外周歯面30a・・を、ラチェット10の内周歯面12aに噛合させて、ラチェット10のガイド20に対する相対回転をロックする回転留め構造を構成する機能部品となっている。
また、図5に示されるように、保持部材70は、上述したラチェット10とガイド20の軸線方向の外れ止めをする機能部品となっている。以下、上述した各構成部品の詳細について説明する。
すなわち、ラチェット10は、円盤型形状に形成されており、その円盤部11の外周縁部に、ガイド20への組み付け方向となる軸線方向(板厚方向)側に円筒形状に突出する円筒部12が形成されている。この円筒部12は、円盤部11の外周縁部が板厚方向に半抜き加工されることによって形成されている。そして、この円筒部12の内周面には、後述する各ポール30・・の外周歯面30a・・と噛合する内歯の形成された内周歯面12aと、この内周歯面12aよりも半径方向の内方側に突出した、内歯のない滑らかに湾曲した乗り上げ面12bとが形成されている。
上記した乗り上げ面12bは、図6に示されるように、いずれのポール30・・とも干渉しない円周方向位置に配置されている時には、各ポール30・・がラチェット10の内周歯面12aと噛合する半径方向外方側への噛合移動を許容する。したがって、この乗り上げ面12bとポール30・・との干渉が起こらない円周方向の回転角度領域が、各ポール30・・とラチェット10の内周歯面12aとの噛合が許容されるロックゾーンLOとして設定される。
このロックゾーンLOは、乗り上げ面12bが、各ポール30・・間の円周方向の配置間寸法が最も広く設定されている図示左側のポール30と右側のポール30との間の上方側の周方向領域内に位置する領域に設定されている。これにより、乗り上げ面12bが図示左側のポール30と下側のポール30との間や、図示下側のポール30と右側のポール30との間の配置間寸法の狭い領域に入ってロック状態をとるようになっている構成と比べて、ロックゾーンLOが広く設定されている。
そして、上記した乗り上げ面12bは、図8に示されるように、上記したロックゾーンLOの領域内から、いずれかのポール30(本実施例ではポール溝24cにセットされた図示右側のポール30)の移動先となる周方向領域内に入り込むことにより、同ポール30が半径方向の外方側に向かって移動する動きを、同ポール30を乗り上げさせて食い止められる状態となる。これにより、詳細は後述するが、各ポール30・・を半径方向の外方側に押し出し操作する回転カム40の回転動作も留められて、他の二つのポール30,30の半径方向外方側への噛合移動も阻止された状態となる。
この状態では、乗り上げ面12bに乗り上げたポール30は、単に、内歯のない乗り上げ面12bに押し当てられているにすぎない状態であるため、リクライニング装置4は、ラチェット10がガイド20に対して回転移動することのできる状態、すなわちアンロック状態を維持する。したがって、上記したいずれかのポール30が乗り上げ面12bに乗り上げる円周方向の回転角度領域が、各ポール30・・とラチェット10の内周歯面12aとの噛合が阻止されて、リクライニング装置4がアンロック状態に保たれるフリーゾーンFRとして設定される。
ここで、上記したラチェット10は、図5に示されるように、その円盤部11の外盤面が、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2fの板面と接合されることによって、シートバック2と一体的に連結されている。詳しくは、上記したラチェット10の円盤部11には、その外盤面から円弧型状に突出する四個のダボ13・・が形成されている。これらダボ13・・は、図1に示されるように、円盤部11の比較的外周縁側に近い位置に、互いに円周方向に等間隔に並んで配置形成されている。
一方、図5に示されるように、バックフレーム2fには、上述したダボ13・・を嵌合させることのできるダボ孔2a・・が板厚方向に貫通して形成されている。したがって、これらダボ13・・を、バックフレーム2fに形成されたダボ孔2a・・にそれぞれ嵌合させて、これら嵌合部を溶接して接合することにより、ラチェット10がバックフレーム2fに対して強固に一体的に連結されている。
ここで、ラチェット10の円盤部11の中心部には、前述したリクライニング装置4のロック解除の切換え操作を行う操作軸4c(図2参照)を挿通するための貫通孔14が貫通形成されている。そして、バックフレーム2fにも、この貫通孔14と同軸線上の位置に、同じ目的を持つ貫通孔2cが板厚方向に貫通して形成されている。
次に、図1に戻って、ガイド20の構成について説明する。このガイド20は、ラチェット10よりもひとまわり大きな外径を有した円盤型形状に形成されており、その円盤部21の外周縁部に、ラチェット10への組み付け方向となる軸線方向(板厚方向)側に円筒形状に突出する円筒部22が形成されている。この円筒部22は、円盤部21の外周縁部が板厚方向に半抜き加工されることによって形成されている。
この円筒部22は、図5に示されるように、ラチェット10の円筒部12よりもひとまわり大きな円筒型形状に形成されており、その円筒内部にラチェット10の円筒部12を嵌め込むことにより、円筒部12と互いに内外に嵌合し合った状態となって、互いに相対回転可能に支え合った状態となって組み付けられるようになっている。上記したガイド20は、図4に示されるように、その円筒部22の外周面部が、シートクッション3の骨格を成すクッションフレーム3fの受け皿状に形成された上面部に嵌め込まれて接合されることにより、シートクッション3と一体的に連結されている。
詳しくは、図1に示されるように、ガイド20の円筒部22の外周面部には、そのラチェット10への組み付け方向となる軸線方向(板厚方向)側の端部箇所に、半径方向の内方側に凹んだ凹部22aが全周にわたって形成されている。一方、クッションフレーム3fは、その上面部が、ガイド20の円筒部22を半径方向に受け入れて外周面部を嵌合させることのできる円弧状に湾曲した受け皿形状に形成されている。
詳しくは、クッションフレーム3fの上面部は、半周以下の円弧の形に形成されており、ガイド20を半径方向に受け入れるための開口部が上方側に広く開口した形状とされている。これにより、ガイド20をクッションフレーム3fに対して半径方向に容易に組み付けられるようになっている。ここで、上記したクッションフレーム3fの受け皿状に湾曲した上面部には、ガイド20の外周面部に形成された凹部22aと嵌合する凸部3aが、湾曲面の全周にわたって形成されている。
この凸部3aは、ガイド20がクッションフレーム3fの上面部に半径方向に組み付けられることにより、図5に示されるように、ガイド20の凹部22aと嵌合した状態となって組み付けられる。これにより、ガイド20は、その円筒部22の外周面がクッションフレーム3fの上面部に当接すると共に、その凹部22aの軸線方向に面を向けた内側面と、後述する保持部材70の第2座面部72とによって、クッションフレーム3fの凸部3aを軸線方向に挟持した状態となって組み付けられる。
これにより、クッションフレーム3fは、リクライニング装置4に対して、半径方向に当接し、かつ軸線方向の双方向に当接して軸線方向に一体的とされた状態となって組み付けられる。そして、このように軸線方向に並んで組み付けられた凹部22aと凸部3aと保持部材70の第2座面部72とが、軸線方向へのレーザー溶接によって溶着されることにより、ガイド20とクッションフレーム3fと保持部材70とが互いに強固に一体的に接合された状態となって組み付けられる。なお、ガイド20と保持部材70との間にクッションフレーム3fが挟み込まれていない円周方向の領域部分については、保持部材70は、第2座面部72がガイド20の円筒部22に溶接等の接合手段によって接合されることにより、ガイド20と一体的に結合されている。
ところで、図1に戻って、上記したガイド20の円盤部21には、その内盤面に、後述する各ポール30・・を収容するためのポール溝24a〜24cと、回転カム40を収容するための回転カム溝24dとが凹み形成されている。これらポール溝24a〜24cや回転カム溝24dは、円盤部21が板厚方向に半抜き加工されることによって凹み形成されている。詳しくは、回転カム溝24dは、円盤部21の中心部に凹み形成されており、各ポール溝24a〜24cは、回転カム溝24dと面一状に半径方向の外方側にそれぞれ延び出すかたちに形成されている。
上記した各ポール溝24a〜24cは、それぞれ、各ポール30・・を軸線方向にセットすることにより、それらの両側部に立壁状に並ぶ各立壁部23a〜23cによって、各ポール30・・をそれぞれ円周方向に支持するようになっている。これにより、各ポール溝24a〜24cにセットされた各ポール30・・は、ガイド20に対して、半径方向の内外方にのみそれぞれ移動可能となるように移動方向が拘束された状態となって組み付けられるようになっている。
ここで、図6に示されるように、上記した各ポール溝24a〜24cは、その図示左方側のポール溝24aと図示下方側のポール溝24bと図示右方側のポール溝24cとの間がそれぞれ90度ずつ離間して配置されており、図示右方側のポール溝24cと図示左方側のポール溝24aとの間が180度離間して配置されている。これに伴って、上記した180度離間して配置された図示左方側のポール30と図示右方側のポール30を円周方向に支持する図示上方側の立壁部23cが、他の二つの立壁部23a,23bと比べて、円周方向に長尺な形状に形成されている。
そして、この立壁部23cの内周面には、後述する回転カム40の外周面部に形成された押付け部44を面当接させることのできる湾曲した受け面caが形成されている。次いで、図1に戻って、ガイド20の円盤部21には、その外盤面上の位置に、ピン形状に突出したバネ掛部26が形成されている。このバネ掛部26は、後述する渦巻きバネ60の外端62を掛着させるための機能部品となっている。
次に、上述した三個の各ポール30・・の構成について説明する。これらポール30・・は、前述したガイド20に形成された各ポール溝24a〜24cの内部にセットされることにより、各ポール溝24a〜24cの形状に沿ってそれぞれ半径方向の内外方にのみ移動可能となるように支持されるようになっている。詳しくは、各ポール30・・は、各ポール溝24a〜24c内にセットされることにより、これらポール溝24a〜24cの両側部に立壁となって設けられる各立壁部23a〜23cによって、それぞれ両側部が当てがわれて円周方向に支えられるようになっている。
ところで、各ポール30・・は、それらの半径方向外方側の外周面が、前述したラチェット10の内周歯面12aと噛合することのできる外歯を有した湾曲した外周歯面30a・・として形成されている。これにより、各ポール30・・は、図6に示されるように、後述する回転カム40によって半径方向の内方側から外方側に押し出されることで、それらの外周歯面30a・・がラチェット10の内周歯面12aに押し付けられて噛合するようになっている。
そして、この噛合により、各ポール30・・は、回転カム40によって内側から押圧される力によって、ラチェット10の内周歯面12aに押し付けられて噛合した状態に保持されて、ラチェット10に対して回転方向(円周方向)にも径方向にも一体的とされた状態に保持される。しかし、各ポール30・・は、ガイド20との関係においては、それらの両側部に当てがわれた各立壁部23a〜23cの支えによって、半径方向の内外方にしかスライドすることができないようになっている。
これにより、ラチェット10は、上記した噛合状態となった各ポール30・・を介して、ガイド20に対する回転移動がロックされた状態となり、リクライニング装置4が回転ロックされた状態となる。このリクライニング装置4の回転ロック状態は、回転カム40が図6の状態から図7の状態に向けて図示時計回り方向に回転操作されて、各ポール30・・が半径方向の内方側に引き込まれてラチェット10との噛合状態から外されることによって解除されるようになっている。
ここで、上述した各ポール30・・を回転カム40の回転操作によって半径方向の外方側に押し出したり、内方側に引き込んだりする操作は、回転カム40の外周縁部に形成された肩部42・・や腕部43・・によって行われるようになっている。具体的には、肩部42・・は、回転カム40の外周面部から半径方向外方側に部分的に突出して形成されており、各腕部43・・は、回転カム40の外周縁部からそれぞれ腕を図6の図示時計回り方向に外方側に延ばし出す形に形成されている。
これら肩部42・・や腕部43・・は、回転カム40が図7の状態から図6の状態に向けて図示反時計回り方向に回転操作される動きによって、各ポール30・・の脚部32・・をそれぞれ半径方向の内方側から外方側に押し出すようになっている。ここで、各腕部43・・は、回転カム40が図6の状態から図7の状態に向けて図示時計回り方向に回転操作される時には、各ポール30・・の内周部の凹み内に形成された引掛部31・・に引掛けられて、各ポール30・・をそれぞれ半径方向の内方側に引き込み操作するようになっている。
ところで、図6に示したように、各ポール30・・が回転カム40によってラチェット10の内周歯面12aと噛合する方向に押し付けられることにより、回転カム40にはその反力がかけられる。この反力は、各ポール30・・が円周方向に不均衡に配置されていることにより、回転カム40を図示上方側に押圧する力として作用する。しかし、この反力は、回転カム40の図示上方側の外周縁部に形成された押付け部44が、ガイド20に形成された立壁部23cの受け面caによって受け止められることによって支えられるようになっている。
これにより、各ポール30・・の不均衡な配置設定によって回転カム40に偏った方向にかかる反力が受け止められて、回転カム40にかかる反力が力の釣り合いのとれた状態となる。したがって、回転カム40によって各ポール30・・を安定した力でラチェット10の内周歯面12aに押し付けることができるため、リクライニング装置4を高いロック強度でもってロックさせることができる。
次に、図1に戻って、ヒンジカム50の構成について説明する。このヒンジカム50は、前述したガイド20の中心部に貫通形成された貫通孔25内に嵌め込まれることで、ガイド20に対して回転可能に軸支持されており、更に、回転カム40の中心部に貫通形成されたカム孔41内にも挿通されることで、その軸回転移動に伴って回転カム40を回転操作することができるように組み付けられるようになっている。
具体的には、ヒンジカム50には、上述した回転カム40のカム孔41への挿通に伴って、その一部に凹み形成されたキー孔41a内に嵌め込まれる操作突起52が突出して形成されている。これにより、ヒンジカム50は、その軸回転移動に伴って、操作突起52によってキー孔41aの内周面を押圧して、回転カム40をその回転操作された方向に押し回せるようになっている。
このヒンジカム50は、上述したガイド20の貫通孔25内に差し込まれることにより、その先に、角筒形状のバネ掛部51が露呈して、このバネ掛部51に渦巻きバネ60の内端61が掛着されるようになっている。この渦巻きバネ60は、前述もしたように、その外端62がガイド20のバネ掛部26に掛着されて設けられ、常時、ヒンジカム50を図1では向かって時計回り方向、図6では向かって反時計回り方向に回転附勢するようになっている。
これにより、ヒンジカム50は、図6に示されるように、常時は回転カム40を図示反時計回り方向に回転操作して、各ポール30・・をラチェット10の内周歯面12aに噛合ロックさせた状態に保持するようになっている。ここで、ヒンジカム50には、図2において前述した操作レバー5に連結された操作軸4cが軸線方向に挿通されて一体的に軸連結されている。
これにより、ヒンジカム50は、図7に示されるように、操作レバー5(図2参照)が引き上げ操作されることによって、図示時計回り方向に軸回転操作されて、回転カム40を同方向に押し回して、各ポール30・・の噛合ロック状態を解除するようになっている。
次に、図1に戻って、保持部材70について説明する。この保持部材70は、薄い鋼板がリング状に打ち抜かれると共に、軸線方向に半抜き加工されることにより、その内周部と外周部とに、軸線方向に面を向けたフランジ状の第1座面部71と第2座面部72とが形成された段付きの円板型形状に形成されている。この保持部材70は、第2座面部72の形成された図示左端側の開口内にラチェット10を収容するように組み付けられることにより、図5に示されるように、第2座面部72がガイド20の円筒部22の内盤面に当てがわれ、第1座面部71がラチェット10の円筒部12の外盤面に当てがわれた状態となって組み付けられる。
そして、この状態で、保持部材70の第2座面部72がガイド20の円筒部22或いはクッションフレーム3fに溶接等の接合手段によって接合されることにより、保持部材70がガイド20と一体的に結合される。これにより、保持部材70の第1座面部71によって、ラチェット10がガイド20に対して軸線方向に外れ止めされた状態となって保持される。
このように、本実施例の車両用シートの連結装置(リクライニング装置4)によれば、クッションフレーム3fがガイド20に対して半径方向に当接し、かつガイド20と保持部材70とによって軸線方向に挟持された状態でこれらに一体的に接合される構成となっていることにより、クッションフレーム3fが単にガイド20に対して半径方向に当てがわれて接合されるようになっている構成と比べると、リクライニング装置4のクッションフレーム3fに対する軸線方向の連結強度を高めることができる。また、ガイド20の軸線方向の端部箇所に、クッションフレーム3fを受け入れ可能な凹部22aを形成して、この凹部22aに受け入れたクッションフレーム3fをガイド20と保持部材70とによって軸線方向に挟持する構成としたことにより、リクライニング装置4の大型化を招くことなく、クッションフレーム3fの軸線方向の挟持構造を構成することができる。
以上、本発明の実施形態を一つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。例えば、上記実施例では、本発明の車両用シートの連結装置を、シートバック2をシートクッション3に対して背凭れ角度調整可能に連結するリクライニング装置4として適用したものを示した。しかし、この連結装置は、傾動式シートバックを車体フロアに対して連結する用途にも適用することができる。
また、連結装置を、シート本体を車体フロアに対して旋回方向に回転させられるように連結する用途にも適用することができる。また、連結装置を、着座者の下腿部を下方側から持ち上げて支持するいわゆるオットマン装置をシートクッションや車体フロアに対して傾動回転可能に連結する用途にも適用することができる。
また、上記実施例で示したラチェット10やガイド20は、どちらをシートバック2側の部材(他方の連結対象部材)に連結しても、シートクッション3やフロア等の固定側の部材(一方の連結対象部材)に連結しても構わない。また、ポール30・・(ロック部材)のロック・アンロックの作動が、半径方向への真っ直ぐなスライド運動によって行われるようになっているものを例示したが、円周方向への移動を伴って行われるような他の運動形態で動作する構成のものであってもよい。
また、ラチェット10とガイド20との間に配設されるポール30の個数は、いくつであっても構わない。なお、ポールが一個或いは二個配設されるタイプの場合には、上記実施例で示した回転カム40に代えて、特開2002−360368号公報に開示されているようなスライド移動タイプのカムを適用することもできる。また、上記実施例では、回転カム40の腕部43・・によって、直接、各ポール30・・を半径方向の内方側に引き込む構成となっているものを示したが、特開2005−312891号公報に開示されているように、回転カム40に各ポールと係合して回転カム40の回転運動に伴って各ポールを半径方向の内方側に引き込むことのできる作動プレートを装着した構成としたものであってもよい。
また、連結装置として、ラチェット10の内周歯面12aに各ポール30・・の外周歯面30a・・を噛合ロックさせて回転留めを行うロック解除操作タイプのリクライニング装置4を例示したが、特開2008−18055公報に開示されているように、外歯車を有する外歯部材(一方の連結部材)が内歯車を有する内歯部材(他方の連結部材)の内周歯面上を噛合位置を変えながら回転(公転)運動し、両歯車を互いに噛合させる方向に押さえ付ける操作力によって両歯車の回転留めを行ういわゆる無段階式のリクライニング装置にも本発明の構成を適用することができる。
また、上記各実施例で示したラチェット10やガイド20は、どちらも円盤型形状に形成されたものであったが、例えばこれらの円盤形状から径方向や軸線方向に延び出した延長部分が、シートバックやシートクッションのフレーム部材(対象部材)と連結されるような延長部を有した形状に形成されたものであってもよい。
また、連結部材(ガイド20)に凹部を形成して、この凹部内に一方の連結対象部材(クッションフレーム3f)を嵌め込むことで、連結部材を、連結対象部材に対して、軸線方向と半径方向とにそれぞれ当接させるようにした構成を例示したが、連結部材に、半径方向外方側に延出するアーム形状部を形成し、このアーム形状部によって連結部材を連結対象部材に対して軸線方向に当接させる構成を担保させてもよい。但し、この場合には、アーム形状部の張り出しによって連結部材の外径が大きくなるため、車両用シートの連結装置(リクライニング装置4)が大型化してしまうことに留意が必要である。
1 車両用シート
2 シートバック
2f バックフレーム(他方の連結対象部材)
2a ダボ孔
2c 貫通孔
3 シートクッション
3f クッションフレーム(一方の連結対象部材)
3a 凸部
4 リクライニング装置(車両用シートの連結装置)
4c 操作軸
4r ロッド
5 操作レバー
10 ラチェット(第1の連結部材)
11 円盤部
12 円筒部
12a 内周歯面
12b 乗り上げ面
13 ダボ
14 貫通孔
20 ガイド(第2の連結部材)
21 円盤部
22 円筒部
22a 凹部
23a〜23c 立壁部
ca 受け面
24a〜24c ポール溝
24d 回転カム溝
25 貫通孔
26 バネ掛部
30 ポール
30a 外周歯面
31 引掛部
32 脚部
40 回転カム
41 カム孔
41a キー孔
42 肩部
43 腕部
44 押付け部
50 ヒンジカム
51 バネ掛部
52 操作突起
60 渦巻きバネ
61 内端
62 外端
70 保持部材
71 第1座面部
72 第2座面部
LO ロックゾーン
FR フリーゾーン

Claims (3)

  1. 二つの連結対象部材同士を互いに相対回転可能となるように連結する回転留め可能な回転軸装置を構成する車両用シートの連結装置であって、
    前記二つの連結対象部材の一方に連結される第1の連結部材と、
    該第1の連結部材に相対回転可能に組み付けられ、前記二つの連結対象部材の他方に連結される第2の連結部材と、
    該第2の連結部材と前記第1の連結部材との間に配設され、これら両連結部材間の相対回転を留める機能をする回転留め構造と、
    前記両連結部材間の軸線方向の外れ止めをする保持部材と、を有し、
    前記少なくとも一方の連結対象部材はその連結される連結部材と半径方向に当接し、かつ該連結部材と前記保持部材とによって軸線方向に挟持された状態でこれらに一体的に接合されていることを特徴とする車両用シートの連結装置。
  2. 請求項1に記載の車両用シートの連結装置であって、
    前記軸線方向の挟持構造は、前記連結部材の軸線方向の端部箇所に前記連結対象部材を軸線方向と半径方向とに当接させた状態となるように受け入れる凹部が形成され、該凹部に受け入れられた連結対象部材を前記連結部材と前記保持部材とによって軸線方向に挟持する構成となっていることを特徴とする車両用シートの連結装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用シートの連結装置であって、
    前記軸線方向に挟持される少なくとも一方の連結対象部材は、周方向の半周以上の領域が開口した形状に形成されており、該開口部から前記連結部材を半径方向に差し込むことにより該連結部材と前記保持部材とによって軸線方向に挟持される構成となっていることを特徴とする車両用シートの連結装置。
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